スターシップの爆発の後じゃあ月の砂もジミーな印象は拭えない2020年12月14日 21:36

スターシップの爆発の後じゃあ月の砂もジミーな印象は拭えない
スターシップの爆発の後じゃあ月の砂もジミーな印象は拭えない


(嫦娥5号の軌道・帰還モジュール結合体、月から地球への遷移軌道へ)
http://japanese.cri.cn/20201214/37db2010-6e7e-1689-349d-f83516b351f7.html

「月探査機「嫦娥5号」の軌道・帰還モジュール結合体は13日午前9時51分、月から地球への遷移軌道に入り、正式に地球帰還への旅に出た」

12日に、月周回軌道上で噴射してるから、2回目の軌道変更になる。

遷移軌道という表現が適当かどうかは知らない。

(中国の嫦娥5月探査機が地球への旅を始める
中国は、米国とソビエト連邦に続いて月のサンプルを回収した唯一の国になるでしょう。)
https://gadgets.ndtv.com/science/news/china-moon-probe-chang-e-5-cnsa-lunar-rock-sample-collection-journey-back-earth-2338242

なんか、こっちも副題に無理がある気がするんだがな。

「北京時間の日曜日の早い時間に月面から143マイル(230 km)で点火」

「月から岩や土を運ぶ中国の宇宙船が地球に戻る旅を始めた」

周回軌道から、帰還軌道に遷移したというのが正しんだろう(未確認)。

予定通りなら、16日にも再突入カプセルを切り離して帰還する(1日くらいは遅れるかも)。

帰還機がその後どうなるのかは分からない。

着陸機の続報もない(月の夜に入って凍死か?:<さらに追加>参照)。

分かっているのは、上昇機が切り離された後、制御落下したことだけ。

再突入というビッグイベントが控えていて、T1で予行演習済みとはいえ、関係者の緊張は如何ばかりかと推察する。

まあ、胃に穴が開くくらいは想定の範囲内だろうな。

しかし、スターシップのド派手な爆発を見た後では、1m位のカプセルが再突入に失敗して燃え尽きたとしても、それ程のインパクトはない。

ここまでくれば、後は成功して当然という見方もある。

月の砂って、もう、地球上には何百kgもあるしな。

中国の宇宙開発が、ようやく1970年代になったということかも知れないが、実際には火星にも探査機を飛ばしているし、長征5号という巨大ロケットの開発にも成功している。

再使用可能な有人宇宙船は、ロシアを追い越して開発中だ。

独自の宇宙ステーションを建造し、月面基地を建設し、有人月面着陸を目指している。

そういう流れの中でのサンプルリターンなわけで、月軌道上でのランデブードッキングやサンプルの受け渡し、今回の帰還軌道への遷移は、有人飛行への布石になっているわけだな。

サンプルが入ったコンテナを人間に見立てれば、そのまま有人月飛行が可能だ。

しかし、そのためには、サターンVクラスの巨大ロケットを建造しなければならないし、そうでなければ地球軌道上で複数のユニットを結合してから月に向かうことになる。

まあ、アルテミスみたいに、月軌道上で結合してもいいんですが。

一足飛びに、有人月飛行をやるわけではない。

ステップバイステップで、技術を蓄積しながら確実に実現している。

地味だが、ある意味では脅威だ。

米国はそれを分かっているから、アルテミスを仕込んでいる。

月面開発の盟主は米国だぞと。

NASAは、無関心を装いながら、気になって仕方ないに違いないのだ(そうなのかあ?)。

米国は、少なくとも月面からの無人のサンプルリターンを一度もやってないしな。

彗星のガスとかは、採取したかもしれないし、今回の小惑星からのサンプルリターンのような微小重力天体はあるけどな(まだ、成功するかどうかは未知数だし)。

将来、米中の宇宙開発の協力が、どういう形で行われるかは知らない。

その可能性がないとは言えないし、月の裏側からのデータ転送では、既に協力している。

資源開発、有人探査、深宇宙探査のステージとしての月面及び月周回軌道における新たな協力の形を模索するかもしれないしな(未確認)。

ともあれ、嫦娥5号は地球帰還軌道に乗った。

ド派手な爆発はないが、堅実な技術開発の成果が示される時が近づいている。

翻って、我が国の宇宙開発はどうなるんだろうな。

人工衛星を初めて上げた頃は、同じくらいのレベルだったんだがな。

軍事利用の効果がなければ、技術開発が進展しないというのは情けない気もする。

再突入の際に、スターリンク衛星と干渉したりしないように、しっかり観測しといてもらいたいもんだな・・・。

(「はやぶさ2」再突入カプセル火球撮影にスペースXのスターリンク衛星が映り込み)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20201214-00212517/

「時刻と方角が一致するスターリンク衛星は2020年7月打ち上げのSTARLINK-1692」

まあ、どうでもいいんですが。

写り込むくらいならいいけど、当たっちゃったとかだとまずいしな。

地球低軌道衛星コンステレーションについては、浮沈子的には天体観測より優先すると思っているので、記事の視点には同意できない。

肉眼ではっきり確認できるISSとかは、放置されているしな。

既に対策から外れていて、バイザーサット対応になっているのに、ダークサットに拘っても仕方ない気もする。

もちろん、ワンウェブ(17日に打ち上げ再開予定)だってあるから、反射の状況を観測する意義はあるだろう。

数万どころか、100万単位で展開されるようになるかもしれない地球低軌道衛星コンステレーションは、既に、その是非を問う段階ではない。

中国が懸念するように、宇宙開発自体が、それを前提として行われるようになる。

衛星の間を縫って打ち上げなければ大事故になる。

浮沈子的には、そっちの方が余程気になるしな。

わざとぶつけてくる可能性だってあるかも。

だから言わんこっちゃないとか言いながらな。

中国との協力は、ひょっとすると、そっちの方から始めることになるかも知れないな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(SpaceXは完成したスターシップのプロトタイプをほぼドロップしますが、回収できる可能性があります)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-prototype-sn9-damaged/

なんか、SN9が組み立て棟の中で倒れて損傷したらしい。

ダッサ・・・。

これで、年内の打ち上げは消えたな。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(中国は月のサンプルで月探査機の返還に備える)
https://www.japantimes.co.jp/news/2020/12/16/asia-pacific/china-lunar-samples/

「中国の旗を掲げた着陸船は、アセンダーの発射台として使用された直後に機能を停止しました。アセンダーは、サンプルを転送した後にオービターから排出され、月面に静止しました。」

うーん、全部使い捨てか・・・。

この分だと、再突入カプセルを分離したのち、帰還機も燃え尽きる可能性もあるな(T1の帰還機は、月軌道で運用中)。

「それらは年齢と組成について分析され、おそらく他の国と共有されます。」

ほほう、初耳だな。

予めゴビ砂漠で掬っておいた砂じゃないって自信があるんだろうな(はやぶさ2の黒い砂だって、ウーメラの地面から継ぎ足したかもしれないしな:そんなあ!)。

「嫦娥プローブは、水曜日の終わりか木曜日の初めに、広大な内モンゴル地域のSiziwang地区に着陸する予定です。」

着陸予定地は、北京から西北西に400kmくらいのところだ。

以外に近いな。

もっと内陸の、ゴビ砂漠のど真ん中だと思っていた(モンゴルと接する地域です)。

さて、無事に着陸できたかどうか。

何か分かったらまた書く。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(月のサンプルで地球に戻る中国の宇宙船)
https://spaceflightnow.com/2020/12/15/chinese-spacecraft-heading-back-to-earth-with-lunar-samples/

「嫦娥5号の帰還宇宙船は、金曜日に月の周りの軌道を上げるためにスラスターを発射し、その後、土曜日の午後8時51分(日曜日の0151 GMT)に最終出発操作を実行して地球に向かいました。」

「プローブは月曜日にコース修正燃焼を完了し、火曜日に地球に向かって巡航を続け、水曜日に中国の内モンゴル地域に着陸することを目指しました。」

「パイロットにミッションの回復ゾーンを回避するように指示する公告は、東部標準時の午後12時32分から午後1時7分(グリニッジ標準時1732-1807)まで有効です。」(日本時間で12月18日(木曜日)02:32~03:07)

明日の早朝(つーか、今夜遅く)だな。

「中国の次の月面ミッションである嫦娥6号は、嫦娥5号に似ています。2023年頃に月の南極近くの場所から月の石を回収するサンプルリターンミッションを試みる可能性があります。」

うーん、アルテミスを意識した場所と時期だ。

(アルテミス3)
https://en.wikipedia.org/wiki/Artemis_3

「発売日:2024年10月(予定)」

「ランディングサイト:南極地域」

米国は、中国の残りカス(!)を拾いに行くわけだな(そんなあ!)。

まあいい。

はやぶさ2に続く、今年2度目の、そして最後のサンプルリターンだ。

成功したら、中国じゃあ大騒ぎだろうな・・・。