そういえばあれはどうなった:737MAXという幻が蘇る日2020年11月19日 01:40

そういえばあれはどうなった:737MAXという幻が蘇る日


(ボーイング「737MAX」運航再開を承認 米当局)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66396130Y0A111C2916M00/

「米連邦航空局(FAA)は18日、米ボーイングの小型機「737MAX」の運航再開を承認すると発表」

2機の墜落、水平尾翼の制御(MCAS)のプログラムミス、その他諸々が絡んで1年8か月の長きに及ぶ運航停止措置になった。

「ボーイングはシステムの自動制御よりパイロットの操縦を優先するといった改良を施し、パイロットの訓練プログラムも見直した。」

それが、改良と言えるのかどうかは分からない。

根本的な制御プログラムの改定は行わず(未確認)、ベーン(羽根)式のセンサー故障などに依る不具合が生じた場合、機首上げ失速しがちな、そのままでは到底認められない特性の機体制御を、不慣れなパイロットに丸投げする対応となった。

従来の737シリーズと同等の操縦特性を死守するのではなく、欠陥機のまま放置し、トラブルの際には人間系に委ねるという呆れた対応だ。

FAAもEASAも、それを認め、運航を再開するという。

折しも、ISSにはクルードラゴンが到着しているが、NASAは、自動操縦システムがいい加減でも、何かトラブルが起こった際にはアストロノーツが対応するからいいと認めるんだろうか?。

宇宙船と航空機では異なるだろうが、そこはきちんとした説明が必要な気がする。

MCASの作動は、日常茶飯事なわけだし、バードストライクやその他の原因でセンサーからの信号が正しくシステムに送られないことは想定の範囲内だ。

常識的に考えれば、そういう基本設計の航空機の運航を認めること自体に問題があるような気がしてならない。

航空機は、未完成な機械を人間が操って飛ばすのが当たり前の話だから、それでいいのだと。

打ち上げロケットや、その先に付いている宇宙船とは違うんだと。

自動車では、部分的な自動運転が普及しつあるが、運行の結果責任はどこまでもドライバーが負う。

メーカーは、提供する機能が正常に作動するところまでしか責任を負わない。

そして、それは完全ではない。

人間系が担保する責任体系の中でのみ、運行が許可されている。

それを言い出したら、エレベーターだって、動く歩道やエスカレーターだってそうかもしれない。

ユーザーの感覚としては、エスカレーターが、人間によって運行されているという認識はない。

始業確認、定期点検を受け、当局のお墨付きを得て、人間系の責任で運行されている乗物という感じじゃないのだ。

いや、道路だって、供用に付されるには当局の認可が必要だしな。

乗物じゃないけど・・・。

ある確率の中での安全を確保して、後は運を天に任せて運行する。

道路がいきなり陥没して穴が開いたり、橋がズレて通れなくなったりすることは想定の範囲内だが、だからといって全ての道路を通行止めにすることはない。

我々が生きている便利な世の中は、そういう、黙示の了解のもとで動いている。

737MAXもまた、そういう世界のアイテムの一つだ。

墜落事故は、再び必ず起こるだろう。

改良されたと言われるMCASについては、しっかりと情報提供されるだろうし、機首上げ失速しやすい機体が、フルパワーで旋回中にシステムが効かなくなった際の機体制御に対応するパイロットのトレーニングは、必要十分な時間を掛けて行われるに違いない(従来は、アイパッドで1時間とか)。

それでも、静的安定性を欠いた機体をそのままにして、機械制御に頼って飛ばす以上、それが壊れれば通常とは異なる状況になる。

そして、それに対応できなければ事故は繰り返される。

静的安定性を欠いた機体というが、もう、物理的な空力特性だけをもって「機体」という言葉を使うことはできないのかも知れない。

動的制御込みで、「機体」という認識なんだろう。

動的制御が破綻するというのは、主翼がもげるとか、エンジンが脱落するというレベルの事態なわけだ。

接合しているリベットや溶接、素材強度については構造計算などで強度が確保されている。

ソフトウェアを含め、電子デバイスでアクチュエイターを制御するシステムの検査が、それと同等レベルで行われていれば、その堅牢性を疑う必要はないのかも知れない。

MCASが、そのレベルで改善されていれば、主翼がもげることを心配して飛行機に乗れなくなる程度の話なのかもしれない。

が、たぶん、そうじゃないだろう。

壊れれば、パイロットが何とかできるレベルの操縦性ではあるだろうし、機首上げ失速しがちな機体にしたって、操縦システムの作動範囲の特性に収まっているからこそ、パイロットによる操縦で制御されうるわけだからな。

じゃあ、2機の737MAXはなぜ落ちたのか。

その答えは、まだ出ていない。

MCASに係る情報が、パイロットに正しく伝わっていないことだけが原因だったのか、そのための訓練が不足していたことが重なったのか、パニックに陥り、的確な操縦が行えない事態になったのか。

誤動作しているMCASのキャンセル方法についても、知ってるパイロットとそうでないパイロットがいたという話もある。

最終的に人間系に委ねるのなら、当局はそこんとこの徹底を図る義務があるだろう。

幸い(?)、新型コロナの影響で、航空旅客需要は激減し、あぶれたパイロットは閑こいてぶらぶらしているに違いない(未確認)。

どーせ、当てにならない機械なら、人間系のトレーニングを徹底して、1年くらいMCASのトラブル対応「だけ」トレーニングしてから飛ばしてもいいかも知れない(そんなあ!)。

「出荷済みの機体のシステム更新と訓練には1カ月程度かかるとみられる。」

ちょっと短すぎるんじゃないのかあ?。

737MAXは元はと言えば、低燃費のエンジンを搭載して、航空会社のコストを削減し、利益の最大化を図るための改造機だった。

訓練に掛けるコストが、削減された燃料費を上回ることはあり得ない。

航空運賃を低減し、安く飛ばせる飛行機を望んだのは我々乗客だ。

そのツケは、いずれ命で払うことになる。

そうならないための仕掛けをいくら仕込んでも、リスクをゼロにすることはできない。

「生産体制が正常化するまでには数年かかる見通しだ。」

喉元過ぎれば何とやらだな・・・。

配線ミスと言えば:蘇るFー2墜落の幻:ベガロケットの蹉跌2020年11月19日 09:27

配線ミスと言えば:蘇るFー2墜落の幻:ベガロケットの蹉跌


(アリアンスペースは、ベガの打ち上げ失敗の原因を「ヒューマンエラー」まで追跡します)
https://spaceflightnow.com/2020/11/17/arianespace-traces-cause-of-vega-launch-failure-to-human-error/

「ベガロケットの上段制御システムのケーブルが逆になっているため、月曜日の夜に打ち上げられてから数分後にランチャーが転倒し、スペインの地球観測衛星とフランスの研究探査機が失われた。」

「上段の推力ベクトル制御アクチュエータにつながるケーブルが反転していると結論付けました。」

「ケーブルの問題により、ロケットの誘導システムからのコマンドに応答して、エンジンがノズルを間違った方向に動かしました。その結果、ロケットは打ち上げ後約8分で上段エンジンの点火直後に制御を失い転倒しました。」

記事では、この取付ミスを人為的エラーとしているが、それで済んだら品質管理は楽ちんだな。

製造プロセスの構造的欠陥というのが正しい。

配線ミスなどを防ぐために、いろいろな工夫をするんだろうが、ロケット製造というニッチな分野では、いろいろ制約もあるだろう。

飛び道具は軽く作る必要があるだろうし、最近はコスト管理も厳しい。

配線ミスでの墜落で思い出すのはこれ・・・。

(F-2 (航空機):配線の誤接続による墜落)
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-2_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#%E9%85%8D%E7%B7%9A%E3%81%AE%E8%AA%A4%E6%8E%A5%E7%B6%9A%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%A2%9C%E8%90%BD

「事故の原因は、機体の縦方向の動きを感知するピッチ・レート・ジャイロと、横回転の動きを検知するロール・レート・ジャイロの配線を相互に誤接続してしまっていたことであった。これにより機体を制御するコンピューターに縦方向の動きと横回転の動きが誤って伝達され、パイロットの意図しない動作を機体に発生させてしまったことにより墜落に至ったものである。」

ご丁寧にも、姿勢制御関係の配線ミスというところまで共通している。

(配線ミス)
http://hamarie.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_7b2f.html

「事故調によると、メーンコンピューターと二つのセンサーは、それぞれ3本の配線で接続されている。配線には印があるほか、コネクターがストレート型とL型の2種類に分かれ、それぞれ決まった個所にしか差し込めない設計になっている。しかし、作業員はL型のコネクターを通常とは逆向きにしたため、間違って差し込めたという。」

そんな芸当が出来るのかどうかは知らない(通常はできないはず:詳細不明)。

「防衛省東海防衛支局は事故調の調査結果をふまえ、▽作業者に対する指導、管理監督が不十分だった▽作業手順書が明確でない▽誤配線防止のための設計上の施策が認識されなかった▽地上での確認試験がなかった--として改善を三菱重工に申し入れた。」

地上での確認試験がなかったというのは、やや気になる。

センサーからの入力信号の配線なので、仮に行ったとしても動翼の動きからでは判断できないかもしれない。

浮沈子的には、逆向きにはめ込むことができないコネクターに変えるだけで済むような気がするんだがな。

まあいい。

詳細が明らかでないので、これ以上は分からない(ひょっとしたら、某国の破壊工作だったのかも)。

ベガロケットの上段の配線がコネクターを使っていたかどうかは知らない。

「アリアンスペースと欧州宇宙機関は、打ち上げの失敗を調査するために独立した委員会を設立します。アリアンスペースのCEO、ステファン・イスラエル氏によると、ESAの監察官が調査を主導するという。」

多品種少量生産の現場では、自動化によるミスの防止にコストを掛けることが難しい。

どこかで、人間による作業が発生し、それをチェックするのも人間だ。

そして、様々な制約から、そういうレトロなチェック体制に最適化された設計(組み込んだ後から、誤接続を目視で確認できる外形の部品を選択するなど)を行うことも困難だ。

ということは、作業ミスは、一定の確率で必ず発生することになる。

有人宇宙飛行でもそれは同じだし、旅客機だって同じだ。

運用実績を積む中で、地道に潰していくしかない。

いつか、その作業をロボットが行うようになり、そのロボットが誤作動しないようにチェックすることになるかも知れないが、それを行うのもロボットかも知れないな・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

神ならぬ人の作りしものは必ず壊れる。

経年劣化だけが、その理由ではないのだ。

隠れた瑕疵は、「事故」という形で表層に現れるまで認識されることはない。

ISSに係留されているクルードラゴンレジリエンスだって、必ずトラブルの種を抱えているに違いないのだ。

6か月後に無事に地上に降り立ったとしてもなお、それは隠れたままかもしれない。

使い捨てなら、そのまま消えてなくなるだけだがな。

再使用を繰り返しているうちに、ある時、突然表面化する。

同じ設計で繰り返し製造されることと、製造された機械を再使用することの間に違いが生じることはないかも知れない(未確認)。

再使用では、経年劣化の影響を受けて、問題の個所が表面化しやすくなることはあり得る。

ベガは使い捨てだが、常用する機能での製造ミスが表面化した。

設計ミスではないというが、浮沈子はそうは思わない。

脆弱な製造工程におけるミスを回避する設計が行われていなかったという観点からは、立派な設計ミスだろう。

作業者の人為的ミスでお茶を濁すようなことがあれば、また落ちるだろうな・・・。

そういえばあれはどうなった:2020年→2021年初頭→2021年第一四半期→???:ビミョーにシフトするOFT-2の日程2020年11月19日 13:09

そういえばあれはどうなった:2020年→2021年初頭→2021年第一四半期→???:ビミョーにシフトするOFT-2の日程


(NASAの職員は来年クルードラゴンでロシアの宇宙飛行士を飛ばすことを望んでいます)
https://spaceflightnow.com/2020/11/15/nasa-officials-hope-to-fly-russian-cosmonaut-on-crew-dragon-next-year/

「今年の初め、NASAはロシアに9千万ドル以上の追加のソユーズ往復チケットを支払いました。」

「スペースXのクルードラゴン宇宙船の往復座席あたり平均約5500万ドル」

「ボーイングの価格は1席あたり約9千万ドルです。」

もちろん、実際の価格はもっと高い。

S社もB社も、民間資金を投入して赤字分を埋めているだろう(未確認)。

特にB社は失敗に終わったOFT-1を補うために、当初、年内にOFT-2を自腹(4億ドルといわれる)で飛ばす腹だった。

その後、年末から年始のいつかに延長され、2021年初頭(1月4日)とかなりピンポイントでうわさされ、最近ではそれも怪しくなり、NASAの担当者の発言では2021年第一四半期という表現に変わった。

(SpaceXから1年遅れて、ボーイングスターライナーのテスト飛行のやり直しが2021年にプッシュされました)
https://www.wenatcheeworld.com/news/a-year-behind-spacex-boeing-starliner-redo-of-test-flight-pushed-to-2021/article_73ee60a4-29aa-11eb-8630-eb45b4329f5a.html

「NASAの商用乗務員プログラムマネージャーのSteve Stichは、飛行は来年の第1四半期まで行われないと述べました。」

浮沈子的には、今後の状況によっては2021年前半になり、2021年中になり、ひょっとしたら2022年に延期になるかも知れないと思っている(そんなあ!)。

なにも急ぐ必要はない。

延長された間の人件費や開発コストは、やがて新しいNASA長官によって補填されるだろうしな(そうなのかあ?)。

「宇宙ステーションでどのポートが開いているかについても心配する必要があります。」

そんな心配は当分必要ない。

スターライナーが飛ばなくても、クルードラゴンや新しいカーゴドラゴンがポートを埋めてくれるしな。

NASAがクルードラゴンの再使用を認めた背景には、仮にスターライナーが飛ばなくても、年に4回のISSタクシーを運用できる態勢を整えるようにするためだろう(未確認)。

また、ファルコン9の1段目の再使用も認めた。

コンスタントに2か月間隔でメンテナンスして飛ばせるわけだから、3か月に1度のフライトなら余裕なわけだ。

ISSタクシー用に1本確保しておくだけで十分だろう。

カーゴドラゴンの方は、スターリンクなどのローテーションと共通で回していけばいいからな。

スターライナーの出番はない。

打ち上げ毎にクルードラゴンの倍近い金額が吹っ飛ぶことを考えれば、早々に運用を断念して撤退するのが上策といえる。

既に、NASAにとってスターライナーはお荷物になりつつある。

んなもん、必要ないじゃん!?(そんなあ!)。

まあいい。

2014年に開発企業を選定する際、スペースXは再使用にも成功していなかったしな。

運用実績も乏しく、スターライナーは盤石に思えた。

6年後の結果は、紆余曲折の中、B社が遅れ、S社が先行している。

2社の競合が当初からの狙いだったわけではない。

選定は1社だけと、直前まで言われていたからな。

NASA自身は、S社が断念して脱落しても、保険としてのB社があるから安心というものだった。

宇宙船のパワードランディングや搭乗員の変更、パラシュートのトラブル、なんといってもデモ1で使用されたカプセルが爆発して木っ端みじんになったところで頂点に達した。

スターライナーを本命に据えておいてよかった・・・。

が、昨年末のまさかのチョンボ。

しかも、そのチョンボは、開発の本質に関わる管理体制の欠如によるものと判明する。

他に、どんな欠陥があったかは明らかにされていない(改善項目が80項目であることだけ)。

それらを正すことが出来れば、全てOKかどうかも分からない。

監査したのは、当事者であるNASAとB社だからな。

(ボーイング軌道飛行試験2)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Orbital_Flight_Test_2

「ボーイングは、OFT-1飛行後、スターライナードッキングシステムの設計を変更しました。SpaceXの設計と同様に、カプセルが大気圏を激しく降下する際の保護を強化するために、ヒンジ付きの再突入カバーが追加されました。これは、OFT-2ミッションでテストされます。」

もし、当初予定になかった、このヒンジ付き再突入カバーに不具合があれば、再び遅延が生じる。

また、開発体制や管理体制は一朝一夕に改善されるものではなく、深く企業文化に根差したものであることを考えれば、OFT-2が成功すると単純に考えることは出来ない。

現に、スケジュールは遅れている。

当初予定だって、テキトーに決めたわけではないだろうから、予定通りに進まない事情が生じたと考えるのが筋だ。

何らかのクリティカルパス(ここでは技術的隘路の意)があって、そこから先に進めないでいるのか、作業を行っているうちに新たな課題が次々に発見されて80項目どころか800項目くらいに膨れ上がっているのか。

2021年第一四半期というのは、通常なら1月から3月までの3か月のうちのどこかを指すが、言い回しの中ではそれ以降と捉えられなくもない。

「・・・that flight won’t happen until the first quarter of next year.」

別に、スターライナーが上がらなくても、ISSタクシーに支障はない。

だが、別の観点からは、遅れに遅れてもいいが、スターライナーは是が非でも成功させなければならないかもしれない。

将来のいつかの時点で、クルードラゴンが引退するからな。

10年くらいすれば、怪しげなスターシップの貨物版が完成し、カーゴドラゴンにとって代わり、ISSに積み切れないほどの膨大な貨物を届けるようになるだろう。

ファルコンシリーズは、クルードラゴンのためだけに残しておくことになる。

その時点で、ISSタクシーから早期に撤退することがS社にとっては得策なわけだ(未確認)。

賞味期限切れの、コストばかり掛かって効率が悪いファルコン9システムからは、一刻も早く足を洗いたいからな。

アルテミスがどうなっているかは分からないが、宇宙空間だけで使いまわされる月面往還機としてのスターシップは、実用化されているかもしれないしな。

貨物バージョンやタンカーバージョンで実績を積んで、数年後の有人スターシップに全精力を注ぎこみたいからな。

クルードラゴンは足手まといだ・・・。

スターライナーは、その頃までに完成していれば十分だ。

10年くらいあれば、如何にB社が杜撰でテキトーでも、何とかものになっているだろう。

ああ、問題は、その頃までISSが運用されているかどうかだけどな・・・。

そういえばあれはどうなった:ズヴェズダの空気漏れの原因が微小隕石やスペースデブリの衝突という言い訳は聞こえないな2020年11月19日 20:28

そういえばあれはどうなった:ズヴェズダの空気漏れの原因が微小隕石やスペースデブリの衝突という言い訳は聞こえないな


(ISS内の空気漏れ 亀裂の幅は髪の毛の太さに相当)
https://jp.sputniknews.com/science/202011047909167/

「専門家らが現在、亀裂が発生した原因を調査し、完全に修復する技術を研究している。12月には、空気を補充するための窒素と亀裂の封鎖手段をISSに供給する予定。」

「漏洩箇所はロシア区画のモジュール「ズヴェズダ」の移動室で生じていることが明らかになった。」

移動室だってえ?。

(ズヴェズダ (ISS):構造)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BA%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%BA%E3%83%80_(ISS)#%E6%A7%8B%E9%80%A0

「ズヴェズダは、(後方から順に説明すると)ドッキング・ポートが1つある円筒形の「移送チャンバ (Transfer Chamber) 」、移送チャンバの周りにある非与圧の「組立区画 (Assembly Compartment) 」、乗員が作業し居住する円筒形の「作業区画 (Work Compartment) 」、ドッキング・ポートが3つある球形の「移送区画 (Transfer Compartment) 」からなる。」

未確認だが、「移送区画」がそれに相当するとすれば、ここにはポイスクとピアースが接続されている(前方にはザーリアが恒久的に接続されている)。

(ISSロシアのモジュールの空気漏れ亀裂は12月に修理されるかもしれない、と宇宙関係者は言います:英語記事)
https://sputniknews.com/science/202011041080989639-air-leaking-crack-in-iss-russian-module-might-get-repaired-in-december-space-official-says/

「ソロビョフは、ISSにシーリング材を届ける宇宙船を指定していませんでしたが、12月に飛行する予定の宇宙船は、米国の民間企業スペースXの再利用可能な貨物宇宙船であるカーゴドラゴンだけです。」

カーゴドラゴンが運ぶのは、衛星放出機構であるビショップだけではないようだな。

「最終的に、ズヴェズダモジュールの前面にあるいわゆるトランスファーコンパートメントに4センチメートル(1.5インチ)の亀裂を発見しました。」

間違いない!。

ロシアは、来年ここにピアースの代わりとして、新しいモジュール(多目的実験モジュール:ナウカ)を接合する予定だ。

それまでには、空気漏れを修理しなくてはいけない。

(ISSの乗組員がロシアのモジュールの亀裂にパッチを当てることに成功、ロスコスモスは確認)
https://sputniknews.com/russia/202011181081205898-iss-crew-successfully-patched-crack-in-russian-module-roscosmos-confirms/

英語版の最新記事では、既に対応済みとある。

「ロシアのISS乗組員のメンバーは、ズヴェズダモジュールの大気漏れの疑いのある場所に新しいパッチを設置した」

まあ、とりあえずの暫定修理だろうな。

初出の日本語版スプートニクでは、亀裂の原因を外部要因としているようだ。

「専門家らは、ISSの船体に微小隕石やスペースデブリの破片が衝突したことが、亀裂発生の原因の一つになったとみている。」

ズヴェズダには、設置後にプロテクターが外壁に増設されているが、移送区画には設置されていないはずだからな。

原因の一つになったという可能性は排除できないかもしれない。

船外活動では、それらの衝突痕の確認もしているんだろう。

(Spacewalkersは新しいロシアのモジュールの到着の準備をします)
https://spaceflightnow.com/2020/11/18/russian-eva-47/

「船外活動者はロケットプルーム衝突検出器の位置を変更し、エンジニアが微小隕石の影響を評価してからポワスクに戻り、午後5時に最後にハッチを閉じるのに役立つ実験トレイを回収しました。」

この記事では、ザーリアにレギュレーターを追加設置するはずだったが、作業場所にアクセスできずに終わった様だ。

うーん、立て付けに問題があるのかもな。

まあいい。

ポイスクの方は、暫く使われるから入念にチェックした様だが、廃棄予定のピアースはざっと見た感じか(未確認)。

いずれにしても、来月に飛ぶカーゴドラゴンに修理材を積み込んでの本格修理を行うわけだ。

原因によっては、ズヴェズダの運用に支障を来すかもしれない。

ナウカが無事に上がるかどうかも不透明だしな(来年5月と言われているが、それを信じている者は当事者含めて皆無だろう)。

まあ、どうでもいいんですが。

空気漏れの真の原因を突き止められなければ、ドッキングしたナウカの活用も危ぶまれる。

ISS廃棄後も、ロシアモジュールは独自の宇宙ステーションとして、分離活用される予定だそうだから、今更のように追加モジュールを打ち上げても問題はない。

もう、デタントの象徴のようなISSの賞味期限は終わり、莫大な投資を活用するために民営化されることになった。

ロシアが出ていくというなら、止めることはない(まあ、ズヴェズダは廃棄されるでしょうが)。

ISSタクシーが完成した今となっては、ソユーズがなくても維持できるわけだしな。

適当に活用して、寿命が来たらバラバラに分解して制御落下させて処分する。

それまで、何とか持たせてもらって、せっかく開発したクルードラゴンや飛ぶかどうかも怪しいスターライナーの目的地を維持しておかないとな・・・。