変異種:南アフリカの変異種がロンドンでも見つかる:N501Y変異は共通2020年12月24日 19:08

変異種:南アフリカの変異種がロンドンでも見つかる:N501Y変異は共通
変異種:南アフリカの変異種がロンドンでも見つかる:N501Y変異は共通


浮沈子が、数日前に変異種に注目したのは、世界の離れた2か所(英国と南アフリカ)で、同時多発的に感染力や毒性(英国のやつは未確認)が従来とは異なる変異が発生したからだ。

新型コロナウイルスは、原因は様々なんだろうが、遺伝子の変異を繰り返している。

頻度としては、2週間とか1か月とかに1回くらい、まあ、そんなもんらしい。

変異によっては、1個ずつアミノ酸が置き換わったりするようだが、概ね害もなければ益もないといわれている。

感染力増強とか、毒性増強とか、人間がビビるような変異は稀だが、起こらないわけではない。

少なくとも、武漢ウイルスからイタリアウイルスには変異している。

欧州第2波は、更に変異を遂げたものによるとも言われている。

英国で見つかった変異種(VUI–202012/01=B.1.1.7)や、南アフリカ共和国で大流行している変異種(501.V2)は、501番目のアミノ酸をコーディングしている遺伝子が変異して、アスパラギン(N)からチロシン(Y)へ変化している点が共通だ(他にもあるかも知れない)。

この変異によって、ウイルスのスパイクタンパクが変化しちまって、ヒトに感染しやすくなるという有難くない特性を得たようだ。

この変異のヤバさは、登場する前から指摘されていて、「ホントに変異したらヤバいよね」とか囁かれていたようだ(未確認)。

同時多発的に、感染力が強い変異が起こっただけではなく、まあ、人間の移動で感染を広げるウイルスらしく、南アから英国へと長い旅をしたようだな。

(変異したウイルス感染拡大の英 別の変異ウイルスも検出と発表)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201224/k10012781191000.html

「変異した新型コロナウイルスの感染が拡大しているイギリスで、政府は別の変異したウイルスを、南アフリカからの渡航者と接触した2人から検出したと発表」

泣きっ面にハチ、弱り目に祟り目、毒食わば皿(ちょっと違うかあ?)。

BBCによれば、1人はロンドンだそうだ。

(イギリス、南アで見つかった変異種の感染者2人を確認)
https://www.bbc.com/japanese/55433557

「ロンドンとイングランド北西部出身の感染者は共に、南アフリカに渡航した人々と接触していた。」

詳細は不明だが、イングランド北西部はともかく、ロンドンでの感染者確認はヤバイ。

1人出たということは、既に100人いるということになる(そうなのかあ?)。

しかも、相手(501.V2)は英国で流行しているヤツ(VUI–202012/01=B.1.1.7)より、感染力が高いって言うじゃないの・・・。

「イギリスで見つかっているものよりもさらに感染しやすい」(NHKの記事)

それだけではない。

「若く、健康だった人々が重症に陥っている」(BBCの記事)

浮沈子的関心は、やはりワクチンの効きだろうな。

トジナメラン(ファイザー/ビオンテックのワクチンの一般名)が、N501Y変異に対応していなければ、こっちにも当然効かないということになりかねない。

南アはJ&Jからワクチンを調達する予定だというが、そっちが対応しているかどうかは知らない。

モデルナのワクチンについても未調査だ。

ワクチンが効かなかったり、たとえ効いたとしても効果が十分でなかったりした場合、選択圧というのが掛かって、現在のイタリア由来の変異種がワクチンによって駆逐され、代わってN501Y変異を遂げた毒性が高い南ア由来の変異種が大流行することになりかねないのだ。

黙っていても、そうなる可能性は高いが、始まったばかりのワクチン接種が、それを加速することになる(未確認)。

ヤバいな。

ヤバ過ぎ・・・。

人類は、何をやっているのか。

もちろん、ワクチンが変異種にも同様若しくは現在の流行種よりも強力に変異種に効いて、何の問題もなく、普及に従って流行が抑制されていくというあらまほしきシナリオになる可能性もある。

世の中が、浮沈子の妄想の通りになるとは限らない(そんなことばっかなら、人類はとっくの昔に絶滅しているに違いない)。

年明けには、ワクチンの効果が確認され、欧州の物流も改善され、何事もなかったかのように、ワクチン接種を促すキャンペーンが続くのかも知れない。

そして、数年後には、人々は新型コロナの時代を懐かしげに語るようになるのだ・・・。

あの頃は、みんながマスクして歩いてたんだよって。

そんな日が、一日も早く訪れることを願いつつ、今夜もワクチン接種が裏目に出て、毒性が高い変異種が跳梁跋扈する悪夢にうなされるんだろうな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーーー

芋蔓式に辿ったリンクを載せておく。

(「妊娠中や授乳中でも新型コロナワクチンの接種を受けていいの?」など3つの質問に医学部教授が回答)
https://gigazine.net/news/20201224-covid-19-vaccine-pregnant-variant-asymptomatic/

「イギリスで流行し始めている変異種にはスパイクタンパク質の変異が認められますが、ペトリ氏は「イギリスの変異種がワクチンの効果から逃れる可能性は低い」と考えています。なぜなら、スパイクタンパク質には抗体の標的となる部位が複数存在するからです。」

N501Y変異が、これをすり抜けられるかどうかは未確認だ。

(妊娠中の女性はCOVID-19ワクチンを接種する必要がありますか?無症候性の感染や変異ウイルスから保護しますか?免疫学者は3つの質問に答えます:元記事)
https://theconversation.com/should-pregnant-women-get-the-covid-19-vaccine-will-it-protect-against-asymptomatic-infections-and-mutated-viruses-an-immunologist-answers-3-questions-152443

「幸いなことに、これまでに特定されたSARS-CoV-2ウイルスのすべてのバージョンは、COVID-19ワクチンによって中和されています。」

「これまでにテストされたウイルスの17のバージョンはすべて、米国で最も一般的な亜種を含め、中和されています。」

17だったっけえ?。

(公開: 2020年9月30日
COVID-19ワクチンBNT162b1は、ヒト抗体とT H 1T細胞応答を誘発します:ビオンテックの以前の論文)
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2814-7

「図2のキャプション:
・・・
c、16個のRBD変異体および主要なスパイクタンパク質変異体D614Gを含む17個のSARS-CoV-2スパイクタンパク質変異体を含む疑似ウイルスパネル全体の疑似ウイルス50%中和力価(pVNT 50)(用量レベル10μg、n = 1;用量レベル30および50μg、n = 2代表日29日血清)。各血清を2回ずつテストし、GMTをプロットしました。LLOQ = 40。データは、95%CIのグループGMTとして表示されます。」

12月11日投稿の論文と比べてみると、N439KとS477Nが新たに追加されたことが分かる。

2つの変異に関する論文を検索してみると、いずれもACE2(細胞側の受容体)への結合を増加させることが懸念されている。

(SARS-CoV-2のN439K変異は、武漢株よりも感染性が高く、抗体耐性がある可能性があります:2020年11月27日)
https://www.news-medical.net/news/20201127/N439K-mutation-of-SARS-CoV-2-may-be-more-infectious-and-antibody-resistant-than-Wuhan-strain.aspx

「N439K複合体の結合エネルギーも野生型複合体の結合エネルギーよりも高かった。」

(SARS-CoV-2全ゲノム配列の大規模な集団分析により、死亡率の上昇に関連するウイルススパイクタンパク質の変異の出現を伴う宿主媒介ウイルス進化が明らかになりました:2020年10月27日に投稿)
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.10.23.20218511v1.full

「S477Nバリアントはオーストラリアで急速に発生し、実験データは、このバリアントがスパイクタンパク質の適合性とACE2への結合を増加させることを裏付けています。」

ドジナメランは、後の検証(12月11日投稿の論文)で、いずれの変異にも効果があることが示されている(当事者によってだけどね)。

以上は、どちらかといえば楽観的な気分にさせてくれる記事だが、ちょっと心配な話もある。

今回、問題になっているN501Y変異が発見されたのは、今年の4月だという。

(「新型コロナウイルスの変異種」がイギリスで流行の兆し、新たな変異種について専門家が解説)
https://gigazine.net/news/20201221-coronavirus-new-variant/

「イギリスで規制強化を引き起こした新型コロナウイルスの変異種について、病原体の進化に詳しいユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのLucy van Dorp博士が解説しています。」

(コロナウイルスの新しい亜種–ゲノミクス研究者が重要な質問に答えます)
https://theconversation.com/coronavirus-new-variant-genomics-researcher-answers-key-questions-152381

「N501Yは、2020年4月にブラジルで最初にウイルスの配列が決定」

なんと・・・。

そんなに前だったのかあ。

リンクされている論文では、同じ様にACE2への結合を増大させる懸念が示されている(マウスの実験系だけどね)。

(ワクチンの有効性をテストするためのBALB / cマウスにおけるSARS-CoV-2の適応:2020年9月25日)
https://science.sciencemag.org/content/369/6511/1603

「マウスにおけるSARS-CoV-2 MASCp6の毒性の増加は、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDにおけるN501Y置換の急速な出現に起因する可能性があります。」

「N501Y変異は、ドッキングと侵入のためにマウスACE2とのより好ましい相互作用を提供するようであり・・・」

日付が、9月であることに注目だな。

つーことは、他の2つの変異(N439KとS477N)より前には、懸念が示されていたことになる(少なくともUCLのルーシー・ヴァン・ドルプは、そう認識していた)。

先日、浮沈子の妄想を刺激してくれた東海大学総合医学研究所の中川草氏のいう「もともと『N501Y』と呼ばれるスパイクタンパク質が変異すると、感染力が増し、危ないと予想されていた。」という話が繋がるかどうかは知らない。

つまり、ビオンテックは、自社の最新の論文の公表以前(同定は4月、感染力増強の懸念は9月)に明らかになっていたN501Y変異について、検証する時間は十分あったということになる(2週間だそうです)。

事実、9月の論文から12月の論文までの間に2つの変異についてワクチンの有効性を確認して追加しているわけだからな。

つーことは、やっぱ、効果がないか、限定的ということかも知れないなあ・・・。

結合タンパクの変異とACE2の結合についての資料もリンクされていた。

(SARS-CoV-2 RBD DMS)
https://jbloomlab.github.io/SARS-CoV-2-RBD_DMS/

N501YのACE2バインディングの値は0.24とあるが、それより大きい値を示す変異はいくつもある。

ヤバいな。

ヤバ過ぎ・・・。

結局、今夜も眠れない夜を過ごすことになりそうだな・・・。