🐼銀河放射線の恐怖:毒をもって毒を制する:そう上手くいくのかあ? ― 2021年09月28日 02:52
銀河放射線の恐怖:毒をもって毒を制する:そう上手くいくのかあ?
いくつか書きたいネタはあるんだが、気が乗らなかったり、調べたいことがあったりして書けないでいる。
豪州の潜水艦騒ぎ(気が乗らない:そのうち書きます)、第5波収束の理由(未調査:進展せず)、有人火星探査における放射線の影響(調査中:今回のネタ)、他にもいくつかある(ホントかあ?)。
書きやすいというか、手が付けられるところから書いていく。
で、今回は有人火星飛行に関するネタから。
まず、基本的に浮沈子は有人火星探査は不可能と考えている(移民なんて、もってのほか!)。
片道なら行けるけど、帰ってくることは決してない。
放射線の影響もそうだし、重力の問題もある。
他の工学的問題(食料、酸素、燃料など)が解決しても、そもそも人間が持たない。
遮蔽したり、人工的に重力を作ったりしても限界がある。
遮蔽に伴う二次放射線の発生とかな。
着陸なんかしないで、火星周回して戻って来るだけでも、放射線量は限界を超える。
ちゃんと計算したわけではないけど、従来からそう言われているし、そうでないという話は殆ど聞かない(太陽活動の極大期に、敢えて行く話はたまに聞くけど)。
先日、秋山さんが記事にしていた。
(「火星への最適出発タイミングは太陽活動の極大期」と研究者が試算。人工衛星が故障する危険な時期になぜ?)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20210921-00259303
「UCLAの研究者は1シーベルトを上限としてシミュレーション」
「アルミニウム板で水を挟んだ遮蔽」
「太陽活動の極大期の後にはGCR線量が減り、宇宙船がクルーをSEPから防護する十分な厚さの遮蔽を備えていれば、宇宙飛行士が受ける宇宙線の総量を少なくできる」(GCR(Galactic cosmic rays):銀河宇宙線、SEP(Solar Energetic Particles):太陽高エネルギー粒子)
「SEPが多い、危険な太陽の極大期には銀河放射線が減る現象を利用して火星有人探査を行うという発想は、「毒をもって毒を制す」ような大胆な方法に思える。」
似たような話は、以前にも聞いたことがあって調べた。
(宇宙の放射線障害、最新研究:人は宇宙で長期間活動できるのか)
https://wired.jp/2014/05/09/radiation-risk-iss-mars/
「クチノッタ氏の研究は、地上で粒子加速器を利用し、重イオンビームをマウスに照射した実験に基づいている(これらのマウスは多くの場合、特定の腫瘍を発生しやすいように遺伝子操作されており、なおかつ近親交配されているため、一般的な人間とは条件が異なることには注意が必要だ)。」
「宇宙飛行士が2年半の火星往復ミッションで浴びる宇宙線の量は、1mSvの1,000倍に当たる1Sv(シーヴェルト)前後に達する可能性がある。」
放射線量の総量は同じ値を使っている。
「クチノッタ氏は、火星ミッションで宇宙線を浴びた宇宙飛行士の寿命は、平均より15~24年短くなると予想している。」
歴史に名を残すためなら、そのくらいの犠牲は払ってもいいと考える人はいるかもしれない。
「宇宙飛行士が銀河宇宙線で被ばくする量を減らすためにとりうる方法のひとつは、11年周期の太陽活動のピーク期にのみ宇宙飛行を行なうというものだ。」
ここんところは、UCLAの研究と同じ発想だな。
「しかしもちろん、この時期に宇宙へ行くことは、太陽が出す太陽フレアによって、宇宙船内の飛行士が致命的なダメージを受ける危険もはらんでいる。」
記事では、マクロファージの活性化を促すことで、癌の発生を抑制するなど、生物学的方法による問題解決のアプローチも紹介されている。
リサニップなどが提唱する遺伝子操作による対策(クリスパーキャス9などを使ったゲノム編集によって、放射線耐性を強化したりやカルシウムの流出防止を図ろうととするもの)も、似たようなものかもしれない。
まあいい。
しかし、ワイアードの記事にもあるように、太陽活動極大期には、太陽フレアによるリスクも増大する。
(次に太陽嵐が来るのはいつ?)
https://www.gizmodo.jp/2021/09/when-will-there-be-a-new-solar-superstorm.html
「太陽嵐とは、太陽で発生した大規模な太陽フレアが膨大な量の太陽風を放出し、十数時間後には地磁気嵐となって地球や地球近傍の人工衛星などに被害をもたらす現象」
地球周辺では、地球を覆っている磁気圏を乱して磁気嵐を引き起こすが、火星航行中の宇宙船では、生の太陽風が吹きつけることになる。
(太陽風)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%A2%A8
「太陽の表面には、コロナと呼ばれる100万度以上の密度の低い薄い大気がある。このような超高温では、気体が電子とイオンに電離したプラズマ状態になっており、太陽の重力でも、このコロナガスを繋ぎ止めることができず、イオンや電子が放出される。放出された電気を帯びた粒子(プラズマ)が太陽風と呼ばれる。」
「高速の太陽風は、コロナホールや太陽フレアに伴って放出されていると考えられている。」
「太陽系には、系外からの銀河宇宙放射線が流入しているが、その量は、太陽風を伴う太陽活動と相関があり、太陽活動極大期に銀河宇宙線量は最小になり、太陽活動極小期に銀河宇宙線量は最大になる。これは太陽風が、太陽系外から流入する銀河宇宙線をブロックするためと考えられている。」
「太陽風によって、銀河宇宙線の地球に対する影響が抑えられている部分がある。米国のボイジャー探査機においては、太陽系を離れるにつれて次第に強い銀河宇宙線が検出されている。」
この辺は随分前から観測されていて、今回発表されたUCLAの研究は、火星探査における人体への影響を定量的に評価し、探査可能時期を示したところに意義があるんだろう。
「太陽風は水素イオンが95%を占めており、残りはヘリウムとその同位体等の様々なイオン及び電子となっている」
中国が狙っているとされる月面に蓄積されたヘリウム3は、そうして放出された太陽風の名残ということになる。
宇宙放射線(太陽風や銀河放射線)が、人体に対してどれ程の影響を与えるかということは、まだよく分かっていないことでもある。
宇宙空間に滞在した人類は、まだ、数百人に過ぎない。
多くは地球磁気圏内のISS滞在者だし、月軌道へは30人未満で短期だ(アポロ8号、10号、13号を入れても、27人:最長でも13日弱)。
それ以遠は皆無だ。
地球磁気圏内の滞在者は、今後、スペースXなどの宇宙旅行の普及で急速に増加すると思われるが、月軌道以遠ということになれば、10年くらいは見込めないだろう(浮沈子は、アルテミスより中国の方が早いと思ってるしな)。
有人火星探査は、21世紀中にはムリポなのではないか。
画期的なブレイクスルー(新型コロナとは無縁です)が達成され、放射線障害や低重力傷害といった人間側の問題が一気に解決されたとしても、人類がその価値を認めて限られた資源を投入しない限り、実現することはない。
資金や人的資源といったリソースを投入する価値があるのかどうか。
一つの目安が、火星生命の存在ということになるかも知れない。
かつて、生命を育んだことがあるとすれば、その星へと向かう意義は大きい。
ないとすれば、人類が初の生命として降り立つことになる(えーと、無人探査機にくっ付いていった微生物は別にしてだな)。
(地球の微生物が火星を「汚染」する?)
https://sorae.info/space/20210918-asked-a-nasa-scientist.html
「おかげで、パーサヴィアランスを含むマーズ2020ミッション(the Mars 2020 mission)で運ばれた微生物はティースプーン一杯分の海水に含まれている微生物の数の1/10にもならないといいます。」
そんなにいるのかあ!?(海水は、微生物だらけだからな)。
「もしも火星で生命がみつかった場合には、地球の生命に由来するものではないと確信をもっていえるそうです。」
逆じゃね?。
パーセベランスは、火星での岩石サンプルの採取に成功した様だが、それが戻ってくる頃には、有人火星探査の議論が再燃するかもしれない。
いるのか、いないのか。
行くのか、行かないのか。
いや、行けるのか、行けないのか、だな。
当面想定される対策は、何らかの遮蔽を施した宇宙船を太陽活動の極大期に飛ばして運を天に任せるということになる。
大規模な太陽フレアが発生し、宇宙船を直撃した時は運が悪かったと諦めるということだ。
2年後に、戻ってきた宇宙船から遺体を回収できれば良し、電装系をやられて宇宙船の制御を失えば、太陽を周る棺桶を作ることになる。
現状において、有人火星探査とはそういう話だ。
運よく戻ってきた宇宙飛行士は、発がんの危険が高まっていて、寿命が縮まっているからな。
逆に、老い先短い高齢の宇宙飛行士を送った方がいいかも知れない(年金支給額も減るし?)。
いずれにしても、タラレバな話で、現状では太陽風を有効に遮る遮蔽も未完成だ。
無重力で起きる視覚障害や、カルシウムの損失の問題は未解決のまま。
(宇宙飛行士の視覚障害の謎解明か、障害は不可避? 長期滞在により眼球が変形、治らないケースも)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/120200462/
「この状態は視覚障害脳圧症候群と呼ばれ、国際宇宙ステーションに長期滞在した宇宙飛行士の約3分の2が患っている。」
「宇宙に数カ月間滞在していた7人の宇宙飛行士では、眼窩の脳脊髄液の量がかなり多くなっていた。そのせいで宇宙飛行士の眼球の後ろにかかる圧力が高くなり、眼球の後ろ側を平たく押しつぶして、視神経の突出も顕著になっていたのだ。」
「現時点では、これを防ぐ方法がない」
やれやれ・・・。
(【宇宙でのヒトの身体の変化3】骨量減少と筋委縮)
https://ablab.space/space-medicine/bone-and-muscle/
「2016年に国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟で、35日間のマウス飼育実験が行われた結果では、やはり劇的なマウスの骨量減少とその骨組織では破骨細胞の増加が確認されました。」
「ビスフォスフォネート剤を毎週服用し、骨と筋肉を刺激する運動を行い、カルシウムやビタミンDをきちんと摂取すれば宇宙飛行中の骨量減少と尿路結石のリスクは軽減できる」(ビスフォスフォネート剤:骨粗鬆症の治療薬。破骨細胞を抑制する働きがあり、骨量増加と骨折発生率低下の効果がある)
おお、多少は希望が持てるか。
「骨量減少に加えて、宇宙滞在では1日1%の筋肉減少が起こります。これらは1〜2週間の場合であり、長期になれば次第に減り方は少なくなりますが、3か月の宇宙滞在では30%もの筋肉減少が報告されています。」
「長期宇宙飛行では、宇宙飛行士は心肺機能と筋力を維持するために、有酸素運動(トレッドミルと自転車エルゴメーター)と筋力トレーニング(改良型抵抗運動機器)を中心に、1日2時間週6回の運動トレーニングを行っています。」
それでも、地球帰還時には、自ら立ち上がることもできないダブルタンク背負った状態(?)になっちまって、45日もリハビリする羽目になる(ISS半年滞在のケースだろう)。
2年も経ったら、地球重力下で呼吸できるかどうかも怪しい(呼吸筋は減少しないかもな)。
まあ、どうでもいいんですが。
有人火星探査には、この他にもクルーの心理的側面の問題があり、研究者の中には、これが最大の問題になると考えている人もいるようだ(未確認)。
人間は、高度な行動制御を行うことができ、惑星探査活動に用いることが出来れば、大きな成果が期待できるだろう。
穴掘りインサイトは、優秀なロボット探査機だが、火星土壌に地熱測定用の5mの穴を掘ることが出来ずに失敗した(その他の観測は続いているようです)。
サンプル採取に苦労しているパーセベランスだって、人間が行けば、岩に穴開けての試料採取なんて、何の問題もないだろう。
問題は、その人間という優秀な探査体を、どうやって送り込むかだな。
生卵のように柔らかく、放射線や無重力が苦手で、長期間狭いところに閉じ込められていると不安定になり、帰ってきてからも長生きしたいなどと贅沢極まりない要求を出す厄介な代物だ(探査機なら、サンプルだけカプセルで戻して、本体は燃え尽きたり宇宙空間に捨ててしまってもいいしな)。
火星で試料採取が終わったら、そこで朽ち果ててもらって、サンプルだけ発射して地球に戻してくれるのが一番だ。
さようなら・・・。
行って帰って来るだけの周回飛行には、おそらく何の意味もないかも知れない(人体への様々な影響などは調べられるでしょうが)。
自己満足だな。
しかし、それは重要な動機かも知れない。
人類として、有人火星探査をしたという満足感は重要だ。
その先に進むための、ステージになる。
行って帰って来るだけならできたぞと。
金さえかければ、いつでもできるぞと。
有人月面探査が途切れて半世紀近く経つ(1972年12月)。
再開はされる様だが、有人火星の場合は途切れたら再開は無理だろうな。
そのためにも、何のための有人探査なのかということを、あらかじめ明確にしておかないとな。
自己満足でもいいけどな・・・。
いくつか書きたいネタはあるんだが、気が乗らなかったり、調べたいことがあったりして書けないでいる。
豪州の潜水艦騒ぎ(気が乗らない:そのうち書きます)、第5波収束の理由(未調査:進展せず)、有人火星探査における放射線の影響(調査中:今回のネタ)、他にもいくつかある(ホントかあ?)。
書きやすいというか、手が付けられるところから書いていく。
で、今回は有人火星飛行に関するネタから。
まず、基本的に浮沈子は有人火星探査は不可能と考えている(移民なんて、もってのほか!)。
片道なら行けるけど、帰ってくることは決してない。
放射線の影響もそうだし、重力の問題もある。
他の工学的問題(食料、酸素、燃料など)が解決しても、そもそも人間が持たない。
遮蔽したり、人工的に重力を作ったりしても限界がある。
遮蔽に伴う二次放射線の発生とかな。
着陸なんかしないで、火星周回して戻って来るだけでも、放射線量は限界を超える。
ちゃんと計算したわけではないけど、従来からそう言われているし、そうでないという話は殆ど聞かない(太陽活動の極大期に、敢えて行く話はたまに聞くけど)。
先日、秋山さんが記事にしていた。
(「火星への最適出発タイミングは太陽活動の極大期」と研究者が試算。人工衛星が故障する危険な時期になぜ?)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20210921-00259303
「UCLAの研究者は1シーベルトを上限としてシミュレーション」
「アルミニウム板で水を挟んだ遮蔽」
「太陽活動の極大期の後にはGCR線量が減り、宇宙船がクルーをSEPから防護する十分な厚さの遮蔽を備えていれば、宇宙飛行士が受ける宇宙線の総量を少なくできる」(GCR(Galactic cosmic rays):銀河宇宙線、SEP(Solar Energetic Particles):太陽高エネルギー粒子)
「SEPが多い、危険な太陽の極大期には銀河放射線が減る現象を利用して火星有人探査を行うという発想は、「毒をもって毒を制す」ような大胆な方法に思える。」
似たような話は、以前にも聞いたことがあって調べた。
(宇宙の放射線障害、最新研究:人は宇宙で長期間活動できるのか)
https://wired.jp/2014/05/09/radiation-risk-iss-mars/
「クチノッタ氏の研究は、地上で粒子加速器を利用し、重イオンビームをマウスに照射した実験に基づいている(これらのマウスは多くの場合、特定の腫瘍を発生しやすいように遺伝子操作されており、なおかつ近親交配されているため、一般的な人間とは条件が異なることには注意が必要だ)。」
「宇宙飛行士が2年半の火星往復ミッションで浴びる宇宙線の量は、1mSvの1,000倍に当たる1Sv(シーヴェルト)前後に達する可能性がある。」
放射線量の総量は同じ値を使っている。
「クチノッタ氏は、火星ミッションで宇宙線を浴びた宇宙飛行士の寿命は、平均より15~24年短くなると予想している。」
歴史に名を残すためなら、そのくらいの犠牲は払ってもいいと考える人はいるかもしれない。
「宇宙飛行士が銀河宇宙線で被ばくする量を減らすためにとりうる方法のひとつは、11年周期の太陽活動のピーク期にのみ宇宙飛行を行なうというものだ。」
ここんところは、UCLAの研究と同じ発想だな。
「しかしもちろん、この時期に宇宙へ行くことは、太陽が出す太陽フレアによって、宇宙船内の飛行士が致命的なダメージを受ける危険もはらんでいる。」
記事では、マクロファージの活性化を促すことで、癌の発生を抑制するなど、生物学的方法による問題解決のアプローチも紹介されている。
リサニップなどが提唱する遺伝子操作による対策(クリスパーキャス9などを使ったゲノム編集によって、放射線耐性を強化したりやカルシウムの流出防止を図ろうととするもの)も、似たようなものかもしれない。
まあいい。
しかし、ワイアードの記事にもあるように、太陽活動極大期には、太陽フレアによるリスクも増大する。
(次に太陽嵐が来るのはいつ?)
https://www.gizmodo.jp/2021/09/when-will-there-be-a-new-solar-superstorm.html
「太陽嵐とは、太陽で発生した大規模な太陽フレアが膨大な量の太陽風を放出し、十数時間後には地磁気嵐となって地球や地球近傍の人工衛星などに被害をもたらす現象」
地球周辺では、地球を覆っている磁気圏を乱して磁気嵐を引き起こすが、火星航行中の宇宙船では、生の太陽風が吹きつけることになる。
(太陽風)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%A2%A8
「太陽の表面には、コロナと呼ばれる100万度以上の密度の低い薄い大気がある。このような超高温では、気体が電子とイオンに電離したプラズマ状態になっており、太陽の重力でも、このコロナガスを繋ぎ止めることができず、イオンや電子が放出される。放出された電気を帯びた粒子(プラズマ)が太陽風と呼ばれる。」
「高速の太陽風は、コロナホールや太陽フレアに伴って放出されていると考えられている。」
「太陽系には、系外からの銀河宇宙放射線が流入しているが、その量は、太陽風を伴う太陽活動と相関があり、太陽活動極大期に銀河宇宙線量は最小になり、太陽活動極小期に銀河宇宙線量は最大になる。これは太陽風が、太陽系外から流入する銀河宇宙線をブロックするためと考えられている。」
「太陽風によって、銀河宇宙線の地球に対する影響が抑えられている部分がある。米国のボイジャー探査機においては、太陽系を離れるにつれて次第に強い銀河宇宙線が検出されている。」
この辺は随分前から観測されていて、今回発表されたUCLAの研究は、火星探査における人体への影響を定量的に評価し、探査可能時期を示したところに意義があるんだろう。
「太陽風は水素イオンが95%を占めており、残りはヘリウムとその同位体等の様々なイオン及び電子となっている」
中国が狙っているとされる月面に蓄積されたヘリウム3は、そうして放出された太陽風の名残ということになる。
宇宙放射線(太陽風や銀河放射線)が、人体に対してどれ程の影響を与えるかということは、まだよく分かっていないことでもある。
宇宙空間に滞在した人類は、まだ、数百人に過ぎない。
多くは地球磁気圏内のISS滞在者だし、月軌道へは30人未満で短期だ(アポロ8号、10号、13号を入れても、27人:最長でも13日弱)。
それ以遠は皆無だ。
地球磁気圏内の滞在者は、今後、スペースXなどの宇宙旅行の普及で急速に増加すると思われるが、月軌道以遠ということになれば、10年くらいは見込めないだろう(浮沈子は、アルテミスより中国の方が早いと思ってるしな)。
有人火星探査は、21世紀中にはムリポなのではないか。
画期的なブレイクスルー(新型コロナとは無縁です)が達成され、放射線障害や低重力傷害といった人間側の問題が一気に解決されたとしても、人類がその価値を認めて限られた資源を投入しない限り、実現することはない。
資金や人的資源といったリソースを投入する価値があるのかどうか。
一つの目安が、火星生命の存在ということになるかも知れない。
かつて、生命を育んだことがあるとすれば、その星へと向かう意義は大きい。
ないとすれば、人類が初の生命として降り立つことになる(えーと、無人探査機にくっ付いていった微生物は別にしてだな)。
(地球の微生物が火星を「汚染」する?)
https://sorae.info/space/20210918-asked-a-nasa-scientist.html
「おかげで、パーサヴィアランスを含むマーズ2020ミッション(the Mars 2020 mission)で運ばれた微生物はティースプーン一杯分の海水に含まれている微生物の数の1/10にもならないといいます。」
そんなにいるのかあ!?(海水は、微生物だらけだからな)。
「もしも火星で生命がみつかった場合には、地球の生命に由来するものではないと確信をもっていえるそうです。」
逆じゃね?。
パーセベランスは、火星での岩石サンプルの採取に成功した様だが、それが戻ってくる頃には、有人火星探査の議論が再燃するかもしれない。
いるのか、いないのか。
行くのか、行かないのか。
いや、行けるのか、行けないのか、だな。
当面想定される対策は、何らかの遮蔽を施した宇宙船を太陽活動の極大期に飛ばして運を天に任せるということになる。
大規模な太陽フレアが発生し、宇宙船を直撃した時は運が悪かったと諦めるということだ。
2年後に、戻ってきた宇宙船から遺体を回収できれば良し、電装系をやられて宇宙船の制御を失えば、太陽を周る棺桶を作ることになる。
現状において、有人火星探査とはそういう話だ。
運よく戻ってきた宇宙飛行士は、発がんの危険が高まっていて、寿命が縮まっているからな。
逆に、老い先短い高齢の宇宙飛行士を送った方がいいかも知れない(年金支給額も減るし?)。
いずれにしても、タラレバな話で、現状では太陽風を有効に遮る遮蔽も未完成だ。
無重力で起きる視覚障害や、カルシウムの損失の問題は未解決のまま。
(宇宙飛行士の視覚障害の謎解明か、障害は不可避? 長期滞在により眼球が変形、治らないケースも)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/120200462/
「この状態は視覚障害脳圧症候群と呼ばれ、国際宇宙ステーションに長期滞在した宇宙飛行士の約3分の2が患っている。」
「宇宙に数カ月間滞在していた7人の宇宙飛行士では、眼窩の脳脊髄液の量がかなり多くなっていた。そのせいで宇宙飛行士の眼球の後ろにかかる圧力が高くなり、眼球の後ろ側を平たく押しつぶして、視神経の突出も顕著になっていたのだ。」
「現時点では、これを防ぐ方法がない」
やれやれ・・・。
(【宇宙でのヒトの身体の変化3】骨量減少と筋委縮)
https://ablab.space/space-medicine/bone-and-muscle/
「2016年に国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟で、35日間のマウス飼育実験が行われた結果では、やはり劇的なマウスの骨量減少とその骨組織では破骨細胞の増加が確認されました。」
「ビスフォスフォネート剤を毎週服用し、骨と筋肉を刺激する運動を行い、カルシウムやビタミンDをきちんと摂取すれば宇宙飛行中の骨量減少と尿路結石のリスクは軽減できる」(ビスフォスフォネート剤:骨粗鬆症の治療薬。破骨細胞を抑制する働きがあり、骨量増加と骨折発生率低下の効果がある)
おお、多少は希望が持てるか。
「骨量減少に加えて、宇宙滞在では1日1%の筋肉減少が起こります。これらは1〜2週間の場合であり、長期になれば次第に減り方は少なくなりますが、3か月の宇宙滞在では30%もの筋肉減少が報告されています。」
「長期宇宙飛行では、宇宙飛行士は心肺機能と筋力を維持するために、有酸素運動(トレッドミルと自転車エルゴメーター)と筋力トレーニング(改良型抵抗運動機器)を中心に、1日2時間週6回の運動トレーニングを行っています。」
それでも、地球帰還時には、自ら立ち上がることもできないダブルタンク背負った状態(?)になっちまって、45日もリハビリする羽目になる(ISS半年滞在のケースだろう)。
2年も経ったら、地球重力下で呼吸できるかどうかも怪しい(呼吸筋は減少しないかもな)。
まあ、どうでもいいんですが。
有人火星探査には、この他にもクルーの心理的側面の問題があり、研究者の中には、これが最大の問題になると考えている人もいるようだ(未確認)。
人間は、高度な行動制御を行うことができ、惑星探査活動に用いることが出来れば、大きな成果が期待できるだろう。
穴掘りインサイトは、優秀なロボット探査機だが、火星土壌に地熱測定用の5mの穴を掘ることが出来ずに失敗した(その他の観測は続いているようです)。
サンプル採取に苦労しているパーセベランスだって、人間が行けば、岩に穴開けての試料採取なんて、何の問題もないだろう。
問題は、その人間という優秀な探査体を、どうやって送り込むかだな。
生卵のように柔らかく、放射線や無重力が苦手で、長期間狭いところに閉じ込められていると不安定になり、帰ってきてからも長生きしたいなどと贅沢極まりない要求を出す厄介な代物だ(探査機なら、サンプルだけカプセルで戻して、本体は燃え尽きたり宇宙空間に捨ててしまってもいいしな)。
火星で試料採取が終わったら、そこで朽ち果ててもらって、サンプルだけ発射して地球に戻してくれるのが一番だ。
さようなら・・・。
行って帰って来るだけの周回飛行には、おそらく何の意味もないかも知れない(人体への様々な影響などは調べられるでしょうが)。
自己満足だな。
しかし、それは重要な動機かも知れない。
人類として、有人火星探査をしたという満足感は重要だ。
その先に進むための、ステージになる。
行って帰って来るだけならできたぞと。
金さえかければ、いつでもできるぞと。
有人月面探査が途切れて半世紀近く経つ(1972年12月)。
再開はされる様だが、有人火星の場合は途切れたら再開は無理だろうな。
そのためにも、何のための有人探査なのかということを、あらかじめ明確にしておかないとな。
自己満足でもいいけどな・・・。
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