🐱スターリンク:560kmの怪2023年03月31日 05:50

スターリンク:560kmの怪


(SpaceX が Starlink インターネット衛星の別のバンドルを打ち上げる)
https://spaceflightnow.com/2023/03/29/falcon-9-starlink-5-10-launch-coverage/

「FCC は、7,500 個の Starlink Gen2 衛星の最初のブロックを、Ku バンドと Ka バンドの周波数を使用して、それぞれ 53、43、および 33 度の傾斜角で、525、530、および 535 キロメートルの軌道に打ち上げる権限を SpaceX に付与しました。」

「水曜日のスターリンク 5-10 ミッションの衛星は、最終的に赤道に対して 43 度の傾斜で高さ 530 キロメートル (329 マイル) の軌道に移動します。」

「第 1 世代の Starlink ネットワーク アーキテクチャには、数百マイル上空を飛行し、赤道に対して 97.6 度、70 度、53.2 度、53.0 度の傾斜で周回する衛星が含まれています。」

うーん、どこを見ても、傾斜角43度で高度560kmという話はない。

そんな軌道は、スターリンクには許可されていないのだ。

560kmでは、傾斜角97.6度が許されているが、5-10は、そこへ飛ばしているわけじゃない。

「ターゲット軌道: 185 マイル x 210 マイル (299 キロメートル x 339 キロメートル)、傾斜角 43.0 度」

前回の5-5の投入軌道高度は、およそ300kmの円軌道と曖昧だったが、今度は明確に示されている。

まあ、どうでもいいんですが。

(木曜日に設定されたペンタゴン独自のメガコンステレーションの最初の打ち上げ)
https://spaceflightnow.com/2023/03/29/first-launch-for-pentagons-own-mega-constellation-set-for-thursday/

「第 1 の柱は増殖、何百もの衛星です。第二の柱はスパイラル展開です。つまり、基本的に隔年でスパイラルまたはトランシェを開始することになります。」

「最初の 28 個の衛星はトランシェ 0 として知られており、木曜日に Falcon 9 ロケットで 10 個の宇宙船が打ち上げられるのを待っており、さらに 18 個の衛星が 6 月に別の Falcon 9 ミッションで打ち上げられる予定です。」

「2024 年初頭のある時点で、米軍が極超音速ミサイルを検出して追跡する能力をチェックするときに、トランシェ 0 衛星はおそらく最も重要なテストを受けることになります。」

「第 1 段階は、ミサイル追跡とデータ中継ネットワークの概念実証として今年打ち上げが予定されている 28 基の衛星で構成され、その後、2024 年と 2025 年に 150 基を超える追加の衛星が打ち上げられ、最初の運用環境を提供します。」

「Tranche 0 と Tranche 1 の注文を含めて、SDA はこれまでに 204 機の宇宙船を調達しました。」

「(トランシェ 1 の) 打ち上げは来年 9 月に開始され、今後 12 か月間、毎月 1 回打ち上げられます」

「2026 年に開始される打ち上げに向けて、トランシェ 2 トランスポート層用にさらに 216 個の衛星を発注する予定」

記事は、同じ記述を繰り返し、時系列でないので読むのが大変だ。

SDA(宇宙開発局)が、軍事用の低軌道コンステレーションを展開して、ミサイル防衛をはじめとする衛星支援戦術システムを構築したがっているのは分かった。

一度にごっそり金がかかる方法ではなく、「増殖」し、スパイラルに発展していく継続的なアプローチを採る。

低軌道コンステレーションは、そういう展開には向いているだろう。

基本的に、これまでの衛星支援戦術システムと変わるところはない。

宇宙から監視し、地上部隊に情報を提供し、それに基づいて戦術を立案して実行する骨格は変わらない。

監視の内容が高度化したり、情報伝達が素早くなったり、分析や計画立案が自動化されたりして、広範に使われることになるんだろう。

極超音速ミサイル探知など、最新兵器への対応も織り込まれるが、まあ、そういうのは予算獲得のためのアピールに過ぎない(従来のシステムに、センサー追加するだけだからな)。

衛星間リンクも、レーザー通信でなければ既に行われているからな。

コストが少なくて済むとか言っているが、そういう触れ込みでなければ金は取れない。

まあいい。

で、問題は、この秘密の(その割には、派手に宣伝していますが)軍事低軌道衛星群の運用高度なわけだ。

衛星の重量や性能はもちろん、軌道要素も明らかになっていないけど、ひょっとすると530km近辺の運用になっているのではないのか。

スターリンクのグループ5(認可軌道は傾斜角43度、高度530km)が、断りもなく、勝手に560km近辺(実際に配置されているサブシェルの高度は553kmと559.1km)に変更されているのは、非公表のコンステレーションに530kmの高度を明け渡すためではないのかあ?。

怪しい・・・。

実に怪しい!。

例によって、浮沈子の妄想に過ぎないけど、打ち上げられているグループ5の衛星は、次々と認可されている高度を超えて上昇中だ。

5-1から5-4までは、一部の衛星は560kmのシェルに到達しているし、打ち上げられたばかりの5-5や5-10も、同様の経緯を辿るだろうことは明らかになりつつある。

(ジョナサンの宇宙ページ
巨大な (「メガ」) 衛星コンステレーション)
https://planet4589.org/space/con/conlist.html

グループ5の現状は以下の通り。

・530km:0機
・553km:35機
・559.1km:75機
・その他(離脱、上昇中など):212機
ーーーーーーーーーーーー
合計:322機

うち分けの詳細は以下で分かる。

(ジョナサンの宇宙ページ
スターリンク統計)
https://planet4589.org/space/con/star/stats.html

S社は、既に530kmに配置する気はない。

メディアは、この件については何も報道していない。

マクダウェル氏のリストを見れば、当局の認可に対して明白に違反していることが分かる。

既に100機以上な話で、例外などではない。

V2ミニのトラブル(単なる初期不良)なんかより、余程ニュース性はありそうな気がするんだが(法令を踏みにじる勝手な振る舞い?)、なぜかメディアは取り上げない。

箝口令でも敷かれているんじゃないのかあ?。

毎度打ち上げの度に報道されるのは、530kmに配置される予定という金太郎飴な話ばかりだ。

トランシェコンステレーションが理由かどうかは分からない。

もっと別の話(例えば、スターシールド専用衛星)の方がありそうな気もする。

トランシェは、衛星数が少ないからな(せいぜい数百機)。

配置軌道は、もっと高いと思われる(少なくとも1000km以上?)。

ワンウェブに近いのではないか(全世界での運用を考えると極軌道の可能性が高い)。

どっちにしても、公になることはないだろう。

漆黒の闇の中を、音もなく飛び交う軍事衛星の群れ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(Falcon 9 had an auto abort just prior to T-0. Vehicle and payload are in good health; teams are resetting for a launch attempt tomorrow, March 31 at 7:29 a.m. PT)
https://twitter.com/SpaceX/status/1641454702310338571?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1641454702310338571%7Ctwgr%5Ee3d37df5117d75c6957ecce454240fa7420aef8e%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fspaceflightnow.com%2F2023%2F03%2F30%2Ffalcon-9-sda-tranche-0a-mission-status-center%2F

「Falcon 9 では、T-0 の直前に自動アボートが発生しました。車両とペイロードは良好な状態です。チームは、明日 3 月 31 日午前 7 時 29 分 (PT) に打ち上げの試みに向けてリセットしています。」

打上げは、直前に中止されたようだ。

最近は、自動中止は珍しいな。

何があったのかな・・・。

(ミッション SDA トランシェ 0 L1)
https://www.elonx.cz/mise-sda-tranche-0-l1/

「ターゲット: 950 x 950 km のパラメーターと80 °の傾斜角」

残念、浮沈子のヤマ勘は、またもハズレだ。

極軌道といえるほど深くはないし、投入軌道は1000km未満だ(実際の運用軌道は不明のままだがな)。

少なくとも、530kmじゃなかったわけだ。

やれやれ・・・。

サブシェルの553kmにしても、559.1kmにしても、それぞれに傾斜角は異なるけど、直ぐ近くの高度を別の衛星がブンブン周っている。

・547.25km:1429機(グループ1:53.05度)
・560km:3機(グループ3:97.6度)
・563km:181機(グループ3:97.6度)

グループ5の560kmの軌道高度は謎のままだ・・・。