🐱ウクライナ降伏不可避:不協和音2023年11月05日 17:32

ウクライナ降伏不可避:不協和音


(ウクライナ政権と軍に不協和音 大統領、求心力低下を警戒)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/288128?rct=world

「私が軍にいたら、前線で起きていることや今後の選択肢について報道機関に話したりしない」(大統領府高官)

浮沈子的には、ウクライナ軍のザルジニー総司令官の「膠着状態」という評価自体が、余りにも楽観的過ぎると思ってるんだがな。

ウクライナ軍は、ぶっちゃけ、崩壊寸前だろう。

「軍最高司令官を兼ねるゼレンスキー氏も4日の記者会見で「膠着状態ではない」と述べ、ザルジニー氏の戦況分析を否定する形となった。」

まあ、政治家は戦況分析する立場にはないからな。

それはプロの仕事だ。

それを踏まえて、どういう情報発信をするかとか、今のウクライナならどう支援を要請するかというのは、別の話になる。

政府高官が、メディアへの発信がコントロールされていない点を嘆いて見せるというのは、それ自体が情報戦の一環な可能性もあるけど、今回については単なるボヤキかも知れない。

やれやれ・・・。

ウクライナは、内外に対して情報戦を駆使し、上手く立ち回ってきたが、様々なほころびが露呈してきている。

戦闘の長期化と、支援に頼るロジスティクスの貧困さが背景にある。

「3日発表した特殊作戦軍の司令官人事では、交代となった前司令官が「理由が分からない。報道で(交代を)知った」と暴露」

まあ、誰がやっても同じだろうから、理由としては「気分を変える」程度で十分かも知れない。

が、暴露はまずいだろうな。

士気に影響しかねない。

せっかく、ザルジニー総司令官が、戦況を「膠着状態」と繕っているんだから。

「十分な意思疎通を欠いている」

意思疎通だけではなく、統制も欠いている。

上層部からしてこの体たらくなんだから、現場は推して知るべしだ。

この手の情報の扱いには慎重を期する必要があるが、ロシアは見逃さないだろう。

既に、現場士気には影響が出ている可能性が高い。

兵力不足を敏感に察知することが出来るからな。

反転攻勢どころの話ではないかもしれない。

適切な防御と困難な後退が出来なければ、前線が崩壊する可能性がある。

膠着状態という評価は、プロの評価として精一杯の背伸びだろう。

最高司令官であるゼレンスキーが、この事態を乗り切るには、これまでの「イケイケドンドン」な話とは異なる能力を要求される。

困難な状況を国民や世界に素直に語り掛け、脅しや煽りではなく、誠意で接していかなければならない。

政治家としての真価を問われる。

さもなければ、ウクライナは耐え難い代償を払うことになるだろう。

ウクライナだけではない。

ロシアに様々な制裁を科し、ウクライナを支援し続けてきた西側全体が代償を払うことになる。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

この2年弱の間、様々な展開が続いたが、今は最大の正念場だろう。

浮沈子は正義派じゃない。

ウクライナの地で、どのような統治が行われようが知ったことではない。

侵攻前の状態に世界を戻すことはできない。

ウクライナもロシアも、多くの血を流し、世界は分断された。

我々は、ここからスタートせざるを得ない。

さらに多くの血を流し、分断を進めるのか。

正義の戦争を捨て、不正義の平和を選ぶのか。

どちらも、つらい選択だ。

それを決めるのが、力の行使の結果だという現実を、どう受け止めたらいいのか。

NATOが、ロシアと本気で雌雄を決する覚悟なら、自軍を派遣して戦闘に加わるしかない(そうなのかあ?)。

そうでなければ、戦場で勝てない(負けちゃう?)ウクライナを降伏させるしかないだろう。

さもなければ、現状は、ウクライナ軍の崩壊につながっている。

浮沈子は、ロシアの情報戦に、まんまと乗せられているのかもしれない。

しかし、敢えて、ロシア系メディア(スプートニクとか)の発信は見ないようにしている(ちっとは見ますけど)。

西側のメディアが間接的に報じている情報だけだ。

それでも、現状はヤバ過ぎる気がしている。

ウクライナは、ロシアが提示する条件を丸呑みしてでも、停戦すべきだろう。

そうして、西側世界は、この間のツケをロシアに払うことになるのだ。

ウクライナをてこにした、米国のユーラシア制覇の夢は潰えた(そうなのかあ?)。

まあ、朝鮮半島とか、台湾とか、南シナ海とか、ネタはいくらでもある。

現に、イスラエルでもやってるしな。

手を変え品を変え、試みは続き、世界はその都度、巻き込まれては大迷惑を被る。

最近の円安は浮沈子にも直接影響している(メキシコ行きのドル替えはまだしてません)。

日頃の物価高も同じだ。

庶民が支払うこの手の落とし前は、誰もつけてはくれない。

確認しておこう。

ウクライナ政府内では、不協和音が響いている。

それは、真実を隠そうとする試みが失敗に終わろうとしている何よりの証拠だ。

戦線の膠着状態の原因は一つではないだろうが、最大のものは兵員不足だろう。

反転攻勢に必要な兵員だけではなく、ロシアの逆「反転攻勢」を凌ぐことさえ困難な状況にある(もちろん、未確認:アウディーイウカが奪われれば確認できるか)。

致命的だ。

この期に及んでも、西側首脳は誰一人としてゼレンスキーの首に鈴を付けようとはしていない(本人がそう言っているんだから、間違いはない)。

犯罪的な不作為が横行している。

事態の進展は、想像していたより速かったな。

浮沈子は、最初のころこそ10日程度でケリがつくと思っていたけど、ウクライナが粘り勝ちしているのを見て、最低でも10年は掛かると思い直した。

が、たった2年でケリがつきそうな気配だ(そうなのかあ?)。

核兵器は投下されず、大上陸作戦も行われなかった(まだ、わからんぞお!?)。

人命の損失がこれ以上拡大しないことは悪い話ではない。

現状をどう評価するかとか、今後、どういうプロセスで収束させるかは、まだ分からない。

両者の継戦意欲は旺盛だが、ウクライナの方は先が不安定な状況が続く。

ロシアは、うーん、どう見ても安定しているからな。

浮沈子の妄想はともかく、現実の世界の中で、実際に停戦が実現するかどうかは分からない。

不足する人員をやりくりして、何とかロシアの猛攻を防ぎ切り、西側の兵器を駆使して凌ぐことが出来れば、戦争を継続することも可能かもしれない。

かつて、我が国は米国の不沈空母となると言っていた首相を戴いたことがある(誰だったっけえ?)。

ウクライナは、実質的にその役割を果たしてきたが、持ち堪えることは出来なくなりつつある。

対応を間違えなければ、座礁するか、静かに沈没する程度で済むかもしれないが、粘っていれば魚雷を食らって轟沈することになる。

沈没するウクライナの渦に、巻き込まれないようにしないとな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(【解説】 ウクライナの反転攻勢、どうなれば成功なのか)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-65887116

「ウクライナは士気の点で勝っている。兵士らのモチベーションは高く、侵略者から自分たちの国を解放しようと戦っている。」

5か月近く前の記事だが、状況は大きく変わっていない。

一向に進展しない反転攻勢は、僅かの前進で終わりつつある。

もちろん、泥濘期であれ、冬季であれ、進軍は可能だし、歩兵中心ということになればなおさらだ。

が、それで状況が大きく変わるわけではない。

いわゆる「膠着状態」が長引けば、兵士の士気は下がる。

まして、自分たちが攻勢を続けているはずの戦線で、守勢に回り、なおかつ援軍も来ないまま、次々と前線を突破され、後退を余儀なくされていけばどうなるかは明らかだ。

大本営発表は相変わらず威勢がいいだろうが、「転進」ばかりでは冴えないだろう。

ウクライナ軍の質は高いとされているから、ロシアのように敵方に投降したり、戦線離脱して脱走することは少ないかもしれない。

また、人命軽視の突撃などの戦術は、余程のことがなければ取らないだろうから、命令拒否などもないに違いない。

でだ、そういう麗しき軍隊が、頑なな最高指揮官の元、徹底抗戦の命令を受け続ければどうなるか。

ここから先は、例によって妄想の世界なんだが、密かに組織された反乱部隊によるクーデターの可能性が出てくる(そうなのかあ?)。

もちろん、現代の軍隊では、そう簡単に反乱を起こすことはできない。

軍内部の情報は統制され、反乱の芽は速やかに摘み取られる。

だが、漏れ聞こえてくる話は、そういう土壌が既に軍の内部に存在することを示唆している。

徴兵を巡る汚職の話や、兵器の横流しの話は、もちろん、一部の不心得者の仕業には違いないが、今回の総司令官の米国雑誌への投稿や、特殊部隊の司令官の人事に対する不満の暴露は懸念材料としては十分だ。

クーデターは、兵士の間から起こることはない。

指揮官の間で画策され、実行される。

また、上層部に対立が生じていることも必要だ。

今回、それが表沙汰になったということなわけだ。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

浮沈子は、詳細を知らないが、2014年の政変も、ロシアによって米国の画策による一種のクーデターとされている。

(尊厳の革命)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8A%E5%8E%B3%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%91%BD

「ユーロ・マイダン革命または、尊厳の革命は、2014年2月中下旬にウクライナで起こった革命」

「首都キーウで勃発したウクライナ政府側とユーロマイダンデモ参加者の暴力的衝突の結果、当時のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、隣国ロシアへ亡命することになった」

「なお、このクーデターに背後でアメリカが関与していたことを、当時のバラク・オバマ米大統領が明言している」

さすが、ノーベル平和賞受賞者だな(2009年)。

まあ、どうでもいいんですが。

「ロシアは、ヤヌコーヴィチ政権の崩壊をクーデターによるものと位置付け、ウクライナへの軍事介入を行なった」

今日のウクライナ紛争は、延々と、この時から続いているともいえる。

つまりだな、米国の意のままにならない政権が続くことがあれば、同じことが、今度は軍隊を背景にして起こりかねないということなわけだ(そうなのかあ?)。

もちろん、何の根拠もない。

米国大統領は、ゼレンスキーに停戦を促してはいないし、ウクライナ軍の内部にクーデターの兆候があるわけではない(だいたい、そんなもんがあったとしても、浮沈子が知ることはできないだろうしな)。

あくまでも、妄想の世界の話だ。

しかし、ウクライナでクーデターを起こそうという話は、昨年の侵攻の際にもあった。

(ロシア・ウクライナ危機_(2021年-2022年):2022年1月)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E5%8D%B1%E6%A9%9F_(2021%E5%B9%B4-2022%E5%B9%B4)#2022%E5%B9%B41%E6%9C%88

「1月22日 - イギリス政府が情報機関から、ロシアがウクライナにゼレンスキー政権下の現ウクライナ政府を転覆させ、親露派政権下の新政府を樹立する計画を持っているという報告を受けたと発表」

(ウクライナへの攻撃を控えたロシアのレトリック:否定、そらし、誤解を招く)
https://www.factcheck.org/2022/02/russian-rhetoric-ahead-of-attack-against-ukraine-deny-deflect-mislead/

「11月26日– ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアが彼とその政府に対してクーデターを計画していることを証明する証拠を持っていると主張した。ペスコフ氏はロシアの関与を​​否定した。「ロシアには参加する計画は一度もなかった。ロシアは通常、そのような問題には決して関与しない」とペスコフ氏は語った。」

まあ、本当のところは分からない。

が、昨年2月の侵攻の際に、一部部隊がベラルーシからキエフを目指したことを考えれば、そして、4月には引き上げたことからも、何らかの政権転覆の策動があったと考えるのが自然だ(未確認)。

もっとも、この時動いたとすればロシアということになるけどな。

今のところ、軍事クーデターが起こるという兆候はない。

しかし、政治勢力でゼレンスキー政権に対抗しようという有力な候補がない以上、政変を起こすとしたらそれしかないだろう。

また、どさくさに紛れてロシアが余計なことをしないように調整する必要もあり、米国が影で糸を引くことになるのは間違いない。

最近、浮沈子の妄想は外れまくっているからな。

・ロシアはウクライナ西部に核攻撃を行う。
・米国から供与された武器を改造して、ロシア本土に対して攻撃を行う。
・クリミアに、隠し持った核爆弾を投下し、一発逆転を狙う。
・その後、クリミアに大規模な揚陸作戦を実施し、南部回廊を挟み撃ちにする。

どれも、大外れだ(ロシア本土への攻撃は、自前の兵器で行われているらしい)。

ウクライナの兵員不足は、妄想ではなかったが、それは、まあ、想定の範囲内だ。

軍事クーデターも、たぶん、外れだな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ゼレンスキー氏がトランプ氏招待の意向「侵攻処理できぬと説明する」)
https://mainichi.jp/articles/20231106/k00/00m/030/007000c

「ここに来ることができるなら、彼にはこの戦争を処理できない、平和をもたらすことはできないということを24分以内で説明する」

「もしロシアが私たちを皆殺しにしたら、彼らは北大西洋条約機構(NATO)諸国を攻撃し、あなたたちは自分の息子や娘たちを(戦場に)送ることになる」

「トランプ氏は米国のウクライナ支援に疑問を呈し、欧州が資金を援助すべきだと主張」

仮に米国が支援を打ち切れば、欧州はウクライナを支え切れるだろうか。

浮沈子は、戦争継続というレベルでは可能だろうと考えているが、欧州はウクライナに領土分断を受け入れて停戦するよう促すだろう。

それが欧州の利益であり、米国は支援の撤退で利権を失うことになる。

それでも、戦闘再開の懸念は残るし、むしろロシアとNATOとの直接対決のリスクは増加するかもしれない。

そこは、欧州の選択になる。

従来、欧州はウクライナをNATOに加盟させないと明言していた(メルケルはそう言ってたからな)。

ロシアが、明文化を求めた際に、それは原則としてウクライナの選択とNATOメンバーの承認だから、文書化はできないとしただけの話だ。

力による現状変更を認めることになるけど、んなことは現実世界ではいくらでも起こる。

経済制裁も骨抜きとなり、欧州はロシアの安い石油を仕入れて成長軌道に乗るだろう。

米国は、市場を失うことになる。

米国製の武器の供与も終わるから、米国の兵器産業にとっては面白くないだろうが、それも受け入れなければならない。

ゼレンスキーは、24分では説得できないだろうな。

内向きの米国は、欧州から手を引きたがっている。

バイデン政権は、トレンドに棹差してウクライナ支援を続けているだけで、国内対策に金を回すべきだというトランプさんの「正論」は、相変わらず米国内には訴求している。

既に、米国大統領選挙まで1年を切った。

ウクライナ支援は、政治の季節に吹き荒れる嵐にもみくちゃにされるだろう。

米国にとって、ウクライナはツールの一つに過ぎないのだ。

長いスパンで見た時、ゼレンスキーの懸念は的中するかもしれない。

だが、浮沈子はNATO第5条は、事実上空文になると見ている。

米国は、限定的な参戦に留まるだろう。

欧州内部でも分裂が起こる。

NATO軍は十分な抗戦が出来ず、大西洋まで撤退するに違いない(そうなのかあ?)。

米国には、それを押しとどめる力はない。

軍事的にも、政治的にも、経済的にも、欧州大戦争で勝てる見込みはないのだ。

だからこそ、ウクライナへの投資は正当化される。

ただ、その効果は短期的なものだ。

ロシアはいずれ、欧州に手を付ける。

ロシアの孤立化に失敗し、中国との結びつきを拡大させた結果、米国の当初の目論見は潰えた。

最近は、民主主義対専制主義という対立軸の話も聞かなくなってきたからな。

むしろ、それが当然となったからかもしれないが、グローバルサウスの動向を読み誤ったということがあるのかもしれない。

浮沈子の妄想の中では、米国はいずれウクライナをロシアにくれてやることになっていた。

その代償は十分払っただろうし、これ以上ウクライナに支援を続けても、ロシアは疲弊するどころか北朝鮮やイランとの結びつきを強め、意図したこととは異なる方向に突き進んでいる。

潮時だと考えても不思議ではない。

国家は正義では動かない。

損得で動く。

バイデン政権は、ウクライナ支援は安全保障上の長期的投資で、米国の利益になると説明しているけど、米国民に長期的な利益を理解させるのは困難だろうな。

トランプさんは、その代表的な存在だ。

24分ではムリポだ。

24年くらいはかかるかもな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(司令官交代、当事者知らず ウクライナ軍、意思疎通に齟齬か)
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc783b994b25fa5c57ec7c991b165965c4b75aed

「ザルジニー総司令官と話をしたが、ザルジニー氏も理由を説明できなかった。何が起きたのか理解できない」(ホレンコ前特殊作戦軍司令官)

プロの扱い方を知らないな。

「ゼレンスキー氏は声明で、ルパンチュク氏は「経験豊富で、特殊作戦軍に新たな力をもたらす」と述べたが、交代の理由は明らかにしなかった。」

対外的に明かせない理由があるのか、単なる意思疎通の祖語かは分からない。

浮沈子がこの話を知ったのは、ザルジニー総司令官が英国雑誌エコノミストに投稿したことを、政権幹部(ポドリャク辺りかあ?)が批判した記事だったが、どうやらそれとは無関係な話のようだ(未確認)。

陰謀論大好きな浮沈子は、早速、軍事クーデターの可能性という妄想に飛びついたが、背景はともかく、今のところ、不始末は単発で起こっている。

やれやれ・・・。

ちょっと気になるのは、特殊作戦軍というところかな。

(ウクライナ特殊作戦軍)
https://en.wikipedia.org/wiki/Special_Operations_Forces_(Ukraine)

「ウクライナ軍の特殊部隊。2016年に創設され、首都キーウに司令部を置く。」(日本語版ウィキより)

「兵力:4,000人」(同上:英語版では1000~2000となっている)

「役割:特殊作戦、対テロ直接行動、特殊偵察、情報収集、心理戦」

別記事によれば、ウクライナには、この国防省管轄のほかにも、国家警備隊や保安局など、複数の特殊部隊が存在する。

多くは、旧ソ連時代からの組織の引継ぎのようだ。

ウクライナが小回りの利く特殊作戦軍を使って、何かやらかそうとしているのかもしれないとも思ったが、歴代トップの階級と在籍期間が気になる。

「・イホル・ルニョフ中将 (2016–2020) :5年間
・フリホリー・ハラハン少将 (2020年8月25日 – 2022年7月26日) :1年11か月
・ヴィクトル・ホレンコ准将(2022年7月 – 2023年11月3日):1年4か月
・セルヒー・ラパンチク大佐(2023年11月3日):???」

階級は将官から佐官へと降格し、在任期間は短縮されている。

ウィキには、昨年のロシアの侵攻以降の活動に関する記述はない(外国人戦闘員からなる特殊部隊の発足だけ)

まあ、どうでもいいんですが。

報道されている通り、人事異動に伴う単なる意思疎通の齟齬かも知れないし、本人にも知らせることができない理由があるのかもしれない(ふつー、ねーよ・・・)。

佐官の登用は異例だろうが、ワンポイントで何かやらかす可能性は排除できない。

そのための任用で、作戦と密接に結びついているとすれば、人事異動の理由を明かさずに交代させることはあるかもしれない。

それならそれで、ゼレンスキーのセリフは余計だ。

「経験豊富で、特殊作戦軍に新たな力をもたらす」(再掲)

本人の経歴から、作戦の内容を推測されかねない。

まあいい。

わが国の陸上自衛隊にも、特殊作戦「群」と呼ばれる部隊がある。

(特殊作戦群)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E4%BD%9C%E6%88%A6%E7%BE%A4

「2004年(平成16年)3月29日にアメリカ陸軍のグリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊群)やデルタフォース、イギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)、ドイツ陸軍のKSK(特殊戦団)、オーストラリア特殊部隊等、各国の特殊部隊を参考にして設立され、第1空挺団の拠点である習志野駐屯地に群本部を置く。」

近接戦闘も行うことから、体育会系なイメージがあるけど、海外の部隊との合同演習や外国での活動も想定されているから語学等の習得も要求されるようだ。

「外国語の習得は、かかる言語の話者の背景的民情・地域・諸文化等の学習と一義であり、例えば、アラビア語を習得する隊員は、イスラム教の根本教典であるコーラン(聖典)についても学ぶ」

頭悪いと、入隊できない。

人事制度は単純には比較できないだろうけど、トップは大佐クラス(一等陸佐)、在任期間は3年から4年程度だ。

ウクライナの特殊作戦群のトップが佐官になったことは、特筆すべきことではないのかもしれないな・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(戦況は膠着、長期の消耗戦に突入 ウクライナ軍総司令官)
https://www.cnn.co.jp/world/35211098.html

ザルジニー総司令官の掟破りの情報公開の詳細が報じられている(浮沈子は、記事が載っているエコノミストは読んでません)。

「ロシア軍は学習し、順応もしていると強調」

「ロシアはしばらくの間、兵器、装備、ロケット弾や弾薬で優位を維持するだろう」

「前進を果たすための5つの要件」

・地上作戦を支援する制空権の掌握
・地雷原の突破
・効力を高めた対砲兵戦闘
・必要な予備役の人材の手当てと訓練
・電子戦能力の構築

こりゃあ、大統領府高官がぼやくのも無理もないだろう。

仕事、取られちゃってるからな(そういうことかあ?)。

現場の状況もバレバレだ。

「ロシアは同国軍が被っている多大な人的被害を気にもとめていない」

「西側の支援国がウクライナへ提供した兵器や複数の旅団を新たに投入しても戦況に大きな変化はなかった」

言っちゃあいけないその一言・・・。

「ロシア軍の深く、堅固な塹壕(ざんごう)で築かれた防御線の克服は極めて困難」

「大きな被害を犠牲にして密度が高い地雷原を切り抜けても、ロシア軍は遠隔操作でまた地雷原を復活させる」

「空軍戦力でウクライナは劣勢にあり、これが地上戦での前進を妨げている」

「ロシアは今年末に新たな飛行大隊を配備する可能性」

「戦況の膠着の根底には、ドローン(無人機)や他の偵察技術の利用がある」

「当たり前の事実として、我々が敵の行動全てを把握し、敵が我々の行動全てを知っているという状況がある」

「後方支援網を改善し、工場は新たな兵器を続々と製造し、電子戦能力ではウクライナ軍の精密誘導兵器を弱体化させている」

これを読んだウクライナの人々が、領土の完全な奪還を、それでも信じているとしたら、それはビョーキだ。

将来の予想については、かなり悲観的だ。

「大きな損失と破壊が相互に生じる均衡状態が続く」

支援については、重要な指摘がある。

「いずれもその場しのぎの措置では間に合わず、全てで支援国に新たな協力を求めることになる」

それは、「この残忍な消耗戦を勝ち抜く質的な飛躍」を実現できるものでなければならない。

いいだろう、制空権を得るための戦闘機、地雷原を突破する除去技術や機材、高度な対砲兵戦闘を実現するロケット砲、電子線能力を構築する器材やノウハウは提供できる(うーん、最近少し怪しいけど)。

しかし、決定的に不足しているのは兵力だ。

それを前線に補充することが出来なければ、この戦さには勝てない。

浮沈子が、崩壊寸前というのはその意味だ。

18歳から60歳までの男子は、国外に逃げることを禁じられている。

これからは、女性も前線に送られることになるだろう。

4千万人余りの人口の半分は、国外に避難していると言われる。

ウクライナ軍の崩壊は、時間の問題になっている。

国内の人的リソースは払底し、既に兵士の訓練は海外で行われている。

今後は、産業従事者も前線に送られ、物資の調達や輸送も外国に頼らざるを得なくなるだろう。

それは、もちろん、ロシアも同じだが、国力の差はこういうファンダメンタルなところに現れる。

「国内の戦況は膠着(こうちゃく)状態にあり、ロシアに有利な方向へ傾く長期の消耗戦の段階に入った」

「第1次世界大戦がそうだったように、技術的な進歩の影響で我々は手詰まり状態に陥っている」

総合的な評価は、とても反転攻勢を継続できる状態とは思えない。

目下の焦眉の急は、冬場の攻撃を凌ぐための防空システムかもしれないが、それは、おそらく、指摘された問題の解決策の中には含まれていない。

ザルジニーの目から見れば、キエフは前線の需要とは異なる頓珍漢な支援を求め続けている。

そりゃあ、産業基盤や一般国民を攻撃されている政府とすれば、そっちを守ることを優先させたいに違いないが、それなら、前線に過度な要求をするのは間違っている。

撤退し、守りを固め、ロシアの猛攻を凌ぎ、その中で政治的解決を模索すべきだろう。

現状認識と今後の見通しについては、実に的確だと感じる。

プロの目線だ。

さっさと降伏すべきだと言わないのは、精いっぱいの配慮だろうし、頑なな最高指揮官の批判もしない。

感情を抑え、冷静な物言いに終始している。

やっぱ、クーデターが起きてもおかしくないな・・・。

<またまた追加>ーーーーーーーーーー

(防空システム供与加速訴え ゼレンスキー大統領、米と共同生産も)
https://www.sankei.com/article/20231106-J3DKSMP5NBOFBKAEC5I23G6P7I/

「防空システムを米国と共同生産する案を検討している」

以前にも書いたが、それは戦争が終わってからの話だ。

西側の防衛産業は、ただ1社さえも(ラインメタルでさえ)、現状で現地生産を行う意思はない。

「攻撃用無人機の供与も求めた。」

「防空態勢強化やF16戦闘機の投入で制空権の確保を急ぎ、停滞する反転攻勢で勢いを取り戻したい」

気持ちは分かるんだが、戦況が反転攻勢どころではないことは明らかだろう。

F-16戦闘機が、戦力として機能するのは、早くても来年春以降だ。

「ウクライナを皆殺しにすれば、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)諸国を攻撃する。代償はさらに大きくなる」

本当にそうかどうかは分からない(ウクライナ人を皆殺しにしなくても、ロシアはNATOとドンパチ始めると思ってますが)。

そういう脅し文句が、空々しく聞こえる今日この頃なわけだ。

「膠着(こうちゃく)状態とは思わない」

現状認識にも問題があるしな。

ザルジニーは、精いっぱい下駄を履かせて「膠着状態」と表現しているだけであって、正確なところは防戦一方で辛うじて持ち堪えているということなわけだ。

ウクライナ側が攻勢にあると思っているとすれば、とんでもない勘違いということになる。

「長期戦で人々は疲弊している」

そこは、まあ、正しい気もする。

「われわれはロシアより気力で勝っている」

それも半分は正しいかな・・・。

「領土を奪還しない限り、ロシアとは交渉しない考えを示した。」

ウクライナが戦争を継続できる期間がどれ程かは分からない。

仮に、西側からの支援が十分受けられたとして、あと1年もつかどうか。

停戦交渉をしないまま、事実上の停戦になる可能性もある。

それは、ロシア次第だ。

プーチンは、領土的野心はないと公言しているし、併合した4州を支配地域に収めれば、それ以上侵攻しないかもしれない。

ウクライナが攻撃しなければ、停戦交渉無き停戦が実現する可能性もなくなはない。

散発的なウクライナ側の攻撃と、散発的なロシア側からの反撃。

ロシアは、停戦交渉に引きずり出そうと、ウクライナ支配地域のインフラに対して、攻撃を続けるかも知れない。

特に、南部の港湾施設や、電力、鉄道に対しては継続する可能性が高い。

防空システムの内製化は、そういう展開になった場合、実質的な効果を発揮するかもしれない。

ロシアが、犠牲を厭わず、更なる攻撃を続ければ、かなりなリアリティで、2024年中に状況が激変する可能性が高い。

うーん、もっと持つかと思ってたんだがな。

ウクライナは、自国内陸部に、多段階の強固な防衛線を構築していないかもしれない(未確認)。

現在の戦線は、2014年以降、営々と構築してきた過去の遺産に頼っている。

今後、内陸部にロシアが進軍すれば、補給線が長くなって進軍速度が落ちる可能性もあるし、西側供与の長距離攻撃兵器で兵站を叩くことができるかも知れないが、それで進軍を食い止めることが出来るかどうか分からない。

力と力のぶつかり合いになれば、人的リソースが多い方が強いだろう。

戦争なんて、最後は数の多い方が勝つ(そうなのかあ?)。

問題はどれだけの資源を投入できるか、それを、どれだけの期間継続できるかの2点に集約されつつある。

ザルジニーが、勝利のための5つの要素を挙げたけど、それらをお互いに潰しあうのが戦争だからな。

前進を果たすための5つの要件:再掲
・地上作戦を支援する制空権の掌握
・地雷原の突破
・効力を高めた対砲兵戦闘
・必要な予備役の人材の手当てと訓練
・電子戦能力の構築

制空権は取り合いになり、地雷は除去されるそばから次々に敷設され、大砲はお互いに潰しあい、人的リソースは消耗する。

浮沈子は、電子線能力については詳しくは知らないが、お約束のドローンのジャミングだって、お互いにそれ程の差はないだろう(未確認)。

拮抗した戦力をぶつけ合えば、数が多く、兵站が充実している方が勝つ。

「膠着状態」を、どれだけ持続できるかは疑問だ。

一例を挙げれば、アウディーイウカは、大方の見方は政治要請に基づくスポットの攻撃で、その先に展開することはないとされている。

浮沈子も、半分はそう思っているけど、ひょっとしたら南部戦線の陽動などではなく、一点突破、全面展開の拠点になるのではないかと思い始めている。

ロシアは、ウクライナの兵員不足を見透かしているのだ。

停戦交渉無き停戦は、どちらも好きな時に攻撃できるからな。

こんな便利なものはない(そうなのかあ?)。

ウクライナが、ロシアの戦略目標を見誤って、それを考えているとすれば大きな間違いを犯すことになるかもしれない。

いずれにしても、現状で停戦することはない。

もうちっと、様子を見てからだろうな。

が、先延ばしにすればするほど、ウクライナの人的リソースは減り続ける一方だがな・・・。

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(米大統領選、重要6州のうち5州でトランプ氏がリード=世論調査)
https://jp.reuters.com/world/us/XS6WRETXIVIXLNWY2MSA5GTU4E-2023-11-06/

「バイデン氏は、投票まで1年となった今の段階で、勝敗を決する上で重要な6つの州うち5つの州で支持率が共和党のトランプ前大統領を下回っていることが、5日公表の世論調査結果で分かった。」

うーん、やばいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

「トランプ氏は、アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルベニアの重要州5つでバイデン氏をリード。バイデン氏がトランプ氏を上回ったのはウィスコンシンだけ」

「バイデン氏は20年の大統領選の際にはこれら6州全てでトランプ氏を破った。しかし現在は6州の平均支持率はトランプ氏が48%と、バイデン氏の44%を上回っている。」

今回、米国の景気がいい中で、これだけの差がついてきているというのはかなり気になるところだ。

「バイデン氏は前回の選挙でスイングステートである上記6州での勝利が当選に大きく寄与したが、これら6州は16年の選挙ではトランプ氏が勝利していた。」

米国の未来は米国民が決める。

が、それは同時にウクライナの未来も決めることになる。

もっとも、政権が替わるかもしれない1年後まで、ウクライナという国が存在していればの話だけど(そんなあ!)。

ウクライナ支援は、バイデン政権にとってお荷物になる危険がある。

リスクという点では、イスラエルの方が高いけど、イスラエルが相手にしているハマスと、ウクライナが相手にしているロシアでは比較にならないからな。

米国では、ウクライナ支援に対する疑念が渦を巻いている。

上院では、一部に留まっているが、下院では共和党保守派が予算を人質にして揺さぶりをかけている。

米軍の在庫からの支援は、まだ、50億ドルくらい残っているようだが、必要な額には遠く及ばない。

欧州は、現在の支援が限界だろう。

トランプさんが大統領に返り咲くことがあれば、ウクライナに未来はない(そうなのかあ?)。

そのころまで、持ち堪えていたとしても、領土奪還どころか戦争継続すら危うい。

停戦交渉の行方によっては、国家崩壊の危機を迎える。

ゼレンスキー政権が失脚し、ロシアがウクライナを呑み込めば、現在行われている武器供与は、そっくりロシア側にまわることになるわけだからな。

徐々に支援を絞って、西側の敵になっちまったウクライナからの攻撃に備えなければならない。

防衛ラインは、ポーランドウクライナ国境になる。

いや、そういう事態になれば、ポーランド領内に後退するかも知れない。

供与したF-16戦闘機が、爆弾抱えて飛んでくるわけだ。

やれやれ・・・。

今日の妄想は、なかなかキレがいいな。

ザルジニーが挙げた前進のための5項目を見ると、地雷原の突破以外は、防衛戦になっても必要なことが分かる(制空権、砲兵力、兵員増、電子線能力の強化)。

相手のある話だから、単に整えればいいというだけではなく、敵の攻撃に対抗して十分に機能するだけのパフォーマンスが必要だ。

あればいいというものではない。

あと1年以内に何とかしないと、ウクライナという国が消えてなくなりかねない。

まあ、そうなれば、トランプさんが当選しても、ウクライナ問題で大混乱することはないともいえる(そうなのかあ?)。

ロシアとの、甘ーい4年間が始まるわけだ。

欧州大戦争は、ひとまずお預けになる。

ゼレンスキーは、そこまで読んで24分で説得できるって言ってるんだろうか・・・。

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(ドネツク要塞都市の攻防)
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/489237.html

「Q ロシアはなぜ今、そこに攻勢を始めたのでしょうか」

「A プーチン大統領の政治的な思惑です。」

・アウディーイウカから砲弾がドネツク市に打ち込まれ、親ロシア派の住民からは不満が高まっていました。

・来年3月に大統領選挙が行われ、プーチン大統領が再選を目指し近く立候補を公式に表明するものと見られています。

ドネツク市に砲弾が撃ち込まれているという話は初耳だったが、まあ、それ以外は想定内の解説だ。

「多くの住民は避難しましたが、まだ二千人の住民が町に残っていると見られています。」

「全体では戦線が膠着状況となる中、ドネツクの要塞都市をウクライナ側が守り通せるかどうか、一つの焦点となっています。」

浮沈子的には、アウディーイウカは既にオワコンで、その後の展開が東部で続くのか、南部に移るのかが焦点だ。

今のところ、半々な気がしているが(どっちかであることは確か)、ロシア軍の特性からして、東部戦線を継続する方に傾いている。

理由の一つは、鉄道建設が始まったことだ。

(ロシア、ウクライナ南部―クリミア半島の鉄道着工)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR065YM0W3A101C2000000/

「新たな鉄道はロシア南部ロストフ州ロストフナドヌーからザポロジエ州を経由し、クリミア半島を結ぶ計画」

この鉄道の話は、一部で既に報じられている。

(ロシアが占領したウクライナの都市へ「鉄道新線」を建設中 その目的とは)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9f70560ec70996a5b717ab7b01a75a539f16c16

「ロシア軍がウクライナ南部ザポリージャ戦線で物資の移動時間を短縮するため、占領下に置いたウクライナ東部の港湾都市・マリウポリへの鉄道新線を建設」

「この鉄道新線は、ウクライナ軍の長距離精密攻撃システムの射程圏内」

まあいい。

砲撃の範囲でなければ、攻撃頻度は高くない。

単発のミサイルによる攻撃は、対応可能と見ているだろう。

兵站の充実を計り、南部戦線への対応を整えてから本格侵攻に移るつもりと見ている。

その間は、東部戦線で戦果を挙げることになる。

ロシアには、勝利の方程式が見えている。

もちろん、そううまくいくとは限らない。

ウクライナは、内情暴露という高度な情報戦術(そうなのかあ?)で、西側の援助を引き出そうとしているし、少なくとも大統領の気力は勝っている(それが問題かも!)。

攻める側のロシアが、損失を覚悟とはいえ、そう簡単には譲らないだろう。

しかしながら、兵站鉄道を建設する余裕(余裕なのかあ?)があることも確かだ。

これは、マリウポリやクリミアだけのためじゃない。

その先のヘルソンやオデッサへの攻撃を視野に入れている。

占領地の既成事実化とか、メディアが使うワケワカの思考停止的用語では、ロシアの真の目的は見えてこない。

欧州が、戦場で勝てないウクライナから、どうやって投資を回収したらいいかを懸命に模索している間に、ロシアは着々と実質的な投資を拡大している。

ロシアが表面上目的としているのは、自国の長期的な安全保障の維持だ。

ウクライナ東部や南部の占領は、そのための手段の一部に過ぎない。

東部戦線でウクライナ軍を多大な犠牲を払って撃破するというのは、西側の支援に決定的にゆさぶりをかけ、ロシアに反抗する政権を潰すための戦略の一環だ。

ロシアのシンパであるハンガリーは、反転攻勢が始まる前から、ウクライナは戦場で勝てないと主張している。

(ウクライナは戦争に勝てないとハンガリー首相、追加支援反対崩さず)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-23/RV467DT0G1KW01

「ウクライナの軍事的な抵抗は失敗する運命にあるとオルバン氏は主張。さらなる支援の実施は犠牲者を増やすだけだと論じた。」

「この戦争に勝利できる見込みはない」

「ウクライナは既に、領土を解放しロシアを撃退する能力があることを証明した。NATO諸国からの支援が重要であることは明らかだ」(NATOのストルテンベルグ事務総長)

過去の実績からだけでは、何も見えてこないという格好の事例だな。

「プーチン大統領がこの戦争に勝利しないようウクライナが確実に阻むことに確信がある」(同上)

そんなもんはあてにならないということが、次第に明らかになりつつある。

「オルバン氏はあらためて、即時停戦を呼び掛けた。ただ、現時点での停戦呼び掛けはウクライナに対する降伏の要求に等しい」

「米政府は、和平の形態や時期を決定するのはウクライナだとの姿勢を維持」

状況は、今も変わっていない。

いや、変わっていないことが問題なわけだ。

オルバン氏の主張は、半年を経て現実になろうとしている。

「来年の米大統領選にもオルバン氏は触れ、トランプ前大統領の再選を望んでいると表明。」

こっちの方も、現実になるんだろうか・・・。