ニュース価値に乏しいニュース:年内は着陸できないかもしれないスターシップと打ち上げ危ういスターラーナー2021年04月04日 11:14

ニュース価値に乏しいニュース:年内は着陸できないかもしれないスターシップと打ち上げ危ういスターラーナー


先週後半はGF(グラディエントファクター)に集中していて、SN11が墜落激突爆発炎上木っ端微塵になった話はパスしていた。

毎度のことながら、ファルコン9の1段目の回収成功と、スターシップの爆発に、ニュース価値はない。

毎度のことだからな。

100回目の回収とか(今のところ、70回くらいか)、100回目の爆発(10回くらい?)になれば、少しはニュース価値がある。

回収できずに、海ポチャしたとか、空中爆発してペイロード毎失われたなどという事態になれば、大ニュースだ。

そのペイロードが、スターリンク衛星(一気に、60機がパーとかあ?)だったりしたら、大騒ぎだな。

一方のスターシップが、ちゃあんと着陸して、火災も起きず(起きてもすぐ消せて)、更にはプロトタイプとしても再使用出来たりしたら、天地がひっくり返るような話だ。

まあ、年内はムリポだな・・・。

(スペースXの巨大宇宙船、飛行試験で爆発も「想定内」 - すでに改良型を開発)
https://news.mynavi.jp/article/20210402-1863540/

「スターシップもスーパー・ヘヴィも完全再使用が可能で、1回あたりの打ち上げコストは約200万ドルと、破格の安さを目指している。」

最近、円安が進んで1ドル110円前後で推移し始めたが、2億2千万円で、地球低軌道に100トン送り込めるというのは破格だ。

1回の打ち上げに20億ドル(2200億円)といわれるSLSの100分の1だからな。

それだけではない。

浮沈子が注目するのは、その打ち上げ頻度だ。

大陸間弾道旅客ロケットとして、1時間以内に再使用すると豪語している。

年間1機がやっと飛ぶかどうかというSLSと比較すると、仮に1日10機しか飛ばさなくても、3600倍の頻度ということになる。

べらぼーめ・・・。

もう、従来の打ち上げロケットという枠ではとらえられない。

世界最大の長距離路線を持つ、新たな航空会社(兼、航空機メーカー)が誕生することになる。

まあいい。

そう簡単にはいかない。

SN8から始まって、4回連続で失敗している。

「同様の試験は今回が4回目で、昨年12月には「SN8」が、今年2月にも「SN9」が同様の試験に挑んだが、着陸に失敗し、爆発炎上。3月4日には「SN10」が、やや不完全ながらついに着陸に成功したものの、その後機体が爆発するという憂き目に遭った。」

「スペースXでは「爆発(explosion)」ではなく、「予定外の急速な分解(rapid unscheduled disassembly)」と呼んでいる。」

ばかもん!、それを爆発というんだ・・・。

「より実機に近い「SN20」の製造も進んでいるという。このSN20は地球周回軌道への打ち上げを見据えた”メジャー・アップデート”となり、耐熱シールドやスーパー・ヘヴィとの分離システムなどを装備するとしている。」

浮沈子的には、気が早過ぎる感じだがな。

「SN20以降の機体は、マッハ25で地球の大気圏に再突入することになります。再突入時に受ける加熱、そしてその後の着陸を無傷で乗り切ることは難しいでしょう。おそらく、多くの試行錯誤が必要になります」

そりゃ、スーパーヘビーが出来上がったらの話だ。

「スターシップを打ち上げるスーパー・ヘヴィの試作機「BN1」の開発も進んでおり、近々飛行試験が行われる予定」

これも、年内はムリポだな。

ムリポといえば、延期に延期を重ねているスターライナーのOFT-2もある。

7月といわれていたが、今回、スペースフライトナウのスケジュールでは、7月下旬になっていた。

ははあ、ひょっとしたら、日程が詰まってきたのかも知れないな。

しかし、3月末から4月にかけても、具体な日付をちらつかせながら、最終的には大きく延期されたことを忘れるわけにはいかない。

ヒューストンを襲った想定外の寒波(による停電)の影響を差し引いても、数か月単位という延期は普通じゃない。

何か、解決困難な問題を生じているのかもしれない。

技術的問題とは限らない。

ひょっとして、OFT-2をすっ飛ばして、CFTに格上げしろという話が出ている可能性もある(未確認)。

ライバルのS社は、既に無人1回と2回の有人飛行をこなし、3回目(クルー2)を控えている(4月22日だそうです)。

また、9月には、クルー3が決まっている。

数日の調整はあるかも知れないが、大きくずれることはないだろう。

B社は、既にライバルに2年も水をあけられている(4周遅れ確実:無人ISS飛行、有人試験飛行、本番1回目、本番2回目)。

起死回生を目論むとすれば、1個飛ばしは当たり前で、2個飛ばし(いきなり、1回目の本番ミッション)に持ち込みたいのが本音だろう(それでも1周遅れ)。

OFT-2は、全部B社の持ち出しになるからな。

それなりの成果を出したいに違いないのだ(無論、失敗は絶対に許されない!)。

延期に次ぐ延期は、そんな妄想を掻き立てる。

7月下旬が9月にずれ込むことがあれば(現在は、有人飛行(CFT)の予定日だが)、いっそのこと、来年にしちまおうとかな(やけっぱち?)。

そんなテキトーな話より、何か技術的な壁にぶち当たっているのかも知れない(こっちの方が可能性ありそうだ)。

80項目の改善の他に、新たな問題が出て来たとか。

いや、もちっと別の話か。

そう、大統領が代わっちまったからな。

クルードラゴンがあるからいいだろうって。

2つも3つも、ISSタクシーはいらないだろうって(ソユーズに金払った方が安かったりして)。

B社を切り捨ててたって、やがて放っておいても15年くらいすれば、S社から新しい有人宇宙船が登場するからな(未確認?)。

それも、ISSにドッキングしたら、重力バランスが崩れるくらいデカいヤツ!。

接続したままじゃ、リブーストかけられないかもしれないしな。

そういう先が見えてきているのに、鳴かず飛ばずの宇宙船に、これ以上、投資するのは如何なものか。

B社は、ビゲローなど、民間宇宙ステーションへのタクシーも見据えている。

だが、こっちにだって、S社の食指は伸びてきているのだ。

民間需要は、ISSよりも更にコスパ重視だからな。

使い捨てのアトラスVN22や、バルカンロケットでは、客が付かないだろう。

もう、S社一人勝ちの様相なのだ。

(ISS宇宙旅行、スペースX・ビゲローから開始。NASA価格より割安:追加:2019年の記事)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20190612-00129823/

「4名の旅行客がISSに1~2ヶ月滞在するための宇宙船搭乗費用として、2018年9月にスペースXへ預託金と予約料を支払い済み」

確認しておこう。

年内にスターシップが軌道に達することはない(つーことは、スーパーヘビーの実用化もない)。

断言はできないけど、スターライナー(ボーイングCST-100)が、有人であれ無人であれ、ISSとドッキングすることもない。

有人の方は、まず間違いなく来年送りだ。

ついでに、SLSの初打ち上げも先送りだな(これが一番確実か)。

今年は、冴えない打上げばかりが続く。

スターリンク、ワンウェブ、ISS貨物(カーゴドラゴンとシグナスとプログレス(新しいこうのとり(名称未定)は来年以降))、ISSタクシー(ソユーズ宇宙船、クルードラゴン)、いくつかの静止軌道衛星、いくつかの地球観測衛星、いくつかのスパイ衛星、いくつものミニ衛星・・・。

バルカンも、スターライナーも、みーんな来年送りになる(たぶん)。

ああ、JWST(ジェームズウェブ宇宙望遠鏡)の打ち上げがあったな。

10月だというが、まあ、再度の延期は免れないだろう(そうなのかあ?)。

年末に近いから、これも来年になる。

昨年送り込んだ火星探査機などの過去の話題でお茶を濁し、来年に先送りしたこれからの話で間を持たせなければならない。

その間に、ファルコン9の1段目回収の失敗とか、スターシップの成功(えーと、当事者や業界がいう「成功」(部分的とか、データ収集できたとか)じゃなくて、誰が見ても非の打ちどころのない完全な成功のこと)でもあれば、何とか息継ぎができようというものだ。

民間有人ミッションは、浮沈子から見れば茶番だ。

国家が主導し、国家の威信をかけて行う宇宙飛行から、金儲けのために行うショービジネスに成り下がった宇宙飛行。

別に、それが悪いわけじゃないけど、そして、それは健全な姿ではあるけれど、さらに、政治過程を経ていないだけで、人間の欲望の具現としては同じ土俵にいるわけだけど、やっぱ、どこかしっくりこない。

チャラい・・・。

どこかで何かが失敗すれば、確実に命が失われるヤバい事業を金儲けの手段とするのは憚られる。

まあ、S社だって、B社だって、どこだって同じだけどな。

そこに公的機関であるNASAが咬んでいるから、次々起こると人的損害を乗り越えることが出来る。

ISSタクシーは、NASAが民間からサービスを調達する形だ。

その意味では、バージンが立ち直っているのは奇跡に近いな。

まあ、開発フェーズでの事故だからな・・・。

S社にしても、B社のスターライナー(CST-100)にしても、運用初期だったり開発中だったりしている。

実績豊富で枯れた技術で飛んでいるソユーズ宇宙船とは異なる。

ロシアが、クルードラゴンに乗りたがらない理由も分からないではない。

まあ、こっちは、製造段階での品質管理上の問題を抱えているようだけどな。

衛星が吹っ飛ぶ程度ならまだしも、スペースシャトルチャレンジャーやコロンビアの二の舞(三の舞?)は見たくない。

やはり、スペースシップにしてもISSタクシーにしても、何度も失敗して、悪いところを直して、完全な形で有人化してもらいたいもんだな。

スターライナーの無人軌道試験(OFT-2)は必須だ。

技術的な問題を複数抱えたまま、打ち上げにゴーサイン出したNASA側の問題もあるしな。

10周遅れくらいになっても、徹底した試験飛行を行うべきだろう。

それができないなら、開発失敗ということでお蔵入りにするのが正しい。

公私合わせて50億ドル以上が消えるわけだが、SLSを3回止めればお釣りがくる(そういう計算かあ?)。

SLS存続の是非の議論をしているうちに、スターシップが登場して、100分の1の価格かつ3600倍の頻度で飛ばせるようになれば、50億ドルなんて屁みたいなもんだ(SLSのオリオンと併せて合計400億ドルの開発費はどーする!?)。

宇宙開発が、日常の金銭感覚を超える世界なことは確かだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(SpaceXの最新の高高度スターシップテスト飛行は別の爆発で終わります)
https://spaceflightnow.com/2021/03/30/spacexs-latest-high-altitude-starship-test-flight-ends-in-apparent-explosion/

「スターシップ発射基地の北約5マイル(8 km)に位置するサウスパドレ島のアイラブランカパークの写真家は、ロケットから来た可能性のある軽い破片を報告しました。公園はスターベース施設周辺の避難区域の外にあり、スペースXファン、ニュースメディア、地域住民に人気の視聴サイトです。」

それだけ遠くに破片が飛散したということは、相当な高度で「予定外の急速な分解(rapid unscheduled disassembly)」とやらが起こったことを示唆している。

「FAAは「SpaceXと協力して、この地域の軽い破片の報告が事故や飛行の他の段階に関連しているかどうかを特定している」と述べた。」

FAAとの協力(=軋轢?)も活発になりそうだな。

スーパーヘビーの開発も進んでいる。

「目標は、4月末までに軌道パッドにエンジンを搭載したBN2を入手することです。運が良ければ軌道に乗れるかもしれません。」

もっとも、S社の場合、開発=墜落激突爆発炎上木っ端微塵だからな。

壊してみなけりゃ分らんだろう?。

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