🐼ウクライナ降伏不可避:核兵器使用2022年03月17日 01:14

ウクライナ降伏不可避:核兵器使用
ウクライナ降伏不可避:核兵器使用


(核戦争の恐怖が迫っても世界はゼレンスキーを支持し続けることができるのだろうか)
https://news.yahoo.co.jp/articles/77a9349e2a6491763c584735c1effc2ea9f905d6

「ウクライナ側は士気の高さと各国からの支援で持ちこたえている。」

「NATOは飛行禁止空域の設定を拒否したし、米国はポーランドの戦闘機供与の提案を拒否した。」

「NATOの参戦はすなわち第3次世界大戦開戦であり、その先には世界核戦争の恐怖が待っている。」

記事の筆者はフジテレビの解説委員ということだから、プロのジャーナリストだ。

妄想に駆られて与太ブログを書き散らしている浮沈子とは異なる。

核戦争のリスクについても、専門家の分析に基づく話で、妄想などではない。

「「核を落とす場所」はウクライナ国内の軍事拠点や産業集積地、大西洋上、ポーランドの支援基地などが考えられ、ロシアが打った場合、米国も一発だけ打ち返すのではないか」

うーん、具体過ぎる話だ。

「広島、長崎への原爆以来、78年目にして人類史上3度目の核使用が現実的になっている。しかも米露双方が打ち合う。」

「プーチンとの対話を続けるマクロンの憔悴ぶりから見て「核を使うな」という説得はうまくいっているようには思えない。」

核兵器の使用というのは、なんかこう、終末論的な話としてとらえられがちだ。

記事でも、そんな話をしている。

「プーチンの指が核のボタンにかかっている以上、世界中の政治家たちはどんなことをしても核戦争を止めなければならない。それはゼレンスキーも同じだ。核で世界がすべて滅びれば、正義も名誉もまたすべてなくなってしまうのだ。」

ロジカルに考えれば、プーチンが核を使うという脅しを掛けているなら、ゼレンスキーはさっさと降伏すべきという主張にも聞こえる(たぶん)。

核兵器に対するタブー感には温度差がある。

とにかく、絶対ダメという話は綺麗だけれど、数万発の核兵器が世界中に拡散している現状を考えれば、現実的な話ではない。

我が国周辺にも、ロシア、中国、北朝鮮、米国をはじめとして、ゴロゴロしているしな。

米国って、遠いと思っているかもしれないけど、グアムに配備されていることは間違いないだろう。

爆撃機なら、2時間くらいの距離だ。

ひょっとしたら、嘉手納にもあるかもしれないしな。

核兵器自体も、ICBMに搭載して都市丸ごと吹っ飛ばす戦略核兵器と、デイジーカッター(巨大通常爆弾)より、破壊力自体は小さい戦術核とは、兵器としては全く異なる。

いい意味でも悪い意味でも核アレルギーが強い我が国とは異なり、ロシアとか米国とかでは、核兵器の使用に対する敷居は低い気がする。

米国は、既に使っちまってるし、そのことを国家として是認しているしな。

ロシアは、数的には米国より持っていると言われているけど、戦争で使ったことはない。

プーチンは、使いたくてうずうずしているに違いないのだ(そうなのかあ?)。

早く、核使用国になって、歴史に名を刻みたい(そんなあ!)。

マクロンがプーチンを説得しようとしている話が本当かどうかは知らない。

NATOとして、加盟国に対して使われれば、応戦せざるを得なくなる。

使うなら、ウクライナだけにしてくれと、懇願しているのかも知れない。

西側にとって、ウクライナの降伏は、ウクライナの敗北であって西側の敗北ではない。

軍事援助は限定的だし、経済的にもどれ程効果があるかは分からない。

浮沈子などは、どーせ降伏するなら早い方がいいとさえ思っている。

攻撃しているロシアも、防戦しているウクライナも、そして巻き込まれている多くの市民も、被害が少なくて済む。

核兵器だけではなく、化学兵器の使用も懸念されているしな。

非通常兵器による大量殺戮が行われる前に、何らかの形で停戦に持ち込み、後は政治的にあれこれして、落しどころを探るべきだろう。

既に多くの犠牲が出ているにしても、これから先の桁違いの犠牲を防ぐことには繋がる。

正義の戦争継続ではなく、不正義の平和を早期に求めるべきだ。

それは、この記事で言われているような、全面核戦争による人類の滅亡とは関係ない。

人間が人間を暴力によって殺すという、日常的に受け入れ難い話だけで十分だ。

通常兵器だけならいいということでもない。

第二次世界大戦では、数千万の人々が通常兵器で命を落としている(核兵器による死者は数十万人)。

まあ、数の問題じゃないけど。

確認しておこう。

プーチンは、核兵器を使う腹でいる。

戦術上必要なら、躊躇うことなく使うだろう。

化学兵器なども同様だ。

人道上許されないとか、国際条約で禁じられているとかは関係ない。

少なくとも、現在の侵略戦争(特殊軍事作戦でもいいんですが)をおっぱじめることだって、その意味では非人道的違法行為だからな。

プーチンにとって、そんなものには何の意味もない。

人道は蹂躙されるためにあり、法は破られるためにある。

が、まあ、そう言ってしまえば身も蓋もない。

国際社会が連携して、この戦争を終結させるために全力を尽くすことは重要だ。

中国もインドも、北朝鮮やシリアさえも、その義務は負っている。

偽旗作戦が展開されつつある中、化学兵器の使用はスケジュールに乗っているだろう。

マクロンの説得(本当にしているかどうかは知りません)が失敗に終われば、少なくとも戦術核兵器がウクライナ国内で使用されることになる。

ウクライナ降伏不可避。

今や正義のヒーローとなったゼレンスキーは、我が国に対しても援助を求めてきている。

国会でも演説したいそうだ(議場には映像設備とかないそうだけど、どーするんだろうな:スマホで見るのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

米国は、追加支援を行うようだし、来週24日には大統領がブリュッセルに行くらしい(公式には、日程は未定と発表されている)。

今のところ、米国はウクライナに対する支援のバルブを閉める気配はない。

つーことは、戦争はしばらく続くということになる。

戦況を睨みながら、終結のタイミングを見計らっているんだろう。

逆説的だが、ロシアが非通常兵器(核兵器含む)を使用しだせば、結果的に戦争終結は早まるかも知れない。

そう、米国は同じ論理で我が国に核兵器を投下したわけだからな。

反吐が出そうなほど嫌な話だが、米国からしたら、マクロンは余計なことしてると思ってるに違いない。

まあ、フランスが米国と異なる行動に走ることは、いつものパターンだからな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(米、ウクライナに対戦車ミサイル「ジャベリン」2千発など追加提供へ)
https://www.asahi.com/articles/ASQ3K135XQ3JUHBI068.html

「追加で提供される軍事装備品は携帯型地対空ミサイル「スティンガー」800発、対戦車ミサイル「ジャベリン」2千発など。ドローンも提供」

「ゼレンスキー氏は米議会での演説で、地対空ミサイル「S300」の提供を求め、戦闘機の重要性も強調した。記者団から、旧ソ連製のミグ29戦闘機の提供の可能性を問われたバイデン氏は「いまはそれについてコメントしない」とだけ答えた。」

防御兵器も限定的、ロシアの尻尾を踏んずけないようにと細心の注意を払っている。

「米国と同盟国、友好国はウクライナへの武器支援を増やすことに取り組んでいる」

口ではそう言っているけど、ウクライナを中立化したり非武装化しようとしているロシアに反発しているゼレンスキーを満足させることはない。

外交交渉では、NATO非加盟のまま、米英が安全保障を提供するという微妙なスキームを提案しているようだ。

ソ連崩壊の時にウクライナが核兵器を放棄した際、米国は同じようなことを言ってだまくらかしたからな。

簡単に受け入れ可能な話ではないだろう。

そもそも、そんな条件をロシアが飲むはずもない。

米英がウクライナと軍事同盟を結ぶということは、ロシアとの直接対決を意味することになる。

最も避けたいパターンの一つに当たるわけだ。

停戦交渉は難航するだろう。

支援は続くだろうが、ウクライナ軍の疲弊は止まらないに違いない。

全世界が注視する中、正義無き力の前に、力無き正義が屈するわけだ。

プーチンは、費やした経費に見合った分け前を要求している。

中立化と言ったって、ロシア軍の一定の駐留は求めるだろう。

寝返ったりしないように、国内政治への積極的な干渉も続けるに違いない。

それって、全然中立じゃないけどな。

イヤなら、戦争を続けるだけだ。

ゼレンスキーが音を上げ、米国がバルブを閉めるまで戦うだけだ。

既に、ロシアは長期戦を覚悟している。

短期決戦には失敗したが、今後10年以上に渡る泥沼の長期戦で敗れるわけではない。

コストはいやがうえにも高くつく。

当然見返りの値段はつり上がっていくことだろう。

ウクライナにぺんぺん草が生えなくなるまで。

浮沈子は、別のことも考えているけど、それは稿を改めて書くことにする。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナ戦争:ロシアは戦術核兵器を使用できますか?)
https://www.bbc.com/news/world-60664169

ウクライナにおける戦術核使用に関するBBCのごく一般的な解説記事。

「ロシアは約2,000発の戦術核兵器を保有していると考えられています。」

ウィキにも、同様の記述がある。

(戦術核兵器)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E8%A1%93%E6%A0%B8%E5%85%B5%E5%99%A8

「21世紀に入り、戦術核兵器の保有数は減少してきており、2018年1月頃では米国は約150発、ロシアは約1,830発の戦術核弾頭を保有しているとされる。」

なお、定義としては、射程距離500km以内の短距離であれば、爆発威力は問わないようだ。

「米ソ間の核軍縮協定などでは射距離500km以下のものが戦術核兵器であると定義されている。」

BBCの記事の中でも、ロシアが戦術核の使用を躊躇わないのではないかと考えている専門家の意見が紹介されている。

「彼らはそれがこの大きな核のしきい値を超えているとは思わないかもしれない。彼らはそれを彼らの通常の力の一部として見ることができた」

中国は、現在核の先制不使用を宣言していると言われているが、それを額面通りに受け取ることはできない。

「ロシアは中国の支援に大きく依存しているが、中国には「核の先制不使用」の核の教義がある。したがって、プーチンがそれらを使用した場合、中国が彼を支持することは非常に難しいだろう。彼がそれらを使用した場合、彼はおそらく中国を失うだろう。 」

浮沈子的には同意しかねる。

戦局が膠着状態となり、通常兵器による打開が困難、もしくは非通常兵器の使用によって短期の決着を図ることが出来ると判断されれば、プーチンは核兵器の使用に踏み切ると見るのが自然だ(その是非は別です)。

戦術核兵器が、ウクライナの中だけで使われるという保証もない。

そりゃあ、ポーランドの西側軍事援助の拠点で使用したりすれば、NATOを相手にすることになるわけだから、核兵器の使用というより、NATOとの全面対決を避ける観点からの躊躇はあるかも知れないけど。

それでも、例えばウクライナ空軍が国内の飛行場から飛び立てなくなり、制空権を失うような事態になり、戦闘機がポーランドから飛び立つような事態になれば、飛び道具を使って1発くらいお見舞いする可能性はないとは言えない。

責任は西側にある!、とか言ってな。

武器の提供なら良くて、空港の提供がダメという仕切りがあるのかどうかは知らない。

「ロシアの核活動を監視するための広範な情報収集マシンがあります。たとえば、戦術核兵器が保管場所から移動されているかどうか、発射場所での行動に変化があるかどうかなどです。」

「これまでのところ、彼らは大きな変化は見られなかったと言っています。」

1発の戦術核を発射するのに、大きな変化はいらないだろう。

ロシアだってバカじゃないから、核兵器の使用が持つ意味は理解している。

最も効果的なタイミングで、最も効果的な場所で使う。

100発も200発も使うことはないだろう。

「核のしきい値を超えたら、明らかな停止点はありません」

そうだろうか?。

専門家の多くは、一度核兵器が使われたら、世界大戦が起こるというが、浮沈子はそうは思わない。

欧州に落とされた戦術核1発で、米国が全面核戦争の引き金を引くだろうか?。

確かに米国はかつては核兵器を通常兵器の延長として考え、引き金に何度も指を掛けている。

「アメリカの国際政治学者ジョセフ・ナイによると、1950年代半ばまで戦術核兵器は通常兵器の延長と見なされていた。」

「アメリカ軍部などは、フランス軍が危機に陥ったディエンビエンフーの戦いや台湾海峡の金門島危機で核使用を進言したが、ドワイト・D・アイゼンハワー大統領が拒否。」

「その後の時間経過とともに、戦術核を含めて「核兵器不使用の規範」が成立したと述べている。」

まあ、不使用の規範については、怪しいけどな。

(B61核爆弾)
https://en.wikipedia.org/wiki/B61_nuclear_bomb

「2020年現在、12回目の変更が行われています。」(重さは324kg)

「F-35を購入するNATO諸国はそれを利用することができます。」

モード12の実戦配備が行われているかどうかは知らない。

しかし、西側が、いつでも使える核兵器を実戦配備していることは確かだ。

この爆弾は、威力を調整することが出来るため、限定的な目標に対して、通常爆弾のように使用することが出来る。

核使用の敷居は、技術の進歩によって、確実に下がってきている。

ロシアがNATO域内で使えば、お返しに1発、最も効果的な軍事目標に投下する可能性は高い。

そこまでエスカレートしなければ、この侵略戦争の終結が見えないとしたら悲劇だ。

戦後世代で非国民な浮沈子は、平均的日本人よりも核アレルギーが小さいかも知れないが、それでも、米国に核兵器を投下された国に生まれ育った事実は噛み締めている。

いつの日か、我が国が核兵器を所有することになれば、米国は過去の悪事に怯えることになるだろう(そういうことかあ?)。

まあいい。

ロシアの戦術核兵器の実態については知らない。

戦場で実際に使用した際の影響についても評価できない。

だが、それが使われることはないと、楽観的に構えることもできない。

使われて、その先どうなるかについては、様々な意見があるようだ。

しかし、第三次世界大戦が始まり、人類が滅亡するなどという思考停止に陥ってはなるまい。

限定核戦争は起こる(下手すれば、今週中かあ?)。

その可能性を見つめ、考え、選択する必要はあるに違いない。

そんな事態を望んでいるわけではないけどな・・・。

🐼H3の設計変更はあるのか:延期の影響懸念2022年03月17日 03:35

H3の設計変更はあるのか:延期の影響懸念
H3の設計変更はあるのか:延期の影響懸念


(H3ロケットに設計変更検討の要請 文科相、明かす)
https://www.sankei.com/article/20220315-6ZUQXGZMTVMRLGHMFLSZJSLJEI/

「政策委の議論を踏まえて開発に取り組んでいく」

文科相のコメントは初めてなんだろうが、設計変更の要請が出ていることは10日ほど前に報じられている。

(新型ロケット、設計変更検討を
H3、政府委員がJAXAに)
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/34533

「ずるずると遅れれば衛星打ち上げの顧客が逃げる」

「既に抜本的な対策を講じていないといけない時期だ。これ以上の遅れは影響が大きい」

「芋づる式で新しい課題が出てくるという不安が拭えない」

ちょっと、焦りのようなものが感じられる。

「宇宙政策委の松井孝典委員長代理(千葉工業大学長)は、24年度にH3で打ち上げる火星衛星探査計画「MMX」が遅延することを懸念する。世界で初めて火星圏から試料を29年度に持ち帰る予定だが、30年代初頭を目指す米国や中国の探査機に先を越されかねない。」

政策的な遅延や、商業顧客獲得に対する影響もさることながら、サイエンスコミュニティからの懸念もあるわけだ。

遅延にまつわる詳細に触れた記事も読んだ。

(H3ロケット再延期の真相
主エンジン「LE-9」が抱える振動問題)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nmc/18/00015/00050/

高出力化にとっては素性が悪いエキスパンダー・ブリード・サイクルエンジンを、世界に先駆けて高出力化しようという野心的プロジェクトが、何故頓挫しているのかを分かりやすく解説している。

「JAXAがその可能性を危惧していることは、新たな打ち上げ時期を示していない点からもうかがえる。過去、旧宇宙開発事業団(NASDA)時代を含めてJAXAは6機種の大型液体ロケットを開発し、打ち上げてきた。」

・1975年(運用開始:以下同じ):N-I(NASDA)
・1981年:N-II(NASDA)
・1986年:H-I(NASDA)
・1994年:H-II(NASDA)
・2001年:H-IIA(NASDA)
・2022?:H-3(JAXA:2003年10月改組)

ちなみに、記事には液体ロケットとあるが、液体「燃料」ロケットが正しい。

「この中ではH-IIロケットは当初予定より2年、H-IIAロケットは1年の延期を余儀なくされた。しかし、これらはすべて1年単位の延期で、過去に期間不定の延期は例がない。」

今回の遅延の原因は、LEー9エンジンの開発で、設計変更というのは、その出力を所期の目標である150トンから落として、90トンとか、その辺りに留めるということだろう(どの程度に出力目標を落とすかについての具体的な情報はない)。

もちろん、仮に90トンとした場合、その出力では、固体燃料ブースターを使用しなければ打ち上げを行うことはできず、抜本的なコスト削減の目標は達成できない。

「H3は、十分な打ち上げ能力や計画が遅れた場合のバックアップの余裕を計画段階で作り込んでいる。H3初号機打ち上げ後に、H-IIAと並行して運用する期間を設定しているおかげで、H3の運用開始が大きく遅れる場合は、H-IIAを追加発注して運用期間を延ばす手が使えるのだ。また、H3初号機のペイロード(積載物)は、LE-9の性能を落としても打ち上げられる規模に抑えてある。」

実際問題としては、遅れに対してはH-2Aで対応することになるんだろう。

記事の中にもあるけれど、エンジンの出力を落として構成を変える(4基掛けとか5基掛けにする)ということは、ロケット本体や制御システムの変更も伴うことになるからな。

そう簡単ではない。

JAXAとしては、ステークホルダーの意向に配慮しつつ、今のところは当初出力での完成を目指していくということなんだろう(未確認)。

設計変更の可能性を直ちに否定しないのは、浮沈子が見るところ、リップサービスのような気がする(軽くいなしてる程度かあ?)。

外野のいちゃもんに、いちいち取り合ってられっかよ!。

まあ、どうでもいいんですが。

ターボポンプの振動対策に伴う部分的な設計変更はありうる。

つーか、モグラ叩きのように、こっちを潰せばあっちで振動、あっちを潰せばこっちで振動という状況は避けたいからな。

そのための解析情報を得る、ユニークな歪みセンサーも持っている。

タービンブレードが固い素材で作られており、そのため加工に時間が掛かることから、開発プロセスがある程度長期化するのは想定の範囲内だが、ここを乗り切らなくてはゴールにたどり着くことはできない。

頂上前の胸突き八丁というところか。

開発チームの突破力が試されていると言えよう。

仮に、所期出力での開発に成功して、液体燃料エンジン3基構成で飛ばせたとしても、せいぜいロシアのソユーズロケット程度のコスパに過ぎないから、S社のファルコン9と対等に渡り合うわけにはいかない。

どーせ、重工が商売で儲けるわけにいかないのなら、ここは焦らず、じっくりと完成させる方がいいような気がする。

そのための、H2Aとの併用運用期間だからな。

基幹ロケットであるH3は、少なくとも2030年代に渡って使い続けられることになる。

出足での躓きは痛いところだが、慌てる必要はないのではないか。

高出力化が難しい原理のエンジンであること、それを達成するために、困難にぶつかるであろうことは想定されていたわけだし。

解決の目途が全く立っていないわけではないだろうし、もしそうなら、しらみつぶしの問題解決を図る以前に、技術的判断で舵を切っているに違いない(たぶん)。

技術(と職人技?)の結晶であったLE-7A(二段燃焼サイクル)を捨てて選択したエンジンだからな。

シンプルで低コストの生産が可能であること、原理的に安全な点(不具合が起こっても、暴走して爆発するリスクが小さい)が評価されて選択されたわけだ。

それだけに、逆に高出力化は難しい。

世界で、どこの国も、それに取り組まなかったのには、それなりの理由があるのだ。

しかも、今後、更なる高出力化に対応することはできないだろうし。

素性が悪い・・・。

さらに、今後開発が進められるであろう再使用ロケットへの適応性も怪しい(熱交換を効率的にするために、燃焼室の壁は限界まで薄くなっている:繰り返し使用に伴う耐久性とか、大丈夫なのかあ?)。

再使用なら、高くつく製造コストや仕組みの複雑さというネガがあっても、耐久性や高出力化が容易であることの方がメリットがある気がするんだがな(コスト高は、再使用することで吸収可能だ)。

まあいい。

H3ロケットは使い捨てだ。

もちろん、LE-9エンジンも、2分程度で仕事を終える。

当面、使い捨てエンジンとしての性能をキッチリ出すことが出来ればそれでいい。

エンジンの燃焼に伴う振動という話なら、アポロのサターンロケットの1段目に使用されたF-1エンジンにも出た。

開発段階でのデッドエンドになる可能性もあった。

解決策には、アッと驚く。

(F-1ロケットエンジン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-1%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

「7年間にわたる開発期間中には、燃焼の不安定性に起因する問題が何度も起こり、それはしばしば大事故にまで発展した。これらの問題は予想もしなかった時に突然発生するため、最初のうちは対策は遅々として進まなかった。4 kHzの振動と24 kHzの高調波が確認された。」

「技術者たちは最後の手段として、稼働中の燃焼室の中で小さな爆発(彼らは『爆弾』と呼び、RDX、C4または黒色火薬が使用された)を発生させる手法を編み出した。」

「これにより圧力変化に対し、運転中のチャンバーの挙動と振動の無効化が正確に決められる事となった。また、不規則な燃焼に対応するための様々な形式の同心円状のインジェクター(燃料噴射機)を試験することが可能になった。これらの問題に1959年から1961年にかけて取り組んだ結果、最終的にエンジンの燃焼はきわめて安定するようになり、人為的に不安定を誘導した場合でも1/10秒以内で減衰するようになった。」

もう、半世紀以上も前の話だからな。

21世紀には、もちっとマシな解決方法があるに違ない(振動が発生しているのは、そもそも燃焼室じゃなくてタービンの方だしな)。

問題の解決には、湯水のように金をつぎ込んでいたアポロの時代でも、足掛け3年も掛かっていることに注目だな。

当時の開発プレッシャーは、ソ連との宇宙開発競争のさ中、現在とは比べ物にならないほどだったに違いない。

文科省を含めたステークホルダーは、ここは、ぢっと我慢のしどころだろう。

解決を焦って、タービン内で爆発でもさせて、ロケットごと吹っ飛んじまったら、元も子もないからな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

書いてから読み返したら、余りにまともなブログでつまらないことに気付いた(それが問題なのかあ?)。

ちょっと気になることもあるしな・・・。

設計変更に伴って、1段目のメインエンジンの出力が下がって、H2Aみたいに、固体燃料ブースターなしでは飛び上がれなくなれば、全ての打ち上げで石播(正確には、子会社であるIHIエアロスペース:元は日産の一部門を、日産の外資化に伴って石播が抱えた)が商売できることになる。

現在、開発のネックになっているタービンポンプは、石播本体の仕事だ。

うーん、重工(三菱重工)にだけうまい汁を吸わせてなるものかと考えたのではないか(テキトーです)。

このままの状況では、開発遅れの責任は石播ということになり、イメージ的にも好ましくないしな。

おい、ちょっと政府委員会のメンバーに発言させて、メインエンジンの出力下げさせて来い・・・。

泥沼化しかねないタービンの問題と、固体燃料ブースター商売を解決する一石二鳥のアイデアだな(そうなのかあ?)。

イプシロンで食いつないでいるとはいえ、固体燃料ロケットには明るい未来が見えないからな。

我が国が、大陸間弾道弾でも開発することになれば別だが、当面、そういう需要は期待できない。

基幹ロケットの打ち上げの度に商売ができる道筋をつけることは、石播にとっても悪い話じゃない。

液体燃料エンジンだけ(H3-30構成)で打ち上げられるようになっちまったら、商売あがったりなわけだ。

おい、なんとかしろ・・・。

タービンブレードの素材の加工に時間を掛け、開発の遅延を引き伸ばし、設計変更の機運を醸成してメインエンジンの出力を下げることが出来れば、八方丸く収まる(そうなのかあ?)。

だって、開発の遅延は最小限で解消され、MMXは予定通り飛び、どーせ儲からないに決まっている重工の顧客獲得は予定通り進むだろうしな。

政治的に避けたい政策の遅延だって解消される。

業界筋には、そもそもタービンの開発は、当初から困難が予想されていたというまことしやかな情報を流せば、宇宙ネタが日照り状況のライターどもが喜んで書いてくれるに違いない・・・。

妄想は果てしなく広がり、やっと浮沈子の与太ブログらしくなってきたな。

現場で必死こいて開発に当たっている技術者をはじめ、関係者の方々には、本当に心ないことを書いてしまっていると、深く反省している(ホントかあ?)。

それでなくても、我が国の宇宙開発予算は少なく、その中でもロケット開発に投じられる金額は、ほんの一部に過ぎない。

米国などに比べたら、雀の涙ほどもないかも知れない。

軍需と結び付けることが難しい分野でもあるしな。

ミサイルでも開発して、ロシアにでも輸出すれば、今なら大儲けできるかもしれないけどな(支払いがルーブルだから、紙切れにしかならないだろうけど)。

まあ、どうでもいいんですが。

優秀な石播のことだから、タービンの振動問題は、早晩解決されるに違いない。

運用回転域での周波数の変動に伴う振動回避については、多種多様の製品開発の中で、これまでにも経験を積んできているだろうしな。

総力を挙げて取り組んでいるに違いない。

そこで蓄積されたノウハウは、今後のロケット開発に確実に生かされることになるだろう。

まあ、エレクトロンみたいに、電池でモーター回して加給するようになれば話は別だけどな・・・。

🐼ISS墜落不可避!?:経済制裁の有効性とISSへの影響2022年03月17日 14:43

ISS墜落不可避!?:経済制裁の有効性とISSへの影響
ISS墜落不可避!?:経済制裁の有効性とISSへの影響


(いいえ、ロシアはアメリカの宇宙飛行士を宇宙に置き去りにすることを脅かしていません)
https://arstechnica.com/science/2022/03/after-two-weeks-of-war-the-international-space-station-flies-on/

「もちろん、ISSパートナーシップのステータスは変更される可能性があります。それはすぐにそうすることができます。ロシアはウクライナで恐ろしいことをしている、そして西側世界は厳しい制裁で応えてきた。ウラジーミル・プチンがロシアの国際宇宙ステーションへの参加を終了することを決定するかどうかは、誰も本当に知りません。確かに、彼が宇宙でNASA宇宙飛行士を座礁させているように国内の聴衆に見せることは、彼を一部のロシア人に「強く」見えるようにするかもしれません。」

「ISSパートナーシップのトラブルへの第一歩は、おそらくロシアが米国からの将来のミッションのために訓練している宇宙飛行士を呼び戻すか、NASAがモスクワのフライトコントローラーとスターシティの宇宙飛行士を呼び戻すことを伴うでしょう。それは起こっていません。」

エリックバーガーも、いつそれが起こるかひやひやしながら記事を書いているに違いない。

今のところ、ロスコスモス総帥のドミトリーロゴージンのトンデモ発言以外に、その兆候はない。

非常にセンシティブな協力を必要とするISSの共同運行は、一朝一夕に崩すことはできないのだ。

それは、双方(我が国や欧州を含む西側とロシア)にとって、回復することが出来ない痛手となる。

ロゴージンが指摘するように、仮にISSが落下するとしても、ロシアの領土内に落ちる懸念は少ない。

ちなみに、ISSの軌道傾斜角は51.6度だが、ウラジオストクなどはそれよりも南だ。

(ウラジオストク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AF

「座標 : 北緯43度7分 東経131度55分」

ISSの運行上、当面の懸念は軌道高度を維持するためのリブーストだと言われている。

現在、主にプログレス補給船の噴射によって行われているが、その作業を代替する方法は確立されていない(ズヴェズダでも行えるようです)。

米国には、建設当初、ズヴェズダの配備が遅れた場合に代替する予定だったユニットがないわけではないけれど、恒久的に使用するには向かないかもしれない。

(暫定制御モジュール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%AB%E5%AE%9A%E5%88%B6%E5%BE%A1%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB

「「ズヴェズダ」(サービスモジュール) の推進系と同等の能力を与えることで、ザーリャの寿命を延ばすことを目的として準備されていた。」

「暫定制御モジュール (ICM) はスペースシャトルで打ち上げて、ザーリャに取り付けられた後、1年から3年間運用するのに必要な燃料を供給することになっていた。」

「ICMは、現在はワシントンD.C.にあるNRLのペイロード組立施設で、将来のISSミッションで必要になった時のために保管されている。NRLでは、ICMの代替利用法についての検討も行っている。」

シグナス補給船が、そのロケットエンジンを噴射することによってリブーストすることが期待されているし、既に2018年に試験も行っている(現在接続中の補給船も行う予定)。

だが、今のところ、運用が確立しているのはロシアユニットを用いたリブーストだけだ。

欧州補給機が現役のころは、それを用いることも出来たかもしれないが(未確認)、すでに引退している。

我が国の補給機であるこうのとりは、こういう肝心の時にはクソの役にも立たない(そんなあ!)。

まだ、1度たりともISSに到達したことがないボーイングのスターライナーは、サービスモジュールの底部にロケットを持っていることから、やってできないことはないかも知れないけれど、それこそ、未だに運用前の開発段階だしな。

当該ロケットの燃料配管内のチタンバルブが酸化剤と反応して、地上で吹っ飛んだ実績(!?)があるドラゴン宇宙船(補給船も似たような構造)については、宇宙船のメインエンジンが斜めに噴射することから、リブーストに使うことが出来るかどうかが検討されていると言われている。

ロシアモジュールの一部は、意外にも米国資産だ。

ザリア(夜明け):米国資産
ズベズダ(星):ロシア資産
Poisk(検索):?
ラスベット(日の出、夜明け):?
ナウカ(科学):ロシア資産
プリチャル(バース):ロシア資産

政治的混乱で費用が捻出できなかった時代だから、米国が経済支援を行って建設をサポートしたわけだ。

ウクライナ侵攻に伴う経済制裁で、これからも、たとえ(万が一)ロシアが協力したくても、出来なくなる状況が生まれる可能性は高い。

経済制裁の一方で、NASAがロスコスモスに経済支援を行うという、マッチポンプな状況が生まれる可能性さえある(議会がそんな予算を認めるかどうか)。

ISSの構成は、ロシアモジュール群が米国モジュール群に依存している割合が高い。

電力も、姿勢制御も、環境維持も、何もかも(ズヴェズダのElektron酸素発生システムは、故障修理不能になり2020年10月に機能を停止している:ボロボロだな)。

切り離して運用するためには、相互に依存している要素を洗い出し、分析した後に検証を経て確実に行うことが求められる。

そういう根気のいる作業に、撤退するロシアが協力的かどうかは推して知るべしだろう(ウォッカ飲まずにやってくれるのかあ?)。

経済制裁が本当に効果を発揮しているなら、ISSへの影響は不可避だ。

そうでないなら、米国の主導する経済制裁なんて、カッコだけに過ぎない。

現に、金になるアンタレスのエンジンの売却や、ギアナでのソユーズ宇宙船の打ち上げ(アリアンスペースによる)、カザフスタン(バイコヌール)からの同様の打ち上げについては、ロシア側から切ってきたからな。

実際、そんなもんで、ちまちま稼がなくても不自由はないのだ。

本当に、西側の経済制裁がロシアのみぞおちにドスンと影響を与えるなら、ISSからのロシア撤退は不可避だ。

切り離しの作業は行わず(それだって、コスト係るからな)、そのまま放置されることになるだろう。

米国は、その管理も行わなければならない(空気漏れもしてるしなあ・・・)。

プログレスは、もう飛ばないだろうから、ロシアモジュールへの燃料補給はできないしな。

アンタレスロケットも飛ばなくなるし、開発が遅れているブルーオリジンのBEー4エンジンは、一向に完成する様子はないし・・・。

このまま行けば、予定されているスターライナーの打ち上げのうち、何回かはキャンセルされることになるだろう。

いや、もう飛ばないかも・・・。

米国メディアは、ISSへの影響に対して楽観的な見通しばかり書いているが、浮沈子が見るところ、決してそんなことはない。

最悪、リブーストできずに、今年中に落下する可能性も否定できない。

米国主導の西側経済制裁が効果的であればあるほど、その可能性は高まる。

そんな事態を回避する唯一確実な方法は、ロシアの侵略戦争を容認して、経済制裁を撤回し、疲弊したロシアの宇宙産業を支えるために、西側からの経済援助を強化することだ(そうなのかあ?)。

ありえねー・・・。

ISS落下不可避!?。

ウクライナの緯度は、北緯44度から52度だ(南北約900km)。

万が一の時でも、間違えて、その辺に落とさないように気をつけないとな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシアの軍事侵攻により欧州宇宙機関の火星探査ミッション「エクソマーズ」が停止、ロシアに代わるパートナーの検討も)
https://gigazine.net/news/20220318-esa-suspends-exomars-cut-russia/

「ESA評議会は3月16日~17日にパリで開催した会合において、満場一致で「2022年のエクソマーズローバーミッションでロスコスモスと継続的に協力することは不可能」と決定し、打ち上げを停止することを発表しました。」

ESAは、自分から切ったわけだ(ロシア側からの撤退表明があったかどうかは不明)。

「かつて資金的な問題からエクソマーズから撤退したNASAと再び協力する可能性もあるそうです。アッシュバッハー氏は「NASAとの協力は私たちが検討する選択肢の1つです。NASAは私たちを支援する非常に強い意欲を見せています」と述べています。」

欧州のロシア離れは、既に宇宙開発にも及んでいる。

ISSの運行が、ロシアの協力なくして円滑に進まない以上、直ちに大きな影響を受けることはないとしても、それは時間の問題だろう。

商売としてのロスコスモスの判断と、国家の宇宙機関としての決定には差があるのかも知れないけど、ロシアでは、その違いはよく分からないからな。

「2010年(原題: 2010: The Year We Make Contact)」(1984年制作)という懐かしい映画があって、当時のソ連と米国の対立が、有人木星探査に影響を与える筋書きだった。

(2010年 (映画))
https://ja.wikipedia.org/wiki/2010%E5%B9%B4_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

「緊張状態にあったアメリカとソ連が遂に実質的な戦争状態に突入。この事態を受けて、アメリカ側の乗組員はディスカバリー号に乗り移る事を余儀なくされる。」

2022年になっても、人類は地球低軌道でうろうろしているだけだが、ウクライナ侵攻でこんな事態になるとは、想像もしていなかったに違いない。

「新たな恒星「ルシファー」の奇跡的な出現とメッセージによって、米ソは第三次世界大戦を回避して平和的な解決へ導かれる。」

現実の世界では、木星が恒星になることはないし、少なくとも現段階で米ロが直接軍事対決しているわけでもない。

空想のおとぎ話のようなわけではないにしても、地上の対立が宇宙活動に影響を与えるという認識は似ている。

世界の指導者がともに宇宙に出かけるようになれば、地上の戦争は無くなるという話もあるけど、浮沈子はそうは思わない。

逆に、地上の対立を宇宙に持ち込み、より先鋭化するのではないか。

既に、宇宙空間では、軍事対立が日常化しているからな。

しかし、例えば、衛星からの画像でロシアの兵力やウクライナ侵攻の様子が詳細に伝えられるなど、新たな局面も展開している。

スターリンクがウクライナに端末(アンテナ)を送ったという話もあるしな。

(衛星インターネット「Starlink」のアプリ、ウクライナで10万DL記録)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8cb0fbc1cc78d5a1a03088c2b66192b0e6a61153

「ウクライナでスターリンクが利用可能になったのは、ロシアからの侵攻の数日後」

ISSだけではなく、宇宙とウクライナ紛争は深くかかわっているようだ。

ちなみに、イーロンマスクはウクライナを賭けてプーチンに決闘を申し込んだらしいが、応じるとは思えないな・・・。

<さらに追加:2022年3月25日>ーーーーーーーーーー

(法的に、ロシアは宇宙ステーションを持って帰ることはできません)
https://arstechnica.com/science/2022/03/heres-why-russia-probably-wont-break-the-space-station-partnership/

「この記事では、技術的、法的、政治的という3つの異なる側面からパートナーシップの将来について考察します。」

「国際宇宙ステーションの近い将来についての本当の問題は、ロシアがそれを飛行し続けたいかどうかです。答えは「おそらくそうだ」です。」

技術的にISSをロシアの協力なくして運用し続けることが困難であることは分かっている(やって出来ない事はないかも知れないが、それを検証するためには、ロシアの協力も必要だ)。

また、法的に拘束されていることも明らかだ(記事本文参照)。

「言い換えれば、他のIGA署名者は、ロシアを信頼されるべきではなく、無法者と見なすでしょう。これは、数十年とまではいかなくても、ロシアと西側諸国の間の宇宙でのすべての協力を数年にわたって終わらせる可能性が高い。」

問題は、ロシアが国際的な信頼を失ってもなお、法的義務を果たさない可能性があるということなわけだ。

ひょっとしたら、宇宙開発では協力したいと思っていても、経済制裁が本当に効果的なら、やりたくてもできないことになりかねない点だな。

エリックバーガーも、そのことは分かっている。

「実際には、今後数年間、新しいロシアの宇宙ステーションや深宇宙科学探査ミッションを見るよりも、モスクワで食糧暴動が発生する可能性が高くなります。」

「Roscosmosの4大企業であるRKKEnergia、RSC Progress、Khrunichev Center、およびNPO Energomashは、タンク工場と同じ理由で、長期にわたって生産を続けることができない可能性があります。」

彼自身が、記事の結論とは裏腹に、明確にロシアの宇宙開発の衰退を明確に予想している。

「欧米諸国や企業との積極的な協力や中国の宇宙計画のライフラインがなければ、ロシアは意味のある人間探査計画を行う余裕がないため、今後数年間は宇宙開発国として衰退し続けるでしょう。ロシアはもはや宇宙大国ではなく、世界初のかつての宇宙大国となるでしょう。」

ISS墜落不可避!?。

アキショムのミッションが、数日遅れるという報道が出ていた。

(SpaceXの次のクルードラゴン宇宙飛行士の打ち上げは4月にスリップします)
https://www.teslarati.com/spacex-crew-dragon-launches-delayed-2022/

「NASA、SpaceX、および個人顧客のAxiom Spaceは、同社の今後のクルードラゴンの打ち上げのうち2つをわずかに遅らせることを決定しました。どちらも、現在4月に行われる予定です。」

・3月30日→4月3日:Ax-1
・4月15日→4月19日:クルー4

どちらも僅かで、後者は前者の影響による(必要な間隔を空けるため)。

また、前者についてもC206エンデバーの整備の都合とされている。

今現在、ISS関係のミッションスケジュールがウクライナ問題の影響を受けている兆候はない。

浮沈子は、別にISSが落ちればいいなどと考えているわけではない(ホントかあ?)。

ISSが恙なく飛び続けられることを決めるのは、ロシアではないかもしれないという点を指摘したいだけだ。

西側の経済制裁が功を奏せば、必然的にISSの運行に支障が出てくると見ている。

そうでなければ、経済制裁など絵に描いた餅ということなわけだ。

アウトオブガスダイバーのバルブを握っているのは西側だ。

自分で自分の首を絞めないようにしないとな・・・。