クルー1延期:これで空気漏れを確認する時間が取れる:ソユーズの受け入れで人手も増えるしな ― 2020年10月11日 11:25
クルー1延期:これで空気漏れを確認する時間が取れる:ソユーズの受け入れで人手も増えるしな
打上げ2秒前にスタックしたGPS衛星打ち上げの影響らしい。
(マーリンエンジンの懸念を評価するためにSpaceXの乗組員の打ち上げが遅れた)
https://spaceflightnow.com/2020/10/10/spacex-crew-launch-delayed-to-assess-merlin-engine-concern/
「ターボ機械のガス発生器の予期しない圧力上昇」
イーロンマスクのツイートによって提供された情報以外に、原因を窺う術はない。
(SpaceXはGPS衛星のリフトオフを中止し、打ち上げスクラブの連続を続けます)
https://spaceflightnow.com/2020/10/03/spacex-aborts-liftoff-of-gps-satellite-continuing-streak-of-launch-scrubs/
「エンジンが発射されたようには見えませんでしたが、ロケットの基部からの緑色のライトの点滅は、コンピューターがケープカナベラルのコンプレックス40発射台でカウントダウンを停止する前にエンジンのTEA-TEBイグナイターソースが一時的にアクティブになったことを示唆しました。」
(TEA-TEB)
https://en.wiktionary.org/wiki/TEA-TEB
「(ロケット)自然発火として使用される混合物の点火流体ロケットエンジンです。混合物は液体酸素(LOX)エンジンで使用され、LOX酸化剤の流れと接触すると燃焼し、酸化剤の流れと混合されるロケット燃料(多くの場合灯油またはRP-1)に点火します。」
点火寸前で止まったわけで、影響はタービンを回すためのガス発生器(小規模の燃焼室)と分かっている。
混合に失敗したのか、機械的なトラブルを抱えているのかは分からない。
(ガス発生器サイクル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B9%E7%99%BA%E7%94%9F%E5%99%A8%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB
「燃料と酸化剤の一部を主燃焼室とは別のガス発生器(副燃焼室)で燃焼させ、その燃焼ガスで燃料・酸化剤を供給するターボポンプを駆動させる。ターボポンプを駆動した後のガスはそのまま排出される」
図では、プレバーナーとあるけど、タービンを回した後のガスは、そのまま排気されてしまうからな。
あらかじめ燃やしておくという意味のプレバーナーではない。
その代わり、圧力はテキトーに調整できるから、エンジンへの負担は小さくて済む。
排気を燃焼室に送り込むと、燃焼圧より高い圧力にしなければならないからな。
勿体ない気もするけど、シンプルで壊れにくいエンジンが実現できる。
今回のトラブルは、このタービンを回すためのガスを作るガス発生器の圧力が想定外に上昇したということらしい。
酸素とケロシンの混合をミスったのか、下流のどこか(タービンとか)で機械的トラブルを抱えたのかは分からない。
もちろん、センサーの故障、そこからの信号を処理するプログラムのエラーも考えられるが、マーリンエンジンは、おそらく現役のロケットエンジンとしては最も多く使用されているに違いないからな(1回の打ち上げで10基使用されるから、累計では1000基近くが飛んでいる計算になる:3回のファルコンヘビーもあるしな)。
その手のマイナートラブルの芽は摘まれているだろう。
つーことは、起こって欲しくない原因で起こったトラブルということになり、他のエンジンに対しても同様の懸念が生じるということになる。
もちろん、9機がクラスター化されたファルコン9では、どれか1基のエンジンがスタックしてもミッションを遂行することはできるが、有人ミッションではリスク管理がキビシーからな。
スターリンクV1L12は、そんなこととはお構いなく、さっさと上げちまったけど、クルー1ミッションは原因が究明され、対策が施されるまで塩漬けとなった。
宇宙飛行士の訓練時間、ISSエア漏れ追求の時間はたっぷりと取れる。
まあ、どうでもいいんですが。
GPS衛星の再打ち上げの日程は、現時点では設定されていない。
トラブルの究明に時間がかかっている。
こっちも、ふつーの打ち上げじゃないからな。
ちなみに、両方とも新品のファルコン9(もちろんエンジンも)だ。
(ミッションGPSIII-SV04)
https://www.elonx.cz/mise-gpsiii-sv04/
「ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(新しいレベルB1062.1)」
(ミッションクルー-1)
https://www.elonx.cz/mise-crew-1-uscv-1/
「ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(第1ステージB1061.1)」
ロット番号では、クルー1の方が若いけどな。
まあいい。
浮沈子の記憶では、ガス発生器絡みのトラブルは初めての気がする。
初期の頃は、ヘリウム配管絡みのトラブルでスタックした記憶があるけどな。
マーリンエンジンは、方式的にも、運用実績から見ても枯れたエンジンだ。
出力は、初期の頃の2倍以上(1A:340kN→1D:850 kN)になって、まあ、別物と言えなくもないが、基本構成は変わらない。
2018年に出力アップした以降、最近は弄っていないはずだ(未確認)。
起動させるためには、着火剤(TEA-TEB)を燃焼室にぶち込んでガス発生器の中で推進剤を燃やさなければならない。
そうしないと、ターボポンプが回らずに、燃焼を燃焼室に送り込めないからな(そっちの着火はどーするんだあ?)。
細かい仕掛けは知らないけど、点火のブートストラップのどこかで、何らかのエラーが起こった可能性もある(着火剤ぶちまけ過ぎとか:テキトーです)。
エンジン周りはトラブルの温床だから、失敗の木(フォールトツリー)解析は充実しているはずだ。
今回は、そこで手間取っている。
「私も来週ケープに行き、ハードウェアを直接確認します」(10月3日のGPS打ち上げ停止の記事)
イーロンマスク直々に対応している(ハードウェア絡みと明記している点に注目だな)。
その中での、クルー1の延期だ。
ヤバい事態が進行している可能性もある。
トラブルシューティングには定評あるスペースX(トラブルの事例は豊富だからな・・・)。
その間、溜まっているスターリンクでも上げて凌ぎながら、じっくりと原因究明に取り組んでもらいたいもんだな・・・。
打上げ2秒前にスタックしたGPS衛星打ち上げの影響らしい。
(マーリンエンジンの懸念を評価するためにSpaceXの乗組員の打ち上げが遅れた)
https://spaceflightnow.com/2020/10/10/spacex-crew-launch-delayed-to-assess-merlin-engine-concern/
「ターボ機械のガス発生器の予期しない圧力上昇」
イーロンマスクのツイートによって提供された情報以外に、原因を窺う術はない。
(SpaceXはGPS衛星のリフトオフを中止し、打ち上げスクラブの連続を続けます)
https://spaceflightnow.com/2020/10/03/spacex-aborts-liftoff-of-gps-satellite-continuing-streak-of-launch-scrubs/
「エンジンが発射されたようには見えませんでしたが、ロケットの基部からの緑色のライトの点滅は、コンピューターがケープカナベラルのコンプレックス40発射台でカウントダウンを停止する前にエンジンのTEA-TEBイグナイターソースが一時的にアクティブになったことを示唆しました。」
(TEA-TEB)
https://en.wiktionary.org/wiki/TEA-TEB
「(ロケット)自然発火として使用される混合物の点火流体ロケットエンジンです。混合物は液体酸素(LOX)エンジンで使用され、LOX酸化剤の流れと接触すると燃焼し、酸化剤の流れと混合されるロケット燃料(多くの場合灯油またはRP-1)に点火します。」
点火寸前で止まったわけで、影響はタービンを回すためのガス発生器(小規模の燃焼室)と分かっている。
混合に失敗したのか、機械的なトラブルを抱えているのかは分からない。
(ガス発生器サイクル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B9%E7%99%BA%E7%94%9F%E5%99%A8%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB
「燃料と酸化剤の一部を主燃焼室とは別のガス発生器(副燃焼室)で燃焼させ、その燃焼ガスで燃料・酸化剤を供給するターボポンプを駆動させる。ターボポンプを駆動した後のガスはそのまま排出される」
図では、プレバーナーとあるけど、タービンを回した後のガスは、そのまま排気されてしまうからな。
あらかじめ燃やしておくという意味のプレバーナーではない。
その代わり、圧力はテキトーに調整できるから、エンジンへの負担は小さくて済む。
排気を燃焼室に送り込むと、燃焼圧より高い圧力にしなければならないからな。
勿体ない気もするけど、シンプルで壊れにくいエンジンが実現できる。
今回のトラブルは、このタービンを回すためのガスを作るガス発生器の圧力が想定外に上昇したということらしい。
酸素とケロシンの混合をミスったのか、下流のどこか(タービンとか)で機械的トラブルを抱えたのかは分からない。
もちろん、センサーの故障、そこからの信号を処理するプログラムのエラーも考えられるが、マーリンエンジンは、おそらく現役のロケットエンジンとしては最も多く使用されているに違いないからな(1回の打ち上げで10基使用されるから、累計では1000基近くが飛んでいる計算になる:3回のファルコンヘビーもあるしな)。
その手のマイナートラブルの芽は摘まれているだろう。
つーことは、起こって欲しくない原因で起こったトラブルということになり、他のエンジンに対しても同様の懸念が生じるということになる。
もちろん、9機がクラスター化されたファルコン9では、どれか1基のエンジンがスタックしてもミッションを遂行することはできるが、有人ミッションではリスク管理がキビシーからな。
スターリンクV1L12は、そんなこととはお構いなく、さっさと上げちまったけど、クルー1ミッションは原因が究明され、対策が施されるまで塩漬けとなった。
宇宙飛行士の訓練時間、ISSエア漏れ追求の時間はたっぷりと取れる。
まあ、どうでもいいんですが。
GPS衛星の再打ち上げの日程は、現時点では設定されていない。
トラブルの究明に時間がかかっている。
こっちも、ふつーの打ち上げじゃないからな。
ちなみに、両方とも新品のファルコン9(もちろんエンジンも)だ。
(ミッションGPSIII-SV04)
https://www.elonx.cz/mise-gpsiii-sv04/
「ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(新しいレベルB1062.1)」
(ミッションクルー-1)
https://www.elonx.cz/mise-crew-1-uscv-1/
「ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(第1ステージB1061.1)」
ロット番号では、クルー1の方が若いけどな。
まあいい。
浮沈子の記憶では、ガス発生器絡みのトラブルは初めての気がする。
初期の頃は、ヘリウム配管絡みのトラブルでスタックした記憶があるけどな。
マーリンエンジンは、方式的にも、運用実績から見ても枯れたエンジンだ。
出力は、初期の頃の2倍以上(1A:340kN→1D:850 kN)になって、まあ、別物と言えなくもないが、基本構成は変わらない。
2018年に出力アップした以降、最近は弄っていないはずだ(未確認)。
起動させるためには、着火剤(TEA-TEB)を燃焼室にぶち込んでガス発生器の中で推進剤を燃やさなければならない。
そうしないと、ターボポンプが回らずに、燃焼を燃焼室に送り込めないからな(そっちの着火はどーするんだあ?)。
細かい仕掛けは知らないけど、点火のブートストラップのどこかで、何らかのエラーが起こった可能性もある(着火剤ぶちまけ過ぎとか:テキトーです)。
エンジン周りはトラブルの温床だから、失敗の木(フォールトツリー)解析は充実しているはずだ。
今回は、そこで手間取っている。
「私も来週ケープに行き、ハードウェアを直接確認します」(10月3日のGPS打ち上げ停止の記事)
イーロンマスク直々に対応している(ハードウェア絡みと明記している点に注目だな)。
その中での、クルー1の延期だ。
ヤバい事態が進行している可能性もある。
トラブルシューティングには定評あるスペースX(トラブルの事例は豊富だからな・・・)。
その間、溜まっているスターリンクでも上げて凌ぎながら、じっくりと原因究明に取り組んでもらいたいもんだな・・・。
インド失速&米国反転上昇で逆転時期は11月下旬か ― 2020年10月11日 14:40
インド失速&米国反転上昇で逆転時期は11月下旬か
米国(感染者7,786,164人、死者217,319人)の新規感染者は、3日連続で5万人を超え、第2波は下げ止まった。
このまま反転上昇に転じるかどうかは不明だが、9万人台の新規感染者から失速し、7万人台に落ちたインド(7,053,806、108,334)の10月内の逆転は消えた。
現在の傾向が続けば、70万人余りの差を詰めるのに2か月くらいかかるかも知れない。
早くても11月上旬(ムリポ)、現状維持で中旬、傾向が続けば下旬から下手したら12月にずれ込む公算が高い。
が、インドがしょぼくれたといっても、毎日120万人の検査を行い、それでもなお6パーセント以上の陽性率を維持している感染パワーは侮れない。
米国も100万人の検査に対して6パーセント超えだ。
人口は4倍に当たり、キャパシティが多い分、インドの方が増加する公算は高い。
ブラジル(5,082,637、150,198)は、キッチリと米国の3分の2をキープ。
死者数の割合がやや高い程度だ。
世界の感染者(37,087,467)のうち54パーセント近くを、この3か国が占める。
死者(1,071,399)は51パーセント余りで、やはり過半数だ。
すげーな・・・。
米国の感染者は、御三家(カリフォルニア、フロリダ、テキサス)に加えて、ミズーリ、イリノイ、ウイスコンシンなど、中西部の増加が目立つ。
それ以外でも、ジワリと増えて来ていて、底堅さを感じさせる。
NYなど、東部諸州でも増加に転じているところがあるしな。
米国の憂鬱は、当分続くだろう。
インドは、もう少し様子を見なければ減少傾向が続くかどうかは分からない。
社会経済活動の再開を急いでいる点では、米国と同じだ。
欧州の第2波も気になるが、この冬はおそらく全世界的な増加を見せるに違いない。
経済が疲弊して、ロックダウンへの抵抗が強まる中、各国は難しいかじ取りを強いられる。
感染対策を徹底しつつ、緩和を進めるという方向性は変わらないだろうが、実態には大きな差がある。
マスクや社会的距離の確保は、欧米では名目だけのところもあるしな。
世界の感染者は、年末までには5千万人を超えるだろう(テキトーです)。
ワクチンが普及して、明らかな減少に転じるまでには早くて1年掛かる。
その間に、更に1億人くらいが罹患し、数百万人が死ぬ。
初期の分配では揉めるだろうな・・・。
米国(感染者7,786,164人、死者217,319人)の新規感染者は、3日連続で5万人を超え、第2波は下げ止まった。
このまま反転上昇に転じるかどうかは不明だが、9万人台の新規感染者から失速し、7万人台に落ちたインド(7,053,806、108,334)の10月内の逆転は消えた。
現在の傾向が続けば、70万人余りの差を詰めるのに2か月くらいかかるかも知れない。
早くても11月上旬(ムリポ)、現状維持で中旬、傾向が続けば下旬から下手したら12月にずれ込む公算が高い。
が、インドがしょぼくれたといっても、毎日120万人の検査を行い、それでもなお6パーセント以上の陽性率を維持している感染パワーは侮れない。
米国も100万人の検査に対して6パーセント超えだ。
人口は4倍に当たり、キャパシティが多い分、インドの方が増加する公算は高い。
ブラジル(5,082,637、150,198)は、キッチリと米国の3分の2をキープ。
死者数の割合がやや高い程度だ。
世界の感染者(37,087,467)のうち54パーセント近くを、この3か国が占める。
死者(1,071,399)は51パーセント余りで、やはり過半数だ。
すげーな・・・。
米国の感染者は、御三家(カリフォルニア、フロリダ、テキサス)に加えて、ミズーリ、イリノイ、ウイスコンシンなど、中西部の増加が目立つ。
それ以外でも、ジワリと増えて来ていて、底堅さを感じさせる。
NYなど、東部諸州でも増加に転じているところがあるしな。
米国の憂鬱は、当分続くだろう。
インドは、もう少し様子を見なければ減少傾向が続くかどうかは分からない。
社会経済活動の再開を急いでいる点では、米国と同じだ。
欧州の第2波も気になるが、この冬はおそらく全世界的な増加を見せるに違いない。
経済が疲弊して、ロックダウンへの抵抗が強まる中、各国は難しいかじ取りを強いられる。
感染対策を徹底しつつ、緩和を進めるという方向性は変わらないだろうが、実態には大きな差がある。
マスクや社会的距離の確保は、欧米では名目だけのところもあるしな。
世界の感染者は、年末までには5千万人を超えるだろう(テキトーです)。
ワクチンが普及して、明らかな減少に転じるまでには早くて1年掛かる。
その間に、更に1億人くらいが罹患し、数百万人が死ぬ。
初期の分配では揉めるだろうな・・・。
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