米国の第3波とインドのピークアウトで年内逆転は消えたか ― 2020年10月23日 04:27
米国の第3波とインドのピークアウトで年内逆転は消えたか
米国(感染者8,450,135人、死者225,678人:速報値)の新型コロナ新規感染者が、明らかな増加に転じた。
先週から小笠原に行っていた間のデータをプロットすると、疑いもなく第3波に突入している。
感染症の流行には波があるようだが、通常は集団免疫を獲得して感染の勢いが衰退し、やがて集団の抗体価が低下して再度感染が広がるパターンだが、新型コロナの場合は、ロックダウンなどの社会的要因が大きいようだ。
米国での第3波の原因が何なのかは分からないが、9月以降、学校が順次始まっていることが一つの原因かもしれない。
一方、各地で大統領選挙絡みの大規模集会が開かれているようだが、それがどこまで影響しているかは分からない。
インド(7,706,946、116,616)は、完全にピークアウトし、新規感染者は5万人台になっている。
この先、どこまで落ちるかは分からないが、少なくとも第1波は潜り抜けた感じだ(社会経済活動は活発化していくから、どこかで必ず第2波を食らうことは確実だけどな)。
やれやれ・・・。
米国の新規感染者数がどこまで増えるかにもよるが、このままだと年内の総感染者数の逆転はなくなる。
むしろ、米国がインドを引き離しにかかる感じになるだろう。
うーん、早ければ今月中旬と見ていた逆転は時期尚早だったわけだ。
まあいい。
画像のグラフにおける米国の感染者数は、速報値ではなく、各州の公式発表を合計した数値を使用しているので、速報値と比較して25万人程度少ない。
それでも、年内逆転の芽はないということなわけだから、最近の米国とインドの状況が真逆になっていることは明らかだ。
欧州は第2波に苦しんでいるが、第1波の時のような全面的なロックダウンではなく、社会的影響を押さえた部分的な行動抑制を行おうと試みている。
それは、規模こそ1桁か2桁違う我が国も同じだ。
むしろ、感染防御策を講じた上で、ゴーツーキャンペーンなどで社会活動を活性化させようとしている。
感染者の増加は、既に避けようがない。
医療崩壊を招かない程度の感染継続を許容し、社会活動の崩壊を防ぐことの方が優先されている。
海外との交流も再開されつつあり、欧米並みの感染者数の増加も時間の問題かもしれない。
PCR検査が、潜伏期間中の感染者をごっそり取り漏らすことは確実だからな。
一定数の流入は織り込み済みということだ。
我が国の感染者(9万5960人)はそろそろ10万人になるが、欧米に比べればほぼ1桁少ない。
死者数は1711人で、さらに少ない。
ワクチンの完成と普及には、最低でも1年掛かるだろうから、この数字が倍増するのは確実だが、10倍くらいは想定しておかなければならないだろう。
世界(41,396,754、1,134,090)の数字が、やがて米国の数字に置き換わるのかも知れない。
その頃の世界は、数億の感染者と数百万人の死者を記録し、ワクチン接種による集団免疫が機能しなければ感染者の増加がさらに続くことになる。
流行に季節性があまり見られないこと、米国とインドに見るように、地域的に流行のピークにタイムラグがあることから、世界的にはだらだらとした感染拡大が続く可能性が高い。
つーか、たぶん、まだ、本格的な流行のパターンが現れていないのだろう。
新型コロナウイルスと人類との付き合いは、始まったばかりだからな。
数年掛かりで10億人くらい感染してみなければ、本当の姿は見えてこないのかも知れない。
国際感染症は、人類の姿を映す鏡だ。
都市を中心とした密な生活、航空機による高速大量の移動、一方ではインターネットの普及によるリモートワークの展開、物流の自動化もやがては見えてくるに違いない。
ウイルスに意志はない。
人類を破滅に追い込もうとか、そんなことを考えているわけではない(今の感染力と毒性では、破滅どころか人口減少も難しい:密な生活を避けての減少のリスクが高いかも)。
町にはオレンジ色のカボチャが見られる季節になった。
来年の今頃、世界はどうなっているんだろうな・・・。
<以下追加>----------
(渋谷区 ハロウィーン来訪自粛を)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201022/1000055274.html
「感染拡大を防ぐため「渋谷に来ることは自粛してほしい」と異例の呼びかけ」
それでも、人は集まるだろうな。
若い人たちは、感染など恐れていない。
重症化率や死亡率は低いしな。
ジジババや免疫低下疾患がある人々は、みんな罹って死んじまえばいいくらいに考えているに違いないのだ(そんなあ!)。
最近、マスクをしないで歩いている人を見かけることが多くなった。
新型コロナに疲れている。
もうたくさんだ、こんな生活・・・。
気持ちは分かるが、ここは辛抱が大切だ。
罹患した場合、一見重症化していないように見えても、呼吸器系や循環器系に不可逆的な後遺症を患ってしまう可能性がある。
インスブルックのレポートについては、このブログでも触れたが、その後、類似の情報は出ない(未調査)。
(新型コロナウイルス感染症から回復しても肺には深い傷跡が残るとの指摘)
https://gigazine.net/news/20200424-irreversible-lung-damage-coronavirus/
「COVID-19から回復した健康な元患者の肺が、不可逆な損傷を受けた」
ジジババは、長い人生を歩んできたから、免疫低下による重症化や死亡に対してもある程度諦めが付く(それが寿命だったのかも)。
免疫低下疾患患者については、医学的にも適切な管理が必要だ。
だが、健康な若い人々が無知や無自覚な行動で罹患し、その後の人生を台無しにするのは悲劇だ。
ハロウィンが近づく中、今一度、自らの行動の意味を考え直してもらいたいもんだな・・・。
米国(感染者8,450,135人、死者225,678人:速報値)の新型コロナ新規感染者が、明らかな増加に転じた。
先週から小笠原に行っていた間のデータをプロットすると、疑いもなく第3波に突入している。
感染症の流行には波があるようだが、通常は集団免疫を獲得して感染の勢いが衰退し、やがて集団の抗体価が低下して再度感染が広がるパターンだが、新型コロナの場合は、ロックダウンなどの社会的要因が大きいようだ。
米国での第3波の原因が何なのかは分からないが、9月以降、学校が順次始まっていることが一つの原因かもしれない。
一方、各地で大統領選挙絡みの大規模集会が開かれているようだが、それがどこまで影響しているかは分からない。
インド(7,706,946、116,616)は、完全にピークアウトし、新規感染者は5万人台になっている。
この先、どこまで落ちるかは分からないが、少なくとも第1波は潜り抜けた感じだ(社会経済活動は活発化していくから、どこかで必ず第2波を食らうことは確実だけどな)。
やれやれ・・・。
米国の新規感染者数がどこまで増えるかにもよるが、このままだと年内の総感染者数の逆転はなくなる。
むしろ、米国がインドを引き離しにかかる感じになるだろう。
うーん、早ければ今月中旬と見ていた逆転は時期尚早だったわけだ。
まあいい。
画像のグラフにおける米国の感染者数は、速報値ではなく、各州の公式発表を合計した数値を使用しているので、速報値と比較して25万人程度少ない。
それでも、年内逆転の芽はないということなわけだから、最近の米国とインドの状況が真逆になっていることは明らかだ。
欧州は第2波に苦しんでいるが、第1波の時のような全面的なロックダウンではなく、社会的影響を押さえた部分的な行動抑制を行おうと試みている。
それは、規模こそ1桁か2桁違う我が国も同じだ。
むしろ、感染防御策を講じた上で、ゴーツーキャンペーンなどで社会活動を活性化させようとしている。
感染者の増加は、既に避けようがない。
医療崩壊を招かない程度の感染継続を許容し、社会活動の崩壊を防ぐことの方が優先されている。
海外との交流も再開されつつあり、欧米並みの感染者数の増加も時間の問題かもしれない。
PCR検査が、潜伏期間中の感染者をごっそり取り漏らすことは確実だからな。
一定数の流入は織り込み済みということだ。
我が国の感染者(9万5960人)はそろそろ10万人になるが、欧米に比べればほぼ1桁少ない。
死者数は1711人で、さらに少ない。
ワクチンの完成と普及には、最低でも1年掛かるだろうから、この数字が倍増するのは確実だが、10倍くらいは想定しておかなければならないだろう。
世界(41,396,754、1,134,090)の数字が、やがて米国の数字に置き換わるのかも知れない。
その頃の世界は、数億の感染者と数百万人の死者を記録し、ワクチン接種による集団免疫が機能しなければ感染者の増加がさらに続くことになる。
流行に季節性があまり見られないこと、米国とインドに見るように、地域的に流行のピークにタイムラグがあることから、世界的にはだらだらとした感染拡大が続く可能性が高い。
つーか、たぶん、まだ、本格的な流行のパターンが現れていないのだろう。
新型コロナウイルスと人類との付き合いは、始まったばかりだからな。
数年掛かりで10億人くらい感染してみなければ、本当の姿は見えてこないのかも知れない。
国際感染症は、人類の姿を映す鏡だ。
都市を中心とした密な生活、航空機による高速大量の移動、一方ではインターネットの普及によるリモートワークの展開、物流の自動化もやがては見えてくるに違いない。
ウイルスに意志はない。
人類を破滅に追い込もうとか、そんなことを考えているわけではない(今の感染力と毒性では、破滅どころか人口減少も難しい:密な生活を避けての減少のリスクが高いかも)。
町にはオレンジ色のカボチャが見られる季節になった。
来年の今頃、世界はどうなっているんだろうな・・・。
<以下追加>----------
(渋谷区 ハロウィーン来訪自粛を)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201022/1000055274.html
「感染拡大を防ぐため「渋谷に来ることは自粛してほしい」と異例の呼びかけ」
それでも、人は集まるだろうな。
若い人たちは、感染など恐れていない。
重症化率や死亡率は低いしな。
ジジババや免疫低下疾患がある人々は、みんな罹って死んじまえばいいくらいに考えているに違いないのだ(そんなあ!)。
最近、マスクをしないで歩いている人を見かけることが多くなった。
新型コロナに疲れている。
もうたくさんだ、こんな生活・・・。
気持ちは分かるが、ここは辛抱が大切だ。
罹患した場合、一見重症化していないように見えても、呼吸器系や循環器系に不可逆的な後遺症を患ってしまう可能性がある。
インスブルックのレポートについては、このブログでも触れたが、その後、類似の情報は出ない(未調査)。
(新型コロナウイルス感染症から回復しても肺には深い傷跡が残るとの指摘)
https://gigazine.net/news/20200424-irreversible-lung-damage-coronavirus/
「COVID-19から回復した健康な元患者の肺が、不可逆な損傷を受けた」
ジジババは、長い人生を歩んできたから、免疫低下による重症化や死亡に対してもある程度諦めが付く(それが寿命だったのかも)。
免疫低下疾患患者については、医学的にも適切な管理が必要だ。
だが、健康な若い人々が無知や無自覚な行動で罹患し、その後の人生を台無しにするのは悲劇だ。
ハロウィンが近づく中、今一度、自らの行動の意味を考え直してもらいたいもんだな・・・。
1段目のエンジン不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに2段目のカメラが調子悪いと延期するS社の運用思想を切る ― 2020年10月23日 11:29
1段目のエンジン不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに2段目のカメラが調子悪いと延期するS社の運用思想を切る
小笠原に行っている間にスターリンクV1L13が上がった。
(Mise Starlink v1-13)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-13/
「基本情報:
・開始日: 18。10。2020 14:25 CEST
・開始ウィンドウ:即時(開始ウィンドウとは)
・ステータス:ミッションは成功しました
・静的点火: 2020年10月17日12:00 CESTに発生しました(静的点火とは)
・一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用にさらに約60の衛星
・貨物の重量:各スターリンク衛星の重量は260 kg
・ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(すでに使用されている第1ステージB1051.6)
・目的:低地球軌道
・打ち上げランプ:LC-39A (ケネディ宇宙センター、メリット島、フロリダ州)
・ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY海上プラットフォーム
・カバーをキャプチャしようとしました:両方の半分がキャプチャされましたが、問題がありました」
リンクされている打ち上げシークエンス。
(STARLINK-14 MISSION:V1L13のもの)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-13-press-kit.pdf
「MISSION TIMELINE (ALL TIMES APPROXIMATE):
COUNTDOWN:
Hr/Min/Sec Event
- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
LAUNCH, LANDING AND DEPLOYMENT:
Hr/Min/Sec Event
00:01:12 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:32 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:36 1st and 2nd stages separate
00:02:43 2nd stage engine starts (SES-1)
00:03:22 Fairing deployment
00:06:40 1st stage entry burn complete
00:08:24 1st stage landing
00:08:48 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:44:04 2nd stage engine restarts (SES-2)
00:44:06 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:03:02 Starlink satellites deploy」
静的点火(スタティックファイアーテスト)を行い、回収ドローンは定番のOCISLYで、1段目(B1051)は6回目の使用、フェアリングのキャプチャは半分成功、残り半分はキャプチャ後にネットが壊れ、トラブルを起こしたようだが無事な感じ。
投入軌道は打ち上げ後、約1時間でほぼ円軌道(高度278 km)。
外連味のない、つまらん打ち上げなんだが、この打ち上げがGPS衛星が原因不明のエンジン不調でスタックしている最中のものということは特筆に値する(V1L12に続いて2回目)。
有人宇宙船であるクルードラゴンの打ち上げも、そのために延期されているわけで、如何に自社事業とはいえ、それなりのリスクを取っているわけだ。
1段目のマーリンエンジンの不調の原因(プレバーナーの圧力異常の問題と言われている)によっては、失敗に終わる可能性もあるわけで、また、回収に失敗すれば再使用可能な1段目を失い、今後のスケジュールに支障をきたすことにもつながる。
再使用って、ややっこしいな(使い捨てならそんなことは気にしないでバンバン海に捨てればいいからな)。
幸い打ち上げは成功し、60機の衛星は無事に軌道投入されたようだ。
(SpaceXはスターリンク衛星の別のバッチを起動します)
https://spaceflightnow.com/2020/10/18/spacex-launches-another-batch-of-starlink-satellites/
「60個のフラットパネル衛星が東部標準時午前9時29分(グリニッジ標準時1329年)にロケットから分離され、SpaceXの70回連続の成功したミッションを完了しました。上段のカメラは、60個の衛星(それぞれの質量が約4分の1トン)がファルコン9からインド洋上空を飛行していることを示していました。」
「SpaceXは、10月13日付けのFCCへの提出で、米国の複数の州でStarlinkネットワークのベータテストを開始し、以前はサービスを受けていなかった地方の学生にインターネット接続を提供していると述べました。」
パブリックベータテストは、徐々に始まっている感じだ。
「同社は10月6日にファルコン9を打ち上げ、スターリンクネットワークに60の衛星を追加し、日曜日にさらに60の宇宙船を打ち上げました。ファルコン9ロケットは、水曜日の午後12時36分EDT(1636 GMT)にケープカナベラル空軍基地のパッド40から、スターリンク衛星の別の群れとともに打ち上げられる予定です。」
その打ち上げが遅れている。
(Mise Starlink v1-14)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-14/
「基本情報:
・開始日: 24。10。2020 17:31 CEST、1日後のバックアップ日
・開始ウィンドウ:即時(開始ウィンドウとは)
・静的点火:場所21. 10.2020の18:00CEST(静的点火とは)
・一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用にさらに約60の衛星
・貨物の重量:各スターリンク衛星の重量は260 kg
・ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(すでに使用されている第1ステージB1060.3)
・目的:低地球軌道
・開始ランプ: SLC-40 (ケープカナベラル空軍基地、ケープカナベラル、フロリダ州)
・ステージ着陸の試み:はい、JRTIオフショアプラットフォームで
・表紙をつかもう:多分そう」
回収用ドローン船がJRTIとなっていて、スターリンクの打ち上げでは初登場である以外に注目すべき点はない(静的点火も実施済み)。
延期の理由については、2段目のカメラの故障ということになっている(記事の「現在の情報」参照)。
「「任務の確保」のため、控除は中断された。それが何を意味するのかはわかりませんが、早ければ明日からは始まりません。」
「Elon Musekによると、遅延の理由は上段のカメラの故障です。彼らはそれは深刻なことではないと言いますが、SpaceXはロケット全体をチェックしたいと思っています。」
上段の故障したカメラというのは、おそらく衛星のデプロイ撮影用ではないか(テキトーです)。
1段目のメインエンジンの不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに、2段目のカメラごときの故障で延期するとはけしからん!。
が、まあ、分からないでもない。
以前にも書いたが、エンジン故障が極めてまれな事象で、打ち上げを継続する中で再現すればデータが取れるし、再現しなければ希少性が高まることで再開への道筋にもつながる。
どっちにしても、損はない。
ファルコン9は1基のエンジンが故障しても、その他8基のエンジン燃焼時間を延長してミッションを成功させることができる(回収用の3基のうちの1基だとマズいけどな)。
不調の原因が着火直後のプレバーナーの異常ということなら、GPS衛星の時のように打ち上げ直前に止めてチェックすることができるかもしれない。
いずれにしても、トラブルの再現性がなければ、原因の確定にはならないからな。
再現しなければ、それはそれで、ミッション成功なわけだから何ら問題はない。
顧客のペイロードではない、自社事業を持っていることのメリットをいかんなく発揮しているわけで、転んでもただでは起きない強かさを感じる。
じゃあ、なんで、2段目のカメラごときで延期するんだあ?。
デプロイの映像が中継されなかったのは、V1L8の時も同じだ。
中継局があるディエゴガルシアでテレメトリーを受信して、デプロイ完了を確認できるわけだから、別にカメラが故障していたって何の支障もないはずだしな。
もっとも、下向きに取り付けられている1段目の分離確認用のカメラという可能性もある。
分離に不具合があった際の検証が出来ないからな。
また、エンジンの噴射を確認している2台のカメラのどちらかかもしれない。
あるいは、そのカメラからの映像信号を送信しているシステムが逝っちまってて、何も見えない状態なのかもしれない(詳細不明)。
打ち上げロケットの場合、失敗は想定の範囲内だが、その原因を追究して次回以降に生かせなければ飛ばさないというS社の運用思想を感じる。
(STARLINK-15 MISSION:V1L14のこと)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-14-press-kit.pdf
「MISSION TIMELINE (ALL TIMES APPROXIMATE):
COUNTDOWN:
Hr/Min/Sec Event
- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
LAUNCH, LANDING AND DEPLOYMENT:
Hr/Min/Sec Event
00:01:12 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:32 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:35 1st and 2nd stages separate
00:02:43 2nd stage engine starts (SES-1)
00:03:20 Fairing deployment
00:06:40 1st stage entry burn complete
00:08:23 1st stage landing
00:08:48 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:44:13 2nd stage engine restarts (SES-2)
00:44:15 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:03:10 Starlink satellites deploy」
今回の打ち上げも、約1時間後の軌道投入になっている。
どうやら、早期の軌道投入は見送りになった感じだな。
静的点火も、1段目の使用頻度に関わらず行っている。
これが、GPS衛星のスタックの影響かどうかは知らない。
その原因が解明されたという報道はない。
いつまで延期が続くのか、再開はどういう条件で行われるのか、クルードラゴンへの影響はどうか。
そういう懸念材料がある中でのスターリンク衛星の打ち上げは、カメラが直れば明日予定されている・・・。
小笠原に行っている間にスターリンクV1L13が上がった。
(Mise Starlink v1-13)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-13/
「基本情報:
・開始日: 18。10。2020 14:25 CEST
・開始ウィンドウ:即時(開始ウィンドウとは)
・ステータス:ミッションは成功しました
・静的点火: 2020年10月17日12:00 CESTに発生しました(静的点火とは)
・一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用にさらに約60の衛星
・貨物の重量:各スターリンク衛星の重量は260 kg
・ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(すでに使用されている第1ステージB1051.6)
・目的:低地球軌道
・打ち上げランプ:LC-39A (ケネディ宇宙センター、メリット島、フロリダ州)
・ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY海上プラットフォーム
・カバーをキャプチャしようとしました:両方の半分がキャプチャされましたが、問題がありました」
リンクされている打ち上げシークエンス。
(STARLINK-14 MISSION:V1L13のもの)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-13-press-kit.pdf
「MISSION TIMELINE (ALL TIMES APPROXIMATE):
COUNTDOWN:
Hr/Min/Sec Event
- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
LAUNCH, LANDING AND DEPLOYMENT:
Hr/Min/Sec Event
00:01:12 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:32 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:36 1st and 2nd stages separate
00:02:43 2nd stage engine starts (SES-1)
00:03:22 Fairing deployment
00:06:40 1st stage entry burn complete
00:08:24 1st stage landing
00:08:48 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:44:04 2nd stage engine restarts (SES-2)
00:44:06 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:03:02 Starlink satellites deploy」
静的点火(スタティックファイアーテスト)を行い、回収ドローンは定番のOCISLYで、1段目(B1051)は6回目の使用、フェアリングのキャプチャは半分成功、残り半分はキャプチャ後にネットが壊れ、トラブルを起こしたようだが無事な感じ。
投入軌道は打ち上げ後、約1時間でほぼ円軌道(高度278 km)。
外連味のない、つまらん打ち上げなんだが、この打ち上げがGPS衛星が原因不明のエンジン不調でスタックしている最中のものということは特筆に値する(V1L12に続いて2回目)。
有人宇宙船であるクルードラゴンの打ち上げも、そのために延期されているわけで、如何に自社事業とはいえ、それなりのリスクを取っているわけだ。
1段目のマーリンエンジンの不調の原因(プレバーナーの圧力異常の問題と言われている)によっては、失敗に終わる可能性もあるわけで、また、回収に失敗すれば再使用可能な1段目を失い、今後のスケジュールに支障をきたすことにもつながる。
再使用って、ややっこしいな(使い捨てならそんなことは気にしないでバンバン海に捨てればいいからな)。
幸い打ち上げは成功し、60機の衛星は無事に軌道投入されたようだ。
(SpaceXはスターリンク衛星の別のバッチを起動します)
https://spaceflightnow.com/2020/10/18/spacex-launches-another-batch-of-starlink-satellites/
「60個のフラットパネル衛星が東部標準時午前9時29分(グリニッジ標準時1329年)にロケットから分離され、SpaceXの70回連続の成功したミッションを完了しました。上段のカメラは、60個の衛星(それぞれの質量が約4分の1トン)がファルコン9からインド洋上空を飛行していることを示していました。」
「SpaceXは、10月13日付けのFCCへの提出で、米国の複数の州でStarlinkネットワークのベータテストを開始し、以前はサービスを受けていなかった地方の学生にインターネット接続を提供していると述べました。」
パブリックベータテストは、徐々に始まっている感じだ。
「同社は10月6日にファルコン9を打ち上げ、スターリンクネットワークに60の衛星を追加し、日曜日にさらに60の宇宙船を打ち上げました。ファルコン9ロケットは、水曜日の午後12時36分EDT(1636 GMT)にケープカナベラル空軍基地のパッド40から、スターリンク衛星の別の群れとともに打ち上げられる予定です。」
その打ち上げが遅れている。
(Mise Starlink v1-14)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-14/
「基本情報:
・開始日: 24。10。2020 17:31 CEST、1日後のバックアップ日
・開始ウィンドウ:即時(開始ウィンドウとは)
・静的点火:場所21. 10.2020の18:00CEST(静的点火とは)
・一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用にさらに約60の衛星
・貨物の重量:各スターリンク衛星の重量は260 kg
・ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(すでに使用されている第1ステージB1060.3)
・目的:低地球軌道
・開始ランプ: SLC-40 (ケープカナベラル空軍基地、ケープカナベラル、フロリダ州)
・ステージ着陸の試み:はい、JRTIオフショアプラットフォームで
・表紙をつかもう:多分そう」
回収用ドローン船がJRTIとなっていて、スターリンクの打ち上げでは初登場である以外に注目すべき点はない(静的点火も実施済み)。
延期の理由については、2段目のカメラの故障ということになっている(記事の「現在の情報」参照)。
「「任務の確保」のため、控除は中断された。それが何を意味するのかはわかりませんが、早ければ明日からは始まりません。」
「Elon Musekによると、遅延の理由は上段のカメラの故障です。彼らはそれは深刻なことではないと言いますが、SpaceXはロケット全体をチェックしたいと思っています。」
上段の故障したカメラというのは、おそらく衛星のデプロイ撮影用ではないか(テキトーです)。
1段目のメインエンジンの不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに、2段目のカメラごときの故障で延期するとはけしからん!。
が、まあ、分からないでもない。
以前にも書いたが、エンジン故障が極めてまれな事象で、打ち上げを継続する中で再現すればデータが取れるし、再現しなければ希少性が高まることで再開への道筋にもつながる。
どっちにしても、損はない。
ファルコン9は1基のエンジンが故障しても、その他8基のエンジン燃焼時間を延長してミッションを成功させることができる(回収用の3基のうちの1基だとマズいけどな)。
不調の原因が着火直後のプレバーナーの異常ということなら、GPS衛星の時のように打ち上げ直前に止めてチェックすることができるかもしれない。
いずれにしても、トラブルの再現性がなければ、原因の確定にはならないからな。
再現しなければ、それはそれで、ミッション成功なわけだから何ら問題はない。
顧客のペイロードではない、自社事業を持っていることのメリットをいかんなく発揮しているわけで、転んでもただでは起きない強かさを感じる。
じゃあ、なんで、2段目のカメラごときで延期するんだあ?。
デプロイの映像が中継されなかったのは、V1L8の時も同じだ。
中継局があるディエゴガルシアでテレメトリーを受信して、デプロイ完了を確認できるわけだから、別にカメラが故障していたって何の支障もないはずだしな。
もっとも、下向きに取り付けられている1段目の分離確認用のカメラという可能性もある。
分離に不具合があった際の検証が出来ないからな。
また、エンジンの噴射を確認している2台のカメラのどちらかかもしれない。
あるいは、そのカメラからの映像信号を送信しているシステムが逝っちまってて、何も見えない状態なのかもしれない(詳細不明)。
打ち上げロケットの場合、失敗は想定の範囲内だが、その原因を追究して次回以降に生かせなければ飛ばさないというS社の運用思想を感じる。
(STARLINK-15 MISSION:V1L14のこと)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-14-press-kit.pdf
「MISSION TIMELINE (ALL TIMES APPROXIMATE):
COUNTDOWN:
Hr/Min/Sec Event
- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
LAUNCH, LANDING AND DEPLOYMENT:
Hr/Min/Sec Event
00:01:12 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:32 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:35 1st and 2nd stages separate
00:02:43 2nd stage engine starts (SES-1)
00:03:20 Fairing deployment
00:06:40 1st stage entry burn complete
00:08:23 1st stage landing
00:08:48 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:44:13 2nd stage engine restarts (SES-2)
00:44:15 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:03:10 Starlink satellites deploy」
今回の打ち上げも、約1時間後の軌道投入になっている。
どうやら、早期の軌道投入は見送りになった感じだな。
静的点火も、1段目の使用頻度に関わらず行っている。
これが、GPS衛星のスタックの影響かどうかは知らない。
その原因が解明されたという報道はない。
いつまで延期が続くのか、再開はどういう条件で行われるのか、クルードラゴンへの影響はどうか。
そういう懸念材料がある中でのスターリンク衛星の打ち上げは、カメラが直れば明日予定されている・・・。
マッコウクジラと南島に海からの上陸 ― 2020年10月23日 13:34
マッコウクジラと南島に海からの上陸
小笠原に行ったのは3回目。
南島への上陸は鮫池から1度あったが、シュノーケリングで扇池から泳いで上がったのは今回初めてだ。
ホエールウォッチングは、初回(20年近く前)にザトウクジラのジャンプを見たり、母島丸から見たりしたが、黒いサラミ(体軸に沿って皴があるため)ともいわれるマッコウクジラを見るのは初めてだ。
ダイビング2日目(10月18日)のダイビング2本の後、腹ごしらえ(船の上でのお弁当)を済ませてから沖だしする。
10km程と説明を受けるが、距離感は良く分からない。
父島と兄島が手に取るように見えていた(方角はほぼ真西か)。
水深が1000m位のところに、父島を中心にした南側馬蹄形のエリアに生息しているという。
ほぼ定住していて、ザトウクジラのように何千kmも回遊したりはしない。
ただし、海況の影響を受けやすいので、沖だしできる時期でないと行けないらしい。
今回は運よく穏やかな海況で良かった。
(ホエールウォッチング)
https://www.travelroad.co.jp/ogasawara/spot/chichijima/whalewatching
「マッコウクジラは通年で小笠原近海に生息していますが、よく見られるのは5月~11月で、島から10km程度沖合いでのウォッチングとなります」
「【見頃】ザトウクジラ : 2月〜4月、マッコウクジラ : 5月〜11月」
浮沈子は、マッコウクジラなる生き物を初めて見たんだが、動きはのろのろしているし、ブリーチング(水面からジャンプすること)もしなかったし、派手さに欠ける見世物と感じた。
ローカルルールで、50m以上近寄ってはいけないらしく、そこそこの距離を保っているし。
向こうから向かって来て、それ以上近づくことは仕方ないらしい。
親子連れもいて、並んで泳いでいるのも見られた(何となくほほえましい)。
捕食のために水深1000m以上潜る間の水面休息時間(?)なわけだからな。
あまり激しい運動をすると、体内にため込んだ窒素が気泡化して減圧症になっちまうからな(息こらえ潜水でもなります)。
水面でまったりしているのは仕方ない。
溶け込んだガスを鼻から排気する(もちろん、吸気も鼻から)。
左45度の位置(テキトーです)にあるこぶのような噴気孔(穴は1つ)から、勢いよく潮を吹く。
水蒸気(無色透明な気体)などではなく、明らかに水滴が混じっている(鼻水かあ?)。
どうやら、水面を泳ぐのはあまり得意とは言えない感じだ。
シャチやサメなどの捕食の対象になるのも無理はない。
ヤバい時の動きがどうなのかは知らないし、高速潜降して難を逃れる技があるのかも知れないが、あまり頭が良さそうには見えない(そうなのかあ?)。
浮沈子的発見は、小さい背びれの淵が丸みを帯びていること。
泳いでいる時にはあまり見ることが出来ない尾びれも、潜降するタイミングではバッチリ見られた(ザトウクジラとは少し違う、小型で形のいい尾びれだった気がする)。
もちろん、これらは個体識別にも活用されるんだろう(未確認)。
20頭近く見て、いい加減飽きたので戻ることにした。
2日目のこの日は船酔いはしなかったが、上半身裸でデッキに仰向けになっていたら日焼けした。
両手を腹の上で組んでいたので、そこだけ白く抜けている。
やれやれ・・・。
ダイビング最終日の昼頃、南島上陸作戦を決行した。
やや波があったので、上陸は瞬発力がある男性のみに限定(一応、浮沈子も入れてもらえました)。
日頃の水泳のトレーニングが役に立つ局面だな。
船尾からタイミングを見計らって一斉に飛び込み、アーチ形の岩を潜り抜けてから左に曲がって扇池に入る(シュノーケルは試しに右側に付けてみましたが、快適でした)。
アーチ形水路の水深は5mくらいあって、波のタイミングを見計らってアプローチすることを除けば泳いでいる距離は20m程度(扇池の中は穏やかで、そこで20mほど泳ぐ)。
岩は鋭い角があるので、扇池の中では海から見て砂地から上がるように指示を受ける。
ガイドさんに従って行動することが必須。
以前来た時には、ヒロベソカタマイマイの半化石には触ってはいけないと聞いてきたんだが、今回は触っても持ち帰らなければいいと言われた。
上陸して左奥に汽水池があり、魚が泳いでいた。
繁殖している藻が天然記念物らしい(詳細不明)。
とって(撮って)いいのは写真だけ、持ち帰っていいのは思い出だけ・・・。
浮沈子は例によって、自前の2眼レンズと揮発性メモリーだけで行ったので、今回も海周りの写真はない。
同行した方は、プロのカメラマンを初めとして、サイテーでもゴープロは持参していたからな。
後で、お願いしてデータ貰お・・・。
小笠原に行ったのは3回目。
南島への上陸は鮫池から1度あったが、シュノーケリングで扇池から泳いで上がったのは今回初めてだ。
ホエールウォッチングは、初回(20年近く前)にザトウクジラのジャンプを見たり、母島丸から見たりしたが、黒いサラミ(体軸に沿って皴があるため)ともいわれるマッコウクジラを見るのは初めてだ。
ダイビング2日目(10月18日)のダイビング2本の後、腹ごしらえ(船の上でのお弁当)を済ませてから沖だしする。
10km程と説明を受けるが、距離感は良く分からない。
父島と兄島が手に取るように見えていた(方角はほぼ真西か)。
水深が1000m位のところに、父島を中心にした南側馬蹄形のエリアに生息しているという。
ほぼ定住していて、ザトウクジラのように何千kmも回遊したりはしない。
ただし、海況の影響を受けやすいので、沖だしできる時期でないと行けないらしい。
今回は運よく穏やかな海況で良かった。
(ホエールウォッチング)
https://www.travelroad.co.jp/ogasawara/spot/chichijima/whalewatching
「マッコウクジラは通年で小笠原近海に生息していますが、よく見られるのは5月~11月で、島から10km程度沖合いでのウォッチングとなります」
「【見頃】ザトウクジラ : 2月〜4月、マッコウクジラ : 5月〜11月」
浮沈子は、マッコウクジラなる生き物を初めて見たんだが、動きはのろのろしているし、ブリーチング(水面からジャンプすること)もしなかったし、派手さに欠ける見世物と感じた。
ローカルルールで、50m以上近寄ってはいけないらしく、そこそこの距離を保っているし。
向こうから向かって来て、それ以上近づくことは仕方ないらしい。
親子連れもいて、並んで泳いでいるのも見られた(何となくほほえましい)。
捕食のために水深1000m以上潜る間の水面休息時間(?)なわけだからな。
あまり激しい運動をすると、体内にため込んだ窒素が気泡化して減圧症になっちまうからな(息こらえ潜水でもなります)。
水面でまったりしているのは仕方ない。
溶け込んだガスを鼻から排気する(もちろん、吸気も鼻から)。
左45度の位置(テキトーです)にあるこぶのような噴気孔(穴は1つ)から、勢いよく潮を吹く。
水蒸気(無色透明な気体)などではなく、明らかに水滴が混じっている(鼻水かあ?)。
どうやら、水面を泳ぐのはあまり得意とは言えない感じだ。
シャチやサメなどの捕食の対象になるのも無理はない。
ヤバい時の動きがどうなのかは知らないし、高速潜降して難を逃れる技があるのかも知れないが、あまり頭が良さそうには見えない(そうなのかあ?)。
浮沈子的発見は、小さい背びれの淵が丸みを帯びていること。
泳いでいる時にはあまり見ることが出来ない尾びれも、潜降するタイミングではバッチリ見られた(ザトウクジラとは少し違う、小型で形のいい尾びれだった気がする)。
もちろん、これらは個体識別にも活用されるんだろう(未確認)。
20頭近く見て、いい加減飽きたので戻ることにした。
2日目のこの日は船酔いはしなかったが、上半身裸でデッキに仰向けになっていたら日焼けした。
両手を腹の上で組んでいたので、そこだけ白く抜けている。
やれやれ・・・。
ダイビング最終日の昼頃、南島上陸作戦を決行した。
やや波があったので、上陸は瞬発力がある男性のみに限定(一応、浮沈子も入れてもらえました)。
日頃の水泳のトレーニングが役に立つ局面だな。
船尾からタイミングを見計らって一斉に飛び込み、アーチ形の岩を潜り抜けてから左に曲がって扇池に入る(シュノーケルは試しに右側に付けてみましたが、快適でした)。
アーチ形水路の水深は5mくらいあって、波のタイミングを見計らってアプローチすることを除けば泳いでいる距離は20m程度(扇池の中は穏やかで、そこで20mほど泳ぐ)。
岩は鋭い角があるので、扇池の中では海から見て砂地から上がるように指示を受ける。
ガイドさんに従って行動することが必須。
以前来た時には、ヒロベソカタマイマイの半化石には触ってはいけないと聞いてきたんだが、今回は触っても持ち帰らなければいいと言われた。
上陸して左奥に汽水池があり、魚が泳いでいた。
繁殖している藻が天然記念物らしい(詳細不明)。
とって(撮って)いいのは写真だけ、持ち帰っていいのは思い出だけ・・・。
浮沈子は例によって、自前の2眼レンズと揮発性メモリーだけで行ったので、今回も海周りの写真はない。
同行した方は、プロのカメラマンを初めとして、サイテーでもゴープロは持参していたからな。
後で、お願いしてデータ貰お・・・。
おがさわら丸にも南島があるという新発見!? ― 2020年10月23日 14:55
おがさわら丸にも南島があるという新発見!?
4階デッキから船尾方向へ廊下を歩き、船体中央階段を降りると、おがまる(おがさわら丸の愛称)フリークの秘密(?)の部屋、「ミニサロン南島」がある(クサいネーミングだぜ・・・)。
(船内案内:画像参照)
https://www.ogasawarakaiun.co.jp/ship/
何のことはない、ただの自販機コーナーだが、立ち食いできるカウンターと、4脚の丸椅子のカウンターがあって、こっちには電源までついていて、ノートパソコンを持ち込んでの長時間の作業も快適にこなせる。
自販機も充実していて、熱湯も出るので売っているカップ麺を買うもよし、行きがけに買い込んだのにお湯を入れて食べるのも自在だ。
4階デッキにも自販機ルームがあるんだが、ここはテーブルや電源がないのが欠点だな。
が、自販機で販売している丸美屋のご飯もの(浮沈子乗船時には船内販売価格各300円)をチンする電子レンジは4階にしかない(前出の船内案内図には、ミニサロン南島にもあるように記載されているが、少なくとも今回の航海ではなかった)。
(ごはん付きシリーズ:商品ラインナップ)
https://www.marumiya.co.jp/product/series/range/renji_gohan/
今回確認できたメニュー:
・とり釜めし 味付けごはん付き
・五目釜めし 味付けごはん付き
・麻婆丼<中辛> ごはん付き(往路はあったが復路ではなかった(品切れ?):食べそこない)
・五目中華丼 ごはん付き
ミニサロン南島で、ご飯ものを販売していながら電子レンジを置かない理由は不明だ(分電盤の容量不足かあ?)。
ミニサロン南島には、定員2名の喫煙室もある。
トイレは4階に上がらなければならないのと、やや冷房が効き過ぎていて長時間滞在するには長袖長ズボンが必要なこと以外は航海中ずっとここで過ごしていてもいい感じだ。
今回の船室は、往復とも4階の2等寝台だったから、気軽に使うことが出来た。
船が揺れている時は別だが、まったりしたい時には隠れ家的に使うといいかもしれない(団体で混んでいる時は落ち着かないかも)。
例によって、6階の売店(ドルフィン)では、往復で10杯くらいカップコーヒーを飲んだ。
レギュラー普通サイズ150円、ラージサイズ180円、スペシャルブレンド200円。
往路は見栄張って200円、復路は180円と150円。
別にケチったわけじゃない。
4階は食堂にも近く(同じ階だし)、復路の朝食以外はここで食べた。
和風ハンバーグ、唐揚げ定食、和風朝食、カツカレー(2回)。
復路は、前線の通過、高気圧の吹き出し、黒潮横断などで、朝食時に酔ってしまって食べられなかった。
揺れが収まってから、カツカレーで締めて満足(&満腹)。
快適な船旅、快適なダイビング、快適な陸上ツアーは、セッティングしていただいた竹内さんのおかげ(次回もよろしく)。
最終日(20日:出航日)の早朝ダイビングは参加しなかった。
製氷海岸からビーチエントリーで駆潜艇と近くに沈んでいる潜水艇(今回はシロワニは出なかったとのこと:クラゲはちょぼちょぼ、エダサンゴは白化)。
前回(3年前)に2回潜っているし、深くて暗く、減圧ダイビングになるというので遠慮した。
もちろん、今回のダイビングのためにテック45取って、水中で大っぴらにオープンサーキットで酸素吸える身分にはなっていたし、背中と脇に1本ずつエアのタンクを抱えていけばいいだけだったが、ウェットスーツを乾かしたかったのと、ガツガツ潜る気分じゃなかったからな。
次回来た時にでも、気が向いたら潜ろう(いつになることやら・・・)。
何年かに1度は、透視度、魚影、クジラ、陸上(リアルな南島含む)と見どころ満載の小笠原ツアーを楽しんでみたい。
フィッシュアイを使えば、テクニカルダイビングやリブリーザーも可能だし、時期を選べば水中も多様だ。
ここには書けない経験もしたしな(うーん、さすがに秘密・・・)。
島での食事も堪能した。
焼き鳥が美味しかった店(名前、忘れました:波食波食の傍で表通りから入って左ではなく右に曲がった左側)、定番の波食波食、最終日は前回も来た洋食屋(左奥辺り:テラス席が囲われて室内になっていた)。
買いそびれた島寿司は、前日までに予約しておかなければならないことを確認。
まあ、復路の船の中で食べたからいいか。
泊った宿はクレセントというペンション(各部屋にトイレシャワー付き:今回は朝食のみ)。
フィッシュアイのすぐそばで、歩いて5分足らず。
2日目以外(雨のため)、3日目、4日目(出航日)には宮野浜まで朝の散歩にも出かけた。
充実の小笠原ツアー・・・。
次回には、ダイビングだけではなく、シーカヤックなどの海上のアクティビティにもチャレンジしたいな(SAPやってた人もいたし)。
活動的に生きることが出来る期間は限られている。
あと何回小笠原に行けるだろうか?。
そう考えながら、南の島を訪れるようになった。
旅の期間は短く、それを繋ぐ心の旅が長くなり、やがてそれだけになる。
あそこへ行きたいと思っても、心の中だけでしか行くことが出来なくなる。
まあ、その頃にはVRが良くなっていて、バーチャルツアーとかが主流になっているかもしれないしな(そんなあ!)。
現地に行き、現地の空気を吸い、現地の人の温かさに触れ、現地の海を潜り、現地の食事を頂く。
南島の真っ白い砂は、サンゴの細かいかけらだそうだ。
海の汚染が進めば、その中にいくばくかのマイクロプラスチックが混じってくるかもしれない。
東京から南に1000km。
現地を走るクルマは全て品川ナンバー。
次回訪問に向けた心の旅は、既に始まっている・・・。
<以下追加>----------
東京湾内をあちこち見まわしたんだが、以前は見かけたものが見当たらず、おがさわら丸の案内所で聞いても、そんなもの知らないと言われてしまったアイテム・・・。
(東京灯標)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%81%AF%E6%A8%99
「2012年(平成24年)3月30日 - 撤去」
ガーン・・・。
浮沈子がボートに乗っていたころは、まだ現役だったんだがな。
少なくとも、撤去はされていなかった。
その後、何度か島には行ってるんだが、てっきり今でもあると思っていた。
まあいい。
年年歳歳花相似たり、歳歳年年海同じからず・・・。
高精度GPSの搭載が当たり前になり、やがては灯台などというレトロなアイテムは消えてなくなるんだろうな(そうなのかあ?)。
4階デッキから船尾方向へ廊下を歩き、船体中央階段を降りると、おがまる(おがさわら丸の愛称)フリークの秘密(?)の部屋、「ミニサロン南島」がある(クサいネーミングだぜ・・・)。
(船内案内:画像参照)
https://www.ogasawarakaiun.co.jp/ship/
何のことはない、ただの自販機コーナーだが、立ち食いできるカウンターと、4脚の丸椅子のカウンターがあって、こっちには電源までついていて、ノートパソコンを持ち込んでの長時間の作業も快適にこなせる。
自販機も充実していて、熱湯も出るので売っているカップ麺を買うもよし、行きがけに買い込んだのにお湯を入れて食べるのも自在だ。
4階デッキにも自販機ルームがあるんだが、ここはテーブルや電源がないのが欠点だな。
が、自販機で販売している丸美屋のご飯もの(浮沈子乗船時には船内販売価格各300円)をチンする電子レンジは4階にしかない(前出の船内案内図には、ミニサロン南島にもあるように記載されているが、少なくとも今回の航海ではなかった)。
(ごはん付きシリーズ:商品ラインナップ)
https://www.marumiya.co.jp/product/series/range/renji_gohan/
今回確認できたメニュー:
・とり釜めし 味付けごはん付き
・五目釜めし 味付けごはん付き
・麻婆丼<中辛> ごはん付き(往路はあったが復路ではなかった(品切れ?):食べそこない)
・五目中華丼 ごはん付き
ミニサロン南島で、ご飯ものを販売していながら電子レンジを置かない理由は不明だ(分電盤の容量不足かあ?)。
ミニサロン南島には、定員2名の喫煙室もある。
トイレは4階に上がらなければならないのと、やや冷房が効き過ぎていて長時間滞在するには長袖長ズボンが必要なこと以外は航海中ずっとここで過ごしていてもいい感じだ。
今回の船室は、往復とも4階の2等寝台だったから、気軽に使うことが出来た。
船が揺れている時は別だが、まったりしたい時には隠れ家的に使うといいかもしれない(団体で混んでいる時は落ち着かないかも)。
例によって、6階の売店(ドルフィン)では、往復で10杯くらいカップコーヒーを飲んだ。
レギュラー普通サイズ150円、ラージサイズ180円、スペシャルブレンド200円。
往路は見栄張って200円、復路は180円と150円。
別にケチったわけじゃない。
4階は食堂にも近く(同じ階だし)、復路の朝食以外はここで食べた。
和風ハンバーグ、唐揚げ定食、和風朝食、カツカレー(2回)。
復路は、前線の通過、高気圧の吹き出し、黒潮横断などで、朝食時に酔ってしまって食べられなかった。
揺れが収まってから、カツカレーで締めて満足(&満腹)。
快適な船旅、快適なダイビング、快適な陸上ツアーは、セッティングしていただいた竹内さんのおかげ(次回もよろしく)。
最終日(20日:出航日)の早朝ダイビングは参加しなかった。
製氷海岸からビーチエントリーで駆潜艇と近くに沈んでいる潜水艇(今回はシロワニは出なかったとのこと:クラゲはちょぼちょぼ、エダサンゴは白化)。
前回(3年前)に2回潜っているし、深くて暗く、減圧ダイビングになるというので遠慮した。
もちろん、今回のダイビングのためにテック45取って、水中で大っぴらにオープンサーキットで酸素吸える身分にはなっていたし、背中と脇に1本ずつエアのタンクを抱えていけばいいだけだったが、ウェットスーツを乾かしたかったのと、ガツガツ潜る気分じゃなかったからな。
次回来た時にでも、気が向いたら潜ろう(いつになることやら・・・)。
何年かに1度は、透視度、魚影、クジラ、陸上(リアルな南島含む)と見どころ満載の小笠原ツアーを楽しんでみたい。
フィッシュアイを使えば、テクニカルダイビングやリブリーザーも可能だし、時期を選べば水中も多様だ。
ここには書けない経験もしたしな(うーん、さすがに秘密・・・)。
島での食事も堪能した。
焼き鳥が美味しかった店(名前、忘れました:波食波食の傍で表通りから入って左ではなく右に曲がった左側)、定番の波食波食、最終日は前回も来た洋食屋(左奥辺り:テラス席が囲われて室内になっていた)。
買いそびれた島寿司は、前日までに予約しておかなければならないことを確認。
まあ、復路の船の中で食べたからいいか。
泊った宿はクレセントというペンション(各部屋にトイレシャワー付き:今回は朝食のみ)。
フィッシュアイのすぐそばで、歩いて5分足らず。
2日目以外(雨のため)、3日目、4日目(出航日)には宮野浜まで朝の散歩にも出かけた。
充実の小笠原ツアー・・・。
次回には、ダイビングだけではなく、シーカヤックなどの海上のアクティビティにもチャレンジしたいな(SAPやってた人もいたし)。
活動的に生きることが出来る期間は限られている。
あと何回小笠原に行けるだろうか?。
そう考えながら、南の島を訪れるようになった。
旅の期間は短く、それを繋ぐ心の旅が長くなり、やがてそれだけになる。
あそこへ行きたいと思っても、心の中だけでしか行くことが出来なくなる。
まあ、その頃にはVRが良くなっていて、バーチャルツアーとかが主流になっているかもしれないしな(そんなあ!)。
現地に行き、現地の空気を吸い、現地の人の温かさに触れ、現地の海を潜り、現地の食事を頂く。
南島の真っ白い砂は、サンゴの細かいかけらだそうだ。
海の汚染が進めば、その中にいくばくかのマイクロプラスチックが混じってくるかもしれない。
東京から南に1000km。
現地を走るクルマは全て品川ナンバー。
次回訪問に向けた心の旅は、既に始まっている・・・。
<以下追加>----------
東京湾内をあちこち見まわしたんだが、以前は見かけたものが見当たらず、おがさわら丸の案内所で聞いても、そんなもの知らないと言われてしまったアイテム・・・。
(東京灯標)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%81%AF%E6%A8%99
「2012年(平成24年)3月30日 - 撤去」
ガーン・・・。
浮沈子がボートに乗っていたころは、まだ現役だったんだがな。
少なくとも、撤去はされていなかった。
その後、何度か島には行ってるんだが、てっきり今でもあると思っていた。
まあいい。
年年歳歳花相似たり、歳歳年年海同じからず・・・。
高精度GPSの搭載が当たり前になり、やがては灯台などというレトロなアイテムは消えてなくなるんだろうな(そうなのかあ?)。
スターシップSN8は高高度飛行の夢を見るか ― 2020年10月23日 20:07
スターシップSN8は高高度飛行の夢を見るか
小笠原に行っている間、基本的にネットには接続しなかった。
往きの集合の際のメッセンジャーとメールチェック2回だけ。
一昨日、帰ってきていろいろ確認したら、宇宙ネタが溢れていて未だに追いついていない。
とりあえず、ファルコン9関係の記事を追っかけ、スターリンクV1L13の打ち上げまでは書いたが、スターシップがトリプルラプターの噴射に成功した件と、ノーズコーンの組み立てが行われた話を書いておくことにする。
記事には、明日にでも高高度飛行試験が行われそうなことが書かれているが、その前に問題を起こして挿げ替えられる予定のラプター1基の取り付け、その燃焼試験(同じことを繰り返すかどうかは分かりません)、取り付けられたノーズコーンの先端にある液体酸素タンクの低温試験(液体窒素で代用?)、実際の燃料(推進剤:酸素とメタン)を入れての試験、そこから実際に燃料等を供給しての燃焼試験を経て、総合的に評価してからの打ち上げになる。
いきなり、1万5千mに上げるのか、ホップ試験(概ね、高度150m)を噛ませるのかは不明だ。
ホップ試験は、エンジン制御と着陸脚(仮設)の動作を検証するためだからな(他にも、耐熱タイルの取り付け方法の確認などもあるようです)。
今までは、エンジン1基だけで行われていたが、飛行中の3基の協調動作を確認する必要があるのではないか。
今のところ、大きな問題を起こしてはいないが、SN8が2種類のステンレス合金(301と304L)を使用していることによる、低温での収縮率の違いによる溶接部分の剥離なども気になる(部分的に修理もしたようです)。
石橋を叩いて渡る慎重さが求められるところだ(うーん、叩いているうちに壊しちゃうんだがな・・・)。
もっとも、SN9が控えているからな。
思い切りよく突っ走っても、骨は拾ってもらえるだろう。
ホップテストなしに、いきなり高高度飛行試験に突入するんだろうか。
(スターシップSN8は、3つのラプターで初めて静的点火を実行し、続いてチップを取り付けました。:公開 2020年10月20日)
https://www.elonx.cz/starship-sn8-provedla-staticky-zazeh-s-tremi-raptory-nasledovat-bude-instalace-spicky/
「1週間前、プロトタイプのStarship SN8が極低温試験に合格」
「10月5日-窒素ガス圧試験」
「10月9日-極低温窒素による最後のテスト」
「10月12日-3つのラプターの設置が完了」
「10月16日にメタンと酸素の給油テストを実施」
「3日後(19日)にプレバーナーのテスト」
「火曜日(20日)の朝、プレバーナーの別のテスト」
「2時間以内に、静的点火もすぐに実行されました。SpaceXはまだテストについてコメントしていませんが、3つのRaptorエンジンすべてが点火されたと想定されています。」
「更新: Elon Muskは、3つのラプターが点火され、得られたデータが良好に見えることを確認しました。」(21日)
ここまでは、円筒状のメインタンク内の推進剤による試験だ。
「しかし、スターシップSN8がどこかに飛ぶ前に、少なくとも2つのことを行う必要があります。現在の静的点火がうまくいき、SpaceXがそれを繰り返す必要がない場合、翌日、完成した空力チップをランプに輸送し、そこでクレーンでSN8の残りの部分に接続することができます。その後、さらなる静的点火が期待されます。ただし、着陸操作を目的とした上記の小型タンクから汲み上げられた燃料を使用するという点で、最初のものとは異なります。そして、この静的点火でさえ計画通りに進んだ場合、次のステップはテスト飛行を実行することです。」
1mmも浮き上がっていない機体を、いきなり1万5千mに飛ばすんだろうか?。
浮沈子的には、やや疑問が残る。
(SpaceXは最初の高高度スターシップのノーズコーンをインストールします)
https://www.teslarati.com/spacex-installs-first-high-altitude-starships-nosecone/
「10月22日、SpaceXはロケットを完全な高さまで積み上げることに成功し、完成したばかりの機首セクションを設置して、飛行に耐える最初の高さ約50m(〜165フィート)のスターシッププロトタイプを効果的に完成させました。」
「SpaceXは周囲温度の圧力テストも実行しているようで、ノーズコーンの先端にある小さな液体酸素ヘッダータンクに漏れがなく、期待どおりに機能していることを確認したようです。」
「機首を取り付ける数時間前に、SpaceXはスターシップSN8の3つのラプターエンジンの1つを取り外したようですが、予備の4番目のエンジンがすでにボカチカにあったことも明らかにしました。言い換えれば、プロトタイプには現時点で2つのラプターエンジンしかインストールされていない可能性があります。つまり、SpaceXは、SN8の次の主要なテストキャンペーンの準備をする前に、もう1つインストールする必要があります。」
「CEOのElonMuskによると、計画はスターシップSN8の3つのラプターエンジンを静的に発射し、最終検査とチェックアウトを実行し、別の静的な発射を実行し、最後に最初の高高度スターシップ飛行試験を試みることでした。」
うーん、ノーズコーンの液酸タンクからの静的発射の後は、いきなり高高度飛行試験というシナリオしかないか・・・。
「成功した場合、その2回目の静的火災により、スターシップSN8の飛行デビューが始まります。このデビューでは、巨大なロケットが15 km(50,000フィート)まで飛行し、スカイダイバー(腹を下ろす)のように地球に急降下し、急進的なロケットを実行します。」
どうも、唐突過ぎる気がするんだがな。
情報は出てこないんだが、当然、風洞試験やコンピューターシミュレーションはさんざんやってるんだろうし、ファルコンヘビーの3本束ねた機体の分離もぶっつけ本番に近かったからな(センターコアの回収には失敗したけど)。
今度のスカイダイブは、スターシップ開発の重要な一里塚であることは確かだ。
ここで成功しなければ、次のステップに進むことはできない(たぶん:そうでないこともあり得る:後述)。
もちろん、軌道速度から再突入し、地球大気の高高度エリアまで大気減速しながら降りてくることに比べればたやすいかも知れない(スターシップ/スーパーヘビーシステムの最大の難関の一つ)。
軌道上給油(浮沈子は誤解していたんだが、極低温推進剤の移転は実績がないらしい)と共に、難所の一つと言われている。
「酸素や水素などの極低温物質の安全な保管と信頼性の高いポンピングは、将来の宇宙探査の重要な技術です。具体的には、スターシップは軌道給油を可能にするように設計されています。宇宙船は、月や火星に移動する前に、タンクを補充することができます。Elon Muskは現在、スターシップに完全に給油するには、特別な給油バリアントで5〜6回のスターシップフライトが必要になると述べています。しかし、火星へのフライトは満タンを必要としないので、4回の給油フライトで十分です。」
(イーロンXの記事より)
まあ、そんな先のことはどうでもいいんですが。
とりあえずは、高高度からの着陸試験を成功させ、次のステップ(軌道からの着陸)へと進まなければならない。
現在のステップは、ファルコン9で言えば、テキサスで行われていたグラスホッパーなどのレベルに当たる。
再使用の最終段階のテストを、繰り返し行っていた。
空中で爆発もしている。
同時に、使い捨ての打ち上げビジネスを行いながら、超音速で飛行している1段目を減速させ、海上にソフトランディングする試験を行っていた。
遷音速域での安定性を向上させるためにグリッドフィンを導入したり、大気減速だけではなくエントリーバーンを取り入れたりしてノウハウを蓄積していた。
ドローン船への着陸で、何度も激突したり、設置後に転倒したりして失敗を繰り返していたが、とうとう陸上への着陸を成功させ、続いて洋上回収にも成功した。
大切なことは、使い捨てロケットとしては、十分完成していたということだな。
今現在のスターシップは、あくまでもプロトタイプだし、ラプターエンジンも完成とは程遠い状態だ(事実、今回も1基交換するようだし)。
完成度としてのレベルは、ファルコン9と比べて遥かに低い。
機体も、チャレンジングな素材と構造を採用している。
未だに、ロケットとしての完成すら危ぶまれる状況に変わりはない。
もちろん、スターシップだけでは軌道に到達することはできない。
ブースターであるスーパーヘビーがいつできるかは分からないが、それなくして軌道試験には入れない。
そのスーパーヘビーもまた、プロトタイプである点に注意だな。
エンジンは2基から4基といわれている。
「ムスクは、スターシップが来年中に軌道に乗るだろうと80〜90%確信しています。ただし、その前に、最初のプロトタイプがまだ生産されているスーパーヘビー発射車両を最初にテストする必要があります。ムスクは、最初のスーパーヘビーには2〜4個のラプターエンジンしか搭載しないと指定しました。その理由は、テスト飛行中に発生する可能性のある障害は、ロケットに28個のラプターがすべて搭載されている場合ほどの経済的損失にはならないためです。」
一体、スーパーヘビーを何機落とすつもりなんだろうな。
既に、27基のマーリンエンジンの同時制御にはファルコンヘビーで成功している。
とはいえ、パワーでは遥かに大きいラプターエンジンを、同一の機体に積み込んで燃焼させるというのはチャレンジ以外の何物でもない(ファルコンヘビーは、3基のロケットに分散していた)。
クラスター化したエンジンの挙動は、シミュレーションでは読み切れないのではないか。
さらに、そのうちの数機が故障した際の補償的燃焼のコードも書かなければならない。
ソフトウェアのデバイスであるエンジンを、上手に手なずけて飛ばさなければ、猛獣を檻から解き放つことになる。
28匹の猛禽(ラプター)が、巨大ロケットを吹っ飛ばしにかかるわけだ。
まあ、プロトタイプは4基までだそうだから、吹っ飛ぶにしてもそれなりだろうが、スターシップの爆発(SN4とか)を見ていると、それなりの見ものになりそうな気がする。
いずれにしても、軌道に飛ぶには早くて1年以上かかることはイーロン時間でも明らかだし、それまでに高高度飛行試験の実績を積めるかどうかが問題だな。
何度か書いているけど、スターシップの着陸は必要条件であって、必要条件ではないかもしれない。
少なくとも、無人貨物輸送やタンカー仕様では、必ずしも軌道から戻ってこなくてもミッション自体は成功させられる。
現在のファルコン9の1段目だって、コスト的な要件を無視すれば、再使用しないで運用可能だ。
フェアリングだって、わざわざ拾いに行く必要はない。
その意味では、スターシップの高高度飛行試験の位置付けはビミョーだ。
成功すればめっけもん位な感じか。
しかし、軌道からの回収を実現させるためには、初速度0からの自由落下状態で成功しておくことは重要かもしれない。
困難極まりない軌道速度からの大気減速を成功させた暁に、最後のスカイダイビングが怪しい状況というのは情けないからな。
スーパーヘビーも、構造と重量、巨大なパワーの制御がネックになる。
繰り返し使用回数が多いことによる耐久性や、消耗品やメンテナンスの管理も問題だ。
プロトタイプでは明らかに出来ない運用上の課題を多く抱えている点では、再使用回数が限られる2段目のスターシップとは質的に異なる。
確認しておこう。
スターシップも、スーパーヘビーも、現在組み立てられているのはプロトタイプで実機ではないということ、ラプターエンジンは未完成であること、ノーズコーンが乗せられたからと言って、明日にでも飛び上がることはないこと(吹っ飛ぶ可能性は常にあるけど)。
「Elon MuskはSN8が正常に着陸する可能性を約50%しか与えません。」(イーロンXの記事より)
大甘じゃね?。
浮沈子は、順調に行って、年内にホップ飛行が成功すれば十分だと考えている。
エンジン3基を協調燃焼させて制御し、高度150m程度の飛行を行い、奇妙な配置の液酸タンクや、中央の着陸専用メタンタンクからの推進剤供給に成功するだけでいい。
高高度飛行試験は、それらのデバイスの問題点を潰し切って、満を持して行うべきだろう。
それでも、成功の確率は万に一つだ(テキトーです)。
大気減速を行った後にパワードランディングした機体は、打ち上げロケットでは過去に例がない。
航空機では垂直離着陸試験機に例があるが、それらは実用化されることはなかった。
まあ、その後、何機かは実戦導入されているが、全てジェットエンジンを使用し、大気から酸素を供給している。
ロケットエンジンでの実績は皆無だ。
前例無き挑戦が始まる。
心情的には応援しているが、理性的には悲観している。
初回高高度飛行試験の成功確率は、限りなくゼロに近い。
打ち上げられたが最後、その雄姿を再び見ることはない可能性が高い。
それが、来月なのか、年内なのか、来年なのかはあまり関係ないだろうな。
そう思って、組み上げられたSN8を見ると、また別の感慨が沸き起こってきそうだ・・・。
小笠原に行っている間、基本的にネットには接続しなかった。
往きの集合の際のメッセンジャーとメールチェック2回だけ。
一昨日、帰ってきていろいろ確認したら、宇宙ネタが溢れていて未だに追いついていない。
とりあえず、ファルコン9関係の記事を追っかけ、スターリンクV1L13の打ち上げまでは書いたが、スターシップがトリプルラプターの噴射に成功した件と、ノーズコーンの組み立てが行われた話を書いておくことにする。
記事には、明日にでも高高度飛行試験が行われそうなことが書かれているが、その前に問題を起こして挿げ替えられる予定のラプター1基の取り付け、その燃焼試験(同じことを繰り返すかどうかは分かりません)、取り付けられたノーズコーンの先端にある液体酸素タンクの低温試験(液体窒素で代用?)、実際の燃料(推進剤:酸素とメタン)を入れての試験、そこから実際に燃料等を供給しての燃焼試験を経て、総合的に評価してからの打ち上げになる。
いきなり、1万5千mに上げるのか、ホップ試験(概ね、高度150m)を噛ませるのかは不明だ。
ホップ試験は、エンジン制御と着陸脚(仮設)の動作を検証するためだからな(他にも、耐熱タイルの取り付け方法の確認などもあるようです)。
今までは、エンジン1基だけで行われていたが、飛行中の3基の協調動作を確認する必要があるのではないか。
今のところ、大きな問題を起こしてはいないが、SN8が2種類のステンレス合金(301と304L)を使用していることによる、低温での収縮率の違いによる溶接部分の剥離なども気になる(部分的に修理もしたようです)。
石橋を叩いて渡る慎重さが求められるところだ(うーん、叩いているうちに壊しちゃうんだがな・・・)。
もっとも、SN9が控えているからな。
思い切りよく突っ走っても、骨は拾ってもらえるだろう。
ホップテストなしに、いきなり高高度飛行試験に突入するんだろうか。
(スターシップSN8は、3つのラプターで初めて静的点火を実行し、続いてチップを取り付けました。:公開 2020年10月20日)
https://www.elonx.cz/starship-sn8-provedla-staticky-zazeh-s-tremi-raptory-nasledovat-bude-instalace-spicky/
「1週間前、プロトタイプのStarship SN8が極低温試験に合格」
「10月5日-窒素ガス圧試験」
「10月9日-極低温窒素による最後のテスト」
「10月12日-3つのラプターの設置が完了」
「10月16日にメタンと酸素の給油テストを実施」
「3日後(19日)にプレバーナーのテスト」
「火曜日(20日)の朝、プレバーナーの別のテスト」
「2時間以内に、静的点火もすぐに実行されました。SpaceXはまだテストについてコメントしていませんが、3つのRaptorエンジンすべてが点火されたと想定されています。」
「更新: Elon Muskは、3つのラプターが点火され、得られたデータが良好に見えることを確認しました。」(21日)
ここまでは、円筒状のメインタンク内の推進剤による試験だ。
「しかし、スターシップSN8がどこかに飛ぶ前に、少なくとも2つのことを行う必要があります。現在の静的点火がうまくいき、SpaceXがそれを繰り返す必要がない場合、翌日、完成した空力チップをランプに輸送し、そこでクレーンでSN8の残りの部分に接続することができます。その後、さらなる静的点火が期待されます。ただし、着陸操作を目的とした上記の小型タンクから汲み上げられた燃料を使用するという点で、最初のものとは異なります。そして、この静的点火でさえ計画通りに進んだ場合、次のステップはテスト飛行を実行することです。」
1mmも浮き上がっていない機体を、いきなり1万5千mに飛ばすんだろうか?。
浮沈子的には、やや疑問が残る。
(SpaceXは最初の高高度スターシップのノーズコーンをインストールします)
https://www.teslarati.com/spacex-installs-first-high-altitude-starships-nosecone/
「10月22日、SpaceXはロケットを完全な高さまで積み上げることに成功し、完成したばかりの機首セクションを設置して、飛行に耐える最初の高さ約50m(〜165フィート)のスターシッププロトタイプを効果的に完成させました。」
「SpaceXは周囲温度の圧力テストも実行しているようで、ノーズコーンの先端にある小さな液体酸素ヘッダータンクに漏れがなく、期待どおりに機能していることを確認したようです。」
「機首を取り付ける数時間前に、SpaceXはスターシップSN8の3つのラプターエンジンの1つを取り外したようですが、予備の4番目のエンジンがすでにボカチカにあったことも明らかにしました。言い換えれば、プロトタイプには現時点で2つのラプターエンジンしかインストールされていない可能性があります。つまり、SpaceXは、SN8の次の主要なテストキャンペーンの準備をする前に、もう1つインストールする必要があります。」
「CEOのElonMuskによると、計画はスターシップSN8の3つのラプターエンジンを静的に発射し、最終検査とチェックアウトを実行し、別の静的な発射を実行し、最後に最初の高高度スターシップ飛行試験を試みることでした。」
うーん、ノーズコーンの液酸タンクからの静的発射の後は、いきなり高高度飛行試験というシナリオしかないか・・・。
「成功した場合、その2回目の静的火災により、スターシップSN8の飛行デビューが始まります。このデビューでは、巨大なロケットが15 km(50,000フィート)まで飛行し、スカイダイバー(腹を下ろす)のように地球に急降下し、急進的なロケットを実行します。」
どうも、唐突過ぎる気がするんだがな。
情報は出てこないんだが、当然、風洞試験やコンピューターシミュレーションはさんざんやってるんだろうし、ファルコンヘビーの3本束ねた機体の分離もぶっつけ本番に近かったからな(センターコアの回収には失敗したけど)。
今度のスカイダイブは、スターシップ開発の重要な一里塚であることは確かだ。
ここで成功しなければ、次のステップに進むことはできない(たぶん:そうでないこともあり得る:後述)。
もちろん、軌道速度から再突入し、地球大気の高高度エリアまで大気減速しながら降りてくることに比べればたやすいかも知れない(スターシップ/スーパーヘビーシステムの最大の難関の一つ)。
軌道上給油(浮沈子は誤解していたんだが、極低温推進剤の移転は実績がないらしい)と共に、難所の一つと言われている。
「酸素や水素などの極低温物質の安全な保管と信頼性の高いポンピングは、将来の宇宙探査の重要な技術です。具体的には、スターシップは軌道給油を可能にするように設計されています。宇宙船は、月や火星に移動する前に、タンクを補充することができます。Elon Muskは現在、スターシップに完全に給油するには、特別な給油バリアントで5〜6回のスターシップフライトが必要になると述べています。しかし、火星へのフライトは満タンを必要としないので、4回の給油フライトで十分です。」
(イーロンXの記事より)
まあ、そんな先のことはどうでもいいんですが。
とりあえずは、高高度からの着陸試験を成功させ、次のステップ(軌道からの着陸)へと進まなければならない。
現在のステップは、ファルコン9で言えば、テキサスで行われていたグラスホッパーなどのレベルに当たる。
再使用の最終段階のテストを、繰り返し行っていた。
空中で爆発もしている。
同時に、使い捨ての打ち上げビジネスを行いながら、超音速で飛行している1段目を減速させ、海上にソフトランディングする試験を行っていた。
遷音速域での安定性を向上させるためにグリッドフィンを導入したり、大気減速だけではなくエントリーバーンを取り入れたりしてノウハウを蓄積していた。
ドローン船への着陸で、何度も激突したり、設置後に転倒したりして失敗を繰り返していたが、とうとう陸上への着陸を成功させ、続いて洋上回収にも成功した。
大切なことは、使い捨てロケットとしては、十分完成していたということだな。
今現在のスターシップは、あくまでもプロトタイプだし、ラプターエンジンも完成とは程遠い状態だ(事実、今回も1基交換するようだし)。
完成度としてのレベルは、ファルコン9と比べて遥かに低い。
機体も、チャレンジングな素材と構造を採用している。
未だに、ロケットとしての完成すら危ぶまれる状況に変わりはない。
もちろん、スターシップだけでは軌道に到達することはできない。
ブースターであるスーパーヘビーがいつできるかは分からないが、それなくして軌道試験には入れない。
そのスーパーヘビーもまた、プロトタイプである点に注意だな。
エンジンは2基から4基といわれている。
「ムスクは、スターシップが来年中に軌道に乗るだろうと80〜90%確信しています。ただし、その前に、最初のプロトタイプがまだ生産されているスーパーヘビー発射車両を最初にテストする必要があります。ムスクは、最初のスーパーヘビーには2〜4個のラプターエンジンしか搭載しないと指定しました。その理由は、テスト飛行中に発生する可能性のある障害は、ロケットに28個のラプターがすべて搭載されている場合ほどの経済的損失にはならないためです。」
一体、スーパーヘビーを何機落とすつもりなんだろうな。
既に、27基のマーリンエンジンの同時制御にはファルコンヘビーで成功している。
とはいえ、パワーでは遥かに大きいラプターエンジンを、同一の機体に積み込んで燃焼させるというのはチャレンジ以外の何物でもない(ファルコンヘビーは、3基のロケットに分散していた)。
クラスター化したエンジンの挙動は、シミュレーションでは読み切れないのではないか。
さらに、そのうちの数機が故障した際の補償的燃焼のコードも書かなければならない。
ソフトウェアのデバイスであるエンジンを、上手に手なずけて飛ばさなければ、猛獣を檻から解き放つことになる。
28匹の猛禽(ラプター)が、巨大ロケットを吹っ飛ばしにかかるわけだ。
まあ、プロトタイプは4基までだそうだから、吹っ飛ぶにしてもそれなりだろうが、スターシップの爆発(SN4とか)を見ていると、それなりの見ものになりそうな気がする。
いずれにしても、軌道に飛ぶには早くて1年以上かかることはイーロン時間でも明らかだし、それまでに高高度飛行試験の実績を積めるかどうかが問題だな。
何度か書いているけど、スターシップの着陸は必要条件であって、必要条件ではないかもしれない。
少なくとも、無人貨物輸送やタンカー仕様では、必ずしも軌道から戻ってこなくてもミッション自体は成功させられる。
現在のファルコン9の1段目だって、コスト的な要件を無視すれば、再使用しないで運用可能だ。
フェアリングだって、わざわざ拾いに行く必要はない。
その意味では、スターシップの高高度飛行試験の位置付けはビミョーだ。
成功すればめっけもん位な感じか。
しかし、軌道からの回収を実現させるためには、初速度0からの自由落下状態で成功しておくことは重要かもしれない。
困難極まりない軌道速度からの大気減速を成功させた暁に、最後のスカイダイビングが怪しい状況というのは情けないからな。
スーパーヘビーも、構造と重量、巨大なパワーの制御がネックになる。
繰り返し使用回数が多いことによる耐久性や、消耗品やメンテナンスの管理も問題だ。
プロトタイプでは明らかに出来ない運用上の課題を多く抱えている点では、再使用回数が限られる2段目のスターシップとは質的に異なる。
確認しておこう。
スターシップも、スーパーヘビーも、現在組み立てられているのはプロトタイプで実機ではないということ、ラプターエンジンは未完成であること、ノーズコーンが乗せられたからと言って、明日にでも飛び上がることはないこと(吹っ飛ぶ可能性は常にあるけど)。
「Elon MuskはSN8が正常に着陸する可能性を約50%しか与えません。」(イーロンXの記事より)
大甘じゃね?。
浮沈子は、順調に行って、年内にホップ飛行が成功すれば十分だと考えている。
エンジン3基を協調燃焼させて制御し、高度150m程度の飛行を行い、奇妙な配置の液酸タンクや、中央の着陸専用メタンタンクからの推進剤供給に成功するだけでいい。
高高度飛行試験は、それらのデバイスの問題点を潰し切って、満を持して行うべきだろう。
それでも、成功の確率は万に一つだ(テキトーです)。
大気減速を行った後にパワードランディングした機体は、打ち上げロケットでは過去に例がない。
航空機では垂直離着陸試験機に例があるが、それらは実用化されることはなかった。
まあ、その後、何機かは実戦導入されているが、全てジェットエンジンを使用し、大気から酸素を供給している。
ロケットエンジンでの実績は皆無だ。
前例無き挑戦が始まる。
心情的には応援しているが、理性的には悲観している。
初回高高度飛行試験の成功確率は、限りなくゼロに近い。
打ち上げられたが最後、その雄姿を再び見ることはない可能性が高い。
それが、来月なのか、年内なのか、来年なのかはあまり関係ないだろうな。
そう思って、組み上げられたSN8を見ると、また別の感慨が沸き起こってきそうだ・・・。
最近のコメント