🐱ウクライナ降伏不可避:悲観論 ― 2023年11月25日 20:34

ウクライナ降伏不可避:悲観論


(ウクライナの苦戦、プーチン氏に勝利のチャンス-兵器も注目も遠のく)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-24/S4LPNST0AFB401

「戦況こう着、米国と欧州は支援継続が可能か疑問を抱き始めている」

記事は、悲観論に満ち溢れている。

「兵器供給の遅れや、国内政治により金融支援が滞る中で、当局者の間の雰囲気は以前よりも暗かった」(支援国会議)

「再び冬を迎える中で弾薬は不足」

「もう一つの懸念は人手だ。」

「ロシアは犠牲を払いながらも次々と兵士を前線に送り込んでいるが、ウクライナはそうすることに消極的」

同じようにしていたら、兵士が不足することは明らかだからな。

航空優勢がない中で、地上戦を進めるなんてありえねー・・・。

「余力に乏しい資源を今後も投入し続けることができるのか、戦場から離れたところで米国と欧州は疑問を抱き始めている。」

ちょっと説明が足りないのではないか。

武器や弾薬を供与しても、それを使う兵士がいなければ役には立たない。

しかし、そもそも、戦争のコメである弾薬が不足している状況は、それ以前の話だろう。

一時的かも知れないが、絶対的な供給力不足に陥っている。

「注目は中東やその他の理由で移りつつある。支援がなければ、事態は悪化する」(ゼレンスキー大統領)

「極めて重要な弾薬の供給で欧州の取り組みが失速しつつある」

「米国を中心に政治的な支援疲れの兆しは増えている。」

泣きっ面に蜂というやつだな。

ウクライナにとってはお先真っ暗な状況だが、欧州は更に悲観的な見方をしているようだ。

「さらに悪い場合にはロシアに軍事的な突破を許し、プーチン氏が交渉に応じる必要を感じなくなる」

「ロシアはウクライナ国境では止まらず、西側はいまだに危険の深刻さを完全に理解していない」(東欧の一部の指導者)

ロシアがNATOとの戦端を開くリスクは、東欧諸国にとってはリアルな選択肢の一つだ。

その時のために自国の武器弾薬の備蓄を増やす必要があるわけで、限られた生産力の中で、ウクライナに回すことが出来る量は限られている。

「勝利に貢献するわれわれの集団的な能力に懸念を抱く」(リトアニアのランズベルギス外相)

改めて戦況を見渡せば、それほど悲観的になる要素はないという気もする。

「2022年秋、ウクライナはハリコフ、ルハンシク、ドネツク地域の重要な領土を取り戻したが、ロシアは後者の2地域は併合されたとみなしている。しかし今、一部の地域では再び争われている」(添付されている地図中の解説:以下同じ)

「2023年、ウクライナはザポリージャ地域でロシアの戦線を押し戻したが、戦略都市トクマクに到達するにはさらに多くの兵力と物資が必要となる」

「ヘルソン地域の一部は2022年11月に解放されたが、6月のカホフカダム破壊後の洪水の影響もあり、さらなる獲得は限られている」

戦線を膠着状態にとどめておくことは、現状の支援でも十分可能だし、時間が経てば備蓄も積み上がってきて、ウクライナに送ることが出来る弾薬を確保することができるかも知れない。

米国の政治状況には厳しいものがあるけど、来年の選挙を乗り切れば、状況は好転する可能性もある。

「ロシア側の見方では、プーチン氏にはいま選択肢が2つある。」

・消耗戦を続けて相手とその同盟国を根負けさせる
・春に大規模な攻勢を新たに仕掛ける

後者の選択はないな。

そうしなければならない動機もない。

時間を掛け、着実に支配地域の拡張を進めるだけだ。

それがどこで止まるのかを知るのは難しい。

実は、ロシアも知らないのではないのか。

「ロシアの一部当局者も戦況は芳しくないと考えている。」

「戦争が長期化すれば、ウクライナはイスラエルのような、米国にとって重要な同盟国としての地位を固めることになる。そのような展開は、ロシアにとって地政学的に深刻な敗北だ」(モスクワの戦略技術分析センター(CAST)で防衛問題を専門とするミハイル・バラバノフ氏)

この展開、浮沈子は既視感に捉われて、思わずクラクラした。

キューバ危機とそっくりではないか(立場、逆ですけど)。

当時の米国は、海上封鎖という手に出たけど、地続きのウクライナにその手は使えない。

自国の核戦力をちらつかせて牽制するのが精いっぱいだ。

ロシアと米国は、チキンレースを続けている。

浮沈子がキューバ危機を連想したのには背景もある。

22日は、ケネディ暗殺から60年だったからな。

意識はしていなかったが、ニュースで見たり聞いたりしていたのかもしれない。

ロシアウクライナ戦争でも、暗殺は行われている。

プリゴジンは、まず間違いないだろうし。

暗殺の歴史は、米国やロシアだけじゃない。

わが国だって、その流れの中にある。

伊藤博文や大久保利通といった歴史上の人物だけじゃない(先日も、国葬になった人がいたしな)。

まあ、どうでもいいんですが。

キューバは、米国の喉元に突き付けられた刃だった(その一部に米軍基地(グァンタナモ)があったというのも皮肉だがな)。

プーチンは、ウクライナの現政権について、同じような危機感を抱いているのかもしれない。

ケネディー政権が、第三次世界大戦を覚悟して決然と対決したように、ロシアもまた、決して引くことはないだろう。

欧州やウクライナは、もしかすると甘い幻想を抱いているのかもしれない。

領土分割を受け入れれば、残った地域で自由と民主主義を謳歌でき、EUやNATOにも加盟出来て、軍備はNATO基準、西側の軍事産業も誘致して、二度とロシアの侵攻など受け入れずに済む鉄壁の防衛体制も構築できる・・・。

うまくすれば、分割された領土だって、将来、武力で奪還できるかも知れない・・・。

んな条件を、ロシアが呑む筈はないだろう。

西側は、とんでもない勘違いをしている可能性がある。

地政学的リスクを指摘したバラバノフが見落としていることがあるとすれば、ロシアは現状のウクライナを決して容認しないという点だ。

ウクライナが米国にとって重要な同盟国としての地位を固めることになるということなら、実力を持って阻止するだろう。

戦争の長期化は、両刃の剣だ。

ウクライナがイスラエルになることはない。

ロシアの力を削ぐことに、役に立たないと米国が見限ればそれまでの話だ。

欧州は、既にその選択に向けて動き出している。

100万発の砲弾の話だって、そりゃあ確かに生産力の限界とか欧州自身の在庫の話もあるだろうが、そんなことは春先に空手形を出した時から分かっていたはずだ。

この時期にその話が表沙汰になってきたということは、反転攻勢の失敗が明らかになり、欧州が支援縮小に動き始めたというだけの話だ。

成果に応じた投資だな。

もちろん、そういう言い方はしない。

大人同士だからな。

欧州自体の防衛力を高めるための時間も稼がなければならない。

ウクライナが、短期に総崩れしないだけの支援は続ける。

防衛ラインを維持できる程度か、撤退速度を律速できる程度だろう。

そうして、いずれは、ウクライナを飲み込んだロシアと直接対峙することになる。

文字通り、矢面に立たされる東欧諸国はたまらんだろうな・・・。

そういう羽目にならないためには何をしたらいいかを、真剣に考えなければならない時期に来ている。

西側には、今、2つの選択肢がある。

・消耗戦を続けてロシアを根負けさせる
・春に大規模な攻勢を新たに仕掛ける

うーん、どちらも選択肢にならない気がするんだが、勝利の方程式はそれしかない。

西側の敗北か、ロシア国家の消滅かという選択肢で戦っている相手だからな。

消耗戦で根負けさせるのはムリポだろう(工業地帯でも空爆するか、それこそミサイル飛ばして電力インフラ破壊するしかない)。

敵のリソースの供給を遮断しないまま、我慢比べで消耗戦に勝とうというのはナンセンスだ。

もちろん、経済制裁はその手段の一つだが、結果は失敗に終わっている。

ロシアは、サプライチェーンを再構築し、制裁の回避どころか経済を成長軌道に乗せることに成功した(まあ、中身が軍需産業だけっつーのはありますけど)。

結局は、支援を強化して「反転攻勢」再びということになる(他に選択肢はないのかあ?)。

問題は、支援が復活すれば何とでもなる武器弾薬ではなく、内部調達するしかない兵員の方だ。

(ウクライナ、軍隊動員プログラムの改革策定へ=大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/2ZKFQALCHJIBXIATN5JNU6NPTI-2023-11-24/

「ロシアとの戦争が激化し終わりが見えない中、ウクライナは軍隊動員プログラムの改革を策定」

「計画は練り上げられ、全ての答えが出るだろう。来週にはこの計画を見ることになる」

より多くの兵員を駆り立て戦場に投入することになる。

そこでより多くの、高性能な武器を使って、ドンパチを続けることになるわけだ。

「プーチン氏の侵攻に対するウクライナの戦いはマラソンだ。短距離走ではない」(オースティン長官:初出のブルームバーグの記事)

ロシアの決意はともかく、誰かがこの戦いを止めさせる決意を持たないとな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(不満が高まっていた動員問題、ゼレンスキー大統領が動員者の復員を決断)
https://grandfleet.info/european-region/regarding-the-mobilization-issue-where-dissatisfaction-was-growing-president-zelenskiy-decided-to-demobilize-the-mobilized-personnel/

「大統領が動員に応じた人々の復員(動員解除)を決定した」

「特定条件に当てはまる者以外は動員解除が認められていない。」

「ゼレンスキー大統領は「求心力を失いつつある動員体制の改善」を迫られていた」

「戦争遂行に必要な人材採用の公平を保つため大統領から動員された人々について要請があり、対象者を近いうちに復員(動員解除)させることで軍と合意した。我々は復員させる人数が膨大であることを理解しているが、これは公平な措置だ」(国家安全保障・国防会議のダニロフ書記)

「「動員者の復員」を実現するには「追加の動員」が必要なので動員強化は避けられない」

ロシアの例を見るまでもなく、予備役の招集(動員)は、政治的リスクだ。

それを敢えてしてまで、兵員を補充し続けなければ戦線を維持することはできない。

ウクライナは、本格的な長期戦への態勢を求められている。

今年の反転攻勢が失敗に終わったことは、戦争の質的転換の契機になっている。

長期戦ということなら、もっとスパンの長い話もある。

(ロシア、クリミアに海底トンネル 中国企業と秘密裏に計画か)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/292121

「ロシアと中国の政府系企業が、ウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ海底トンネルの建設計画を秘密裏に話し合っている」

海底トンネルかあ・・・。

ずいぶん気の長い話だが、攻撃を受けやすい橋梁に比べれば、攻撃に対する影響は少ないかもな。

「海底トンネルの建設には、大橋の代替となる輸送路を確保する狙いがある。」

もっとも、出入り口は剥き出しの固定目標だから、必ずしも「安全」とは言えない(複数作るとか、地下の施設へ直通させるとかしても、どこかで地上とは連絡するからな)。

長期の安定を図るためには、ハードウェアで対抗するだけではダメなわけだ。

(ウクライナ紛争、和平交渉なしなら2030年まで継続 スロバキア首相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3493048

「ウクライナ紛争はこう着状態にあり、2029年か2030年まで続く可能性がある」(スロバキアのロベルト・フィツォ首相)

「10年後、何の成果も得られないまま、さらに50万~60万人の死者を出してからようやく交渉の席に着くよりは、平和裏に、または戦闘を休止して10年間交渉を行った方がいい」(同上)

けだし、正論だな。

「フィツォ氏率いる極右の閣僚を含む3党連立政権は、既に前政権が計画していた4030万ユーロ(約66億円)規模の対ウクライナ軍事支援を停止」

「対ウクライナ軍事支援について、スロバキアはこれ以上行わないが、他国が実施することに反対はしない」(同上)

かつて一つの国だったころを知る浮沈子にとって、この記事は時代の変化を感じさせる。

(スロバキア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%AD%E3%82%A2

「この地のスラブ人は1000年間少数民族としてハンガリー王国の支配下に置かれていた。ハンガリーにとっても歴史的に重要な地域」

「第一次世界大戦後、オーストリア・ハンガリー帝国からチェコと合併するかたちで独立し、1989年のビロード革命による共産党政権崩壊を経て、1993年1月1日にチェコスロバキアから分離独立」

チェコスロバキアとしての歴史は、100年続かなかったわけだ。

ソフトウェアの一つのカタチである「国家」のスキームも、地続きの欧州では不変というわけではない。

そりゃあ、島国である我が国も同じだがな。

沖縄、北方領土などの周辺地域、朝鮮半島や大陸、南洋諸島(古っ!)への進出を繰り返し、現在も国境確定で揉めている状況を抱えている。

まあ、どうでもいいんですが。

戦争は、国家間の不幸なコミュニケーションのカタチだ。

砲弾ではなく、富と友好をやり取りする時代を、早いとこ開かないとな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア軍のEW能力が効果を発揮、GPS誘導兵器は目標を外しドローンも制圧)
https://grandfleet.info/european-region/russian-militarys-ew-capabilities-are-effective-gps-guided-weapons-miss-their-targets-and-drones-are-also-suppressed/

「静的な接触線が出現したことでロシアの強力な電子戦能力が効果を発揮し始めた。エクスカリバー砲弾、JDAM-ER、GMLRS弾は目標を外し始め、偵察や攻撃に活用しているドローンの損耗率も高まっている」(The Economist紙)

専門用語ばっかしで、ド素人の浮沈子にはワケワカだ。

静的接触(性的接触じゃない:子供は分かんなくていいです!)線の出現というのは、戦線が「膠着状態」にあることの言い換えだな。

当局にとって、「膠着状態」というのは禁句だ。

記事では、「前線位置が固定化された戦場のこと」という解説になっている。

電子戦というのも、厳密には何を指しているのかは分からない。

(電子戦)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%88%A6

「電子戦とは、敵による電磁周波数帯域の利用状況を検知、分析した上で妨害や逆用する活動と自軍の電磁波の円滑な利用を確保するための活動を総称」

うーん、余計ワケワカ・・・。

「ロシアのEW能力は米国を完全に上回っている」

「静的な接触線(前線位置が固定化された戦場のこと)が出現したことでロシアの強力なEW能力が効果を発揮し始めた」

仕方がないので、記事に出ている電子戦によるウクライナ軍への影響で、その実態を見てみよう・・・。

「ウクライナ軍は今年3月にエクスカリバー砲弾(155mm榴弾砲で使用するGPS誘導弾)が目標を外し始めことに気づき、JDAM-ER(精密誘導能力を追加した滑空爆弾)もGMLRS弾(HIMARSで使用するGPS誘導のロケット弾)も目標を外し始めた。一部の地域ではGMLRSの大半が間違った方向に飛んでいく」

「さらに問題なのはウクライナ軍が戦場の偵察、戦術通信の中継、目標への攻撃など様々な用途に使用しているドローン(UAV)を制圧するロシア軍の能力が高まっている」(UAV:unmanned aerial vehicle)

「誘導システムや制御リンクへの妨害でドローンの損耗率は非常に高い。多いときにはドローンを2,000機も失う週がある」

誘導弾がGPSのかく乱によって狙いを外すというのは分かりやすい。

要するに、狙ったところと違う方へ逸れていくわけだ。

やれやれ・・・。

戦場認識力を飛躍的に高めている戦術ドローン(戦域内で運用される小型のドローン)は、現代の戦場には不可欠な仕掛けで、その運用が阻害されているというのは現場における攻撃や防御にとっては、ゆゆしき事態だ。

記事でも指摘されているが、ヘルソン州のドニエプル川渡河作戦では、ウクライナ側のドローンが大活躍している。

そっか、電子戦つーのは、戦場での「目」を確保したり、奪ったりする戦いなわけだ。

「電子戦とは、敵による電磁周波数帯域の利用状況を検知、分析した上で妨害や逆用する活動と自軍の電磁波の円滑な利用を確保するための活動を総称」(ウィキ再掲)

なんとなく、具体なイメージが湧いてきたな。

具体的にはどうやってるんだろう?。

「ロシア軍は前線に沿って10km毎にEW装置を配備している。特にトラックに搭載されたShipovnic-Aero(MKTK-1A Judoist)はウクライナ軍のドローンにとって致命的だ」(英国王立防衛安全保障研究所)

「システムの作動範囲は約10kmで「ドローンとオペレーターの通信遮断」と「オペレーターの座標取得(座標精度は約1m)」と同時に実行することができ、このデータを砲兵部隊とシームレスに共有することができる」

ウクライナは、1万人のドローン部隊を養成したというけど、オペレーターも狙われちゃうわけだ。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

「NATOのEW技術はロシアに及ばない可能性」

「最新のシステムをもつ米国はロシアに手の内を見せることに消極的」

ロシアが、無謀な肉弾戦だけだと思ってると、現状認識を誤ることになるかもな。

「EW分野に関するウクライナの技術面や作戦面はロシアよりも遥かに低レベル」

「商用グレードのGPSを採用するShahed-136やGLONASS誘導に変更したGeran-2(Shahed-136のカスタムバージョン)に効果的だと思われるが、 地形照合システムを搭載する巡航ミサイルには効果がない」

「ウクライナは自力でEWギャップの問題に対処しなければならない」

西側のこの分野における支援には、軍事機密上の障害が横たわっている。

「ロシアのEW能力は米国を完全に上回っている」(再掲)

仮に、十分な支援を受けられたとしても、ウクライナが「対等な能力」を手にすることができないという認識に立つべきだ。

「今のところは量で質を補うことが出来るかもしれないが、この点においてもロシアはアドバンテージを持っているかもしれない。戦場に投入されるドローンの量でロシア軍はウクライナ軍を圧倒しつつあり、ウクライナ軍兵士達はバフムート周辺に投入されているロシア軍の攻撃型ドローン(恐らくFPVドローンのこと)の数を「自分達の2倍」と見積もっている」(小型ドローンについて)

質でも量でも、総体的には対抗できそうもない。

後は、スポット的に、動的な「穴」を開け、局所的優位の状況を作り出して、戦術的優位を取っていくだけだ。

渡河作戦では、それが奏功し、対岸への拠点確保につながっている。

しかし、ロシア側が火力と肉弾戦で戦線を膠着化させ、局所的に開いた「穴」をふさぐことに成功すれば、状況は悪化するだろう。

「膠着した戦場」の問題は、ロシア側にリソースの蓄積を許すことになると同時に、戦術的にも優位を与えていることになる。

「この戦争は旧世代の武器システムで勝利できないと理解することが重要」(ザルジニー)

ブログ管理人は、このことを分かりやすく解説している。

「ロシア軍にEW能力で劣ると「ドローンによる戦場認識力」で差がつき、戦場認識力が劣ると「火力支援」で差がつき、火力支援が劣ると「占領地の解放」や「ロシア軍の攻勢阻止」も困難になる」

風が吹けばロシアが儲かるというわけだな(そんなあ!)。

「ウクライナ軍のドローンはドニエプル川上空を自由に飛行し、時にはロシア軍の防衛ラインの奥深くまで侵入してくることがある」

「ドニエプル川に設置された電子妨害装置の影響でロシア軍のドローン運用は著しく制限されている」

「どこかで間違いなく我々の電子戦装置が作動しているにも関わらず、ウクライナ軍は何の制限も受けずドローンを飛ばしている。」

「しかもFPVは問題の半分に過ぎず、クリンキーやその周辺の森林地帯では大量の‎Mavicが存在し、オペレーターは砲兵部隊と統合されているため砲撃の効果が増大している。このような状況歩兵にとって擬似的な地雷原となっている」

以上は、渡河作戦の状況だったが、今でもそれが持続しているのかどうかは分からない。

「EW対策はイタチごっこなので「EW能力でウクライナ軍がロシア軍を圧倒する状況が今後続く」という訳では無いが、一時的にでも「ロシア軍の戦場認識力を阻害できる」と証明されたことはウクライナ軍にとって重要だろう。」

一時的であれ、それで戦場に有利な状況を作り出せたとすれば、それは大きな成果だ。

ロシアは、逆に、そのことを教訓として、南部戦線における電子戦能力を強化してくるに違いない(それとも、やっぱ、肉弾戦かあ?)。

専門的なことは分からないが、ミリタリーモードのGPSが阻害されたという話は初めて聞いた。

「因みにPole-21によってエクスカリバー砲弾、JDAM-ER、GMLRS弾の誘導が影響を受けているなら、まもなくウクライナに到着するGLSDB(地上発射型小口径爆弾)の誘導も影響を受けるはずで、この問題の解決策はスプーフィングや妨害耐性が強化されたミリタリーグレードのMコード」

おおっ、次世代GPS衛星に搭載されている奴だな。

「Mコード対応のGPS受信機は2021年に出荷が始まったばかり」

それを搭載したミサイルがウクライナに届くのは、当分先になるだろうな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナで冬の嵐、南部とモルドバで死者 停電も)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/5KIYPFJEVFLPLJJYORAQTAB234-2023-11-28/

「ウクライナ中部から南部にかけて冬の嵐が襲来」

「暴風雪により数百の都市や村で停電が発生し、ハイウエーが不通」

記事にはオデッサの写真が添付されているが、ハッキリ言って「大雪」だ。

動画を見ると、こりゃあ「吹雪」だな。

自然の猛威はロシア支配地域にも及んでいる。

「ロシアが市はするクリミアでは、約50万人の世帯で停電しているという」(吹き替え字幕より)

「ロシアが設置した当局は27日に非常事態を宣言した」(同上)

「異常気象の影響で1人が死亡、10人が負傷、数百人が避難したという」(同上)

マークミリーが期限を切った反転攻勢の季節は、完全に終わった。

彼が想定していた反撃の中身は、結局、ヘルソン州におけるドニエプル川の渡河作戦だったわけだ(浮沈子が妄想したような、クリミアへの核弾頭投下ではない!)。

ショボ・・・。

冬将軍は、両軍に襲い掛かり、双方の戦力を規制する。

占領地の大部分を奪還し、ロシアを交渉の場に引きずり出して有利な条件で停戦交渉を進めるという目論見は潰えた。

良くて現状、下手をすればさらに領土を奪われた形での停戦ということになりかねない。

戦闘の継続が可能かどうかも分からない。

アウディーイウカでは、コークス工場北側からロシア軍が撤退したという情報が出ている。

(アウディーイウカの戦い、ロシア軍がステポヴェ周辺から線路沿いに撤退)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-avdiivka-russian-troops-retreat-along-the-railroad-tracks-from-around-stepove/

「ウクライナ軍はステポヴェ方向からのロシア軍突破をひとまず退けた」

「ステポヴェ郊外からのロシア軍撤退は事実だ。集落に対する敵の砲撃が激しくなり、無用な損失を避けるためロシア軍は砲撃地域を離れて安全な位置まで後退した」

「破壊された集落への駐留は人員と装備への大きな損失に繋がるため、ロシア軍はステポヴェ方面の部隊を線路沿いまで後退させた」

しかし、町の南部にある工場地帯への攻撃は続いている。

「工場地区の南に広がるダーチャを完全に占領した」

「工場地区の北東に位置する浄水施設を占領した」

ダーチャや浄水場の占領については、情報が錯綜している。

「性急過ぎる」(ダーチャについて)

足場を築いただけで施設を巡る戦闘については情報を持っていない」(浄水場について)

「ステポヴェ付近、浄水施設付近、ヴォーダインとオプトネ付近でロシア軍が積極的に攻撃している」

「ヴォーダインとオプトネ」はアウディーイウカ南西部の地域で、ロシアが攻勢をかけている。

アウディーイウカ市街地を包囲し、補給線を断つための進撃だな。

市街地は、東側はロシアに阻まれ、現在は西側と北西が開けている。

ステポヴェは、北西側への支配地域を拡張しようとする進撃の一部だ。

冬の間、この守りを続けることが可能かどうかは分からない。

静的接触(「膠着状態」:禁句の言い換え?)の状況では、GPSのデータを差し替えられたり、通信そのものを妨害する電子戦が展開されやすくなる(妨害装置を配置しやすい)。

ロシアは、実際の運用についてはともかく、ノウハウは持っているようだからな。

「この周辺で何かが起きる予兆」

アウディーイウカ南部では、まだ動きがありそうだ・・・。

<もっと追加>ーーーーーーーーーー

(なぜアメリカは今、ウクライナのために「敗戦」を望むか)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/11/post-103128.php

「迫り来る冬と過ぎ去った夏の反攻に対する失望感が、「ウクライナと同盟諸国が推し進めている現在の戦略を全面的に見直す必要性」を後押ししている」

ゼレンスキー政権以外の全世界が認めているこの「空気」。

その見直しの一つが提示された。

「敗戦」という「勝利」だ。

この記事を一読して感じたのは、西洋にも「禅問答」があるということだな(そうなのかあ?)。

「領土の完全解放を断念するのではなく一時中断するように「成功を暫定的に再定義『再」補足する」ことを提案」(米シンクタンク「外交問題評議会」のリチャード・ハース会長)

「より幅広い定義の成功を達成するまでに、ウクライナは何年も、あるいは何十年も待たなければならないかもしれない」(同上)

「もしかしたらロシアでプーチンの次、あるいはさらにその次の体制が誕生するまで待たなければならないかもしれない」(同上)

プーチンが個人的にこの戦争を始めたとか、プーチン政権が崩壊すれば、ロシアは大人しく西側の言いなりになって、米国の友好国に変貌した中国の属国になるという「妄想」に捉われていない限り、それが単なる希望的観測に過ぎないことは誰もが知っている(そういうことかあ?)。

「ウクライナが生き残るためには、ロシアが挫折や困難に直面することが重要な要素になる。現在の状況は、ウクライナと西側諸国にとって戦略的な勝利だと言えるだろう。これは完全な勝利ではないが大きな成果であり、今後のさらなる勝利の可能性を残している」(同上)

どこが戦略的勝利なのかがよく分からないんだがな。

「プーチンはウクライナで負けた。私たちはそれを知っている。彼はよくても、ウクライナの領土の一部とという『残念賞』を手にするだけだ」(米シンクタンク「外交問題評議会」のチャールズ・カプチャン上級研究員)

ロシアが手にするのは、チンケな領土ではない。

西側の敗北、冷戦後、世界を牛耳ってきた米国の敗北を手に入れることになる。

それだけじゃない。

ロシアと中国(イランと北朝鮮もありますが)という危険な枢軸を、世界の真ん中に据えることにつながる。

ウクライナの領土問題に矮小化することは危険だ。

米国は、事ある毎に、ウクライナの未来を決めるのはウクライナだと言い続けているが、腹の底からそう思っているわけじゃない。

そういう欺瞞的態度を示せば、ロシアの思うつぼに嵌るだけだ。

そもそも、中国の仲介で停戦交渉に臨もうとしたゼレンスキー政権を説得するために、バイデン自身がウクライナに乗り込んだくらいだからな。

まあいい。

「戦争を終わらせ、ウクライナを再び繁栄への軌道に乗せ、プーチンが退陣するのを待って、ロシアが和平交渉でウクライナに領土を返還する日が訪れることを期待する」(同上)

この選択は危険だ。

カプチャン自身も、そのことは分かっている。

「その結末が現実的かといえば、今はそうではない。だがジュネーブで米ソ首脳会談が行われた1985年当時、エストニア、リトアニア、ラトビアが独立した民主主義国家となりNATOに加盟することを、誰が信じただろうか」

そりゃあ、未来のことは断言できない。

しかし、たった2年間で瓦解するようなウクライナ支援の姿を見て、その西側の対応にウクライナの未来を委ねろというのかあ?。

ありえねー・・・。

そもそも、バルト3国をNATO入りさせたこと自体が、ウクライナ問題の背景を成している。

ロシアを追い詰めたツケを、西側は払わされているのだ。

「あからさまな侵略行為や領土占領を行ったロシアが何の罰も受けずに逃げおおせることになれば、「世界に向けて、法の秩序や国家主権を否定するメッセージを発信することにもなる」。」(ウクライナ保安庁の元幹部で現在はウクライナ議会の顧問(国家安全保障・防衛・諜報担当)を務めるイワン・スチューパク)

そういうリスクを負わずに、戦場で勝てないウクライナがこの問題を解決するには、侵略を受けたウクライナ自身が「降伏」という選択をするしかない(そんなあ!)。

西側は、「正義」の名のもとにロシアとその協力者を非難し続けることが出来るし、政治的なリスクを負わずに問題を収束させることが出来る。

負けちまったことは仕方ない。

勝負は時の運だからな。

侵略は褒められたことではないけど、戦争が終わることは悪いことじゃない。

戦争犯罪やらなにやらは、引き続き継続して捜査なり告訴なりが行われるだろうが、ロシアにとっては痛くもかゆくもないだろう。

浮沈子は、西側(特に米国)が、支援のバルブを閉めることで、意図的にその状況を作り出すと睨んでいる。

演出としては、西側自身の防衛力強化が必要だとか何とか言ってな。

既に、欧州ではそういう「言い訳」で、支援から離脱する動きも出始めている。

ロシアが、その動きを加速する可能性もある。

飛び地であるカリーニングラードを守るとかなんとか言って、スバルキギャップに侵攻するとかな(テキトーです)。

NATO本体に手を付けるリスクはあるが、理由はいくらでもつけられるだろうし、何より、NATO自身にウクライナより大切なものがあるじゃん!?、と促すことにつながるからな。

別に、本気で侵攻しなくても構わない。

さっさと撤退して、手打ちにしても差し支えない。

NATOも、それを望むだろうしな。

で、ウクライナ支援はチョンだ(そうなのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

ウクライナ問題にケリがつけば、経済制裁も名目だけになる(一応、西側としては制裁し続けないとカッコが付かないからな)。

政治的な非難や、国際的な地位は制約を受けるだろうが、んなことはロシアは百も承知の上で始めている。

西側は、敗北するわけではなく、形の上では支援も継続する(軍事的支援は打ち切りか、最小限度)。

敗北したのは、あくまでもウクライナだけだ。

敗戦国として、政治的にはロシアに取り込まれていくウクライナに、経済支援をどれだけ行うかはこれからの課題だろう。

まあいい。

中途半端な妥協で戦争を終結させ、将来の和平交渉で領土を取り戻そうなどというのは、余りにリスクが高い。

もちろん、浮沈子は何であれ、一刻も早くドンパチが終わるのが正解だと思っているから、西側のメンツや将来の領土奪還がパーになったとしても一向に構わない。

この記事を読み返して感じるのは、米国は、支援を続けながら、停戦や休戦ではなく、ウクライナに降伏を求めるのではないかということだ。

それは、表向きはとてもとても言い出せない話だし、あまりにドラスティックで、リアリティもないけど、米国にとってはそれが一番リスクが少ない選択である気もする。

ちょっと、今日は言いづらいけど、一応・・・。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

戦場でケリを付けようと、お互いにドンパチ始めたわけだからな。

放っておけば、どちらかが降参するまで延々と戦い続けることになる。

「これは危険な状況だ」(カプチャン)

「戦争が際限なく続く場合のパターンだ。」(同上)

西側の援助が続き、ロシアが併合した「領土」に留まれば、そういう可能性もある。

「領土の完全解放は「軍事バランスを考えると達成できない可能性が高い」」(ハース)

「これで2回の戦闘シーズンが終わった。これが3回目、4回目、5回目になればその目標が達成できると考える根拠が見当たらない」(同上)

ゼレンスキー政権は同意しないだろうが、それ以外の全ての見方は同じだろう。

もちろん、大どんでん返しの話はいくらもある。

ウクライナの核再武装とか、電撃NATO加盟とか、米国が派兵するとか、欧州大戦争をおっぱじめるとか、いっそ、第三次世界大戦するとか・・・。

それらは、いつ起こってもおかしくないし、ぶっちゃけ米国の政策選択だけの話だ。

米国の未来は、間違いなく米国人が決めるからな・・・。

「ロシアはアメリカの世論調査を見て、ポピュリズムが高まりつつあることを知っている。プーチンの戦略は詰まるところ、一年後の米大統領戦でドナルド・トランプが勝利するかどうかを見届けることなのだろう」(同上)

トランプさんの再選は、浮沈子はないと思っているけど、一寸先は闇だ。

まあ、万が一トランプ政権になれば、お得意のディールとやらで、24時間で解決するかもしれないけどな・・・。

<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー

(西側がウクライナへ核兵器供与なら核の先制攻撃、ロシア前大統領)
https://www.cnn.co.jp/world/35204403.html

「多分、彼らは核兵器も与えるだろう」(ロシア国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領)

「西側がウクライナへ核兵器を引き渡した場合、ロシアは先制の核攻撃に踏み切るざるを得ない」

メドベージェフは、プーチンの次の政権の座に座るかもしれないからな。

長期的視野で、問題が解決するとは限らないわけだ(むしろ、悪化するう?)。

先制攻撃という点に要注意だ。

これは、ウクライナがNATO入りした場合には、現実の話になる。

「アングロサクソン人はこのことに十分に気がつかず、そういうことはないと信じている」(ベトナム訪問時の途中での発言と報じられている)

いやいや、誰だって、リアルな核戦争が起こるなんて信じてはいないだろう。

「NATOは核兵器が使われた場合、「ロシアは深刻な結果に直面することになる」と警告している。」

浮沈子は、ロシアの核使用は想定の範囲内と思ってるからな。

戦争が長期化し、双方の犠牲者が増え続ける事態は、そのリスクを高める。

米国が我が国に核兵器を使用した際には、犠牲者の数を減らすことができ、戦争を早期に終結に導いたと正当化したわけだからな。

それは、現在も変わっていない。

同じ理由でロシアが、核兵器を使用することを非難できるわけはないだろう!?。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

100年続くウクライナ紛争というのは、西側が抱く幻想に過ぎない。

米国は、核兵器の開発などしていなかったわが国に対して原爆を躊躇なく投下した。

ロシアが同じことをしないと、なぜ断言できるのか。

この戦争の最悪の結末の一つだが、決してリアリティのない話じゃない。

「一つ」って、他にもあるのかあ?。

「ロシアは深刻な結果に直面することになる」(再掲)

西側が、核使用に対して報復措置を講じた場合、ロシアは国家の存立を脅かされたと判断して、戦略核をぶっ放す可能性がある。

それは、プーチンも明言しているからな。

確認しておこう。

ウクライナの核武装とは関係なく、戦闘の長期化それ自体が、核戦争への道へ続いている可能性を我々は認識すべきだろう。

アングロサクソンには理解できなくても、日本人には十分理解できる話だ・・・。

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