😾史上最も重く高く有用で強力2023年01月25日 22:04

史上最も重く高く有用で強力
史上最も重く高く有用で強力


テキサスのスターベースで、スターシップをスタックした状態での燃料充填テストが行われた。

爆発炎上木っ端微塵・・・。

とはならなかったようだな。

(3月かな?—
SpaceXは燃料供給テストを完了し、大規模なエンジン燃焼テストに向けて作業します
SpaceX は、1,000 万ポンド以上の燃料を車両に搭載したと述べました。)
https://arstechnica.com/science/2023/01/spacex-completes-fueling-test-will-now-work-toward-massive-engine-firing-test/

「基本的に 1 時間強の間に、同社は 30 階建ての細い超高層ビルに可燃性液体推進剤を充填しましたが、何も爆発しませんでした。」

何事も起こらないスターシップのテストがニュースになる・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

2年前、さんざん墜落激突爆発炎上木っ端微塵を繰り返していたからな。

最近では、昨年7月、スーパーヘビーのエンジンを立ち上げるテストの際に、漏れたメタンに引火して炎上したくらいだ。

(スターシップ:B7爆発炎上:重大事故の可能性)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2022/07/13/9508641

「スペースXが次世代宇宙船「スターシップ」用に開発したブースターが11日、テキサス州で行われた地上燃焼試験で炎上した。」

今回のテストについては、様々なメディアが取り上げている。

(SpaceXのStarshipロケットは、最初の「飛行のような」燃料供給テストを通過します)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-full-stack-aces-wet-dress-rehearsal/

「ほとんどの視聴者を驚かせたのは、SpaceX がそのマイルストーンに関連する複雑なテストを大きな問題に遭遇することなく完了したように見えたことです。」

SLSとは真逆だな。

あっちは、何か不具合が起こるとマスコミが大騒ぎしてたからな。

記事には経緯も詳しい。

アルスの記事でも指摘しているが、スターシップは史上、最も重く、背が高く、打ち上げ能力が高く、出力も大きい。

「スペース X がロケットに推進剤を完全に搭載した後、スターシップはこれまでで最も重いロケットになった可能性があります。」

「・・・シップ 24 とブースター 7 に最大 4860 トン(~10.7M lbs) の極低温液体酸素と液体メタン推進剤を約 90 分で積み込みました。完全に装填されると、ロケットと推進剤の合計重量はおそらく 5000 トン (~11M lbs) を超え、スターシップは史上最も重いロケットになりました。これまでに製造された中で次に重いロケットであるサターン VとN-1は、最大搭載重量が約 2800 トン (~6.2M ポンド) でした。」

「スターシップは、高さ約 120 メートル (~394 フィート)、幅 9 メートル (~30 フィート) で、これまでに組み立てられた最大のロケットです。完全に再利用可能な構成で、地球低軌道 (LEO) に 100 トン (~220,000 ポンド) 以上を打ち上げるように設計されています。離陸時には、スターシップの 33 基のラプター エンジンは最大 7590 トン (16.7M lbf) の推力を生成し、歴史上のどのロケットよりも大幅に強力になります。」

このとてつもないサイズと能力は、人類を火星に植民するという途方もない計画から来ている。

スターリンクも、将来計画されている大陸間弾道旅客ロケットも、米軍のスーパー兵站ロケットも、全ては火星移民のためのステップに過ぎない(そうなのかあ?)。

ましてや、月面基地や月軌道ステーションなどはS社にとっては余技に過ぎない。

HLSや軌道上燃料貯蔵デポは、更にそのための通過点ということになる。

べらぼーめ・・・。

エリックバーガーは、今年3月にも試験機の打ち上げが行われるとしているが、余程楽観的に考えても、年内がいいところだろう。

この先に通過しなければならないテストは、大きなものではスーパーヘビーの燃焼テストがある。

「現在、SpaceX によると、同社のエンジニアと技術者は Starship ビークルを第 1 ステージの上から取り外し、脇に置きます。これにより、同社は、現在第 1 段に取り付けられている 33 基の Raptor 2 ロケット エンジンすべての静的燃焼試験を実施することができます。これは、打ち上げの試みが行われる前の最後の主要な技術テストです。」(アルスの記事より:以下同じ)

この辺りは、2年前に進行していたSLSのグリーンランテストをほうふつとさせる。

そして、その後の打ち上げに至るまでの紆余曲折も・・・。

「SpaceX が待望のスターシップの打ち上げに向けて素晴らしい進歩を遂げていることは明らかです。」

「これまでに地球から離陸したロケットの中で最も重く、最も高く、最も能力が高く、最も強力なロケットとなるでしょう。」

米国は、こういうのが大好きだな。

重くてデカくて、パワフルなのがよろしい。

SLSが、目的なきロケットだったことと比べれば、スターシップは、その妥当性は別としても、火星移民という明確かつ疑う余地のない目標があるからな。

ちなみに、SLSやそれによって打ち上げられるオリオンには、その能力はない。

(宇宙発射システム宇宙発射システム)
https://en.wikipedia.org/wiki/Space_Launch_System

「身長:
・ブロック 1 乗組員: 322 フィート (98 m)
・ブロック 2 貨物: 365 フィート (111 m)」

「質量:
・5,750,000 ポンド (2,610 トン)」

「LEO へのペイロード質量:
・ブロック 1 : 209,000 ポンド (95 トン)
・ブロック 1B : 231,000 ポンド (105 トン)
・ブロック 2 : 290,000 ポンド (130 トン)」

ブロック1Bになると、打ち上げ能力ではSLSに逆転されるが、片や使い捨て、此方完全再使用だからな。

オリオンは、単独では月軌道程度までしか行くことはできない。

(オリオン(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Orion_(spacecraft)

「政権:
・月面トランスファー軌道、月周回軌道
デザインライフ:
・21.1日」

言い換えれば、アルテミス計画(有人月探査計画)というのは、作っちまったSLS「だけ」で出来ることは何かを後から考え、それでも足りない要素であるHLSを民間から調達することで埋め合わせるという、SLSの活用方法なわけだ。

火星に行くためには、ディープスペーストランスポートという概念上の宇宙船を新たに作らなければならない。

(深宇宙輸送)
https://en.wikipedia.org/wiki/Deep_Space_Transport

「DST 宇宙船は、オリオン カプセルと居住モジュールの 2 つの要素で構成され、電気推進と化学推進の両方で推進され、中規模の居住環境で 4 人の乗組員を運びます。」

あくまでも、オリオンを使いたいわけだな。

「2030 年代には、乗組員を火星周回軌道に運ぶように設計されていますが、着陸はできません。」

「火星での有人地表ミッションには、追加の開発と車両が必要になります。」

やれやれ・・・。

スターシップは、これらすべてをやってのけるという。

スペースXの大ファンであるエリックバーガーでなくとも、この巨大ロケットの初飛行に期待するのは無理もない。

その、最初の大きなステップが近づいている(浮沈子的には、スーパーヘビーのラプター2が33基同時発射できれば、第一関門通過とみている)。

早ければ、年内に打ち上げられるとみられるが、それは開発の1ステップに留まる。

無人貨物機としての打ち上げに数年、2段目の回収実績の積み重ねにさらに数年を経て、ようやく有人打ち上げ&回収バージョンへの道が開かれる。

HLSは、打ち上げは無人だし、地上に戻ることはないので、このスケジュールには従わない(人が乗るのは宇宙空間だけ)。

完全な有人運用は、たぶん2030年代半ばだろう。

大陸間弾道旅客ロケットも、米軍の有人兵員輸送ロケットも、それ以降の話になる。

火星移民だあ?。

そんなもんは、今世紀中には無理かもしれないな・・・。

<以下追加>----------

以下、テスララティの記事からの引用。

「数時間のテスト中に見られたわずかに懸念される唯一の動作は、Starship がトップオフされた直後に発生しました。ブースター 7 は、メタン タンクのガス ベントの 1 つを開いて圧力を解放し、代わりに液体メタンを放出したように見え、数千フィートの長さの可燃性の雲を生成しました。おそらく、スーパーヘビーはわずかに過充填されており、液体ベントはそのエラーに対する意図的な反応でした. ありがたいことに、メタンの雲は発火源を見つけられず、スターシップは計画通りにテストを終了しました.」

うーん、惜しい・・・。

(可燃性ガス)
https://www.figaro.co.jp/knowledge/inflammablegas.html

「空気と混合した可燃性ガスが着火によって爆発を起こす最低濃度を爆発下限界(LEL:Lower Explosion Limit)、 最高濃度を爆発上限界(UEL:Upper Explosion Limit)とそれぞれ呼びます。」

ガス名:LEL(vol%):UEL(vol%):
水素(H2):4.0:75.6
メタン(CH4):5.0:15.0

NASAは、フロリダのLC-39Aに建設中のスターシップ打ち上げ施設における爆発事故を懸念している。

わずか300mのところには、米国唯一の有人ロケット発射台があるしな(スターライナーやオリオンはまだ有人認証されていません)。

機密衛星打ち上げにも使われるヘビーの唯一の発射台でもある(バンデンバーグにも作るという話もあるけどな)。

メタンのベントや漏出の管理は極めて重要だ。

ちなみに、引用したように、水素の爆燃範囲は極めて広く、SLSの打ち上げなどでは神経質になっている。

まあ、可燃性ガスの管理ということなら、ULAでもノウハウはあるし、我が国でも水素をメインにしているからな。

今回のテストで、ベントガスへの引火が無かったのが偶然なのか、管理された結果なのかは知らない。

S社のことだから、偶然だったとしても、それを管理ノウハウに生かしていくに違いない。

燃料満載状態で爆発したら、ただじゃ済まないからな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

鳥嶋さんの、超分かりやすい記事。

(スペースXの巨大ロケット「スターシップ」、打ち上げに向けたリハーサルに成功)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230126-2576405/

「効率のよさと再使用のしやすさから燃料には液化メタンを使用」

灯油(ファルコンシリーズ)とか水素(SLSなど)じゃダメなのかな(灯油は、すすがつきやすいと言われているし、水素は分子量が小さくて漏れやすく、扱い辛いとされているようです)。

「ウェット・ドレス・リハーサルとは、実際の打ち上げと同じ状況をシミュレーションし、ロケットのすべてのシステムが正常に機能するかを確かめる試験のこと。」

「「舞台稽古」という意味があり、ロケットの場合は液体(液化メタンや液体酸素といった推進剤など)が充填されることから、wetという単語が付けられている。」

素人にはわかりづらい単語にも、丁寧に解説を付けている。

「スーパー・ヘヴィには33基のロケットエンジンが装着されているが、これまでそのすべてを同時に点火し、燃焼させたことはない。そのため、この試験は打ち上げに向けたもうひとつのマイルストーンとなる。」

次の、そして決定的なマイルストーンについては、意見が一致しているな(つーことは、全員が失敗するに違いないと思ってるってことかあ?:そんなあ!)。

まあいい。

「スペースXでは月や火星に人口100万人以上の自立した都市を築くことも目指している。」

月への植民の話は、浮沈子的には初めての気がする(月面基地の話は聞いてたけどな)。

この話が本当なら、中国とのコンフリクトは避けられないだろう(中国は、植民とは言っていませんが、月面基地は作るつもりのようです:時期未定?)。

んなもんは、火星は愚か、月面にだって、今世紀中に作ることはできないだろう。

スターシップの話は、こういう世迷言と一緒に語られるから誤解を招くのかも知れない。

そもそも、月面に100万人の自立した都市を築けるなら、地球上にだっていくらでも作れるだろうに・・・。

(あなたも月で暮らす日が? 月面都市の全貌にせまる)
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pYvb5xom5Y/

「2030年代か:
【国】アメリカ(NASA):月面基地の建設
【国】中国(CNSA):月面基地の建設
【民】千葉大学など:月面農場計画」

「2040年:
月面都市「ムーンバレー」誕生/1000人が月に居住?
(ispace「ムーンバレー2040」より)」

ムーンバレーにしても、住人は千人で来訪者が1万人だからな。

チンケな話だ(100万都市とは雲泥の差)。

これ以外には、月面での大規模活動はない(有人探査など、小規模)。

N社の取材能力をもってしても、S社の月植民の情報を得ることはできなかったようだな・・・。