🐱スターシップ:3分の12022年12月01日 08:54

スターシップ:3分の1
スターシップ:3分の1


(SpaceXは、軌道テストのために巨大なロケットを準備するため、11個のエンジンを起動します)
https://arstechnica.com/science/2022/11/spacex-completes-long-duration-test-fire-of-super-heavy-booster/

「スーパー ヘビー ロケットを約 12 秒間試験発射し、これまでの大型ブースターの最長発射時間になりました。33 台のラプター ロケット エンジンのうち 11 台に点火」

SLSがうち上げられ、スターシップが地上に縛り付けられている今、エリックバーガーは、さながらヒューストンのゼレンスキーだ。

ロシアに攻め込まれて、侵略地を奪還すると息巻いているが、西側の支援がなければ何もできない。

S社がスーパーヘビーブースターの3分の1を、たった12秒燃やしただけで大騒ぎしなければならない。

この件は、スターリンク記事が豊富なテスララティのエリックラルフすら記事に起こしていないからな。

「以前、SpaceX の創設者であるイーロン マスクは、次のステップは、スーパー ヘビーのエンジンのサブセットを約 20 秒間発射して、自生加圧をテストすることであると述べていました。燃料タンクを加圧するこの方法では、ヘリウムなどの個別に充填された不活性ガスではなく、ロケットに搭載されたガスを使用します。」

燃料の押しガスに、燃料自体を使うことが出来れば、余分な仕掛けを省略してシンプルに出来る。

トラブルの要素を減らせるわけだが、そのためには、各種の条件を詰める必要があり、綿密なシミュレーションと繰り返しのテストが必要だ。

主なコストは開発工数(時間)だな。

「スーパー ヘビーの第 1 段に反復的な設計と開発アプローチを採用しているため、そのテスト計画は流動的」

「ロケットの推進システムに燃料を供給し加圧するための複雑な配管の全体に対する信頼を得るために、33 基のラプター エンジンすべてを同時に短時間試験発射することが予想」

上段が組付けられ、完全なウエットドレスリハーサルが行われる前に、スーパーヘビー全ラプター(33基)の同時発射テストが必須だ。

これを通らなければ、21世紀のロケットは飛ばない。

アルテミス3は大幅な遅延に見舞われ、頓挫する可能性もある。

米国の威信は地に落ち、中国の月面着陸を指を咥えて月軌道上から眺めることになる。

そういう目で眺めると、3分の1とはいえ、長秒燃焼に向けた第一歩の今回の発射は、確かなマイルストーンなのかもしれない。

「明らかなことは、火曜日を含む最近のテストが明らかな失敗なしに終了したため、SpaceX が Starship アーキテクチャと連携するためのアプローチを成熟させていることです。」

他に言いようがないともいえる。

ぶっちゃけ、ワケワカなテストが終了しただけの話だ。

同時点火基数は、前回の14基から減少しているしな(これは、テスララティでも記事になっている)。

本当に、成熟させているのかは疑問だ。

もっと、砲弾をよこせ!(同時点火基数を増やせ?)。

まあいい。

「試験飛行が 2023 年初頭にずれ込む可能性が高まっています。」

それどころか、来年飛ぶかどうかも怪しい。

エリックバーガーの気持ちとしては、一気に月軌道までうち上げて、アルテミス1を追い越して帰ってきて欲しい所だろう。

んでもって、やっぱ、SLSは壮大な無駄だったと記事を書きたいに違いないのだ(そうなのかあ?)。

間違ってはいけない。

SLSは、既に20世紀に確立された要素技術(スペースシャトルで飛行済み)を、テキトーに貼り合わせて作られたコンサバな使い捨てロケットだ。

主要要素であるエンジンからスクラッチで作られている、完全再使用を前提とした、工学的に大革命な21世紀のロケットとは異なる。

真空管なエニアックと、最新のスマホくらい違う。

もしも、当初の想定通りの運用が可能になれば、布張りの複葉機がジャンボジェットになったくらいな衝撃が走る。

人類の宇宙開発の歴史は、スターシップ以前と以後とで、完全に分かれる。

スプートニクショックなんてもんじゃない。

つまり、SLSなんかと比較することはできないのだ。

SLSが飛んだからといって、歴史が変わるわけではない。

いつか来た道を、なぞるだけの話だ(そうなのかあ?)。

大冒険だったアポロ計画が、遊園地のジェットコースター位になっただけ(リスクはあるけど楽しめる余裕がある)。

スターシップの運用は、桁違いの効果を産み出すだろう。

SLSの打ち上げ頻度は、おそらく2年に1回程度に落ち着く(たぶん、毎年は飛ばせないだろう)。

スターシップは、100分の1以下の打ち上げコストと完全再使用を武器に、100倍以上の打ち上げ頻度(週に1回以上)を実現する。

地球低軌道だとすれば、年間、5千トン以上のペイロードが打ち上げ可能だ(かなり控えめな数字)。

2030年代は、完全にスターシップの時代だな。

2020年代は、その開発に費やされる。

2段目使い捨てでの打ち上げは、前半にも実現する可能性がある。

開発資金がショートしなければな。

墜落激突爆発炎上木っ端微塵を繰り返しながら、2020年代の後半を過ごし、2030年代にようやく2段目の安定した回収が実現し、貨物輸送については独壇場になるに違いない。

早ければ2030年代半ばに有人化が果たされる。

無敵だ・・・。

大陸間弾道旅客機でも、敵後方に海兵隊を大量投入する兵站でも、何でもござれだ。

しかし、全てはスーパーヘビーのラプターエンジンの全基同時発射テストが終わってからの話になる。

その壁を越えなければ、何も始まらないし、21世紀のロケット革命は露と消える。

再使用ロケットはトレンドとはならず、傍流として消える。

そもそも、多段式ロケットは、物理的に理に適ったシステムで、使い捨てにするのが最も効率がいい。

シンプルで低コストなエンジンを、大量に生産してバンバン打ち上げるのが筋というものだ。

小型ロケットは、完全にその流れの中にある。

中型ロケットは、1段目のパワードランディングを実現したが、今のところ、成功しているのはファルコンシリーズだけだ。

ヘビーリフターで、再使用を目指しているのは、スターシップとニューグレン(2段目も再使用に切り替えたようです)くらいだろう。

どちらも、ロケット工学の夢を担っている。

それが実現する時が、本物の21世紀の到来だと感じる。

今はまだ、20世紀の殻をくっ付けている。

使い捨ての固体燃料ブースター(バルカンの場合)、灯油燃料(あまり再使用向けとは言えない?)、2段目の投棄、再使用のための長期間のメンテナンス、限られた運用回数(ファルコンは暫定的に15回まで)、回収の手間(数百kmのドローン船の往復)、回収エリアの天候管理、エトセエトセ・・・。

11基のエンジンの咆哮は、それらを解消するだろうか?。

軌道上でデポから燃料を補給して深宇宙へ旅立つ構想だから、地球低軌道への打ち上げが、まずはメインになる(まあ、メインはスターリンクでしょうが)。

地球重力という井戸の底から脱出することが主たる任務だ。

ヘビーリフターは、従来、その仕事とそこから先の深宇宙への運搬を1度に行ってきた。

燃料補給とかの概念がなかったからな。

宇宙のコスモステーションを実現したのは、静止軌道上の衛星の燃料補給だ(ISSは、その前から行っていますが)。

宇宙ステーションも、その位置付けて使う構想があったのかも知れない(SFの2001年宇宙の旅では、宇宙ステーション経由で月面基地にいく設定だし)。

月面基地がないからな。

宇宙ステーションにも、ヒルトンのねーちゃんはいないしな。

まあ、どうでもいいんですが。

アルテミスでは、月周回軌道に拠点を作る。

まあ、そんなところにある宇宙ステーションを維持できるのは米国だけだ。

膨大なロジが必要だし、リスクマネージメントも半端ない。

使い捨てのロケット(SLS)だけで運用しようとすれば、莫大な経費が掛かる(=B社が儲かる?)。

つーか、B社が儲けるための仕掛けが月軌道ステーションなわけだ。

が、時代は変わりつつある。

なぜ、月軌道に拠点を置かなければならないのか。

地球低軌道では何故ダメなのか。

アポロの時代に、ISSはなかった。

再使用ロケットであるスペースシャトルはその後の話だし、軌道上給油もない。

一気に月を攻め落とすしかなかった(月軌道で人間とサンプルだけ回収して、着陸船を捨ててくるというアイデアは秀逸だ)。

一寸先は闇の宇宙開発。

11発のラプターの閃光が、その闇を切り裂くかどうかが問題だな・・・。