🐱ガザ消滅不可避:それも選択肢の一つ:核爆弾の投下 ― 2023年11月06日 06:18
ガザ消滅不可避:それも選択肢の一つ:核爆弾の投下
(ガザへの核使用「選択肢」 イスラエル閣僚発言に非難)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR052QN0V01C23A1000000/
「ガザに核爆弾を落とすべきか」
「それも選択肢の一つだ」(イスラエルの極右閣僚アミハイ・エリヤフ氏)
CNNのライブアップデートで最初に読んだ時に、まさかと思ったが、まあ、慎重さを欠いた発言だったな。
(ガザ危機への抗議が高まる中、イスラエルとハマスの戦争が激化)
https://edition.cnn.com/middleeast/live-news/israel-hamas-war-gaza-news-11-05-23/index.html
「ネタニヤフ首相、ガザでの核兵器使用を示唆したとみられる極右閣僚を停職処分」
「文化遺産大臣アミチャイ・エリヤフ氏は日曜早朝、宗教ラジオ局ラジオ・コル・ベラマでガザで核兵器を使用すべきか質問され、エリヤフ氏は「これは一つの方法だ」と答えた。」
「アトム(核爆弾)についての発言が比喩的なものであることは、すべての良識ある人々にとって明らかだ」
「イスラエルは核兵器の保有を公式に認めたことはない。」
まあいい。
ネタニヤフは当然非難したし、政権内での同氏の職務を一時停止しているが、首にしたわけじゃない。
こういう閣僚メンバーを政権内に抱えて、国を運営しなければならないというのは大変だな。
浮沈子は、ウクライナの反転攻勢が遅々として進まないことを憂えて、クリミアでの核兵器の使用を妄想するが、ガザでぶっ放すことは、文字通り夢想だにもしなかったな。
CNNの速報記事の中では、日曜日の礼拝でフランシスコ教皇が「教皇フランシスコ、イスラエルとハマスの紛争で停戦を嘆願」したことが報じられているが、良ーく祈っておいてもらいたいな。
それでなくても、国際人道法クソくらえな状況だからな。
確かに、浮沈子も、イランが核兵器を開発するかもしれないという懸念は抱いている。
おそらく、数発の試験用核弾頭は、すぐにでも開発できるだろう。
それを、どっかでちゃんと爆発するかどうか試験して、実戦配備するのにさほど時間はかからないに違いない。
イランは、自前で人工衛星を打ち上げるだけの技術は持っている。
イスラエルとイランが、中東で核兵器をバックに対峙する構図は、米国だけではなく、世界が避けたい姿だ。
今回の発言を、イランはどう利用しようか考えているかもしれない。
公式には、核開発の意図はないということになっているからな。
通常爆弾の投下で、1万人もの市民が犠牲になっている中で、核爆弾の話が出るだけでもトンでもないが、それを理由にして何かを動かすというのはいただけない話だ。
イスラエルは、パレスチナへの侵略だけでは気が済まず、核を使ってパレスチナ人を消滅させようとしている(もちろん、「比喩的」ですが)。
(イスラエル閣僚 ガザ地区“核投下も選択肢”と発言 首相も批判)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231105/k10014248111000.html
「我々はナチスに人道支援を行うつもりはない。ガザ地区にハマスに関わっていない者などいないからだ」
「そうであれば、核爆弾を使うべきだと考えるか」
「それは選択肢のひとつだ」
「ガザ地区に240人以上の人質がとられていてもか」
「彼らの帰還を願っているが、戦争には代償も伴う」
ラジオ番組のやり取りが紹介されているが、核兵器の使用への言及には、人道支援を行うべきではないとか、人質の犠牲はやむを得ないなどの前提がある。
そこんとこは、ネタニヤフ政権や米国のスタンスと似ている(人道支援は行うべきと言っていますが)。
軍事侵攻優先であることに違いはない。
そういう前提に立てば、架空の話として核兵器の使用というのも可能性としてはあるだろうな(蓋然性はないけど)。
こういう状況下で、言っちゃいけないその一言だったわけで、ますますイスラエルに対する風当たりが強くなるだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ガザの将来、パレスチナ自治政府が中心的役割を=米国務長官)
https://jp.reuters.com/world/security/FWBL2ZS2IJI6NMCOKR2IMJFI2Y-2023-11-06/
「ブリンケン氏はガザへの人道支援と必要不可欠なサービスの復旧に尽力する意向を伝えたほか、パレスチナ国家樹立に向けて取り組む米国のコミットメントを表明した。」
言ってることがワケワカだったので、別記事を当った。
(ブリンケン長官とアッバス議長が会談、ガザ地区の戦後を協議)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-05/S3NOPPDWX2PS01
「ブリンケン長官はアッバス議長との会談で、「2国家解決」への支持を改めて表明したという。」
米国が、イスラエルが求めていない2国家解決に賛成しているだあ?。
(二国家解決:日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A7%A3%E6%B1%BA
「イスラエル政府やアメリカ政府は一貫してこの方案に反対している」
(2 つの状態のソリューション:英語版)
https://en.wikipedia.org/wiki/Two-state_solution
「ランド研究所が2021年に発表した別の報告書では、あらゆる政治的スペクトルにわたるイスラエル人の60%が二国家解決に反対していることが判明」
なんと・・・。
「2021年に専門家を対象に実施した調査では、回答者の52%が二国家解決はもはや不可能だと考えていることが判明した。」
2国家解決に反対しているのは、イスラエルだけではない。
「2021年現在、ほとんどのパレスチナ人は二国家解決に反対している。」
「パレスチナ人の39%が二国家解決案を受け入れている一方、59%が二国家解決案を拒否していることが明らかになった。」
いやあ、複雑怪奇な話だな。
浮沈子は、パレスチナ問題の理解が雑駁だから、この辺りのことは良く分かっていない。
単純に、イスラエルが去るか、パレスチナが去るかしない限り、この問題の根本的な解決はないと考えている。
トランプさんの時代に、テルアビブからエルサレムに大使館を移したのは承知している。
それがなぜ問題だったのかも知らなかったくらいだ。
イスラエルの首都はエルサレムだとばっか、ずーっと信じていたからな。
そんな外交音痴な状態でも、ブリンケンが2国家解決を支持しているかのような報道は不自然に感じた。
米国は、2国家解決を支持していなかったのではないのかあ?。
かつて、英国は3枚舌外交を繰り広げ、今日のパレスチナ問題の原因を作った。
(三枚舌外交)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%9E%9A%E8%88%8C%E5%A4%96%E4%BA%A4
「イギリスの第一次世界大戦における中東問題をめぐる外交政策」
「サイクス・ピコ協定を加えず二枚舌外交と呼ばれることもある。」
「1915年10月 - フサイン=マクマホン協定(中東のアラブ独立・公開)
1916年5月 - サイクス・ピコ協定(英仏露による中東分割・秘密協定)
1917年11月 - バルフォア宣言(パレスチナにおけるユダヤ民族居住地建設・公開)」
米国は、似たようなことをしているのではないのか。
イスラエルの前では、同町姿勢を見せ、パレスチナの前では2国間解決に尽力する振りをしている。
それとも、イスラエルを援護しているだけか(時間稼ぎとか)。
ブリンケンは、忙しく中東を駆け回っていたが(イスラエル、ヨルダン、ヨルダン川西岸、キプロス、イラク、トルコ)、具体的に何か得たわけではなく、ただ、調停している振りをしていただけではないのか。
エクスキューズ外交だな。
人道のための戦闘の一時停止と言っているが、これまで1秒たりとも実現していない。
米国は、基本政策を変えているわけではない。
イスラエル全面支持、2国家解決反対、停戦反対の立場は、微動だにしない。
裏で、何か画策しているのかもしれないが、今のところ表面化はしていない。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(「2国家解決」という幻想と怠慢──中東和平、日本が果たすべき真の責任)
https://www.newsweekjapan.jp/iiyama/2023/01/post-36.php
「二国家解決は1993年のオスロ合意以来、中東和平問題の目指すべきゴールであり、国際社会が認める既定路線だとされてきた。」
「しかし当のパレスチナ人たち自身が、実は二国家解決を支持していないとしたら」
まあ、2000年間、ユダヤ人を圧迫してきたツケを、イスラエルという国家を与えることで帳消しにしたい世界中の国々にとって、都合よくでっち上げられた2国家解決というスキームが、侵略されたパレスチナ人に支持されないというのは、中東問題のイロハも分かっていな浮沈子にとっては当たり前な気がする。
「パレスチナは(ヨルダン)川から(地中)海まで、パレスチナ人の土地である。われわれは断固としてこの土地を守り、あらゆる手段で解放する正当な権利を堅持する。それには武力による抵抗が含まれる」(創設35周年を祝う昨年12月のハマスの声明)
もちろん、ハマスは2国家解決なんてクソくらえ(!)なわけだ。
浮沈子は知らなかったんだが、ここで紹介されている「パレスチナ政策調査研究センター(PSR)が昨年12月13日に発表した世論調査」によれば、驚きの結果になっている。
「もし今日、大統領選挙が行われたら現職のマフムード・アッバスに投票するとした人は36%にとどまり、ガザを実効支配するイスラム過激派組織ハマスの指導者イスマイル・ハニヤに投票するとした人の割合(54%)がこれを大きく上回った。」
やれやれ・・・。
もちろん、ネタニヤフは2国家解決に反対だ。
つまり、30年前のオスロ合意は、現在の当事者の双方に支持されていないということになる(そうなのかあ?)。
(「オスロ合意」30年 和平交渉は停滞 暴力の応酬が激化)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230913/k10014193611000.html
「歴史的な「オスロ合意」が結ばれてから13日で30年です。その後、和平交渉は停滞しているだけでなく、ことしに入り双方による暴力の応酬が激化していて、国際社会による仲介努力がいっそう求められています。」
「国際社会による仲介努力」か・・・。
双方が望んでいない解決方法を、強引に押し付けるという「身勝手」な手法なわけだ。
この欺瞞に満ちた態度を延々と繰り広げてきた挙句の果てが、今回のハマスの暴動とそれに続くガザ侵攻なわけで、100パーセントイスラエルの味方な米国が、真面目に2国家解決に取り組むとは思えないな。
それでも、形の上では米国はこのスキームに加わっている。
それを理解するうえで参考になった記事も読んだ。
(対イラン封じ込め連合の後景に追いやられたパレスチナ問題)
https://www.jiia.or.jp/column/column-274.html
「本稿では、中東和平交渉実現の夢を語るトランプ大統領の思惑とイスラエルの姿勢、パレスチナ内部の問題を整理する。」
おっと、トランプさんの亡霊(?)登場か・・・。
「エルサレムにアメリカ大使館を移転する」
「二国家解決案にはこだわらない」
やれやれ・・・。
浮沈子がなるほどと思ったのはこれ。
「アウトサイド・インの中東和平案」
「イスラエル・パレスチナの対立を解消してから、イスラエルとアラブ諸国の関係改善を図るインサイド・アウト(inside-out)アプローチよりも、まず、イスラエルとアラブ諸国の関係を改善させるアウトサイド・イン・アプローチの方が現実的」
現在の米国のアプローチは、政権交代後も、基本的にはこの路線を踏襲しているようだ(未確認)。
「パレスチナ人の間では、アラブ諸国とイスラエルの関係が先に解決することよってパレスチナ問題が置き去りにされるとの焦燥感がある。」
事の真偽は分からないけど、報道で伝えられている今回のハマスの暴動のきっかけとなったのは、サウジとイスラエルの国交正常化交渉だと言われている。
もちろん、米国仲介!。
うーん、浮沈子の中では、米国の2枚舌外交(?)が今回のガザ紛争の背景にある気がしてきたな。
この論文の中では、イランに対する他のアラブ諸国の好感度の変化なども取り上げられていて興味深い。
パレスチナ自治におけるファタハとハマスの関係にも注目だな。
両者は2017年に和解していたそうだ。
「2017年10月12日に、エジプトの仲介により、パレスチナの自治政府を掌握し、ヨルダン川西岸を統治するファタハと、ガザを実効支配してきたハマースの和解が10年ぶりに成立した。」
「アッバース大統領が要求する条件の一つである軍事部門解除は、ハマース側には受け入れ難く、和解は長くは続かないとの見方」
その後の展開は知らないが、ハマス軍事部門が暴走したことだけは間違いない。
今回のガザ侵攻で、形の上では壊滅的状況になるとは思うけど、イスラエルが存在する限り、世にパレスチナ過激派の種は尽きまじな状況は変わらないだろう。
確認しておこう。
米国は、本気で2国家解決を図ろうとはしていない(そうなのかあ?)。
オスロ合意は歴史の中で擦り切れ、反故にされ、当事者間では既に支持されていない。
中東を飛び回っていたブリンケンは、その後わが国でG7外相会合に参加していた。
(ブリンケン国務長官「人道目的の戦闘休止が必要 G7全員一致」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231108/k10014251181000.html
「将来的にはイスラエルとパレスチナの「2国家共存」による和平を目指すべきだと強調」
浮沈子には、空々しく聞こえる。
「危機が去ったあとのガザ地区の統治については、パレスチナの人々の声や希望がくみ取られなければならない。そこにはパレスチナの人々による統治とヨルダン川西岸地区と1つになったガザ地区、そしてガザ復興のための持続的な仕組み、さらにイスラエルとパレスチナがそれぞれ国家をもって共存し、同じ安全や自由と尊厳を持つことが含まれなければならない。いまこそ、未来についての対話を始めるときだ」
これは、プログラム規定だ。
「アメリカが重要だと考えるものは、パレスチナの人々を今も、そして戦闘終結後も、ガザ地区から強制的に避難させないこと、ガザ地区をテロの温床にしないこと、戦闘終結後にガザ地区を再び占領しないこと、再び封鎖しようとしないこと、ガザ地区の面積を縮小しないことだ」
米国は、イスラエルの説得に失敗するだろう(つーか、真面目にする気はない)。
大統領選挙を控えたこの時期に、クリティカルな外交はできない。
が、米国にとっては、それで一向に差し支えない。
イスラエルへの支持をアピールすること、中東地域でのロシアや中国の影響を排除することが出来ればそれでいい。
ド派手に飛び回って見せること、それ自体が重要なわけだ。
「会見では、記者から「昼食の福島の海鮮はどうでしたか」と質問されると、ブリンケン長官は「本当に素晴らしかった。みんなにおすすめする」と笑顔で答える一幕もありました。」
余裕だな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ハマスとの戦いは「自由世界の戦争」 イスラエル外相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3490399
「これはイスラエルだけの戦争ではない。自由世界の戦争だ」(イスラエルのエリ・コーヘン外相)
「テロリズムはがんのようなものだ。西側諸国が次の標的とならないために、われわれはこの戦争に勝たねばならない」(同上)
この言い回しは、ゼレンスキー大統領のそれと同じ感じだな。
「イスラエルの軍事作戦」=「自由世界(西側諸国)の戦争」
勝利の方程式というわけだ。
まあ、こっちの方は、アットーテキ軍事力でもって攻め込んでいるわけだから、負ける気づかいはない。
が、アラブ側の反発は強いな・・・。
(イラン外相、「戦争領域拡大は不可避」 イスラエル・米国をけん制)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023111001249&g=int
「民間人への戦争が強化されたため、戦争領域が拡大するのは不可避になった」
「地域紛争への発展を警告することで、イスラエルや支援する米国をけん制した形だ。」
既に、牽制のレベルを超えているだろう。
(米国への怒り、アラブ世界で高まる 米外交官がバイデン政権に警告)
https://www.cnn.co.jp/usa/35211389.html
「イスラエルによる破壊と死をもたらす軍事行動を強力に支援することで、米国はアラブの世論の支持を1世代にわたり失いつつあると、これらの外交官は訴えている。」(在オマーン米大使館?:同大使館で2番目の地位にある高官が作成)
「バイデン大統領のパレスチナ人に対する残酷さと無関心は、歴代の全大統領を超えた」(エジプト・カイロにある米大使館からの別の公電:国営の地元紙に掲載された論説を伝える)
「政権内では米国のイスラエル支持に対する懸念が依然として高まっている」
たぶん、この手の不評を買うことは想定の範囲内だろう。
浮沈子は、米国もイスラエルも、ハマスの暴動を知りながらやらせたと思っているから、その後の展開も驚かないし、2国家解決がリップサービスなことにも驚かない。
当初から、ヒズボラ(レバノン)やフーシ派(イエメン)の攻撃を想定して、空母打撃群を派遣するなど準備は整っている。
イランは、口先だけの介入しかできないと見切っているし、ハマスとの交渉にはカタールを使っているからな。
イランと他のアラブ諸国を分離させるというのが、米国の中東地域における基本政策なことは変わらない。
ロシアや中国には付け入るスキを与えない。
それも、基本政策の一つだろう。
<また追加:11月12日記>ーーーーーーーーーー
(2023年11月11日イスラエル・ハマス戦争)
https://edition.cnn.com/middleeast/live-news/israel-hamas-war-gaza-news-11-11-23/index.html
「イスラエルのネタニヤフ首相、戦後ガザのパレスチナ自治区返還に反対と発言」
「占領下のヨルダン川西岸で部分的な行政管理を行っているパレスチナ自治政府が戦後ガザを統治する可能性があるか」
「(イスラエル国防軍による)(ガザの)完全な治安管理が行われるだろう」(イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相)
「私たちが望むときにいつでも侵入でき、再び現れる可能性のあるテロリストを殺すことができる。何がなくなるか言える。ハマスは存在しないだろう。」
「さらに、そこにはイスラエルを憎み、イスラエル人を殺し、イスラエル国家を消滅させるよう子供たちに教育する文民当局は存在しないだろう」
米国が描いて見せたポストガザ紛争の絵面とは、大きく異なる。
2国家解決クソくらえ、パレスチナ暫定自治政府クソくらえということなわけだ。
「イスラエルとハマスの戦争が終わったら、現在のパレスチナ自治政府がガザで役割を果たすことに反対する」
確かに、ブリンケンは、移行期間が必要だとしている。
(米国務長官「ガザ統治、移行期間が必要」
紛争後に言及 イスラエルの再占領は反対)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75985200Z01C23A1EAF000/
「ブリンケン米国務長官は8日、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの紛争収束後に、パレスチナ自治政府がガザを統治するまでの暫定的な「移行期間」が必要になると明言」
「戦闘終結後のイスラエルによる再占領には改めて反対」
「再占領」と「イスラエル国防軍によるガザの完全な治安管理」、すなわち、「望むときにいつでも侵入でき、再び現れる可能性のあるテロリストを殺すことができる」こととの違いは不明だ。
そこには、「イスラエルを憎み、イスラエル人を殺し、イスラエル国家を消滅させるよう子供たちに教育する文民当局」が存在しないことも含まれている。
ふん、米国の二枚舌外交だな。
(随時更新】イスラエル首相「戦闘後 ガザ地区 管理し続ける」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231112/k10014255491000.html
「再びテロが起きないよう安全保障上の観点からイスラエル軍はガザ地区を管理し続ける。10月7日の虐殺はイスラエルが管理しない場所ではテロリズムが育まれることを証明した」(イスラエルのネタニヤフ首相)
「戦闘を終えたあとのガザ地区を事実上、占領下に置く」
世界は、イスラエルの「過剰な武力行使」を非難し続けているが、米国が空母打撃群2セットと戦略原子力潜水艦を現地に派遣して擁護している中、手も足も出せない。
アラブ世界が結束して、停戦しなければ石油の輸出を止めるとか、そういうメッセージでも出せれば別だが、そんな気配など毛ほどもない。
「民間人が爆撃され、乳児や女性、高齢者が殺されている。理由も正当性もない」(フランスのマクロン大統領)
マクロンは、西側で停戦を促している急先鋒だが、イスラエルに軽くあしらわれている。
「我々が戦争のさなかにいるときに死者の数について説教をする勇気はいったいどこから来るのか」(イスラエルのガラント国防相)
やれやれ・・・。
地上侵攻前に、イスラエルのシンクタンクが喝破していたように、国際社会なんてのは、国家の実力行使の前には実に無力だ。
米国が2国家解決を志向しているかのように振舞っているために、パレスチナ自治政府も強力な反論はできないでいる(そうなのかあ?)。
棚ボタを期待しているわけだからな(そんなあ!)。
(パレスチナ自治政府)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E8%87%AA%E6%B2%BB%E6%94%BF%E5%BA%9C
「パレスチナ人民からはイスラエルと結託した腐敗組織とみなされており、支持されていない。2023年3月の調査によれば、パレスチナ人の63%はパレスチナ自治政府は「パレスチナ人にとって障害である」と考えている」
まあいい。
通り一遍の停戦要求を行い、見て見ぬふりをしているわけだ。
ヨルダン川西岸で、反イスラエルの暴動がおこったという話は聞かない。
事態は、イスラエルと米国が望んだ方向に、着実に進んでいる。
イスラエルの事実上の再占領が、どのくらいの期間続くかは分からない。
数か月ということはないだろう。
数年か、場合によっては数十年か。
イランの出方にもよるだろうな。
レバノンやシリア、イエメンがどうするか。
前回大きな役割を果たしたエジプトは、今回は下請けに甘んじている。
トルコは、しきりに何かやりたがっているようだが、おそらくは何もできないだろう。
ロシアも中国も、見る影もない。
ひたすらに、ただひたすらに、米国だけが(文字通り)飛び回っている。
「ハマスはガザ地区北部の支配力を失った」(ネタニヤフ)
イスラエルは、ガザの半分を手に入れたことになる。
分割するのかあ?。
(米国「ガザ統治、西岸地区と統合すべき」…「穏健派」自治政府の移植、実現なるか)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8df9b2c2dba0dc6710f4d0507c125b1a1f95016d
「ブリンケン長官は、ガザ地区を包囲または封鎖したり、居住者を強制移住させたり、領域を縮小することも望ましくないというのが米国の立場だと明らかにした。」
分割については明言していないからな(領域の縮小とは異なる)。
どうするのか。
強制移住でなければ認めるんだろう。
そうして、ガザ北部を足場にして、南部への攻撃を続ける。
南部のエジプト寄りには、あまり頻繁な攻撃はしないかもしれない。
徐々に追い詰めていく。
戦闘地域からの避難を促すのは、強制移住じゃないしな(そうなのかあ?)。
ハマスは、最後まで徹底抗戦するだろうから、それを利用しない手はない。
イスラエルが望むような、「イスラエルと結託した腐敗組織」による統治が可能になれば、文民統治の部分は引き渡すかもしれない。
安全保障上の管理は続くだろうな。
外交上の独自性も与えられないだろう(イランと仲良くなっちゃ困るしな)。
2国家解決とは程遠い、事実上の占領状態が続く。
2000年くらいかあ?(そんなあ!)。
うーん、今日の妄想は、今一つキレがないなあ・・・。
(ガザへの核使用「選択肢」 イスラエル閣僚発言に非難)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR052QN0V01C23A1000000/
「ガザに核爆弾を落とすべきか」
「それも選択肢の一つだ」(イスラエルの極右閣僚アミハイ・エリヤフ氏)
CNNのライブアップデートで最初に読んだ時に、まさかと思ったが、まあ、慎重さを欠いた発言だったな。
(ガザ危機への抗議が高まる中、イスラエルとハマスの戦争が激化)
https://edition.cnn.com/middleeast/live-news/israel-hamas-war-gaza-news-11-05-23/index.html
「ネタニヤフ首相、ガザでの核兵器使用を示唆したとみられる極右閣僚を停職処分」
「文化遺産大臣アミチャイ・エリヤフ氏は日曜早朝、宗教ラジオ局ラジオ・コル・ベラマでガザで核兵器を使用すべきか質問され、エリヤフ氏は「これは一つの方法だ」と答えた。」
「アトム(核爆弾)についての発言が比喩的なものであることは、すべての良識ある人々にとって明らかだ」
「イスラエルは核兵器の保有を公式に認めたことはない。」
まあいい。
ネタニヤフは当然非難したし、政権内での同氏の職務を一時停止しているが、首にしたわけじゃない。
こういう閣僚メンバーを政権内に抱えて、国を運営しなければならないというのは大変だな。
浮沈子は、ウクライナの反転攻勢が遅々として進まないことを憂えて、クリミアでの核兵器の使用を妄想するが、ガザでぶっ放すことは、文字通り夢想だにもしなかったな。
CNNの速報記事の中では、日曜日の礼拝でフランシスコ教皇が「教皇フランシスコ、イスラエルとハマスの紛争で停戦を嘆願」したことが報じられているが、良ーく祈っておいてもらいたいな。
それでなくても、国際人道法クソくらえな状況だからな。
確かに、浮沈子も、イランが核兵器を開発するかもしれないという懸念は抱いている。
おそらく、数発の試験用核弾頭は、すぐにでも開発できるだろう。
それを、どっかでちゃんと爆発するかどうか試験して、実戦配備するのにさほど時間はかからないに違いない。
イランは、自前で人工衛星を打ち上げるだけの技術は持っている。
イスラエルとイランが、中東で核兵器をバックに対峙する構図は、米国だけではなく、世界が避けたい姿だ。
今回の発言を、イランはどう利用しようか考えているかもしれない。
公式には、核開発の意図はないということになっているからな。
通常爆弾の投下で、1万人もの市民が犠牲になっている中で、核爆弾の話が出るだけでもトンでもないが、それを理由にして何かを動かすというのはいただけない話だ。
イスラエルは、パレスチナへの侵略だけでは気が済まず、核を使ってパレスチナ人を消滅させようとしている(もちろん、「比喩的」ですが)。
(イスラエル閣僚 ガザ地区“核投下も選択肢”と発言 首相も批判)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231105/k10014248111000.html
「我々はナチスに人道支援を行うつもりはない。ガザ地区にハマスに関わっていない者などいないからだ」
「そうであれば、核爆弾を使うべきだと考えるか」
「それは選択肢のひとつだ」
「ガザ地区に240人以上の人質がとられていてもか」
「彼らの帰還を願っているが、戦争には代償も伴う」
ラジオ番組のやり取りが紹介されているが、核兵器の使用への言及には、人道支援を行うべきではないとか、人質の犠牲はやむを得ないなどの前提がある。
そこんとこは、ネタニヤフ政権や米国のスタンスと似ている(人道支援は行うべきと言っていますが)。
軍事侵攻優先であることに違いはない。
そういう前提に立てば、架空の話として核兵器の使用というのも可能性としてはあるだろうな(蓋然性はないけど)。
こういう状況下で、言っちゃいけないその一言だったわけで、ますますイスラエルに対する風当たりが強くなるだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ガザの将来、パレスチナ自治政府が中心的役割を=米国務長官)
https://jp.reuters.com/world/security/FWBL2ZS2IJI6NMCOKR2IMJFI2Y-2023-11-06/
「ブリンケン氏はガザへの人道支援と必要不可欠なサービスの復旧に尽力する意向を伝えたほか、パレスチナ国家樹立に向けて取り組む米国のコミットメントを表明した。」
言ってることがワケワカだったので、別記事を当った。
(ブリンケン長官とアッバス議長が会談、ガザ地区の戦後を協議)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-05/S3NOPPDWX2PS01
「ブリンケン長官はアッバス議長との会談で、「2国家解決」への支持を改めて表明したという。」
米国が、イスラエルが求めていない2国家解決に賛成しているだあ?。
(二国家解決:日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%A7%A3%E6%B1%BA
「イスラエル政府やアメリカ政府は一貫してこの方案に反対している」
(2 つの状態のソリューション:英語版)
https://en.wikipedia.org/wiki/Two-state_solution
「ランド研究所が2021年に発表した別の報告書では、あらゆる政治的スペクトルにわたるイスラエル人の60%が二国家解決に反対していることが判明」
なんと・・・。
「2021年に専門家を対象に実施した調査では、回答者の52%が二国家解決はもはや不可能だと考えていることが判明した。」
2国家解決に反対しているのは、イスラエルだけではない。
「2021年現在、ほとんどのパレスチナ人は二国家解決に反対している。」
「パレスチナ人の39%が二国家解決案を受け入れている一方、59%が二国家解決案を拒否していることが明らかになった。」
いやあ、複雑怪奇な話だな。
浮沈子は、パレスチナ問題の理解が雑駁だから、この辺りのことは良く分かっていない。
単純に、イスラエルが去るか、パレスチナが去るかしない限り、この問題の根本的な解決はないと考えている。
トランプさんの時代に、テルアビブからエルサレムに大使館を移したのは承知している。
それがなぜ問題だったのかも知らなかったくらいだ。
イスラエルの首都はエルサレムだとばっか、ずーっと信じていたからな。
そんな外交音痴な状態でも、ブリンケンが2国家解決を支持しているかのような報道は不自然に感じた。
米国は、2国家解決を支持していなかったのではないのかあ?。
かつて、英国は3枚舌外交を繰り広げ、今日のパレスチナ問題の原因を作った。
(三枚舌外交)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%9E%9A%E8%88%8C%E5%A4%96%E4%BA%A4
「イギリスの第一次世界大戦における中東問題をめぐる外交政策」
「サイクス・ピコ協定を加えず二枚舌外交と呼ばれることもある。」
「1915年10月 - フサイン=マクマホン協定(中東のアラブ独立・公開)
1916年5月 - サイクス・ピコ協定(英仏露による中東分割・秘密協定)
1917年11月 - バルフォア宣言(パレスチナにおけるユダヤ民族居住地建設・公開)」
米国は、似たようなことをしているのではないのか。
イスラエルの前では、同町姿勢を見せ、パレスチナの前では2国間解決に尽力する振りをしている。
それとも、イスラエルを援護しているだけか(時間稼ぎとか)。
ブリンケンは、忙しく中東を駆け回っていたが(イスラエル、ヨルダン、ヨルダン川西岸、キプロス、イラク、トルコ)、具体的に何か得たわけではなく、ただ、調停している振りをしていただけではないのか。
エクスキューズ外交だな。
人道のための戦闘の一時停止と言っているが、これまで1秒たりとも実現していない。
米国は、基本政策を変えているわけではない。
イスラエル全面支持、2国家解決反対、停戦反対の立場は、微動だにしない。
裏で、何か画策しているのかもしれないが、今のところ表面化はしていない。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(「2国家解決」という幻想と怠慢──中東和平、日本が果たすべき真の責任)
https://www.newsweekjapan.jp/iiyama/2023/01/post-36.php
「二国家解決は1993年のオスロ合意以来、中東和平問題の目指すべきゴールであり、国際社会が認める既定路線だとされてきた。」
「しかし当のパレスチナ人たち自身が、実は二国家解決を支持していないとしたら」
まあ、2000年間、ユダヤ人を圧迫してきたツケを、イスラエルという国家を与えることで帳消しにしたい世界中の国々にとって、都合よくでっち上げられた2国家解決というスキームが、侵略されたパレスチナ人に支持されないというのは、中東問題のイロハも分かっていな浮沈子にとっては当たり前な気がする。
「パレスチナは(ヨルダン)川から(地中)海まで、パレスチナ人の土地である。われわれは断固としてこの土地を守り、あらゆる手段で解放する正当な権利を堅持する。それには武力による抵抗が含まれる」(創設35周年を祝う昨年12月のハマスの声明)
もちろん、ハマスは2国家解決なんてクソくらえ(!)なわけだ。
浮沈子は知らなかったんだが、ここで紹介されている「パレスチナ政策調査研究センター(PSR)が昨年12月13日に発表した世論調査」によれば、驚きの結果になっている。
「もし今日、大統領選挙が行われたら現職のマフムード・アッバスに投票するとした人は36%にとどまり、ガザを実効支配するイスラム過激派組織ハマスの指導者イスマイル・ハニヤに投票するとした人の割合(54%)がこれを大きく上回った。」
やれやれ・・・。
もちろん、ネタニヤフは2国家解決に反対だ。
つまり、30年前のオスロ合意は、現在の当事者の双方に支持されていないということになる(そうなのかあ?)。
(「オスロ合意」30年 和平交渉は停滞 暴力の応酬が激化)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230913/k10014193611000.html
「歴史的な「オスロ合意」が結ばれてから13日で30年です。その後、和平交渉は停滞しているだけでなく、ことしに入り双方による暴力の応酬が激化していて、国際社会による仲介努力がいっそう求められています。」
「国際社会による仲介努力」か・・・。
双方が望んでいない解決方法を、強引に押し付けるという「身勝手」な手法なわけだ。
この欺瞞に満ちた態度を延々と繰り広げてきた挙句の果てが、今回のハマスの暴動とそれに続くガザ侵攻なわけで、100パーセントイスラエルの味方な米国が、真面目に2国家解決に取り組むとは思えないな。
それでも、形の上では米国はこのスキームに加わっている。
それを理解するうえで参考になった記事も読んだ。
(対イラン封じ込め連合の後景に追いやられたパレスチナ問題)
https://www.jiia.or.jp/column/column-274.html
「本稿では、中東和平交渉実現の夢を語るトランプ大統領の思惑とイスラエルの姿勢、パレスチナ内部の問題を整理する。」
おっと、トランプさんの亡霊(?)登場か・・・。
「エルサレムにアメリカ大使館を移転する」
「二国家解決案にはこだわらない」
やれやれ・・・。
浮沈子がなるほどと思ったのはこれ。
「アウトサイド・インの中東和平案」
「イスラエル・パレスチナの対立を解消してから、イスラエルとアラブ諸国の関係改善を図るインサイド・アウト(inside-out)アプローチよりも、まず、イスラエルとアラブ諸国の関係を改善させるアウトサイド・イン・アプローチの方が現実的」
現在の米国のアプローチは、政権交代後も、基本的にはこの路線を踏襲しているようだ(未確認)。
「パレスチナ人の間では、アラブ諸国とイスラエルの関係が先に解決することよってパレスチナ問題が置き去りにされるとの焦燥感がある。」
事の真偽は分からないけど、報道で伝えられている今回のハマスの暴動のきっかけとなったのは、サウジとイスラエルの国交正常化交渉だと言われている。
もちろん、米国仲介!。
うーん、浮沈子の中では、米国の2枚舌外交(?)が今回のガザ紛争の背景にある気がしてきたな。
この論文の中では、イランに対する他のアラブ諸国の好感度の変化なども取り上げられていて興味深い。
パレスチナ自治におけるファタハとハマスの関係にも注目だな。
両者は2017年に和解していたそうだ。
「2017年10月12日に、エジプトの仲介により、パレスチナの自治政府を掌握し、ヨルダン川西岸を統治するファタハと、ガザを実効支配してきたハマースの和解が10年ぶりに成立した。」
「アッバース大統領が要求する条件の一つである軍事部門解除は、ハマース側には受け入れ難く、和解は長くは続かないとの見方」
その後の展開は知らないが、ハマス軍事部門が暴走したことだけは間違いない。
今回のガザ侵攻で、形の上では壊滅的状況になるとは思うけど、イスラエルが存在する限り、世にパレスチナ過激派の種は尽きまじな状況は変わらないだろう。
確認しておこう。
米国は、本気で2国家解決を図ろうとはしていない(そうなのかあ?)。
オスロ合意は歴史の中で擦り切れ、反故にされ、当事者間では既に支持されていない。
中東を飛び回っていたブリンケンは、その後わが国でG7外相会合に参加していた。
(ブリンケン国務長官「人道目的の戦闘休止が必要 G7全員一致」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231108/k10014251181000.html
「将来的にはイスラエルとパレスチナの「2国家共存」による和平を目指すべきだと強調」
浮沈子には、空々しく聞こえる。
「危機が去ったあとのガザ地区の統治については、パレスチナの人々の声や希望がくみ取られなければならない。そこにはパレスチナの人々による統治とヨルダン川西岸地区と1つになったガザ地区、そしてガザ復興のための持続的な仕組み、さらにイスラエルとパレスチナがそれぞれ国家をもって共存し、同じ安全や自由と尊厳を持つことが含まれなければならない。いまこそ、未来についての対話を始めるときだ」
これは、プログラム規定だ。
「アメリカが重要だと考えるものは、パレスチナの人々を今も、そして戦闘終結後も、ガザ地区から強制的に避難させないこと、ガザ地区をテロの温床にしないこと、戦闘終結後にガザ地区を再び占領しないこと、再び封鎖しようとしないこと、ガザ地区の面積を縮小しないことだ」
米国は、イスラエルの説得に失敗するだろう(つーか、真面目にする気はない)。
大統領選挙を控えたこの時期に、クリティカルな外交はできない。
が、米国にとっては、それで一向に差し支えない。
イスラエルへの支持をアピールすること、中東地域でのロシアや中国の影響を排除することが出来ればそれでいい。
ド派手に飛び回って見せること、それ自体が重要なわけだ。
「会見では、記者から「昼食の福島の海鮮はどうでしたか」と質問されると、ブリンケン長官は「本当に素晴らしかった。みんなにおすすめする」と笑顔で答える一幕もありました。」
余裕だな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ハマスとの戦いは「自由世界の戦争」 イスラエル外相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3490399
「これはイスラエルだけの戦争ではない。自由世界の戦争だ」(イスラエルのエリ・コーヘン外相)
「テロリズムはがんのようなものだ。西側諸国が次の標的とならないために、われわれはこの戦争に勝たねばならない」(同上)
この言い回しは、ゼレンスキー大統領のそれと同じ感じだな。
「イスラエルの軍事作戦」=「自由世界(西側諸国)の戦争」
勝利の方程式というわけだ。
まあ、こっちの方は、アットーテキ軍事力でもって攻め込んでいるわけだから、負ける気づかいはない。
が、アラブ側の反発は強いな・・・。
(イラン外相、「戦争領域拡大は不可避」 イスラエル・米国をけん制)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023111001249&g=int
「民間人への戦争が強化されたため、戦争領域が拡大するのは不可避になった」
「地域紛争への発展を警告することで、イスラエルや支援する米国をけん制した形だ。」
既に、牽制のレベルを超えているだろう。
(米国への怒り、アラブ世界で高まる 米外交官がバイデン政権に警告)
https://www.cnn.co.jp/usa/35211389.html
「イスラエルによる破壊と死をもたらす軍事行動を強力に支援することで、米国はアラブの世論の支持を1世代にわたり失いつつあると、これらの外交官は訴えている。」(在オマーン米大使館?:同大使館で2番目の地位にある高官が作成)
「バイデン大統領のパレスチナ人に対する残酷さと無関心は、歴代の全大統領を超えた」(エジプト・カイロにある米大使館からの別の公電:国営の地元紙に掲載された論説を伝える)
「政権内では米国のイスラエル支持に対する懸念が依然として高まっている」
たぶん、この手の不評を買うことは想定の範囲内だろう。
浮沈子は、米国もイスラエルも、ハマスの暴動を知りながらやらせたと思っているから、その後の展開も驚かないし、2国家解決がリップサービスなことにも驚かない。
当初から、ヒズボラ(レバノン)やフーシ派(イエメン)の攻撃を想定して、空母打撃群を派遣するなど準備は整っている。
イランは、口先だけの介入しかできないと見切っているし、ハマスとの交渉にはカタールを使っているからな。
イランと他のアラブ諸国を分離させるというのが、米国の中東地域における基本政策なことは変わらない。
ロシアや中国には付け入るスキを与えない。
それも、基本政策の一つだろう。
<また追加:11月12日記>ーーーーーーーーーー
(2023年11月11日イスラエル・ハマス戦争)
https://edition.cnn.com/middleeast/live-news/israel-hamas-war-gaza-news-11-11-23/index.html
「イスラエルのネタニヤフ首相、戦後ガザのパレスチナ自治区返還に反対と発言」
「占領下のヨルダン川西岸で部分的な行政管理を行っているパレスチナ自治政府が戦後ガザを統治する可能性があるか」
「(イスラエル国防軍による)(ガザの)完全な治安管理が行われるだろう」(イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相)
「私たちが望むときにいつでも侵入でき、再び現れる可能性のあるテロリストを殺すことができる。何がなくなるか言える。ハマスは存在しないだろう。」
「さらに、そこにはイスラエルを憎み、イスラエル人を殺し、イスラエル国家を消滅させるよう子供たちに教育する文民当局は存在しないだろう」
米国が描いて見せたポストガザ紛争の絵面とは、大きく異なる。
2国家解決クソくらえ、パレスチナ暫定自治政府クソくらえということなわけだ。
「イスラエルとハマスの戦争が終わったら、現在のパレスチナ自治政府がガザで役割を果たすことに反対する」
確かに、ブリンケンは、移行期間が必要だとしている。
(米国務長官「ガザ統治、移行期間が必要」
紛争後に言及 イスラエルの再占領は反対)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75985200Z01C23A1EAF000/
「ブリンケン米国務長官は8日、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの紛争収束後に、パレスチナ自治政府がガザを統治するまでの暫定的な「移行期間」が必要になると明言」
「戦闘終結後のイスラエルによる再占領には改めて反対」
「再占領」と「イスラエル国防軍によるガザの完全な治安管理」、すなわち、「望むときにいつでも侵入でき、再び現れる可能性のあるテロリストを殺すことができる」こととの違いは不明だ。
そこには、「イスラエルを憎み、イスラエル人を殺し、イスラエル国家を消滅させるよう子供たちに教育する文民当局」が存在しないことも含まれている。
ふん、米国の二枚舌外交だな。
(随時更新】イスラエル首相「戦闘後 ガザ地区 管理し続ける」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231112/k10014255491000.html
「再びテロが起きないよう安全保障上の観点からイスラエル軍はガザ地区を管理し続ける。10月7日の虐殺はイスラエルが管理しない場所ではテロリズムが育まれることを証明した」(イスラエルのネタニヤフ首相)
「戦闘を終えたあとのガザ地区を事実上、占領下に置く」
世界は、イスラエルの「過剰な武力行使」を非難し続けているが、米国が空母打撃群2セットと戦略原子力潜水艦を現地に派遣して擁護している中、手も足も出せない。
アラブ世界が結束して、停戦しなければ石油の輸出を止めるとか、そういうメッセージでも出せれば別だが、そんな気配など毛ほどもない。
「民間人が爆撃され、乳児や女性、高齢者が殺されている。理由も正当性もない」(フランスのマクロン大統領)
マクロンは、西側で停戦を促している急先鋒だが、イスラエルに軽くあしらわれている。
「我々が戦争のさなかにいるときに死者の数について説教をする勇気はいったいどこから来るのか」(イスラエルのガラント国防相)
やれやれ・・・。
地上侵攻前に、イスラエルのシンクタンクが喝破していたように、国際社会なんてのは、国家の実力行使の前には実に無力だ。
米国が2国家解決を志向しているかのように振舞っているために、パレスチナ自治政府も強力な反論はできないでいる(そうなのかあ?)。
棚ボタを期待しているわけだからな(そんなあ!)。
(パレスチナ自治政府)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E8%87%AA%E6%B2%BB%E6%94%BF%E5%BA%9C
「パレスチナ人民からはイスラエルと結託した腐敗組織とみなされており、支持されていない。2023年3月の調査によれば、パレスチナ人の63%はパレスチナ自治政府は「パレスチナ人にとって障害である」と考えている」
まあいい。
通り一遍の停戦要求を行い、見て見ぬふりをしているわけだ。
ヨルダン川西岸で、反イスラエルの暴動がおこったという話は聞かない。
事態は、イスラエルと米国が望んだ方向に、着実に進んでいる。
イスラエルの事実上の再占領が、どのくらいの期間続くかは分からない。
数か月ということはないだろう。
数年か、場合によっては数十年か。
イランの出方にもよるだろうな。
レバノンやシリア、イエメンがどうするか。
前回大きな役割を果たしたエジプトは、今回は下請けに甘んじている。
トルコは、しきりに何かやりたがっているようだが、おそらくは何もできないだろう。
ロシアも中国も、見る影もない。
ひたすらに、ただひたすらに、米国だけが(文字通り)飛び回っている。
「ハマスはガザ地区北部の支配力を失った」(ネタニヤフ)
イスラエルは、ガザの半分を手に入れたことになる。
分割するのかあ?。
(米国「ガザ統治、西岸地区と統合すべき」…「穏健派」自治政府の移植、実現なるか)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8df9b2c2dba0dc6710f4d0507c125b1a1f95016d
「ブリンケン長官は、ガザ地区を包囲または封鎖したり、居住者を強制移住させたり、領域を縮小することも望ましくないというのが米国の立場だと明らかにした。」
分割については明言していないからな(領域の縮小とは異なる)。
どうするのか。
強制移住でなければ認めるんだろう。
そうして、ガザ北部を足場にして、南部への攻撃を続ける。
南部のエジプト寄りには、あまり頻繁な攻撃はしないかもしれない。
徐々に追い詰めていく。
戦闘地域からの避難を促すのは、強制移住じゃないしな(そうなのかあ?)。
ハマスは、最後まで徹底抗戦するだろうから、それを利用しない手はない。
イスラエルが望むような、「イスラエルと結託した腐敗組織」による統治が可能になれば、文民統治の部分は引き渡すかもしれない。
安全保障上の管理は続くだろうな。
外交上の独自性も与えられないだろう(イランと仲良くなっちゃ困るしな)。
2国家解決とは程遠い、事実上の占領状態が続く。
2000年くらいかあ?(そんなあ!)。
うーん、今日の妄想は、今一つキレがないなあ・・・。
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