シグナス補給船とアンタレス:ジミーなISSトラックのジミーな軌跡2020年11月21日 07:37

シグナス補給船とアンタレス:ジミーなISSトラックのジミーな軌跡


ファルコン9とドラゴン1のような派手さ(空中で爆発したり、リハーサルの給油中に衛星積んだまま吹っ飛んだり)はないが、シグナスだって、一応、飛行中(打ち上げ直後ですが)のド派手な爆発をしている。

(アンタレス(ロケット))
https://en.wikipedia.org/wiki/Antares_(rocket)#Antares_200_series

「2014年10月28日の5回目の打ち上げ中に、ロケットは壊滅的に故障し、車両とペイロードが破壊されました。故障は、第1段階のエンジンの故障に起因していました。」

アンタレスロケットは、シグナスを打ち上げるために専用設計された打ち上げロケットだ。

それ以外の用途で使われたことはない。

爆発したロケットは、その後改良され(エンジン交換など)、2016年からは順調に飛行している。

改良されるまでの間(2回)とその後1回の計3回は、アトラスV(401構成)で代替打ち上げを行っている。

(シグナス(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Cygnus_(spacecraft)#Missions

以下のリストは、再構成している。

・2013年4月21日21:00:アンタレス110:Cygnus Mass Simulator(テスト飛行)
・2013年9月18日14:58:アンタレス110:シグナス(標準)Orb-D1G(デモ飛行)
・2014年1月9日18:07:アンタレス120:シグナス(標準)CRS Orb-1C(ロケット変更:CRS-1開始)
・2014年7月13日16:52:アンタレス120:シグナス(標準)CRS Orb-2
・2014年10月28日22:22:アンタレス130:シグナス(標準)CRS Orb-3(ロケット変更:失敗)
・2015年12月6日21:44:アトラスV401:シグナス(強化)CRS OA-4(会社名称変更:代替打ち上げ)
・2016年3月23日03:05:アトラスV401:シグナス(強化)CRS OA-6(ミッション番号入れ替え:代替打ち上げ)
・2016年10月17日23:45:アンタレス230:シグナス(強化)CRS OA-5(ロケット変更:ミッション番号入れ替え)
・2017年4月18日15:11:アトラスV401:シグナス(強化)CRS OA-7(代替打ち上げ)
・2017年11月12日12:19:アンタレス230:シグナス(強化)CRS OA -8E(EnhancedCygnus)
・2018年5月21日08:44:アンタレス230:シグナス(強化)CRS OA-9E(EnhancedCygnus)
・2018年11月17日09:01:アンタレス230:シグナス(強化)CRS NG-10(会社名変更)
・2019年4月17日20:46:アンタレス230:シグナス(強化)CRS NG-11(CRS-1終了)
・2019年11月2日13:59:アンタレス230+:シグナス(強化)CRS NG-12(ロケット変更:CRS-2開始)
・2020年2月15日20:21:アンタレス230+:シグナス(強化)CRS NG-13
・2020年10月3日01:16:アンタレス230+:シグナス(強化)CRSNG -14

テストフライトなどを含め、延べ16回の打ち上げとなる(失敗1回を含む)。

年に2回くらいの打ち上げペースだからな。

ついつい忘れてしまうが、コンスタントに輸送サービスを続けている。

せいぜい3トンから4トン以下の輸送量で、実験ラックなどを運ぶことはできず(HTVだけ)、ドラゴン1のように、成果物を持ち帰ることもなく(燃え尽きて終わり)、欧州輸送機のようにリブースト機能を持つわけでもない、最もジミーな輸送機だ。

フライト毎に、宇宙飛行士にちなんだニックネームが付けられているようだが、浮沈子的には関心がないので割愛する。

(商業補給サービスフェーズ2)
https://en.wikipedia.org/wiki/Commercial_Resupply_Services#Commercial_Resupply_Services_phase_2

「シグナスフェーズ2フライト
シグナスNG-12:2019年11月2日(済)
シグナスNG-13:2020年2月15日(済)
シグナスNG-14:2020年10月3日(済)
シグナスNG-15:2021年2月(予定:4月になるみたいです)
Cygnus NG-16:2021年7月(予定)
シグナスNG-17:2022年2月(予定)」

その後のフライトがあるかどうかは知らない。

NASAとしては、手堅い輸送手段として確保しておきたいかもしれないが、コスト的にはこれ以上下げられないだろうし、ロシア製エンジンの調達という政治的リスクも抱えている。

2段目の固体燃料ロケットに金を落とす必要があるから、切るに切れないということがあるのかも知れない(未確認)。

NASA的にノースロップグラマンをどう扱うかは難しいところだ(たぶん)。

米軍は、打ち上げロケットからはバッサリ切ったからな。

技術開発的には、同じ系列のドリームチェイサーに投資した方がいいかもしれない。

ものになれば、入れ替えになる。

「カーゴドリームチェイサーのフライト
SNCデモ-1:2021年秋(バルカンの2回目の飛行)
SNC 1:2021年9月
SNC 2:2023
SNC 3:2024
SNC 4:2024
SNC 5:2025
SNC 6:2026」

日程的にも、入れ替えを前提としているようだ。

補給機のメインストリームとしては、おそらくカーゴドラゴンだけで十分だろう(年4回)。

2系統確保という点では、シグナス+ドリームチェイサーでワンセットか。

ああ、HTV-Xもあるけどな。

あれは、オマケだ(そんなあ!)。

年に1度くらいしか飛ばないしな(実験ラックとか電池交換くらい?)。

もちろん、別系統のプログレスは頻繁に飛ぶ(年に3回から4回)。

まあ、どうでもいいんですが。

後詰のシグナス。

おそらく、CRSー3では消えてなくなる。

アンタレスも、それで打ち切りだろう。

使い捨て補給機と使い捨てロケットの最後の残渣(ドリームチェイサーは、もちろん再使用:バルカンも、エンジンユニットだけは、そのうち再使用すると言ってるけどな:浮沈子はしない方に1票)。

ああ、使い捨てならHTV-X(とH3)もあるか。

所詮はオマケだけどな・・・。

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