🐱スターシップ:燃料デポ今昔2023年02月04日 00:25

スターシップ:燃料デポ今昔
スターシップ:燃料デポ今昔


スターシップ(2段目)のバリエーションの一つであることが判明した推進剤デポ。

エンジンは搭載されるのかとか、軌道高度はどんだけかとか、貯蔵量はナンボよ?、などなど、分からないことだらけだが、ネットを漁っていたら、以前のアルスの記事を見つけた。

(一緒に働いている -
NASAは、軌道燃料補給技術でSpaceXと協力することに同意します
「マーシャルとグレンの公務員は、この分野で非常に才能があります。」
エリック・バーガー - 2019 年 7 月 31 日、午後 8 時 55 分)
https://arstechnica.com/science/2019/07/nasa-agrees-to-work-with-spacex-on-orbital-refueling-technology/

この時期は、まだアルテミス計画が策定されたばかりの頃で、HLSにスターシップが選ばれるなどとは夢にも考えられない時期なわけだ。

もちろん、SLSは飛んでいない。

「SLS ロケットは、依然としてスケジュールが大幅に遅れており、予算を上回っています。有意義な探査ミッションを少なくともあと3、4年は飛ばす可能性は低く、トランプ政権のアルテミス計画を遅らせている。」

我々は、3年と4か月後に初号機が飛び立ったことを知っている。

が、それは後の話だ。

浮沈子的に注目したのは、NASAが軌道上の燃料貯蔵施設について、長期に渡る研究開発を進めていたことだ。

「彼らは、持続可能な探査計画には軌道上での燃料補給と大型ロケットの両方が不可欠であると主張しました。」

もちろん、アルテミスで使用することを想定していたわけではないだろうが、将来的な探査には不可欠と考えていたことは間違いない。

S社の独壇場ではなかったわけだな。

「NASA はこれまで、宇宙での液体酸素、水素、メタンなどのロケット燃料の取り扱い、移送、貯蔵について研究してきました。金属製の燃料タンクを通って直接移動します)。」

「SpaceX の人々は、Starship アーキテクチャの機能とニーズの両方で、彼らのシステムを明確に知っています。彼ら全員が同じ部屋に集まり、同じ問題に取り組むという事実は、素晴らしいことです。」

今まさに、その状況が生かされている。

当時のS社の需要としては、あくまでも火星飛行に対するソリューションとしての燃料貯蔵所であったわけだ。

「人間を火星に送ることを目指しているいくつかのシナリオでは、スーパーヘビーロケットが火星行きのスターシップを地球低軌道に打ち上げます。」

「その時点で、宇宙船はペイロードを火星まで運ぶために、燃料タンクを補充する必要があります。」

「地球低軌道で火星行きの宇宙船 1 隻に燃料を補給するには、スターシップ 5 回分の燃料 (ペイロードとして) が必要であると推定されており、これには数百トンのメタンと液体酸素の移動が必要です。」

画像を見ると、今日のスターシップのバリエーションな燃料デポとはかけ離れた、立派な(!?)貯蔵施設がイメージされている。

巨大な太陽電池パネル群(しかも、ルーシーでケチをつけた扇形に開くやつ!)が目を引くが、3基のタンク(これは、打ち上げロケットの上段をタンクとして使っている感じで、リアリティがあるな)も見て取れる。

謎のトラス構造の枠がワケワカだが、補給に訪れた宇宙船をキャプチャーするカナダアームみたいなのもあって、それなりに考えてはいるようだ。

この時点では、ポンプみたいなのを駆動して給油することを考えていたのかも知れない。

現在のコンセプトでは、2機の宇宙船をくっ付けて、加速度を利用して移送することになった様だ。

まあいい。

議会に配慮したのかどうかは知らないけど、接続しているのはクルードラゴンじゃないからな(さりとて、当時すでに仕様が確定していたオリオン宇宙船ともビミョーに異なるのは、ささやかな抵抗かあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、民主党支配の議会が、地元に利益をもたらすSLSを推進していたことを批判する気にはなれない。

平時の宇宙開発なんて、そんなもんだと思っている。

今は、平時じゃないからな。

中国が宇宙戦争に全面的に参入し、スターリンクを撃墜すると公言する時代だ。

米国も、シスルナ空間での自由な移動を確保するために、原子力推進ロケットをNASAを引き込んで開発している。

静止軌道に於ける(静止軌道「から」ではない点に注意だな)監視を強化するために、我が国の衛星に監視カメラを搭載することになっている。

そんな時代に、軌道上にこんな立派な燃料貯蔵庫を浮かべていたら、真っ先に攻撃目標になりそうな気がするんだがな。

やっぱ、何かあったら、すたこらさっさと逃げ出せるように、S社の燃料デポには、1基だけでもラプターエンジンを搭載しておきたいところだ(そのためのエンジンかあ?)。

この記事の元ネタになっているNASAのプレスリリースも見てみる。

(NASA、月と火星の技術を前進させるための米国の業界パートナーシップを発表)
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-announces-us-industry-partnerships-to-advance-moon-mars-technology

「編集者注:このリリースの以前のバージョンでは、選択された企業の数が誤って記載されていました。正しい数は 13 です。」

エリックバーガーは、リリースされた日に記事を書いているからな。

訂正が反映されていないのは仕方ない(記事では、10社となっている)。

「SpaceX は Glenn と Marshall と協力して、同社の Starship 宇宙船の開発における重要なステップである、軌道上で推進剤を移送するために必要な技術を進歩させます。」

これが記事のネタなんだが、浮沈子的には、もう一つの方に注目だな。

「カリフォルニア州ホーソーンの SpaceX は、フロリダにある NASA のケネディ宇宙センターと協力して、大型ロケットを月に垂直に着陸させる技術を進歩させます。これには、エンジン プルームと月のレゴリスとの相互作用を評価するための高度なモデルが含まれます。」

おっと!。

まあ、ブルーオリジンの着陸船絡みの話も出てくる。

「ワシントン州ケントの Blue Origin は、ヒューストンとゴダードにある NASA のジョンソン宇宙センターと協力して、月面のさまざまな場所に安全かつ正確に着陸するためのナビゲーションおよび誘導システムを成熟させます。」

「Blue Origin は Glenn and Johnson と提携して、同社の Blue Moon 着陸船用の燃料電池電力システムを完成させます。このシステムは、ほとんどの場所で約 2 週間続く月の夜に、途切れることなく電力を供給することができます。」

「Blue Origin、Marshall、Langley は、月着陸船で使用できる液体ロケット エンジン ノズルの高温材料を評価し、成熟させます。」

ドリームチェイサーの話とか、ホールスラスター(自動翻訳では、長母音にしてるからな)の話も合って、気が散るな。

NASAは、ブルーオリジンのナショナルチームをものにしようと、積極的な支援を行っていたようだ。

S社の着陸支援の方は、かなり技術的に成熟している感じがする。

噴射に伴うレゴリスの挙動をシミュレーションするだけなのかもしれない(詳細未確認)。

ともあれ、S社の燃料デポは、スターシップ2段目のバリエーションということになった。

NASAが構想しているものとは異なる形だが、目的が果たされればそれでいいのだ。

(SpaceXがNASAのStarship軌道推進剤転送テストの作業を開始)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-orbital-propellant-transfer-nasa/

「NASA は SpaceX に「スターシップのタンク間で 10 トンの…液体酸素…を移送する大規模な飛行デモンストレーション」に対して 5,300 万ドルを授与しました。」

「NASA が 2021 年 4 月に SpaceX に、そして SpaceX だけで、Starship で人類を月に帰還させる 29 億ドルの契約を競争的に授与するという衝撃的な決定を下した」

そう、誰もが(イーロンマスクさえ)驚いたこの決定は、文字通り決定的だったからな。

浮沈子的にこの記事で注目したのは次の記述だ。

「地球の高軌道で燃料を補給することで、スターシップは地球の月に数百トンを着陸させ、太陽系のどこにでも貨物や宇宙船を短期間で打ち上げることができます。」

「高軌道」って、ナンボよ!?。

「SpaceX が 2022 年末までに作業を完了することを期待している」

我々は、その作業がまだ行われていないことを知っている。

ああっ、未来に身を置くことが幸せとは限らないのだ。

過去記事を読み返すのは、いささか辛いな・・・。