🐘部屋の中のゾウ2023年01月12日 11:45

部屋の中のゾウ


アルスの新年の記事を、興味津々で読んだ。

(昨年は、宇宙飛行の時代の終わりを告げました。次に注目するのは次のようなものです。)
https://arstechnica.com/science/2023/01/last-year-marked-the-end-of-an-era-in-spaceflight-heres-what-were-watching-next/

「Starship は実際に動作しますか? これは部屋のゾウです。」

まずは、朝の英語の勉強からか。

(見て見ぬ振りをする)
https://en.wikipedia.org/wiki/Elephant_in_the_room

「重要または 巨大なトピック、質問、または論争の的となっている、明らかな、または誰もが知っているが、誰も言及したり議論したりしたくない.」

エリックバーガーが「部屋のゾウ」を持ち出したのは、業界にとってスターシップが如何に「場違い」であり、触れてはならない「タブー」を侵すものであり、できることなら「見て見ぬふりをしていたい」ものであるかを象徴している。

「完全に機能するスターシップは、世界の打ち上げ産業を完全に混乱させ、宇宙飛行の計算を永遠に変えるでしょう. 」(初出のアルスの記事より:以下同じ)

それは間違いない。

折しも、我が国ではH3ロケットの打ち上げが迫っている(<以下追加>参照)が、両者は同じ原理で飛ぶ宇宙ロケットでありながら、それが宇宙開発に与える影響という点に於いては似て非なるものだ。

もちろん、漸進的な改良を続けるH3を初めとするその他大勢のロケットとは異なり、スクラッチから開発されているスターシップが成功するという保証はない。

巨大なブースターであるスーパーヘビーに至っては、33基のラプター2エンジンの点火にさえ、未だに成功しておらず、もちろん1mmも浮き上がってはいない(去年の爆発の際には1mmくらい浮いたかもしれないけど)。

高高度からの自由落下でネコ着地(ベリーフロップから向きを変えてのパワードランディング)してみせた2段目にしても、軌道高度からの大気圏再突入から回収可能であるかについての試験はこれからとなる。

また、有人運用においては、あんなトリッキーな着地では、中の人間が耐えられない。

「部屋の中のゾウ」の問題を次々に指摘して、精神的な平安を得たいと望むのは自然なことに違いない。

それほどまでに、このロケットが実現した時の破壊力は凄まじい。

「Starship がこの 10 年間で成功すれば、これらの質問に答える機会が得られるでしょう。」

エリックバーガーは、浮沈子と同様、それには長い時間がかかると見ているようだ。

2段目使い捨てでの実用開始(スターリンクV2衛星の打ち上げなど)までに数年、2段目の回収テストを繰り返しながらの無人機レベルでの運用を重ね、2030年代半ばに有人運用に持ち込むことが出来れば上等だ。

「重要なのは、NASA が宇宙飛行士を月面に着陸させるためにスターシップ ビークルと契約したことです。」

記事でも指摘されているように、月面着陸を目的としたHLS(ヒューマンランディングシステム)は、2段目の回収などよりも難易度は低い。

月の重力は、地球の6分の1だからな。

それでも、HLSを運用するためには、地球低軌道に燃料補給基地(デポ)を飛ばし、そこに燃料を蓄えるために複数回の給油を行い、うち上げたHLSが、そこで腹一杯給油を受けて月面に向かう必要がある。

そんなややっこしい運用を必要とするスターシップに対して、NASAは数十億ドル(当初は30億ドルくらい:追加契約がいくらかは知らない)を投入している。

べらぼーめ・・・。

「NASA 関係者のコメントによると、SpaceX はこのサービスの提供に向けて順調に進んでいるようで、一連の宇宙推進剤移送試験が計画されています。」

オリオンが月周回軌道に到達したとしても、HLSが機能しなければ、NASAは中国が有人月面着陸するのを軌道上から指を咥えて眺めるだけになる。

まあ、その頃には月周回ステーション(ゲートウェイ?)は完成しているかもしれないからな。

眺めるのにはちょうどいいかも知れない(そうなのかあ?)。

まあいい。

HLSの前提となっている軌道給油基地(デポ)の実態は、おそらくドンガラのスターシップ(2段目)だ(地球に戻る必要はないから、6基のラプター2は不要で、3基の真空バージョンだけかも)。

ドンガラの中を燃料タンクにして、後から打ち上げられる給油機(これがどういう仕様になるかは不明)からの給油を受ける。

使い捨てで給油した方が、もちろん、少ない回数で満タンにできるかもしれないが、それでは効率が悪いからな。

帰還用の燃料や大気中でパワードランディングさせるラプター2を積めば、1回当たりの給油量は少なくなる。

打ち上げ回数に事実上の制限がないスターシップでは、再使用して数を飛ばした方が継続性があるというもんだ。

そもそも、人間を運ぶためのオリオンが、数年に1回しか飛ばないということなわけで、給油回数が多くなることをそれほど気にする必要などない。

オリオンが飛ばない間は、クルードラゴンで地球周回軌道(やや高め)にうち上げた物見遊山の宇宙旅行者を、直接HLSに乗せ換えて月に着陸させ、再び地球周回軌道に戻し、再度クルードラゴンに乗せ換えて帰還させるという手も使えるからな(以前のアルスの記事では、これこそがアルテミスの本命とも:<さらに追加>参照)。

HLSは、宇宙空間で繰り返し使用し、デポでの給油を受けて再び月へ向かう。

そうすると、NASAの月周回宇宙ステーションは何のための施設なのかが分からなくなってくる。

宇宙飛行士が常時滞在するわけでもなく、深宇宙の過酷な放射線環境に曝されながら、多くの時間を無人で回り続ける。

そんなもんに、元から意味などないのだ(そうなのかあ?)。

火星飛行への足掛かりということなわけだが、地球低軌道から直接向かうこと以上の意義があるのかどうかは知らない。

アルスの記事を読みながら、浮沈子は、ひょっとしてNASAはSLSによる宇宙開発の未来から徐々に撤退し、スターシップによる宇宙開発に乗り換えつつあるのではないかと考え始めた。

SLSは、無人試験機が上がったばかりだが、その開発は既に峠を越えている。

次の次を考える中で、最も画期的で、最も投資効率が高いプロジェクトをスターシップに定めた点は評価していい。

ただし、それをアルテミスに組み込んだのは如何なものかだな。

最大のネックになりかねないし、その可能性は高い。

失敗すれば、失うものはあまりにも大きい(中国の有人月面着陸を指を咥えて眺める事態に・・・)。

ひょっとすると、NASAは何か掴んでいるのかも知れない。

HLS選定の時点で、スターシップの技術的な成功(少なくとも、使い捨てレベルで)への確信がなければ、ナショナルチームを差し置いて単独選定することはなかったはずだ。

墜落激突爆発炎上木っ端微塵を繰り返す中、表面上のド派手なパフォーマンスとは別の次元で、技術的な煮ツメが進んでいたのかも知れない。

最大の要素技術であったラプターエンジンは、バージョン2が出来て実用性が高まっている。

スーパーヘビーの打ち上げで難航しているけど、それは想定の範囲内ということなわけだ。

間違いない。

NASAは、スターシップの開発成功に自信があるのだ。

当事者であるイーロンマスク以上に・・・。

技術的成功に確信が持てれば、投資しない方が間違っている。

成功した暁の絶大な効果については、疑う余地がないからな。

「部屋の中のゾウ」のトラウマから逃れるには、2つの方法がある。

ゾウをネコに化けさせるか、部屋から逃げ出すかだ。

が、NASAは、ゾウをゾウのままにして、部屋を巨大な檻に化けさせることにしたようだ。

スターシップの開発に投資して成功させることが出来れば、米国の宇宙開発における優位性は、向こう10年どころか100年間は安泰だろう(そうなのかあ?)。

宇宙探査、衛星の打ち上げ、有人飛行。

どれをとっても、桁違いな開発が可能になる。

NASAの目標とするところは、月面開発でもなければ、有人火星飛行でもない(個々のミッションは、目的達成のための手段に過ぎない)。

世界の中で、米国の宇宙開発の優位性を維持し続けることなわけだ(もっといえば、米国の優位性の維持ということになる)。

SLSでも、それが果たせないわけではないが、数飛ばすわけにはいかないからな(2~3年に1機?)。

ISSも、そろそろ寿命だし、アルテミス(月周回ステーション含む)では持ちそうもないしな。

技術的確信を得てスターシップに投資する。

HLSへの単独選定では、全世界が(おそらくS社含めて)アッと驚いたに違いない。

アルテミスに絡めたところは、浮沈子的には疑問符がつく。

HLSなんて、どこがやってもいいのではないか。

金を流す名目が必要なら、他にも方法があったような気がする。

スターシップには、もちろん、米軍も大注目している。

宇宙空間での戦力展開はもちろんだが、100人乗りの大陸間弾道旅客機を100機くらい調達して、大統領の命令から1時間以内に地球上どこへでも1万人の兵力を送り込むことが出来れば、ロジスティクスに革命が起こる。

まあ、この場合、送り込まれたスターシップは使い捨てになるけどな。

敵後方だろうが何だろうが、思い通りの場所に配置できる。

敵情報の把握には、スターシールド偵察衛星からのリアルタイム映像が常時入って来る。

作戦関係者の夢がそこにあるわけだ。

美味しい!。

米軍こそ、スターシップの最大のスポンサーになる可能性がある(使い捨てにして、1000機くらい調達掛けたいところだな)。

NASAのHLSへの投資なんて、それに比べたらショボい話かもしれない。

21世紀の戦争は、スターシップの登場で様変わりするに違いない。

が、まあ、ICBMが配備されていたって、ウクライナでは安物ドローンが大活躍し、前世紀の大砲の弾が飛び交ってるからな。

目標の捕捉に衛星情報が使われていたとしても、見かけは大して変わらないかもしれない。

地上のドンパチに費やす金があるなら、宇宙にばらまいて使っちまった方がいいに決まっている。

部屋の中のゾウのえさ代は、バカにはならんけどな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(来月打ち上げ予定の「H3」ロケット“順調に準備進む”)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20230111/5050021661.html

「「H3」は、JAXAや三菱重工業がこれまでに2000億円余りかけて開発」(2000億円≒15億ドル:安っす!)。

「これまでは技術との戦いでしたが、その段階は過ぎ、1号機は山頂に立っていると思っています」

調子に乗って、滑り落ちないようにしてもらわんとな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(2023年のSLS発売を予言したオラクルはアルテミスIIIに想いを馳せる)
https://arstechnica.com/science/2022/11/the-oracle-who-predicted-slss-launch-in-2023-has-thoughts-about-artemis-iii/

「月へのアルテミスミッションを完了するための最も安全で低コストの手段は、4人の宇宙飛行士がクルードラゴンの低地球軌道でかなり高い高度に打ち上げられ、完全に燃料を補給されたスターシップとランデブーすることを含む. 」

「その後、宇宙飛行士は月に飛んで着陸し、地球軌道でクルードラゴンとランデブーするために戻ってきました。その後、ドラゴン内の地球に飛び散ります。」

「このアーキテクチャは、SLS での打ち上げを必要とせず、地球から遠く離れた月軌道で 2 回のランデブーとドッキングを必要としないため、リスクが低くなります。」

「乗組員は、既存のアルテミス III 計画よりもスターシップで数日多く過ごすだけなので、スターシップの生命維持はその任務を遂行する必要があります。」

どっちにしても、スペースXのHLSに依存していることは間違いない。

月への数日間を、HLSで過ごすかオリオンで過ごすかという違いがあり、乗り換え場所が月周回軌道になるか、遠地球周回軌道になるかという程度だ(どちらも、容易に救助に行けないことに変わりはない)。

ISSでさえ、簡単に救助にいけずにいるわけだからな・・・。

🐱変異種:第8波:ピークアウト2023年01月12日 19:13

変異種:第8波:ピークアウト
変異種:第8波:ピークアウト


確定をうつには早いかも知れないけど、東京都の感染者はピークアウトした様だ。

(<新型コロナ・12日>東京都で1万3427人感染、32人死亡)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/224864?rct=t_news

「病床使用率は55.1%」

「1週間平均の新規感染者数は、12日時点で1万4476.3人で、前の週に比べて121.6%」

が、感染者は、年明け後に明らかな減少傾向を示している。

変異種の入れ替わりで、再度、感染拡大の懸念も残るけど。

((第111回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和5年1月12日):07 変異株検査 :ゲノム解析結果の推移(週別)参照)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1021348/1022808.html

「健安研における変異株PCR検査によるオミクロン株亜系統の割合(推移)」(5ページ目)

「※最新週については、年末年始の関係で検体数が減少していることから、数値の解釈には注意が必要」

丁寧に断り書きがしてあるが、既にBA.5の割合は、36.4パーセントにまで減っている。

巷で話題のXBB.1.5は、まだ0.1パーセントに過ぎない(1ページ目:画像参照)。

WHOは、流行しているのは米国だけで、1国だけの情報では当てにならないとワケワカなことをほざいている。

(オミクロン株「XBB.1.5」 米では感染力が強い傾向 WHO初期調査)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230112/k10013947601000.html

「感染力の強さの推定はアメリカ1か国のみのデータに基づいているため、全体的な信頼度は低い」

中国の情報でも仕入れれば、確度が高まるに違いない(そうなのかあ?)。

(中国 新型コロナ感染者数などのデータ更新されない状態続く)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230112/k10013947261000.html

「1月8日を最後に11日までデータが更新されない状態」

「感染状況に応じて発表の頻度を調整し、最終的には月1回にする」

まあ、どうでもいいんですが。

我が国の感染状況は、第7波を下回ったままでピークアウトした。

一方、重症者や死者は増え続けている。

重症者数は既に第7波のピークを上回り、死者数は過去最多を更新し続けている。

全国では500人程度になってきていて、まだ、増加中だ。

(新型コロナ 全国の死者数489人 一日の発表としては過去最多)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230112/k10013947841000.html

「新型コロナウイルスによる全国の死者数は489人で、今月7日の463人を上回り、一日の発表としてはこれまでで最も多くなりました。」

遅行指標であると同時に、医療ひっ迫(医療崩壊)が起これば、他の疾患の治療に影響が及び、数字に出てこない関連死(新型コロナじゃないけど、とばっちりで入院できなくて死んじまう)が増加していく。

発熱外来に辿り着くことも出来ず、時間切れアウトで自宅で死んじまう人も出てくる。

ピークアウトしたから大丈夫というわけではない。

が、しかし、ピークアウトしないより、した方がいいに決まっている。

東京都も、全国も、感染者自体は峠を越えた。

流行自体は、春先までダラダラ続くだろうけど、インフルエンザとの同時流行という最悪の事態は避けられた(ちっとは重なりますけど)。

やれやれ・・・。

先週末から続いていた、発熱と咳を伴う浮沈子の体調不良(やっぱ、インフルかあ?)は、ようやく治まった。

まだ、少し咳が出るけど。

一週間弱も続いたからな。

現在の体温は36.1度。

平熱が35.3度の浮沈子にとっては微熱状態だ。

まだ、完調ではない。

こっちも、ロングテイルになりそうな感じだ。

昨日は、少し無理して水泳教室(泳法は平泳ぎ)と夜のテクニカルプログラム(バタフライベーシックと平泳ぎインター)に出た。

テキトーに手抜きして、誤魔化して泳いだら、力が抜けて、逆にいい感じだった(そうなのかあ?)。

往復の自転車の方がキツイ(2往復で20km!!)。

冷たい夜気が、呼吸の度に肺を刺激する(もちろん、自転車こぐ時もマスクしてますけど)。

今日は公休日でフィットネスはサボリ(体調が万全ではないので、新川崎には行きませんでした)。

明日から、また減量に取り組まないとな(1.5kgのウエイトで、サイドマウント潜れるようにしておかないと・・・)。