SLSホットファイアー失敗:8分の予定が1分でも失敗と認めない長官を任命したのは誰?2021年01月18日 09:56

SLSホットファイアー失敗:8分の予定が1分でも失敗と認めない長官を任命したのは誰?


(NASAがNASAの月ロケットの試射の早期終了の原因を調査)
https://spaceflightnow.com/2021/01/17/nasa-studying-cause-of-early-end-to-nasa-moon-rocket-test-firing/

「始まってからわずか67秒で終了」

「8分間の燃焼をはるかに下回りました。」

まあ、想定の範囲内ではある(爆発して吹っ飛ばなかっただけマシか?)。

「これは失敗ではありません」

「これはテストです…私たちは調整を行い、月に飛ぶつもりです。」

そんなことはない。

明らかな失敗だし、スケジュールに与える影響も甚大だ。

スターライナー(OFTー1)の時も、有人だったらうまくいったかもという話があった。

冗談じゃない。

再突入の際に、サービスモジュールがクルーモジュールに追突しそうになっていたことが分かって以来、その話は出なくなったけどな(本番の最中に軌道上で急遽、修正)。

(10年後、NASAの大きなロケットは最初の実際のテストに失敗しました)
https://arstechnica.com/science/2021/01/nasas-space-launch-system-rocket-shuts-down-after-just-67-seconds/

「飛行管制センターは、8分間のテスト発射の約50秒後に、「エンジン4でMCFを取得しました」と呼びかけました。これは、車両の4番目のエンジンで「主要なコンポーネントの障害」が発生したことを意味します。合計約67秒後、高温火災試験は終了しました。」

「NASAがこのテストからの十分なデータを持っており、セットアップに数週間から数か月かかる可能性のある別の高温火災テストの実施を回避できる可能性は低いようです。」

このロケットは、本当に飛ぶのか。

米国のロケット技術は、1970年代から進歩してないんじゃないか。

既に開発済みのエンジン、同じ胴周りの燃料タンクを使っただけの、しかも使い捨てにして各種の耐久性には余裕ができたはずなのに、11年経っても1mmも飛ばない。

もっとも、SLSはロケットというより公共事業(=政府が民間にお金を流す仕組み?)の側面が強いから、飛ぶかどうかは二の次かも知れないけどな(そんなあ!)。

飛べない亀か・・・。

(スチュワーデス物語)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%B9%E7%89%A9%E8%AA%9E

「生真面目で心優しいが、「ドジでノロマな亀」と自称するほど失敗を重ねる落ちこぼれ。」

まあ、どうでもいいんですが。

なんか、こう、哀惜の念が湧いてくるほどの無様な感じ・・・。

浮沈子は、米国の意地をかけても成功しなければならないSLSの打ち上げがキャンセルされることはないと思っている(公共事業だし?)。

それでも、アルテミスがスケジュール通り行われる可能性は、このホットファイアの失敗で確定的に消えた。

2020年代に有人月面着陸を行えるかも怪しい。

無人テスト飛行であるアルテミス1は、早くて2022年(来年)。

それがスターライナーみたいに、目も当てられないような無様な失敗に終わるようなことがあれば、数年単位での延期になることは間違いない。

しかもだ、アルスの記事によれば、開発が長期化すればするほど、更に遅延する可能性が増えるという。

「NASA​​と請負業者の両方が、最後の主要な宇宙飛行プログラムであるスペースシャトルの開発から50年近くが経過し、多くの経験豊富なエンジニアが退職したり他の業界に異動したりして、新しい開発の学習曲線が急になっていると説明しました。」

「そのため、従来のハードウェアを使用してプログラムの強みと見なされていたものが、代わりに責任になりました。」

いやいや、新規開発なんてしてたら、今世紀中にうち上がるかどうかも怪しい。

有人宇宙開発の資源は、ISSで使い果たし、その余剰で開発が続いていたSLSだからな。

議会のオモチャになり、政治の道具になり、決して飛ぶことがない米国宇宙技術の晒し者になり果てたロケットの末路が始まっているのかも知れない。

「これは開発テストキャンペーンではなく、検証テストキャンペーンです。これは完成したフライト記事です。彼らはそれに大きな修正を加えたくありません。これは、失敗するはずの種類のテストではありませんでした。」

コアステージのホットファイアは、納品検査だからな。

NASAは、ボーイングに欠陥品を掴まされたわけだ。

失敗でないわけがない。

が、まあ、納品検査は成功だったわけで、ちゃんと直してテストを受け直すだけの話だ。

数週間かも、数か月かも、数年かも知れない納期の遅れは、痛くもかゆくもない。

有人月着陸で宇宙開発の覇権を争っている国はないからな。

中国やインドが追いかけているといっても、早くて2030年代の話だからな。

やる気が出ないのは仕方ない。

それでも、失敗を失敗と認めない文化が定着すれば、技術的に未成熟なまま運用に供される懸念もある。

有人機だからな。

失敗した時の損失は人命ということになる。

もっとも、緊急脱出ロケットの方は、上手く開発が出来ているようだからな。

尻の下で大爆発が起こったとしても、無事に脱出できるかもしれない。

やれやれ・・・。

(NASAのSLSムーンロケットのテストファイアは時期尚早に終了します)
https://edition.cnn.com/2021/01/16/us/nasa-rocket-moon-shut-down-test-fire-scn-trnd/index.html

「私たちが学んだのは、加圧バルブが適切にモデル化されていなかったということです」

「これは失敗ではありません。これはテストです。今日、私たちは学習する場所で意味のある方法でテストしました...」

「今日は成功した日でした。私たちは望むものすべてを手に入れることができませんでした、そしてはい、私たちは学ぶつもりです、私たちは調整をしなければならないでしょう」

だれがどうみても成功とは程遠いテスト結果でありながら、決して失敗とはみなさず、データが取得できたことを持って「成功」だと強弁する。

どこかで聞いたようなセリフだ。

誰がNASA長官を任命したんだっけ?。

まあいい。

「ある時点で、ブライデンスティンは、SLSの開発を促進するためにグリーンランテストをスキップすることを検討したと報告されています。しかし最近、彼は、ロケットが人間を宇宙に運ぶのに十分安全であることを確認し、軌道打ち上げを試みる前に潜在的な工学的問題を解決するためにテストが不可欠であると主張しました。」

スターライナーOFT-1の時もそうだったが、頓珍漢なことを言っても、少なくとも学習能力はあると思ってたんだがな。

よく言えば、ポジティブな性格なのかもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

今朝の宇宙ネタでは、ラウンチャーワン(発音的にはローンチャーワン?)が成功したと伝えられている。

(ヴァージンの衛星ランチャーが初めて軌道に到達)
https://spaceflightnow.com/2021/01/18/virgins-satellite-launcher-reaches-orbit-on-second-try/

「Virgin Orbitは、ペイロードを軌道に乗せるタスクを達成するために、RocketLabに次ぐ商業用超小型衛星打上げ機の新しい波の2番目です。」

米国では、次々と民間打ち上げサービスが育っている。

それらを支える人材と、資本、旺盛な衛星需要があるからだろう。

新型コロナの蔓延にもかかわらず、その勢いは衰えるところを知らない。

火星の上では、穴掘りインサイトがついに引導を渡されたようだ。

(火星地下への穴掘りを断念。探査機インサイトがミッションの一部を終える)
https://sorae.info/space/20210116-insight.html

「観測装置のひとつである地中熱流量計測装置「HP3(Heat Flow and Physical Properties Package)」について、運用を終える」

とうとう穴を掘ることなく、地下の熱流量測定は宿題になった。

「インサイトのミッション自体は2022年12月まで延長されており、より長い期間に渡る高品質な火震(火星の地震)のデータセット作成が予定」

この地震計にしたって、過去の探査ではランダーの「上」に搭載されていたため、火星の風で揺れ動き、「地震計」ではなく「風速計」と揶揄される始末だったことを考えれば、今回の地下熱流量観測の失敗は成功のためのテストと位置付けるべきだろう。

そう、その意味では、成功と呼んでもいいかもしれない。

無人探査には大甘の浮沈子だからな・・・。

宇宙開発は失敗の歴史だ。

それを恥じることはない。

成功であれ、失敗であれ、それは単なる結果に過ぎない。

何事かを成し遂げようと取り組まない限り、永遠に何事も成し得ない。

必要なのはスペースXの爪の垢(ちっとで十分です!)と、少しばかりの運だけだろう・・・。

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