スーパーヘビーには脚がない:グリッドフィンを空中でキャッチするギミック:機体側の重量と複雑さを減らす正しいアプローチだがスターシップのネコ着地より困難か2020年12月31日 21:38

スーパーヘビーには脚がない:グリッドフィンを空中でキャッチするギミック:機体側の重量と複雑さを減らす正しいアプローチだがスターシップのネコ着地より困難か


2段目を軌道速度から空気抵抗を使って減速させ、最後はクルッと回って猫のようにソフトランディングさせるというだけでも十分アグレッシブだが、コンサバと思われていた1段目の構造にメスが入った様だ。

(イーロン・マスク氏「SpaceXは発射台のアームでSuper Heavyブースターを回収する」)
https://jp.techcrunch.com/2020/12/31/2020-12-30-elon-musk-says-spacex-will-attempt-to-recover-super-heavy-rocket-by-catching-it-with-launch-tower/

「つまりブースターが着陸する寸前に発射台のアームをグリッドフィンに引っかけるわけだ。」

「Super Heavyから着陸脚を完全に省くことができればコストと重量の両方を大幅に節約できる。」

「マスク氏が指摘したもう1つの利点は、Super Heavyブースターがそのまま元の発射台に定置されることだ。ブースターの上段に新しいペイロードを搭載したStarship宇宙船をセットすれば「1時間以内(Twitter投稿)」に再飛行が可能になる」

(SpaceXスターシップブースターは着陸を完全に放棄する可能性がある、とイーロンマスクは言います)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-super-heavy-booster-recovery/

「SpaceXとCEOのElon Muskは、大幅な改良を加えた後、スーパーヘビーブースターを発射台の上に直接着陸させたいという一貫した願望を維持してきました。」

「それが地面に触れることができる前に、その鋼鉄グリッドフィンの下に精巧な「発射塔アーム」を何とかスロットすることによってブースターをつかみます。このようなソリューションは、複雑でリスクが高いように聞こえますが、スーパーヘビーが必要とするレッグを含め、すべてのブースターリカバリインフラストラクチャの必要性を技術的に排除します。」

「確かに、グリッドフィンでスーパーヘビーを捕まえるには、操縦翼面とそれらが取り付ける構造を大幅にオーバービルドする必要があります。」

エリックラルフはぐちゃぐちゃ言ってるけど、強度試験が必要ならやってみればすぐに分かる。

壊してみなけりゃ、分からんだろう?。

発射塔アームやグリッドフィン(チタンじゃなくて鋼鉄製みたいですが)なんて、ロケットに比べれば安いもんだ(未確認)。

100本くらいぶっ壊せば、何とかなるだろう(そうなのかあ?)。

S社の発想は健全だな。

何千回、何万回もの離発着を想定して、最も合理的な形態を追求する。

そのためには、初期の数百回の失敗など目じゃないわけだ。

まあ、脚がないから幽霊みたいなもんで、いつになったら成功するかは分からない。

脚がないけど悪しからず・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

巨大ロケットブースターを、発射施設に直接降ろし、燃料補給だけで直ちに離陸させることができれば、1時間間隔での運用も可能かもしれない。

つーか、そうしなければ大陸間弾道旅客機は成立しないからな。

パワードランディングによる精密着陸に自信を着けてきたS社ならではの発想だな。

浮沈子的には、好ましい感じがしている。

火星移民なんかよりは、余程いい。

「このような複雑で証明されていない回復方法が最初の1回または数回の試行で確実に機能する可能性は非常に低いように思われます。これは、初期のブースターにはまだ何らかの基本的な着陸脚が必要であることを意味します。」

まあ、スターシップのプロトタイプで使ってる程度のシンプルな仕掛けくらいは備えるかもしれない(ホップ飛行用か)。

しかし、基本的にはぶっつけ本番でいきなり試すだろう。

フェアリングの空中キャッチよりは実現可能性が高そうだしな。

実用一点張りのつまらんブースターと思ってたが、スーパーヘビーもキワモノ的になってきたな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

元々は、4本の着陸脚を装備するはずだったようだな。

(スーパーヘビー(1度))
https://www.elonx.cz/vse-o-super-heavy-starship/#superheavy

「真空中のエンジン排気との接触を防ぐために、4つの着陸脚とより広い間隔があります。脚はしっかりしていて、傾いていません。」

今回の発表は、その変更ということになる。

スターシップには、緊急脱出システムがない。

それを装備するなら、全体の安全性を高めた方が得策という判断なわけだ。

旅客機にパラシュートが装備されていないようなもんだな(そうなのかあ?)。

着陸脚と、乗客の安全装備では趣が異なることは確かだ。

しかしながら、不要なものはない方がいいという発想は健全だ。

まあ、緊急脱出システムは、浮沈子的にはあった方がいいような気がするんだがな。

いずれにしても、2030年代の話だしな(たぶん)。

時間はたっぷりある。

スーパーヘビーの着陸脚は、喫緊の課題だ。

巨大な重量を支える脚は、ファルコン9のように後付けでは済まないだろう。

モノコック構造で船体を支える仕組みの中で、グリッドフィン周りの強度確保も、当初設計から組み込まなければならないだろう。

飛び道具の場合、強度と重量はトレードオフの関係になる。

キャッチに失敗して、着陸即大爆発とか拝めそうだからな(期待大です・・・)。

大いに開発してもらいたいな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(エロンムスクのクレイジーな計画:巨大なスーパーヘビーロケットは地面に着陸せず、機械式アームによって捕らえられます)
https://www.elonx.cz/sileny-plan-elona-muska-obri-raketa-super-heavy-nebude-pristavat-na-zemi-zachyti-ji-mechanicke-rameno/

「着陸前にランプでメカニズムを直接キャッチするため、スーパーヘビーは最終的に脚なしで行う」

「クレイジーなアイデアや冗談のようです」

「ファルコンミサイルによる減速入力点火を実行せずに、キャリアが大気への復帰に耐えるのに十分な強度を持つことを望んでいます。」

ほほう、エントリーバーンなしか。

「少し前に、スーパーヘビーは最初のバージョンの開始ランプに直接着陸することはできないと述べました。」

紆余曲折だな。

「このタイプの着陸から逸脱する別の理由として、ムスクは着陸に失敗した場合にランプを破壊するリスクを挙げました。」

プロトタイプ段階では、それを期待しているんだがな・・・。

「そのため、今年の11月の新しい計画では、スーパーヘビーが4本の固定脚で地面に着陸するというものでした。ただし、着陸地点は発射台からわずかな距離にありますが(着陸に失敗した場合の損傷を避けるため)、同じクレーンでロケットを発射台に移動するのに十分な距離にあります。」

コロコロと変わるプランだから、また、変更になる可能性もあるってことか。

浮沈子は、別の観点から着陸脚の有無を見ている。

軌道給油との関連だな。

軌道給油が実現した場合、ある意味、打ち上げ場所はどうでもよくなる。

大陸間弾道旅客機は別として、打ち上げ場所の制約なく、どんな軌道にでも放り込むことができるだろう。

つーことは、打ち上げ施設(=着陸施設)に対する投資は、十分に行うことが可能だ。

もちろん、大陸間弾道旅客機の場合は、地上施設への投資が少ない方が有利だが、それはロケットの性能という絶対的な性能とのトレードオフだからな。

どちらが優先するかは明らかだ。

着陸技術を磨き、革新的運用を目指すのは正しい(実現可能性は別です)。

「キャプチャアームが不正確さに対してある程度の許容範囲を提供するため、最終操作の精度要件がわずかに低くなるという違いがあります。」

「この着陸の概念が、障害が発生した場合にランプへの損傷をどのように防ぐかについては述べていません。」

んなもん、地上施設は消耗品だ(そんなあ!)。

経済合理性最優先の発想でなければ有り得ない(そうでなくても、ありえねー・・・)。

「彼のモットーは「最良の部分は部分ではない」です。」(best part is no part, best step is no step:それがなければ、故障することも、失敗することもないしな)

「同時に、ムスクは、脚なしで着陸するという概説された概念が非常に野心的であることを認識しているので、この方法の成功への道は厄介かもしれないと彼は考えています。」

コメント欄には、ULAのヘリコプターキャッチ(エンジンユニットだけですが)との類似性の指摘があった。

鋭いな・・・。

発想としては、着陸時の衝撃緩和や重量の支持、着陸精度の管理などを、機体側、地上側双方で調整していく必要がある。

その極端な形態が、ヘリコプターキャッチ(機体側要件が少ない)であり、着陸脚装備での平坦地への着陸だ(地上側要件が少ない)。

月面着陸では、機体側要件がより厳しくなるということもある(スターシップの月面バージョンなど)。

着陸脚問題は、パワードランディングの進化として、トータルで考えていかなければならない話だ。

重量にしたって、グリッドフィン周りの構造強化とのトレードオフの関係も出てくるしな(ロケット下部は、エンジンの推力伝達などのために、もともと構造強度が高い)。

さまざまな要件を考慮して、今回は着陸脚を持たないバージョンを指向するということだろう。

検討の進展によっては、2021年中に、また、着陸脚をロケット側に戻すこともあり得るというわけだ(そうなのかあ?)。

グリッドフィンも、また、チタン製になるかもな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(SpaceXは発射台で落下するロケットを捕まえようとするかもしれません
一見、これは非常識に聞こえます。)
https://arstechnica.com/science/2021/01/spacex-may-try-to-catch-a-falling-rocket-with-a-launch-tower/

「スーパーヘビーブースターは28個のエンジンのサブセットのパワーで降下」

使うのはジンバルが付いている中央の8基(実際にはそのうちの数基)だけだろう。

着陸脚を廃するというのは、機体重量を軽減するための究極の選択だ(グリッドフィン周りは重くなりますが)。

思い出したのは、サンダーバードの1号とか3号の帰還だな。

発射シークエンスは毎回放映されていて(特に1号は皆勤賞ものだしな)見飽きているんだが、どうやって元の発射台に据え付けるのかは覚えていない・・・。

(昔懐かし「サンダーバード」を見たが、1号~3号はどうやって帰還してるの?)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1169388756

ベストアンサーのリンク動画を見ることができたので確認すると、1号も3号も、見事にピンポイントでパワードランディングしている。

SFの世界では、半世紀以上も前から当たり前になっているわけだ。

何を今さら。

「このアイデアは、うまくいくのに十分クレイジーかもしれないように思えます。」(This idea sounds like it just might be crazy enough to work.)

けだし名言だな・・・。