🐱ウクライナ降伏不可避:正当な犠牲者2022年12月02日 10:37

ウクライナ降伏不可避:正当な犠牲者
ウクライナ降伏不可避:正当な犠牲者


(東部戦線のウクライナ軍、ソ連時代の兵器を21世紀の戦場に導入)
https://www.cnn.co.jp/world/35196778.html

「この場所で実験的に繰り広げられているのは、安上がりにして斬新な21世紀の戦争に他ならない。」

実験的なのかあ?。

翻訳記事なので、原文を当たった。

(ウクライナは 21 世紀の戦場に向けてソ連時代の兵器をどのように革新しているか)
https://edition.cnn.com/2022/11/30/europe/ukraine-battle-bakhmut-deaths-drones-intl/index.html

「これは、わずかな革新的な 21 世紀の戦争の実際の試験場です。」

うーん、日本語記事が、比喩的に用いられている「testing ground」を「この場所で実験的に繰り広げられている」と訳しているのは問題だな(記事の標題も、英文の方が適切な気がする)。

砲撃の観測手段として、安価なドローンを使っているのは実験的ではない。

その誘導によって、実戦でロシア兵を殺害しているからな(しかも、メディアの前で)。

日露戦争では、旅順の攻略に際して203高地を巡って、壮絶な戦闘が繰り広げられた(海軍が旅順港砲撃の観測点を求めたとされている)。

(203高地)
https://ja.wikipedia.org/wiki/203%E9%AB%98%E5%9C%B0

「海抜203メートルであることからこの名が付けられた。」

「1904 - 1905年の日露戦争では、ロシア海軍の基地のあった旅順港を巡る日露による争奪戦の激戦地となった。」

「ほとんどの艦艇は黄海海戦での損傷が直っていなかったことや、要塞防衛戦に搭載火砲や乗員を出していたので戦力としては無力化しており、自沈であったことが戦後の調査で判明している。」

まあ、どうでもいいんですが。

1万人を超える犠牲など払わなくても、安価なドローンで片が付くのは確かに21世紀的だな。

一方で、CNNの映像に出てくる榴弾砲は、実に20世紀的だ。

「ポーランド製の砲弾を搭載しているソビエト時代の大砲」

未確認だがD-30っぽい。

(122mm榴弾砲 2A18 (D-30))
https://en.wikipedia.org/wiki/122_mm_howitzer_2A18_(D-30)

「現在のオペレーター:
・・・
ウクライナ」

「元オペレーター:
・・・
ポーランド- 運用されていません。」(弾薬はきっと余ってるんだろうな:未確認)

「ひもを引くと、凍りついた地面から紅葉が揺れ、砲弾が地平線に向かって笛を吹く。」(CNNの英語記事より:以下同じ:映像では、ストラップを引くのではなくレバー操作に見える。)

日本語記事には書かれていないが、ロシア側では一定の負傷者も許容しているようだ。

「戦闘力の 1% と負傷者の 7% を超えない」

人的損耗に対する戦争当事者の認識は、遠く離れた日本の地で、のほほんと暮らす浮沈子には衝撃的だ。

「彼らの司令官、パブロは、彼らが毎日何十人もの死傷者を数えていると語っています。」

「私たちが抵抗し、ロシア人に私たちの領土を奪われたくないのであれば、戦う必要があります。戦えば犠牲者が出ます。これらの犠牲者は正当であり、避けられません。」

ウクライナ側の戦場での損耗については、厳重な情報統制が敷かれている。

士気を損なうだけではなく、ロシア側に戦術情報を提供されないためだ。

CNNの報道に対してその方針が適用されているとすれば、「in the dozens」という現地指揮官の発言は、参考程度と捉えるべきだろう。

西側の報道がどうあれ、ロシアでカウントされている10万人と同程度の死傷者が出ていると見るのが妥当だ。

べらぼーめ・・・。

20世紀の戦場と、変わらんじゃないか。

米国を初め、西側は武器弾薬を供給し続けることで、死傷者を出し続けている。

自国民を一兵たりとも損なうことなく、代理戦争によって自由と民主主義の宣伝活動(?)を繰り広げているわけだ。

浮沈子は、正義派じゃない。

ウクライナの統治が、どんな勢力によって行われようが、知ったことではない。

このまま戦闘が続けば、ウクライナ側にも膨大な損失が出ることは灯を見るより明らかだ。

「これらの犠牲者は正当」なのかあ?。

ウクライナの地は、ウクライナ人の血で贖われようとしている。

攻め込んだロシアが血を流すのは、やはり、そこが血で贖うにふさわしいと考えているからに相違ない。

現場の指揮官が、そう考えているかどうかは別にしてもな。

双方の流血が際限なく続けば、やがて和平が訪れる(そうなのかあ?)。

しかし、もう沢山だと思わない限り、その日は来ない。

米国は、いくらでも支援し続けると決めているようだ。

浮沈子は、もっと早期にバルブを閉めると思っていたけど、ウクライナが望む限り軍事支援を続ける気だ。

何年でも、何十年でも。

ロシアは、2月の段階で政権の転覆に失敗し、長期戦へシフトしてきた。

戦線の整理、補給線の確保、予備役の動員、インフラへの攻撃、軍需産業の強化(一部、強制労働も?)。

指導者であるプーチンが、ピョートル大帝な妄想で大北部戦争をオマージュしている以上、20年くらいは覚悟しているのだろう。

西側もまた、同じ程度は覚悟しないとな。

エネルギー価格の高騰は避けられないし、世界経済への打撃は大きいが、それは許容しなければならない正当な犠牲だ。

なるべく、数えないようにしないとな。

価格が高くなったとしても、供給が続くことで満足しなければならない。

冬を迎える中、彼の国では電力が途切れがちだと報じられている。

ロシアの攻撃によるインフラ破壊が進めば、ウクライナはますます住みにくくなる。

西側への難民が増えるかもしれない。

既に、1500万人が国境を越えていると言われる(クリミアを除くウクライナの元々の人口は4000万人強:更に600万人以上が、国内難民となっているとの報道もある)。

20年経てば、どうなっていることやら。

西側にとって、ロシアと戦い続けてそれなりの戦果を挙げ続けなければ、宣伝媒体としての価値は無くなる。

負けが込んで来れば、支援し続ける価値も無くなる(そうなのかあ?)。

逆に、勝ち過ぎて、早々に戦闘が終結したり、気が変わって春先に和平が成立してしまえば、それはそれで問題だからな。

この戦争で利益を得ている人々が、そうはさせないに決まっている。

ほら、GLSDBとかもあったじゃないの・・・。

(ウクライナ降伏不可避:春になればGLSDB)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2022/11/29/9544576

「GLSDBは早ければ2023年春に供給される可能性がある。」

現政権も、100日間の冬を耐え凌げば、春が来ると言っているみたいだしな。

自由と民主主義の代償は安くない。

米国の代理として、それを払い続けることが正当だというなら、そうするしかないのだ。

もちろん、自国の領土を守るというのは正当な行為だ。

が、土地が消えてなくなるわけではない。

消えるのは主権であり、支配だ。

代償は、土地のために支払っているのではないからな。

土地が生み出す価値を享受し、自らがそこで生活する権利を守る。

ロシアが支配すれば、それらは損なわれることになるらしい。

シベリア(?)に強制移住させられたり、一家離散になると宣伝されている。

(ロシアがウクライナ住民数万人をシベリアなどへ強制移送か 「収容所」で選別…ソ連時代の抑圧再現?)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/168311

「東部や南部の「占領地」で、住民を拉致しシベリアや極東サハリン島に強制移送している」

「累計で数万人規模に達する可能性」

「住民移送の事実はロシア側も認めている。」

「侵攻前後にシベリアや極東に移送された東部2州の住民は、ロシア政府の公式データだけで約9万5000人に達する」

「現地の人口減への対応策や、労働力の補充の意図」

「南部ヘルソン州でも多数の女性がロシア軍に誘拐されている」

「ロシアでは共産体制下のソ連時代の1930~50年代、政治犯のほかクリミア・タタール人やチェチェン人など反抗的とみなされた少数民族を、シベリアや極東各地に移送し、労働力として使役させた経緯がある。」

スターリン時代の再来だな。

戦闘で死ぬか、シベリアで死ぬか。

(クラスノヤルスク地方)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%9C%B0%E6%96%B9

「スターリンの時代には、多くのロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人などがこの地方に流刑された。」

(クラスノヤルスク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AF

「クラスノヤルスクの人口のうち多くを占めるのはロシア人だが、その他の人口の多い民族にウクライナ人、タタール人、ドイツ人、ベラルーシ人も含まれる。」

みんな、捕虜になって流されてきたんだろう(未確認)。

ウクライナ人にとっては、約束の地だ(そんなあ!)。

21世紀のスターリンは、間違いなく歴史にその名を遺すだろう。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

が、その時期は2月当初に想定したよりも、かなり遅くになりそうだ(回線当時は、遅くとも1か月以内にケリがつくと思ってたのにな)。

戦争の継続を望んでいるのは、ウクライナも米国も同じだ。

ひょっとすると、ロシアも同じかもな。

当事者の誰も、停戦を望んでいない。

戦闘の継続で利益を得ている勢力にとっては、これ程都合の良い状況はない。

世界中のその他大勢にとっては、大迷惑な話だ。

自由と民主主義か。

ウクライナでは、それは際限のない軍事援助によって維持されている。

正当な犠牲者によってもな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシアとの交渉「降伏」に等しい ウクライナ大統領府顧問インタビュー)
https://www.afpbb.com/articles/-/3439892

「ウクライナが西側諸国に求めている追加軍事支援は、冬に向かって「ますます重要なカギ」になると主張。ウクライナが今なお必要としているものとして、戦車150~200台、装甲車両約300台、砲撃システム100基、多連装ロケットランチャー50~70基、対空防衛システム10~15基を挙げた。」

「射程300キロの長距離地対地ミサイル「エータクムス(ATACMS)」があれば、今は届かないロシア側占領地域にある大規模な軍事拠点を破壊でき、「戦争終結に近づく」だろうとした。」

「ロシア国内の軍事目標を攻撃する必要はなく、「わが国が国境の支配権を奪還し、ロシアがウクライナを恐れた時にこの戦争は終わる」と述べた。」

これを読んで浮沈子が感じたのは、戦争の終結は意外に早いかも知れないということだ。

ウクライナに和平交渉する気は、全くない。

軍事的決着のみが戦争を終わらせると信じている。

米国は、支援を打ち切る気は全くないしな。

ロシアが、全面撤退することもあり得ない。

結論は一つしかないだろう。

戦闘が継続できなくなるまで、双方が「正当な犠牲者」を出し続けるということだ。

(ウクライナ兵、侵攻以来1万3000人死亡 大統領府顧問)
https://www.afpbb.com/articles/-/3441608

「ロシアによるウクライナ侵攻開始以来、推定1万~1万3000人のウクライナ兵が死亡したと明らかにした。」

「国防相は9月、侵攻から7か月弱でロシア兵5937人が死亡したと発表している。」

この秋以降、死者が倍増している。

負傷者は7倍程度と見込まれるから(ロシアの指標による)、8万人から9万人以上の死傷者を出していることになる。

「ウクライナ、ロシア両国は、士気が低下しないよう犠牲者数を少なく公表しているとみられている。」

「米軍制服組トップのマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長は先月、ウクライナ侵攻におけるロシア兵の死傷者は10万人以上で、ウクライナ側もおそらく同等の死傷者が出ていると指摘」

「正当な犠牲者」だからな。

戦争指導者が責任を感じることはない。

まして、攻め込まれている方は、相手のせいにできる(ポーランドにミサイル打ち込んだ際も同じパターンだったし、民間人を盾にして攻撃していると非難された時も一方的だったからな)。

兵士が不足する心配はない。

ウクライナ側は、戒厳令を掛けていて、先頭可能な男性は国外に出ることはできない。

20年も戦争を続ける気なら、今年生まれた赤ん坊を当てにすることが出来るだろう。

年間、10万人くらいの人的損耗で足りなくなることはないのだ。

もちろん、ロシアの兵士は畑で取れるしな(そうなのかあ?)。

やれやれ・・・。

長期戦になれば、指導者の世代交代も出てくる。

特にロシア側は、プーチンが高齢だからなおさらだ。

長期化させないカギは、相変わらず、米国が握っている。

300km射程のミサイル供与は、戦争の終結を早めるだろう。

それは、ロシアの核兵器の使用を意味する。

今は、民間軍事会社や予備役などの二軍で引き延ばしを図っているが、軍事的にも外交的にも本気モードに突入する。

米国が我が国やベトナムで行ったような、絨毯爆撃をしないという保証もない。

その状況に追い込むことは、米国にとってもリスクが高過ぎるだろう。

欧州大戦争の引き金を引きかねない。

隣国のポーランドがトバッチリを受けることは避けられないだろうしな。

モルドバは東部を失う。

ロシアは、全世界から総スカンだろうが、今と大して変わりはない。

失うものは何もない。

戦争継続が可能と見れば、躊躇うことなく踏み切る腹だ。

米国は、ロシアに代償を払わせようとしているようだが、第二次大戦後、米国が介入してきた戦争で勝利したところは地球上どもにもない。

代償を払っただけで、全てを失った。

ベトナムも、イラクも、アフガニスタンも(イラクもダメなのかあ?)。

まあ、ロシアもアフガニスタンでは、痛い目を見ている。

ウクライナは、ロシアの喉元に刺さった棘だ。

柔らかくしての見込めるに越したことはないが、そうでなければ血を流して取り除くことになるだろう。

やめるわけにはいかないのは、ロシアも同じだし、むしろその動機は強い。

これは、ロシアとウクライナの戦争じゃない。

西側とロシアとの世界大戦だ。

今のところ、律速しているのは米国だが、ロシアが主導権を取る可能性もある。

米国はそうはしたくないだろう。

「正当な犠牲者」の基準が、どうも異なるようだ。

もう一度、電卓を叩き直して再計算しなければならなくなりそうだな・・・。

🐱変異種:第8波:マッチ&ポンプ2022年12月02日 18:38

変異種:第8波:マッチ&ポンプ
変異種:第8波:マッチ&ポンプ


東京都は、新型コロナウイルスの遺伝子解析に熱心で、シコシコとデータを積み上げている。

ちょっと、タイムラグが2週間くらいあるのが気になるけど、そこは、合理的推測(単なる妄想?)で補うしかない。

先週見た時には、BA.5は8割くらいで、前週からの減りが5パーセントくらいだったから、2週間後はドスンと減っていると思っていたら、今週(データは2週間前)は77パーセントくらいで持ち堪えており、減少の勢いが止まった感じだ。

(ゲノム解析結果の推移(週別))
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/022/682/20221201_10.pdf

遅れて上がってくる結果も取り込んでいるので、データは変動する。

しかし、BA.5が、オミクロンのその他の亜系統に置き換えられつつあることは間違いない。

だからなんだっちゅーの!?。

さっき、浮沈子が読んだ記事を、このデータを眺めながら読み返すと、悩ましい週末を過ごせそうな気がしてくるんだがな・・・。

まずは、マッチな記事から。

(オミクロン株派生の新系統、「中和抗体」効果が数十分の1以下…米コロンビア大など)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20221201-OYT1T50288/

「ワクチンを複数回接種済みの人や接種後に感染した人など計88人から血清を採取。血清に含まれる中和抗体が感染を防ぐ効果を、新系統と従来株で比較」

ヤバい結果が出ている・・・。

「従来株対応のワクチンを4回接種した人はBQ・1・1で81分の1、XBBで145分の1に減少」

ヤバいな・・・。

「現在主流の「BA・5」と従来株に対応した2価ワクチンを4回目に接種した人も、XBBで66分の1」(米国の2価ワクチンは、全てBA.4-5対応。)

ヤバ過ぎ!

「効果がなくなったわけではなく、ワクチンを追加接種した人の方が効果の減少幅は小さかった。特にオミクロン株対応ワクチンを接種すると、さらに減少を抑えた」

何の慰めにもならない気がする。

オミクロン亜系統、恐るべしだな。

BA.4-5対応2価ワクチンでさえ、XBBの餌食なわけだ。

唯一の救いは、超ヤバのXBBの割合が、東京都では0.5パーセントに過ぎないということだけだ(BQ.1.1は7.0パーセントで増加中!)。

ガックリ来たところで、ポンプな記事を読む。

(東京都・コロナワクチン4回目接種から3~4か月で中和抗体価大幅に上昇の調査結果を国内初公表)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/219491?display=1

「東京都医学総合研究所は、新型コロナワクチンを接種した医療従事者310人の血液を検査し、4回目と5回目の接種後の中和抗体価を測定」

「4回目接種から3、4か月後の中和抗体価が3回目接種から4か月後と比べ、2倍以上増加」

「4回目の接種から3か月経つと、中和抗体価は徐々に減るものの5回目の接種により、再び増加」

定量的な話が少ないので元記事を当たる。

(新型コロナウイルスワクチン接種後の抗S1-IgG抗体及び中和抗体価推移について)
https://www.igakuken.or.jp/topics/2022/1201.html

「4回目接種から3-4ヶ月:中和抗体(中央値):
3回目接種後4か月:949(<1000!)
3回目接種後7か月:900(<1000!)
4回目接種後3-4ヶ月:2329(<4160)」

従来株ベースの4回目までのワクチンでは、中和抗体価の上昇は2.6倍程度とショボい(しかも、従来株ベースでさえ、発症予防効果は十分とは言えない値だ)。

「ワクチン5回目接種:中和抗体(中央値):
4回目接種後0-1か月:3725(最大値<4160)
4回目接種後1-2か月:3106
4回目接種後2-3か月:3552
4回目接種後3-4か月:2417
4回目接種後4-5か月:1119
4回目接種後5-6か月:850(<1000!)
5回目接種後0-1か月:3484(<最大値)」

5回目は、オミクロン対応ワクチンということで、大いに期待したところだが、4回目接種後の最大値まで戻らないというショボい結果になっている(むしろ、4回目接種後の低下に驚く:4か月で3分の2、5か月で3割、6か月で2割強)。

感染予防効果については、5回目接種対象者(医療関係者でもジジババが多い?:50代以上12人)に関しては、あまり期待できないだろうな。

中和抗体の値と感染予防効果の関係については、貴重な記事が上がっている。

(コロナワクチン3回目、なぜ必要? 中和抗体の推移はどうなってるの?)
https://www.businessclinic.tokyo/archives/4572

「新型コロナウイルススパイク蛋白IgG抗体(=中和抗体)の抗体価と感染予防効果の関係性としては、抗体価が1000未満だと有効性が50%以下」

思い出して欲しい。

WHOは、発症予防効果(感染予防効果よりは高く出る)で50パーセントを切るワクチンは推奨しなかったからな。

「中和抗体の抗体価が4160で発症予防の有効性が95%」

ただし、この評価は、従来株が対象な点に注意だ。

BA.5やその亜系統に、そのまま当てはめるわけにはいかない(今回のマッチな記事参照)。

あくまでも参考値だ(もちろん、これより低下しているに決まってるけど)。

オミクロン亜系統が、3桁の効果縮小かもというデータの前には、せいぜい数倍のワクチン効果など、消し飛んでしまう感じだ。

が、まあ、これはあくまでもインビトロ(試験管内)でまぜまぜした時の話で、様々な免疫機能を総動員して対抗している生体での効果は見えていない。

((公財)東京都医学総合研究所 「新型コロナウイルスワクチン接種後の抗S1-lgG抗体及び中和抗体価推移について」の公表に伴う東京iCDC所長コメントについて)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/presskansen20221201.html

「感染防御に働く血中抗体量は、4回目接種により大きく増え、半年程度高い値が持続します。海外の研究によれば、感染予防効果はそれより早く下がるものの、感染拡大時など、時機を見て追加接種を行うことが良いとのことです。」

「また、一定程度の感染予防効果や、重症化予防効果も期待できることから、後遺症や高齢者等の重症化リスクを考えると、追加接種は重要とのことです。」

「このため、3回目接種から時間が経過し、中和抗体価が減少していると考えられることから、冬の感染拡大に備えて、4回目接種を進めていくことが重要です。」

「また、5回目接種により、4回目接種から1~3か月後と同等まで中和抗体価が上昇することから、高齢者など、重症化リスクが高い方の5回目接種を早期に進めていくことが重要です。」

定性的な話にウソはない。

しかし、定量的には、変異に伴う2桁3桁の効果の減少を、数倍のワクチン効果で対抗しようという情けない話なのだ。

激烈な副反応を覚悟して、浮沈子は5回目をうった。

既に、接種後1カ月半が経過し、いつ、ブレイクスルー感染を起こしてもおかしくない状態まで抗体価は下がっているだろう(感染予防効果がまずまず持続するのは、インビトロの評価では、せいぜい1か月程度といわれている:疫学的には未調査)。

今後、免疫をかいくぐる能力を身につけた亜系統のどれかに捕まる可能性は高い(もちろん、ボリューミーなBA.5が一番ヤバいですが)。

オミクロン対応ワクチンをうっていれば、亜系統に対して感染予防効果が期待できるかもという話は、今回の話で消し飛んでしまった。

一方、最速の6回目接種の情報は何もない。

次回(2回目のオミクロン対応ワクチン?)からは、有料化(1万円くらい?)になるという話ばかりが聞こえてくる(つーことは、4月以降か)。

自然感染促進に驀進する当局を止めることはできないだろう。

再感染すら、促進しかねない。

(<新型コロナ>第8波で感染拡大しても会食・行動制限せず 東京都が方針明示)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/217367

「感染が拡大した場合も社会経済活動を維持するため、会食などの行動制限はしない方針を明確にした。」

まあ、記事をよく読むと、「都民や事業者に、慎重な行動やテレワーク活用を呼びかけ」たり、「「医療ひっ迫防止対策強化宣言」や「医療非常事態宣言」の発令を検討したり、必要最低限の外出に抑えるよう要請したり」するというから、何もしないわけではないだろうけど。

が、事業者に補助金出して店閉めさせるような対策はしない。

感染者が何万人出ようが、むしろ、自然感染の促進が果たせたことを喜ぶのではないか。

全国的に見ると、北海道や、山形、長野などでは、既に感染者はピークアウトしている。

北海道の死者数は、まだヤバイ水準にあるけど(第7波の2倍程度)、遅行指標なので、やがて下がっていくに違いない。

全国レベルでの感染者も、じりじりとした増加に留まっている。

そろそろ、関西方面の増加が気になりだすところだが、タイムラグを置いて増えてくる分には、感染規模が爆発することはない。

インフルとのダブル流行を見据えた対策も整いつつあるようだし、罹患した時の受診態勢もギリギリクリアできそうな感じだ。

が、まだまだ、気を緩めるわけにはいかない。

今日の東京都の感染者は、先週の金曜日を下回ったが、11月23日の勤労感謝の日の影響だからな。

ピークアウトにはならないだろう(専門家もまだまだ増えると言ってるしな)。

自主的に、9要不急の外出を避け、爆食三昧を繰り返していたら、渡辺徹氏の死去が報じられた(61歳だそうです)。

糖尿病を患っていたというから他人事ではない。

コロナを避ければリバウンド(再陽性ではないので、念のため)するしな。

タイトロープを渡る生活が続く・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

オミクロン亜系統のトレンドを少し丁寧に見た。

<11月8日から11月14日まで>
・BA.2:1.3%(→)
・BA.2.75:2.2%(→)
・BN.1:5.1%(↑)
・BA.4.6:0.2%(→)
・BF.7:4.9%(↑)
・BQ.1:1.7%(→)
・BQ.1.1:7.0%(↑)
・XBB:0.5%(→)
・BA.5:77.0%(↓↓)

構成比がビミョーに下がっている亜系統もあるが、誤差の範囲ということで同等としている。

1割を超えるその他の亜系統はないが、BA.5の構成比が減り続けていることは間違いない。

年内に過半数を割り込む可能性もある(6週間後だからな、週に5パーセントずつ減れば、47パーセントだ)。

ビミョーな所だ。

流行を左右するのは、やはり人流だろう。

それと、過去の自然感染による免疫の獲得か。

ワクチン接種による感染予防効果や発症予防効果が期待できない状況では、自然感染による免疫獲得がカギを握っている。

その意味では罹ったもん勝ちなわけだが、免疫弱者が罹患すれば、ふつーの風邪とは違うからな。

先行して大流行した北海道では、過去最大(第7波の2倍)の死者数を記録している。

やれやれ・・・。

この冬も、多くの死者が出るだろう。

第7波を超えて、過去最大を記録するに違いない。

我が国の死者数の累計は、5万人を超えた。

米国の100万人に比べれば少ないが、それでも十分多い。

今年になってからの死者数は3万人程度だ(ほぼ第6波と第7波:ほぼ同等の死者数)。

第8波で、来年にかけて、さらに1万人以上が死ぬのは確実だ。

2万人くらいになるかも知れない。

インフルエンザでは、年間1千万人が罹患して、1万人が死んでいた(ざっくりですが)。

近づいているとはいえ、まだまだ新型コロナは侮れない。

ダブル流行になるかどうかは分からないが、そうなれば悲劇だ。

ワクチンの効き目が落ちているのはインフル並みだが、絶対的な死者数は落ちきらない。

むしろ、感染の波毎に増えてきている。

べらぼーめ・・・。

任意接種に切り替えたら、あんなワクチンに金払うやつはいなくなるだろう。

タダでも躊躇うし、金貰ってもうちたくはない。

高齢持病持ちの浮沈子に選択の余地はないけど、これってイジメだな・・・。

🐱スターリンク:新規or変更2022年12月02日 23:38

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(イーロン・マスク率いるSpaceXが衛星インターネット「Starlink」の人工衛星7500基を打ち上げる許可を当局から得る)
https://gigazine.net/news/20221202-spacex-gets-approval-7500-starlink-satellites/

「7500基のStarlink衛星打ち上げの許可をSpaceXに与えた」

「SpaceXが当初求めていた第2世代Starlink衛星の打ち上げ数は約3万基であり、完全にSpaceXの申請が認められたわけではありません。」

うーん、どうやら、そういう単純な話ではないようだ。

(SpaceX Starlink Gen2コンステレーションは「部分的な」FCC助成金によって弱体化:助成金→認可だな)
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-gen2-constellation-fcc-license-partial-grant/

「SpaceX が展開することを許可されている衛星の総数は、今日の私たちの行動によって増加することはなく、実際にはわずかに減少する」

7,518→7500

「その主張された削減は、この決定の直前に、SpaceXが FCC に対し、すでにライセンスを取得している専用の V バンド Starlink コンステレーションの打ち上げを自発的に回避すると誠意を持って語ったという事実によるものです。」

つまり、新規申請を認めたというより、実質的には第一世代の衛星を第二世代の衛星に置き換える変更申請として認めたということなわけだ。

「連邦政府のユーザーとのさらなる検討と調整が行われるまで、要求への対応を延期する」

これは、単なるイジメではなく恣意的な妨害だとエリックラルフは言いたいのだろう(そうなのかあ?)。

それだけではない。

「失敗したすべてのStarlink Gen2衛星が自然に軌道から外れるのに必要な時間の合計が100年に達すると、FCCはSpaceXに「衛星の展開を中止」させ、「衛星の失敗の原因を[レビュー]」し、「今後、適切で信頼できる緩和策があるかどうか。」」

「FCC は、恣意的な 100 年の制限が、運用軌道でたった 20 基のスターリンク衛星に障害が発生した場合、会社が打ち上げを中止せざるを得なくなることを意味していることを認めています。」(運用年数を5年と見ているんだろうな)

浮沈子的には、妥当な方策に思えるんだがな。

ガラクタ衛星をばら撒かれないようにするためには、何らかの規制が必要だ。

もう、ぶん投げデプロイは見られないということになる(そうなのかあ?)。

「SpaceX は現在、運用高度 500+ キロメートルまたはその近くで 30 機以上の失敗した Starlink Gen1 衛星を持っています。」

まあ、遡及して適用はしないだろうけど(未確認)。

「理論的には、FCC は、これらの制限を変更し、SpaceX が提案されている Starlink Gen2 コンステレーションを将来的にさらに打ち上げることを検討することを明確にしています。」

ゴチャゴチャ言わずに、役所の言うことを聞けと、まあ、そういうことなんだろう。

もちろん、必要なネゴシエーションは行った上での決定だろうから、外野がとやかく言う筋合いのものではない。

とりあえず、第2世代の打ち上げの様子を見た上で、追加の申請を出させようという整理なわけだ(物わかりのいい浮沈子だなあ・・・)。

エリックラルフは、ブチ切れ過ぎだ。

血圧に悪いぞ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

それよりなにより、打ち上げ用のスターシップが飛ぶかどうかが最大の問題だからな。

許可が出たって、現物が飛ばなければ話は始まらない。

スタックされている第2世代のスターリンク衛星は、そのまま永久にお蔵入りになり、ファルコン9用に再設計された第2世代衛星が運用され続けることになるのかも知れない。

そういうことなら、7500機というのは、うーん、なかなか悪くない数字だ。

実現可能性は高い。

「Starlink Gen2 は、少なくとも 300 ~ 600 億ドルの投資になる可能性があります 」

べらぼーめ・・・。

「FCC は SpaceX に、製造、打ち上げ、運用、および利用のために構築する必要がある数十億ドルの新しいインフラストラクチャで、さらにリスクの高い賭けを事実上強要しています。」

それが出来ないなら、衛星コンステレーション事業に参加しなければいいのだ。

第1期の展開で満足するしかない。

それだって、競合他社にとっては驚異だ。

アマゾンは、いろいろいちゃもんを付けたんだろう(未確認)。

たった100億ドルしかつぎ込まないくせにな。

まあいい。

とりあえず、7500機の承認は下りた。

あとは、せっせと打ち上げるだけだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

「失敗したすべてのStarlink Gen2衛星が自然に軌道から外れるのに必要な時間の合計が100年・・・」

この規制を受け入れたということは、S社の打ち上げについては一定の目途が立ったということなんだろうが、他者にとっては厳しい参入障壁になる。

目標を達成してから規制を強化するということは、そういうことだ。

特に、アマゾンのように、似たようなコンステレーションを展開しようとしている所にとってはな。

「連邦政府のユーザーとのさらなる検討と調整が行われるまで、要求への対応を延期する」

というのが、具体的何を意味しているのかはテスララティの記事では明示されていないが、これについてはネタが出たので、別記事で書くことにする。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

「FCC の「部分的許可」により、SpaceX は 10,080 個の Starlink Gen2 衛星のうち、高度 525 ~ 535 km で動作することを意図した 7,500 個しか打ち上げることができません。」(画像の表のキャプションより)

「Gen2 の高軌道または低軌道への打ち上げを完全に排除しました。」

「3 つの Starlink Gen2 の「シェル」を完全に完成させるような妥協案を構築することさえしませんでした。」

これらの記述から、今回許可された範囲は、画像の赤枠の10080機の一部であることが分かる。

周波数帯がどうなっているのかは知らない。

ウィキの英語版の記述では、V2にはKa、Ku、スターレーザーが搭載されているということだが、Vバンドに関する記載はない。

実質的に、高度300km台の低軌道がキャンセルされているので、そこでの展開が予定されていたVバンドもキャンセルされたんだろう(未確認)。

今後の追加の認可に期待か。

高高度軌道の衛星については、Vバンドのバックアップという位置付けだから、セットでキャンセルされたのは不思議ではない。

展開予定の軌道に対して、7500機というのが中途半端なことは確かだ。

第2期の追加打ち上げが7518機だから、それ以下の切りのいい数字という感じだ。

テキトーだな・・・。

まあいい。

今回の認可が、新規というよりは、既に認可されている打ち上げの変更であることは間違いない。

高度も、周波数帯も、第1期の範囲内に収め、衛星の仕様だけが変わっている。

実績の範囲内というコンサバな認可だ(スターシールド対応のV2衛星は、コンサバじゃないかもしれないが)。

この差し替え的追加の認可方法は、アマゾンにとっては美味しい話だ。

現状の打ち上げ手段の状況から、カイパー衛星が予定通りに上がらないことは明らかだからな。

若干仕様を変えて新規申請すれば、既存の認可をキャンセルすることによって、実質的には打ち上げ期間の延長を獲得することが可能だ。

うーん、魚心あれば水心・・・。

今回のS社の認可方法が、そのための布石だとしたら、この変態的認可も納得がいく。

お役所は、業界が上手く回り、政府需要が満たされるように調整するのがお仕事だからな。

みんなが、少しずつ不満でも、全体がしぶしぶ納得できるなら、三方一両損的落しどころを探ることになるわけだ(エリックラルフは納得いかないかもな)。

今回は、まあ、成功といっていいかも知れない。

洋の東西を問わず、やってることは同じだな・・・。