そういえばあれはどうなった:ILCの実像に迫る読売の連載終わる ― 2020年10月16日 00:20
そういえばあれはどうなった:ILCの実像に迫る読売の連載終わる
(ILCの実像)
https://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO047251/
読売新聞が「地域>岩手>企画・連載」の一環として手掛けた短期集中連載(全5回)が終わった。
といっても、浮沈子はさっき見たばっかだがな。
世界の加速器団体の窓口になっているKEKが、今年3月に地元に知らせもせずに文科省への申請を取り下げて半年余り(先月、ようやく公表された)。
このタイミングでの連載は、なかなかセンスがあると言えよう(そうなのかあ?)。
「(1)建設費8000億見合うか
(2)誘致の熱 県境越えず
(3)地域振興 シビアな目
(4)国際情勢 見極め必要
(5)県民の納得 実現へ鍵」
30年も前から誘致していたとか、ILCが出来ても大した成果は上げられないかもしれないとか、宮城に次世代放射光施設が建設中とか、中国脅威論は根拠薄弱とか・・・。
浮沈子も認識を新たにする内容が含まれていて、非常に参考になった。
取り下げの経緯とか、なぜ地元への報告をしなかったのかとか、3年後の大規模プロジェクトのリストに載せるには何をどーするとか、そういう生臭い話は脇に置いて、地元で欠落している「そもそも論」から解き明かそうというアプローチに感心した。
まあ、ちょっと力不足だがな。
トリチウムの話にしても、舌足らずな感じだし・・・。
浮沈子的には、トンネルの跡地利用がどうなるかとか、そういう視点も欲しかった気がするが、次回連載に期待というところか。
米国の「超伝導超大型粒子加速器(SSC)」が金がなくて建設途中で放棄された話は、知ってはいたが改めて読むと衝撃を感じる。
国際的な信用は地に落ち、関係者の落胆と苦悩はいかばかりか。
ILCは、その二の舞になりかねないという懸念は、現実的にはともかく、心しておかなければならない。
現実は、もっとショボくて、着工できないで消えるというわけだがな(そうなのかあ?)。
従来の予算と別枠といっても、そんな金がどこから降ってくるのかは知らない。
浮沈子は、そんなものいらない派だから、別にどーでもいーんですが。
次世代円形加速器で、電子陽電子の衝突を調べることも計画されているので、ILCがスルーされてもヒッグス粒子の精密測定はそのうち行われる。
セルンの線形加速器が、その前に実現するかもしれないしな。
記事では、中国の円形加速器は実現可能性が低いような扱いだが、西側諸国への対抗上、政治的なモチーフを背景に急遽成立する可能性もある。
浮沈子的注目は、宇宙開発との競争だな。
米国は、湯水のごとく宇宙空間にドルをばら撒き、宇宙開発では盤石の地位を手に入れた。
中国も同じように宇宙大国を目指している。
独自の宇宙ステーションの建設、月面からのサンプルリターン、有人月面着陸、火星探査、さらには火星からのサンプルリターン。
有人か無人かは知らないが、月面基地も計画されているようだ。
まあ、みーんな米国の後追いに見えるが、月の裏側への着陸や、今も稼働しているランダーやローバーなど、独自路線も出している。
大型打ち上げロケット(長征5号)や、次世代有人カプセル、さらには再使用可能な宇宙往還機の実験など、宇宙開発では侮れないレベルだ。
そっちの方が見映えもいいし、威張れるし、政治的なパフォーマンスとしても分かりやすいしな。
月面を、中国人が歩いたと言えば、誰もがピンとくるが、ヒッグス粒子の性質がどーのこーのと言われて直ぐに分かる人などいない(まあ、ちっとはいるかもしれないけど)。
宇宙の成り立ちを解き明かすと言っても、記事にもあるように、その入り口が分かるかどうかというレベルの話だ。
一気に宇宙の謎が解き明かされ、ノーベル賞が10個くらい自動的に転がり込んでくるわけでもなさそうだしな。
素粒子物理学という、ニッチな世界においては重要なステップなのかもしれないし、そういう不人気な施設に投資する行為は称賛されるかもしれないが、ハッキリ言って選挙対策にはならない。
膨大な出費に見合うゲインがないのだ。
連載は、そこを多角的に解き明かそうとしているが、どうも舌足らずだ。
何にでも手を出す癖に、わが国独自の得意分野を築けない救い難い国民性だからな。
もう、素粒子物理と心中するくらいの覚悟が求められている(そうなのかあ?)。
ISSからも、H3ロケットからも手を引き、その開発予算や運用全てをつぎ込むくらいの勢いが必要だ。
スパコンもやめ、IPS細胞もやめ、全てをILCに注ぎ込む・・・。
少なくとも、建設期間とメインの実験期間(併せて20年くらいか)は、他のことは忘れて頂かないとな。
で、産業的には何のメリットもない、ヒッグス粒子の性質が明らかになるかも知れない。
だから何なんだあ?。
浮沈子には、そこが分からないわけで、反重力ロケット(ヒッグス粒子は、弱い相互作用に係る粒子に質量を与えると言われている)が出来るとか、光速を超えてワープできるようになるとか(テキトーです)、目に見える成果が欲しいんだがな。
いや、確かに基礎研究は重要だ。
電子が発見された時、現代の電子デバイスを駆使したテクノロジーの展開を予測した人は皆無だったろう。
原子核を発見したラザフォードは、その核エネルギーを開放することで、終末兵器や潜水艦の動力が賄われることを予測しただろうか?。
ヒッグス粒子だって、1000年くらい経てば、何かの役に立っているかもしれないじゃないの・・・。
まあいい。
ILC誘致は、とりあえず3年間塩漬けになった。
そもそも論を展開する時間はある。
が、まあ、新型コロナの話もあるしな。
時期が悪すぎる。
塩漬けのまま3年なんて、あっという間に過ぎ去って、再び3年先延ばしという構図も見えてくる(そんなあ!)。
そうやって先延ばししている間に、セルンなり中国なりが円形加速器で電子陽電子をぶつけて同じ様な成果を出すかもしれない。
もう、ILCなんていらないんじゃね?。
文科省は、そうなってくれればいいと考えてるのかもな・・・。
(ILCの実像)
https://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO047251/
読売新聞が「地域>岩手>企画・連載」の一環として手掛けた短期集中連載(全5回)が終わった。
といっても、浮沈子はさっき見たばっかだがな。
世界の加速器団体の窓口になっているKEKが、今年3月に地元に知らせもせずに文科省への申請を取り下げて半年余り(先月、ようやく公表された)。
このタイミングでの連載は、なかなかセンスがあると言えよう(そうなのかあ?)。
「(1)建設費8000億見合うか
(2)誘致の熱 県境越えず
(3)地域振興 シビアな目
(4)国際情勢 見極め必要
(5)県民の納得 実現へ鍵」
30年も前から誘致していたとか、ILCが出来ても大した成果は上げられないかもしれないとか、宮城に次世代放射光施設が建設中とか、中国脅威論は根拠薄弱とか・・・。
浮沈子も認識を新たにする内容が含まれていて、非常に参考になった。
取り下げの経緯とか、なぜ地元への報告をしなかったのかとか、3年後の大規模プロジェクトのリストに載せるには何をどーするとか、そういう生臭い話は脇に置いて、地元で欠落している「そもそも論」から解き明かそうというアプローチに感心した。
まあ、ちょっと力不足だがな。
トリチウムの話にしても、舌足らずな感じだし・・・。
浮沈子的には、トンネルの跡地利用がどうなるかとか、そういう視点も欲しかった気がするが、次回連載に期待というところか。
米国の「超伝導超大型粒子加速器(SSC)」が金がなくて建設途中で放棄された話は、知ってはいたが改めて読むと衝撃を感じる。
国際的な信用は地に落ち、関係者の落胆と苦悩はいかばかりか。
ILCは、その二の舞になりかねないという懸念は、現実的にはともかく、心しておかなければならない。
現実は、もっとショボくて、着工できないで消えるというわけだがな(そうなのかあ?)。
従来の予算と別枠といっても、そんな金がどこから降ってくるのかは知らない。
浮沈子は、そんなものいらない派だから、別にどーでもいーんですが。
次世代円形加速器で、電子陽電子の衝突を調べることも計画されているので、ILCがスルーされてもヒッグス粒子の精密測定はそのうち行われる。
セルンの線形加速器が、その前に実現するかもしれないしな。
記事では、中国の円形加速器は実現可能性が低いような扱いだが、西側諸国への対抗上、政治的なモチーフを背景に急遽成立する可能性もある。
浮沈子的注目は、宇宙開発との競争だな。
米国は、湯水のごとく宇宙空間にドルをばら撒き、宇宙開発では盤石の地位を手に入れた。
中国も同じように宇宙大国を目指している。
独自の宇宙ステーションの建設、月面からのサンプルリターン、有人月面着陸、火星探査、さらには火星からのサンプルリターン。
有人か無人かは知らないが、月面基地も計画されているようだ。
まあ、みーんな米国の後追いに見えるが、月の裏側への着陸や、今も稼働しているランダーやローバーなど、独自路線も出している。
大型打ち上げロケット(長征5号)や、次世代有人カプセル、さらには再使用可能な宇宙往還機の実験など、宇宙開発では侮れないレベルだ。
そっちの方が見映えもいいし、威張れるし、政治的なパフォーマンスとしても分かりやすいしな。
月面を、中国人が歩いたと言えば、誰もがピンとくるが、ヒッグス粒子の性質がどーのこーのと言われて直ぐに分かる人などいない(まあ、ちっとはいるかもしれないけど)。
宇宙の成り立ちを解き明かすと言っても、記事にもあるように、その入り口が分かるかどうかというレベルの話だ。
一気に宇宙の謎が解き明かされ、ノーベル賞が10個くらい自動的に転がり込んでくるわけでもなさそうだしな。
素粒子物理学という、ニッチな世界においては重要なステップなのかもしれないし、そういう不人気な施設に投資する行為は称賛されるかもしれないが、ハッキリ言って選挙対策にはならない。
膨大な出費に見合うゲインがないのだ。
連載は、そこを多角的に解き明かそうとしているが、どうも舌足らずだ。
何にでも手を出す癖に、わが国独自の得意分野を築けない救い難い国民性だからな。
もう、素粒子物理と心中するくらいの覚悟が求められている(そうなのかあ?)。
ISSからも、H3ロケットからも手を引き、その開発予算や運用全てをつぎ込むくらいの勢いが必要だ。
スパコンもやめ、IPS細胞もやめ、全てをILCに注ぎ込む・・・。
少なくとも、建設期間とメインの実験期間(併せて20年くらいか)は、他のことは忘れて頂かないとな。
で、産業的には何のメリットもない、ヒッグス粒子の性質が明らかになるかも知れない。
だから何なんだあ?。
浮沈子には、そこが分からないわけで、反重力ロケット(ヒッグス粒子は、弱い相互作用に係る粒子に質量を与えると言われている)が出来るとか、光速を超えてワープできるようになるとか(テキトーです)、目に見える成果が欲しいんだがな。
いや、確かに基礎研究は重要だ。
電子が発見された時、現代の電子デバイスを駆使したテクノロジーの展開を予測した人は皆無だったろう。
原子核を発見したラザフォードは、その核エネルギーを開放することで、終末兵器や潜水艦の動力が賄われることを予測しただろうか?。
ヒッグス粒子だって、1000年くらい経てば、何かの役に立っているかもしれないじゃないの・・・。
まあいい。
ILC誘致は、とりあえず3年間塩漬けになった。
そもそも論を展開する時間はある。
が、まあ、新型コロナの話もあるしな。
時期が悪すぎる。
塩漬けのまま3年なんて、あっという間に過ぎ去って、再び3年先延ばしという構図も見えてくる(そんなあ!)。
そうやって先延ばししている間に、セルンなり中国なりが円形加速器で電子陽電子をぶつけて同じ様な成果を出すかもしれない。
もう、ILCなんていらないんじゃね?。
文科省は、そうなってくれればいいと考えてるのかもな・・・。
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