そういえばあれはどうなった:ドリームチェイサーの野望2020年11月21日 10:24

そういえばあれはどうなった:ドリームチェイサーの野望


有人開発ではNASAの開発資金は貰えず、仕方がないから貨物仕様に縋って生き延びているシエラネバダコーポレーションのドリームチェイサー。

(夢探す人)
https://en.wikipedia.org/wiki/Dream_Chaser

「もともとは乗用車として意図されていたドリームチェイサースペースシステムは、貨物のバリエーションであるドリームチェイサーカーゴシステムが運用された後に製造されます。乗組員のバリアントは、低軌道との間で最大7人の人と貨物を運ぶことができます。」

「貨物ドリームチェイサーは、国際宇宙ステーションに加圧貨物と非加圧貨物の両方を補給するように設計されています。」

「2013年10月26日、最初のフリーフライトが発生しました。試験機はヘリコプターから解放され、1分も経たないうちに正しい飛行経路を飛行して接地しました。着陸直前に、左側の主脚が展開できず、不時着した。」

浮沈子が覚えているのはこのくらいまでだな。

「2016年1月、NASAは、ドリームチェイサーがCRS-2契約の1つを獲得し、ISSへの最低6回の補給ミッションの購入を約束したと発表しました。」

「2017年11月11日、ドリームチェイサーETAは高度3,700 mから解放され、エドワーズ空軍基地に着陸しました。」

やっと成功したか。

「私たちの判断(OIG監査スタッフ)では、シエラネバダが2024年までに6つのミッションのCRS-2貨物輸送要件を満たすために打ち上げに失敗した後、別のドリームチェイサーを構築する可能性はほとんどありません。すべての問題が解決されるまで同社は唯一の宇宙船を打ち上げることができないため、将来のシエラネバダ貨物ミッションに悪影響を及ぼします。」

失敗を許容できない開発なわけだ(どこかの開発中のロケットとは、大違いだな・・・)。

「2番目の宇宙船はNASAに追加費用をかけることなくスペアパーツから作ることができます。」

その宇宙船のスペアパーツは、NASAからの追加費用が頼りなのかあ?。

まあいい。

初打ち上げは、来年と言われていたが、どうやら延期になった様だ。

(最初のドリームチェイサーミッションは2022年にスリップ)
https://spacenews.com/first-dream-chaser-mission-slips-to-2022/

「時間枠は2020年代の終わりであり、それが起こる2030年に入ると思います」

つまり、ターゲットにしているのはISSではなく、ポストISSというわけだ。

長期計画というか、強気というか。

機体の後ろに追加のモジュールを付けて、多目的に使用する方策も追及されている。

(シエラネバダはドリームチェイサーの他の用途を探る)
https://spacenews.com/sierra-nevada-explores-other-uses-of-dream-chaser/

「ドリームチェイサーのもう1つの重要な要素は、ドリームチェイサーの後端に取り付けられたシューティングスターと呼ばれる貨物モジュールです。」

「そのモジュールは、ステーションに貨物を輸送するための追加の容量と、ステーションから貨物を処分する手段を車両に提供します。モジュールは、駅を出た後にドリームチェイサーから分離し、大気中で燃え尽きます。」

具体的に、何をどうするというのは分からないが、後ろにくっ付けて飛ばせるものなら何でもいいんだろう(未確認)。

「私たちは乗組員バージョンの作業をやめたことはありません」

やっぱ、本命はこっちなんだろうな。

有翼宇宙船のファンは多い。

米国の現在のメインストリームからは外れているが、その流れは途切れることなく続いている。

X-37Bは無人機だが、現在もOTV-6(USSF 7)として宇宙空間を飛んでいる。

打ち上げ時にフェアリングで保護されているとはいえ、宇宙空間では再突入時の熱保護を担う耐熱タイルは剥き出しになる。

それは、同じ様な再突入を試みるスターシップも同じだ。

スペースシャトルコロンビアの悪夢は、NASAや米国人の中に深く刻まれているに違いない。

長期間運用されれば、ISSズヴェズダのように、空気漏れだって起こすかもしれないしな。

微小隕石や宇宙デブリが飛び交う低軌道に、一か八かの宇宙船を飛ばして人間を運ぶわけにはいくまい。

が、シエラネバダコーポレーションは、ポストISSの宇宙ステーションへの往還機としてドリームチェイサーを位置付けている。

また、サブオービタルプレーンとして、なんちゃって宇宙旅行に使えれば、民間資金で開発を継続することができるかもしれない。

まあ、浮沈子的には、それはないだろうと考えている。

無人機として運用するには無駄が多いし、有人機として使用するにはリスクが高い。

軌道飛行性能を持ちながらサブオービタルで使うのはもったいない。

それに適した打ち上げロケットは存在しないしな。

全てにおいて中途半端で、最適化されていない。

カーゴドラゴンのように、クルードラゴンのサブセットとして使えるならともかく、カーゴドラゴンを先に作って、そこからクルードラゴンを開発するというのはそれなりのコストもかかる。

耐熱タイルが宇宙空間で剥き出しという、本質的なリスクは抱えたままだし。

折りたたみの翼というのも気になる。

蝶番のところは大丈夫なのか。

耐久性はどうか。

再使用に当たってのメンテナンスはどうか(翼は取り換えなのかあ?)。

全ては、これからの検証ということになる。

長期に渡る開発が続くということは、その間の技術的進歩から取り残されるリスクもある。

いや、それらを取り込むことができるというメリットでもあるが、それを検証するために更に時間がかかったりするしな。

出来上がった頃には、すっかり色褪せてしまうわけだ(そんなあ!)。

打ち上げロケット側でのパワードランディングが実現した現在、技術的にはリフティングボディで滑空着陸というのは時代遅れに思える。

ああ、もちろん、打ち上げ時の緊急脱出というスペースシャトルの抱えていた問題は残るしな。

スターシップは、そこんとこは完全にオミットしていて、最初から考えていない。

緊急脱出システムを装備することと、本体の安全性を高めることとの比較考量の問題と考えている(緊急脱出システムも、固有のリスクを抱えているし)。

再使用ロケットならではのアプローチと言える(スターシップ全体を、スーパーヘビーに対する緊急脱出システムとして使うのかも知れない:未確認)。

その点では、打ち上げシステムの信頼性に依存するドリームチェイサー単独では解決できない。

バルカンで上げる以上、有人化に向けて避けて通れない問題でもある。

ちなみに、スターライナーは、宇宙船側にしっかり緊急脱出システムを用意しているからな。

そういうメインストリームの安全確保からは、外れた存在なわけだ。

それを、貨物バージョンから開発して、有人バージョンに発展させるには、いくつもの困難な壁を乗り越えなければならない。

貨物バージョンで100回くらい連続で完璧な運用を行ってもなお、懸念は残るわけだからな。

無理筋と言えば無理筋だ。

それでも、頑なに拒んできたクルードラゴンの再使用を認めたように、NASAも有人ドリームチェイサーを認めるかもしれない。

ISSタクシーの需要がなくても、どこかの打ち上げロケットに上げてもらって、宇宙旅行を楽しませる道があるかも知れないしな。

民間宇宙ステーションが出来るかどうかは分からない。

とっておきの奥の手としては、中国の宇宙ステーションに参加するというのもある(って、アリなのかあ?)。

逸れ者同士手を組むというのは、良くある話だ。

まあ、どうでもいいんですが。

貨物バージョンの打上げは早くても2年後くらいだろうし、再突入が成功する保証もない。

翼の折れ目から分解したりしてな。

やっと成功しても、また、着陸脚が出なかったりして・・・。

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