無症候性キャリアからの感染が重要という示唆2020年11月28日 07:44

無症候性キャリアからの感染が重要という示唆


(PCR検査より、早くて大規模な「迅速検査」で、新型コロナ感染拡大を終息させることができる)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/11/post-95076.php

「無症状病原体保持者を含めた大規模な迅速検査により、新型コロナウイルスの感染拡大を数週間以内に終息に向かわせることができる」

本当なら大変結構な話だが、記事を読むと実現可能性は高くなさそうだ。

「ある都市の人口の4%がすでに感染している場合、人口の75%を対象に、3日ごとに迅速検査を実施」

そんなこと、出来るわけないじゃないの・・・。

「こうした大規模で迅速な検査により経済全体を封鎖するのではなく、より的を絞った措置が行えることを意味する。」

強制力を伴うロックダウンをした方が効果があることは明白だ(実際に行ったしな)。

記事を書いている方は、経済優先の観点から書いているようだ。

こういった話は、いくらでもあるだろう。

浮沈子の主張するように、PCR検査を全国民に朝昼晩の3回行えば、あっという間に新型コロナは解決する。

それよりも、人間の移動を制限し、経済をぶっ壊わす方が簡単にできるからそうしているだけだ。

迅速検査(たぶんLAMP法)の方が、PCR法よりほんの少しやりやすいというだけの話で、研究者が想定している規模で行うことは現実には不可能だろう。

(LAMP法)
https://ja.wikipedia.org/wiki/LAMP%E6%B3%95

「PCR法と比較して、1本鎖から2本鎖への変性反応が必要なく、60〜65℃の定温で反応が進行するという特徴があり、サーマルサイクラーのような機器を必要としない。また、増幅速度が速く、特異性も高い(標的以外のものが増えにくい)ことから、反応液の白濁を見るだけでテンプレート(標的)が増えたかどうかを確認できる。」

そもそも、840万人の都市を封鎖して、外部との接触を絶たなければ数理モデルは成立しないからな。

ありえねー・・・。

この仮定が成立するのは、全人類に対して同じことをするか、せめて国境を完全に封鎖して、一国の中で行う場合だけの話だ。

が、まあ、そういう観点で、大規模な検査を行って感染拡大を抑止しようという方向性があることは分かった。

米国の場合、ちっと違った観点も必要だがな。

そもそも、症状もないのに検査なんて受けないしな。

陽性反応が出たって、自己隔離なんかしないし。

「新型コロナウイルスへの感染者の約3人に2人は無症状であることから、検査の結果を待っている間にもウイルスを拡散させてしまうためだと考えられる。」

浮沈子が知る限り、無症候性キャリアの割合が最も高い記述だ。

この中には、これから発症する人とか(発症直前の感染力が最も高いと言われる)、発症せずに感染力だけある人とか(一番厄介だな)、発症も感染させることもせずに済む幸せな人もいる。

無症候性キャリアを含む大規模無制限の検査を行って、流行を終息させられるエビデンスはないと言われている。

この研究が、それに当たるのかどうかは知らない。

しかし、感染の速度を抑制して、医療崩壊を避けたり、経済活動との両立を図ることは可能だろう。

「ジョー・バイデン次期米国大統領は、新政権下で新型コロナウイルス対策にあたる専門家チームを立ち上げ、安価な迅速検査の利用推進など、具体的な戦略の策定をすすめている。」

ワクチンが出来て、広く普及して集団免疫の閾値に達するまでは、まだまだ時間がかかるからな。

そもそも、米国ではワクチン接種が十分に行われる保証はない。

(米国立研ファウチ所長、ワクチン接種「7~8割必要」)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66357510Y0A111C2000000

「少数の人間がワクチンを受けるのでは意味がない。どれだけ共同体に行き渡るか、人々がワクチン接種を受容するかがウイルス撲滅につながる」

「7~8割の人が受けなければパンデミック(世界的大流行)はなくならない」

浮沈子は、米国では良くて5割だと見ている。

迅速に開発されたワクチンは、十分な安全性があるかどうかという点が懸念される。

実際は安全かも知れないが、反ワクチン派はそれを喧伝してワクチンを接種しない理由にするだろう。

そうして普及が遅れるている間に、ワクチンの効果が衰えていき、感染のリスクが高まってしまうかもしれない。

感染速度は遅くなるかもしれないから、だらだらとした散発的流行が続くことになる。

明日からは、かつてのマスクなし、手洗いなし(まあ、手は洗った方がいいですが)、3密なしの元の生活に戻るというわけにはいかないだろう。

数年間は、「新しい生活様式」とやらを続けていかなければならない。

気長に付き合うしかないのだ。

ファウチもまた、検査について興味深い発言をしている。

「検査を受ける人は何らかの異変に気づき、確認にくる場合が多い。感染拡大を防ぐには無症状の人間の陽性を見つけることだ。それには在宅で簡単に使える検査キットの開発が大事だ」

長期の対応が続く中、検査や治療法、ワクチンの改良といった対策も必要だ。

世間は、ようやく無症候性キャリアからの感染に目を向け始めた。

もう一つの懸念は、飛沫よりもさらに細かい浮遊粒子であるエアロゾルによる感染だが、それについては機会があればまた書く。

中途半端な社会的距離政策(1mとか2mとか)をいくらやっても感染は無くならない。

マスクと手洗いで、完全に感染が防げるわけでもない。

効果的な感染抑止を行おうとすれば、人の移動を制限し、厳格なロックダウンを徹底するしかない。

確実に効果が期待できるのはそれしかないし、それが長期間出来なければ、感染を受容するしかないのだ。

大規模検査が出来ないこと以上に、長期のロックダウンも出来ない。

短期間のロックダウンで小刻みにブレーキを掛けながら、感染速度をコントロールしつつ、キレと持ちがいいワクチンの開発と普及を待つ。

出来れば、特効薬の開発もしてもらわんとな。

新型コロナ太りで、そっちの方が問題になる前にな・・・。

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