🐱発射台:SLC-40:アクセスアーム現る2023年11月13日 12:25

発射台:SLC-40:アクセスアーム現る
発射台:SLC-40:アクセスアーム現る


(SpaceX ファルコン 9 ロケットがケープカナベラルから 3 組目の O3b mPOWER 衛星を打ち上げ)
https://spaceflightnow.com/2023/11/12/live-coverage-spacex-falcon-9-rocket-to-launch-3rd-pair-of-o3b-mpower-satellites-from-cape-canaveral/

「O3b は「その他の 30 億人(Other 3 billion)」を意味」

ははあ、そうだったのか・・・。

が、浮沈子がこの記事を取り上げたのは、いつの間にかケープカナベラル宇宙軍基地の宇宙発射施設 40 (SLC-40) に有人打ち上げに使うタワーが出来上がり、加えて宇宙飛行士がてくてく歩いて渡るアクセスアームまで備わっていることだ(画像参照)。

スペースフライトナウでは、以前にもアクセスアームの設置を報じていたな・・・。

(民間宇宙飛行士のミッションでは、スペースXの新しい乗組員アクセスタワーが最初に使用される可能性が高い)
https://spaceflightnow.com/2023/11/06/private-astronaut-mission-likely-first-to-use-spacexs-new-crew-access-tower/

「ケープカナベラルのスペース・ローンチ・コンプレックス40で乗組員アクセス・アームが所定の位置に持ち上げられ・・・」

「SpaceX は現在、宇宙飛行士や ISS への貨物輸送ミッションを打ち上げることができる発射台を 1 つしか持っていません。それは、NASA のケネディ宇宙センターにある発射施設 39A (LC-39A) です。」

べつに、それでも問題はないはずなんだが、やっかいなのは隣に変なもん(!)を作っていることだ。

記事では取り上げられていないが、発射施設 39A (LC-39A) にはスターシップの巨大な発射台が建造されている。

わずか300mほどしか離れていないとされ、何かあれば(まあ、多分あるでしょう!)NASAの有人宇宙船を飛ばす唯一の発射台が被害を被ることになりかねない。

スターライナーのリリースが遅れに遅れていること、ロシアの世話には二度となりたくないこと、オリオン宇宙船も今のところ使えないことを考えれば、何かあってからでは(きっとあるに違いない!)手遅れだからな。

転ばぬ先の発射台ということで、SLC-40にも、有人打ち上げ施設を作ったわけだ。

ちなみに、LC-39Aからは、ファルコンヘビーの打ち上げが可能だが、今のところSLC-40からヘビーを打ち上げるという話はない(それより、バンデンバーグの施設:今までデルタ4ヘビーを打ち上げたところを改修する可能性が高い)。

「発射台を Falcon 9 構成から Falcon Heavy 構成に変換するには約 3 週間かかります。」

ヘビーは宇宙軍に人気で、先日の報道でも、X-37Bが次回の打ち上げで利用すると報じられている。

(米軍のX-37Bミニシャトル、スペースXファルコンヘビーで初めて打ち上げられる)
https://spaceflightnow.com/2023/11/09/u-s-militarys-x-37b-mini-shuttle-to-launch-on-spacex-falcon-heavy-for-the-first-time/

「ファルコン・ヘビーの打ち上げは、X-37B軌道試験機の7回目の飛行となる。」

「ニュースリリースでは、このミッションではスペースプレーンが「新しい軌道体制」で動作することになると述べたが、具体的な詳細は示されていない。」

おそらく、中期道以上での運用が想定されているんだろう。

が、あんま高いところへ上げてしまうと、回収の際の運用が難しいからな。

まあ、どうでもいいんですが。

この他にも、特殊な運用(燃料補給)が必要な月着陸船、カーゴドラゴンなど、LC-39Aの需要はひっ迫している。

もちろん、SLC-40は、スターリンクの打ち上げで、世界一忙しい発射台には違いない。

それでも、クリティカルな打ち上げが多いLC-39Bのリスク低減を図ることが出来れば上等だ。

爆発炎上木っ端微塵になっちまってからでは取り返しがつかないからな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(スペースX社のファルコン9ロケットが今年80回目の軌道打ち上げで打ち上げられる)
https://spaceflightnow.com/2023/11/07/live-coverage-spacex-to-launch-falcon-9-rocket-with-23-starlink-satellites-from-cape-canaveral/

「これは、スペースX社が乗組員と貨物のドラゴン飛行を処理するために施設をアップグレードする際に、最近建設されたタワーに乗組員アクセスアームを取り付けて以来、スペースローンチコンプレックス40からの最初の打ち上げとなった。」

O3Bの打ち上げは、アクセスアームを取り付けてから2度目の打ち上げだったというわけだ。

まあいい。

「これは、スペースXにとって今年80回目の軌道上打ち上げであり、ファルコン9ロケットのこれまでの270回目の飛行となる。」

もう、ロケットの打ち上げはニュースにはならないな・・・。

🐱ウクライナ降伏不可避:のめり込むドイツ2023年11月13日 16:54

ウクライナ降伏不可避:のめり込むドイツ(画像の出典は<またまた追加>参照)
ウクライナ降伏不可避:のめり込むドイツ


(ドイツがウクライナ軍事支援を来年80億ユーロに倍増へ=関係者)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/V7TWUXRNCNLXJEFPEUBD4FDPE4-2023-11-13/

「連立を組む3党間の協議でウクライナへの軍事支援予算案を来年80億ユーロ(約85億ドル)に倍増させることで基本合意に達した」

なんと!。

「われわれはウクライナを見捨てないという強い意思表示だ」(ピストリウス国防相)

当初、ヘルメットしか送らないと揶揄されていた状況とは、雲泥の差だな(80億ユーロでヘルメット送るのかも)。

「国防費は北大西洋条約機構(NATO)加盟国が目標として確約している国内総生産(GDP)比2%を上回る2.1%に膨れ上がる」

「国防費倍増は正しく重要な行動であり、NATOの責務も果たすことは連立政権の大きな成功だ」

どうも、NATO内部の調整の結果みたいな気もする。

「欧州連合(EU)の対ウクライナ軍事支援では、外交官らが今週、最大200億ユーロ(210億ドル)を支出するという計画が複数の加盟国の抵抗に遭っていると述べていた。」

ロイターも、EUの対ウクライナ支援の先行き不透明な状況を意識しているようで、最終的な「真水」の部分がどれ程になるのかを見ないと何とも言えない。

また、札びらを切る話とは別に、実際の軍事支援の物量が足りるのかどうかも分からい。

しかし、まあ、倍増というのは思い切った話だ。

ドイツも、経済的にはつらい状況に追い込まれている。

その中での増額だからな。

浮沈子的にはちょっと驚きだ。

ハンガリーやスロバキア(複数の加盟国の抵抗?)とは、真逆の動きに注目だな。

欧州は、本格的に大欧州戦争の準備に入ったんだろうか?。

軍事生産を増強し、在庫を積み増し、来るべきロシアとのガチな消耗戦に備える・・・。

それにしてはショボい気もする。

中途半端だ。

結局、従来の延長線上での調整に終始した感もある。

支援について、いろいろネガティブな情報(米国議会の停滞、欧州内での反対)が出ていた昨今の情勢の中で、ドイツの増額の報は心強いだろう。

それが、ウクライナや世界にとって望ましいことなのかは別としてもだ。

戦闘の長期化、人員の疲弊、ウクライナでのインフラの破壊、何より、ロシアに時間を与え続けることになる。

戦場で勝てないウクライナから、どうやって投資を回収するのか。

ドイツは問題を先送りして、欧州でのポジションを優先したのではないのか。

米国の支援は、短期的にはともかく、中長期的には不透明さを増している。

この状況の中で、ドイツが増額というのは目立つからな。

アナウンス効果は抜群だ。

世界の注目がイスラエルに向いている中でも、ド派手に目立つことは間違いない。

欧州の域内事情であれ何であれ、ウクライナへの支援が増えることは、短期的には悪いことじゃない。

来年も、「反転攻勢」が続くかもしれない。

領土奪還はわずかだろうが、ロシアの戦力を削ぐことに注力すれば、欧州の利益につながる。

が、そう言い切れるかどうかが問題だ。

ドイツには、まだ、欧州大戦争は見えていない。

少なくとも、予算上に反映はされていない。

浮沈子の妄想で終わればいいんだがな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア国営メディア、ウクライナ南部での部隊再編巡る報道を撤回)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/4XRMTLAMKJIG5EO5HFL5AIT5KU-2023-11-13/

「国営ロシア通信(RIA)は13日、ロシアのドニエプル部隊の司令部が部隊をドニエプル川の東の「より有利な位置」に移動させることを決定したと伝えた。」

「国営タス通信も部隊を再編し有利な位置へ移動させると伝えた」

うーん、いわゆる「転進」というやつだな。

俗に、退却ともいう(そうなのかあ?)。

「部隊を再編した後、一部を他の戦線に投入する計画で、ロシア軍司令部もこの方針を支持し、部隊の再配置を開始するよう命じたとしていた。」

渡河作戦については、ロシアが撃退したことになっていた。

「ロシア軍は10日、ドニエプル川東岸付近で橋頭堡を築こうとするウクライナ軍の試みを阻止し、この1週間で約500人のウクライナ兵を殺害したと発表」

この作戦(もちろん、ウクライナ側の)は、夏ごろからかなり周到に準備され、精鋭部隊を東部戦線から引っぺがして投入したりして、力を入れている。

阻止する側のロシアとしては、情報の扱いには慎重になっているはずだが、発表に齟齬があったということか。

「ドニエプル地方の部隊『再編成』に関する誤った記事をロシア国防省のプレスセンターに代わって配信したとされるが、これは挑発的だ」(ロシア国防省のコメント)

ややワケワカだが、誤報ではなく事実とすれば興味深い。

特に、「一部を他の戦線に投入」ところがミソだな。

言い換えれば、守りやすいところに撤退させ、浮いた兵力を他に回すということだったわけだ。

それが違っているとすれば、ウクライナの渡河作戦は阻止されておらず、撤退は守り切れなかったからということになる可能性もある。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!(もちろん、ロシアにとって!)。

「ほどなくこれらの内容を説明なく全て撤回」(国営ロシア通信(RIA))

「誤って発表されたとして撤回し謝罪した。」(国営タス通信)

こういうこと(軍の発表を誤って伝えるということ)が、しばしば起こるのか、極めて珍しいことなのかは知らない。

が、まあ、珍しいんだろうな。

情報戦の一環かも知れず、何が真実かは結果を見なければ分からない。

渡河作戦が引き続き進行するのか、阻止されて停滞するのか。

ウクライナは、ピンポイントでの上陸ではなく、いくつか複数の地点からの上陸を試みている。

阻止したという発表は、その一部だけの話という可能性もある。

で、結構、広範囲に渡って侵入を許したことから、防衛力の分断を避けるために、拠点を後退させることにしたのかもしれない。

しかし、それにしては「一部を他の戦線に投入」というのは解せない。

むしろ、広範囲に侵攻されているとすれば、増兵を行うなどの措置が必要なはずだ。

そうでないとすれば、本当に発表が間違っていることになるだろう。

情報は限られ、混乱している(ように見える)。

浮沈子は、情報戦と見ている。

この地域での戦闘配置は、秘中の秘だ。

ウクライナ側も、上陸地点を明かすことはない。

ひょっとしたら、今、橋頭保を築こうとしている地点は、陽動かも知れないからな。

国営通信を使った情報戦は、揺らぎを与え、特定されることを避けようとするロシア側の戦術の可能性が高い。

が、まあ、チョンボ頻発なロシアのことだからな。

東部戦線での一時的な損耗が激しくなり、全軍に渡って兵員の動員が掛かっているのかもしれない(未確認)。

東部戦線突破のために、必要最小限の守備を残して兵力を回せというお達しが流れているのかもな(そうなのかあ?)。

繰り返しになるが、渡河作戦はリスキーだし、天然の障害物(ドニエプル川)が横たわっている。

ロシアは、仮に侵攻されたとしても、短期間のうちに此岸(しがん)に展開することはできないと見ているに違いない。

さらに、橋頭保の確保に成功したとしても、そこから進軍するためには歩兵だけでは限界がある。

既に秋の泥濘期に入っていると思われ、機甲部隊での高速な進軍は困難だ(もちろん、地雷原とかもあるだろうしな)。

放っておけ・・・。

それだけに、東部戦線での攻撃は熾烈を極めるだろう。

ロシアは、この地域で短期決戦を挑んでいる。

昨年2月の侵攻以来、2年近く掛けても突破することはできなかったわけだ。

そこに、兵力を集中させて、逆「反転攻勢」につなげたい。

まあ、どうでもいいんですが。

ヘルソン州におけるロシア側の司令官は、先日替わったばかりだ。

評判が高いエースを投入したとされている。

現場の状況が把握できずに、上部組織の気に入るような用兵を行おうとしているのかもしれない。

裏目に出なければいいんだがな・・・。

この件については、ANN系も報じている。

(ロシア軍がウクライナ・ヘルソン“撤退” ロシア国営メディアが報道も直後に取り消し)
https://www.nagoyatv.com/news/kokusai.html?id=000324026

「ロシア軍は過去にウクライナの占領地から撤退する際に「部隊の移動と再編成」という表現を使っていて、今回も撤退を意味するものとみられています。」

やっぱそうか・・・。

「独立系メディアは、国営メディアが入手した情報は虚偽のアカウントから送られた可能性があると報じました。」

どうだかな?。

「ウクライナ南部のヘルソンではウクライナ軍が攻勢を強めていて、ドニエプル川の左岸のクリンキ村を占領」

一点突破なのは、おそらく事実だろう。

が、それが「領土奪還」につながるかどうかが問題だ。

数か月後には、答えが出ているだろうな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(冬のインフラ攻撃警戒 ウクライナ大統領「ロシアが準備」)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023111301024&g=int

「11月も半ばを過ぎようとしており、インフラ施設に対する敵のドローンやミサイルによる攻撃増加に備えなくてはならない」

「ロシアは冬に向けて(攻撃強化を)準備している。われわれは防衛に全ての注意を傾けるべきだ」

文脈からは、間違いなく「インフラ施設」に対する「攻撃」からの「防衛に全ての注意を傾ける」ことにはちがいないんだが、浮沈子には「反転攻勢」が失敗に終わったことから国民の目を逸らす前振りのような気がしてならない。

もちろん、「防衛」だって、攻勢の一部には違いない。

敵の戦力を消耗させ、味方のそれを温存、強化する戦術の一つだ。

攻撃は最大の防御だが、防御もまた攻撃につながる。

双方の戦力が拮抗していれば、一進一退を繰り返しながら、長期戦の中で国力に勝る方に軍配が上がる。

国力の中には、武器弾薬の生産力も含まれる。

それを支えるインフラへの攻撃に備えるというのは、風が吹けば桶屋が儲かる的に考えれば、確かに「反転攻勢」に続いている。

本家の「反転攻勢」の方は、遅々として進まないが、諦めているわけじゃない。

大きな前進は得られなかったが、いくつかのポイントでは領土奪還に向けた前進が見られた。

ドニエプル川左岸のクリンキ村もその一つだろう。

クリミアに対する攻撃は、領土奪還というより、海軍兵力による攻撃を「防御」するためのものだが、それだって重要だ。

奪還じゃないけどな。

浮沈子が妄想していたクリミアへの核爆弾の投下も、大上陸作戦もなかったが、いずれは実現するかもしれない(もちろん、奪還ですけど)。

戦場では勝てないかもしれないが、欧州は支援を続ける意思を明確にしている。

米国や、一部の欧州の国々は揺れているが、全体として支援を続けることに変わりはない。

あれが足りないとか、これが欲しいとかもあるだろうが、現実の支援の中で対応していくしかないのだ。

防御も、立派な反転攻勢だろう(そうなのかあ?)。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア防衛産業企業「ウクライナは武器の試験場…海外でロシア製武器への関心高まる」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c3e1f0d226a5b4391b1af37d711e4685dd14059

「外国顧客には実際の状況でロシアの武器が西側の現代装備に効果的に対応できるのかが重要だ」(ロシア国営防衛産業企業ロステックのアルチャコフ第1副局長)

「スホーイ35戦闘機、カモフ53攻撃ヘリコプター、T90戦車、TOS1A多連装ロケット発射台、Msta-S自走砲、M270多連装ロケットシステムなど」(戦闘の結果需要が増加したモデル)

「米国と北大西洋条約機構(NATO)同盟国はウクライナを世界市場に武器の広告を出すための巨大な試験場とみているという事実を隠していない」

いずこも同じか・・・。

「ロシア国営防衛産業貿易企業ロソボロネクスポルトの注文規模が4兆ルーブル(約6兆6000億円)以上で安定的に維持されており、これを増やすために努力している」

この規模が多いのか少ないのかは知らない。

「大型輸送機IL76MD90A(E)が大きな関心を集めている」

新製品の売込みにも余念がない。

ウクライナでドンパチ続けて欲しいのは、西側だけじゃないってことなわけだ。

コンバットプローブンな兵器はよく売れる。

やれやれ・・・。

ロシアは軍需産業だけに力を入れているから、長期的に成長を続けることが困難になるという話はよく聞く。

もちろん、それは大局的にはその通りかもしれない。

大砲で飯は食えない。

しかし、対外的な取引で売れる商品を作って輸出することは可能だ。

また、自国で使う兵器は、将来的には領土拡張などで生産力の向上に資することになる。

周りの国はたまったもんじゃないだろうが、戦争はビジネスだ。

欧州は、ロシアからの天然ガスなどの資源の輸入を制限しているが、その分、米国からの輸入が増えているという話も聞いた。

兵器だけではなく、経済制裁も熾烈な競争の手段となっている。

いや、それは順序が逆で、正義のための制裁による痛手を補っているのだということなのかもしれないけどな。

タマゴが先かニワトリが先か・・・。

(経済制裁が続くロシアにヨーロッパ製マイクロチップを輸入するための仕組みとは?)
https://gigazine.net/news/20231113-russia-micro-chip-smuggling/

「フロント企業を用いてチップの取引を行うことの目的は、商品の最終的な買い手を偽装することで、西側諸国の政府当局による取引に関する追跡を困難にするため」

「フランス警察による調査の結果、Ommicは2023年3月にフランス政府による株式差し押さえ処分を受け閉鎖」

結局、ばれちゃったわけだ。

で、その後はどーなったのか?。

「エルマコフ氏らが構築している密輸ネットワークは、フロント企業という使い捨ての会社を利用することで、そのフロント企業が特定され、制裁を受ける前にエルマコフ氏らは倒産させて、新たなフロント企業に業務を移行することが可能です。西側諸国の諜報機関にとって、このネットワークはイタチごっこのようなものです」

水は高いところから低いところに流れる。

当局の規制は、それに抗う形で行われるが、溢れた水は新たな道を見つけ出すのだ。

「Istokは軍需品の在庫を管理するためのまったく新しいシステムなど、ロシア軍向けの新たな危機を製造しているとされています。そのためにエルマコフ氏らのFry Bridgeはハイエンドな電子機器を製造するための特殊な機材を輸入している」

チップがだめなら、製造機器を入れようということかな。

「ロシアは自国の諜報機関員に対し、輸出規制をかいくぐるためのネットワークを構築するように指示していた」

戦場でのドンパチの向こう側では、もう一つの「戦争」が繰り広げられている。

(ハマスの地下トンネルVSイスラエル軍トンネル戦特殊部隊「ヤハロム」:戦火はイスラエル=ガザ地域から拡大する兆し)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8d7abf399bf84e81f7149187ab2be218f5ebb1b3?page=3

「フーシ派は11月9日、射程1200kmのブルカン3型弾道ミサイルでもイスラエルを狙ったが、イスラエルはアロー3迎撃ミサイルにより大気圏外で迎撃」

弾道ミサイルだってえ!?。

そんなもん、ぶっ放してんのかあ・・・。

(アロー (ミサイル))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%BC_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)

「アメリカ合衆国(米国)の資金および技術援助を受けて開発された。」

「2023年パレスチナ・イスラエル戦争:
アロー3が初めて実戦投入され、ハマースを支援するイエメンのフーシ派が、イスラエル南部のエイラート方面へ発射したとみられる弾道ミサイルを撃墜」

(ドイツ、イスラエルのミサイル迎撃システム購入で正式合意:2023年9月29日の記事)
https://www.asahi.com/articles/ASR9Y2JZGR9YUHBI003.html

「イスラエルが米国と共同開発した弾道ミサイル迎撃システム「アロー3」をドイツが購入することで正式な合意文書に署名」

ハマスの攻撃の前だが、直後に実戦証明されたことになる。

ドイツは、いい買い物をしたかもな・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(ゼレンスキー氏「孤独な戦い」、軍と不協和音…ガス管爆破知らされず)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231114-OYT1T50020/

「ゼレンスキー氏とザルジニー氏の間には、過去にも溝があると報じられた」

「バフムトの防衛方針で両氏が衝突」

「ザルジニー氏は早期撤退を進言」

戦争の目的と戦略目標の齟齬というやつか。

領土の完全奪還を目的とする以上、「撤退」の2文字はゼレンスキーの辞書にはない。

「露軍は5月にバフムト制圧を宣言」

報じられてはいないけど、アウディーイウカ方面でも、同じ状況になっているんだろう。

(ロシア軍、東部要衝への空爆強化 多大な損害も=ウクライナ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/TFQWSJMN65JCZFSMGHGGF2GOSE-2023-11-14/

「ロシア軍が空爆を強化し、地上部隊を前進させようとしている」

「ウクライナ軍は前線の他の地域でロシアの攻撃を撃退」

つーことは、あれだな、アウディーイウカでは、撃退できないでいるということなわけだ。

既に、精鋭部隊である海兵隊は、防御戦には必要ないから南部戦線に回している。

「戦闘はまだ続いている。この2日間、占領軍はSU35機からの誘導爆弾による空爆の回数を増やした」(ウクライナ軍報道官)

戦車を使った戦闘の詳細も報じられている。

(レオパルト2戦車とM2歩兵戦闘車、ヒットエンドラン戦術でロ軍の進撃阻む)
https://forbesjapan.com/articles/detail/67302

「南部のザポリージャ州で4カ月にわたって主力として戦った第47旅団は、10月に東部のドネツク州に転戦した。1カ月にわたり、ロシア軍の数個旅団による猛攻にさらされているウクライナ軍の防御拠点、アウジーイウカの守備隊に加勢するため」

機甲部隊が地雷原に阻まれて迅速に前進できない中、適切な用兵を行っていることが見て取れる。

ザルジニーは、間抜けではない。

「M2とレオパルト2A6が急襲チームを組み、ロシア側の陣地に近づいては数発射撃し、猛スピードで走り去るという攻撃を繰り返している。」

「レオパルト2A6はこうしたヒットエンドラン戦術に向いている。レオパルト2A6は速い。さらに重要なのは、後進するのも速いことだ。レオパルト2のような北大西洋条約機構(NATO)式の戦車は、基本的にリバースギアが充実している。」

「レオパルト2A6は、最も防御力が高い正面を敵側に向けたまま、時速30キロ強で後退できる。第47旅団のレオパルト2A6も先週、ミサイルで武装したM2少なくとも1両と組んでアウジーイウカ周辺のロシア軍陣地を襲撃した際、そうした機敏な動きを見せている。」

ロシア軍は手を焼いているだろう。

「ロシア軍のドローンが上空から監視するなか、ウクライナ軍のレオパルト2A6とM2のチームは、敵からの砲撃をぎりぎりのところで交わしながら、ロシア軍側に向けて突進」

「機械化部隊による機動的な襲撃は、ウクライナ軍がアウジーイウカ周辺でロシア軍の前進を頓挫させる方法の1つ」

こういう記事を読んでる方が、ドイツの予算が2倍になったとかいう話よりは面白い(面白がっていてはいけないんでしょうけど)。

が、おそらく、戦況を大きく変える要素にはならない。

ここで稼ぐことが出来るのは時間だ。

ザルジニーが戦場で時間を稼いでいる間に、ゼレンスキーが支援を調達してこなければ戦闘は継続できなくなる。

記事にはこんな記述もある。

「ウクライナ軍ではもともと数が少なかったうえ、このところ損失が続き「絶滅危惧種」の戦車」(レオパルト2A6戦車)

「21両のうち、まだ17両が残っている」

浮沈子的には、半年戦った割には、残存率は悪くない気がするんだがな。

逆に言えば、実働が少なかったためかもしれない(地雷原に阻まれて進めないとか)。

まあいい。

ヒットエンドラン(一撃離脱?)の攻撃で、バックギアの性能が生かせれば、少しはお国のために尽くせるだろう。

「オパルト2A6の急速バック性能が果たしている役割も軽視すべきではないだろう。第47旅団の戦車兵がヒットエンドランできるのは、すばやく比較的安全なかたちで後退し、敵の攻撃から逃れられるからなのだ。」

うーん、その性能を評価しなければならない前線の状況(防御戦)は、必ずしもウクライナにとって臨んだ形ではない気がするんだがな・・・。

<またまた追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア国営メディア、ドニプロ川東岸から自軍撤退と報道 すぐ撤回)
https://www.bbc.com/japanese/67411765

「両通信社はほどなくして、この報道を撤回。ロシア国防省は、ウクライナのせいで「虚偽の報道」が流れたとした。」

「一方、ウクライナは、ロシア国防省がウクライナをかく乱しようと、情報操作のための発表をしたとした。」

まあ、どちらが本当だかは分からない。

浮沈子的には、ロシアの攪乱戦術だと思うが、確かなところは不明だ(それでなくても攪乱されているしな)。

「ロシアもここを重視している。」

長期的にはその通りだが、当面の脅威にはなっていない。

記事にもある通り、移動の理由として、「部隊の一部を自由にし、他の地域での攻撃で使える」ようにすることとしているのは、その点を踏まえたものだ。

何のリアリティもない話では、攪乱できないからな。

「ひょっとしたら・・・。」と思わせる要素が忍び込ませてある。

1000kmに及ぶ戦線で、どこにどれだけの戦力を割くかというのは秘中の秘だ。

陽動にしても、あからさまにする場合もあれば(陽動に気付いてもらわなければ意味ないし!)、こっそり進めて敵に悟らせる場合もある(その方がリアリティあるし)。

ウクライナは、年内の戦果を得ようと急いでいる。

政治的な要請が強いからな。

調子に乗って、リスキーな渡河作戦を進めれば、敵(ロシア)の術中に嵌りかねない。

ウクライナ側は、罠に落ちないように、慎重に情報を収集しているだろう。

ロシア側が、その辺りの反応を探るために、サウンドした可能性はある。

「米シンクタンクの戦争研究所(ISW)はロシアについて、「ウクライナ軍が東岸の陣地に人員や物資を追加移動させるのを妨げなかった」とした。」

そういう目で見ると、事実はISWの通りかもしれない。

「ロシア大統領府はこの件についてコメントせず、軍の問題だとした。」

ペスコフがこういう対応をする時は、決まってロシア軍にチョンボがあった時と相場が決まっている(そうなのかあ?)。

チョンボは軍の責任、成果は大統領の手柄・・・。

まあいい。

文民統制とはそういうことだ(そうなのかあ?)。

状況としては、ウクライナが年内に戦果を挙げたがっていることに変わりはない。

昨年の大幅な奪還(最大版図の50パーセント以上)を奪還したことに比べ、反転攻勢を謳った今年になって取り返した領地は1パーセントにも満たない。

しかも、多くの地域では、反転攻勢どころか防御にまわっていて、持ち堪えることが出来るかどうかも危ぶまれている。

戦場で勝てないウクライナという評価が定着すれば、支援が打ち切られる恐れもある。

いきなりの打ち切りはないとしても、不安定になったり滞ったり、減少したり、約束が果たされなかったりすれば、前線への影響は避けがたい。

ザルジニーが、戦力を削り取られながら時間を稼いでいる間に、ゼレンスキーが必要なリソースをかき集められなければ、撤退は免れない。

それは、必要な支援の確保をさらに困難にするからな。

悪循環だ。

浮沈子の妄想であったクリミアへの核爆弾の投下も、大規模な上陸作戦もなかった(トーゼンですな・・・)。

既に、マークミリーによって切られた反転攻勢の期限は過ぎている。

これから先、大規模な進軍は望めないし、歩兵レベルでのリソースも限られている。

恒例になるだろう、ロシアによるインフラ破壊の季節になれば、抗戦意欲も減退する(意欲の問題かあ?)。

そっちに防空システムを回さなければ、やっていけなくなるからな。

ぶっちゃけ、ウクライナ軍は、前線を維持できなくなって、後退せざるを得なくなる。

後退した地点で防御に失敗するようなことがあれば、さらに後退。

来年には、再び反転攻勢を画策していると言われるが、それまで現在の戦線を維持できるかどうかは分からない。

押し戻されれば、長射程の飛び道具がなければ対抗できなくなる。

F-16戦闘機が実戦配備されるのは来年4月以降。

ロシアも、当然対抗措置を講じてくる。

状況が大きく好転するとは思えない。

いったい、どーする!?。

ロシアは、西側の経済制裁が続く中、戦時経済に移行し、武器弾薬の製造能力を高めてきている。

カンフル剤として、イランや北朝鮮からの輸入も果たした。

プーチンは時間を味方につけることに成功している。

それに対して、ウクライナ側には生産能力を増強する手立てがない(西側の軍事産業は、戦闘が続いている間はウクライナでの本格的生産を行う気はない)。

支援各国は、自国の在庫の減少に神経をとがらせ、当初の支援目標の達成がおぼつかなくなっている(欧州は30パーセントだそうです)。

米国も、本予算成立が遅れる中、残額僅かな状況に追い込まれている。

いい話は、ドイツの増額決定くらいか(まだ、審議中ですが)。

重要なのは、イスラエルの話でウクライナへの関心が薄れていることだ。

もちろん、各国の姿勢に変化はない。

ウクライナ支援は揺るがない。

が、自由で民主的な国家が多いからな(いえいえ、けっして嫌味じゃありません!)。

人心の離反は政策・の支持を失わせる。

ロシアへの経済制裁は、ブロック化を進め、調達コストの増大を招き、人々の財布を直撃している。

浮沈子は、ウクライナの統治がどうなろうと知ったことではないが、そういう気分(気分なのかあ?)が広がってきていることは確かだ。

もう、この辺で十分なのではないのか・・・。

「膠着状態」だし・・・。

そろそろ、2年になるし・・・。

戦場で勝てないし・・・。

兵力を温存しようとすれば領土奪還は出来ず、攻勢に出れば不足しがちな兵器や弾薬、虎の子の兵力を失うことになる。

前門の虎、後門の狼。

それはロシアも同じだが、どうやらそろそろ国力の差が見えてきている。

そういう巷の評価の中での渡河作戦(長い前振りだな)。

期待は大きい。

世界の注目が集まる(そうなのかあ?)。

一点突破、全面展開、一気に占領地を分断して、クリミア奪還への勝利の方程式につなげたい!。

仮にアウディーイウカを取られたとしても、一矢報いることが出来る。

あっちは、ロシアが既に併合している地域の中での、僅かな後退に過ぎないが、ドニエプル川東岸への渡河作戦が成功すれば、領土奪還への希望が生まれる。

そう、今、ウクライナに必要なのは「希望」だ。

単なる夢や、根拠のない確信(盲信)ではなく、この先に進むことのできる道が続いていると思えることが重要だ。

ロシアもそれは分かっている。

ここで、一体、何をやらかそうとしているのかは知らない。

情報をかく乱しておびき寄せ、殲滅を狙っているのかもしれない。

繰り返し上陸させて、一定程度溜まったところで叩く。

アウディーイウカの陥落と同時期なら、なおいい(そんなあ!)。

ヘルソンもそうだが、ロシアは記念日に合わせて攻撃するという余裕(余裕なのかあ?)を見せているからな。

画像の地図は、以下のページからコピペした。

(アウディーイウカの戦い、ロシア軍が線路を突破してステポヴェ集落内に到達)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiivka-russian-troops-break-through-the-railroad-tracks-and-reach-stepove/

「625日の戦いを通じて「ロシアには西側が許容できないリスクとコストに耐える火の玉のような意思がある」と実証されており、どれだけ敵に損害を与えたとアピールしても「陣地」や「土地」を失い、敵の意図をへし折ることができなければ意味がなく、アウディーイウカ方面では視覚的に「ロシア軍がステポヴェ集落内=Ⓐに到達した」と確認された。」

地図には縮尺が入っていないが、グーグルマップと突き合わせてみても、特にデフォルメされている感じはない。

下の方に描かれている「ドネツク国際空港」の滑走路が4000mらしいので、およその距離感は分かるだろう。

(ドネツィク国際空港)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%AF%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A9%BA%E6%B8%AF

「滑走路:
方向:長さ (m):表面
08/26:4,000:コンクリート」

このブログは、現地ブロガーの情報などを見ながら、かなり丹念に戦況を追っている。

「敵はステポヴェ集落内の最も東側に位置する家に侵入したが、ブラッドレーの攻撃に敗北した。」(ウクライナ人が運営するDEEP STATE)

「ウクライナ軍兵士は大きな損失とローテーションの欠如に不満を募らせている。そしてロシア軍は線路を横断してステポヴェ集落内に入り、敵の防御体制をテストした後に撤退した。線路を横断できるようになったのは敵の防御能力が低下している現れだ」(ロシア人ミルブロガーが運営するRYBAR)

「双方とも「ロシア軍兵士がステポヴェ集落内に到達して敗走(撤退)した」と認めているが、その意味については意見が別れている。」

何がどうなっているかを知るには貴重だ。

「我々は高台(クラスノホリフカ南西のゴミ捨て山のこと)の攻撃に駆り出されているが、司令部は必要な量の弾薬を支給せず、砲兵による適切な火力支援もないため、毎日何十人もの兵士が無意味な攻撃で死んでいる。周辺一帯はロシア軍の砲撃を受けて何十、何百という仲間の遺体が転がっているのに誰も回収できておらず、司令部も遺体の回収に無関心なので何も対処していない。さらに司令部だけが何も言わず郊外に撤退したのは何故なのか?我々はこの状況について説明を求めている」

投稿されている動画についても、ロシア側の情報戦の可能性を指摘している。

「この動画が本物かどうかは不明」

「仮にロシア側の巧妙なプロパガンダだったとしても「アウディーイウカの状況」が良くないため「真偽を確かめないまま本物だと受け入れてしまう人」もいるかもしれない。」

まあいい。

情報は、評価してからじゃないとな・・・。

このブログの他の記事には、こんな投稿が出ている。

(ゼレンスキー政権、反攻作戦を指揮したタルナフスキー准将などを解任か)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/zelenskiy-administration-may-dismiss-brigadier-general-tarnavsky-who-led-the-counteroffensive-operation/

「反攻作戦の責任を問うため反攻作戦を担当した将官をクビにしなければならないとゼレンスキー大統領の側近が述べた」(TIME誌)

「冬が来る前に遅々として進まない反攻作戦の説明責任を果たすため、最低でも大臣と反攻作戦を担当した将官を1人づつクビにする必要がある」(同上)

「ウメロフ国防相が反攻作戦を指揮したタルナフスキー准将の解任手続きを準備中だ」(現地メディア)

「ウメロフ国防相がタブリア作戦軍司令官のタルナフスキー准将、統合軍司令官のセルヒイ・ナエフ中将、医療軍司令官のテティアナ・オスタシチェンコ少将の解任手続きを準備している」(同上)

解任の理由については、様々な記述があるが、タルナフスキー准将については反転攻勢がとん挫した責任という見方だ。

「ロシアは1年以上も準備した防衛ラインが突破されないと信じていたが、我々は数週間に渡る地道な地雷処理作業の末、ザポリージャ方面で敵の第1防衛ラインを決定的に突破した」(英紙ガーディアン)

「秋の長雨は大地を泥濘ませるため戦車のような重装備の移動を困難にさせるかもしれないが、我々は少人数編成の歩兵部隊で前進しているため、天候の変化が反攻作戦に大きな影響を及ぼすとは考えていない」(CNN)

このセリフは、ドニエプル川渡河作戦でも聞いた記憶があるけどな。

まあいい。

「ロボーティネからトクマクへの前進はほぼ停止し、ベルベーヴへの前進も集落郊外から先に進めず、南ドネツク方面の状況も同様」

「本当にタルナフスキー准将が解任されるなら「反攻作戦失敗の責任を問われた」と映るだろう」

さて、どうなることやらだな・・・。

この方のブログを漁ったら、ザルジニーのエコノミストの取材と投稿に関連した記事が上がっていたのでリンクしておく。

(ザルジニー総司令官が反攻作戦の評価に言及、私が間違っていた:2023.11.2)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/general-zarzini-commented-on-the-evaluation-of-the-counteroffensive-operation-but-i-was-wrong/

「(ロシア軍を消耗させればプーチンを止められるという思い込みは)私の間違いだった。ロシアは少なくとも15万人もの戦死者を出し、これほどの犠牲者が出れば一般的な国は戦争を止めていただろう。しかしプーチンが想定している(消耗戦の規模)は数千万人を失った世界大戦レベルだった」

「我々はロシア軍の防衛ラインを1日30kmのスピードで移動できると考え、4ヶ月間もあればクリミアに到達し、クリミアで戦い、クリミアから戻って来れると思っていた」

「我々の部隊は敵の地雷原に直面し、西側が提供してくれた装備もロシア軍の大砲と無人機によって打ちのめされた」

「攻勢の主軸である南部で同じことが起きた」

反転攻勢の失敗は覆うべくもないが、浮沈子的にザルジニーの認識(=西側の認識?)で最大の問題だったのは、兵員についてだろう。

「正直に言おう。ロシアは封建的な国家で最も安い資源は人間の命だ。逆に我々にとって最も高価なのは国民の命だ。戦いが長引けば長引くほど戦場に動員できる人的資源(兵士数)の維持が困難になる。我々は解決策を探さなければならず、火薬のような新技術を見つけて素早く使いこなし迅速な勝利に結び付けなければならない。なぜなら長期的に人手不足に陥るのが目に見えているからだ」

時間は常にロシアに味方しているな。

(Economist紙、反攻作戦の失敗を認めないと同じ結果を繰り返すだけ)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/economist-newspaper-if-we-dont-admit-the-failure-of-the-counterattack-we-will-just-repeat-the-same-result/

「ウクライナ・プラウダ紙は「ザルジニー総司令官のインタビュー記事」を掲載したThe Economist紙に取材を行い、同紙の軍事コラムニストを務めるシャシャンク・ジョシ氏は興味深い視点を幾つも提供しており、2万文字を越える記事の主要ポイントを要約すると以下にようになる。」

かなり詳細な記事なので、浮沈子が気になったところだけかいつまんで引用する。

「私はウクライナに対して宿命論者であったことはなく、長い戦いの中で困難に直面しても最終的には勝利すると信じているし、国力の大きなロシアの長期戦に必ず勝利する保証もない」(エコノミスト誌の軍事コラムニストであるシャシャンク・ジョシ氏)

浮沈子のサブタイトルとは真逆な見解だが、その根拠については明かされてはいない。

「欧米諸国は砲弾の増産に取り組んでいるものの依然としてウクライナのニーズを満たせていない。ロシアの砲弾供給に追いつくのは早くても2025年頃なので来年は非常に厳しい年になるだろう。」

既に増産に取り組んでいるというが、そのペースは既存の生産設備をフル稼働させるレベルに留まっているようだ(未確認)。

欧州大戦争を見据えた戦時産業体制に移行しているわけではない。

「重要になるのが兵士の質だ。ウクライナには前線から兵士を引き抜いて必要な訓練を施すことが困難で、十分な数と能力を備えた予備戦力を用意することが難しい。」

この点については、興味深い指摘もある。

「ロシア軍の攻撃は失敗することもあれば効果がないこともある。莫大な損失を被って極めて自滅的なものになることさえあるが、それでもロシア軍は余裕を与えないようウクライナ軍部隊を前線に釘付けにすることできる」

こんなのもある。

「バフムートでの防戦が反攻作戦に大きな影響を及ぼした」

「バフムートの戦いでウクライナ軍は砲弾の備蓄を使い果たしたのに対し、ロシアはスロヴィキン・ラインを強化する時間を得ることができた」

「ウクライナ軍は経験豊富な旅団を東部戦線に残し、経験の浅い旅団に最新装備を与えて南部戦線に移動させた。この選択が異なっていれば南部での反攻作戦はもう少し違った様相になっていたかもしれない」

タラレバは、いくらでも出るが、結果は変わらない。

来年の見通しは暗いな・・・。

「来年のウクライナ軍は基本的に現在の領土を守るだけ」

ブログ運営者の指摘は、かなり辛口だ。

「ATACMS、F-16、レオパルトが膠着した戦場状況を打開するのではなく、敵の認識力拡張を阻害して「戦場で装甲車輌が機動できるスペースを作り出す技術」が戦争の行方を左右するのかもしれない。」

それはきっと、ウクライナ戦争が終わった後の話になるだろうな・・・。

<もっと追加>ーーーーーーーーーー

(冬季反転攻勢を協議 米・ウクライナ軍トップ)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023111401035&g=int

冬季反転攻勢だってえ!?。

夢でも見てるんじゃないのかあ?。

「ザルジニー総司令官は、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長と電話会談」

「両者は会談で、東部ドネツク州や北東部ハリコフ州の戦況を分析」

「複雑化しているが、コントロールされている」

「ウクライナは敵(ロシア)の計画も、対応策も分かっている」(ゼレンスキー大統領)

問題なのは、その対応策が実行できないことだろう。

「差し迫って防空兵器が必要」

それだけじゃないんじゃね?。

(ウクライナへの砲弾100万発供与、EUの目標達成困難 独国防相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3491309

「ドイツ国防相は14日、ウクライナに対し来年3月までに砲弾100万発を供与するという欧州連合(EU)の目標は達成されないだろうとの見方を示した。」

「EU加盟国がこれまでに既存の備蓄から供与できたのは、計30万発」

新たに生産したわけではなく、備蓄からの供与なわけだ。

ちょっと興味深い話もある。

「欧州の軍事企業は製品の40%を域外に輸出しており、これが大きな障害の一つになっている」

「恐らくわれわれが行うべきことは、生産を優先順位の高い方、つまりウクライナ用に振り向ける努力をすることだ。そうすればかなり違うだろう」

欧州は、域外(どこかは不明)の市場を失い、そこにロシア企業が入ってくるんだろうな。

そもそも100万発というのは十分な数ではない。

ロシアは毎日1万発使っていると言われる(エストニア情報機関トップ:あっちの備蓄は400万発だそうです)。

3が月ちょっとしか持たない、僅かの量に過ぎない(ロシアが使えばね)。

冬季反転攻勢どころか、防衛も危ういんじゃね?。

おまけに、北朝鮮からの補給路も確保している。

比較にならないな。

ロシアの生産力は、今後さらに増加していくだろう。

見据えているのは欧州大戦争。

NATO相手に、桁違いの消耗戦が始まる。

4000万発くらい備蓄しておかないと持たないだろう(テキトーです)。

航空戦力も、惜しみなく投入される(ウクライナ相手じゃ、もったいないからな)。

今年の冬は大人しく防御戦に徹して、砲弾を節約して備蓄に回した方が得策だろう。

「冬季反転攻勢」は、初夢で見るくらいにしておいた方が無難だな・・・。

<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー

(正念場迎えたウクライナ軍、カギ握るドニプロ川本格渡河作戦)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/77906

全体を読んだ印象では、専門家の割にはウクライナに肩入れしている気がする。

が、なんとかしてウクライナにとっての勝利の方程式を描こうという涙ぐましい努力は評価していい。

「西部戦線での渡河作戦の動きとその進展いかんによって、南部戦線でも進展の可能性」

遠距離を狙うことが出来る兵器(エイタクムスやF-16など)については、ザルジニーが欲しいと言っていた兵器の中にはない。

「今まで手も足も出なかった遠距離の重要目標を効率よく攻撃できる」

それで、何が達成できるのかはよく分からないな。

ドニエプル川(ウクライナ名:ドニプロ川)での渡河作戦が、この記事のメインだが、浮沈子は、同贔屓目に見ても成功を描くことはできないでいる。

「ザポリージャ州西部オリヒウ~トクマクへの攻撃軸では、一部攻撃中の地域もあるが、ほとんど進展してはいない。」

やや唐突だが、もう一つの戦線での戦況も分かった。

もう、渡河作戦一択なわけだ。

さすがに専門家と思わせるのは、現在の戦線(記事では「接触戦」)で膠着したまま停戦すると、ウクライナにとっては嬉しくないことになると見切っている点だ。

「もしも、ウクライナ軍が今の接触線を維持したままで、ザポリージャ州やへルソン州およびクリミア半島を奪回できなければ、黒海からの出口が閉ざされてしまう。」

「ウクライナは、これまでの戦いで全土が侵略されずには済んだとはいえ、ロシアの特別軍事作戦の名目の目標を達成させてしまうことになる。」

「11月12日現在の接触線が停戦協定のための協議の前提になってしまえば、その領土を数百年か千年、あるいは半永久的に取り戻すことはできなくなる。」

「そして世界は今回のロシアによる侵略戦争に無関心となり、忘れてしまうことになる。」

まあ、そこまで言わなくてもいいような気もするが、状況認識としては妥当だろうな。

「だから、今の接触線で戦いが停止すれば、ウクライナ全土に敗北感が漂うことになる。」

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子的には、初めて同じような見方をする専門家を見た気がする。

「オデーサ港の確保は達成できているが、ウクライナ国家繁栄のために、黒海の出入り口を確保しておかなければならない」

この点も同じだったな。

しかし、ロシアの意図や目的、現状についてはいささか甘いというか、わざと軽く見ている気がしてならない(そうなのかあ?)。

それでなければ、この記事自体が成り立たなくなるしな。

「侵攻当初の戦争目的・目標が変化してきているはず」

浮沈子の記憶が確かならば、ペスコフは、真逆のことを言っていたような気がする。

(ウクライナ「戦争膠着状態」…ロシア「馬鹿げた話」)
https://japanese.joins.com/JArticle/310943

「ペスコフ報道官は立てたすべての目標が達成されるであろうし、ウクライナがロシアに対する勝利を語るのは馬鹿げている」

浮沈子は、ペスコフが言うことには十分な根拠があると思っている。

「現状のロシア軍戦力の大量損失とウクライナ軍の戦力造成から考えれば、ロシアの現在の戦争目標は、現在の接触線の維持と、これに隣接する戦闘の要域を占拠すること」

ザルジニーと同じ陥穽にはまっちまっている気がするな。

見方の戦力を過大評価し、敵のそれを過小評価するというのは、やっちゃいけないいろはのいの字だ。

「ロシアは、装備する兵器に多くの損失を出し、ロシア軍の攻勢では肉弾戦とも呼ばれる残酷非道な歩兵の戦いを強要し、戦術面では無策の戦い方を行っている。」

戦争は、一つの狂気だ。

ロシアが黙示録的突撃をしているのも、ウクライナが領土の完全奪還を信じているのも、浮沈子にはそうとしか思えない。

「無謀な戦いをしているロシア軍は、戦える戦力が大きく消耗しており、一時的には攻勢に出られるが、これから1年あるいはそれ以上にわたり行えるのかというと、それはできないと私は見ている。」

西村金一氏の見立てが正しいとは、到底思えないな。

ウクライナは通過地点に過ぎないというのが、浮沈子の見立てだ。

プーチン個人は、ウクライナで満足するかもしれないが、既にロシアは後戻りできない道を歩み始めている。

ここには、ちょっと気になる話も出ている。

「なりふり構わずかつて売却した兵器を買い戻している」

浮沈子的には初耳だが、本当だろうか?。

西側の情報では、ロシアは軍需産業が持ち直して、輸出も伸びていると言われているけどな(本当みたいです)。

(ロシア、兵器不足で海外に売却した兵器を買い戻し)
https://milirepo.sabatech.jp/russia-to-buy-back-weapons-sold-overseas-due-to-weapons-shortage/

「ロシア国防省は不足する兵器を補うために、かつて海外に売却した兵器の買戻しを試みているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。」

「国内の工場は戦時体制を敷き、兵器生産に振り向けていますが、損失に対し、供給が間に合っていません。」

「過去、兵器を売却していたエジプト、ブラジル、パキスタン、ベラルーシといった国々から兵器を買い戻すことを計画、来月から輸入が始まる」

武器ではないが、部品の買戻しの話は以前にもあった。

(ロシア、兵器部品「買い戻し」 ミャンマー・インドから
旧型戦車・ミサイル改良の目的か、日経調査:2023年6月5日の記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE215YE0R20C23A2000000/

「過去に輸出した自国製の戦車・ミサイルの部品を改めて購入」

「在庫の旧型兵器を改良して戦場に投入するため、軍事的に関係の深い国の協力を得ている可能性」

「ミャンマーやインドから逆輸入」

まあいい。

「今、ロシア軍は最後の力を絞って戦っている。」

この言い回しは、開戦当初から聞かれている。

今、援助を打ち切れば、もう少しで勝てたところでウクライナが敗北することになるって。

それから2年近く経っているけど、確かに全面降伏は免れているが、現状は、戦争が長期化すればするほど、逆にロシア側の戦力は増大し、西側との差が開いていくような気がする。

記事は、ウクライナにとって嬉しくない話で締めくくられている。

「渡河作戦が失敗すれば、その後の攻勢に出る余力はなくなって、現状の接触線を維持せざるを得なくなる」

「ウクライナ軍が成功すれば、ウクライナがザポリージャ州西部とへルソン、そしてクリミア半島を獲得する接触線ができる。」

「失敗すれば、クリミア半島を獲得できない接触線で止まる。」

運がよければ止まるだろうが、渡河作戦の失敗は戦略的な痛手となるだろう。

「消耗戦になり、ウクライナの力が尽きれば、国力があるロシアが勝利するという情報もある。」

「ウクライナ軍が確保した地域で防御線を構築し防御するようになれば、両地上軍の攻撃前進は停止する」

もちろん、そうすべきだし、特にこの冬の間はそれに専念すべきだろう。

ロシア軍が防御線で食い止められたのは、地雷を埋め込んだだけじゃなくて、その間もヒットアンドアウェイ攻撃をかけ続けたからと言われている。

ウクライナ側が、消耗戦に耐えられないことを知っているのだ。

この記事は、なかなか勉強になった。

渡河作戦の今後を占う上で、成功と失敗と、両方の可能性を浮き彫りにしてくれたからな。

著者がウクライナ贔屓であることを差し引けば、見通しがよくなった。

浮沈子の見立てでは、逆にロシア側が押し込んで、ウクライナ軍はこの冬の間に壊滅的な損害を受ける可能性がある気がしている。

ザルジニーは、米国統合参謀本部議長との電話会談で、戦況はコントロールされていると強がって見せたそうだが、それはドネツク州やハリコフ州での話だ。

南部戦線は流動的だからな。

ロシア軍エースの司令官が投入されていることを忘れてはならないだろう。

この地域の中長期的な重要性は、ロシアも十分わかっている。

怪しげな国営放送による偽情報のリークと言い、何が起こるかは誰にも分からない。

不気味だ・・・。