🐱スターリンク:シェル6の怪2023年03月19日 21:07

スターリンク:シェル6の怪


スターリンクのシェルの話については、このブログでも既に触れた。

(スターリンク:V2ミニの研究)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/03/04/9567084

「混乱のもとになっているのはS社がFCCに途中で変更を出しているからだな。」

「軌道高度1000km以上の高軌道を、途中で500km台の低軌道に変更申請している。」

しかも、以前の申請では異なる軌道高度と傾斜角だったのを、変更後に同一高度、同一傾斜角にしちまった。

初期の軌道(申請時の名称?:高度:傾斜角:機数)→変更後
・シェル4:1275:81:375→560:97.6:348
・シェル5:1325:70:450→560:97.6:172

この軌道には、本日現在、4回うち上げている。

・11 July 2022:Starlink Group 3-1
・22 July 2022:Starlink Group 3-2
・12 August 2022:Starlink Group 3-3
・31 August 2022:Starlink Group 3-4

唯一の極軌道だ(打ち上げは全てバンデンバーグから46機ずつ:70度という傾斜角(シェル2)もあるけど、極軌道とまでは言えないな:90度くらいは必要だろう)。

この軌道の特性を生かしきるには、スターレーザー(衛星間通信:クロスリンク)を使って、地上局があるところまで軌道上を中継してこなければならない。

たぶん、まだ、実験段階だろうな。

南極とかでは使っているみたいだけど、これっぱかしの機数じゃ、全世界レベルのサービスは出来ない。

520機の配置が許可されているけど、元々、高緯度地方の需要は限られているからな。

浮沈子は、この軌道を纏めてシェル3と呼んでいる(ウィキのリストでは、グループ3-Xとしているし、イーロンXでは、ミッション3-Xと呼んでいる)。

まあ、どうでもいいんですが。

現在許可されている軌道を整理するとこうなる。

通称名:運用軌道高度:軌道傾斜角:許可機数
シェル1:550km:53度:1,584
シェル2:570km:70度:720
シェル3:560km:97.6度:520
シェル4:540km:53.2度:1,584
シェル5:525km:53度:2500
シェル6:530km:43度:2500
シェル7:535km:33度:2500
(シェル5~7の許可機数の内訳はテキトー:合計7500機)

通称名はテキトー。

シェルは、殻(から)の意味だから、そう呼ぶ方が分かりやすい(すべて異なる高度に配置される)。

特に、シェル1とシェル5は、軌道傾斜角が同じだから、軌道高度の方で整理しないとな。

このシェル5というのが、当初の申請でシェル3に合算された軌道だったことが混乱を招いたわけだ。

しかも、第二期の軌道配置に際して、衛星自体もV2になるのではないかという憶測が飛んだからな。

蓋を開ければ、シェル5だとばっかり思っていた起動で上がったのは従来のV1.5の衛星だった。

なーんだ・・・。

その後、V2ミニが上がって留飲を下げた(そういうことかあ?)。

この辺りから、既にいろいろ混乱を来している。

シェル5だとばかり思っていたのは、実はシェル6で、ミッション名で6-1で上がったのは、高度530km、軌道傾斜角43度の同じシェル6ということになる(シェル5には、まだ上がっていない!)。

うーん、パニックだ・・・。

既に別記事でも書いたが、この軌道はなかなか興味深い。

(スターリンク:最適化)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/02/14/9562954

「名称:日付(欧州中央時間):場所:傾斜角:投入軌道:衛星数:
・5-1:12/28:SLC-40 :43°:212 km x 338 km:54
・5-2:01/26:SLC-40 :43°:212 km x 337 km:56
・5-3:02/02:LC-39A :43°:325 km x 343 km:53
・5-4:02/12:SLC-40 :43°:298 km x 339 km:55」
(5-1は追加:打ち上げは全てフロリダだ。)

同じ運用軌道ながら、打ち上げ機数、投入軌道(ペリジー及びアポジー)がそれぞれ異なる。

探っている感じもするし、既に最適化のノウハウが確立していて、それに従っている可能性もある。

今回、このシェルに新たなミッションが加わる。

(スターリンクミッション5-5)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-5-5/

「開始日: 2023 年 3 月 24 日 14:07 CET」

「一次ロード: Starlink衛星コンステレーション用の衛星の別のバッチ(51-56 個)」

おいおい、シェル5にはこれまで53~56個の衛星を上げてるぞ(ペーターメレチンも手抜きだな)。

「ターゲット:地球低軌道(傾斜角43°)」

投入軌道のペリジーとアポジーは今のところ不明だ。

それにしても、同じ軌道で呼称が異なるのは困るな。

スペースXは何と呼んでいるんだろうか?。

(FEDERAL COMMUNICATIONS COMMISSION
APPLICATION FOR SPECIAL TEMPORARY AUTHORITY)
https://apps.fcc.gov/oetcf/els/reports/STA_Print.cfm?mode=current&application_seq=121294&RequestTimeout=1000

「Explanation:
Please explain in the area below why an STA is necessary:
・・・Mission 1927 Starlink Group 5-5 from Cape Canaveral FL at LC-40 CCAFS or LC-39a at KSC, (以下略)」(リンクは、ウィキのリストから辿った。)

同じ様に、FCCのリンクが張られているのは、次の打ち上げの6-2で、同じ様な記述がある。

「 Mission 1888 Starlink Group 6-2 from Cape Canaveral FL at LC-40 CCAFS or LC-39a at KSC, 」

おそらく連番で振られているミッション番号は当てにならない(そうなのかあ?:少なくとも、軌道との連動はない)。

区別できるのは、スターリンクグループ5-5とか、6-2とかいう部分だけだ。

シェル6(高度530km、傾斜角43度)には、2種類のグループがある(違うのは、衛星だな!)。

・スターリンクグループ5-X(V1.5衛星)
・スターリンクグループ6-X(V2ミニ衛星)

ちなみに、グループ6は、来月にも6-3が予定されている。

「・・・Mission 1889 Starlink Group 6-3 from Cape Canaveral FL at LC-40 CCAFS or LC-39a at KSC,(以下略)」

ミッション名は連続しているな(1888、1889)。

打上げは、グループごとの打ち上げになる(一つの打ち上げで複数のグループ名ということは、少なくとも今まではなかった)。

逆に、一つのグループ名が複数の打ち上げで使われたこともない。

ミッションは、グループ名と1対1で対応しているようだ(シェル1の打ち上げだけは、通番で上がっているけど)。

それでも例外はない(相乗りでV1.5を上げたりしているけどな:2021年6月30日:3機)。

うーん、どうしたものか。

1度の打ち上げで配置される軌道(シェル)を跨ぐ心配はないだろうが、それでもシェル1(高度550km)とシェル5(同525km)は軌道傾斜角が同じ53度だから、同時に上げようと思えば出来ない話ではない。

まあいい。

そういうややっこしい事態になったら、また考えよう。

確認しておこう。

以前の記事で、浮沈子は勘違いをしていたことに気付いた。

シェル5と思っていたのは、実はシェル6だったし(単純ミス!)、グループ5-Xとグループ6-Xは、同じシェル6の異なるバージョンの衛星の区分として命名されているようだ。

今後もV2ミニの展開が増えると、他のシェルでも同じことが起こるだろう。

今までは、グループ名称とシェルとは1対1で連動していたけど、今後は1つのシェルに複数のグループ名が付与されるわけだ(たぶんな)。

第一期の変更申請で、2つのシェルを一つに統合した(シェル3)のは理解したけど、第二期の申請(一部承認)と、衛星のバージョンの違いで大混乱だ。

やれやれ・・・。

念のため、現時点での整理を纏めておく。

シェル名(仮称):軌道高度:軌道傾斜角:グループ名(S社呼称、イーロンXミッション名):衛星バージョン:

・シェル1:550km:53度:(無名:連番のみ):V1.0
・シェル2:570km:70度:2ーX:V1.5
・シェル3:560km:97.6度:3-X:V1.5
・シェル4:540km:53.2度:4-X:V1.5
・シェル5:525km:53度:未定:未定(V2?)
・シェル6:530km:43度:5-X:V1.5
・シェル6:530km:43度:6-X:V2ミニ
・シェル7:535km:33度:未定:未定(V2?)

今のところ、こんな感じだな。

この中には、もちろん、スターシールド専用衛星は含まれていない(そんなもんがあるとすれば:2022年6月19日の打ち上げは怪しい:公開されているグローバルスターの予備衛星の他に、4機が上がっているという情報も)。

(The four classified satellites launched together with Globalstar FM15 on a Falcon 9 rocket yesterday have been detected in a ~535 km orbit at 53 deg inclination.)
https://twitter.com/cgbassa/status/1539044005564100609

「昨日、Falcon 9 ロケットで Globalstar FM15 と共に打ち上げられた 4 つの分類された衛星は、傾斜角 53 度の約 535 km の軌道で検出されました。」

上記は、ウィキの打ち上げリストからリンクが張られていた。

「衛星の低質量は、打ち上げ場所への帰還の欠如と型破りなペイロードディスペンサーの使用とともに、2番目の非公開の政府ペイロードがあるという憶測につながった.」

「打ち上げ後、4 つの米国指定衛星がカタログ化され、第 2 段階のカットオフ 1 と第 2 段階の起動 2 の間にリリースされた4 つの秘密の米国政府ペイロードの存在が確認されました。」

「これらの衛星は、スターシールド バス (スターリンク ブロック v1.5 または v2.0 テクノロジに基づく) に基づいて SpaceX によって構築されたテスト衛星であり、打ち上げビデオで見られる展開構造に基づいている可能性があります。」

「彼らの目的は明らかにされていませんが、技術的なデモンストレーション、通信、地球観測、または信号インテリジェンスのいずれかである可能性があります。」

軌道高度535kmといえば、シェル7と被る。

同じ傾斜角ではないが(33度)、53度のシェル5(高度525km:本日現在未配置)に降ろしてくることは可能だろう。

まあ、どうでもいいんですが。

それでなくてもややっこしいんだからな。

スパイ衛星の面倒まで見ていられないぞ・・・。