GPSやクルードラゴンは延期になってもスターリンクはバンバン飛ぶマーリンエンジンの不具合2020年10月14日 23:24

GPSやクルードラゴンは延期になってもスターリンクはバンバン飛ぶマーリンエンジンの不具合
GPSやクルードラゴンは延期になってもスターリンクはバンバン飛ぶマーリンエンジンの不具合


んなもんは、飛ばしてみなけりゃ分らんだろう?。

と言ったかどうかは知らない。

(Mise Starlink v1-13)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-13/

「開始日: 18。10。2020 14:27 CEST」

チェコ時間だからな・・・。

よく分らん。

(SpaceX Falcon9ロケットが日曜日に第14回スターリンクミッションを開始)
https://www.teslarati.com/spacex-falcon-9-14th-starlink-launch-date/

「SpaceXが10月18日日曜日の(NET)8:27 am EDT(11:27 UTC)までにStarlink V1 L13(Starlink-13)を起動する予定であると報告しています。」

日本時間では午後8時半頃か(チェコとの時差は6時間か)。

小笠原では、見られないからな(ネット関係は一切持って行かないつもり)。

帰ってきてから見ることになる。

いずれにしても、ファルコン9は、スターリンク以外は飛ばない。

ISSへの貨物輸送も延期になった様だ。

やれやれ・・・。

GPS衛星の打ち上げがスタックしてから2週間が経とうとしているが、原因は未だにつかめていないようだ。

にもかかわらず、その後にスターリンクV1L12が上がり、またV1L13が上がろうとしている。

(Mise Starlink v1-12)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-12/

「開始日: 6。10。2020 13:29:34 CEST」

えーと、チェコ時間とは6時間差があるんだったな。

まあ、終わっちまってるから、どーでもいーんですが。

GPS衛星は、10月3日にスタックしたから、3日後に上げていることになる。

我が国だったら、1年くらいは塩漬けになるところだ(そうなのかあ?)。

基幹ロケットのメインエンジンが、原因不明の事象で緊急停止したわけだからな。

(ミッションGPSIII-SV04)
https://www.elonx.cz/mise-gpsiii-sv04/

「2020年3月10日20:22
Petr Melechin Petr Melechin
Elon Musekによると、始動が中断された理由は、エンジンの「ガス発生器ターボセットの予期しない圧力上昇」でした。」

「11/10/2020 04:35
Petr Melechin Petr Melechin
10月3日の始動の試みを妨害したマーリンエンジンガス発生器の問題は、一見したところよりも深刻です。SpaceXは状況を分析し、テストやその他のチェックを実行します。それが原因で起こったCrew-1の開始を延期する そして、問題が完全に理解され解決されるまで、ファルコンが飛ばない可能性があります。」

スターリンクは、ファルコンのうちには入らないのかもな(そんなあ!)。

まあいい。

スターリンクを飛ばし続ける意図は分からないが、同じ現象が再現することを期待しているのかも知れない。

圧力上昇が検知されれば、それだけデータが揃うわけだ。

顧客の打ち上げなら問題だが、自社事業ならバクチが打てる(そういうことかあ?)。

原因を究明せずに、アホみたいに打ち上げているわけではなく、原因究明の一環としてテスト発射しているともとれる状況なわけだ(もちろん、未確認)。

原因究明が長期に渡ると、ペトルメレチンの懸念通り、ファルコンが上がらなくなるという由々しき事態に陥る。

今日まで、スペースXは、トラブルの原因を比較的早期に突き止め、適切な対応を取ってきた。

それが、ここにきて、足踏みを余儀なくされている。

トラブルには原因があり、解決可能かどうかは別にして、何らかの対応が必要になる。

その中には、従来通りの打ち上げを継続するという対応も含まれているんだろう。

スターリンクの打ち上げを続けていることの、もう一つの理由がそこにあるのかも知れない。

原因不明の稀な事象(マーリンエンジンは、既に延べ数百回燃焼しているからな)。

世界で最も実績のあるエンジンの一つだ。

しかも、回収して再使用されていることから、使用後の不具合の確認までされている。

打ち上げロケットのメインエンジンを回収してチェックしているのは、スペースシャトルのSSME以外では、マーリンだけだ。

GPS衛星の1段目は新品だが、そのエンジンの素性は、現役のどんなエンジンより明らかになっている。

原因不明のまま、再開する可能性がないわけではない。

エラーを吐いたエンジン単体は交換されるかもしれないけどな。

マクレガーに戻して試験して、再度打ち上げになる可能性はゼロではない。

GPS衛星は、ビミョーな軌道に投入されるから、どれか一つのエンジンがダメになっただけでも、影響が出る可能性がある。

ISSへの貨物とかは、ほとんど影響ないだろう。

クルー1は仕方ないな。

エンジンのトラブルと言えば、LE-9の記事が上がっていた。

(H3ロケットの完成が1年延期に、エンジン開発の「魔物」はどこに潜んでいたのか (1/4))
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2010/14/news013.html

まあ、大塚さんといい鳥嶋さんといい、JAXAに丸め込まれて甘い評価だが、浮沈子は厳しーぞ!。

エンジン開発に魔物なんていない。

要素技術の開発を事前にしたと言っても、LE-Xの水素側ターボは我が国はやってないしな。

製造技術のばらつきによる高温燃焼試験だって、実機(認定用)で初めて行っている。

要するに詰めが甘いわけだ。

もちろん、出力要求を下げれば簡単に解決するんだろうが、そうは問屋が卸さない。

H3-30Sとして紹介されている機種(30-Lもあったような気が)では、エンジン3基だけで、ブースターなしで飛ばすわけで、この性能を落としたら打ち上げる衛星の重量に影響が出る。

打ち上げロケットのメインエンジンの出力要件は、アプリケーションである衛星の重量や軌道の設計に係るからな。

キッチリ、要求性能が出せなければ、基幹ロケットとして成立しない懸念もある。

ある意味、絶対条件なわけだ。

そのキビシー条件をクリアできずに延期されたというのは、全くもって言語道断な話なわけだ。

記事では、タービンブレードの破損については、ある程度の目途が立っているとされているが、それこそ、やってみなくちゃ分からんだろうの世界だからな。

燃焼室の損傷も、単にフィルム冷却の量を増やせば済む問題かどうかは分からない。

高出力に向かないといわれているエキスパンダーブリードサイクルをメインエンジンに持ってきた選択自体を問われている。

どう考えても、筋が悪い。

世界で何処もやらないのには、ちゃんとした理由があるわけだ。

燃焼室周りから効率よく熱交換してタービンを回すための精密加工技術に頼って、ギリギリの性能を追求したのが仇になった。

高温高圧な部分がなく、破壊的な故障のないエンジンということは、裏返せばそれだけ高出力には向かないということだからな。

所期の性能が出せなければ、打ち上げロケットとしての成立要件が壊れる。

結局、固体燃料ブースターに頼ることになり、コスト削減は果たせず、競争力も生まれない。

開発は中途半端になり、基幹ロケットとして立ち行かなくなるかもしれない。

H2Aの半分のコストで済むはずのブースターなしのバージョンで飛ばせる衛星は、3トンクラスになっちまうかもしれないな(現在の目標は4トンクラス)。

静止軌道に上げるには、どのみちブースターかませないと無理だし。

それでも、現在主流になりつつある6トン後半のヘビー衛星を上げるのは難しいかも知れない。

将来は、8トンクラスの衛星打ち上げ能力が必要になるかも知れないしな(逆立ちしてもムリポ)。

開発途上とはいえ、エンジンの不具合で、H3ロケットの打ち上げは1年延期となった(年度が繰り下がっただけだから、もっと早くなるかもしれない)。

ファルコン9との差は歴然だな。

不具合が出ようが何しようが、とにかく上げられれば上げる。

上げてみなくちゃ、分からんだろう?。

不具合が再現すればめっけもんだし、何の不具合も出なければ、一か八かで継続するかもしれない(未確認)。

方式的にも実績的にも枯れたエンジンに出たトラブルということになれば、製造工程や検査工程におけるトラブルということもあり得る。

品質管理上の問題ということになれば、抜本的な対策を求められる。

再使用ではなく、新品のエンジンだからな。

その影響は大きい。

使用実績がある中古の方が信頼性が高いという話にもつながりかねないからな。

そのうち、冗談ではなく、スターリンクは新品で上げ、軍事衛星は中古で上げるようになるかもしれない。

様変わりだな。

スターシップにうつつを抜かしていないで、現に運用段階に入っていて、有人飛行も担うロケットを充実させる方が優先だろう。

中古ロケットでスターリンクをいくら飛ばしても、そういう原因(つまり、新品の品質管理の不手際)なら、いつまでたっても問題の解決にはつながらないということになる。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、ファルコン9の打ち上げ回数が減るのがつまらないだけの話だ。

最近、ド派手な爆発が少ないからな。

ブロック5は、有人機打ち上げロケットだから、余り爆発するのは好ましくない。

やっぱ、期待するならスターシップ(SN8)だろうが、今のところすんなり通っているようだ。

これから、スタティックファイアーテストを行い、その後、高度1万5千メートルからのダイブに臨む。

万が一爆発せずに上がったとしても、落下の途中で翼が根元からポロリともぎ取られ、エンジンの再着火に失敗し、地面にたたきつけられて木っ端微塵になるのは目に見えている(浮沈子の妄想の中では、かなりリアルなんだがな)。

決してそうなればいいと願っているわけではない。

が、そうなる公算は高い。

堕ちるところが悪ければ、陸上被害が出る可能性もあり、由々しき事態になりかねない。

(SpaceXスターシップのプロトタイプが3つのラプターエンジンで最初の静的火災に備えています)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-first-three-raptor-engine-static-fire/

ラプターエンジンは開発途上で、何が起こっても不思議ではない。

1分くらいのホップ飛行でも、エンジン上部から炎が上がったり、着陸後にホースで炎を消し止められたりしてるしな。

そんなヤバイエンジンを実物大の試験機に搭載して、前人未到のスカイダイブ後のパワードランディングに挑もうということなわけだから、我が国との文化の差を感じないではいられない。

いや、わが国だけではなく、米国内でも呆れられているかもしれないな。

アホか・・・。

上げてみなくちゃ分からんだろう?。

確かに・・・。

<以下追加>----------

(スターシップSN8は最初のテストに合格し、すでに3つのラプターを備えています。まもなくトップになり、15kmの高さまで飛行します。)
https://www.elonx.cz/starship-sn8-prosla-prvnimi-zkouskami-a-uz-ma-tri-raptory-brzy-dostane-spicku-a-vyleti-do-vysky-15-km/

「SN7.1タンクは10月4日に台座から投げ出され、処分されました。」

「タンクの大部分が304L鋼でできていたが、一部は以前に使用した301鋼でできていたという興味深い情報を追加しました。破壊試験中に、タンクは301鋼部品と304L部品の接合部で破裂しました。Elon Muskはさらに、Starship SN9はすでに完全に304L鋼でできていると述べましたが、SpaceXは使用されている合金を少し変更していると言われています。このことから、現在テストされているプロトタイプのStarship SN8でさえ、おそらく304L鋼だけで作られているわけではなく、SN7.1と同様に301鋼で作られた部品がいくつか含まれていると推測できます。」

ふーん、SN8とSN9は同じじゃないんだ・・・。

「Starshipの安定化面は油圧を使用しなくなり、電気モーターによってギアボックスを介して直接傾斜します。SpaceXはこれらの目的でTesla電気モーターを使用していることを過去から知っています。これらのモーターは、背面の動きを確実にするために1.5MWの電力を供給する必要があります。それらは、それぞれが100kWhの容量を持つTesla電気自動車のいくつかのバッテリーからエネルギーを引き出します」

そんなんで、大丈夫なのかあ?。

「酸素は船の先端にあるため、このテスト点火は先端を取り付けた後にのみ行うことができます。先端のタンクから船底のラプターへの酸素の移動は、メインタンクと交差し、船体の内側に沿って走るチューブによって保証されます。」

ロケットの先端に推進剤タンクを設置するという、前代未聞、奇妙奇天烈、奇想天外、支離滅裂(?)なデザインだな。

スカイダイビング方式の大気減速を行うわけだから、トリムを取りやすくするために重心を上に持っていきたいというのは分かるんだが、パワードランディングする際には機体を回転させなければならず、その中心から遠いところの重量物を動かすことになる。

「SpaceXは、このような飛行を数キロメートルの高さまで数回行うことを計画しており、うまくいった場合、プロトタイプの1つがヒートシールドを受け取り、テスト飛行を実行します。その間に超音速が達成されます。

衝撃波でバラバラにぶっ壊れる方に一票だな。

「スーパーヘビーロケット:
一部の部品の接合はすでに始まっていますが、最終的な組み立てには、完成した「ハイベイ」組み立てホールが必要です。Elon Musekによると、その建設は数週間で完了し(オーバーヘッドクレーンを除く)、その頃に個々のスーパーヘビーセグメントの1つの大きなユニットへの組み立てが開始されます。」

組み立て棟の完成を待ちきれずに、野ざらしにされる部品かあ・・・。

従来の宇宙ロケットの組み立てとは、明らかに一線を画している。

「2つのラプターエンジンを使用して短いテスト飛行を実行する必要があります。」

うーん、そこまではすんなりと行くかもしれない。

2つが28に増えるということになるが、まあ、べらぼーな話だ。

「数十のラプターを使用した軌道打ち上げ時にどのように見えるかは個人的には想像できません。」

浮沈子も同感だな(ペトルメレチンと、初めて意見が合った気がする)。

以前にも書いたが、1000回の再使用を想定した1段目のブースターが、ステンレスのまま実機になるかどうかは分からないと思っている。

耐久性や製造コスト、生産性も考慮の必要がある。

エンジンについては、相変わらず長秒燃焼が達成されたのかどうかが、最大の関心事だ。

実際に飛行した唯一のフルフロー二段燃焼サイクルエンジンだからな。

リブリーザーで言えば、ECCRみたいなもんか。

このエンジンをものに出来れば、スターシップなんて飛ばなくたって、スペースXは安泰かもしれない(そうなのかあ?)。

ULAに高く売りつけて儲けることができれば、それで食っていくことだってできるだろう(未確認)。

BE-4エンジンの続報もないしな(あっちも確か、ターボポンプ関係のトラブルだったような気が・・・)。

ロケットエンジン(特にターボポンプ周り)は鬼門だな。

お祓いしてもらった方がいいかもな・・・。