🐼メキシコへの道:第2章:筋肉の記憶 ― 2021年12月13日 16:45
メキシコへの道:第2章:筋肉の記憶
ダイビングの指導団体は何処でも(少なくとも浮沈子が関わっているところは全て)、ダイビングのスキルを繰り返し練習させ、ほとんど無意識のうちに行えるようになるまで上達することを求めている。
P社の場合は、マスタリーとかいってるようだ。
それでも、初心者のうちは、マスククリアーとか上手くいかなくて、気になって仕方なかったりするけどな・・・。
今日は、来春のメキシコ行きの準備として、NSSのカバーンダイビングマニュアルを読み始める(もう、1か月くらい前に貰ってたんだがな)。
とにかく、字面を追うだけでも大変だ。
老眼鏡や虫眼鏡のお世話になりながら、何度も投げ出し、その都度拾っては読み進めることを繰り返している。
そもそも、NSSなんてのは聞いたこともない。
(アメリカ洞窟学会)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B4%9E%E7%AA%9F%E5%AD%A6%E4%BC%9A
「アメリカ洞窟学会(アメリカどうくつがっかい、National Speleological Society, 略称:NSS)は、アメリカ合衆国における、洞窟の探検、保全、研究を目的とする団体。1941年にワシントンD.C.で設立された。現在はアラバマ州ハンツヴィルに事務局を置く。」
「洞窟潜水を専門とするCave Diving Section(NSS-CDS)をはじめ、(中略)15のSectionがある。」
浮沈子が読んでいるのは、このNSSーCDSで書かれたもので、日本では旧TDIが発行している(2001年とあります)。
で、このセクション(NSS-CDS)のネットのページを気分転換に読んでいたら、こんな記事を見つけた。
(失われた仲間の移転)
https://nsscds.org/safety/relocatinglostbuddy/
「この記事では、安全コーディネーターのジム・ワイアットが、迷子の捜索を行う正しい方法をレビューします。」
ロストバディ・・・。
嫌な言葉だ。
正直な話、浮沈子にも何度か経験がある。
もちろん、洞窟じゃないけど。
浮沈子は、TDIカバーンダイバーのカードホルダーだけど、バディの捜索についてのちゃんとした知識はない。
この話は、浮沈子に恐怖と緊張と不安を与える。
その中で、気になる話が出てきた。
少し長いが引用する。
「洞窟のインストラクターは、洞窟のダイビング中に利用されるさまざまなスキルの筋肉の記憶を洞窟の学生に発達させて、タスクの負荷を減らすように努めています。特定のスキルの筋肉の記憶が発達するにつれて、タスクの負荷が減少し、意識が高まります。」
「確立された筋肉の記憶は無意識のプロセスになります。筋肉は特定の種類の動きに慣れています。これは、スポーツのさまざまな種類のトレーニングで非常に重要です。特定のアクティビティを頻繁に実行するほど、必要に応じて必要なときに実行する可能性が高くなります。」
例として、フットボールのキックの話が出て来るけれど、浮沈子的にはぴんと来ない。
「「私はこのキックをする必要がある」と考える必要はありません。あなたの体はすでにそれを行う方法を知っています」
「同じプロセスは、洞窟ダイビング中、特にリールの展開と巻き取り中にも当てはまります。練習は完璧を作る。」
以降の、洞窟のロストバディの話は割愛する。
で、ここで重要なのは、「筋肉の記憶」を発達させて、無意識のプロセスを拡大し、意識の負荷を軽減して、その分を他に振り向けて、ロストラインなどのリスクを減らそうという点だ。
ここでは、具体な例として、ロストバディなどの対応の際に使うことになるラインワークに、平素から習熟しておく必要性を訴えている。
「洞窟ダイバーには、筋肉の記憶を鮮明に保つために、安全リールとプライマリリールを定期的に配置する練習をすることをお勧めします。安全リールが必要な場合、感情が高揚する可能性が高く、十分な練習と筋肉の記憶がないと、リールをいじって役に立たないか、さらに悪いことに危険になる可能性があることを忘れないでください。」
インシデントが生じた際に使用するアイテムは、平時から使い込んでいないと、いざという時に正しく使えないからな。
例としては、消防訓練とか避難訓練が挙げられるし、救命措置(CPRやAEDの使用)なども、日頃から訓練を繰り返して慌てずに行えるようにしておく必要がある。
筋肉の記憶(muscle memory)というと、フィットネス業界で使われる同じマッスルメモリーという言葉があって、筋トレで鍛えた筋肉が、間を空けてもトレーニングの再開で増強することを意味する場合もあるようだ。
もちろん、ここで使われているのは別の意味であることに注意だな。
ここでいう筋肉の記憶とは、いわゆる「身体で覚える」ことなわけだ。
浮沈子のようにもうろくし、さっき食べた食事のメニューを思い出すのに苦労するようになっても(幸い、まだ、食べたこと自体は覚えています)、繰り返し身体を動かして覚えたことは忘れない。
メキシコに8日間行っていても、帰りの成田からの自動車は運転できるし、その間乗らなかった自転車をこいで、コンビニに買い物に行くこともできる。
もちろん、プライマリーリールやセーフティーリール(スプール)の巻き取り、繰り出しに、同程度に習熟しているわけではない。
プラクティス、プラクティス、プラクティス・・・。
筋肉が覚えるまで、無意識のうちにできるようになるまで、繰り返し行うしかない。
同じ「教育」のカテゴリーには、残念な結果になった洞窟事故の話も出ている。
(アメリカの悲劇)
https://nsscds.org/category-news/anamericantragedy/
「2013年のクリスマスの日、フロリダ州ヘルナンド郡のイーグルスネスト洞窟への計画が不十分なダイビング遠征に乗り出し、父と息子が命を落としました。32歳の父と彼の15歳の息子は、非常に高度な技術的な洞窟システムと見なされるものに挑戦し、それは彼らの両方の命を奪いました。」(随分若い父親だな・・・。)
この手の話は、どうも苦手だな。
結果が最悪というのについていけないのだ。
しかし、この記事は、その最悪の結果を無駄にしない取り組みを提案している。
「では、誰のせいですか?ここで誰が責任を負っていますか?」
「私たちは、洞窟ダイバーとしてではなく、社会として、私たち全員に責任があることを提案します。」
でっかく出たな・・・。
「会員全員が事故防止に参加し、積極的に取り組むことを奨励し、挑戦します。」
「私たちには、彼らのやり方の誤りについて彼らを教育しようとする倫理的および道徳的責任があります。」
まあ、具体には、家族のことを思い出させたりして、ヤバい行為を止めろと言っているわけだ。
家族やダイビングショップにチクることも推奨している。
「次に事故が起こるのを待っているのを見たときは、積極的に行動し、「正しい」ことをしてください。」
米国は、自己中心的で放任主義で他人のトラブルは見てみぬふりをすると思ってたんだがな。
そりゃあ、誰だって、自分のテリトリーで死亡事故なんて起こされたくはないだろうし、万が一そんなことになれば、警察などの要請を受けて、場合によっては遺体の回収に行かなくてはならないかもしれないわけだから、必ずしも自己中心的でないわけではないかもしれないけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
命の危険が伴う娯楽だからな。
洞窟潜水なんて、その最たるものの一つだ。
先月行ったメキシコで、半日ダイブ(カンクン沖の水中美術館)で潜った時に、同じボートに乗り合わせた女性のガイドさんがエキジットしてきて一番に口にしたセリフが忘れられない・・・。
「エブリバディ、ライフ!」(みんな、生きて帰ってきたわ!)
やれやれ・・・。
体験ダイビングのお客さんと、そのほか3人引き連れていたけどな。
まあいい。
状況によっては、穏やかな浅い海(ボトム10m以下です)でのファンダイブも命懸けになるわけだな。
さて、今日の座学はこれくらいにして、筋肉記憶を働かせながら(自転車こいで)夕飯の調達でもしてこようかな・・・。
ダイビングの指導団体は何処でも(少なくとも浮沈子が関わっているところは全て)、ダイビングのスキルを繰り返し練習させ、ほとんど無意識のうちに行えるようになるまで上達することを求めている。
P社の場合は、マスタリーとかいってるようだ。
それでも、初心者のうちは、マスククリアーとか上手くいかなくて、気になって仕方なかったりするけどな・・・。
今日は、来春のメキシコ行きの準備として、NSSのカバーンダイビングマニュアルを読み始める(もう、1か月くらい前に貰ってたんだがな)。
とにかく、字面を追うだけでも大変だ。
老眼鏡や虫眼鏡のお世話になりながら、何度も投げ出し、その都度拾っては読み進めることを繰り返している。
そもそも、NSSなんてのは聞いたこともない。
(アメリカ洞窟学会)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B4%9E%E7%AA%9F%E5%AD%A6%E4%BC%9A
「アメリカ洞窟学会(アメリカどうくつがっかい、National Speleological Society, 略称:NSS)は、アメリカ合衆国における、洞窟の探検、保全、研究を目的とする団体。1941年にワシントンD.C.で設立された。現在はアラバマ州ハンツヴィルに事務局を置く。」
「洞窟潜水を専門とするCave Diving Section(NSS-CDS)をはじめ、(中略)15のSectionがある。」
浮沈子が読んでいるのは、このNSSーCDSで書かれたもので、日本では旧TDIが発行している(2001年とあります)。
で、このセクション(NSS-CDS)のネットのページを気分転換に読んでいたら、こんな記事を見つけた。
(失われた仲間の移転)
https://nsscds.org/safety/relocatinglostbuddy/
「この記事では、安全コーディネーターのジム・ワイアットが、迷子の捜索を行う正しい方法をレビューします。」
ロストバディ・・・。
嫌な言葉だ。
正直な話、浮沈子にも何度か経験がある。
もちろん、洞窟じゃないけど。
浮沈子は、TDIカバーンダイバーのカードホルダーだけど、バディの捜索についてのちゃんとした知識はない。
この話は、浮沈子に恐怖と緊張と不安を与える。
その中で、気になる話が出てきた。
少し長いが引用する。
「洞窟のインストラクターは、洞窟のダイビング中に利用されるさまざまなスキルの筋肉の記憶を洞窟の学生に発達させて、タスクの負荷を減らすように努めています。特定のスキルの筋肉の記憶が発達するにつれて、タスクの負荷が減少し、意識が高まります。」
「確立された筋肉の記憶は無意識のプロセスになります。筋肉は特定の種類の動きに慣れています。これは、スポーツのさまざまな種類のトレーニングで非常に重要です。特定のアクティビティを頻繁に実行するほど、必要に応じて必要なときに実行する可能性が高くなります。」
例として、フットボールのキックの話が出て来るけれど、浮沈子的にはぴんと来ない。
「「私はこのキックをする必要がある」と考える必要はありません。あなたの体はすでにそれを行う方法を知っています」
「同じプロセスは、洞窟ダイビング中、特にリールの展開と巻き取り中にも当てはまります。練習は完璧を作る。」
以降の、洞窟のロストバディの話は割愛する。
で、ここで重要なのは、「筋肉の記憶」を発達させて、無意識のプロセスを拡大し、意識の負荷を軽減して、その分を他に振り向けて、ロストラインなどのリスクを減らそうという点だ。
ここでは、具体な例として、ロストバディなどの対応の際に使うことになるラインワークに、平素から習熟しておく必要性を訴えている。
「洞窟ダイバーには、筋肉の記憶を鮮明に保つために、安全リールとプライマリリールを定期的に配置する練習をすることをお勧めします。安全リールが必要な場合、感情が高揚する可能性が高く、十分な練習と筋肉の記憶がないと、リールをいじって役に立たないか、さらに悪いことに危険になる可能性があることを忘れないでください。」
インシデントが生じた際に使用するアイテムは、平時から使い込んでいないと、いざという時に正しく使えないからな。
例としては、消防訓練とか避難訓練が挙げられるし、救命措置(CPRやAEDの使用)なども、日頃から訓練を繰り返して慌てずに行えるようにしておく必要がある。
筋肉の記憶(muscle memory)というと、フィットネス業界で使われる同じマッスルメモリーという言葉があって、筋トレで鍛えた筋肉が、間を空けてもトレーニングの再開で増強することを意味する場合もあるようだ。
もちろん、ここで使われているのは別の意味であることに注意だな。
ここでいう筋肉の記憶とは、いわゆる「身体で覚える」ことなわけだ。
浮沈子のようにもうろくし、さっき食べた食事のメニューを思い出すのに苦労するようになっても(幸い、まだ、食べたこと自体は覚えています)、繰り返し身体を動かして覚えたことは忘れない。
メキシコに8日間行っていても、帰りの成田からの自動車は運転できるし、その間乗らなかった自転車をこいで、コンビニに買い物に行くこともできる。
もちろん、プライマリーリールやセーフティーリール(スプール)の巻き取り、繰り出しに、同程度に習熟しているわけではない。
プラクティス、プラクティス、プラクティス・・・。
筋肉が覚えるまで、無意識のうちにできるようになるまで、繰り返し行うしかない。
同じ「教育」のカテゴリーには、残念な結果になった洞窟事故の話も出ている。
(アメリカの悲劇)
https://nsscds.org/category-news/anamericantragedy/
「2013年のクリスマスの日、フロリダ州ヘルナンド郡のイーグルスネスト洞窟への計画が不十分なダイビング遠征に乗り出し、父と息子が命を落としました。32歳の父と彼の15歳の息子は、非常に高度な技術的な洞窟システムと見なされるものに挑戦し、それは彼らの両方の命を奪いました。」(随分若い父親だな・・・。)
この手の話は、どうも苦手だな。
結果が最悪というのについていけないのだ。
しかし、この記事は、その最悪の結果を無駄にしない取り組みを提案している。
「では、誰のせいですか?ここで誰が責任を負っていますか?」
「私たちは、洞窟ダイバーとしてではなく、社会として、私たち全員に責任があることを提案します。」
でっかく出たな・・・。
「会員全員が事故防止に参加し、積極的に取り組むことを奨励し、挑戦します。」
「私たちには、彼らのやり方の誤りについて彼らを教育しようとする倫理的および道徳的責任があります。」
まあ、具体には、家族のことを思い出させたりして、ヤバい行為を止めろと言っているわけだ。
家族やダイビングショップにチクることも推奨している。
「次に事故が起こるのを待っているのを見たときは、積極的に行動し、「正しい」ことをしてください。」
米国は、自己中心的で放任主義で他人のトラブルは見てみぬふりをすると思ってたんだがな。
そりゃあ、誰だって、自分のテリトリーで死亡事故なんて起こされたくはないだろうし、万が一そんなことになれば、警察などの要請を受けて、場合によっては遺体の回収に行かなくてはならないかもしれないわけだから、必ずしも自己中心的でないわけではないかもしれないけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
命の危険が伴う娯楽だからな。
洞窟潜水なんて、その最たるものの一つだ。
先月行ったメキシコで、半日ダイブ(カンクン沖の水中美術館)で潜った時に、同じボートに乗り合わせた女性のガイドさんがエキジットしてきて一番に口にしたセリフが忘れられない・・・。
「エブリバディ、ライフ!」(みんな、生きて帰ってきたわ!)
やれやれ・・・。
体験ダイビングのお客さんと、そのほか3人引き連れていたけどな。
まあいい。
状況によっては、穏やかな浅い海(ボトム10m以下です)でのファンダイブも命懸けになるわけだな。
さて、今日の座学はこれくらいにして、筋肉記憶を働かせながら(自転車こいで)夕飯の調達でもしてこようかな・・・。
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