ブログを書くということ:言葉を紡ぐことは世界の認識を記号化し共有するプロセス2020年10月10日 02:35

ブログを書くということ:言葉を紡ぐことは世界の認識を記号化し共有するプロセス
ブログを書くということ:言葉を紡ぐことは世界の認識を記号化し共有するプロセス


ネットに与太ブログを垂れ流し続ける行為は、誰のためでもない、浮沈子自身のためだ。

薄れゆく記憶の中で、その日その時々に感じ考えたことを書きとどめ、後に読み返すことができるようにする。

ネットに上げているのは、様々なデバイスで編集できること、ネット上のリンク先資源を使えること、そして、少しは役に立つことがあるかも知れないという期待もある。

言葉を紡ぐことは、感じ考えたままのイメージを、ある程度咀嚼しなければならない。

脳が処理する膨大な信号の大部分(腹が減ったとか耳の後ろが痒いとか)を捨て去り、主に脳の中でグリグリした抽象的な概念を日本語に翻訳し、指の先からキーボードに放つ行為だ。

浮沈子は、日本語があまり得意ではないので、慣用句の間違いとか、同音異義語に気付かずにそのままにするなどというのは日常茶飯事。

それは、たぶん、死ぬまで直らないだろう。

言葉遣いが汚かったり、意味不明の合いの手を書き散らすのも直るまい(そんなあ!)。

まあいい。

浮沈子にとってブログを書くことは、生きることと同義だ。

生きているから書くことができるし、書くことを求めて生きることができる。

日々の何気ないニュース、気になるネット上の記事、移りゆく季節の姿を言葉にする。

それは、誰も気に留めないような、些細なことかも知れないが、浮沈子にとって、自分の人生の時間を費やすに値することなわけだ。

そして、今日の話題は、例によってチェコのホームページのネタ。

(クルードラゴンのテストミッションでは、ヒートシールドを変更する必要があるなど、いくつかの欠点が明らかになりました。)
https://www.elonx.cz/testovaci-mise-crew-dragonu-odhalila-nekolik-nedostatku-napriklad-musel-byt-upraven-tepelny-stit/

「登山訓練終了後の乗組員1名(写真:NASA)」

記事中程にある写真に添えられたキャプション。

浮沈子は、この施設がジョンソンスペースセンター(JSC)の一角にある中性浮力研究所(NBL)であることを知っている。

(中性浮力研究所)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/06/30/8607260

3年前の記事だが、あんま変わってない感じだ。

船外活動(EVA)のトレーニングのために使用される訓練施設。

我が国の施設が、東日本大震災の影響で撤去されたのは残念な話だ。

画像の中で、サポートダイバーが使っている器材が気になったりするが(もう、てんでバラバラ)、そこは本題ではないので割愛する。

記事の内容は、デモ2で明らかになったクルードラゴンの改良点、追加の改良がメインだ。

・カプセルの底部の耐熱材(ヒートシールド)の強化(スペースXの独自材料)
・カプセルのアウターパネルの強化(詳細不明)
・パラシュート展開高度の測定システムの改良(GPS信号による精度向上)
・耐久性に問題があると既に分かっていたソーラーパネルの改良
・ISSハーモニーモジュール天頂(ゼニス)の接続ポイントに自動接続できるソフトウェアの改良

ざっとこんなところか。

クルー1では、デモ2の機体C206を再使用して使うわけではなく、別の機体になる。

新しい機体(レジリエンス:シリアル番号C207)には、初めから上記の改良が施されているということだ。

クルー2は、デモ2で使用されたC206エンデバーを再使用する。

「・2020年10月31日:クルー-1:
新しいC207レジリエンス
乗組員:マイクホプキンス、ビクターグローバー、野口宗一、シャノンウォーカー」

「・2020年11月15日:CRS-21:
最初の貨物ドラゴン2
新しい船C208(数はまだ確認されていません)」

「・2021年3月12日:CRS- 22:
不明な貨物ドラゴン2」

「・2021年4月:クルー-2:
すでに使用された船C206エンデバー
乗組員:シェーン・キンブロー、トーマス・ペスケ、ミーガン・マッカーサー、星出明彦」

「・2021年5月10日:CRS-23:
不明な貨物ドラゴン2」

「・2021年9月:クルー-3:
おそらく新しいクルードラゴン
クルーの構成はまだ決定されていません」

「・2021年10月2日:CRS-24:
不明な貨物ドラゴン2」

カーゴドラゴン2は、初めから再使用が予定されている。

緊急離脱試験用の宇宙船は、デモ2で使用されるはずだった機体だ。

(スペースXドラゴン2)
https://en.wikipedia.org/wiki/SpaceX_Dragon_2

「このテストは以前、デモ1のカプセルC201を使用するように計画されていましたが、2019年4月20日の静的火災テスト中に爆発でC201が破壊されました。デモ2用に当初計画されたカプセルC205がインに使用されました。」

クルー3がC205を使うことになるのか、新たに作成されているというC208を使うのかは未定のようだな。

カーゴドラゴン2に関する情報もある。

「計画された供給ミッションCRS-21以降、SpaceXは有人クルードラゴンの一種のトリミングバージョンである新しい貨物ドラゴン2を使用します。」

「クルードラゴンとの最大の違いは、SuperDracoエスケープエンジンがないことですが、特にキャビンでは、人ではなく貨物を輸送するようになっているため、確かに多くの違いがあります。」

「CRS-21ミッションは11月15日に予定」

打上げは、クルードラゴンと同じLCー39Aから。

ははあ、クルードラゴンがハーモニーの前方にドッキングしていて、その隣のゼニスにクルードラゴンが後からドッキングするわけだ。

見ものだな。

「2台のSpaceX船が同時にISSに接続されるのはこれが初めてです。」

自動ドッキングシステムが、ちゃんと機能することを祈るばかりだ。

もちろん、ロシア側モジュールには、10月にソユーズが現在のISSクルーの交代のためにドッキングする(ロシア側モジュールには、現在プログレス2機も接続中:たぶん1機(プログレス75)はもうすぐ離脱?)。

今現在、シグナスがドッキングしているから、大賑わいだな(ユニティの天底に接続されているシグナスは、カーゴドラゴン2の前に離脱しちゃうでしょうけど)。

「2021年を通して、少なくとも1つのドラゴンが常にISSに接続されていることがわかります。」

さて、こういう状況の中で行われるスターライナーのOFT2なわけだが、浮沈子的にはクルー1のレジリエンスというネーミングは、このフライトテストのために取っておいた方が良かったような気がするんだがな。

困難な状況から立ち直る力が必要なのは、スターライナーミッションの方だからな。

もし、仮に、OFT2で決定的なチョンボがあれば、B社にとっては手痛い打撃になる。

NASAの管理能力も問われる。

完璧な成功は当たり前。

年内か、年明けと言われているが、年内に実施されることはまずないだろう(ウィキでは、1月4日になっていました)。

まあ、どうでもいいんですが。

(ボーイング軌道飛行試験2)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Orbital_Flight_Test_2

「2021年1月4日に打ち上げが予定されており、 Boe-OFT 2ミッションは8日間続く予定」

「AV-082と指定された2番目のアトラスVN22は、国際宇宙ステーションへの2回目の無人宇宙船でCST-100スターライナー宇宙船を打ち上げます。」

浮沈子的には、たまたままぐれで上手くいっただけかもしれないアトラスVも気になる。

ブースターは、有人機の場合、まだエアロダインのAJ-60Aのままだ。

ロケットや宇宙船は、枯れた技術と実績が何よりの宝になる。

実戦で鍛えられ、磨かれた技術は、使い捨てという一度きりの本番でこそ光る。

N22仕様のアトラスVは、一度きりしか飛んでいないからな。

空力スカートのデプロイとか、まだ、1回しかやってない。

スペースシャトルのマネして、弾道軌道に投入するやり方もまた、1度きりだ。

クルードラゴンとスターライナーの比較を丁寧にしている資料を見つけたので、リンクを貼っておく。

(米国商業有人宇宙船(USCV)安全確認状況報告:2020年5月19日)
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20200519-mxt_uchukai01-000007304_15.pdf

「ファルコン9 ロケット1段目:
• Block 5 Design(フライバック機能があるが、有人ミッションには再使用しない)」

ふーん、そうなんだ・・・。

例によって、固体燃料ブースターの型番とかは書かれていない(継子扱いだな)。

安全性の評価については、米国側におんぶにだっこだが仕方ない。

うちの宇宙船じゃないしな(もちろん、ロケットも)。

改良されたクルー1ミッションは、10月31日に予定されている。

ボロ家ISSの空気漏れが、それまでに何とかなっていればいいんだがな。

相手はロシアモジュールだからな。

ISSが空中にいる間に直るかどうかも定かではない(そうなのかあ?)。

空気が漏るなら、足せばいいだろうという発想だからな。

ズヴェズダモジュールはデカいしな。

そっちの方の安全確認がどうなっているのかは知らない。

早いとこ、クルー1上げて、アメリカ側から脱出できるようにしといた方が安全な気がするんだがな・・・。

<以下追加>----------

(米国商業有人宇宙船 安全確認状況報告(その2):2020年7月21日)
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20200721-mxt_uchukai01-000008762_3.pdf

上記資料の最新版(?)も見つけた。

「ファルコン9 ロケット1段目:
• Block 5 Design(フライバック機能あり。ISSミッションでの再使用は未定)」

参考資料になっちまってるが、変更箇所の印がないな。

打ち上げ実績や成功率も更新されている。

台風がそれてくれたのはいいが、行った先が小笠原というのは憮然2020年10月10日 10:10

台風がそれてくれたのはいいが、行った先が小笠原というのは憮然
台風がそれてくれたのはいいが、行った先が小笠原というのは憮然


台風14号が進路を南に変え、本州上陸がなくなったのは有難い。

サイドマウント講習はキャンセルになってしまったが、荒れた海へのビーチエントリーはサイドマウントが得意とする科目じゃないしな。

別口に振り替えて、プール講習だけ参加することも考えたが、体調も万全ではないので控えた。

爆食爆睡の自主隔離の日々。

そう、来週は小笠原・・・。

あれっ?。

台風がそれていった先は、小笠原方面じゃないの・・・。

予報天気図によれば、熱帯低気圧のまま、小笠原周辺に留まっている(72時間予報)。

あの辺って、海水温高いんじゃなかったっけ?。

(日別海面水温)
https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html

色分けを見ると、28度くらいな感じだ。

ビミョーに影響が残りそうだな。

お天気ばかりはどうしようもない。

ダイビングは、自然相手のレジャーだからな。

日頃の心がけが大切だ。

今日も爆食爆睡で英気を養う。

明日は、午後から雨が上がるらしいから、フィットネスでも行こうかな・・・。

タンクに低温の燃料を入れ配管やバルブの状態を測定する:SLSもスターライナーも同じなんだがな2020年10月10日 20:46

タンクに低温の燃料を入れ配管やバルブの状態を測定する:SLSもスターライナーも同じなんだがな
タンクに低温の燃料を入れ配管やバルブの状態を測定する:SLSもスターライナーも同じなんだがな


(アルテミステスト:NASASLSグリーンランチェックリスト)
https://www.nasa.gov/exploration/systems/sls/multimedia/artemis-testing-sls-green-run-checklist-cropped.html

「Test 1:Apply forces simulating launch to unpowered, suspended core stage.
Test 2:Turn on and check out core stage avionics.
Test 3:Simulate potential issues to test systems that shut down other systems if there's a problem.
Test 4:Test main propulsion system components that connect to engines.
Test 5:Test thrust vector controls and check out all the related hydraulic systems.
Test 6:Simulate launch countdown to validate timeline and sequence of events.
Test 7:Load and drain more than 700,000 gallons of cryogenic propellants.
Test 8:Fire all four RS-25 engines for up to 8 minutes.」(手打ちなので、間違えていたらご容赦を!)

(テスト1:電源が入っていない、中断されたコアステージに起動をシミュレートする力を適用します。:済
テスト2:電源を入れてコアステージのアビオニクスを確認します。:済
テスト3:潜在的な問題をシミュレートして、問題が発生した場合に他のシステムをシャットダウンするシステムをテストします。:済
テスト4:エンジンに接続する主要な推進システムコンポーネントをテストします。:済
テスト5:推力ベクトル制御をテストし、関連するすべての油圧システムをチェックします。:済
テスト6:起動カウントダウンをシミュレートして、イベントのタイムラインとシーケンスを検証します。:済
テスト7:700,000ガロンを超える極低温推進剤を装填および排出します。:未
テスト8:4つのRS-25エンジンすべてを最大8分間発射します。:未)

テスト7は、クライオテストというらしい。

低温の燃料をタンクに注入し、配管に回して強度やバルブ動作などを確認する。

圧力も掛けるんだろう(未確認)。

その先にある燃焼テストに備えて、最後の事前チェックだ。

開発に10年以上も掛かっているSLSのコアステージは、ケネディ宇宙センターに納品される最後の部品だ(そして最大の部品でもある)。

使い捨てのロケットは、試しに打ち上げてみることはできないし、SLSにはプロトタイプも存在しない。

構成要素の多くは、スペースシャトルで使われてきたものだが、組み直して使うに当たっては、新しい部品、初めて試す構造、それらを制御するプログラムなど、様々な点が異なる。

制御コードを書く開発言語にしても、HAL/Sではないだろう(未調査)。

(HAL/S:アセンブラとC++の狭間で)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/09/06/9292733

「HAL/S は珍しい、死亡日時がはっきりしたプログラミング言語となる。STS-135 向けのミッション用コード差分の最後のものが書かれた瞬間に、HAL/S の死は確定する。命日は 2011 年 7 月 21 日、最後のシャトル OV-104 アトランティス搭載のP-101S から火が落とされる瞬間だった。これより先、HAL/S でコードが記述されることは二度と無いだろう。」

まあ、どうでもいいんですが。

SLSのステニスでのテストと、ボカチカでのスターシップのテストの記事が同時に上がっていた。

(今月後半のSLSコアステージのタップでの重要な最初の燃料補給テスト)
https://spaceflightnow.com/2020/10/09/crucial-first-fueling-test-on-tap-for-sls-core-stage-later-this-month/

「すべてが計画どおりに進んだ場合、今月後半にミシシッピ州南部のエンジニアが極低温推進剤をロケットのコアステージに搭載し、NASAは宇宙飛行士を月に戻し、そのタンケージと内部配管をゼロより数百度低い極端な動作条件にさらすと述べています初めて。」

この1段目のステージは実機だ。

プロトタイプではない。

このまま、発射台に据え付けられて、燃料を送り込まれ、有人宇宙船(無人ですが)を載せて打ち上げられ、月周回軌道(自由帰還軌道?)に送りこむ。

ただし、まだ一度も打ち上げられたことはなく、満タンに燃料を入れられたことも、エンジンに点火してフル稼働させたこともない。

本番一号機であり、初の実機であり、開発された初号機である。

構造試験で破壊されたタンクとかは別にあるが、飛ぶことを前提とした唯一の機体だ。

考えてみれば、無謀な話だな。

次の機体は、実際に人を乗せて飛ぶ。

スペースシャトルで散々やっては来ているから、エンジンや燃料タンク自体の信頼性は高いのかも知れないが、それを繋いでいる配管やケーブル、バルブ、コントロールしているプログラムは新品だ。

組み上げられたロケットは、完全に別物と言ってもいい。

早ければ今月行われるというクライオテストが上手くいくという保証はない。

今までは、順調にテストが進んでいるけど、検査項目は異なるし、先に行けばいくほどシビアなテストになってくる。

その初めての試験が失敗すると考える根拠もないけどな。

一方、ミシシッピーから遠く離れたボカチカでは、いつものようなブリキ細工の宇宙船の模型(プロトタイプ)が発射台に乗っている。

(SpaceXの最初の高高度スターシッププロトタイプは、「クライオプルーフ」テ​​ストに合格しました)
https://www.teslarati.com/spacex-first-high-altitude-starship-passed-cryo-proof/

「SN8として知られる最初の高高度スターシッププロトタイプがサウステキサスでの「クライオプルーフ」テ​​ストに合格したばかりであり、近い将来、船を約15 km(9.5マイル)の飛行テストに設定する可能性」

こっちは、本物の実機ではないプロトタイプで、モックアップに毛が生えた程度だが、実際に燃料を積み込み、圧力をかけ、更には半分くらいの数の新開発のエンジンを点火して燃やそうという危ない話だ。

あわよくば、15000mの高さに打ち上げてから、スカイダイビングよろしく両手両足をひらひらさせながら水平に落下し、くるりと向きを変えてエンジンを逆噴射してウルトラC難度の着地を決めようともくろんでいる。

ここまでの段階では、宇宙ロケットというより、ロケット推進の大気圏内を飛行する航空機のノリだ。

今まで、少なくとも5回くらい(テキトーです)は地上で爆発しているか、タンクが裂けてぶっ壊れている。

SN8と呼ばれる新しいステンレス合金製のプロトタイプが、ぶっ壊れずに無事に飛行にこぎつけられる確率は多めに見積もっても50パーセント。

事実、テストの初期段階で構造的な欠陥が露呈し、修理を余儀なくされている。

「今回は、Starship SN8の液体酸素およびメタン推進剤タンクにおそらく1,000メートルトン(220万ポンド)の液体窒素を搭載することに成功しました。これは、極低温推進剤の極低温をシミュレートするために使用されます。壊滅的な火災または爆発。極低温負荷の後、SpaceXはロケットのタンクを限界まで加圧しようとしたと報告されていますが、StarshipSN8が7bar(〜100 psi)の圧力に達した後、「エンジンマウントの近くに小さな漏れ」が発生したため、テストはやや短く停止しました。」

「SpaceXは24時間以内にマイナーリークを修正し、10月7日遅くにスターシップSN8クライオプルーフテストの第3ラウンドを開始したようです。もう一度、ロケットは液体窒素で完全にロードされ、SpaceXが油圧ラムでラプターエンジンの推力をシミュレートすることによって推力構造(「推力パック」)にストレスを与える可能性があるため、極低温ストレス下で約2〜3時間過ごしました。異常なことは何も起こらず、ムスクはまだテストについてコメントしておらず、物事がほぼ計画通りに進んだことを示唆しています。」

無事にテストをパスして生き残ると、大ニュースになる。

タンクが裂けたり、圧力が急激に解放されて吹っ飛んだり、漏れ出した燃料に引火して爆発しても、「またか」で済まされてニュースにはならない(そんなあ!)。

ステニスで、SLSコアステージがそんなことになれば、一面トップを飾る大ニュースだ。

政権の浮沈にも影響する。

ははあ、テストの日程は、大統領選挙をにらんでいるのかも知れないな。

まあいい。

両者のテストは似て非なるものだが、技術的要素だけを見れば同等だ。

アジャイル開発で高頻度にプロトタイプを回して一気に経験値を上げてくるスペースXは、来年の商業打ち上げを目指して追い込みを掛けている。

対して、SLSは、得意の要素テストの集積を背景に、満を持して統合テストに臨んでいる。

成功が大前提で、失敗すれば大ニュース。

スターシップとは真逆だな。

物理の神様は公平だから、理に適った設計と誠実な製造過程を踏んだ者に軍配を上げる。

行き当たりばったりのアイデアと、壊してみなけりゃわからんだろうというテキトーな製造では、月桂冠を得ることはできない。

既に延べ何百回もの燃焼実績があるSLSのRS-25エンジン(SSME)と、昨日今日ようやく出来上がって、テストの度に火を吹くラプターエンジン(ノズルじゃないとこから炎が出てるしな)の違いも大きい。

アジャイル開発では、とりあえず、全体を回してみて、同時多発的な問題を一気に解決して次のステージに進むことができる。

テスト機の設計も、構造材料の選択から、機械的構造設計、耐熱設計、動的空力設計を一気に改良できる。

今のところ、数機を同時に製造し、テストで不具合が出た機体は修理ではなく、そのまま使い捨てにして、予備機を改修するなりして失敗したテスト項目をクリアしようとしているようだ(たぶん)。

実機は、高頻度運用の完全再使用を目指しているようだが、開発用プロトタイプは、惜しげもなく壊し、使い捨てにしている。

スターシップだけでも、数十機が使い潰されていくに違いない(まだ一桁ですが)。

開発手法の違いを超えて、文化の差を感じるスターシップとSLS。

累計でも、せいぜい10機位しか飛ばないSLSに対して、数千機の製造を目指しているスターシップは、同じロケットとは言いながら、異なる工業製品ともいえる。

そう、スターシップは、ロケット推進の航空機なのだ。

777とかと同じ、工場で流れ作業で作られる。

ファルコン9とかも、同じ様な感じだが、もっとサイクルは短い。

1段目の再使用サイクルは、現在2か月弱だが、スターシップを大陸間弾道旅客機として使用する際のリピートスパンは1時間くらいだろう(1日10回の再使用というから、もう少し長いかも)。

座席カバーを取り換え、燃料を補給すれば次のフライトに復帰できる。

完全に航空機化している。

煤が付きにくいメタン燃料を酸素リッチで燃やすラプターエンジンも、そういう運用を見据えて開発された。

ものになれば、世界は一気に21世紀的になるが、実現は早くて10年先と見ている。

それでも十分早いけどな。

SLSは、それ以上かかってるしな。

そんでもって、まだ、テストスタンドに縛り付けられている。

つーか、ようやくテストスタンドに乗ることができた。

正しく比較するなら、スーパーヘビーと比べなければ不公平かも知れない。

1000回の再使用が想定されているブースターは、組み立てが始まったばかりだ。

(SpaceXが最初のスタッキングに先立ってスターシップスーパーヘビーブースターパーツを大量生産)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-super-heavy-booster-progress/

「スーパーヘビーブースターは、完成すると70メートル以上(230フィート以上)の高さになります。これは、2ステージのファルコン9またはファルコンヘビー全体と同じかそれ以上の高さです。」

304Lステンレス鋼のリング(高さ1.8m)を40個近く(計算上は39個)積み重ねなければならない。

72mになるという情報もあるしな。

(スターシップのすべて:スーパーヘビー(1度))
https://www.elonx.cz/vse-o-super-heavy-starship/#superheavy

「ロケットの最初のステージはスーパーヘビーと呼ばれ、直径9メートルで約72メートルの大きさで、28個のラプターエンジンを搭載します。」

組み立てが行われる高さ約80メートルの施設(ハイベイ)が出来上がるのを待っているそうだ。

やれやれ・・・。

「Elon Muskは、2つのラプターを備えた最初のスーパーヘビープロトタイプの短いジャンプが、早くも2020年10月に発生する可能性があると推定しています。」

そんなわけはない。

スーパーヘビーのネックは、巨大な推力を機体に伝達するエンジン基部の構造と、帰還する際の着陸脚にある。

1000回の再使用をクリアするためには、ステンレス構造で十分なのかどうかは考え物だ。

スターシップとは、1桁から2桁違う再使用回数だからな。

炭素系複合材料で作ったとしても、十分採算は取れるだろう。

プロトタイプは、安上がりなステンレスでもいいけど。

今はまだ、数個のリングが積み重なっただけの存在だが、ホップ飛行までは順調にこなすのではないか(エンジンも2個だけだし)。

問題は、その後に噴出するような気がする。

支える巨大な重量、28基のエンジンの同時制御、着陸脚の展開などなど。

機体の耐久性についても、いつまでもステンレス製というわけにはいかないだろうな。

熱的な問題は小さいだろうから、早期に複合材料かアルミ合金に変更される可能性は高い。

しかし、ステンレス鋼の機体に対するノウハウを蓄積したスペースXが、敢えてその材料を使い続ける可能性もある。

注意すべきは、その製造機数だろう。

スターシップは、有人12回、貨物機やタンカー仕様では100回程度しか再使用を想定していないが、スーパーヘビーブースターは1000回再使用される。

仮に、あくまで仮の話として、火星移民に1000機のスターシップが飛び立つとしても、スーパーヘビーは、せいぜい数機で済んでしまう(計算上は1機でいい)。

スターリンク衛星を一度に400基上げる能力がある貨物仕様にしても、今現在承認されている1万2千機を上げるのに、そのキャパシティの3割(30回)程度しか使わなくていいのだ。

スーパーヘビー的には、3パーセントということになる。

大量生産のメリットは、少なくともスーパーヘビーにはない。

まあ、運用次第だがな。

打上げ拠点に、スーパーヘビー艦隊を大量にストックしておいて、スターシップを次々に生産して運び込んではスーパーヘビーをとっかえひっかえ使って打ち上げるということなら、相当数の運用在庫を必要とする。

仮に、全世界に100か所の宇宙港を整備することになれば、それぞれの拠点に10機ずつ配備するとして1000機になる。

1日10回の離陸をサポートして、耐用回数を消化するのに3年弱くらいか(10機だから、1万回の打ち上げ)。

3年で1000機を製造するためには、ステンレスの方が効率がいいという判断かも知れない。

そもそも、大陸間弾道旅客機に、スーパーヘビーが必要かという話もある。

スターシップにエンジンを増設して、打ち上げ能力を増強すれば、単段式ロケットとして運用可能だ。

運用上も、そっちの方がいいに決まっている。

2040年代の話になるだろうけど、スターシップによって開かれる世界はとてつもない。

SLSの出番はないな。

年に1回の打ち上げ(デルタ4ヘビー並み)で運用して、せいぜい10回くらい上げて終わる(浮沈子は、3回で十分だと思ってるんだが)。

NASAで、次の巨大使い捨てロケットを計画しているという話は聞かない(未調査)。

仮に開発するとしても、再使用型になるだろう。

SLSのエンジンと、燃料タンクを使ってかあ?。

スペースシャトルのようなスペースプレーンタイプだったりして。

もちろん、巨大な貨物室の扉を開くと、オリオン宇宙船が積まれていて、地球低軌道から発進して深宇宙へと旅立っていくわけだ。

ったく・・・。

外部燃料タンクには、グリッドフィンと着陸脚が付いていて、ドローン船に着陸する。

もちろん、エンジンはこっちに付いている。

オービターはドンガラで、さしずめ自動帰還フェアリングというところか。

次世代だからな。

それだけではつまらない。

この仕様では、2段目が再使用されないからな。

オービターが、貨物室に用済みの2段目を収容して戻ってくるという凝った仕掛けだ。

宇宙空間での燃料補給というクリティカルな運用を行わずに、月軌道くらいまでの有人ミッションを継続的に繰り返すことができる。

既存の資産を受け継ぐから、議会の通りもいいだろう(そうなのかあ?)。

固体燃料ブースターは、残念ながら引退だな。

再使用の効率悪いし、燃焼中の制御が効かないという根本的な欠陥が残る。

コロンビア事故の元になったオービターの耐熱タイルの問題も、有人カプセルの帰還には使用されないのでクリアされている。

オービターが推進力を持っていないので(単なるフェアリング)、このままでは2段目とランデブードッキングできないというのが、最大の問題ということは分かっている。

せいぜい100km程度の低軌道を周回するうちに、空気抵抗で落ちてくるのは目に見えている。

しかし、我々は、イオン推進というツールを手にしているからな。

貨物室の扉を開けば、裏側には太陽電池がびっしりで、発生させた電力で効率よくイオンを加速して低軌道に留まるのだ。

2段目も、ただ軌道変更して落ちてくるというのは芸がなさすぎるからな。

オービターと自動で協調して、すんなりと貨物室に収まるように運用できる仕掛けが欲しいところだ。

ここは、新規開発要素が大きいかも知れない。

デプロイした2段目を、宇宙空間で回収するなんて出来るのかとも思うが、X-37Bを飛ばしてるんだから、いろいろノウハウの蓄積もあるだろう。

持続可能な宇宙空間を、地球周回軌道から月軌道に拡張するというのは、次世代の目標としては悪くない(そうなのかあ?)。

台頭する中国やインドを突き放す好機だ。

まあ、その頃には再使用ロケットの技術でも、追いついてきているかもしれないけどな。

アルテミス計画などというより道をせずに、月軌道ステーションの建造に注力したらいいのだ。

SLSは、その建造で役割を果たし、その間にいくつかの外惑星探査ミッションを放ってお終い。

実現するかどうかも分からないスターシップの保険として、次世代の再使用型SLSの計画を立ち上げていく必要があるだろうな。

宇宙空間での給油という問題がすんなり解決するようなら、タンカー仕様を上げて2段目に給油すればいい。

2段目は、濃い大気圏を飛ばないから、宇宙空間に浮かばせておいて、繰り返し使うという方法もある。

オービターの超低軌道まで降りてきて、有人カプセルと合体して持ち上げるわけだ。

そういう、宇宙空間専用のキャリアがあってもいい。

エネルギー効率的にも理に適っている気がする(未確認)。

NASAは(米軍も)、そういう複雑なオペレーションを嫌う。

シンプルで、使い捨てで、後腐れなく(メンテとか面倒だし)、公共事業としての持続性を求める(使い捨てだから、新規で作る需要は絶えない)。

予算的にも分かりやすい(2機上げたいなら、予算は2倍積めばいいしな)。

それは、確かにメリットだし、技術的に未成熟な時代には、正しい選択だったと言える。

実際の開発における技術的課題と予算超過で消えていったコンステレーション計画は、再使用を捨て、既存の資産を最大限に利用して月に向かうという観点では見るべきものがある。

有人部分と、貨物輸送を切り離し、別の打ち上げとすることで最適化を狙った。

固体燃料ロケットの頭に有人カプセルを乗せるという暴挙も、ある意味で斬新かも知れない。

ものにならなかったがな。

SLS+オリオン宇宙船は、貨物用ロケットの頭にカプセルを乗せる。

コンセプト的には後退ともいえるが、無難な選択をした。

固体燃料ブースターはそのままだがな。

外連味のない、ある意味でつまらんロケットだ。

月軌道までの貨物輸送は、民間に任せる。

コアコンピタンス&アライアンス。

現実的な落としどころは、そんなところなんだろう。

使い捨てのNASA有人機と、部分的再使用の民間輸送機で、月周回軌道ステーションを建造する。

持続可能な月軌道へのアクセスと、そこを経由して行う有人惑星探査への挑戦(ふん、月面基地なんて、夢のまた夢・・・)。

ディープスペーストランスポーターが、無人で火星周回して戻ってくる頃(2030年代半ばか)、スターシップの有人本格運用が始まる(それまでは、スターリンクなどの貨物輸送だけだろうな:初期にはスターシップの使い捨てと回収テスト、後期に安定した回収に成功して有人運用への目途を付ける感じか)。

既に現実的に運用モードに入っているとはいえ、ファルコン9の1段目の回収に100パーセント成功しているわけではない。

パワードランディングの回収技術は、まだ未成熟だ。

クルードラゴンの帰還に際して、NASAがパワードランディングを認めなかった判断は正しい。

カーゴドラゴン2でも、結局パラシュートによる回収だけになった(貨物積載量の観点からも正解か)。

宇宙機のパワードランディングは、スターシップに集約されることになった。

それは、貨物仕様の打ち上げが事業化され、金を稼ぎながら徐々に磨かれていく。

SN8で行われる高空からの着陸試験は、歴史的には意義があるかも知れないが、そう簡単にはいかないだろう。

まず、100パーセント失敗する。

それが、限りなくゼロに近づき、クルードラゴンを引退に追い込めるのは、10年以上先の話だ。

滑空着陸自体は、スペースシャトル、ドリームチェイサー、X-37Bなどで成功している。

ああ、バージンのユニティでも成功したな。

ある意味、枯れた技術だ。

それを意図的に機首上げ失速させ、逆噴射してバーチカルにパワードランディングさせるのは容易ではない。

しかも、宇宙空間からの再突入で減らさなければならない運動エネルギーは、高空から自由落下試験とは桁が違うからな。

SN8が万が一成功したとしても、それでお終いではないのだ。

一番ヤバいところをすっ飛ばして、最後だけカッコつけただけに過ぎない。

それでもできれば大したものだ。

いきなりは無理だろうが、プロトタイプで、そこのところだけは見極めたいのかもしれない。

仮に、そこで成功しなくても、事業化は可能だ。

スターシップを使い捨てにしながら、金を稼ぐことはできる。

だから、コストが低いステンレスを選択したというのは理に適っている。

さて、スーパーヘビーがどうなるかも注目だな。

これが飛んで、ラプターバキュームが上手くいけば、スターシップ/スーパーヘビーの事業化への道が見えてくる。

今は、全てが中途半端、開発途上で闇の中だ。

浮沈子的には、SLS/オリオン宇宙船は10年以上安泰と見ている。

早いとこ、引退させた方がいいとは思うが(3回くらいで)、現実にはそうはいかないだろう。

ソユーズ宇宙船は、月軌道くらいまでなら使えるらしいが、それをどうやって上げるかというのが問題だ(ロケット、ないし:もちろん、ソユーズロケットでは月まで行けません)。

中国は、長征5号を完成させたが、乗せる宇宙船の開発はこれからだ(ドンガラの打ち上げには成功)。

中国の宇宙船に乗せてもらって月まで行くくらいなら、舌噛んで死ぬだろうしな。

でも、民主党になれば分からんぞお。

ああ、SLSは、民主党肝いりだからな。

どっちにしても安泰だ。

そのクライオテストが始まろうとしている。

何が起こってもおかしくないが、成功すれば長秒燃焼試験に移る。

片や、スターシップは高空落下試験(激突試験!?)への挑戦が始まる。

SN8が、そこまで辿り着けるか、予備機のSN9のお出ましになるかは分からない。

年末に向けて、胸突き八丁な感じだ。

クルー1だけが、宇宙開発じゃないってことか・・・。