🐼ずっと、もっと、つなぐぞ。:通信用語の基礎知識:ゲートウェイ:バックホール:スターリンクとKDDIの甘い関係2021年09月18日 05:36

ずっと、もっと、つなぐぞ。:通信用語の基礎知識:ゲートウェイ:バックホール:スターリンクとKDDIの甘い関係


(KDDI、スペースXのスターリンクを回線に利用する契約を締結 2022年度をめどにサービス開始)
https://sorae.info/space/20210917-kddi-starlink.html

この記事自体が、KDDIのニュースリリースの引き写しなのでそっちから引用する。

(SpaceXの衛星ブロードバンド「Starlink」と業務提携、au通信網に採用する契約に合意)
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2021/09/13/5392.html

「「Starlink」をau基地局のバックホール回線に利用する契約を締結」

通信用語に弱い浮沈子は、バックホールなる語を知らない(背中に開いた穴かあ?)。

(バックホール 【backhaul】)
https://e-words.jp/w/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB.html

「末端のアクセス回線と中心部の基幹通信網(バックボーン回線)を繋ぐ中継回線・ネットワーク」

「基地局とアンテナ部(4GのRRHなど)が離れている場合、両者をつなぐ回線を「フロントホール」(fronthaul)と呼ぶ。」

hole(穴)じゃなくって、haul(運搬)なわけだ。

アンテナ←フロントホール→基地局←バックホール→基幹通信網との接続点。

「KDDIは、総務省より実験試験局免許の交付を受け、「Starlink」の通信衛星と地上のインターネット網を接続するゲートウェイ局 (地上局) をKDDI山口衛星通信所に構築しました。」(KDDIニュースリリースより:以下同じ)

「現在、品質と性能を評価するため、両社共同による一連の技術検証を行っています。」

バックホール回線としてスターリンクを使用するということなら、通常なら基地局と基幹通信網との接続点の両方に、スターリンクアンテナを設置する必要がある。

「光ファイバーに接続された通常のau基地局に加え、「Starlink」をバックホール回線としたau基地局を導入しエリアを補完することで、日本中どこでもauの高速通信をお客さまに届けることが可能となります。」

「2022年をめどに、まず全国約1,200カ所から順次導入を開始します。」

ふつーに考えれば、1200の基地局の他に、基幹通信網との接続点にもスターリンクアンテナが必要ということにる。

山口の施設は、「通信衛星と地上のインターネット網を接続」とあるからな。

ひょっとしたら、基地局から飛ばしたデータは、スターレーザーでクロスリンクされて、ダイレクトに山口に飛ぶのかも知れない(未確認)。

まあ、どうでもいいんですが。

バックホール回線というのが曲者だが、既存の基地局のそれを、順次置き換えていくということも考えているのかも知れない。

そうすれば、バックホール回線部分の光通信網のメンテナンスコストを大幅に削減することができる。

それだけのスループットが得られるのかどうかが問題だ。

現実的には、衛星は基地局から最寄りの(単一の衛星から見通せる)基幹通信網との接続点までに使い、そこからは地上回線で繋ぐのが無難だ。

短い時間で次々と衛星を切り替えていく中で、通信品質が維持できるのかどうかを確認しているというところだろう。

山口のゲートウェイというのは、そのための試験施設の可能性が高い。

送り手と受け手の、最低2個のアンテナがあるに違いないな。

Ka帯を使った通信も、当然しているだろう。

こうしてみると、分からないことだらけだな・・・。

しかし、KDDIが業務用として使えると評価して導入するということなら、通信品質(速度、データ落ち、遅延など)や容量については十分ということなわけだ。

使い物になりそうなことが分かってくれば、当然既存の回線の置き換えということも検討されるだろう。

いきなり基幹回線を置き換えることにはならないだろうが、バックホールの一部は対象になってくると思われる。

維持コストと信頼性を天秤に掛けて決めるんだろう。

スターリンクとKDDIの甘い関係・・・。

そんでもって、太陽フレアーかなんかで衛星が一網打尽になっちまって、通信網がパーになるとかな(そんなあ!)。

それでも、生き残った衛星を繋いで、なんとかインフラを維持できるレベルにしておかなければならない。

今は、ギリギリの運用だ(1500機程度:そろそろ本格運用開始か)。

少なくとも、第1期の1万2千機くらいが上がらないと、高信頼性インフラにはならないだろうな。

バックボーンの置き換えを検討するのは、第2期の3万機が上がってからの話だ。

まあいい。

固定地上アンテナを使用するスターリンクの新しい利用方法は、KDDIのような通信事業者を咬ませた移動体通信の基地局のバックホール回線だ(ワンウェブなどは、そもそもそういう使い方しか想定していない:衛星高度が高いから、単一の衛星の見通し範囲が広い)。

固定アンテナという「点」を、エリアの拡大という「面」に広げることができる。

それでもやはり、移動局に対応したモバイルアンテナには敵わない。

山間部やトンネルの中、大都市のビルの谷間では使えないだろうが、地球上はそうでないところの方が面積的にはアットーテキに多い。

新たなネットワークの使い方が登場する可能性もある。

移動体通信の基地局のバックホール回線での使用というのは、まあ、中途半端な使い方かもしれない。

それでも、現実的な需要があって、それに応えることができるというのは素晴らしい。

ぜひとも成功させてもらいたいもんだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(いよいよ私たちの手に! 無数の衛星がつなぐ「宇宙インターネット」の現状)
https://news.mynavi.jp/article/20210928-1983749/

「2021年9月9日、宇宙インターネット事業の展開を目指す「ワンウェブ(OneWeb)」は、米国の大手衛星通信事業者ヒューズ・ネットワーク・システムズとの間で、米国やインドにおけるサービス提供に関する契約を締結したと発表」

ふーん、知らなかったな。

鳥嶋さんの、例によってそつのない記事。

宇宙インターネット(浮沈子的には、今ひとつしっくりこない表現だな)が、バックボーン回線として機能することが期待されていることも、しっかりと押さえている。

ワンウェブは、当面はバックホール改正としての利用だけを考えているが、最終的には衛星間通信も行い、基幹回線としての運用を狙っている。

何時の話になるかは未定だ。

アマゾンのプロジェクトカイパーその他の状況は、全く見えない。

全世界におけるインターネット難民の解消に、極めて有効なアクセス手段を提供する宇宙インターネットだが、もちろん、従来から静止軌道上の衛星を用いて、同様のサービスは展開されていた。

それが何故普及しなかったのか、低軌道衛星を用いた場合は、なぜ画期的なのかについては、言及が少ない気がする。

まあ、どうでもいいんですが。

静止軌道衛星で通信サービスを行ってきたヒューズと、低軌道衛星コンステレーションを着々と構築しつつあるワンウェブとの事業提携は、その意味では象徴的な気がする。

アマゾンがどう動くのかは見ものだな・・・。