🐱変異種:万能ワクチンはなぜ実現しないのか ― 2023年10月01日 07:53

変異種:万能ワクチンはなぜ実現しないのか


(新型コロナ「万能ワクチン」が開発される 将来の変異株まで対策できる可能性)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d4999ba6f4b82c5cc72e6981bf2fb8848edd022

「これまでも2021年に大阪大と日本医療研究開発機構の研究チームが、RBDに対する抗体が作られるとヒトの受容体であるACE2との結合を阻害することによって、新型コロナウイルスの感染を抑えることを報告しています。」

もう2年も前から、レセプターとの結合部位であるRBDが注目されていたにもかかわらず、現在に至るもワクチンとして実用化されていない理由が、今一つ分からない。

理屈の上では、変異の影響を受けにくい部位に効くワクチンを作ればいいに決まっている。

そもそも、ワクチンというのは免疫のシステムを騙して、感染したと思い込ませて抗体や記憶細胞を作らせるという作用機序なわけだ。

ピンポイントで作らせた抗体が、細胞への感染をリアルな世界で有効にブロックしてくれるのか、重症化予防効果のベースとなっているとされる記憶細胞の形成に十分な効果が期待できるのか。

インビトロで上手くいったからといって、複雑怪奇な免疫システムで上手くいくとは限らない。

二価ワクチンの開発の際に、BA.1だけを基にして開発されたワクチンが、十分に効果を発揮せず、モデルナが先行して開発した武漢株との混合ワクチンで成功したという話は印象的だ。

また、それ以前、アルファやデルタに対しては、武漢株ベースのワクチンで十分な感染予防効果が得られていたことも、変異に特化していればいいという話ではないという印象を与える。

浮沈子が先日接種したXBB.1.5対応のワクチンは、単価ワクチンだった。

また、エリスやピロラに対しても、中和抗体が誘導されると言われている。

この間、何らかの進展があって、単価ワクチンであっても、ピンポイントで狙った効果と汎用的な変異に強い効果の両方が得られるようになったのかもしれない(未確認)。

今回のユニバーサルワクチンについては、動物実験レベルで成功したとされており、ヒトでの臨床試験も進んでいる。

今までの開発から、何らかのブレイクスルーがあったのかもしれない。

世の中に、美味しい話はない。

NWの解説記事は、内容的に目新しいところはなく、既に報じられている通りだが、今一つ踏み込みが足りないような気がする。

ユニバーサルワクチンは、人類の悲願だ。

その研究の進展は、希望を抱かせてくれる。

が、その手の話は、次々と現れては消えていく。

なぜ上手くいかないのか、その理由は何なのか。

もちろん、それが分かるくらいなら苦労はないのかもしれない。

科学ジャーナリズムについては、秋山さんが記事を上げている。

(科学記事に論文へのリンクなし 手間はかかるがこのままでいいのか?)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0ed5a1fb032396659a5e137242f599d75f2adf50

「読者は論文へアクセスするためにはテーマやキーワード、日付を頼りに論文を探すしか手段がない。科学記事としてそれでよいのだろうか?」

浮沈子は、ときたま原論文を確認することがある(概ね、図版を眺めたり、せいぜいアブストラクト読んだりするくらいですが)。

リンクが張られていることは、手間を省けるという意味では有難い。

が、科学ジャーナリズムは、それがポイントではないような気もする。

歴史的な位置づけや、関連する項目に注目し、読者に新たな視点を与えることこそが重要だ。

成功の報道は巷に溢れている。

明日にでも新しい発見が身近になり、日常生活がハッピーになるのではという期待を抱かせてくれる情報は、飛ぶように売れるだろう。

しかし、それだけでは底の浅いニュースからの脱却は図れない。

宇宙開発とユニバーサルワクチンの開発は似ている。

どちらも、失敗がつきものだが、新たなチャレンジは途切れることなく続いている。

トライアンドエラーが活発な領域なわけだ。

毎日がプロジェクトX状態なわけで、わくわくする話は山のようにあるに違いない。

予算や人材の確保など、専門領域といえども一般の理解は不可欠な時代になった。

当事者からのアウトリーチも熱心に行われている。

関係者の一層の活躍に期待だな・・・。

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