🐱メキシコへの道:第3章:ライン2023年08月12日 08:14

メキシコへの道:第3章:ライン


<おことわり>ーーーーーーーーーー

 この記事では洞窟潜水(ケーブダイビング)に関する記述が出てきます。閉鎖環境(直接水面に浮上することができない環境)での潜水は非常に危険です。指導団体による正規のトレーニングを終了せずに行うことは命に係わります。
 浮沈子の個人的見解ですが、オープンウォーター(海洋など、直接水面に浮上できる場所)で行うダイビングに比べて100倍ヤバいです(オープンウォーターダイビングも十分危険なレジャーですが)。
 知る限りの指導団体では、講習は段階を踏んで行われます(実際の講習では連続して行われることもあるようです)。各段階ごとに侵入できるエリアには制限が設けられています。それを超えて洞窟の奥へ侵入することは禁じられています(講習終了した段階の制限を超えては進めません:リスク管理は厳格です)。
 一方、正規の訓練を受け、正しい態度や十分なスキルを身に着け、必要な器材を十分に使いこなすことができれば、そして、洞窟のさらに奥に何があるかについて、カリブ海のカラフルな熱帯魚の群れよりも興味があるなら、充実したダイビング体験ができることは請け合います。

では、死神の絵が描かれている看板の奥に行ってみましょう・・・。

ーーーーーーーーーーー

洞窟の中には何があるのか。

天然の光が届くカバーンエリアを超えて、さらにその奥へと続くケーブエリアに行くまでは、浮沈子も知らなかった。

もちろん、カバーンエリアにもそれはあったけど。

ラインだ(ガイドラインとも言います)。

材質は、多分ナイロン。

撚りを入れた、ふつーの紐で、太さはおそらく数ミリ程度。

ロープとは呼べないが、フィンガースプールに巻き付けてあったり、巻取り装置が付いているリールのラインとは異なる。

パーマネントラインとか、メインラインとか呼ばれている、まあ、大通り(メジャーな通路)なわけだ。

これが引いてあるところは、人通りも多い。

銀座通りな感じだ。

例外を除いて原則追い越し禁止だし、すれ違う時にも気を使わなければならない(ライトで目潰ししちゃいけないとかな)。

いろいろルールはあるけど、詳細は割愛する。

メインストリームにひいてあるパーマネントラインは、その名の通り、ずーっとそのまま設置してある。

ふつーの洞窟潜水するダイバー(たとえば、フルケーブダイバーになったばかりの浮沈子など)は、このラインに沿って、大通りを行ったり来たりすることになる。

もちろん、ジャンプやギャップを飛んで、離れた別のパーマネントラインに行くこともできる(イントロケーブダイバーでは、飛べません)。

洞窟の中は、もちろん、直接浮上して地球の大気という無尽蔵の呼吸源に辿り着くことはできないから、オープンウォーターダイビングとはけた違いのリスクを負っていることに変わりはないけど、そして、このメインラインを辿っていても、様々なトラブルが起こり得るので絶対的な安全とは程遠いが、ぶっちゃけ、ただひたすら泳ぐだけという行為で何とかなる。

正確なトリム取ったり(水平とは限りません)、シルトを巻き上げたり、壁や天井、鍾乳石蹴ったりしないフィンワークとか、ああでもないこうでもないという話はいくらでもあるけど。

知識的にも、座学でいやというほど叩き込まれてパンク状態にはなるけど、それでも、連続したパーマネントラインが引かれているエリアで、ガスマネージメントが厳格にできていて保守的な運用が徹底されていれば、戻るべき時点で戻ることさえ守れば帰ってくることは出来る。

ラインをただ見ているわけではない。

どこにどのように張られているのか、高低差はどうか、タイしてある(岩などに固定されている)場所の状況、壁や床、天井などとの距離はどうなっているか、他のラインが隠れてはいないか(ここ、重要です!)、エトセエトセを確認しつつ、ちゃーんと目で追いながら泳いでいかなければならない。

ラインとの距離も重要だな。

近寄りすぎてフィンで蹴ったりしてはいけないし、離れ過ぎて、突然の視界不良(マスク取れたあーっ!)などの際に、パッと手を伸ばして触れることができる程度の距離を保つ必要もある。

前を行くダイバー、後ろからくるダイバーの存在、距離、ライトコンタクトなどにも気を配らなければならない。

忙しいな・・・。

漫然と泳いでいるわけじゃない。

サイドマウントでは、左右のタンクの切り替えや、ガスの消費に伴うタンクの浮力変化に対応するための取り付け位置の変更も必要だ(セノーテではアルミタンクなので)。

自分の器材の運用や、トラブル対応にも神経を使う(パワーインフレーターが、今、突然吹いたらどーする!?)。

が、それでも、パーマネントラインを辿って泳いでいる時は、リスクは相対的に低い(オープンウォーターダイビングの100倍くらいか)。

ジャンプやギャップ(他にも、Tとかありますが)を越えて、複雑なケーブシステムに入り込んでいけば、そりゃもう、リスクは無限に増えていく。

正しい知識と、ルールを守る厳格な態度、鍛錬されたスキルとそれらを支える心身の健全さが求められる。

死神看板は、伊達や酔狂で設置されているわけではないのだ。

が、ラインの話をもう少し続けよう・・・。

オープンウォーターの環境でも、ガイドラインが設置されているところは多い。

安全のためということもあるし、確実に目的地にたどり着くために、効率を考えて設置されているところもある。

ブイを付けて、垂直に張られていたりもする。

視標というやつだな。

それを手で持って、掴まりながら先行や浮上するスキルも練習するでしょ?。

少し上手になると、目で追って、触らずに浮力コントロールできるようになったりして!。

もっと上達すると、ライン(視標)なんて見なくても、ブルーウォーターで潜降浮上ができるようになる。

ラインは、見ない方がエライ!(そうなのかあ?)。

そういう思い込み(!)は、すっぱり捨てて、洞窟潜水のラインの意義について、しっかり学ぶ必要があるな。

基本、ラインはしっかりと見るものだ。

視覚に頼ることが出来なくなれば、習ったとおりに手(指)で触れて辿ることになる。

ラインを見失う、或いは触れていたラインから手(指)が離れることは、死を意味する。

ロストライン。

すぐに見つかれば、或いは、すぐ再び触れることが出来れば問題はない(出口の方向さえ間違わなければ)。

が、見失ったこと、触れていた手が離れること自体はインシデントだ。

あってはならないこと、アクシデントに発展しかねない、重大なトラブルだ。

浮沈子が受けた講習では、そして、たぶん、洞窟潜水の講習ではどんな指導団体でも(たぶん)、ロストラインに対応する訓練を行う(ここでは詳細については触れません)。

イントロケーブの最後の最後、しかも、午後からのダイビングと相場が決まっている(イントロケーブ講習のハイライトです:ストレス最高潮!)。

地べたをはいつくばって移動するスキルだから、洞窟が濁るからな。

その際に、指導者からは重要なことを言い渡される。

「このスキルを身に付けたからといって、必ずラインに戻れるとは限らんぞ!。」

浮沈子は、セノーテの講習に先立って、海洋で2回、ロストラインのスキルを練習している(大瀬の湾内)。

で、2度とも失敗した。

既に、2回死んでいるわけだな。

やれやれ・・・。

洞窟でのラインは、文字通り命綱だ。

人間は、洞窟の中で生きられる動物じゃない。

光あふれ、呼吸する空気に満ちた地上に生息する動物だ。

真っ暗で呼吸ガスが限られている洞窟から、生きとし生けるものたちの世界へと導く命のライン・・・。

(蜘蛛の糸)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9C%98%E8%9B%9B%E3%81%AE%E7%B3%B8

「芥川龍之介のはじめての児童文学作品」

そうか、児童文学だったのか・・・。

「ドイツ生まれのアメリカ作家で宗教研究者のポール・ケーラス(en:Paul Carus)(1852-1919)が1894年に書いた『Karma :A Story of Buddhist Ethics』(以下、『カルマ』と略)の原書[4](この原書は後述のカルマⅢである。)には以下の8編の仏教説話が収録されているが、『蜘蛛の糸』の材源となった「The Spider-Web」はケーラスの創作」

元ネタがあったとは知らなかったな。

「「カラマーゾフの兄弟」説」

「この人は野菜畑で葱を一本引き抜き、乞食女に与えました」

「ではその葱を取ってきて、火の湖にいるその女に差しだしてあげなさい。それにつかまらせ、引っぱるのです。もしも湖から岸に上がれれば、そのまま天国に行かせてあげよう。でもその葱が切れてしまったら、今と同じところに残るがよい」

まあ、糸でもネギでもいいんですが。

陸上で、どんな悪行をしていても、洞窟潜水でラインが切れちまって上がってこられなくなることはない。

が、正式な訓練を受けず、正確で十分な知識や、鍛錬されたスキル、ルールを守る厳格な態度、保守的な運用を守ることをしなければ、カンダダや意地の悪い女のように、地獄に落ちて苦しむことになるのだ。

もちろん、このラインは俺様のものだと言って、後ろからくるダイバーを思いっきりフィンで蹴ったりすれば、目の前のラインが切れるかもしれないけどな(そんなあ!)。

虫も殺さぬ浮沈子は、陸上で悪行をしているわけではないけれど、洞窟のラインを辿る時には、蜘蛛の糸の話(ネギでもニンジンでもいいんですが:『地獄の人参』という話もあるようです)を思い出す。

自分がリードダイバーの時は、後続のダイバーを蹴らないようにしないとな・・・。

🐱メキシコへの道:第3章:見ること2023年08月12日 13:27

メキシコへの道:第3章:見ること


<おことわり>ーーーーーーーーーー

 この記事では洞窟潜水(ケーブダイビング)に関する記述が出てきます。閉鎖環境(直接水面に浮上することができない環境)での潜水は非常に危険です。指導団体による正規のトレーニングを終了せずに行うことは命に係わります。
 浮沈子の個人的見解ですが、オープンウォーター(海洋など、直接水面に浮上できる場所)で行うダイビングに比べて100倍ヤバいです(オープンウォーターダイビングも十分危険なレジャーですが)。
 知る限りの指導団体では、講習は段階を踏んで行われます(実際の講習では連続して行われることもあるようです)。各段階ごとに侵入できるエリアには制限が設けられています。それを超えて洞窟の奥へ侵入することは禁じられています(講習終了した段階の制限を超えては進めません:リスク管理は厳格です)。
 一方、正規の訓練を受け、正しい態度や十分なスキルを身に着け、必要な器材を十分に使いこなすことができれば、そして、洞窟のさらに奥に何があるかについて、カリブ海のカラフルな熱帯魚の群れよりも興味があるなら、充実したダイビング体験ができることは請け合います。

では、死神の絵が描かれている看板の奥に行ってみましょう・・・。

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2年前に初めてメキシコでダイビングした時には、浮沈子はカバーンだけではなく、ちゃーんと(!)カリブ海にも潜った(生まれて初めてでしたが)。

名前は忘れたけど(浮沈子は、魚の名前とか覚えられない:美味そうかそうでないかくらい:塩焼きかムニエルにしたら美味そうでしたが)、カラフルな南国の熱帯魚の群れに囲まれて泳いだりもした(自称、リゾートダイバーですから!)。

ボートダイビングで、ポイントまで移動し、まったりと暖かい海で泳ぐのは楽しい。

初心者向けのポイントで、同行したロシア人の観光客の中には体験ダイビングのお客さんもいたしな。

水深は10mくらい。

カンクンエリアで、珍しい水中彫刻もあったしな。

いや、実に、ふつーに楽しい。

が、しかし、誰とは言わないが、メキシコに何十回と通って潜っているダイバーの中には、カリブ海で潜ったことがないというヘンタイもいる。

セノーテ(洞窟)ばっかし・・・。

まあ、好みの問題だから、どーでもいいんですけど。

燦燦と陽光降り注ぐカリブ海に背を向けて、真っ暗な(地球上で体験できる限り最高の暗闇だそうです)穴倉の奥へ奥へと突き進んでいく。

このブログでは、何度も書いているけど、洞窟の奥にあるのは洞窟だ。

さらに、その奥にも洞窟が続いている。

美しい鍾乳石、かつて水面上にあった時代(鍾乳石は、水中では形成されません:ヘルズベルとか、一部例外はあります)に迷い込んだ動物の骨とかはあるけど、原則として洞窟の中は洞窟だけが見えている。

何が面白くて洞窟潜水するのか。

浮沈子は、洞窟愛(ああ、十分ヘンタイだ)が足りないので、未だに永遠の謎である。

最近、メキシコ行きの準備でいろいろ復習したりしている中で、少し分かってきたのは、洞窟潜水自体が洞窟愛を育む要素を内包しているという点だな。

ケーブダイビングをしている際に見ているのは、今、見ているものだけではない。

潜水計画で確認したルート、エントリーしてから今までのルートでの情報(水深、水温、淡水海水の別、透視度、鍾乳石(つらら石、石筍、石柱)、岩(形などの特徴や岩質)、ライン(ライン上のマーカー、ジャンプやギャップ、Tなどの分岐)、シルトの状況、パーコレーション(吐いた泡で天井から落ちてくる剥落片、または、それが落ちること)の状況、エトセエトセ)、これから進んでいく先にあるトラバースやサーキットの情報が頭の中を駆け巡っている・・・。

もちろん、ガスの消費は定期的に確認するし、事前に想定されている消費量と比べて大きく乖離していないかもチェックする。

サイドマウントの場合には、さらに面倒くさい手順も必要だ。

ああでもない、こうでもない、ああだったこうだった、ああしなければならない、こうしなければならない・・・。

今この瞬間、視覚の中では見えないものを、頭の中で見ている。

浮沈子は、航空機の操縦は出来ないんだが、例えて言えば計器飛行を続けているようなものだ。

その作業を継続し続け、ダイビングを管理し続けることが、洞窟潜水では必要最低限のスキルになる。

見えていないものを見る能力が試される。

それが多ければ多いほど、また、体系づけられて整理され、効率よく管理されていればいるほど、ケーブダイバーとしてのスキルが高いことになる(もちろん、それだけじゃありませんが)。

カリブ海では、ボーっと潜っていられる(浮沈子だけかあ?)。

カメラも持たず、確か、ライトも持って行かなかったからな(明るいし)。

浅く明るく温かい(3A)、まったりとしたダイビングで、頭の中を空っぽにできる(得意です!)。

えーと、もちろん、残圧とか、潜水時間とか、深度は管理してますけど(NDLは、見てなかったかも!?:MAX10mですから)。

見ているものだけを見て、ダイビングできてしまうからな。

お魚と泳ぐ、お魚になる・・・。

おさかなになった、わ・た・し。

(「♪おさかなになったわ~た~し~」は何のCMでしたかね?)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213671032

「TOTOのバスタブのCMで、三東ルシアさんがお風呂につかっているシーンで、このフレーズが出てきました。」

(三東ルシア:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=R1HJ_m_mynA

まあいい。

お魚になった私をイメージするのだって、目に見えないものを見ているんだと強弁することはできるかも知れない(無理筋かあ?)。

しかし、洞窟潜水では、それが出来なければ潜れない。

絶対的な必要条件になるし、データを統合して価値を与え、情報として活用すること、つまり、行動に結び付けることが要求されるからな。

トレーニングでたまたま何かができること(スキルがあること)と、実際に、その時その場でそれを行えることの間には無限の距離がある。

しかも、洞窟の中という環境自体がとてつもないストレスを与えている。

浮沈子は、3回目のメキシコ行きに備えて前回の復習のつもりでこのシリーズを書いているけど、改めて振り返る度に新たな発見がある。

つーか、無我夢中で講習を受けていた時には気づかなかったことに気づかされる。

見ることについても、今更のように考えさせられる。

漫然と見る(対象を特定しないで広く情報収集する)、確認するために特定の対象をしっかり見る、目で見ているものの背後にあるものまで見る。

最後のは難しいな。

これには経験が必要だ。

ダイバーが、頻繁にゲージ(残圧計)を確認していたら?。

ひょっとして、想定外の呼吸ガスを消費していて、それを気にしているのかもしれないし、ゲージが壊れちまって針が動いていないのかもしれない。

ストレスが溜まってきて、他のトラブルを誘発するかもしれないし、場合によってはダイビング終了のゴールデンサインが出るかもな・・・。

が、単に、ゲージが見づらいだけで、ライトを当てて蓄光してから蛍光塗料が塗られた目盛と針を、再確認しているだけかもしれないし。

フィンキックが安定しているか、呼吸の乱れがないかなど、他のトラブルの兆候を見逃さないようにしておかないとな。

人のことはともかく、自分の方は大丈夫かな。

残圧は定期的にチェックしているかな、想定される時間消費量を逸脱してないかな、ゲージがぶっ壊れてるということはないだろうか。

ガスの消費に伴うタンクの浮力変化には適切に対応しているか、左右の消費バランスはどうか、この先で隘路が続くから、今、早めにチェンジしておいた方がいいかな、でも、それって時間的には短いかもしれないから、通過してからがいいかも・・・。

んなことを、前のダイバーはちゃあんと考えてるのかな・・・。

後ろのヤツは、どーするつもりなんだろう?。

おっと、若干の深度変化で海水層から淡水層へ上がらないといけなくなったぞ。

うーん、BCに入れた方がいいかな(淡水層は浮力が小さくなるので、浮上してても給気することがあります)、ちっと、呼吸で調整してみて、カバーできないようならすぐに給気できるように準備しとくか・・・。

見えないものを見、聞こえないものを聞く(これはあまりないかも)。

幻覚ではなく、エビデンスに基づく正しい情報で、現状を把握し、未来を予測し、限られた資源を活用して安全を確保していく。

洞窟愛にどっぷり漬かったダイバーは皆、終わることのないこのプロセスに快感を感じているんだろう(ヘンタイだあ!)。

浮沈子は、フルケーブ講習を辛うじてクリアしたてのひよっこケーブダイバーだが、その気持ちが少しだけわかるような気もする。

目の前に世界最大の水中洞窟が横たわっているのに、なんでカリブ海なんか(!)に潜るのお?(ヘンタイだあ・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

一応、念のために断っておくけど、洞窟の奥には洞窟しかない。

そりゃ、マストドンの骨とか、トラバースして別のセノーテの入り口に出たこととかもあるけど、基本的には行って帰ってくるだけの話で、見ているものの99パーセントは洞窟の壁(天井、床含む)だ。

珍しい水中生物といえば、メインルートをすれ違うほかのダイバー達だけ。

そういうダイビングを続けるかどうかは、講習が終わった後にそれぞれが判断することになる。

が、これだけは言える。

フルケーブダイバーの講習は受講する価値がある。

個人差があるので一概には言えないし、向き不向きは当然あるけど、金と暇と手間を掛けるに値する。

洞窟愛に乏しい浮沈子は、まだ、カリブ海に未練がある(たらたら・・・)。

次回は、コスメル島のドロップオフで、是非ともお魚ダイビングを楽しみたい(ここ、重要です!)。

まあ、それができるかどうかは、同行のダイバー次第だけどな(前回はとてもとてもムリポ!)。

両眼の人工眼内レンズで見られるものだけを見る。

頭の中に、仮想の洞窟を作ることもない。

洞窟ダイバーはきっと、潜っていない時でも、シミュレーションしているんだろう。

頭の中の、自分だけの仮想の洞窟を、もちろん、他人の目で見ることのできない世界を、自由自在に遊弋する。

呼吸ガスが足りなくて戻らざるを得なかったターニングポイントの先まで、トラバースできなかった遠くのセノーテまで、Uターンして戻ってきたサーキットを回って、元のセノーテにたどり着くまで・・・。

予備のタンクを持ち、40mの制限を超え、減圧ガスを吸い、スクーターを抱え、リブリーザーで呼吸しながら延々と潜り続ける夢を見るのだ(どれも、浮沈子にはできませんが)。

ただひたすらに、洞窟の壁を見ながらな。

洞窟ダイバーが見ているのは、どこまでも永遠に潜り続ける夢なのかもしれない。

この洞窟の果てまで行ってQ!・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(パーコレーション)
http://www.inspiredtodive.com/photo-blog/percolation

「パーコレーションとは、洞窟ダイバーが、吐き出された泡が上昇して岩に当たるときに洞窟の屋根から剥がれ落ちる泥に付けた名前です。」

(パーコレーション)
https://itsdefined.com/glossary/percolation/

「定義:ダイバーの排気泡が洞窟の天井のシルトを乱したときに発生する状況。」

元々の意味は、ガソリンが燃料パイプ内で早期に気化することをいうらしい。

(パーコレーション)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

「元は自動車用語で、ガソリンがキャブレターに到達するまでに気化し、燃料パイプ内に気泡を生ずること。」

「燃料噴射装置を採用している車両では、燃料供給装置内が加圧されているので起こりにくい。」

洞窟潜水の用語は、元の意味とはだいぶ異なっているな。

まあ、「泡のせいで不都合な状況になる」という点では共通だ。

浮沈子は、講習中にこれに見舞われ、背中が真っ白になった。

実際に体験すると、やや恐怖を感じることもある(天井が崩落するんじゃないか・・・)。

「洞窟の入り口付近で浸透が発生しているため、ダイビングを中止します。」(浸透:「percolation」の訳語の一つ:上記itsdefined.comからの引用)

天井に吐いた泡が溜まって、天井の凸凹の状況によっては、木の葉のような模様を見せることもあるようだ(浮沈子は見たことはありませんが)。

パーマネントラインが張ってあるメインストリートでは、パーコレーションは起きない。

通行量が多いからな。

落ちるべきものはみんな落ちてしまっている。

が、そこから少し外れると、パラパラと景気良く落ちてくる。

これが1万円札とかなら文句を言う筋合いじゃないだがな・・・。

🐱メキシコへの道:第3章:洞窟はどのようにして洞窟になったか2023年08月12日 19:35

メキシコへの道:第3章:洞窟はどのようにして洞窟になったか


<おことわり>ーーーーーーーーーー

 この記事では洞窟潜水(ケーブダイビング)に関する記述が出てきます。閉鎖環境(直接水面に浮上することができない環境)での潜水は非常に危険です。指導団体による正規のトレーニングを終了せずに行うことは命に係わります。
 浮沈子の個人的見解ですが、オープンウォーター(海洋など、直接水面に浮上できる場所)で行うダイビングに比べて100倍ヤバいです(オープンウォーターダイビングも十分危険なレジャーですが)。
 知る限りの指導団体では、講習は段階を踏んで行われます(実際の講習では連続して行われることもあるようです)。各段階ごとに侵入できるエリアには制限が設けられています。それを超えて洞窟の奥へ侵入することは禁じられています(講習終了した段階の制限を超えては進めません:リスク管理は厳格です)。
 一方、正規の訓練を受け、正しい態度や十分なスキルを身に着け、必要な器材を十分に使いこなすことができれば、そして、洞窟のさらに奥に何があるかについて、カリブ海のカラフルな熱帯魚の群れよりも興味があるなら、充実したダイビング体験ができることは請け合います。

では、死神の絵が描かれている看板の奥に行ってみましょう・・・。

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人間は、みんな悩んで大きくなったことになっている。

(ソクラテスかプラトンか(野坂昭如):動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=iCWbwqireyU

「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか
ニ、ニ、ニーチェかサルトルか
みーんな悩んで大きくなった!」

まあ、どうでもいいんですが。

この歌に、2番があったとは知らなかったな。

「シェ、シェ、シェークスピアか西鶴か
ギョ、ギョ、ギョエテかシルレルか
みーんな悩んで大きくなった!」

まあ、これも、どうでもいいんですが。

メキシコのユカタン半島の地下に広がるセノーテは、別に悩んで大きくなったわけじゃない(下手な前振りだな・・・)。

(セノーテ:日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%86

「中米ユカタン半島の低平な石灰岩地帯に見られる陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸や泉のこと。約3500か所存在する」

おっと、地上と繋がっているところだけがセノーテと呼ばれる。

「泉の下層には大規模な鍾乳洞が水没していることが知られている。」

鍾乳洞(石灰洞)は、英語圏ではソリューションケーブと呼ばれている。

(鍾乳洞)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8D%BE%E4%B9%B3%E6%B4%9E

「鍾乳洞を胚胎する石灰岩の地層はサンゴ礁などが発達する暖かい海で、石灰質の殻や骨格をもった生物の遺骸などが海底に厚く堆積することによってできたものである。」

「主成分が炭酸カルシウムからなる石灰岩は、酸性の溶液に溶解する化学的性質をもつ。」

「石灰岩が地殻変動によって地上に隆起すると、二酸化炭素を含む弱酸性の雨水や地下水による侵食(溶食)が始まる。」

「このような侵食(溶食)によって石灰岩体の内部に多くの空洞(洞窟)が生じる。石灰岩中の微細な割れ目等を満たした地下水(炭酸カルシウムが多量に溶解している)が洞窟内に滲出すると、二酸化炭素を含む水と炭酸カルシウムとの化学反応が可逆的であることから、逆に炭酸カルシウムが方解石として晶出を始め、沈積して鍾乳石等の洞窟生成物が発達する。」

ウィキのページでは、水中鍾乳洞は紹介されていないけどな。

まあいい。

元になっているのは、暖かい海で沈殿した生物由来の石灰岩だ。

主成分は炭酸カルシウムで、雨水や地下水で溶解して鍾乳洞を形成し、水上に露出している間に空洞中に溶解した炭酸カルシウムが滴下して、つらら石や石筍、石柱などを形成する。

こうしてできた鍾乳洞が、再び水没すると、水中鍾乳洞が出来上がるというわけだ。

浮沈子が聞いた話では、天井からぶら下がっているつらら石が、1cm伸びるのに100年掛かるそうだ(環境によって異なるでしょうけど)。

1m伸びるのには、1万年の歳月を要する。

実は、我が国にも水中鍾乳洞はある。

(神秘が誘う幻想の地底世界へようこそ_。「稲積水中鍾乳洞」)
https://oita-katete.pref.oita.jp/web_magazine/inazumi/

「「稲積水中鍾乳洞」は3億年前の古生代に形成されましたが、その後、今から30万年前の阿蘇火山大噴火により水没したことで、現在の「水中」の形になりました。実は世界的にも非常に珍しいとされる「水中鍾乳洞」なのです!」

浮沈子は、メキシコ行って、ゲップが出るほど潜ってきたけどな(それって、コカコーラライトの飲み過ぎじゃね?:知ってる人は、全員頷いてるな)。

(セノーテ:英語版)
https://en.wikipedia.org/wiki/Cenote

「メキシコのユカタン半島の北と北西では、セノーテは通常、現在の地下水面の下 50 ~ 100 m (160 ~ 330 フィート) を貫通する垂直の空洞の上にあります。」

「しかし、これらのセノーテのうち、水平方向に広がる地下河川系とつながっていると考えられるものはほとんどなく、セノーテを通る水流は帯水層マトリックスと断層流によって支配されている可能性が高くなります。」

うーんワケワカだなあ・・・。

「対照的に、ユカタン半島のカリブ海沿岸沿いのセノーテ (キンタナ ロー州内) では、システマ オックス ベル ハ、システマ サック アクトゥン/システマ ノホック ナー チチ、システマ ドス オホスなどの広大な水中洞窟システムへのアクセスが提供されることがよくあります。」

浮沈子が潜った水系は、このカリブ海沿いのセノーテからアクセスする水中洞窟ということになる。

講習で使ったのはエルエデン(エデンとも)とタジマハだが、2年前の下見(この時は、カバーンエリアとカリブ海)の際には、ドスオホス、チャックモール(ククルカンも)とカラベラも潜った。

水中洞窟ということなら、国内では雲見とか宮古島、海外ではロタホール、パラオのシャンデリアケーブ、ダハブのキャニオンとかもある(これらは皆、カバーンです)。

しかし、淡水(12mより下の方は海水)のセノーテは、それとはまったく異なる体験になる(特にケーブエリア)。

巨大洞窟(広さとかじゃなくて、水系の複雑さと長さ)だ。

何十万年も時間をかけて自然が生み出した造形を、今、この瞬間に潜る。

鍾乳洞や鍾乳石は時間の化石だ。

我々は、その悠久の時間の流れの中に浮遊する浮遊物というところか。

セノーテの水面に落ちるひとひらの木の葉に等しい。

そういえば、エルエデンでは、崖の上からスイマーが飛び込みをしてたっけ・・・。

エルエデン スイマー飛び込む 水の音。

まあいい。

水中鍾乳洞やセノーテがであがるのには、人間の尺度で計り切れない時間が流れている。

そこは、訪れるリスクや困難さを考えれば、神聖で侵すことのできない禁断の地といっていい。

まあ、現地に行くと、週末の気軽なダイビングツアーのノリで、みんなふつーに潜ってるけどな。

それでいいのかもしれないし、それじゃマズイのかもしれない。

浮沈子はこの目で、1万年かかって成長したつらら石が崩れているのも、プルアンドグライドで崩壊した石柱も見た。

一応念のために書いておくけど、ソリューションケーブ(鍾乳洞)だけが洞窟じゃない。

鉱山の跡(マイン)、アイスケーブ、ブルーホール(海底のくぼみ)、海洋ケーブ、溶岩チューブ、コーラルケーブなどがある(これ以外にも、発電所の排水管とかあります:それって、洞窟かあ?:閉鎖空間には違いないけどな)。

マイン以外は、全て自然の造形で、多くは長い時間をかけて作られた(溶岩チューブとかは、短期間で出来るんでしょうけど:未確認)。

人間は、野生動物や風水害など自然の危険を避けるために、長い期間、洞窟で生活していたという話もある(もちろん陸上で)。

最近では、防空壕を再び作る話まで出ている。

(石垣市長と竹富町長 視察の自民議連に避難シェルター支援要請)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230523/5090023249.html

「石垣島には都会のように地下施設は市役所以外ほとんどなく、公的機関の関係者は最後まで島に残る必要があり、シェルターが必要で、どれくらいの島民が残るかを確認した上で具体的な要望を行いたい」

「西表島に新たな庁舎を整備する計画だが、地上の駐車場の計画を地下に変更することで、有事の際、島に残る住民が避難シェルターとして利用できるようにしたい」

「先島諸島の有事に向き合う緊張感を感じた。避難シェルターの設置を促すような枠組みと予算的措置を考えて突破口を開きたい」

数万年後、地盤沈下や海面上昇で地下施設に水が溜まり、ダイビングスポットになるかどうかは知らない。

まあ、その頃、ダイビングというレジャーがあるのかとか、人類が生存しているのかとか、突っ込みどころはキリがないけどな。

洞窟と人類は、いつの時代も繋がっている(そうなのかあ?)。

米国では、イーロンマスクが地下トンネルを掘りまくってるっていうじゃないの。

(イーロン・マスクが計画する「地下を走るシャトル」らしき映像がリークされる)
https://www.gizmodo.jp/2023/07/vegas-loop-leak.html

「場所はラスベガスにある、掘削業者The Boring Companyとのこと。」

「ガラス張りのポッドが、ネオンだらけの駅で反射してサイバーっぷりに拍車をかけることでしょう。」

ベガスの地下トンネルが水没するかどうかは知らない(標高は610mだそうです)。

が、万が一そういうことになれば、利に敏い米国人は、早速ダイビングスポットにするかも知れない(そんなあ!)。

もちろん、縦穴の洞窟なら、人工のプールはある。

(「世界一深いプール」がオープン、巨大な水中都市を構成 ドバイ)
https://www.cnn.co.jp/travel/35173667.html

「プールの水深は60メートルで、ポーランドにある深さ45メートル超の「ディープスポット」から世界一の座を奪った。」

「水温は30度に維持され、ウェットスーツや水着での利用に快適な温度」

浮沈子は、GUEのテック1だから、51mまでしか行けないけどな(PADIだと50m)。

こういうのは、確かにダイビングするには適しているが、それのどこが面白いのかは知らない。

浮沈子は、それでも十分だけど。

安全が管理されていて、無茶は出来ず、人工の造形の中で楽しむ。

こういう話を、セノーテのダイビングの中で出してくるというのは、お門違いといわれそうだが、それがこのブログのいいところだ(そうなのかあ?)。

米国では、ICBMのサイロさえダイビングスポットになっていると言われる。

(ミサイルサイロダイブが帰ってきた!
タイタンI核ミサイル複合体に潜りましょう!)
http://www.underseaadventures.net/titan-i-missile-silo-silo-diving-dive-into-history.htm

「2 つのタンク ダイブが $349 で開催中です。
これは、ランチャー 3、設備ターミナル 3、およびランチャー 2 でのダイブを含む 1 日の体験です。さらに、ランチと複合施設のドライサイドのツアーが含まれます。」

まあ、どうでもいいんですが。

「何と素晴らしい経験だったでしょう! 今は放棄され、水で満たされている超極秘のミサイル サイロに潜りました。信じられないことに、これは私が住んでいる場所からわずか 40 分離れたところにありました。驚くほど素晴らしい経験です。アンダーシー アドベンチャーズに感謝します」ケネウィックで。」

冷戦万歳だな・・・。

「勇敢で非常に資格のある人のために、完全な頭上環境を備えたいくつかのサイドトンネルがあります。これらのエリアは、ほとんどのダイバーにとって立ち入り禁止です。」(写真のキャプションより)

深度にもよるだろうけど、減圧停止が生じるようなら浮沈子は奥までは行けないな。

いろいろ書いたが、セノーテからアクセスする水中洞窟は、長い時間を掛けて自然が作り上げた唯一無二の造形だ。

究極の地形ダイビングともいえる(つーか、それしかないし・・・)。

死神看板の先に行くには、それなりのトレーニングが必要だが、なーに、浮沈子でさえクリアできる(時間はかかりましたが)。

その先に行くかどうかは、死神と相談して決めてくれ(そんなあ!)。

浮沈子は、その間、コスメル島で、浅く明るく温かいお魚ダイビングでもしてるからな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

日本の水中洞窟の代表的なのを忘れていた。

(龍泉洞)
http://www.iwate-ryusendo.jp/

「龍泉洞は日本三大鍾乳洞の一つとされ、また洞内に棲むコウモリと共に国の天然記念物に指定されています。」

「見つかっている地底湖は8つで、そのうち3つが公開中。」

(龍泉洞ツウ情報)
http://www.iwate-ryusendo.jp/about/tsuu/

「潜水調査:
ケイバーによる洞内の陸上調査に加え、洞窟の水中専門のダイバーが公開している地底湖はもちろんの事、その奥につながる未公開部分などの調査を行っています。」

「この潜水調査は大変に大がかりなもので、かつ地底湖というせまい空間での潜水が大変難易度が高いことから、一年に一回ほどしか行いません。その年によって日程と時間には違いがありますが、営業時間内に行う年もあり、居合わせたお客様たちには大変喜ばれています。」

洞窟潜水は見世物じゃないんだがな・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、Nバンを購入した直後(確か10月)に、ここを訪れている。

(秋の奥州路をひた走る)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/10/15/8973317

「時間にして、36時間で、自宅から龍泉洞に行って、ふつーに見学して帰ってきた。
強行軍だな(アホなだけ!)。」

もちろん、陸上だけだが中を見学して回った。

後悔されている地底湖も、上からのぞいたけど、あんなところで潜る気はしない(深いです)。

ここでの潜水は、正真正銘の探検だ。

大量のガスを使い、極地法的手法で探索する。

ここ数年は潜ってないみたいだけどな(未確認)。

浮沈子は、浅く温かいセノーテの方がいい(もちろん、明るくはありませんが、水温は25度あります)。

が、また機会があれば、龍泉洞の見学もしてみたいな(もちろん、陸上だけ:水温は9度だそうです:べらぼーめ・・・)。