1段目のエンジン不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに2段目のカメラが調子悪いと延期するS社の運用思想を切る2020年10月23日 11:29

1段目のエンジン不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに2段目のカメラが調子悪いと延期するS社の運用思想を切る


小笠原に行っている間にスターリンクV1L13が上がった。

(Mise Starlink v1-13)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-13/

「基本情報:
・開始日: 18。10。2020 14:25 CEST
・開始ウィンドウ:即時(開始ウィンドウとは)
・ステータス:ミッションは成功しました
・静的点火: 2020年10月17日12:00 CESTに発生しました(静的点火とは)
・一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用にさらに約60の衛星
・貨物の重量:各スターリンク衛星の重量は260 kg
・ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(すでに使用されている第1ステージB1051.6)
・目的:低地球軌道
・打ち上げランプ:LC-39A (ケネディ宇宙センター、メリット島、フロリダ州)
・ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY海上プラットフォーム
・カバーをキャプチャしようとしました:両方の半分がキャプチャされましたが、問題がありました」

リンクされている打ち上げシークエンス。

(STARLINK-14 MISSION:V1L13のもの)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-13-press-kit.pdf

「MISSION TIMELINE (ALL TIMES APPROXIMATE):
COUNTDOWN:
Hr/Min/Sec Event
- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
LAUNCH, LANDING AND DEPLOYMENT:
Hr/Min/Sec Event
00:01:12 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:32 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:36 1st and 2nd stages separate
00:02:43 2nd stage engine starts (SES-1)
00:03:22 Fairing deployment
00:06:40 1st stage entry burn complete
00:08:24 1st stage landing
00:08:48 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:44:04 2nd stage engine restarts (SES-2)
00:44:06 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:03:02 Starlink satellites deploy」

静的点火(スタティックファイアーテスト)を行い、回収ドローンは定番のOCISLYで、1段目(B1051)は6回目の使用、フェアリングのキャプチャは半分成功、残り半分はキャプチャ後にネットが壊れ、トラブルを起こしたようだが無事な感じ。

投入軌道は打ち上げ後、約1時間でほぼ円軌道(高度278 km)。

外連味のない、つまらん打ち上げなんだが、この打ち上げがGPS衛星が原因不明のエンジン不調でスタックしている最中のものということは特筆に値する(V1L12に続いて2回目)。

有人宇宙船であるクルードラゴンの打ち上げも、そのために延期されているわけで、如何に自社事業とはいえ、それなりのリスクを取っているわけだ。

1段目のマーリンエンジンの不調の原因(プレバーナーの圧力異常の問題と言われている)によっては、失敗に終わる可能性もあるわけで、また、回収に失敗すれば再使用可能な1段目を失い、今後のスケジュールに支障をきたすことにもつながる。

再使用って、ややっこしいな(使い捨てならそんなことは気にしないでバンバン海に捨てればいいからな)。

幸い打ち上げは成功し、60機の衛星は無事に軌道投入されたようだ。

(SpaceXはスターリンク衛星の別のバッチを起動します)
https://spaceflightnow.com/2020/10/18/spacex-launches-another-batch-of-starlink-satellites/

「60個のフラットパネル衛星が東部標準時午前9時29分(グリニッジ標準時1329年)にロケットから分離され、SpaceXの70回連続の成功したミッションを完了しました。上段のカメラは、60個の衛星(それぞれの質量が約4分の1トン)がファルコン9からインド洋上空を飛行していることを示していました。」

「SpaceXは、10月13日付けのFCCへの提出で、米国の複数の州でStarlinkネットワークのベータテストを開始し、以前はサービスを受けていなかった地方の学生にインターネット接続を提供していると述べました。」

パブリックベータテストは、徐々に始まっている感じだ。

「同社は10月6日にファルコン9を打ち上げ、スターリンクネットワークに60の衛星を追加し、日曜日にさらに60の宇宙船を打ち上げました。ファルコン9ロケットは、水曜日の午後12時36分EDT(1636 GMT)にケープカナベラル空軍基地のパッド40から、スターリンク衛星の別の群れとともに打ち上げられる予定です。」

その打ち上げが遅れている。

(Mise Starlink v1-14)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-14/

「基本情報:
・開始日: 24。10。2020 17:31 CEST、1日後のバックアップ日
・開始ウィンドウ:即時(開始ウィンドウとは)
・静的点火:場所21. 10.2020の18:00CEST(静的点火とは)
・一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用にさらに約60の衛星
・貨物の重量:各スターリンク衛星の重量は260 kg
・ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(すでに使用されている第1ステージB1060.3)
・目的:低地球軌道
・開始ランプ: SLC-40 (ケープカナベラル空軍基地、ケープカナベラル、フロリダ州)
・ステージ着陸の試み:はい、JRTIオフショアプラットフォームで
・表紙をつかもう:多分そう」

回収用ドローン船がJRTIとなっていて、スターリンクの打ち上げでは初登場である以外に注目すべき点はない(静的点火も実施済み)。

延期の理由については、2段目のカメラの故障ということになっている(記事の「現在の情報」参照)。

「「任務の確保」のため、控除は中断された。それが何を意味するのかはわかりませんが、早ければ明日からは始まりません。」

「Elon Musekによると、遅延の理由は上段のカメラの故障です。彼らはそれは深刻なことではないと言いますが、SpaceXはロケット全体をチェックしたいと思っています。」

上段の故障したカメラというのは、おそらく衛星のデプロイ撮影用ではないか(テキトーです)。

1段目のメインエンジンの不調の原因が解明されていなくても飛ばすくせに、2段目のカメラごときの故障で延期するとはけしからん!。

が、まあ、分からないでもない。

以前にも書いたが、エンジン故障が極めてまれな事象で、打ち上げを継続する中で再現すればデータが取れるし、再現しなければ希少性が高まることで再開への道筋にもつながる。

どっちにしても、損はない。

ファルコン9は1基のエンジンが故障しても、その他8基のエンジン燃焼時間を延長してミッションを成功させることができる(回収用の3基のうちの1基だとマズいけどな)。

不調の原因が着火直後のプレバーナーの異常ということなら、GPS衛星の時のように打ち上げ直前に止めてチェックすることができるかもしれない。

いずれにしても、トラブルの再現性がなければ、原因の確定にはならないからな。

再現しなければ、それはそれで、ミッション成功なわけだから何ら問題はない。

顧客のペイロードではない、自社事業を持っていることのメリットをいかんなく発揮しているわけで、転んでもただでは起きない強かさを感じる。

じゃあ、なんで、2段目のカメラごときで延期するんだあ?。

デプロイの映像が中継されなかったのは、V1L8の時も同じだ。

中継局があるディエゴガルシアでテレメトリーを受信して、デプロイ完了を確認できるわけだから、別にカメラが故障していたって何の支障もないはずだしな。

もっとも、下向きに取り付けられている1段目の分離確認用のカメラという可能性もある。

分離に不具合があった際の検証が出来ないからな。

また、エンジンの噴射を確認している2台のカメラのどちらかかもしれない。

あるいは、そのカメラからの映像信号を送信しているシステムが逝っちまってて、何も見えない状態なのかもしれない(詳細不明)。

打ち上げロケットの場合、失敗は想定の範囲内だが、その原因を追究して次回以降に生かせなければ飛ばさないというS社の運用思想を感じる。

(STARLINK-15 MISSION:V1L14のこと)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-14-press-kit.pdf

「MISSION TIMELINE (ALL TIMES APPROXIMATE):
COUNTDOWN:
Hr/Min/Sec Event
- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
LAUNCH, LANDING AND DEPLOYMENT:
Hr/Min/Sec Event
00:01:12 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:32 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:35 1st and 2nd stages separate
00:02:43 2nd stage engine starts (SES-1)
00:03:20 Fairing deployment
00:06:40 1st stage entry burn complete
00:08:23 1st stage landing
00:08:48 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:44:13 2nd stage engine restarts (SES-2)
00:44:15 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:03:10 Starlink satellites deploy」

今回の打ち上げも、約1時間後の軌道投入になっている。

どうやら、早期の軌道投入は見送りになった感じだな。

静的点火も、1段目の使用頻度に関わらず行っている。

これが、GPS衛星のスタックの影響かどうかは知らない。

その原因が解明されたという報道はない。

いつまで延期が続くのか、再開はどういう条件で行われるのか、クルードラゴンへの影響はどうか。

そういう懸念材料がある中でのスターリンク衛星の打ち上げは、カメラが直れば明日予定されている・・・。

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