🐱スターライナー:地に足がついた話 ― 2022年08月29日 14:57
スターライナー:地に足がついた話
はじめに断っておく。
この記事は気乗りがしなくて、書きかけのまま3日くらい放置していて、仕方がないから、さっきテキトーに書いてブログ記事にあげた。
どーしても、力が入らないのだ・・・。
(NASA、ボーイングはスターライナー宇宙船での最初の有人飛行の目標を2月に設定)
https://spaceflightnow.com/2022/08/25/nasa-boeing-target-february-for-first-crew-flight-on-starliner-spacecraft/
「NASA とボーイングは、スターライナー商用クルー カプセルの初の有人試験飛行の打ち上げ日を 2 月に設定」
「私たちはすべてのシステム、またはシステムでもう少し作業を行う必要がある領域を調べ、それを計画に組み込みました。それが、約 1 か月または 5 週間ほど私たちを動かした理由です。」
記事では、4つの問題点が指摘されている。
<スラスター系2件>
①20 基の OMAC エンジンのうち 2 基は、打ち上げ直後の探査機の軌道投入燃焼の早い段階で停止
②反応制御システム (RCS) スラスターも、スターライナー宇宙船がステーションとランデブーしている間に機能を停止
<熱制御系1件>
③OFT-2 ミッション中に高いポンプ圧力が検出
<ナビゲーション系1件>
④ランデブー ナビゲーション システムは、OFT-2 のドッキング シーケンス中に予想以上のデータを生成
これらの問題は、まあ、最小限と言えるかもしれない。
一応、原因の究明と対策も取られるようだし。
①推進システムの破片が OMAC エンジンに問題を引き起こした可能性:同様の粒子がないことを確認
②センサーの応答を遅らせる低い入口圧力とマニホールド圧力ダイナミクス:推進システムのタイミングと許容範囲の設定を微調整
③(クーラント)ラインの一部を通る流れが制限されたことが原因:システムには必要ないと判断したフィルターを削除
④フライト コンピューターに供給されるデータの増加:フライト ソフトウェアの負荷を更新
越年は必至と思っていたけど、2月というのは浮沈子が思ったより早いな(どーせ、ずれ込むと思うけど)。
「この作業はすべてスケジュールに組み込まれており、2 月のタイムフレームでの開始準備日を決定しました」
「更新されたソフトウェアの改訂、ミッション計画、および乗組員のトレーニングも順調に進んでおり、2 月の打ち上げ日に間に合うように完了する」
そう願いたいものだ。
コンサバで無理のない計画。
何か、革新的なことが行われるわけではない。
小さな不具合を修正し、本来の機能を発揮させるだけの話だ。
「スターライナー クルーの飛行試験が 2023 年初頭に成功裏に完了したと仮定すると、NASA は 2023 年の秋に 4 人の宇宙飛行士のチームによる最初の6か月のスターライナー クルー ローテーション ミッションを飛行させたいと考えています。」(sick-month→six-month:ミスプリ?)
手堅く、堅実に、ミッションを果たす。
ISSにクルーを送り届ける任務が果たせればいいのだ。
それ以上のことは期待されていない。
クルードラゴンのように、民間人を乗せて物見遊山することは想定の範囲外だ。
打上げにアトラスを使い続けているうちは、コスト的にも引き合わないだろうしな。
スターライナーは、NASAの要求仕様に応じて設計され、その要求を満たすだけの存在だ。
クルードラゴンのように、グラスノーズコーンと交換して物見遊山な遊覧飛行をしたり、出来るかどうかも分からない民間宇宙ステーションに客を運ぶわけじゃない(イラストとかには描いてありますけど)。
打ち上げロケットが全段使い捨てだからな。
仮に、ファルコン9でうち上げたら引き合うんだろうか?。
また、バルカンになったら、そして、BE-4エンジンユニットが回収されるようになったら、コスト的に勝負できるようになるんだろうか?。
その頃(たぶん、2030年代)には、下手したらスターシップが飛んでるかもしれないからな。
そっちとの勝負になるだろうから、話にもならないかもしれない。
NASAがISS飛行の残りの契約を全てクルードラゴンで行うことにした時点で、スターライナーは終わっている。
ウクライナの件がなければ、6回想定されている通常人員輸送契約も、ひょっとしたら解消されていたかもしれない。
やれやれ・・・。
しかし、まあ、SLSに比べれば安い話だ(50億ドルくらい)。
あっちは、コンステレーション計画やらオリオン宇宙船やら地上施設を含めると、500億ドルくらいになるそうだ。
開発も、あっちは12年(まだ無人機の開発中で、任務としては飛んでませんけど:有人ミッションとして飛ぶのは早くても2年後)、こっちは9年だ(まだ無人機の開発中で、任務としては飛んでませんけど:有人試験飛行として飛ぶのは来年2月、有人ミッションとして飛ぶのは早くても来年中:たぶん、ムリポ)。
しかも、SLSの開発は継続中で、2段目の更新やブースターの更新が予定されている。
まだまだ、金も時間もかかる。
まあ、どうでもいいんですが。
スターライナーが、来年中にローテーションに入れるかどうかも分からない。
開発が事実上終了し、後は細かい修正や改良程度になれば、第一級の技術者は配置転換され、人員も態勢も大幅に縮小される。
既に、NASAは内部監査でそのことを指摘しており、その影響がスケジュールに及ぶことを懸念している。
B社は、ひょっとしたらスターライナーで赤字を出しているのかも知れない。
その分は、SLSや軍事産業の方で取り返せばいいんだろうけど、民間航空機部門では、B737MAXやB787で、それどころじゃない赤字を計上しているだろうからな。
開発運用体制の縮小は必至だ。
それで、オンスケジュールでミッション入りできると考える方が無理があるというものだろう。
細かい話をすれば、記事にもいくつか気になる点がある。
「OFT-2 ミッションの 20 基の OMAC エンジンのうち 2 基は、打ち上げ直後の探査機の軌道投入燃焼の早い段階で停止しました。」
「推進システムの破片が OMAC エンジンに問題を引き起こした可能性が高い」
推進システムの「破片」って、いったい何なんだあ?。
「技術者は、クルー フライト テストのために宇宙船を検査し、推進システムに同様の粒子がないことを確認しました。」
ワケワカ・・・。
これはつまり、破片が生じた原因については突き詰められていないということではないのかあ?。
「いくつかの小さな反応制御システム (RCS) スラスターも、スターライナー宇宙船がステーションとランデブーしている間に機能を停止しました。」
「この問題の最も可能性の高い原因は、「センサーの応答を遅らせる低い入口圧力とマニホールド圧力ダイナミクス」に関係している」
「この問題は、推進システムのタイミングと許容範囲の設定を微調整する「非常に小さな変更」を導入することで解決できる」
さて、これらの問題点と解決策が正しいかどうかは保証の限りじゃない。
「RCS と OMAC エンジンは、スターライナーのサービス モジュールに搭載されていましたが、大気圏への再突入時に燃え尽きました。」
証拠は燃え尽き、次回飛ばして見なければ確認はできない。
そもそも、少なくともRCSスラスターについては、前回のOFT-1の時にも稼働していて(稼働し過ぎて燃料食い過ぎて、ミッション継続断念!)テスト済みということじゃなかったのかあ?(<以下追加>参照)。
つーことは、見落としがあったのか、次々と前回はなかった新たな問題が発生しているということなのか。
熱制御の問題にしても、不要なフィルターが多くあって流量抵抗になっていたということは、モジュール設計の本質的な欠陥が露呈したわけで、インテグレーションの段階での管理プロセスが機能していない証拠なわけだ。
同じことは、スターライナーの設計の全てに及んでいるに違いない。
OFT-1の失敗を受けて行われた80項目の改善は非公表だったが、その中には今回の4項目は当然含まれておらず、致命的とは言えないまでも、そのまま放置できない重要項目であることは間違いない。
まあ、クルードラゴンのチタンバルブとどっちがヤバいかということはあるけどな(あっちの方は、何かあれば、ISSごと吹っ飛ばしていたわけだからな)。
ついでに、ナビゲーションシステムのデータオーバーフローが顕在化した点についても一言。
ダッサ!。
B社は、民間航空機部門のコックピットシステムにも、重大な欠陥を抱えているのではないか(そのシステムからスターライナーのグラスコックピットを作ったという話だからな)。
787が迷走を始める前に、そっちの方を先に点検した方がいいのではないか。
スターライナーの問題を見てくると、OFT-1の時からそうなんだが、モジュール化してたこつぼの中でテストして、それで良しとする現代的な設計手法に依存し過ぎている気がする。
分散設計が有効に機能するのは、統合管理が完璧という大前提があるからだ。
各モジュールに対する要件が明確に無駄なく定義され、統合時にもキッチリ管理されている必要がある。
現実世界では、どーせ、そんな理想的なことはできないわけだから、いろいろ糊代を作って適合させるという「無駄」なことをしているわけだけど、それを理想通り(つーか、馬鹿正直に)やっちまってる気がする。
しかも、それを経験(積み重ねたデータ)と勘(合理的な分析)で補うことが出来ない。
それは、とりもなおさず、B社内部での蓄積が途絶え、行き当たりばったりのその場限りの開発に陥ってしまっているからだろう(OFT-1の、あわやサービスモジュール追突事件などは、まさに典型だ)。
その最大の原因は、開発機会の消失にある。
事例として適切かどうかはともかく、ロケットの打ち上げとその効率化という点において、S社は現在、最適のポジションにいる。
(再利用可能な Falcon ロケットの舞台裏を見ると、最大 15 回まで発射できます。)
https://www.elonx.cz/pohled-za-oponu-opakovaneho-pouziti-raket-falcon-ktere-nyni-mohou-startovat-az-patnactkrat/
「私たちの目標は、5 日ごとに、またはそれよりも早く起動できるようにすることです」
「これを達成するために、ロケットのメンテナンス、発射台、着陸チーム、フェアリングなど、プロセスフローのすべての部分を調査し、最適化してスピードアップする方法を探しています。すべてのプロセスを繰り返し改善し、リリースまでの時間を短縮するアプローチをとっています。それが私たちがそれを成し遂げた方法です。」
「すべてのハードウェアで行ったすべてのテストに基づいて、それが続くと確信しています。」
「私たちは祈るだけで12便や13便に行くことはありません」
NASAの有人宇宙飛行の責任者(後任はキャシーリーダース)だったゲルステンマイヤーは、S社に引き抜かれて今や副シャチョーだ。
「12回目と13回目の飛行が近づくにつれて、これらの領域で寿命の低下があるかどうかをより侵襲的に調べます」
「これまでのところ、これらの分野であまり劣化が見られないことにうれしい驚きを感じています」
「したがって、分析は保守的でしたが、私たちは見守っています。」
NASAが使用する機体は新品じゃなきゃダメだって言ってたのは、おまいじゃなかったのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
「3 つのシールがあり、漏れを検出できます。ある時点でこれらのシールの一部を交換する必要があるかもしれませんが、それらすべてに注意を払っています. 私たちがより慎重にしているのは、未知の未知のものです – 分析では大きなマージンがあると示されていますが、運用環境はモデルにあるものとは少し異なり、それについてはわかりません」
「私たちは常にこのようなケースを探しています。」
現実は人間の浅はかな仮定に基づく理想とは異なり、想定外の結果を突きつけることがある。
このことに対して、常に謙虚に向き合い、示されたデータに注意を払い続け、更にはデータに現れない事象が潜んでいるかもしれないと思いを巡らし続ける態度を養うことが必要だ。
なんなら、新たなデータを取得する算段をするのが適切かもしれないしな。
「私たちが行う作業の多くは、検査などの予防的なものです」
「理論的には、学ぶべきことをすべて学んだら、それらを削除することができますが、まだそれに頼る必要はありません。これらのレビューを行う時間があるので、まだプロセスから削除したくありません。」
「私たちがやろうとしているのは、プロセスの最初を変更することです...信頼性の高い製品をすぐに手に入れ、最後に検査を行うことを心配する必要がないようにすることです」
「そのハードウェアを構築するための反復可能で信頼性の高いプロセスがあるため、チェックを削除してもリスクを増大させることはありません」
浮沈子は技術者じゃないので、記述の全てを理解しているわけではない。
ただ、S社のプロセスは、健全で合理的だと感じている。
「私たちは常に学習モードに入っています」
「私たちはハードウェアに耳を傾け、何が起こっているのか、何が変化しているのか、時間を奪っているだけなので削除するのが理にかなっている場所を教えてくれます。それは正しいことです。」
「今では、少なくとも 3 つのエンジンを交換した後にのみ、静的点火を行っています。高圧接続をまとめて、それらがしっかり締まっていることを確認し、すべてが機能することがわかったからです」
「以前の基準では必要だった発射前の準備から約 14 回の静止火花を発射しましたが、それらのミッションの 14 回すべてが最初の試行で離陸しました。」
「静的点火の一部を実際に置き換えるために、シャープ スタート カウントダウンを使用しています」
これらの迅速な検査と確認によって、ファルコン9は高い打ち上げ頻度を達成しつつある。
スペースシャトルは、しかし、そうはならなかった・・・。
「さまざまな理由から、私たちは保守的にならざるを得ず、従来の要件を取り除くことはできませんでした」
「要件を削除しようとしましたが、失敗したか、10 年かかりました。」
浮沈子的には、シャトルが全て有人機であったことが最大の理由かもしれないと思っている。
無人機でトライ出来、更には自社事業であるスターリンクでリスクヘッジできる強みはS社独自のものだ。
「常に空腹であり続ける必要があり、SpaceX が言うように、偏執的であり続け、常に改善の機会を探す必要があります」
「何かを完全に理解していない場合は、オフラインでテストしてリスクを理解し、Starlink ミッションに適用して実際のテスト データを取得し、その知識を他の顧客に適用します」
「パフォーマンスの限界を押し上げると、実際に有人ミッションやその他のミッションの信頼性が向上します。これは、ハードウェアで少し実験することができたからです。」
「ロケットに問題が発生した場合、それは想像力を働かせる機会であり、…起こりうることさえ知らなかった将来の失敗を防ぐことができます」
「最初の問題を解決するだけでなく、まだ発生していない他の 2 つの問題も解決できます。」
転んでも、ただでは起きないということだな。
「自動車業界が何をしているか、どのように高い信頼性を達成しているかに注目することは、私たちにとって大きな利点です。私たちは生産側で自動車業界から何人かの人々を雇い、その経験を生かしました。」
B社は、その意味では民間航空部門も持っているわけだからな。
本質的には有利なんだろうが、それを生かし切れていないんだろう。
打ち上げ毎に回収される1段目があることは、ファルコン9(ヘビーのブースター含む)にとっては極めて有利だが、テレメータで得られたデータの処理についても、活用できるかどうかは再使用の有無に関わりなく、同じ様に管理できるだろう。
が、しかし、B社にとっては、その機会はあまりにも少な過ぎる。
あと、最大でも7回しかスターライナーが飛ぶことはない。
B社は、そもそも、2014年の時点で、スターライナー事業を手掛けるべきじゃなかったんだろうか?。
そうは思わない。
B社がいたからこそ、議会は有人軌道飛行への民間部門の参入に予算を付けたんだろうし、競合するS社にとっても、監督する立場のNASAにとっても、経験値を積む上で大きく貢献してきたに違いないのだ
そのことは、声を大にして言いたい。
スターライナーが、米国の宇宙開発に対して技術的に果たした役割は大きい。
それは、現在のウクライナ情勢の下では、別の意味でも計り知れない価値を生んでいる。
が、まあ、過去形になりつつあるけどな。
有人テストに入る前から、終わりが見えている。
ローテーションに入るのは、早くても2024年だろうし(そうなのかあ?)。
「NASA は 2023 年の秋に 4 人の宇宙飛行士のチームによる最初の運用可能な 6 か月間のスターライナー クルー ローテーション ミッションを飛行させたいと考えています。」(再掲:初出のスペースフライトナウの記事より:以下同じ)
無理無理・・・。
既に書いてきたように、スターライナーでの経験値を積み重ねることが難しいB社は、今回のCFTテストで発生するチョンボの処理に手間取り、打ち上げは延期される公算が高い。
「ベテランの米海軍テスト パイロット、スペース シャトル パイロット、および宇宙ステーションの司令官である NASA の宇宙飛行士ブッチ ウィルモアが、スターライナー クルー フライト テストを指揮します。彼には、元海軍のテスト パイロットでもある NASA の乗組員、スニータ ウィリアムズが加わります。」
フライトクルーは、日程変更に伴い、再度調整されるに違いない(そうなのかあ?)。
(ボーイング有人飛行試験:クルー)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Crewed_Flight_Test#Crew
「ニコール・アウナプ・マンは当初、この任務に割り当てられました。これにより、軌道宇宙船の初の有人飛行で飛行した最初の女性になりましたが、その後、NASAコマーシャルの最初の女性司令官としてSpaceX Crew-5ミッションに再割り当てされました。」
よりにもよって、因縁のライバルであるクルードラゴンに乗せられることになるとはな。
「2018 年 8 月にパイロットとしてミッションに割り当てられたエリック ボーは、健康上の理由により、 2019 年 1 月 22 日にマイケル フィンクに交代しました。」
「ボーイング宇宙飛行士クリス・ファーガソン当初は機長として飛行に割り当てられていましたが、2020 年 10 月 7 日に NASA のバリー ウィルモア宇宙飛行士に交代しました。」
「2022 年 4 月 18 日、NASA は、バリー ウィルモア、マイケル フィンク、スニータ ウィリアムズを含むスターライナーの宇宙飛行士の幹部のうち、このミッションまたは最初の運用中のスターライナー ミッションで飛行するメンバーを確定していないと述べました。」
「2022 年 6 月 16 日、NASA は、この CFT ミッションがウィルモアとウィリアムズで構成される 2 人の飛行試験であることを確認しました。フィンケは現在、予備の宇宙船テスト パイロットとして訓練を受けており、将来のミッションへの割り当ての資格を維持しています。」
ややっこしいので、少し整理しておく。
●ニコール・アウナプ・マン:当初、軌道宇宙船初の女性(予定)→SpaceX Crew-5司令官へ(時期不明)
●エリック ボー:2018 年 8 月にパイロットとして→マイケル フィンクに健康上の理由により交代(2019 年 1 月 22 日):なお、ボーは、フィンクの後任として、宇宙飛行士オフィスの商用クルーのチーフ補佐を務めます。
△マイケル フィンク:パイロット(2019 年 1 月 22 日)→バックアップクルー(2022 年 6 月 16 日)
●クリス・ファーガソン:当初機長→家族の理由でバリー ウィルモアに交代(2020 年 10 月 7 日)
〇バリー ウィルモア:機長
〇スニータ ウィリアムズ:メンバー入り(2022 年 4 月 18 日)→パイロット(2022 年 6 月 16 日):軌道宇宙船初の女性(予定)
△マシュー・ドミニク:クリスファーガソンの後任として、バックアップクルーに加わった。(リストへの記載なし)
浮沈子的に気になったのは、「軌道宇宙船初の女性」というやつなんだが、やっぱ、初物というのは特別なんだろうな。
何が起こるか分からんからな。
男性だってヤバいと思うんだがな。
こっちは、いくらでも代わりがいるんだろうな(そういうことかあ?)。
無事に帰還できるといいな・・・。
「宇宙ステーションへの乗組員の輸送に伴う不測の事態から保護するために、NASA は CFT のドッキング期間を最大 6 か月まで延長し、必要に応じて後で宇宙飛行士を追加する可能性があります。飛行スケジュールは、OFT-2 ミッション レビューの完了後、7 月末に再評価される予定です。」
おっと、CFTのスケジュール発表は1か月近く遅れていたわけだ。
期間は、一応8日間(ウィキでは9日内)ということになっている。
まあ、どうでもいいんですが。
この時期、巷はSLSの打ち上げの話題でもちきりで、誰もCFTの打ち上げ時期なんて気にも留めていないだろう。
もっとも、このタイミングを狙ってリリースしたのかも知れないしな。
目立たないように、ひっそりと。
地に足の着いた堅実な対応と、ジミーな発表。
なんか、ちょっと悲しい気分だ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ボーイング・スターライナー:最初の軌道飛行試験)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Starliner#First_orbital_flight_test
「これにより、姿勢制御スラスターが計画よりも多くの燃料を消費し、国際宇宙ステーションとのドッキングが妨げられました。」
詳細はこっちを参照と書いてある方(https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Orbital_Flight_Test)には、「宇宙船の軌道操縦スラスター (OMT) が誤った軌道に燃えてしまい」とあったので、最初はОMACかと思ったんだが(推力もデカいし)、引用元を当たったら「reaction control thrusters」という記述だったのでRCSの方だと思うんだがな。
(ISSのドッキングを妨げるスターライナーの異常)
https://spacenews.com/starliner-anomaly-to-prevent-iss-docking/
「これにより、宇宙船の反動制御スラスターが不適切なタイミングで正確な位置合わせを維持するために発射され、推進剤が使い果たされました。」
まあ、どっちでもいいんですが。
(CST-100 スターライナー)
https://www.rocket.com/space/human-exploration/cst-100-starliner
「私たちの役割
サービス モジュールの軌道操作および姿勢制御エンジン:各スターライナー サービス モジュールには、軌道操作をサポートするためにそれぞれ 1,500 ポンドの推力を生成する 20 個のエアロジェット ロケットダイン エンジンが装備されます。また、低高度での打ち上げ中止の場合には姿勢制御を提供し、高高度での直接中止機能を提供します。
クルー モジュール リアクション コントロール エンジン: スターライナー クルー モジュールは、12 個のエアロジェット ロケットダイン MR-104J スラスターを使用して、大気圏への再突入時に自身の向きを合わせます。
サービス モジュール リアクション コントロール システム エンジン: スターライナー サービス モジュールに搭載された Aerojet Rocketdyne のリアクション コントロール システム (RCS) エンジンは、それぞれ 100 ポンドの推力を生成し、軌道上での操縦と宇宙ステーションの再ブーストに使用されます。また、高高度での飛行中止の場合には姿勢制御も提供します。各スターライナー サービス モジュールには、28 個の反応制御システム エンジンがあります。
打ち上げ中止エンジン: Aerojet Rocketdyne は、打ち上げまたは上昇に失敗した場合にカプセルとそのサービス モジュールをロケットから分離する 40,000 ポンド推力の打ち上げ中止エンジンを提供しています。各サービス モジュールには、4 つの発射中止エンジンが装備されています。打ち上げが順調に進めば、推進剤はミッションの運用をサポートするために使用されます。
Aerojet Rocketdyne はまた、各スターライナーに 160 個のバルブ、18 個のタンク、および 500 フィートを超えるダクト、ライン、チューブを装備しています。」
ああ、バルブかあ・・・。
そういえば、そんなのもあったなあ(発射台から降ろされて、ドナドナされちゃったヤツ・・・)。
まあいい。
要するに、どっかのスラスターが上手く動かなくなっちまったけど、ОFTー2の時には、他のスラスターでカバーできたから、見た目はバレずに済んだという話なわけだ。
しかも、どっちかはともかくとして、それはОFT-1の時も稼働していて、その時のデータ解析では分からなかったか(現物は燃え尽きちゃうので回収後の確認はできません)、その時は正常に稼働していたけど、今回は上手く動かなかったとかいう話なわけだ。
二度あることは三度ある。
原因究明に対する詰めの甘さ、対応の不徹底さ、見えない瑕疵がどこか他にもあるのではないかという謙虚さに欠ける態度。
民間旅客機を作っている会社にしてはあるまじき姿勢だと感じる。
おっと、有人ロケットも作ってたか(SLS)。
確か、ジェットフォイル(ジェット船)とかもB社の設計だったような・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
気が乗らない記事にしては、いろいろ書いた。
先のない宇宙船の、先のない話だからな。
CFT合わせても、あと7回飛べば終わりだ。
10回は再使用できる設計で、2号機と3号機(カリプソ)を交互に運用することになっているが、再使用限界の半分も使わないでお払い箱になる。
しかも、今後、何か問題が起こっても(トイレの配管が外れるとかあ?)、積極的に対応するかどうかも分からない(まあ、トイレは直すでしょうけど)。
宇宙船を作るのに掛けた手間暇が、B社とS社とでそれほど違うとは思えない。
どちらも、手がけるのは初めてに近く(B社にも、スペースシャトルオービターの開発に携わった人は残ってなかったかもしれないし)、NASAで開発能力がある人材はオリオンに持っていかれているだろうしな。
どこで、これ程の差がついたのかとも思う。
クルードラゴンも順風満帆ではなかった。
パラシュートの問題、パワードランディングを廻る迷走、チタンバルブの問題、座席数の問題、その他にも、様々なトラブルを抱えていたし、再突入時のアブレーションについては、現在も懸案事項の一つだ。
しかし、それらを解決し、フライトアボートテストも行って、有人飛行にこぎつけたわけだからな。
両社とも、もう、同じ宇宙船を作ることは二度とない。
飛行計画に必要な機体は全機製造済みだ。
開発は、事実上終わっている。
あるとしても、マイナートラブル対応程度だな。
出来上がったISSタクシーとして見ても大差はない。
敢えて言えば、運用上、スターライナーは独自の打ち上げ軌道を採る。
そう、スペースシャトルのように、いきなり地球周回軌道には放り込まないのだ。
一度、弾道軌道に入れて、何かあれば(たとえば、エンジンが噴射できなくなったとかいうトラブルでも)、大気の制動によって帰還できる。
そのために、アトラスVはユニークな2基掛けの2段目を使ったN22構成になる。
固体燃料ブースター使ってたりして、そこはちょっと気になるけどな。
弾道軌道に放り込まれて、いろいろテストして、問題ないと分かったら地球周回軌道に宇宙船のエンジン吹かして放り込むわけだ。
その運用手順自体は、浮沈子的には人命尊重に思える。
スペースシャトルで14人の犠牲者を出した教訓を踏まえている。
その割には、プログラムミスで、サービスモジュールが追突するかもしれないなど、トンデモなトラブルを出すけどな。
いい宇宙船が出来上がったんだろうか。
それとも、米国の宇宙産業は、大きな変化を遂げようとしているのか。
その答えは、来年の早ければ2月には出る。
CFTは、無事に上がるだろう。
様々なマイナートラブルは出るだろうし、その対応に時間が掛かって、6か月のローテーション入りは遅れるかもしれないけど、ISSタクシーとして就役するに違いない。
NASAは、結果的に安い買い物をしたかもしれない。
ウクライナ情勢を考えれば、それは確実だ。
少なくとも、ロシアに足元を見られずに済む(リブーストとかありますけど)。
明日、米国は、3機目の宇宙船を手に入れることになる(予定通りうち上げられれば)。
再突入試験しか行っていないオリオンの性能は未知数だ。
地球低軌道用とは異なる、高機能高性能な設計が施され、金の掛け方も半端ではない(200億ドル以上:クルードラゴンとスターライナーの合計の2倍以上)。
こっちは、SLSと異なり、スクラッチから作っているからな(ESAが手掛けたサービスモジュールは、欧州補給機(ATV)からの流用品だけど)。
多少高くついても、諦めがつくだろう。
50億ドルと言われるスターライナーの本当の開発費が、いくらだったかは知らない。
その中には、もちろん、アトラスV N22仕様の開発経費も含まれている(上昇途中で投棄される、ダサい空力スカートとか)。
どーせ、先がないなら、ファルコン9で上げてもらった方がコスト削減につながるのではないか(スターライナーは、もともとそういう設計になっているようです)。
空力的な適合とか、一からやり直しになるかも知れないけどな。
打上げ軌道とかも、アトラスと同じようなわけにはいかないだろう(未確認)。
結局は、今の姿のまま、コンサバに収まる。
うち上げればうち上げる程、赤字が膨らんでいくに違いない。
B社としては、見たくもないだろう。
スラスターは、本当に直ったのか、打ち上げの度に、どこかが壊れるロシアンルーレット状態のまま、最後まで使い続けられることになるのか(そんなあ!)。
でも、本格的に金つぎ込んで改修するような宇宙船じゃないからな。
6年使ってポイ捨てする。
完全再使用のスターシップが登場するまでの繋ぎだ。
それは、クルードラゴンも同じ。
その頃には、中国の新型カプセル宇宙船も登場しているだろうし、あまり当てにはならないだろうけど、インドの宇宙船も飛び始めているかもしれない。
ロシアは(もし、その頃まで国があれば)、何飛ばしているんだろうな。
やっぱ、ソユーズ(宇宙船)なんだろうな・・・。
はじめに断っておく。
この記事は気乗りがしなくて、書きかけのまま3日くらい放置していて、仕方がないから、さっきテキトーに書いてブログ記事にあげた。
どーしても、力が入らないのだ・・・。
(NASA、ボーイングはスターライナー宇宙船での最初の有人飛行の目標を2月に設定)
https://spaceflightnow.com/2022/08/25/nasa-boeing-target-february-for-first-crew-flight-on-starliner-spacecraft/
「NASA とボーイングは、スターライナー商用クルー カプセルの初の有人試験飛行の打ち上げ日を 2 月に設定」
「私たちはすべてのシステム、またはシステムでもう少し作業を行う必要がある領域を調べ、それを計画に組み込みました。それが、約 1 か月または 5 週間ほど私たちを動かした理由です。」
記事では、4つの問題点が指摘されている。
<スラスター系2件>
①20 基の OMAC エンジンのうち 2 基は、打ち上げ直後の探査機の軌道投入燃焼の早い段階で停止
②反応制御システム (RCS) スラスターも、スターライナー宇宙船がステーションとランデブーしている間に機能を停止
<熱制御系1件>
③OFT-2 ミッション中に高いポンプ圧力が検出
<ナビゲーション系1件>
④ランデブー ナビゲーション システムは、OFT-2 のドッキング シーケンス中に予想以上のデータを生成
これらの問題は、まあ、最小限と言えるかもしれない。
一応、原因の究明と対策も取られるようだし。
①推進システムの破片が OMAC エンジンに問題を引き起こした可能性:同様の粒子がないことを確認
②センサーの応答を遅らせる低い入口圧力とマニホールド圧力ダイナミクス:推進システムのタイミングと許容範囲の設定を微調整
③(クーラント)ラインの一部を通る流れが制限されたことが原因:システムには必要ないと判断したフィルターを削除
④フライト コンピューターに供給されるデータの増加:フライト ソフトウェアの負荷を更新
越年は必至と思っていたけど、2月というのは浮沈子が思ったより早いな(どーせ、ずれ込むと思うけど)。
「この作業はすべてスケジュールに組み込まれており、2 月のタイムフレームでの開始準備日を決定しました」
「更新されたソフトウェアの改訂、ミッション計画、および乗組員のトレーニングも順調に進んでおり、2 月の打ち上げ日に間に合うように完了する」
そう願いたいものだ。
コンサバで無理のない計画。
何か、革新的なことが行われるわけではない。
小さな不具合を修正し、本来の機能を発揮させるだけの話だ。
「スターライナー クルーの飛行試験が 2023 年初頭に成功裏に完了したと仮定すると、NASA は 2023 年の秋に 4 人の宇宙飛行士のチームによる最初の6か月のスターライナー クルー ローテーション ミッションを飛行させたいと考えています。」(sick-month→six-month:ミスプリ?)
手堅く、堅実に、ミッションを果たす。
ISSにクルーを送り届ける任務が果たせればいいのだ。
それ以上のことは期待されていない。
クルードラゴンのように、民間人を乗せて物見遊山することは想定の範囲外だ。
打上げにアトラスを使い続けているうちは、コスト的にも引き合わないだろうしな。
スターライナーは、NASAの要求仕様に応じて設計され、その要求を満たすだけの存在だ。
クルードラゴンのように、グラスノーズコーンと交換して物見遊山な遊覧飛行をしたり、出来るかどうかも分からない民間宇宙ステーションに客を運ぶわけじゃない(イラストとかには描いてありますけど)。
打ち上げロケットが全段使い捨てだからな。
仮に、ファルコン9でうち上げたら引き合うんだろうか?。
また、バルカンになったら、そして、BE-4エンジンユニットが回収されるようになったら、コスト的に勝負できるようになるんだろうか?。
その頃(たぶん、2030年代)には、下手したらスターシップが飛んでるかもしれないからな。
そっちとの勝負になるだろうから、話にもならないかもしれない。
NASAがISS飛行の残りの契約を全てクルードラゴンで行うことにした時点で、スターライナーは終わっている。
ウクライナの件がなければ、6回想定されている通常人員輸送契約も、ひょっとしたら解消されていたかもしれない。
やれやれ・・・。
しかし、まあ、SLSに比べれば安い話だ(50億ドルくらい)。
あっちは、コンステレーション計画やらオリオン宇宙船やら地上施設を含めると、500億ドルくらいになるそうだ。
開発も、あっちは12年(まだ無人機の開発中で、任務としては飛んでませんけど:有人ミッションとして飛ぶのは早くても2年後)、こっちは9年だ(まだ無人機の開発中で、任務としては飛んでませんけど:有人試験飛行として飛ぶのは来年2月、有人ミッションとして飛ぶのは早くても来年中:たぶん、ムリポ)。
しかも、SLSの開発は継続中で、2段目の更新やブースターの更新が予定されている。
まだまだ、金も時間もかかる。
まあ、どうでもいいんですが。
スターライナーが、来年中にローテーションに入れるかどうかも分からない。
開発が事実上終了し、後は細かい修正や改良程度になれば、第一級の技術者は配置転換され、人員も態勢も大幅に縮小される。
既に、NASAは内部監査でそのことを指摘しており、その影響がスケジュールに及ぶことを懸念している。
B社は、ひょっとしたらスターライナーで赤字を出しているのかも知れない。
その分は、SLSや軍事産業の方で取り返せばいいんだろうけど、民間航空機部門では、B737MAXやB787で、それどころじゃない赤字を計上しているだろうからな。
開発運用体制の縮小は必至だ。
それで、オンスケジュールでミッション入りできると考える方が無理があるというものだろう。
細かい話をすれば、記事にもいくつか気になる点がある。
「OFT-2 ミッションの 20 基の OMAC エンジンのうち 2 基は、打ち上げ直後の探査機の軌道投入燃焼の早い段階で停止しました。」
「推進システムの破片が OMAC エンジンに問題を引き起こした可能性が高い」
推進システムの「破片」って、いったい何なんだあ?。
「技術者は、クルー フライト テストのために宇宙船を検査し、推進システムに同様の粒子がないことを確認しました。」
ワケワカ・・・。
これはつまり、破片が生じた原因については突き詰められていないということではないのかあ?。
「いくつかの小さな反応制御システム (RCS) スラスターも、スターライナー宇宙船がステーションとランデブーしている間に機能を停止しました。」
「この問題の最も可能性の高い原因は、「センサーの応答を遅らせる低い入口圧力とマニホールド圧力ダイナミクス」に関係している」
「この問題は、推進システムのタイミングと許容範囲の設定を微調整する「非常に小さな変更」を導入することで解決できる」
さて、これらの問題点と解決策が正しいかどうかは保証の限りじゃない。
「RCS と OMAC エンジンは、スターライナーのサービス モジュールに搭載されていましたが、大気圏への再突入時に燃え尽きました。」
証拠は燃え尽き、次回飛ばして見なければ確認はできない。
そもそも、少なくともRCSスラスターについては、前回のOFT-1の時にも稼働していて(稼働し過ぎて燃料食い過ぎて、ミッション継続断念!)テスト済みということじゃなかったのかあ?(<以下追加>参照)。
つーことは、見落としがあったのか、次々と前回はなかった新たな問題が発生しているということなのか。
熱制御の問題にしても、不要なフィルターが多くあって流量抵抗になっていたということは、モジュール設計の本質的な欠陥が露呈したわけで、インテグレーションの段階での管理プロセスが機能していない証拠なわけだ。
同じことは、スターライナーの設計の全てに及んでいるに違いない。
OFT-1の失敗を受けて行われた80項目の改善は非公表だったが、その中には今回の4項目は当然含まれておらず、致命的とは言えないまでも、そのまま放置できない重要項目であることは間違いない。
まあ、クルードラゴンのチタンバルブとどっちがヤバいかということはあるけどな(あっちの方は、何かあれば、ISSごと吹っ飛ばしていたわけだからな)。
ついでに、ナビゲーションシステムのデータオーバーフローが顕在化した点についても一言。
ダッサ!。
B社は、民間航空機部門のコックピットシステムにも、重大な欠陥を抱えているのではないか(そのシステムからスターライナーのグラスコックピットを作ったという話だからな)。
787が迷走を始める前に、そっちの方を先に点検した方がいいのではないか。
スターライナーの問題を見てくると、OFT-1の時からそうなんだが、モジュール化してたこつぼの中でテストして、それで良しとする現代的な設計手法に依存し過ぎている気がする。
分散設計が有効に機能するのは、統合管理が完璧という大前提があるからだ。
各モジュールに対する要件が明確に無駄なく定義され、統合時にもキッチリ管理されている必要がある。
現実世界では、どーせ、そんな理想的なことはできないわけだから、いろいろ糊代を作って適合させるという「無駄」なことをしているわけだけど、それを理想通り(つーか、馬鹿正直に)やっちまってる気がする。
しかも、それを経験(積み重ねたデータ)と勘(合理的な分析)で補うことが出来ない。
それは、とりもなおさず、B社内部での蓄積が途絶え、行き当たりばったりのその場限りの開発に陥ってしまっているからだろう(OFT-1の、あわやサービスモジュール追突事件などは、まさに典型だ)。
その最大の原因は、開発機会の消失にある。
事例として適切かどうかはともかく、ロケットの打ち上げとその効率化という点において、S社は現在、最適のポジションにいる。
(再利用可能な Falcon ロケットの舞台裏を見ると、最大 15 回まで発射できます。)
https://www.elonx.cz/pohled-za-oponu-opakovaneho-pouziti-raket-falcon-ktere-nyni-mohou-startovat-az-patnactkrat/
「私たちの目標は、5 日ごとに、またはそれよりも早く起動できるようにすることです」
「これを達成するために、ロケットのメンテナンス、発射台、着陸チーム、フェアリングなど、プロセスフローのすべての部分を調査し、最適化してスピードアップする方法を探しています。すべてのプロセスを繰り返し改善し、リリースまでの時間を短縮するアプローチをとっています。それが私たちがそれを成し遂げた方法です。」
「すべてのハードウェアで行ったすべてのテストに基づいて、それが続くと確信しています。」
「私たちは祈るだけで12便や13便に行くことはありません」
NASAの有人宇宙飛行の責任者(後任はキャシーリーダース)だったゲルステンマイヤーは、S社に引き抜かれて今や副シャチョーだ。
「12回目と13回目の飛行が近づくにつれて、これらの領域で寿命の低下があるかどうかをより侵襲的に調べます」
「これまでのところ、これらの分野であまり劣化が見られないことにうれしい驚きを感じています」
「したがって、分析は保守的でしたが、私たちは見守っています。」
NASAが使用する機体は新品じゃなきゃダメだって言ってたのは、おまいじゃなかったのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
「3 つのシールがあり、漏れを検出できます。ある時点でこれらのシールの一部を交換する必要があるかもしれませんが、それらすべてに注意を払っています. 私たちがより慎重にしているのは、未知の未知のものです – 分析では大きなマージンがあると示されていますが、運用環境はモデルにあるものとは少し異なり、それについてはわかりません」
「私たちは常にこのようなケースを探しています。」
現実は人間の浅はかな仮定に基づく理想とは異なり、想定外の結果を突きつけることがある。
このことに対して、常に謙虚に向き合い、示されたデータに注意を払い続け、更にはデータに現れない事象が潜んでいるかもしれないと思いを巡らし続ける態度を養うことが必要だ。
なんなら、新たなデータを取得する算段をするのが適切かもしれないしな。
「私たちが行う作業の多くは、検査などの予防的なものです」
「理論的には、学ぶべきことをすべて学んだら、それらを削除することができますが、まだそれに頼る必要はありません。これらのレビューを行う時間があるので、まだプロセスから削除したくありません。」
「私たちがやろうとしているのは、プロセスの最初を変更することです...信頼性の高い製品をすぐに手に入れ、最後に検査を行うことを心配する必要がないようにすることです」
「そのハードウェアを構築するための反復可能で信頼性の高いプロセスがあるため、チェックを削除してもリスクを増大させることはありません」
浮沈子は技術者じゃないので、記述の全てを理解しているわけではない。
ただ、S社のプロセスは、健全で合理的だと感じている。
「私たちは常に学習モードに入っています」
「私たちはハードウェアに耳を傾け、何が起こっているのか、何が変化しているのか、時間を奪っているだけなので削除するのが理にかなっている場所を教えてくれます。それは正しいことです。」
「今では、少なくとも 3 つのエンジンを交換した後にのみ、静的点火を行っています。高圧接続をまとめて、それらがしっかり締まっていることを確認し、すべてが機能することがわかったからです」
「以前の基準では必要だった発射前の準備から約 14 回の静止火花を発射しましたが、それらのミッションの 14 回すべてが最初の試行で離陸しました。」
「静的点火の一部を実際に置き換えるために、シャープ スタート カウントダウンを使用しています」
これらの迅速な検査と確認によって、ファルコン9は高い打ち上げ頻度を達成しつつある。
スペースシャトルは、しかし、そうはならなかった・・・。
「さまざまな理由から、私たちは保守的にならざるを得ず、従来の要件を取り除くことはできませんでした」
「要件を削除しようとしましたが、失敗したか、10 年かかりました。」
浮沈子的には、シャトルが全て有人機であったことが最大の理由かもしれないと思っている。
無人機でトライ出来、更には自社事業であるスターリンクでリスクヘッジできる強みはS社独自のものだ。
「常に空腹であり続ける必要があり、SpaceX が言うように、偏執的であり続け、常に改善の機会を探す必要があります」
「何かを完全に理解していない場合は、オフラインでテストしてリスクを理解し、Starlink ミッションに適用して実際のテスト データを取得し、その知識を他の顧客に適用します」
「パフォーマンスの限界を押し上げると、実際に有人ミッションやその他のミッションの信頼性が向上します。これは、ハードウェアで少し実験することができたからです。」
「ロケットに問題が発生した場合、それは想像力を働かせる機会であり、…起こりうることさえ知らなかった将来の失敗を防ぐことができます」
「最初の問題を解決するだけでなく、まだ発生していない他の 2 つの問題も解決できます。」
転んでも、ただでは起きないということだな。
「自動車業界が何をしているか、どのように高い信頼性を達成しているかに注目することは、私たちにとって大きな利点です。私たちは生産側で自動車業界から何人かの人々を雇い、その経験を生かしました。」
B社は、その意味では民間航空部門も持っているわけだからな。
本質的には有利なんだろうが、それを生かし切れていないんだろう。
打ち上げ毎に回収される1段目があることは、ファルコン9(ヘビーのブースター含む)にとっては極めて有利だが、テレメータで得られたデータの処理についても、活用できるかどうかは再使用の有無に関わりなく、同じ様に管理できるだろう。
が、しかし、B社にとっては、その機会はあまりにも少な過ぎる。
あと、最大でも7回しかスターライナーが飛ぶことはない。
B社は、そもそも、2014年の時点で、スターライナー事業を手掛けるべきじゃなかったんだろうか?。
そうは思わない。
B社がいたからこそ、議会は有人軌道飛行への民間部門の参入に予算を付けたんだろうし、競合するS社にとっても、監督する立場のNASAにとっても、経験値を積む上で大きく貢献してきたに違いないのだ
そのことは、声を大にして言いたい。
スターライナーが、米国の宇宙開発に対して技術的に果たした役割は大きい。
それは、現在のウクライナ情勢の下では、別の意味でも計り知れない価値を生んでいる。
が、まあ、過去形になりつつあるけどな。
有人テストに入る前から、終わりが見えている。
ローテーションに入るのは、早くても2024年だろうし(そうなのかあ?)。
「NASA は 2023 年の秋に 4 人の宇宙飛行士のチームによる最初の運用可能な 6 か月間のスターライナー クルー ローテーション ミッションを飛行させたいと考えています。」(再掲:初出のスペースフライトナウの記事より:以下同じ)
無理無理・・・。
既に書いてきたように、スターライナーでの経験値を積み重ねることが難しいB社は、今回のCFTテストで発生するチョンボの処理に手間取り、打ち上げは延期される公算が高い。
「ベテランの米海軍テスト パイロット、スペース シャトル パイロット、および宇宙ステーションの司令官である NASA の宇宙飛行士ブッチ ウィルモアが、スターライナー クルー フライト テストを指揮します。彼には、元海軍のテスト パイロットでもある NASA の乗組員、スニータ ウィリアムズが加わります。」
フライトクルーは、日程変更に伴い、再度調整されるに違いない(そうなのかあ?)。
(ボーイング有人飛行試験:クルー)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Crewed_Flight_Test#Crew
「ニコール・アウナプ・マンは当初、この任務に割り当てられました。これにより、軌道宇宙船の初の有人飛行で飛行した最初の女性になりましたが、その後、NASAコマーシャルの最初の女性司令官としてSpaceX Crew-5ミッションに再割り当てされました。」
よりにもよって、因縁のライバルであるクルードラゴンに乗せられることになるとはな。
「2018 年 8 月にパイロットとしてミッションに割り当てられたエリック ボーは、健康上の理由により、 2019 年 1 月 22 日にマイケル フィンクに交代しました。」
「ボーイング宇宙飛行士クリス・ファーガソン当初は機長として飛行に割り当てられていましたが、2020 年 10 月 7 日に NASA のバリー ウィルモア宇宙飛行士に交代しました。」
「2022 年 4 月 18 日、NASA は、バリー ウィルモア、マイケル フィンク、スニータ ウィリアムズを含むスターライナーの宇宙飛行士の幹部のうち、このミッションまたは最初の運用中のスターライナー ミッションで飛行するメンバーを確定していないと述べました。」
「2022 年 6 月 16 日、NASA は、この CFT ミッションがウィルモアとウィリアムズで構成される 2 人の飛行試験であることを確認しました。フィンケは現在、予備の宇宙船テスト パイロットとして訓練を受けており、将来のミッションへの割り当ての資格を維持しています。」
ややっこしいので、少し整理しておく。
●ニコール・アウナプ・マン:当初、軌道宇宙船初の女性(予定)→SpaceX Crew-5司令官へ(時期不明)
●エリック ボー:2018 年 8 月にパイロットとして→マイケル フィンクに健康上の理由により交代(2019 年 1 月 22 日):なお、ボーは、フィンクの後任として、宇宙飛行士オフィスの商用クルーのチーフ補佐を務めます。
△マイケル フィンク:パイロット(2019 年 1 月 22 日)→バックアップクルー(2022 年 6 月 16 日)
●クリス・ファーガソン:当初機長→家族の理由でバリー ウィルモアに交代(2020 年 10 月 7 日)
〇バリー ウィルモア:機長
〇スニータ ウィリアムズ:メンバー入り(2022 年 4 月 18 日)→パイロット(2022 年 6 月 16 日):軌道宇宙船初の女性(予定)
△マシュー・ドミニク:クリスファーガソンの後任として、バックアップクルーに加わった。(リストへの記載なし)
浮沈子的に気になったのは、「軌道宇宙船初の女性」というやつなんだが、やっぱ、初物というのは特別なんだろうな。
何が起こるか分からんからな。
男性だってヤバいと思うんだがな。
こっちは、いくらでも代わりがいるんだろうな(そういうことかあ?)。
無事に帰還できるといいな・・・。
「宇宙ステーションへの乗組員の輸送に伴う不測の事態から保護するために、NASA は CFT のドッキング期間を最大 6 か月まで延長し、必要に応じて後で宇宙飛行士を追加する可能性があります。飛行スケジュールは、OFT-2 ミッション レビューの完了後、7 月末に再評価される予定です。」
おっと、CFTのスケジュール発表は1か月近く遅れていたわけだ。
期間は、一応8日間(ウィキでは9日内)ということになっている。
まあ、どうでもいいんですが。
この時期、巷はSLSの打ち上げの話題でもちきりで、誰もCFTの打ち上げ時期なんて気にも留めていないだろう。
もっとも、このタイミングを狙ってリリースしたのかも知れないしな。
目立たないように、ひっそりと。
地に足の着いた堅実な対応と、ジミーな発表。
なんか、ちょっと悲しい気分だ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ボーイング・スターライナー:最初の軌道飛行試験)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Starliner#First_orbital_flight_test
「これにより、姿勢制御スラスターが計画よりも多くの燃料を消費し、国際宇宙ステーションとのドッキングが妨げられました。」
詳細はこっちを参照と書いてある方(https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_Orbital_Flight_Test)には、「宇宙船の軌道操縦スラスター (OMT) が誤った軌道に燃えてしまい」とあったので、最初はОMACかと思ったんだが(推力もデカいし)、引用元を当たったら「reaction control thrusters」という記述だったのでRCSの方だと思うんだがな。
(ISSのドッキングを妨げるスターライナーの異常)
https://spacenews.com/starliner-anomaly-to-prevent-iss-docking/
「これにより、宇宙船の反動制御スラスターが不適切なタイミングで正確な位置合わせを維持するために発射され、推進剤が使い果たされました。」
まあ、どっちでもいいんですが。
(CST-100 スターライナー)
https://www.rocket.com/space/human-exploration/cst-100-starliner
「私たちの役割
サービス モジュールの軌道操作および姿勢制御エンジン:各スターライナー サービス モジュールには、軌道操作をサポートするためにそれぞれ 1,500 ポンドの推力を生成する 20 個のエアロジェット ロケットダイン エンジンが装備されます。また、低高度での打ち上げ中止の場合には姿勢制御を提供し、高高度での直接中止機能を提供します。
クルー モジュール リアクション コントロール エンジン: スターライナー クルー モジュールは、12 個のエアロジェット ロケットダイン MR-104J スラスターを使用して、大気圏への再突入時に自身の向きを合わせます。
サービス モジュール リアクション コントロール システム エンジン: スターライナー サービス モジュールに搭載された Aerojet Rocketdyne のリアクション コントロール システム (RCS) エンジンは、それぞれ 100 ポンドの推力を生成し、軌道上での操縦と宇宙ステーションの再ブーストに使用されます。また、高高度での飛行中止の場合には姿勢制御も提供します。各スターライナー サービス モジュールには、28 個の反応制御システム エンジンがあります。
打ち上げ中止エンジン: Aerojet Rocketdyne は、打ち上げまたは上昇に失敗した場合にカプセルとそのサービス モジュールをロケットから分離する 40,000 ポンド推力の打ち上げ中止エンジンを提供しています。各サービス モジュールには、4 つの発射中止エンジンが装備されています。打ち上げが順調に進めば、推進剤はミッションの運用をサポートするために使用されます。
Aerojet Rocketdyne はまた、各スターライナーに 160 個のバルブ、18 個のタンク、および 500 フィートを超えるダクト、ライン、チューブを装備しています。」
ああ、バルブかあ・・・。
そういえば、そんなのもあったなあ(発射台から降ろされて、ドナドナされちゃったヤツ・・・)。
まあいい。
要するに、どっかのスラスターが上手く動かなくなっちまったけど、ОFTー2の時には、他のスラスターでカバーできたから、見た目はバレずに済んだという話なわけだ。
しかも、どっちかはともかくとして、それはОFT-1の時も稼働していて、その時のデータ解析では分からなかったか(現物は燃え尽きちゃうので回収後の確認はできません)、その時は正常に稼働していたけど、今回は上手く動かなかったとかいう話なわけだ。
二度あることは三度ある。
原因究明に対する詰めの甘さ、対応の不徹底さ、見えない瑕疵がどこか他にもあるのではないかという謙虚さに欠ける態度。
民間旅客機を作っている会社にしてはあるまじき姿勢だと感じる。
おっと、有人ロケットも作ってたか(SLS)。
確か、ジェットフォイル(ジェット船)とかもB社の設計だったような・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
気が乗らない記事にしては、いろいろ書いた。
先のない宇宙船の、先のない話だからな。
CFT合わせても、あと7回飛べば終わりだ。
10回は再使用できる設計で、2号機と3号機(カリプソ)を交互に運用することになっているが、再使用限界の半分も使わないでお払い箱になる。
しかも、今後、何か問題が起こっても(トイレの配管が外れるとかあ?)、積極的に対応するかどうかも分からない(まあ、トイレは直すでしょうけど)。
宇宙船を作るのに掛けた手間暇が、B社とS社とでそれほど違うとは思えない。
どちらも、手がけるのは初めてに近く(B社にも、スペースシャトルオービターの開発に携わった人は残ってなかったかもしれないし)、NASAで開発能力がある人材はオリオンに持っていかれているだろうしな。
どこで、これ程の差がついたのかとも思う。
クルードラゴンも順風満帆ではなかった。
パラシュートの問題、パワードランディングを廻る迷走、チタンバルブの問題、座席数の問題、その他にも、様々なトラブルを抱えていたし、再突入時のアブレーションについては、現在も懸案事項の一つだ。
しかし、それらを解決し、フライトアボートテストも行って、有人飛行にこぎつけたわけだからな。
両社とも、もう、同じ宇宙船を作ることは二度とない。
飛行計画に必要な機体は全機製造済みだ。
開発は、事実上終わっている。
あるとしても、マイナートラブル対応程度だな。
出来上がったISSタクシーとして見ても大差はない。
敢えて言えば、運用上、スターライナーは独自の打ち上げ軌道を採る。
そう、スペースシャトルのように、いきなり地球周回軌道には放り込まないのだ。
一度、弾道軌道に入れて、何かあれば(たとえば、エンジンが噴射できなくなったとかいうトラブルでも)、大気の制動によって帰還できる。
そのために、アトラスVはユニークな2基掛けの2段目を使ったN22構成になる。
固体燃料ブースター使ってたりして、そこはちょっと気になるけどな。
弾道軌道に放り込まれて、いろいろテストして、問題ないと分かったら地球周回軌道に宇宙船のエンジン吹かして放り込むわけだ。
その運用手順自体は、浮沈子的には人命尊重に思える。
スペースシャトルで14人の犠牲者を出した教訓を踏まえている。
その割には、プログラムミスで、サービスモジュールが追突するかもしれないなど、トンデモなトラブルを出すけどな。
いい宇宙船が出来上がったんだろうか。
それとも、米国の宇宙産業は、大きな変化を遂げようとしているのか。
その答えは、来年の早ければ2月には出る。
CFTは、無事に上がるだろう。
様々なマイナートラブルは出るだろうし、その対応に時間が掛かって、6か月のローテーション入りは遅れるかもしれないけど、ISSタクシーとして就役するに違いない。
NASAは、結果的に安い買い物をしたかもしれない。
ウクライナ情勢を考えれば、それは確実だ。
少なくとも、ロシアに足元を見られずに済む(リブーストとかありますけど)。
明日、米国は、3機目の宇宙船を手に入れることになる(予定通りうち上げられれば)。
再突入試験しか行っていないオリオンの性能は未知数だ。
地球低軌道用とは異なる、高機能高性能な設計が施され、金の掛け方も半端ではない(200億ドル以上:クルードラゴンとスターライナーの合計の2倍以上)。
こっちは、SLSと異なり、スクラッチから作っているからな(ESAが手掛けたサービスモジュールは、欧州補給機(ATV)からの流用品だけど)。
多少高くついても、諦めがつくだろう。
50億ドルと言われるスターライナーの本当の開発費が、いくらだったかは知らない。
その中には、もちろん、アトラスV N22仕様の開発経費も含まれている(上昇途中で投棄される、ダサい空力スカートとか)。
どーせ、先がないなら、ファルコン9で上げてもらった方がコスト削減につながるのではないか(スターライナーは、もともとそういう設計になっているようです)。
空力的な適合とか、一からやり直しになるかも知れないけどな。
打上げ軌道とかも、アトラスと同じようなわけにはいかないだろう(未確認)。
結局は、今の姿のまま、コンサバに収まる。
うち上げればうち上げる程、赤字が膨らんでいくに違いない。
B社としては、見たくもないだろう。
スラスターは、本当に直ったのか、打ち上げの度に、どこかが壊れるロシアンルーレット状態のまま、最後まで使い続けられることになるのか(そんなあ!)。
でも、本格的に金つぎ込んで改修するような宇宙船じゃないからな。
6年使ってポイ捨てする。
完全再使用のスターシップが登場するまでの繋ぎだ。
それは、クルードラゴンも同じ。
その頃には、中国の新型カプセル宇宙船も登場しているだろうし、あまり当てにはならないだろうけど、インドの宇宙船も飛び始めているかもしれない。
ロシアは(もし、その頃まで国があれば)、何飛ばしているんだろうな。
やっぱ、ソユーズ(宇宙船)なんだろうな・・・。
最近のコメント