ファルコン9の100回目の打ち上げ:うち2回は空中爆発だがな2020年11月25日 23:01

ファルコン9の100回目の打ち上げ:うち2回は空中爆発だがな


浮沈子は、CRSー7の打ち上げ失敗(19回目)だけだと思ってたんだが、考えてみれば、今年初めのクルードラゴンのインフライトアボートテスト(79回目)も空中爆発したからな。

ファルコン9が空中で吹っ飛んだのは、意図したかどうかは別として、2回ということになる。

回数には、もちろん、アモス6を屠った発射台での大爆発は含まれない(スタティックファイアテストのための酸素充填中の爆発)。

100回という数字には何の意味もないが、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社(通称スペースX)が、急速に経験値を上げてきたことをうかがわせる。

どの打ち上げロケット会社も、これ程の短期間で100回目に達したことはないだろう(未確認)。

さらに驚くべきことに、イーロンマスクは来年の打ち上げ回数の目標を48回(月平均4回)としていることだ。

ざっくり計算すると(してないけど)、再来年の今頃にはそろそろ200回ということになる・・・。

(SpaceXは、100回目のファルコン9飛行でさらに60個のスターリンク衛星を打ち上げます)
https://spaceflightnow.com/2020/11/25/spacex-launches-60-more-starlink-satellites-on-100th-falcon-9-flight/

「ファルコン9ロケットの100回目の飛行は、火曜日の夜にSpaceXのスターリンクネットワークの軌道に60の衛星を送り、世界中のブロードバンド接続をビームするために計画された数千の太陽電池式宇宙ベースの中継局の艦隊に別のビルディングブロックを追加しました。」

(Mise Starlink v1-15)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-15/

「このローンチはいくつかのSpaceX +レコードを壊しました、私はいくつかの興味深い統計を添付しています:
・ほとんどの離陸と着陸を伴う第1段階(7)
・1年(23)、四半期(7)、月(4)の記録的な開始数
・ファルコン9の100回目のスタート
・OCISLYに着陸する40回目の試み
・SLC-40ランプからの60回目のSpaceX発売
・前回の事故以来、75回連続でSpaceXの発売に成功(Amos-6)」

(SpaceXロケットは、7回目の打ち上げと着陸を初めて達成しました)
https://www.teslarati.com/spacex-falcon-9-first-seventh-launch-landing/

「CEOのElonMuskが2021年に48回の打ち上げという野心的な目標を明らかにしてからわずか6週間後に、SpaceXは確かに最初の4回の打ち上げ月を可能な限り最高の時期に実現しました。」

再使用と高頻度打上げの象徴と言いたいところだが、今月達成した初の月4回の打ち上げは、3回が新品の1段目だったからな。

・11月5日:GPS衛星:B1062.1
・11月16日:クルー1:B1061.1
・11月21日:センチネル6A:B1063.1
・11月25日:V1L15:B1049.7

まあいい。

テスララティの記事では、今後の再使用計画がひっ迫するのではないかと懸念している。

「現在、8つのブースターが強力であり、SpaceXの飛行実績のあるFalcon 9艦隊は、理論的には週に1回の打ち上げをサポートできますが、3つのブースター(B1061、B1062、およびB1063)の飛行速度は、最近いくつかに割り当てられているため、多少障害があります。」

イーロンXは、この件について、わざわざ別記事を書いている。

(軍隊とNASAの両方が、ミッションで「飛行実績のある」ファルコンを使用することに同意していますが、SpaceXには十分ですか?)
https://www.elonx.cz/armada-i-nasa-svolily-s-pouzitim-letem-proverenych-falconu-na-svych-misich-ma-jich-ale-spacex-dostatek/

「新しいロケットステージはまれな現象になりつつあります。SpaceXには、計画されたミッションを時間内に完了するのに十分なファルコンさえありますか?」

「ファルコンの打ち上げのリズムの増加に関連して、SpaceXには計画されたミッションで使用できるほど多くの最初のステージがありません。」

「Falcon 9の次の新しいステージは、おそらく来年のいつかまで生産されないでしょう。それまで、SpaceXはステージの深刻な不足に直面する可能性があります。」

その原因を作っているのは、記事にもあるように、軍用とNASA用の1段目が予約されていることにある。

半年に1回しか飛ばない1段目を予約されてはたまらない。

2か月に1度のペースで回せるところを、3分の1の稼働率に引き下げていることになる。

その分のお代は頂くとしても、もったいない話だ。

ファルコンヘビーのサイドブースターを転用する話もあるが、そんな面倒くさいことをしなくてもいいだろう。

単に1段目を増産すればいいだけの話で、それが間に合わなければ、スターリンク衛星の打ち上げを延期すればいい。

ないよりマシなベータテストが延々と続くだけの話だからな(そんなあ!)。

スターリンクは、スターシップが出来上がらなければ本来の性能を発揮するコンステレーションを維持することはできない。

来年以降の年間48回の打ち上げの殆どを投入しなければ1万2千機の衛星群を配置することは困難だ(衛星寿命の5年以内に全機配置するためには年間2400機必要:ファルコン9を年間40回上げなければ達成不能)。

現在は、まだ、10分の1未満の配置数だからな。

話にならない。

まあ、その他の打ち上げ全てをNASAと軍用に回すくらいでなければ、ファルコン9によるスターリンクは破綻する。

元々、無理筋なのだ。

スターシップは、その意味でもスペースXの生命線を握っている。

だから、他の何よりも優先して取り組まなければならない。

1段目が足りるかどうかというのは、それに比べれば大した話じゃない。

足りなければ増産するだけでいい。

簡単な話だ。

スターシップは、そうはいかないからな。

そして、それがスターリンクを成功させるカギになる。

もう一つ、問題解決の方法がないわけではない。

ファルコンヘビーによるスターリンクの打ち上げだ。

これには、大型のフェアリングの開発という隘路がある。

そして、一度に打ち上げられる機数も、400機のスターシップほど多くはない(たぶん、100機程度)。

さらに、ファルコンヘビーを高頻度で打ち上げられるかどうかという問題もある。

センターコア再使用の実績がないことも気になる。

問題の解決手法として、選択肢に入るかどうかだな。

浮沈子的には、無理筋だと見ている。

本命はスターシップだが、開発が間に合わなければスターリンクは破綻だ(ずーっとベータテストのまんま?)。

タイトロープを渡り続けるS社だが、使い捨てのスターシップ貨物版は、それ程無理なく実現できるかもしれない(スーパーヘビーは再使用)。

ただし、それでも5年くらいは掛かるだろうから、配置には間に合わないことになる。

ファルコン9を使って配置する方法を追求するしかないというのが、現実的な解決方法だな。

年間48回の打ち上げというのは、単なる目標ではなく、達成することが必須のノルマなのだ。

やれやれ・・・。

ほぼ、毎週の打ち上げになるわけで、射場の整備の方が追い付かないという話にもつながる。

ロケットだけではなく、打ち上げ場所が足りないわけで、フロリダかどこかで新たな射場を確保する必要が出てくるかもしれない。

可能性が高いのはテキサスだが、こっちはスターシップの開発で手いっぱいだからな。

カリフォルニアでは、極軌道の打ち上げしかできないし。

それも、フロリダに持ってきて上げる方向のようだし。

フロリダで、どこかの射場を借りて整備する方が簡単かもしれない。

あと2つくらいは必要だろう。

ぼちぼちと、そういう話が出てくるかもしれない。

いっそのこと、ULAを買収するというのはどうか。

そうすれば、ファルコン9用の発射塔を作るだけで済むしな。

年間10回も上げない会社に、2つも射場を占有させておくのはもったいない。

(ケープカナベラルとメリット島の打ち上げサイトのリスト:ケープカナベラル空軍基地:アクティブサイト)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Cape_Canaveral_and_Merritt_Island_launch_sites#Active_sites

「地点:状態:用途:
・スペースランチコンプレックス37B:アクティブ(ユナイテッドローンチアライアンスが使用):デルタIVヘビー
・スペースローンチコンプレックス41:アクティブ(ユナイテッドローンチアライアンスが使用):アトラスV」

まあ、他に空いてるところはいくらでもありそうだし、買収費用より、そっちに新しい射場を作った方が安上がりだろうからな。

特に、37Bは、地上施設のトラブルに泣いてるしな(いつまでも上がらないNROL-44は、どーなった?)。

黙っていても、ケネディ宇宙センターのSLS用の39Bが空くのは時間の問題だ(いずれ、有人版スターシップが出来れば用済みになるしな)。

それでも、15年くらいは飛ばすだろうから、間に合わないということになる。

イーロンマスク繋がりで言えば、中国でテスラ車を作ろうとしているくらいだからな。

(テスラ中国生産、政府が期待する「ナマズ効果」)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64462340R01C20A0FFE000/

「中国政府がイーロン・マスク氏率いるテスラに工場新設を許可した」

「中国国内資本との合弁ではなく単独で進出したため、技術を共有したり管理したりする義務を負わない。」

ファルコン9を中国で生産し、先日長征5号が上がった海南島(文昌衛星発射センター)から打ち上げても不思議ではない(ありえねー・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

100回目の打ち上げの次は200回目だが、それはもう2年後の話だ。

生き馬の目を抜く宇宙開発に、禁じ手はない(たぶん)。

現に、ロシアのエンジン付けたアトラスVで、米国の国家偵察局のスパイ衛星が上がってるわけだしな。

そのうち、毎週ファルコン9が上がるようになる(つーか、今月からずーっと続くかも)。

それでも足りなければ、ソユーズでもアトラスでも借りて上げればいいだけの話だ(そうなのかあ?)。

一時的には、そういう選択肢だってある。

新たな射場を整備して、1段目を増産し、ノルマをこなすのが王道だろうけどな・・・。