スターシップの着陸は3度目(SN10)も失敗すると予想する根拠:確率の問題だけではないマーフィの法則 ― 2021年02月07日 15:11
スターシップの着陸は3度目(SN10)も失敗すると予想する根拠:確率の問題だけではないマーフィの法則
惨敗に終わったSN9の悲惨な着陸から1週間近く経った。
この間、ラプターエンジンの不良なのか、相変わらず燃料系がダメなのかの原因追求が続いているものと思われる(未確認)。
ネットには、着陸の際に2基のエンジンで向きを変えて減速し、そのうちの1基が機能しなかったことから、いっそのこと、3基まとめて点火して、3基点火しちゃったら1基消して、1基点火せずに2基が正常なら、そのまま2基で減速するという話が飛び交っている(着陸の最終段階では1基になるようですが)。
おそらく、ラプターのスロットル調整の範囲とか、燃料の節約とかが絡んでいるんだろう。
上昇中も、速度や高度の調整を行うために、点火しているエンジンを1基ずつ間引きしてからベリーフロップに転じているからな。
2度の降下に於いて、怪しげな動翼をひらひらさせたり、コールドガス(たぶん窒素?)でズルしながら制御して、曲がりなりにも方向転換と部分的再着火まで持ってきたことは大したものだ。
素直に評価していい。
空中での大爆発や、着陸地点を大きく逸れての墜落はしていない(だからといって、成功とは言わせないけどな:さすがに、SN9を大成功と書いている記事にはお目にかかっていない:成功と書いている記事は見つけた:<さらにさらに追加>参照)。
燃料系統に問題を残している場合は、着陸の際の点火を3基にしようが100基(そんなにエンジン積んでないですが)にしようが結果は同じだ。
ラプター側固有の着火・燃焼継続の問題だった場合、確率的な議論としては、着火エンジンを増やすことには意味がある。
まあ、3基のうちから2基を選択して、3つとも点いちまったエンジンの一つを上手いことオフに出来るかとか、その際に発生するトルクの変化を短時間で制御しきれるかとか、その他ありとあらゆる新たな問題を抱えることになるけどな。
浮沈子は、当面スターシップは使い捨てでも構わないと思っているから、さっさとスーパーヘビーを開発して、真空用エンジンも積み込んで、スターリンクを400機積み込んで打ち上げる方を優先すべきだと思うけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
(スターシップSN9の着陸失敗に関するイーロン・マスク:「私たちはあまりにも愚かだった」)
https://www.elonx.cz/elon-musk-o-nezdarenem-pristani-starship-sn9-byli-jsme-prilis-hloupi/
「スターシップは、2つのラプターに点火し、垂直位置に向きを変え、1つのエンジンをオフにしてから、コンクリートのプラットフォームにそっと着陸することでした。SN8の場合、この操作はメタン着陸タンク内の低圧によって妨げられましたが、この問題は、SN9では適切に機能するヘリウム圧力システムによって解決されました。」
「しかし今回は、点火中にエンジンの1つが故障しました。結局、着陸するには不十分なラプターが1機だけ発火したため、SN9の飛行は、傾斜した船の地面への衝撃と爆発で終了しました。。しかし、船は少なくとも着陸台に衝突しました。」
「彼はついにスターシップSN10が変更され、着陸前に3つのエンジンすべてが始動することを確認しました。これにより、少なくとも2つが正常に起動する可能性が高くなり、着陸には十分です。3つのラプターズすべてが適切に点火されると、レバーが最も小さいラプターズがすぐにオフになります。」
まあ、やってみなければ分からない。
記事のコメントには、3基に増やした時の確率が信頼性によってどう変わるかをわかりやすく掲載した話も寄せられている。
「6. 2. 2021 11:40
1つのエンジンの信頼性(S1)
2つのエンジンで試行した場合の障害の確率(PS2)
3つのエンジンで試行した場合の障害の確率(PS3)
S1 = 1 / 2-> PS2 = 75%| PS3 = 50%
S1 = 2 / 3-> PS2 = 56%| PS3 = 26%
S1 = 3 / 4-> PS2 = 44%| PS3 = 16%
S1 = 4 / 5-> PS2 = 36%| PS3 = 10%
S1 = 9 / 10-> PS2 = 19%| PS3 = 3%」
S1が4/5までは、表計算ソフトで全てのパターンを並べて検証した(算数苦手なので)。
S1が9/10の時は、さすがに1000通りになるからな。
計算で誤魔化す(!)ことにする。
・エンジンが3基とも点火する場合:
0.9^3
=0.729①
・エンジンが2基だけ点火する場合:
0.1×0.9×0.9×3(ここ、重要です:エンジン3基のうちの2基の組み合わせなので3×2÷(2×1))
=0.243②
1-(①+②)=0.028(≒3パーセント)
現実には、上述したように、3基点火の場合の余分な1基のシャットダウンとトルク制御の問題やら、ランダムに点火した2基のエンジンによる姿勢制御の問題などがあるので、必ずしも計算通りなわけではない。
制御プログラムに余計な手順を噛ませれば、バグを生む確率も高くなるしな。
機械的な話だけでは済まない。
燃料供給にも影響が出るだろう。
単純じゃないのだ。
ちなみに、イーロンXのコメントにある計算上の数字を、参考までに以下に示す。
S1 = 1 / 2-> PS2 = 75%(同じ)| PS3 = 50%(同じ)
S1 = 2 / 3-> PS2 = 55.555…%| PS3 = 25.925…%
S1 = 3 / 4-> PS2 = 43.75%| PS3 = 15.625%
S1 = 4 / 5-> PS2 = 36%(同じ)| PS3 = 10.4%
S1 = 9 / 10-> PS2 = 19%(同じ)| PS3 = 2.8%
エンジン個々の信頼性を上げるよりも、1基増やしてクラスターによる冗長性を高めた方が有利ということか(たぶん、両方必要)。
将来、有人での着陸を考えるなら、浮沈子的にはアクロバティックなパワードランディングに拘らないで、素直にパラシュート積んだ方がいいと思うんだがな(簡便かつ安価だしな:パラシュートって、再使用できるのかな:未確認)。
火星じゃ使えないだろうけどな。
浮沈子的には、それで何ら問題はない。
火星に行かなきゃ、スターシップの着陸は成功間違いなしだ。
2基から3基にする話じゃない。
3基にした途端に、別のトラブル(懸案事項の、エンジンルーム内の炎とか)で空中爆発するかもしれないしな(そんなあ!)。
SN10が、3たび墜落炎上爆発木っ端みじんになる方に1票だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
ちなみに、4基にしてコメントと同じように単体での信頼性を変化させるとこうなる。
エンジン1基の信頼性(S1):クラスターで2基以上が点火する信頼性(S4):障害の確率(PS4):
1/2:68.75%:31.25%
2/3:88.89%:11.11%
3/4:94.92%:5.08%
4/5:97.28%:2.72%
9/10:99.63%:0.37%
5基ではどうか(いみねー・・・)。
エンジン1基の信頼性(S1):クラスターで2基以上が点火する信頼性(S5):障害の確率(PS5):
1/2:81.25%:18.75%
2/3:95.47%:4.53%
3/4:98.44%:1.56%
4/5:99.33%:0.67%
9/10:99.95%:0.05%
エンジン単体の信頼性がある程度上がると、基数を増やしても2基以上点火する信頼性はさほど変わらない。
プロトタイプではなく、運用上のスターシップには、真空用バキュームラプターエンジンも3基搭載されるという。
この際だから、6基全部に点火してみてはどうか(ますますいみねー・・・)。
エンジン1基の信頼性(S1):クラスターで2基以上が点火する信頼性(S6):障害の確率(PS6):
1/2:89.06%:10.94%
2/3:98.22%:1.78%
3/4:99.54%:0.46%
4/5:99.84%:0.16%
9/10:99.99%:0.01%
決まりだな。
下手の鉄砲も数撃ちゃ当たる。
使えるものは全て使って、高信頼性の着陸を実現してもらいたいな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
単体の信頼性向上か、クラスターの数を増やしてバックアップを拡充するか。
究極の選択(?)について考えさせられる記事が上がっている。
(SpaceXのCEO、イーロン・マスクがスターシップの爆発について語る:「私たちはあまりにも馬鹿だった」)
https://www.teslarati.com/spacex-elon-musk-talks-starship-sn9-explosion/
「クラスターに3番目のエンジンを追加すると、1つのエンジンが故障した場合に、着陸が成功する(または少なくとも存続できる)可能性が論理的に高まります。」
記事を読むと、もともと3基を点火して着陸する構想だったわけだ。
なーんだ・・・。
「3つの着陸クラスのエンジンが設計に含まれている場合、3つのエンジンの着陸燃焼がおそらく最も論理的なオプション」
じゃあなぜ2基でテストしていたのか?。
「高性能ロケットエンジンのスロットルは非常に難しく、Raptorはまだ完全に成熟したエンジンではありません。」
「SpaceXは、この点でStarshipに対して明らかに非常に保守的であり、利用可能な3つのエンジンのうち2つだけを使用して、ゆっくりとした穏やかな着陸を優先」
「3エンジンの着陸燃焼により、着陸が大幅に遅くなる可能性があるためです。」
エンジンのスロットル調整能力と、着陸時の点火ミスのリスクを天秤にかけて、2基による着陸に賭けたわけだ。
賭けに負けて、結果は惨憺たる大失敗を連続した。
この他にも、着陸時に必要な燃料を節約するという観点もあるに違いない。
2基で降ろせるなら、2基だけ点火すればいい。
それは、完全再使用ロケットの着陸という、失敗の許されないミッションの絶対条件だったのかも知れない。
100パーセントの再点火を保証できなければ、パワードランディング自体が危ういものになる。
事実そうなったしな。
この先、3基目の冗長性を加えようが、バキュームエンジンまで繰り出して6基の究極の冗長性を狙おうが、確実な再点火とスロットル機能による安定した燃焼制御が出来なければ、スターシップは使い捨ての2段目に終わるし、有人飛行に使うこともできない。
TEA-TEBなどの点火剤カセットを使わず、電気火花で点火する信頼性を確立できなければ、火星に行こうが行くまいが、スターシップ構想自体が色褪せてしまう。
逆に言えば、究極の2段目ロケットであり、完全再使用の宇宙往還機として、ここは譲れないところかもしれない。
冗長性は、あくまで保険であり、2基点火でスロットル制御しておろすのが基本だ(まあ、最後は1基にするというのは仕方ないかも)。
ファルコン9がそうであったように、ラプターエンジンの性能が向上して、1基の再点火で降ろせるようになれば、また別の話になる。
1基で降ろせるなら、1基だけ点火すればいい。
事実、ファルコン9の1段目の回収に於いて、ランディングバーンの点火は1基だけだ。
点火剤カセットによる確実な点火が、それを保証している。
それを捨てて、電気火花で着火しようとしているわけで、その技術を確立するというのはSNシリーズのプロトタイプに課せられたミッションなわけだ。
ここは、こだわるべきだろう。
あと100機くらい、プロトタイプが地べたに叩きつけられたとしても、実機ベースでの何万回もの再着火の基盤が確立できるなら、その方がいい。
正念場だな・・・。
というわけで、次回SN10も、ド派手に墜落爆発炎上木っ端微塵を期待しよう!。
大丈夫、次の機体の準備は出来てるみたいだしな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(SpaceXのプロトタイプStarship飛行実験は今回も成功、しかし着陸でまた爆発)
https://jp.techcrunch.com/2021/02/03/https-techcrunch-com-2021-02-02-spacexs-starship-prototype-once-again-flies-to-great-heights-and-again-explodes-on-landing/
「今回のテストでSN9は目標高度に到達し、姿勢を逆転させる「ベリーフロップ」にも成功。」
「酸化剤の投棄、推進剤の切り替えにも成功した。」
「着陸のための垂直姿勢を取ろうとしたが失敗し、十分に減速できないまま降下してタッチダウンの際に爆発してしまった。」
業界用語で言うところの「部分的成功」というところか。
冗談じゃない!。
浮沈子が毒を込めて書いているように、別に、高高度飛行試験の最後に構造強度試験をしているわけじゃないからな。
「Starshipは再利用を前提としているため、着陸操作に成功することが必須」
「完全な再利用性を実現するためには、ロケット噴射によるパワードランディングが必要」
この2点については、浮沈子とは意見が異なる。
初めは使い捨てでもいいし、パラシュートで降下したって構わない。
「当然だが、この際に爆発してはならない。」
おおっ、初めて同じ意見になったな(そうなのかあ?)。
どっちかといえば、爆発しないで着陸してからこけた方が面白いかもな(墜落爆発炎上木っ端微塵は、いささか見飽きた感もあるしな)。
「開発チームは最初のテストから予定どおりに動作することを望んでいる」
そうだろうとも!。
だから、そうならなければ、堂々と失敗だといえばいいだけだ。
浮沈子は、失敗して悪いとは言っていないからな。
投資家受けとか大衆受けを狙って、データが取れたから成功とかいう言い方が気に入らないだけだ。
なぜ失敗したのか、そうならないために次回までに何をしなければならないかを知るために、結果に謙虚に向かい合うことが重要だ。
この記事の記者も、きっとそのことは分かって書いている。
ロケット開発は困難な事業で、失敗は日常茶飯事。
概ね、そういう事実は隠蔽されたりして、表沙汰にならない。
「むしろ珍しいのは、このような初期段階の実験でSpaceXが動画中継を含めて多数のデータを公開している点だ。」
ほらね。
だから、少しでも前向きの記事にして、応援しようというのは分からないではない。
しかし、甘やかしちゃいかんなあ・・・。
ダメなものはダメ。
失敗は失敗だ。
同じ失敗を繰り返さなければいいというものでもない。
ありとあらゆる失敗をしなければならないというもんじゃないからな。
成功するための必要悪としての失敗で、それ自体を咎められることはないが、それは成功するためのプロセスとして許容されているに過ぎない。
成功のための改善あっての失敗なわけだ。
失敗は成功のもとということは、昔から言われている。
空中爆発や、着陸予定地点からの大幅な逸脱が起これば、当局からの命令で試験飛行の継続自体が困難になるかも知れない。
そうなっては元も子もない。
着陸には成功したけど、少し斜めになって、コロンと倒れて爆発炎上くらいにはなってもらわんとな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーーー
(スペースXが「スターシップ」の試験飛行を実施、高度10km到達も着陸に失敗)
https://news.mynavi.jp/article/20210205-1697730/
「SN9は打ち上げ後、計画どおり高度約10kmに到達。着陸には失敗したが、スペースXの担当者は「素晴らしい飛行だった」と讃えた。」
自画自賛か・・・・。
相変わらず、鳥嶋さんの記事は外連味のない纏まった内容で、複雑怪奇なテスト飛行について必要なことを過不足なく書ている。
「スペースXがSN9が着陸に失敗した原因を特定し、その対策をSN10に取り入れたとしても、FAAがそれに納得しない限り、飛行試験ができない可能性がある。」
それでいい。
飛行再開となったB737MAXの時のように、メーカーべったりで何百人もの犠牲者を出すようでは困るからな。
巨大なロケットが、人家の密集する地域に墜落し、爆発炎上木っ端みじんになれば、それこそ大惨事だ。
人類が火星に行く必要などない。
ましてや、火星移民などは論外だ。
完全再使用ロケットは、地球周回軌道(月を含む)程度で十分だろう。
それだけでも大したものだし、過酷な深宇宙環境の探査は無人探査機に任せて、人類は地球周辺に留まるべきだ。
たかだか10km程度の試験飛行が2度続けて失敗したのも、バベルの塔のようなものかもしれない。
人間の奢りが、神の怒りに触れたのだろう。
SLSは、ホットファイアの再試験に臨むことになったが、同じ巨大ロケットで最終的には火星を目指すことになる(今のところ、月周回軌道経由ですが)。
何かが起こりそうな予感がするな・・・。
惨敗に終わったSN9の悲惨な着陸から1週間近く経った。
この間、ラプターエンジンの不良なのか、相変わらず燃料系がダメなのかの原因追求が続いているものと思われる(未確認)。
ネットには、着陸の際に2基のエンジンで向きを変えて減速し、そのうちの1基が機能しなかったことから、いっそのこと、3基まとめて点火して、3基点火しちゃったら1基消して、1基点火せずに2基が正常なら、そのまま2基で減速するという話が飛び交っている(着陸の最終段階では1基になるようですが)。
おそらく、ラプターのスロットル調整の範囲とか、燃料の節約とかが絡んでいるんだろう。
上昇中も、速度や高度の調整を行うために、点火しているエンジンを1基ずつ間引きしてからベリーフロップに転じているからな。
2度の降下に於いて、怪しげな動翼をひらひらさせたり、コールドガス(たぶん窒素?)でズルしながら制御して、曲がりなりにも方向転換と部分的再着火まで持ってきたことは大したものだ。
素直に評価していい。
空中での大爆発や、着陸地点を大きく逸れての墜落はしていない(だからといって、成功とは言わせないけどな:さすがに、SN9を大成功と書いている記事にはお目にかかっていない:成功と書いている記事は見つけた:<さらにさらに追加>参照)。
燃料系統に問題を残している場合は、着陸の際の点火を3基にしようが100基(そんなにエンジン積んでないですが)にしようが結果は同じだ。
ラプター側固有の着火・燃焼継続の問題だった場合、確率的な議論としては、着火エンジンを増やすことには意味がある。
まあ、3基のうちから2基を選択して、3つとも点いちまったエンジンの一つを上手いことオフに出来るかとか、その際に発生するトルクの変化を短時間で制御しきれるかとか、その他ありとあらゆる新たな問題を抱えることになるけどな。
浮沈子は、当面スターシップは使い捨てでも構わないと思っているから、さっさとスーパーヘビーを開発して、真空用エンジンも積み込んで、スターリンクを400機積み込んで打ち上げる方を優先すべきだと思うけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
(スターシップSN9の着陸失敗に関するイーロン・マスク:「私たちはあまりにも愚かだった」)
https://www.elonx.cz/elon-musk-o-nezdarenem-pristani-starship-sn9-byli-jsme-prilis-hloupi/
「スターシップは、2つのラプターに点火し、垂直位置に向きを変え、1つのエンジンをオフにしてから、コンクリートのプラットフォームにそっと着陸することでした。SN8の場合、この操作はメタン着陸タンク内の低圧によって妨げられましたが、この問題は、SN9では適切に機能するヘリウム圧力システムによって解決されました。」
「しかし今回は、点火中にエンジンの1つが故障しました。結局、着陸するには不十分なラプターが1機だけ発火したため、SN9の飛行は、傾斜した船の地面への衝撃と爆発で終了しました。。しかし、船は少なくとも着陸台に衝突しました。」
「彼はついにスターシップSN10が変更され、着陸前に3つのエンジンすべてが始動することを確認しました。これにより、少なくとも2つが正常に起動する可能性が高くなり、着陸には十分です。3つのラプターズすべてが適切に点火されると、レバーが最も小さいラプターズがすぐにオフになります。」
まあ、やってみなければ分からない。
記事のコメントには、3基に増やした時の確率が信頼性によってどう変わるかをわかりやすく掲載した話も寄せられている。
「6. 2. 2021 11:40
1つのエンジンの信頼性(S1)
2つのエンジンで試行した場合の障害の確率(PS2)
3つのエンジンで試行した場合の障害の確率(PS3)
S1 = 1 / 2-> PS2 = 75%| PS3 = 50%
S1 = 2 / 3-> PS2 = 56%| PS3 = 26%
S1 = 3 / 4-> PS2 = 44%| PS3 = 16%
S1 = 4 / 5-> PS2 = 36%| PS3 = 10%
S1 = 9 / 10-> PS2 = 19%| PS3 = 3%」
S1が4/5までは、表計算ソフトで全てのパターンを並べて検証した(算数苦手なので)。
S1が9/10の時は、さすがに1000通りになるからな。
計算で誤魔化す(!)ことにする。
・エンジンが3基とも点火する場合:
0.9^3
=0.729①
・エンジンが2基だけ点火する場合:
0.1×0.9×0.9×3(ここ、重要です:エンジン3基のうちの2基の組み合わせなので3×2÷(2×1))
=0.243②
1-(①+②)=0.028(≒3パーセント)
現実には、上述したように、3基点火の場合の余分な1基のシャットダウンとトルク制御の問題やら、ランダムに点火した2基のエンジンによる姿勢制御の問題などがあるので、必ずしも計算通りなわけではない。
制御プログラムに余計な手順を噛ませれば、バグを生む確率も高くなるしな。
機械的な話だけでは済まない。
燃料供給にも影響が出るだろう。
単純じゃないのだ。
ちなみに、イーロンXのコメントにある計算上の数字を、参考までに以下に示す。
S1 = 1 / 2-> PS2 = 75%(同じ)| PS3 = 50%(同じ)
S1 = 2 / 3-> PS2 = 55.555…%| PS3 = 25.925…%
S1 = 3 / 4-> PS2 = 43.75%| PS3 = 15.625%
S1 = 4 / 5-> PS2 = 36%(同じ)| PS3 = 10.4%
S1 = 9 / 10-> PS2 = 19%(同じ)| PS3 = 2.8%
エンジン個々の信頼性を上げるよりも、1基増やしてクラスターによる冗長性を高めた方が有利ということか(たぶん、両方必要)。
将来、有人での着陸を考えるなら、浮沈子的にはアクロバティックなパワードランディングに拘らないで、素直にパラシュート積んだ方がいいと思うんだがな(簡便かつ安価だしな:パラシュートって、再使用できるのかな:未確認)。
火星じゃ使えないだろうけどな。
浮沈子的には、それで何ら問題はない。
火星に行かなきゃ、スターシップの着陸は成功間違いなしだ。
2基から3基にする話じゃない。
3基にした途端に、別のトラブル(懸案事項の、エンジンルーム内の炎とか)で空中爆発するかもしれないしな(そんなあ!)。
SN10が、3たび墜落炎上爆発木っ端みじんになる方に1票だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
ちなみに、4基にしてコメントと同じように単体での信頼性を変化させるとこうなる。
エンジン1基の信頼性(S1):クラスターで2基以上が点火する信頼性(S4):障害の確率(PS4):
1/2:68.75%:31.25%
2/3:88.89%:11.11%
3/4:94.92%:5.08%
4/5:97.28%:2.72%
9/10:99.63%:0.37%
5基ではどうか(いみねー・・・)。
エンジン1基の信頼性(S1):クラスターで2基以上が点火する信頼性(S5):障害の確率(PS5):
1/2:81.25%:18.75%
2/3:95.47%:4.53%
3/4:98.44%:1.56%
4/5:99.33%:0.67%
9/10:99.95%:0.05%
エンジン単体の信頼性がある程度上がると、基数を増やしても2基以上点火する信頼性はさほど変わらない。
プロトタイプではなく、運用上のスターシップには、真空用バキュームラプターエンジンも3基搭載されるという。
この際だから、6基全部に点火してみてはどうか(ますますいみねー・・・)。
エンジン1基の信頼性(S1):クラスターで2基以上が点火する信頼性(S6):障害の確率(PS6):
1/2:89.06%:10.94%
2/3:98.22%:1.78%
3/4:99.54%:0.46%
4/5:99.84%:0.16%
9/10:99.99%:0.01%
決まりだな。
下手の鉄砲も数撃ちゃ当たる。
使えるものは全て使って、高信頼性の着陸を実現してもらいたいな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
単体の信頼性向上か、クラスターの数を増やしてバックアップを拡充するか。
究極の選択(?)について考えさせられる記事が上がっている。
(SpaceXのCEO、イーロン・マスクがスターシップの爆発について語る:「私たちはあまりにも馬鹿だった」)
https://www.teslarati.com/spacex-elon-musk-talks-starship-sn9-explosion/
「クラスターに3番目のエンジンを追加すると、1つのエンジンが故障した場合に、着陸が成功する(または少なくとも存続できる)可能性が論理的に高まります。」
記事を読むと、もともと3基を点火して着陸する構想だったわけだ。
なーんだ・・・。
「3つの着陸クラスのエンジンが設計に含まれている場合、3つのエンジンの着陸燃焼がおそらく最も論理的なオプション」
じゃあなぜ2基でテストしていたのか?。
「高性能ロケットエンジンのスロットルは非常に難しく、Raptorはまだ完全に成熟したエンジンではありません。」
「SpaceXは、この点でStarshipに対して明らかに非常に保守的であり、利用可能な3つのエンジンのうち2つだけを使用して、ゆっくりとした穏やかな着陸を優先」
「3エンジンの着陸燃焼により、着陸が大幅に遅くなる可能性があるためです。」
エンジンのスロットル調整能力と、着陸時の点火ミスのリスクを天秤にかけて、2基による着陸に賭けたわけだ。
賭けに負けて、結果は惨憺たる大失敗を連続した。
この他にも、着陸時に必要な燃料を節約するという観点もあるに違いない。
2基で降ろせるなら、2基だけ点火すればいい。
それは、完全再使用ロケットの着陸という、失敗の許されないミッションの絶対条件だったのかも知れない。
100パーセントの再点火を保証できなければ、パワードランディング自体が危ういものになる。
事実そうなったしな。
この先、3基目の冗長性を加えようが、バキュームエンジンまで繰り出して6基の究極の冗長性を狙おうが、確実な再点火とスロットル機能による安定した燃焼制御が出来なければ、スターシップは使い捨ての2段目に終わるし、有人飛行に使うこともできない。
TEA-TEBなどの点火剤カセットを使わず、電気火花で点火する信頼性を確立できなければ、火星に行こうが行くまいが、スターシップ構想自体が色褪せてしまう。
逆に言えば、究極の2段目ロケットであり、完全再使用の宇宙往還機として、ここは譲れないところかもしれない。
冗長性は、あくまで保険であり、2基点火でスロットル制御しておろすのが基本だ(まあ、最後は1基にするというのは仕方ないかも)。
ファルコン9がそうであったように、ラプターエンジンの性能が向上して、1基の再点火で降ろせるようになれば、また別の話になる。
1基で降ろせるなら、1基だけ点火すればいい。
事実、ファルコン9の1段目の回収に於いて、ランディングバーンの点火は1基だけだ。
点火剤カセットによる確実な点火が、それを保証している。
それを捨てて、電気火花で着火しようとしているわけで、その技術を確立するというのはSNシリーズのプロトタイプに課せられたミッションなわけだ。
ここは、こだわるべきだろう。
あと100機くらい、プロトタイプが地べたに叩きつけられたとしても、実機ベースでの何万回もの再着火の基盤が確立できるなら、その方がいい。
正念場だな・・・。
というわけで、次回SN10も、ド派手に墜落爆発炎上木っ端微塵を期待しよう!。
大丈夫、次の機体の準備は出来てるみたいだしな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(SpaceXのプロトタイプStarship飛行実験は今回も成功、しかし着陸でまた爆発)
https://jp.techcrunch.com/2021/02/03/https-techcrunch-com-2021-02-02-spacexs-starship-prototype-once-again-flies-to-great-heights-and-again-explodes-on-landing/
「今回のテストでSN9は目標高度に到達し、姿勢を逆転させる「ベリーフロップ」にも成功。」
「酸化剤の投棄、推進剤の切り替えにも成功した。」
「着陸のための垂直姿勢を取ろうとしたが失敗し、十分に減速できないまま降下してタッチダウンの際に爆発してしまった。」
業界用語で言うところの「部分的成功」というところか。
冗談じゃない!。
浮沈子が毒を込めて書いているように、別に、高高度飛行試験の最後に構造強度試験をしているわけじゃないからな。
「Starshipは再利用を前提としているため、着陸操作に成功することが必須」
「完全な再利用性を実現するためには、ロケット噴射によるパワードランディングが必要」
この2点については、浮沈子とは意見が異なる。
初めは使い捨てでもいいし、パラシュートで降下したって構わない。
「当然だが、この際に爆発してはならない。」
おおっ、初めて同じ意見になったな(そうなのかあ?)。
どっちかといえば、爆発しないで着陸してからこけた方が面白いかもな(墜落爆発炎上木っ端微塵は、いささか見飽きた感もあるしな)。
「開発チームは最初のテストから予定どおりに動作することを望んでいる」
そうだろうとも!。
だから、そうならなければ、堂々と失敗だといえばいいだけだ。
浮沈子は、失敗して悪いとは言っていないからな。
投資家受けとか大衆受けを狙って、データが取れたから成功とかいう言い方が気に入らないだけだ。
なぜ失敗したのか、そうならないために次回までに何をしなければならないかを知るために、結果に謙虚に向かい合うことが重要だ。
この記事の記者も、きっとそのことは分かって書いている。
ロケット開発は困難な事業で、失敗は日常茶飯事。
概ね、そういう事実は隠蔽されたりして、表沙汰にならない。
「むしろ珍しいのは、このような初期段階の実験でSpaceXが動画中継を含めて多数のデータを公開している点だ。」
ほらね。
だから、少しでも前向きの記事にして、応援しようというのは分からないではない。
しかし、甘やかしちゃいかんなあ・・・。
ダメなものはダメ。
失敗は失敗だ。
同じ失敗を繰り返さなければいいというものでもない。
ありとあらゆる失敗をしなければならないというもんじゃないからな。
成功するための必要悪としての失敗で、それ自体を咎められることはないが、それは成功するためのプロセスとして許容されているに過ぎない。
成功のための改善あっての失敗なわけだ。
失敗は成功のもとということは、昔から言われている。
空中爆発や、着陸予定地点からの大幅な逸脱が起これば、当局からの命令で試験飛行の継続自体が困難になるかも知れない。
そうなっては元も子もない。
着陸には成功したけど、少し斜めになって、コロンと倒れて爆発炎上くらいにはなってもらわんとな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーーー
(スペースXが「スターシップ」の試験飛行を実施、高度10km到達も着陸に失敗)
https://news.mynavi.jp/article/20210205-1697730/
「SN9は打ち上げ後、計画どおり高度約10kmに到達。着陸には失敗したが、スペースXの担当者は「素晴らしい飛行だった」と讃えた。」
自画自賛か・・・・。
相変わらず、鳥嶋さんの記事は外連味のない纏まった内容で、複雑怪奇なテスト飛行について必要なことを過不足なく書ている。
「スペースXがSN9が着陸に失敗した原因を特定し、その対策をSN10に取り入れたとしても、FAAがそれに納得しない限り、飛行試験ができない可能性がある。」
それでいい。
飛行再開となったB737MAXの時のように、メーカーべったりで何百人もの犠牲者を出すようでは困るからな。
巨大なロケットが、人家の密集する地域に墜落し、爆発炎上木っ端みじんになれば、それこそ大惨事だ。
人類が火星に行く必要などない。
ましてや、火星移民などは論外だ。
完全再使用ロケットは、地球周回軌道(月を含む)程度で十分だろう。
それだけでも大したものだし、過酷な深宇宙環境の探査は無人探査機に任せて、人類は地球周辺に留まるべきだ。
たかだか10km程度の試験飛行が2度続けて失敗したのも、バベルの塔のようなものかもしれない。
人間の奢りが、神の怒りに触れたのだろう。
SLSは、ホットファイアの再試験に臨むことになったが、同じ巨大ロケットで最終的には火星を目指すことになる(今のところ、月周回軌道経由ですが)。
何かが起こりそうな予感がするな・・・。
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