🐱ウクライナ降伏不可避:責任 ― 2024年02月02日 05:49
ウクライナ降伏不可避:責任
(EU 臨時首脳会議 ウクライナへの巨額資金支援 全加盟国が合意)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240201/k10014343971000.html
「ウクライナへの日本円で8兆円規模の巨額の資金支援をめぐって協議し、これまで支援に反対してきたハンガリーも含め、すべての加盟国が合意」
「この合意はウクライナへの長期にわたり揺るがない計画にそった資金支援を確実なものにする。EUはウクライナへの支援において、リーダーシップをとり、責任を果たしていく」(EUのミシェル大統領)
浮沈子の予想に反して、ハンガリーはあっさりと(?)合意したようだ。
が、ウクライナはほっとしているだろう。
「この決定が27か国すべての首脳によって行われたことは非常に重要で、EUの結束の強さを改めて証明するものだ」(ゼレンスキー大統領)
「会議に先立ってミシェル大統領はフランスやドイツの首脳も交えてハンガリーのオルバン首相と協議したことを明らかにしていて、この場で説得」
結構、ヤバかった感じだったのかもな。
まあいい。
だが、この支援は軍事支援じゃないし、8兆円規模といっても4年間での話だ。
欧州は、これで責任を果たしたつもりなんだろうか?。
「ウクライナに対するEUの財政支援の継続は長期にわたって経済と財政の安定を強化するもので、軍事支援や、ロシアに対する制裁と同様に重要だ」(ゼレンスキー大統領)
税収の全てを戦費につぎ込み、通常予算は全て海外からの支援に依存しているウクライナ。
それを、「長期に渡って」続けようというのだろうか?。
浮沈子はムリポと見ている。
そもそも、戦闘の継続が怪しい。
政権の基盤も揺らいできている。
加えて、欧州自身が支援に対して疲れてきているからな。
んな、首脳会議直前の説得に頼らざるを得ない体たらくで、「EUの結束の強さ」なんて自慢していられるのかどうか・・・。
まあ、どうでもいんですが。
が、しかし、欧州の支援が破綻することは回避された。
短期的には、その意義は大きい。
米国は、プレッシャーを受けるだろう。
いや、逆かな?。
(EU、540億ドルのウクライナ支援合意 米の決定に期待)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/F3PK5VZL5ZP6DI7W7R3UOENLMQ-2024-02-01/
「ウクライナ追加支援を巡る議会協議が難航している米国への「励まし」になるだろう」(EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長)
「米納税者へのシグナルになる決定と確信している」(首脳会議の議長を務めたEUのミシェル大統領)
米国の600億ドル規模の支援は、軍事支援を含んでいる。
これは、ウクライナにとって死活的に重要だ。
しかし、真の問題は武器弾薬の支援だろう。
(ウクライナ軍の砲弾発射量は1日2,000発未満、ロシア軍と比較して1/3以下)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-ukrainian-military-fires-less-than-2000-shells-per-day-less-than-1-3-of-the-russian-military/
「米国の生産能力は2024年春までに月5.7万発=年68.4万発、2025会計年度までに月10万発=年120万発、EUの生産能力2024年末までに年130万発~140万発、2025年には200万発に到達する見込みだが、エストニアの試算が正しいなら「ロシアの生産能力は年350万発」ということになり、2025年に生産される砲弾を全てウクライナに引き渡しも「ロシアを上回るのは難しい」という意味だ。」
ちょっと整理しておく。
年:米国(万発):欧州(万発):合計(万発)
・2024:68.4:140:208.4
・2025:120:200:320
「ロシアの砲弾生産量も2025年までに増加する可能性が高いため、ロシアを確実に上回るには「世界中で生産される155mm砲弾」をウクライナに供給するしかない」(我が国も供給することを検討しているようです。)
エストニアは、ロシアが450万発の砲弾を用意していると見ている。
「ロシアは自国生産分と北朝鮮分(約100万発)を合わせて152mm砲弾を450万発を確保する見込みだ」
「ロシアが450万発を何時までに入手するのかは明かしていない。」
ロシアの生産量が、年間350万発というのは少し多過ぎる気もするがな。
別記事では、200万発と言われている(当初の西側の推定では、年間100万発とされていた)。
もちろん、北朝鮮も大増産に励んでいることだろうし、戦時経済に全面的に移行したロシアは、さらに増産するに違いない。
つまりだな、いくら予算を承認したとしても、現物が届かなければ話は始まらない。
西側は、責任を果たしたことには成らないのだ。
が、そもそも、西側の責任とは何なのか。
ウクライナを使って、ロシアの戦力を削ぐことなのか。
ウクライナを西側の一員として迎え入れることなのか(EUやNATOへの加盟)。
いずれも明確ではない。
米国は、既に責任を放棄している。
いや、明言こそしていないものの、事実上不可能に陥っている。
欧州がいくら秋波を送ったところで、元の鞘に収まることはないだろう。
米国に見放された欧州が、ウクライナと心中するのか、それとも損切りするのかは知らない。
年間2兆円の支援で責任を果たしたとする勘定なわけだから、いささかビミョーな気もする。
ちなみに、航空万能論のブログ管理者は、重要な指摘をしている。
「追記:この話は工業生産力でロシアが欧米を上回っているのではなく、資金、資源、労働力、労働条件といった要素を軍需生産に集中させてきたロシアを「民需を犠牲しない平時の枠組みで超えるのは難しい」という意味」
「もし同様の戦時体制に移行すれば軍需生産でロシアを上回るのは確実だが、これが出来ないのは「やる気」の問題ではなく「経済を犠牲にするところまで踏み込めば政権が持たない」ためだ。」
単純に、経済規模、ストックの軍事力、工業生産力だけを比較することはナンセンスだ。
自由で民主的な政治体制の下では、専制主義国家のような機動的な運用はできない。
米国がスタックしていたり、欧州が製造した砲弾を全てウクライナにつぎ込むことができないでいるのもそのためだ。
浮沈子は、専制主義がいいと言っているわけではない。
善し悪しの問題ではなく、態勢の切り替えが素早く出来るかどうかの問題だ。
逆に言えば、政治的合意を取り付けられれば、西側は最大の効果を発揮できる可能性がある。
欧州が数年以内にロシア並みの戦時経済に移行することが出来れば、或いはロシアの進出を思い止まらせることが可能かもしれないが、おそらくそれは無理な話だ。
軍人さんは、「平和の配当の時代は終わった」というけど、それを政治的に認めるのは、ロシアが欧州に侵攻した後だろう。
そして、侵攻後の展開の中でも、全面的に移行するのではなく、部分的な増産体制を敷くのがせいぜいだ。
ぶっちゃけ、勝ち目はないだろう。
敵は、ロシアだけじゃないからな。
中国は、今のところ表立った軍事支援は控えているようだが、台湾問題を絡めて、いつ、本格的な軍事支援や参戦(!?)に踏み切るかも知れない。
米国とイランは、中東でにらみ合っているし、一触即発の朝鮮半島問題も絡む。
インドだって、どさくさに紛れて軍事的行動に踏み切るかも知れない・・・。
欧州の責任は重大だ。
ウクライナに戦域を止めておくことは、ゼレンスキーが言う通り、世界大戦(同時多発の地域紛争でもいいですが)を抑止することにつながる。
しかし、長期化することによって、逆にロシアの戦時体制を温存したり、軍需産業を肥大化させて、将来的な脅威を増大させる懸念もある。
針の穴を通す、絶妙の選択が重要だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(戦争の設計が変わった、ウクライナ軍総司令官が寄稿)
https://www.cnn.co.jp/world/35214773.html
「この記事は予想される同氏解任の発表前に書かれた。」
ドローンが戦場で果たしている役割は大きい。
偵察任務だけではなく、爆弾の投下や自爆システムとしても機能している。
「極めて重要なのは、こうした無人システム――ドローンを含む――や他のタイプの先進兵器が、ウクライナが陣地戦に引きずり込まれるのを回避するために最良の方法を提供しているという点だ。」
「陣地戦で我々に優位性はない。」
「この戦争の中心的な推進力となってきたのは、無人兵器システムの発展であることは周知のとおりだ。」
「我々のパートナー国のミサイルや防空迎撃兵器、大砲の弾薬の備蓄は尽きつつある。ウクライナでの激しい戦闘行為が原因だが、世界的な推進装薬の不足も要因となっている。」
「国際社会が科した制裁の枠組みが弱いため、ロシアは一定の国との協力関係を維持しながら、我々に消耗戦を仕掛けるための軍産複合体を展開することが依然可能な状態にある。」
「我々は、敵が人的資源の動員で極めて有利なことを認識しなければならない。ウクライナの国家機構が不人気な手段を使わずに、軍の人員レベルを引き上げることができない状況とは対照的であり、我々はこの点も認識する必要がある。」
ザルジニーは何をすればいいかが分かっている。
もし、彼が指摘する問題を解決できれば、そして望まれる能力を獲得できれば、勝利は可能かもしれない。
「現時点でのあらゆる事項を考慮すると、そうしたシステムの構築は5カ月でできると我々は考えている。」
冗談はよしてくれ!。
「我々のパートナーも同意見だ。」
なんか、洗脳されちまったんじゃないのかあ?。
「我々は自国の規制枠組みの欠陥と、防衛産業の部分的な独占状態で、身動きがとれなくなっている。こうした状況が弾薬などの生産のボトルネックを生み、供給面でパートナー国への依存度をさらに高める要因となっている。」
構造的な問題を抱えている国家が、5か月で変わることが出来るのなら苦労はない。
もしかすると、5か月で変わるのはロシアの方かもしれない。
「当然ながら敵もそうした作戦から身を守り、主導権を回復する方法を常に模索している。」
タラレバの話ばかりが綴られいてる。
もちろん、その指摘は重要だし、解決すべき問題だ。
今年注力する部分についての言及も、話の上ではもっともだ。
「結論として、2024年、我々は三つの分野に注力する。」
・我々の軍にハイテク資産を供給するシステムを作ること。
・資産の制約やその展開方法を念頭に入れた、訓練や戦争行為に対する新しい考え方の導入。
・新しい戦闘能力の可能な限り早い習熟。
「我々の目標はチャンスをつかむことに置く必要がある。最新の戦闘能力を最大限に積み上げ、より少ない資源で敵に最大の被害を与えることだ。それが侵略を止め、ウクライナを将来も侵略から守ることにつながる。」
これでは、昨年と同じことの繰り返しになる。
ロシアがその「最大の被害」(人的損耗含む)を受け入れ可能だったからこそ、そして、新たな戦力を前線に送り込むことが出来るからこそ、ウクライナの反転攻勢は失敗に終わり、膠着状態に持ち込まれ、逆反転攻勢を食らっているのではないのか。
人的損耗を受け入れることができない西側の社会が、野蛮なロシア(そうなのかあ?)に敗れつつある。
最新の戦闘能力ではなく、レトロな陣地戦を人海戦術で押し切ることで、戦況は転換している。
これは、事実だ。
ザルジニーは、西側の話に完全に洗脳されちまっている。
「最新の戦闘能力を最大限に積み上げ、より少ない資源で敵に最大の被害を与える」(再掲)
それは、少ない資源しか調達できないために、それが可能なロシアの優位性を、最新の戦闘能力を積み上げて乗り切ろうとしているだけの話だ。
勝利の方程式ではない。
量を質でカバーしようとすることしかできないわけだ。
しかも、それは昨年の段階で既に大失敗している。
いや、今年はもっとうまくできるはずだ・・・。
たぶん、来年の今頃も、同じことを言っているに違いない。
ああ、まあ、ザルジニーの後任だろうけど。
量の不足を質でカバーすることはできない。
そりゃあ、2倍くらいなら何とかするかもしれないが、3倍、4倍、10倍になれば話は別だ。
戦争の勝敗は、戦場以外のところで決まる。
勇気、創意工夫、指揮官の能力はもちろん必要だろうが、十分な兵器、大砲の砲身が焼けるまで撃てる量の弾薬、訓練された兵員の補充がなければ前線は回らない。
(ウクライナは西側の支援縮小に適応を 軍総司令官が提言 CNN EXCLUSIVE)
https://www.cnn.co.jp/world/35214734.html
「ザルジニー氏による戦況の見立てに変化がない」
「国の対ロシア制裁が戦争継続の抑止に十分な効力を発揮していない」
「ウクライナ政府は同氏が求めた最大50万人の徴兵に対する全面的な支持を表明しなかった。これはロシアが兵力で圧倒的優位に立っているのを認めることに他ならない」
ザルジニーが言っていることは正しい。
正しいだけに、望みが叶わなかった時の結末も正しい。
10倍(?)の戦力を跳ね返すだけのアットー的な技術的優位を獲得できなければ、ウクライナは負ける。
ロシアが、アホで間抜けなクマであることを祈るしかないな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ザルジニー総司令官、テクノロジーが進歩しても戦争は武器の数に依存する)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/commander-in-chief-zarzhini-says-that-even-with-advances-in-technology-war-still-depends-on-the-number-of-weapons/#google_vignette
「低空の戦いでの優位性が伝統的な戦力の有効性と生存性を高めるため、基本的な兵器や装備の重要性は低下していない」
同じ記事を読んでも、航空万能論のブログ管理人は、異なるところに目を付けている。
「勝利戦略のコンセプトは依然として敵の破壊と領域支配に、これを達成する手段も使用する武器の数に依存している。」
浮沈子は、元のコラム(原文)を読んでいないんだが、量を質で補い敵を凌駕することの限界を認識していることは間違いないだろう。
ハイテク兵器だけで勝てるわけではない。
(「質より量だ」ウクライナ 大砲・砲弾の迅速供与を訴え)
https://times.abema.tv/articles/-/10112756?page=1
「砲弾についても「戦争で最も決定的な要因のひとつだ」「質より量だ」として、北朝鮮から供給を受けるロシアに比べ大幅に不足している現状を訴えました。」(国防省情報総局のブダノフ局長)
「敵の破壊と領域支配」か・・・。
先ごろのA50などの撃墜や、今般のクリミアでのミサイル艦の撃沈は、大々的に報じられているけど、それが領域支配につながるかどうかは別の話だ。
(ウクライナ人ジャーナリスト、ミサイル艇破壊は無人水上艇による集団攻撃)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-journalist-says-missile-boat-destroyed-by-mass-attack-by-unmanned-watercraft/
「イヴァノヴェツはドヌズラフ湖の入り口から約9km離れたオゼロフカ付近の海に沈んだ。入手した内部データによると無人水上艇による最初の攻撃は午前3時42分に、2回目の攻撃は3時44分に、3回目の攻撃は3時47分に発生、乗組員は午前4時頃にイヴァノヴェツを助けるための戦いを止めて避難を開始して午前4時46分頃に沈没した。32人の乗組員が避難(内1人が重傷で入院)したが同艦の通常定員は39人だ」(ロシア人のTelegramチャンネル(ВЧК-ОГПУ))
「世界初の衛星通信に制御された無人水上艇による集団攻撃が成功した」「ドヌズラフ湖の安全な基地近くでイヴァノヴェツを破壊した」「少なくとも5隻の無人水上艇が敵に気づかれることなくドヌズラフ湖に侵入してイヴァノヴェツを次々と攻撃した」「同艦の乗組員は目視で無人水上艇の接近に気づいたものの速度を上げて逃げ切る時間的猶予がなかった」(ウクライナ人ジャーナリストのユーリイ・ブトゥソフ氏)
「ウクライナが開発したMAGURA V5による攻撃だ」「MAGURA V5の航続距離は450海里、巡航速度は22ノット、ウォータージェット推進によって最大42ノットまで速度を上げることでき、中継器を搭載した航空機(無人機)やSATCOMとの通信に対応している」「海面から0.5mの高さしかないため非常に発見しずらい」(米ディフェンスメディアのThe War Zone)
運用条件は限られるだろうが、ピンポイントで使えば有効な兵器だ。
ロシアは対策を余儀なくされるだろうが、それで攻撃の手が緩むかどうかは分からない。
水上艇に対する「バルカンファランクス」みたいな対抗手段が登場するのかもな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ軍総司令官、ゼレンスキー大統領の戦争方針をCNN寄稿で暗に批判か…その後解任報道)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240202-OYT1T50128/
「ウクライナは無人兵器やサイバー攻撃などを組み合わせ、武器や装備を節約しながらロシアに損害を与える必要があると強調」
まあ、どうしても、そっちの方に目が行くよな。
が、読売は浮沈子と同じく、「動員」の問題に焦点を当てている。
「ウクライナ側は、国民に不人気な兵士の追加動員を実現させない限り「兵力を増強できない」とも述べた。」
エコノミスト誌に続く、CNNへの投稿で、ゼレンスキーの逆鱗に触れたというところか。
「膠着状態」と「動員問題」。
この2つは、密接に関連している。
西側から供与された武器で、兵士の損耗を顧みずに、一点突破を狙えば「膠着状態」にならずに済んだかもしれないが、追加の動員がかけられない状況ではその選択肢は取り得なかったわけだからな。
昨年秋からは、戦線はほぼ膠着し、動かなくなった。
ロシアが優勢と言われているが、それ程攻め込まれてどうしようもなくなっているわけではない。
一部で後退はしているけど、ウクライナ軍は良く守っている。
本当に、5か月で新たな戦闘態勢を組むことが出来るなら、そのくらいは持ち堪えられるかもしれないが、保証の限りではない。
ブダノフが言うように、砲弾は枯渇し、質で量をカバーできない状況なら、数か月どころか数週間で戦線は崩壊する。
既に見たように、砲弾は西側全体で不足していて融通が利かない。
西側の軍事部門は、ロシアのNATO侵攻リスクを訴えており、製造された砲弾全てをウクライナに回すことはできない。
そもそも、製造能力自体がロシアには敵わない。
つーことは、砲弾の不足は慢性化するということで、改善の見込みはないのだ。
また、ハイテク兵器を使いこなす体制を整備できるかどうかも怪しいし、ロシアも同じく戦術や兵站の改善を進めている。
彼我の戦力の差は明らかだ。
そして、NATOとの戦力差が、そろそろ問題になりつつある。
西側の武器弾薬の製造は、戦時体制に完全に移行したロシアを上回ることはできない。
ウクライナの敗北は、NATOの、西側の敗北と同義だ。
ウクライナは、口を開けば第3次世界大戦の懸念を表明しているが、少なくとも欧州については十分な懸念材料がある。
ロシアは自信を深め、東欧諸国に侵攻するだろう。
そのタイミングと規模はロシアが決める。
いや、ひょっとすると、米国民が決めるかも知れないな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ軍総司令官、ゼレンスキー氏との確執深まる-再び政府批判)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-02/S88497T1UM0X00
「事情に詳しい関係者によると、ウクライナの反攻が昨年秋に頓挫し軍の再活性化を目指すゼレンスキー氏は1月29日の会合でザルジニー氏に退任を求めたが、ザルジニー氏は拒否した。」
表現の問題かもしれないが、退任を拒否できる関係ではないような気がするんだがな。
「同時にザルジニー氏は、徴兵が遅く、不十分だとして政府をあらためて批判。ウクライナ支援国は原材料不足に直面しているとの見解」
ここはその通りだし、ブルームバーグも、動員問題を重視している。
「人的資源の動員という点で敵が大きな優位を得ており、不人気な措置の活用なしにはウクライナの国家機関が人員の水準を改善できないことと比較してどうかという問題を、われわれは認めなくてはならない」
記事としては、ここのところを強調することで、二人の確執を浮き彫りにしたいところなんだろう。
動員問題の責任はゼレンスキーにあるからな。
「ゼレンスキー氏はザルジニー氏について、沈黙を守っている。」
いい締めくくり方だな・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナの主権に関わる選択、ホワイトハウスはザルジニー解任に反対しない)
https://grandfleet.info/us-related/white-house-does-not-oppose-firing-zarzhny-a-choice-related-to-ukraines-sovereignty/
「軍やパートナーの圧力を受けてゼレンスキー大統領はザルジニー解任を覆さざるを得なかった」(The Times紙)
「ウクライナがザルジニー解任をホワイトハウスに通知した」「主権に関わる問題なので支持も反対もしなかった」(ワシントン・ポスト紙)
つまり、米国は「主権」を尊重して、表向きウクライナの決定を尊重する「振り」をすることにしたわけだ。
もちろん、タイムズが報じた通り、本音は反対だろう。
この時期、内紛している場合じゃないからな。
「ゼレンスキー大統領がザルジニー総司令官解任を決定したとホワイトハウスに通知した」「この重大な決定についてホワイトハウスの高官達は支持も反対もぜず、この件がゼレンスキー大統領の主権的な選択であることを認めた」「ゼレンスキーは解任発表を先送りすることも出来るがその可能性は非常に低い」(ワシントン・ポスト紙)
昨年の「反転攻勢」の作戦立案に対しても、米国はウクライナの決定(戦力の分散)を尊重した。
これは米国の戦争じゃない。
その一方で、ザルジニーを洗脳して戦い方の変更を示唆し、ハイテク兵器を投入して、西側の量の不足を糊塗しようとしている。
儲けの少ない地雷やりゅう弾砲の砲弾ではなく、米国兵器産業を潤すハイテク兵器の調達こそが、バイデン政権がウクライナ支援を続ける最大の理由だしな(そうなのかあ?)。
政治的リスクを恐れて追加の動員がかけられない現政権に見切りをつけて、そろそろ手じまいの準備に入ったのかもな。
既に見たように、2025年末になっても、西側全体で見ても砲弾の製造数はロシアに及ばない。
西側諸国自体への供給や第三国への輸出も含めれば、ウクライナに回せるのは半分もないだろうから、彼我の差は広がりこそすれ縮まることはないのだ。
それは、欧州にとっても同じで、このままウクライナへの支援を継続すれば、自国の備蓄が十分に積み増しできずに、ロシアとのドンパチを始めることになる。
どこかで、ウクライナが降参してくれないことには、支援を続けながらロシアとの直接対決の準備を進めなければならず、さりとて、ウクライナがさっさと負けてしまえば、ロシア軍の損耗がなくなり、事態はより悪化することになるかも知れない。
ウクライナ支援に回す生産力と、ロシアが停戦で得る余剰生産力が問題だ(浮沈子は、どう転んでも欧州に軍備の生産力における勝ち目はないと見ている:西側は、そこまでの戦時体制を政治的に組むことができないからな)。
いずれにしても、今のところはウクライナが「負けない戦い」を続けるために必要な支援は続けざるを得ず、「ローテク兵器」の不足を「ハイテク兵器」で補えるのか、兵士の損耗をカバーできるのかが最大の関心事だ。
浮沈子は、両者の物量の差は、んなもんでは埋めることができないと見ている。
ロシアだって馬鹿じゃないから(そうなのかあ?)、西側ほどではないかも知れないけど、最新の兵器を開発、製造、投入していくだろうし、その供給速度も速い。
ザルジニーは、塹壕戦でロシアに勝てないことを率直に認めている。
そのドツボに陥らないために、ハイテク兵器が必要だし、兵員の不足を解消し、在来兵器の不足を解消することの重要性も分かっている。
分かっちゃいるけど、辞めさせられる!。
やれやれ・・・。
現代戦において、NATO式の戦略が通用しないことを知り、独自の戦略を見出そうとしてきた指揮官は去る。
ゼレンスキーは、政治的リスクを排除しただろうが、ウクライナにとっていいことだったかは分からない。
ウクライナの未来は、ウクライナが決める。
他の誰も責任を取ることはできないし、そうしようとはしない。
ああ、ロシアは別かもな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(前線で生じる戦力差、予備戦力がウクライナ軍とロシア軍の明暗を分ける)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-difference-in-military-strength-and-reserve-strength-that-arises-on-the-front-lines-is-what-makes-the-difference-between-the-ukrainian-and-russian-armies/
「ウクライナ軍劣勢の原因について「武器・弾薬の不足」が挙げられるが、兵士不足やローテーション問題も前線に深刻な影響をもたらしており、この解決は政治的に追加動員の実行を容認するかどうかにかかっている。」
記事の末尾にあるブログ管理人のコメントが、全てを言い表していると感じる。
ウクライナ政府に選択の余地はない。
追加動員をかけるか、ロシアに屈服するか。
追加動員を掛ければ、政権が持たないと考えているんだろう。
さりとて、領土割譲を前提とした停戦交渉になれば、これもまた、政権を危うくする。
責任を軍に押し付け、ザルジニーを解任したのはいいが、問題は何も解決していない。
追加動員を掛けずに、ウクライナ軍が崩壊するのを待つしかないのだ。
積極守勢に戦略を変更して時間を稼ぎながらな。
大規模な動員を掛けなければ、ウクライナ軍はじり貧だ。
軍は36か月のローテーションに同意したとされるが、それは戦線が大きく動かないことが前提だ。
ロシア軍が、非対称戦で攻め込んできたら、到底防ぎきることはできない。
「敵の継続的な威力偵察が守りの脆弱な部分を露呈させる」「絶え間ない攻撃で我々の疲弊を狙っている」「増援を送り込む敵と我々の間には大きな戦力差が生じている」「ロシア軍機は1月から2月の間に600発以上の爆弾を投下してありとあらゆる建物を破壊した」「敵は常に人的損失を補充して定期的なローテーションも実施している」(危機的な状況を何度も警告してきたウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)
「一方のウクライナ軍は予備戦力が不足しているため兵士に休息を与えることが出来ない」(同上)
「これが事実ならアウディーイウカは長くは持たないだろう。」
ザルジニーは、昨年12月に「持って2~3か月」と言っていたが、そろそろだな。
(アウディーイウカの戦い、ロシア軍兵士が南郊外に続き北東郊外にも侵入)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiiuka-russian-soldiers-invade-the-northeastern-suburbs-following-the-southern-suburbs/
「ロシア軍がアウディーイウカ北東郊外の建物に取り付いたことをウクライナ軍側の映像で確認、さらにロシア軍がアウディーイウカ南西郊外の「旧防空基地」に迫っている様子も視覚的に確認され、ウクライナ軍はじわじわと後退を強いられているのだろう。」
ウクライナは、3月のロシア大統領選挙が終われば、敵の攻勢は弱まると見ているようだが、そんなことはない。
少なくとも東部戦線において、敵は勝ちに来ている。
それが、ドネツク州の州境で留まる保証はない。
ハルキウを経て、キエフや西方のリビウでさえ、攻略されかねない。
それも、年単位ではなく、月単位(週単位?)の話だ。
ザルジニーは、数字を挙げて要求したことはないと言っていたが、50万人の追加動員で防ぎきることが出来るかどうかも怪しい。
ロシアの攻勢に対して、西側の支援(武器弾薬)は明らかに不足している。
兵士については、追加の大規模動員は掛けられない。
いやな話もある。
(欧州議会に失望したポーランド農民、ウクライナ国境封鎖を9日から再開)https://grandfleet.info/european-region/polish-farmers-disappointed-with-european-parliament-reopen-border-closure-to-ukraine-from-9th/
「ポーランドの農民や運送業者によるウクライナ国境の封鎖は1月17日に解除されたものの、欧州議会がウクライナ産農産物や加工品に対する輸入関税の停止措置延長を支持、これに失望したポーランド農民は「9日から国境を封鎖する」と発表、これにハンガリー農民も合流する見込み」
やれやれ・・・。
ウクライナの明日は、隣国が決めるのかもな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(ゼレンスキー大統領、初めてザルニジー交代や戦争戦略の変更について言及)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/president-zelenskiy-speaks-for-the-first-time-about-replacing-zarnizy-and-changing-war-strategy/
「ゼレンスキー大統領が言及する「体制のリセット」とは「ウクライナ軍におけるザルジニー体制の総入れ替え=戦争戦略の変更」を意味する可能性が高い。」(ブログ管理人)
「体制のリセットが必要で交代(ザルニジーのこと)について考えている」(ゼレンスキー大統領)
イタリアのRai1によるインタビューについては、複数のメディアが報じている。
(ウクライナ大統領、軍司令官など複数高官の交代検討)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/URHGLAYCWFIWPAXDKEQAKCL4MY-2024-02-04/
「リセットが必要だ。軍部だけでなく、複数の国家指導者の交代について話している」(ゼレンスキー大統領)
「勝利したいのであれば、全員が同じ方向に進む必要がある。弱気にならず、正しいポジティブなエネルギーを持たなければならない」(同上)
うーん、ロイターの報道を見ると、「戦争戦略の変更」というよりは、従来からの方針(クリミアを含むロシア占領地の全面奪還)の徹底を図ろうとしているように思えるんだがな。
(ゼレンスキー氏、ザルジニー司令官の解任検討認める インタビューで)
https://www.asahi.com/articles/ASS252JTJS25UHBI006.html
「リセットが必要になる。軍だけではなく、リーダーシップの交代だ」(ゼレンスキー大統領)
「重要なことを考えている。それは単に1人の話ではなく、国のリーダーシップの方向性についての話だ」
「軍部だけではなく相当数の「国家のリーダーたち」について「交代を熟考している」とした。」
ウクライナ軍が弱気になって、ポジティブな作戦を遂行できずに膠着状態に陥っていると言いたいのかもしれないが、ウクライナの抱える様々な問題とロシアの攻勢の前では誰が指揮をとっても同じことだろう。
軍隊はマシンだ。
必要なリソースを与えなければ機能しない。
まあ、100歩譲って、これから防御戦に変更するとした時に、軍のモチベーションを保つための体制刷新ということになるのかもしれないが、国民や軍からの信頼が厚いザルジニーの解任は逆効果な気もする。
ゼレンスキー政権が何を考えているかは知らないが、人事権を振り回す前に、やるべきことがあるような気がしているんだがな。
浮沈子的には、追加動員の早期決定、政権内に蔓延る汚職の一掃、領土割譲を前提とした停戦案の検討、国内での武器弾薬の製造などなど。
西側からの支援に頼ることなく、自前で戦争を続けるしかない。
ロシアは、既に欧州を見ている。
バルト3国やフィンランド、ハンガリー、ルーマニアで仕込みが始まっている。
ウクライナで、どの程度西側の戦力を損耗させるかという観点から、戦闘継続の可否を判断するだろう。
支援が先細りになるのであれば、戦闘を継続するメリットはない。
血で贖った占領地を確定できるのであれば、欧州との直接対決に向けて自国の軍備増強を加速したいところだ。
ウクライナが自前で戦闘を継続する意義はそこにある。
西側の損耗を抑制し、ロシアの軍備拡張にブレーキをかけ続ける。
ウクライナは、領土奪還の見込みが立たないまま、人的物的損耗を拡大し続けることになる。
これまでのような強度で戦うことはできないし、ロシアの選択によっては大きく領土を失うことになりかねない。
取り得る選択には限りがある。
米国の大統領選挙を巡っては、様々な憶測が飛び交っているが、世界中で「もしトラ」がささやかれている中、最も影響を受けるのはウクライナだろう。
ぶっちゃけ、国家の存続が掛かっている。
ウクライナ軍の勇ましい攻撃などで話題豊富なフォーブスが、ちょっと弱気な記事を上げている。
(砲弾不足のウクライナ、ロシアの大砲集積許す 集中砲撃で東部の町壊滅)
https://forbesjapan.com/articles/detail/68945
「現在はロシア側が5倍の差で圧倒している。具体的に言えば、ロシア軍は砲弾を1日に約1万発発射しているのに対して、ウクライナ側は約2000発程度にとどまっている。」
「ウクライナ側から反撃される危険にわずらわされなくなったロシア軍の砲兵部隊は、前線の都市にあるウクライナ側の陣地に対して壊滅的な集中砲撃を加えるために、最大クラスの大砲や発射機を集積させるようになっている。」
「ウクライナ東部ルハンスク州の接触線から約8km離れたリシチャンスク郊外で、大砲や車両のための掩体(えんたい)が20カ所近くあると指摘」(ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイト)
「大砲やロケット砲の弾薬が減っているウクライナ軍は、防衛線の突破を図るロシア軍部隊やその車両を攻撃するという最も差し迫ったニーズのために、手持ちの砲弾やロケット弾を節約せざるを得なくなっている。」
「市街地を組織的に破壊し、防御不可能にする」
記事によれば、マリンカの占領は、そのようにして行われたそうだ。
街は瓦礫の山と化した・・・。
「街全体が組織的に破壊し尽くされ、構造物や住居の痕跡すらほとんど残らなかった」
「執拗な砲撃によってマリンカは完全に消滅し、侵略者はのちに『解放』を主張した」
「私たちの観察では、多くの大砲は前線から15〜24km離れた場所に配備されており、大半の小型FPVが実際の運用で到達できる範囲の外にある」
「重量1kg弱で500gほどの擲弾を投下する一般的な無線操縦FPVドローンは、航続距離がせいぜい3km強しかない。」
砲弾の不足は、自軍の戦術的な選択肢を狭め、逆に敵の選択肢を増やし続けている。
やれやれ・・・。
GLSDB(地上発射型小直径爆弾)に期待が寄せられているが、まあ、ふたを開けてみなければ分からない。
「ウクライナがどのくらいの数のGLSDBを取得できるのかや、それをどのように配備するのかは不明」(初期の引き渡しは24発とされる。)
「とくにこの兵器が大規模な通常戦で試されたことがない点を踏まえると、断定的な結論を導くのは時期尚早だ」
ウクライナ戦線は膠着している。
ロシアは相変わらず優勢だが、ウクライナ軍は良く凌いでいる。
それが、いつまで続くかは分からない。
1年後かも知れないし、明日にも崩壊する可能性だってある。
浮沈子は、ゼレンスキーが占領地の奪還という錦の御旗を降ろすことはないと確信している。
ありえない。
が、それは長期目標として据え置いたまま、戦略目標を防御戦に切り替える可能性は高い。
先細る支援を活用しながら、長く苦しい戦いへと国民を導いていく。
よせばいいのに・・・。
追加の動員も、いやいやながら行うだろうし、国内での武器弾薬の調達にも本格的に取り組むだろう。
それが成功したとしても、領土奪還の見通しは立たない。
領土割譲を認めて、停戦するのか。
もちろん、浮沈子的にはそれがお勧めだが、ロシアはウクライナを締め付けながら、欧州へ攻め込むことに専念するだろうな。
時間を掛ければかける程、ウクライナが失うものは増えていく。
領土も、兵士も、武器弾薬も。
そして、政権に対する国民の信頼も。
おっと、大統領選挙を先送りする決定を撤回するという大技もあるな。
このタイミングではギャンブルだが、全否定するわけにはいかない。
一寸先は闇のウクライナ情勢。
ザルジニーの解任は、一つの象徴に過ぎない。
反転攻勢は失敗に終わり、戦線は膠着し、支援は滞り始めている。
追加の大規模動員がかけられなければ、戦闘を維持し続けることも出来なくなる。
「もしトラ」を前提に考えれば、年内にもウクライナが降伏する可能性だってある。
米国はNATOから離脱し、欧州は自前でロシアと対峙する。
浮沈子的には、ある程度手合わせしたところで停戦し、東欧諸国を影響下に置いたロシアがそこで止まると見ている。
いきなり、大西洋を見下ろす丘にロシア国旗が翻ることはない。
が、やがてはそういう事態になる。
5年後か、10年後かは分からない。
プーチンはとっくにいなくなって、次の支配者が差配するだろうが、その流れは変わらない。
善し悪しの問題ではなく、それが、今回のウクライナ侵攻で西側がロシアを追い詰めた結果ということなわけだ。
戦争を継続することでしか生き残れない戦闘国家。
北朝鮮と仲良しになるのは当然だろう。
中国は、ロシアを使って、欧州の権益をまるっと手に入れることになる。
丘の上には、五星紅旗もはためいているかもな・・・。
(EU 臨時首脳会議 ウクライナへの巨額資金支援 全加盟国が合意)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240201/k10014343971000.html
「ウクライナへの日本円で8兆円規模の巨額の資金支援をめぐって協議し、これまで支援に反対してきたハンガリーも含め、すべての加盟国が合意」
「この合意はウクライナへの長期にわたり揺るがない計画にそった資金支援を確実なものにする。EUはウクライナへの支援において、リーダーシップをとり、責任を果たしていく」(EUのミシェル大統領)
浮沈子の予想に反して、ハンガリーはあっさりと(?)合意したようだ。
が、ウクライナはほっとしているだろう。
「この決定が27か国すべての首脳によって行われたことは非常に重要で、EUの結束の強さを改めて証明するものだ」(ゼレンスキー大統領)
「会議に先立ってミシェル大統領はフランスやドイツの首脳も交えてハンガリーのオルバン首相と協議したことを明らかにしていて、この場で説得」
結構、ヤバかった感じだったのかもな。
まあいい。
だが、この支援は軍事支援じゃないし、8兆円規模といっても4年間での話だ。
欧州は、これで責任を果たしたつもりなんだろうか?。
「ウクライナに対するEUの財政支援の継続は長期にわたって経済と財政の安定を強化するもので、軍事支援や、ロシアに対する制裁と同様に重要だ」(ゼレンスキー大統領)
税収の全てを戦費につぎ込み、通常予算は全て海外からの支援に依存しているウクライナ。
それを、「長期に渡って」続けようというのだろうか?。
浮沈子はムリポと見ている。
そもそも、戦闘の継続が怪しい。
政権の基盤も揺らいできている。
加えて、欧州自身が支援に対して疲れてきているからな。
んな、首脳会議直前の説得に頼らざるを得ない体たらくで、「EUの結束の強さ」なんて自慢していられるのかどうか・・・。
まあ、どうでもいんですが。
が、しかし、欧州の支援が破綻することは回避された。
短期的には、その意義は大きい。
米国は、プレッシャーを受けるだろう。
いや、逆かな?。
(EU、540億ドルのウクライナ支援合意 米の決定に期待)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/F3PK5VZL5ZP6DI7W7R3UOENLMQ-2024-02-01/
「ウクライナ追加支援を巡る議会協議が難航している米国への「励まし」になるだろう」(EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長)
「米納税者へのシグナルになる決定と確信している」(首脳会議の議長を務めたEUのミシェル大統領)
米国の600億ドル規模の支援は、軍事支援を含んでいる。
これは、ウクライナにとって死活的に重要だ。
しかし、真の問題は武器弾薬の支援だろう。
(ウクライナ軍の砲弾発射量は1日2,000発未満、ロシア軍と比較して1/3以下)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-ukrainian-military-fires-less-than-2000-shells-per-day-less-than-1-3-of-the-russian-military/
「米国の生産能力は2024年春までに月5.7万発=年68.4万発、2025会計年度までに月10万発=年120万発、EUの生産能力2024年末までに年130万発~140万発、2025年には200万発に到達する見込みだが、エストニアの試算が正しいなら「ロシアの生産能力は年350万発」ということになり、2025年に生産される砲弾を全てウクライナに引き渡しも「ロシアを上回るのは難しい」という意味だ。」
ちょっと整理しておく。
年:米国(万発):欧州(万発):合計(万発)
・2024:68.4:140:208.4
・2025:120:200:320
「ロシアの砲弾生産量も2025年までに増加する可能性が高いため、ロシアを確実に上回るには「世界中で生産される155mm砲弾」をウクライナに供給するしかない」(我が国も供給することを検討しているようです。)
エストニアは、ロシアが450万発の砲弾を用意していると見ている。
「ロシアは自国生産分と北朝鮮分(約100万発)を合わせて152mm砲弾を450万発を確保する見込みだ」
「ロシアが450万発を何時までに入手するのかは明かしていない。」
ロシアの生産量が、年間350万発というのは少し多過ぎる気もするがな。
別記事では、200万発と言われている(当初の西側の推定では、年間100万発とされていた)。
もちろん、北朝鮮も大増産に励んでいることだろうし、戦時経済に全面的に移行したロシアは、さらに増産するに違いない。
つまりだな、いくら予算を承認したとしても、現物が届かなければ話は始まらない。
西側は、責任を果たしたことには成らないのだ。
が、そもそも、西側の責任とは何なのか。
ウクライナを使って、ロシアの戦力を削ぐことなのか。
ウクライナを西側の一員として迎え入れることなのか(EUやNATOへの加盟)。
いずれも明確ではない。
米国は、既に責任を放棄している。
いや、明言こそしていないものの、事実上不可能に陥っている。
欧州がいくら秋波を送ったところで、元の鞘に収まることはないだろう。
米国に見放された欧州が、ウクライナと心中するのか、それとも損切りするのかは知らない。
年間2兆円の支援で責任を果たしたとする勘定なわけだから、いささかビミョーな気もする。
ちなみに、航空万能論のブログ管理者は、重要な指摘をしている。
「追記:この話は工業生産力でロシアが欧米を上回っているのではなく、資金、資源、労働力、労働条件といった要素を軍需生産に集中させてきたロシアを「民需を犠牲しない平時の枠組みで超えるのは難しい」という意味」
「もし同様の戦時体制に移行すれば軍需生産でロシアを上回るのは確実だが、これが出来ないのは「やる気」の問題ではなく「経済を犠牲にするところまで踏み込めば政権が持たない」ためだ。」
単純に、経済規模、ストックの軍事力、工業生産力だけを比較することはナンセンスだ。
自由で民主的な政治体制の下では、専制主義国家のような機動的な運用はできない。
米国がスタックしていたり、欧州が製造した砲弾を全てウクライナにつぎ込むことができないでいるのもそのためだ。
浮沈子は、専制主義がいいと言っているわけではない。
善し悪しの問題ではなく、態勢の切り替えが素早く出来るかどうかの問題だ。
逆に言えば、政治的合意を取り付けられれば、西側は最大の効果を発揮できる可能性がある。
欧州が数年以内にロシア並みの戦時経済に移行することが出来れば、或いはロシアの進出を思い止まらせることが可能かもしれないが、おそらくそれは無理な話だ。
軍人さんは、「平和の配当の時代は終わった」というけど、それを政治的に認めるのは、ロシアが欧州に侵攻した後だろう。
そして、侵攻後の展開の中でも、全面的に移行するのではなく、部分的な増産体制を敷くのがせいぜいだ。
ぶっちゃけ、勝ち目はないだろう。
敵は、ロシアだけじゃないからな。
中国は、今のところ表立った軍事支援は控えているようだが、台湾問題を絡めて、いつ、本格的な軍事支援や参戦(!?)に踏み切るかも知れない。
米国とイランは、中東でにらみ合っているし、一触即発の朝鮮半島問題も絡む。
インドだって、どさくさに紛れて軍事的行動に踏み切るかも知れない・・・。
欧州の責任は重大だ。
ウクライナに戦域を止めておくことは、ゼレンスキーが言う通り、世界大戦(同時多発の地域紛争でもいいですが)を抑止することにつながる。
しかし、長期化することによって、逆にロシアの戦時体制を温存したり、軍需産業を肥大化させて、将来的な脅威を増大させる懸念もある。
針の穴を通す、絶妙の選択が重要だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(戦争の設計が変わった、ウクライナ軍総司令官が寄稿)
https://www.cnn.co.jp/world/35214773.html
「この記事は予想される同氏解任の発表前に書かれた。」
ドローンが戦場で果たしている役割は大きい。
偵察任務だけではなく、爆弾の投下や自爆システムとしても機能している。
「極めて重要なのは、こうした無人システム――ドローンを含む――や他のタイプの先進兵器が、ウクライナが陣地戦に引きずり込まれるのを回避するために最良の方法を提供しているという点だ。」
「陣地戦で我々に優位性はない。」
「この戦争の中心的な推進力となってきたのは、無人兵器システムの発展であることは周知のとおりだ。」
「我々のパートナー国のミサイルや防空迎撃兵器、大砲の弾薬の備蓄は尽きつつある。ウクライナでの激しい戦闘行為が原因だが、世界的な推進装薬の不足も要因となっている。」
「国際社会が科した制裁の枠組みが弱いため、ロシアは一定の国との協力関係を維持しながら、我々に消耗戦を仕掛けるための軍産複合体を展開することが依然可能な状態にある。」
「我々は、敵が人的資源の動員で極めて有利なことを認識しなければならない。ウクライナの国家機構が不人気な手段を使わずに、軍の人員レベルを引き上げることができない状況とは対照的であり、我々はこの点も認識する必要がある。」
ザルジニーは何をすればいいかが分かっている。
もし、彼が指摘する問題を解決できれば、そして望まれる能力を獲得できれば、勝利は可能かもしれない。
「現時点でのあらゆる事項を考慮すると、そうしたシステムの構築は5カ月でできると我々は考えている。」
冗談はよしてくれ!。
「我々のパートナーも同意見だ。」
なんか、洗脳されちまったんじゃないのかあ?。
「我々は自国の規制枠組みの欠陥と、防衛産業の部分的な独占状態で、身動きがとれなくなっている。こうした状況が弾薬などの生産のボトルネックを生み、供給面でパートナー国への依存度をさらに高める要因となっている。」
構造的な問題を抱えている国家が、5か月で変わることが出来るのなら苦労はない。
もしかすると、5か月で変わるのはロシアの方かもしれない。
「当然ながら敵もそうした作戦から身を守り、主導権を回復する方法を常に模索している。」
タラレバの話ばかりが綴られいてる。
もちろん、その指摘は重要だし、解決すべき問題だ。
今年注力する部分についての言及も、話の上ではもっともだ。
「結論として、2024年、我々は三つの分野に注力する。」
・我々の軍にハイテク資産を供給するシステムを作ること。
・資産の制約やその展開方法を念頭に入れた、訓練や戦争行為に対する新しい考え方の導入。
・新しい戦闘能力の可能な限り早い習熟。
「我々の目標はチャンスをつかむことに置く必要がある。最新の戦闘能力を最大限に積み上げ、より少ない資源で敵に最大の被害を与えることだ。それが侵略を止め、ウクライナを将来も侵略から守ることにつながる。」
これでは、昨年と同じことの繰り返しになる。
ロシアがその「最大の被害」(人的損耗含む)を受け入れ可能だったからこそ、そして、新たな戦力を前線に送り込むことが出来るからこそ、ウクライナの反転攻勢は失敗に終わり、膠着状態に持ち込まれ、逆反転攻勢を食らっているのではないのか。
人的損耗を受け入れることができない西側の社会が、野蛮なロシア(そうなのかあ?)に敗れつつある。
最新の戦闘能力ではなく、レトロな陣地戦を人海戦術で押し切ることで、戦況は転換している。
これは、事実だ。
ザルジニーは、西側の話に完全に洗脳されちまっている。
「最新の戦闘能力を最大限に積み上げ、より少ない資源で敵に最大の被害を与える」(再掲)
それは、少ない資源しか調達できないために、それが可能なロシアの優位性を、最新の戦闘能力を積み上げて乗り切ろうとしているだけの話だ。
勝利の方程式ではない。
量を質でカバーしようとすることしかできないわけだ。
しかも、それは昨年の段階で既に大失敗している。
いや、今年はもっとうまくできるはずだ・・・。
たぶん、来年の今頃も、同じことを言っているに違いない。
ああ、まあ、ザルジニーの後任だろうけど。
量の不足を質でカバーすることはできない。
そりゃあ、2倍くらいなら何とかするかもしれないが、3倍、4倍、10倍になれば話は別だ。
戦争の勝敗は、戦場以外のところで決まる。
勇気、創意工夫、指揮官の能力はもちろん必要だろうが、十分な兵器、大砲の砲身が焼けるまで撃てる量の弾薬、訓練された兵員の補充がなければ前線は回らない。
(ウクライナは西側の支援縮小に適応を 軍総司令官が提言 CNN EXCLUSIVE)
https://www.cnn.co.jp/world/35214734.html
「ザルジニー氏による戦況の見立てに変化がない」
「国の対ロシア制裁が戦争継続の抑止に十分な効力を発揮していない」
「ウクライナ政府は同氏が求めた最大50万人の徴兵に対する全面的な支持を表明しなかった。これはロシアが兵力で圧倒的優位に立っているのを認めることに他ならない」
ザルジニーが言っていることは正しい。
正しいだけに、望みが叶わなかった時の結末も正しい。
10倍(?)の戦力を跳ね返すだけのアットー的な技術的優位を獲得できなければ、ウクライナは負ける。
ロシアが、アホで間抜けなクマであることを祈るしかないな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ザルジニー総司令官、テクノロジーが進歩しても戦争は武器の数に依存する)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/commander-in-chief-zarzhini-says-that-even-with-advances-in-technology-war-still-depends-on-the-number-of-weapons/#google_vignette
「低空の戦いでの優位性が伝統的な戦力の有効性と生存性を高めるため、基本的な兵器や装備の重要性は低下していない」
同じ記事を読んでも、航空万能論のブログ管理人は、異なるところに目を付けている。
「勝利戦略のコンセプトは依然として敵の破壊と領域支配に、これを達成する手段も使用する武器の数に依存している。」
浮沈子は、元のコラム(原文)を読んでいないんだが、量を質で補い敵を凌駕することの限界を認識していることは間違いないだろう。
ハイテク兵器だけで勝てるわけではない。
(「質より量だ」ウクライナ 大砲・砲弾の迅速供与を訴え)
https://times.abema.tv/articles/-/10112756?page=1
「砲弾についても「戦争で最も決定的な要因のひとつだ」「質より量だ」として、北朝鮮から供給を受けるロシアに比べ大幅に不足している現状を訴えました。」(国防省情報総局のブダノフ局長)
「敵の破壊と領域支配」か・・・。
先ごろのA50などの撃墜や、今般のクリミアでのミサイル艦の撃沈は、大々的に報じられているけど、それが領域支配につながるかどうかは別の話だ。
(ウクライナ人ジャーナリスト、ミサイル艇破壊は無人水上艇による集団攻撃)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-journalist-says-missile-boat-destroyed-by-mass-attack-by-unmanned-watercraft/
「イヴァノヴェツはドヌズラフ湖の入り口から約9km離れたオゼロフカ付近の海に沈んだ。入手した内部データによると無人水上艇による最初の攻撃は午前3時42分に、2回目の攻撃は3時44分に、3回目の攻撃は3時47分に発生、乗組員は午前4時頃にイヴァノヴェツを助けるための戦いを止めて避難を開始して午前4時46分頃に沈没した。32人の乗組員が避難(内1人が重傷で入院)したが同艦の通常定員は39人だ」(ロシア人のTelegramチャンネル(ВЧК-ОГПУ))
「世界初の衛星通信に制御された無人水上艇による集団攻撃が成功した」「ドヌズラフ湖の安全な基地近くでイヴァノヴェツを破壊した」「少なくとも5隻の無人水上艇が敵に気づかれることなくドヌズラフ湖に侵入してイヴァノヴェツを次々と攻撃した」「同艦の乗組員は目視で無人水上艇の接近に気づいたものの速度を上げて逃げ切る時間的猶予がなかった」(ウクライナ人ジャーナリストのユーリイ・ブトゥソフ氏)
「ウクライナが開発したMAGURA V5による攻撃だ」「MAGURA V5の航続距離は450海里、巡航速度は22ノット、ウォータージェット推進によって最大42ノットまで速度を上げることでき、中継器を搭載した航空機(無人機)やSATCOMとの通信に対応している」「海面から0.5mの高さしかないため非常に発見しずらい」(米ディフェンスメディアのThe War Zone)
運用条件は限られるだろうが、ピンポイントで使えば有効な兵器だ。
ロシアは対策を余儀なくされるだろうが、それで攻撃の手が緩むかどうかは分からない。
水上艇に対する「バルカンファランクス」みたいな対抗手段が登場するのかもな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ軍総司令官、ゼレンスキー大統領の戦争方針をCNN寄稿で暗に批判か…その後解任報道)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240202-OYT1T50128/
「ウクライナは無人兵器やサイバー攻撃などを組み合わせ、武器や装備を節約しながらロシアに損害を与える必要があると強調」
まあ、どうしても、そっちの方に目が行くよな。
が、読売は浮沈子と同じく、「動員」の問題に焦点を当てている。
「ウクライナ側は、国民に不人気な兵士の追加動員を実現させない限り「兵力を増強できない」とも述べた。」
エコノミスト誌に続く、CNNへの投稿で、ゼレンスキーの逆鱗に触れたというところか。
「膠着状態」と「動員問題」。
この2つは、密接に関連している。
西側から供与された武器で、兵士の損耗を顧みずに、一点突破を狙えば「膠着状態」にならずに済んだかもしれないが、追加の動員がかけられない状況ではその選択肢は取り得なかったわけだからな。
昨年秋からは、戦線はほぼ膠着し、動かなくなった。
ロシアが優勢と言われているが、それ程攻め込まれてどうしようもなくなっているわけではない。
一部で後退はしているけど、ウクライナ軍は良く守っている。
本当に、5か月で新たな戦闘態勢を組むことが出来るなら、そのくらいは持ち堪えられるかもしれないが、保証の限りではない。
ブダノフが言うように、砲弾は枯渇し、質で量をカバーできない状況なら、数か月どころか数週間で戦線は崩壊する。
既に見たように、砲弾は西側全体で不足していて融通が利かない。
西側の軍事部門は、ロシアのNATO侵攻リスクを訴えており、製造された砲弾全てをウクライナに回すことはできない。
そもそも、製造能力自体がロシアには敵わない。
つーことは、砲弾の不足は慢性化するということで、改善の見込みはないのだ。
また、ハイテク兵器を使いこなす体制を整備できるかどうかも怪しいし、ロシアも同じく戦術や兵站の改善を進めている。
彼我の戦力の差は明らかだ。
そして、NATOとの戦力差が、そろそろ問題になりつつある。
西側の武器弾薬の製造は、戦時体制に完全に移行したロシアを上回ることはできない。
ウクライナの敗北は、NATOの、西側の敗北と同義だ。
ウクライナは、口を開けば第3次世界大戦の懸念を表明しているが、少なくとも欧州については十分な懸念材料がある。
ロシアは自信を深め、東欧諸国に侵攻するだろう。
そのタイミングと規模はロシアが決める。
いや、ひょっとすると、米国民が決めるかも知れないな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ軍総司令官、ゼレンスキー氏との確執深まる-再び政府批判)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-02/S88497T1UM0X00
「事情に詳しい関係者によると、ウクライナの反攻が昨年秋に頓挫し軍の再活性化を目指すゼレンスキー氏は1月29日の会合でザルジニー氏に退任を求めたが、ザルジニー氏は拒否した。」
表現の問題かもしれないが、退任を拒否できる関係ではないような気がするんだがな。
「同時にザルジニー氏は、徴兵が遅く、不十分だとして政府をあらためて批判。ウクライナ支援国は原材料不足に直面しているとの見解」
ここはその通りだし、ブルームバーグも、動員問題を重視している。
「人的資源の動員という点で敵が大きな優位を得ており、不人気な措置の活用なしにはウクライナの国家機関が人員の水準を改善できないことと比較してどうかという問題を、われわれは認めなくてはならない」
記事としては、ここのところを強調することで、二人の確執を浮き彫りにしたいところなんだろう。
動員問題の責任はゼレンスキーにあるからな。
「ゼレンスキー氏はザルジニー氏について、沈黙を守っている。」
いい締めくくり方だな・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナの主権に関わる選択、ホワイトハウスはザルジニー解任に反対しない)
https://grandfleet.info/us-related/white-house-does-not-oppose-firing-zarzhny-a-choice-related-to-ukraines-sovereignty/
「軍やパートナーの圧力を受けてゼレンスキー大統領はザルジニー解任を覆さざるを得なかった」(The Times紙)
「ウクライナがザルジニー解任をホワイトハウスに通知した」「主権に関わる問題なので支持も反対もしなかった」(ワシントン・ポスト紙)
つまり、米国は「主権」を尊重して、表向きウクライナの決定を尊重する「振り」をすることにしたわけだ。
もちろん、タイムズが報じた通り、本音は反対だろう。
この時期、内紛している場合じゃないからな。
「ゼレンスキー大統領がザルジニー総司令官解任を決定したとホワイトハウスに通知した」「この重大な決定についてホワイトハウスの高官達は支持も反対もぜず、この件がゼレンスキー大統領の主権的な選択であることを認めた」「ゼレンスキーは解任発表を先送りすることも出来るがその可能性は非常に低い」(ワシントン・ポスト紙)
昨年の「反転攻勢」の作戦立案に対しても、米国はウクライナの決定(戦力の分散)を尊重した。
これは米国の戦争じゃない。
その一方で、ザルジニーを洗脳して戦い方の変更を示唆し、ハイテク兵器を投入して、西側の量の不足を糊塗しようとしている。
儲けの少ない地雷やりゅう弾砲の砲弾ではなく、米国兵器産業を潤すハイテク兵器の調達こそが、バイデン政権がウクライナ支援を続ける最大の理由だしな(そうなのかあ?)。
政治的リスクを恐れて追加の動員がかけられない現政権に見切りをつけて、そろそろ手じまいの準備に入ったのかもな。
既に見たように、2025年末になっても、西側全体で見ても砲弾の製造数はロシアに及ばない。
西側諸国自体への供給や第三国への輸出も含めれば、ウクライナに回せるのは半分もないだろうから、彼我の差は広がりこそすれ縮まることはないのだ。
それは、欧州にとっても同じで、このままウクライナへの支援を継続すれば、自国の備蓄が十分に積み増しできずに、ロシアとのドンパチを始めることになる。
どこかで、ウクライナが降参してくれないことには、支援を続けながらロシアとの直接対決の準備を進めなければならず、さりとて、ウクライナがさっさと負けてしまえば、ロシア軍の損耗がなくなり、事態はより悪化することになるかも知れない。
ウクライナ支援に回す生産力と、ロシアが停戦で得る余剰生産力が問題だ(浮沈子は、どう転んでも欧州に軍備の生産力における勝ち目はないと見ている:西側は、そこまでの戦時体制を政治的に組むことができないからな)。
いずれにしても、今のところはウクライナが「負けない戦い」を続けるために必要な支援は続けざるを得ず、「ローテク兵器」の不足を「ハイテク兵器」で補えるのか、兵士の損耗をカバーできるのかが最大の関心事だ。
浮沈子は、両者の物量の差は、んなもんでは埋めることができないと見ている。
ロシアだって馬鹿じゃないから(そうなのかあ?)、西側ほどではないかも知れないけど、最新の兵器を開発、製造、投入していくだろうし、その供給速度も速い。
ザルジニーは、塹壕戦でロシアに勝てないことを率直に認めている。
そのドツボに陥らないために、ハイテク兵器が必要だし、兵員の不足を解消し、在来兵器の不足を解消することの重要性も分かっている。
分かっちゃいるけど、辞めさせられる!。
やれやれ・・・。
現代戦において、NATO式の戦略が通用しないことを知り、独自の戦略を見出そうとしてきた指揮官は去る。
ゼレンスキーは、政治的リスクを排除しただろうが、ウクライナにとっていいことだったかは分からない。
ウクライナの未来は、ウクライナが決める。
他の誰も責任を取ることはできないし、そうしようとはしない。
ああ、ロシアは別かもな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(前線で生じる戦力差、予備戦力がウクライナ軍とロシア軍の明暗を分ける)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-difference-in-military-strength-and-reserve-strength-that-arises-on-the-front-lines-is-what-makes-the-difference-between-the-ukrainian-and-russian-armies/
「ウクライナ軍劣勢の原因について「武器・弾薬の不足」が挙げられるが、兵士不足やローテーション問題も前線に深刻な影響をもたらしており、この解決は政治的に追加動員の実行を容認するかどうかにかかっている。」
記事の末尾にあるブログ管理人のコメントが、全てを言い表していると感じる。
ウクライナ政府に選択の余地はない。
追加動員をかけるか、ロシアに屈服するか。
追加動員を掛ければ、政権が持たないと考えているんだろう。
さりとて、領土割譲を前提とした停戦交渉になれば、これもまた、政権を危うくする。
責任を軍に押し付け、ザルジニーを解任したのはいいが、問題は何も解決していない。
追加動員を掛けずに、ウクライナ軍が崩壊するのを待つしかないのだ。
積極守勢に戦略を変更して時間を稼ぎながらな。
大規模な動員を掛けなければ、ウクライナ軍はじり貧だ。
軍は36か月のローテーションに同意したとされるが、それは戦線が大きく動かないことが前提だ。
ロシア軍が、非対称戦で攻め込んできたら、到底防ぎきることはできない。
「敵の継続的な威力偵察が守りの脆弱な部分を露呈させる」「絶え間ない攻撃で我々の疲弊を狙っている」「増援を送り込む敵と我々の間には大きな戦力差が生じている」「ロシア軍機は1月から2月の間に600発以上の爆弾を投下してありとあらゆる建物を破壊した」「敵は常に人的損失を補充して定期的なローテーションも実施している」(危機的な状況を何度も警告してきたウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)
「一方のウクライナ軍は予備戦力が不足しているため兵士に休息を与えることが出来ない」(同上)
「これが事実ならアウディーイウカは長くは持たないだろう。」
ザルジニーは、昨年12月に「持って2~3か月」と言っていたが、そろそろだな。
(アウディーイウカの戦い、ロシア軍兵士が南郊外に続き北東郊外にも侵入)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiiuka-russian-soldiers-invade-the-northeastern-suburbs-following-the-southern-suburbs/
「ロシア軍がアウディーイウカ北東郊外の建物に取り付いたことをウクライナ軍側の映像で確認、さらにロシア軍がアウディーイウカ南西郊外の「旧防空基地」に迫っている様子も視覚的に確認され、ウクライナ軍はじわじわと後退を強いられているのだろう。」
ウクライナは、3月のロシア大統領選挙が終われば、敵の攻勢は弱まると見ているようだが、そんなことはない。
少なくとも東部戦線において、敵は勝ちに来ている。
それが、ドネツク州の州境で留まる保証はない。
ハルキウを経て、キエフや西方のリビウでさえ、攻略されかねない。
それも、年単位ではなく、月単位(週単位?)の話だ。
ザルジニーは、数字を挙げて要求したことはないと言っていたが、50万人の追加動員で防ぎきることが出来るかどうかも怪しい。
ロシアの攻勢に対して、西側の支援(武器弾薬)は明らかに不足している。
兵士については、追加の大規模動員は掛けられない。
いやな話もある。
(欧州議会に失望したポーランド農民、ウクライナ国境封鎖を9日から再開)https://grandfleet.info/european-region/polish-farmers-disappointed-with-european-parliament-reopen-border-closure-to-ukraine-from-9th/
「ポーランドの農民や運送業者によるウクライナ国境の封鎖は1月17日に解除されたものの、欧州議会がウクライナ産農産物や加工品に対する輸入関税の停止措置延長を支持、これに失望したポーランド農民は「9日から国境を封鎖する」と発表、これにハンガリー農民も合流する見込み」
やれやれ・・・。
ウクライナの明日は、隣国が決めるのかもな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(ゼレンスキー大統領、初めてザルニジー交代や戦争戦略の変更について言及)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/president-zelenskiy-speaks-for-the-first-time-about-replacing-zarnizy-and-changing-war-strategy/
「ゼレンスキー大統領が言及する「体制のリセット」とは「ウクライナ軍におけるザルジニー体制の総入れ替え=戦争戦略の変更」を意味する可能性が高い。」(ブログ管理人)
「体制のリセットが必要で交代(ザルニジーのこと)について考えている」(ゼレンスキー大統領)
イタリアのRai1によるインタビューについては、複数のメディアが報じている。
(ウクライナ大統領、軍司令官など複数高官の交代検討)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/URHGLAYCWFIWPAXDKEQAKCL4MY-2024-02-04/
「リセットが必要だ。軍部だけでなく、複数の国家指導者の交代について話している」(ゼレンスキー大統領)
「勝利したいのであれば、全員が同じ方向に進む必要がある。弱気にならず、正しいポジティブなエネルギーを持たなければならない」(同上)
うーん、ロイターの報道を見ると、「戦争戦略の変更」というよりは、従来からの方針(クリミアを含むロシア占領地の全面奪還)の徹底を図ろうとしているように思えるんだがな。
(ゼレンスキー氏、ザルジニー司令官の解任検討認める インタビューで)
https://www.asahi.com/articles/ASS252JTJS25UHBI006.html
「リセットが必要になる。軍だけではなく、リーダーシップの交代だ」(ゼレンスキー大統領)
「重要なことを考えている。それは単に1人の話ではなく、国のリーダーシップの方向性についての話だ」
「軍部だけではなく相当数の「国家のリーダーたち」について「交代を熟考している」とした。」
ウクライナ軍が弱気になって、ポジティブな作戦を遂行できずに膠着状態に陥っていると言いたいのかもしれないが、ウクライナの抱える様々な問題とロシアの攻勢の前では誰が指揮をとっても同じことだろう。
軍隊はマシンだ。
必要なリソースを与えなければ機能しない。
まあ、100歩譲って、これから防御戦に変更するとした時に、軍のモチベーションを保つための体制刷新ということになるのかもしれないが、国民や軍からの信頼が厚いザルジニーの解任は逆効果な気もする。
ゼレンスキー政権が何を考えているかは知らないが、人事権を振り回す前に、やるべきことがあるような気がしているんだがな。
浮沈子的には、追加動員の早期決定、政権内に蔓延る汚職の一掃、領土割譲を前提とした停戦案の検討、国内での武器弾薬の製造などなど。
西側からの支援に頼ることなく、自前で戦争を続けるしかない。
ロシアは、既に欧州を見ている。
バルト3国やフィンランド、ハンガリー、ルーマニアで仕込みが始まっている。
ウクライナで、どの程度西側の戦力を損耗させるかという観点から、戦闘継続の可否を判断するだろう。
支援が先細りになるのであれば、戦闘を継続するメリットはない。
血で贖った占領地を確定できるのであれば、欧州との直接対決に向けて自国の軍備増強を加速したいところだ。
ウクライナが自前で戦闘を継続する意義はそこにある。
西側の損耗を抑制し、ロシアの軍備拡張にブレーキをかけ続ける。
ウクライナは、領土奪還の見込みが立たないまま、人的物的損耗を拡大し続けることになる。
これまでのような強度で戦うことはできないし、ロシアの選択によっては大きく領土を失うことになりかねない。
取り得る選択には限りがある。
米国の大統領選挙を巡っては、様々な憶測が飛び交っているが、世界中で「もしトラ」がささやかれている中、最も影響を受けるのはウクライナだろう。
ぶっちゃけ、国家の存続が掛かっている。
ウクライナ軍の勇ましい攻撃などで話題豊富なフォーブスが、ちょっと弱気な記事を上げている。
(砲弾不足のウクライナ、ロシアの大砲集積許す 集中砲撃で東部の町壊滅)
https://forbesjapan.com/articles/detail/68945
「現在はロシア側が5倍の差で圧倒している。具体的に言えば、ロシア軍は砲弾を1日に約1万発発射しているのに対して、ウクライナ側は約2000発程度にとどまっている。」
「ウクライナ側から反撃される危険にわずらわされなくなったロシア軍の砲兵部隊は、前線の都市にあるウクライナ側の陣地に対して壊滅的な集中砲撃を加えるために、最大クラスの大砲や発射機を集積させるようになっている。」
「ウクライナ東部ルハンスク州の接触線から約8km離れたリシチャンスク郊外で、大砲や車両のための掩体(えんたい)が20カ所近くあると指摘」(ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイト)
「大砲やロケット砲の弾薬が減っているウクライナ軍は、防衛線の突破を図るロシア軍部隊やその車両を攻撃するという最も差し迫ったニーズのために、手持ちの砲弾やロケット弾を節約せざるを得なくなっている。」
「市街地を組織的に破壊し、防御不可能にする」
記事によれば、マリンカの占領は、そのようにして行われたそうだ。
街は瓦礫の山と化した・・・。
「街全体が組織的に破壊し尽くされ、構造物や住居の痕跡すらほとんど残らなかった」
「執拗な砲撃によってマリンカは完全に消滅し、侵略者はのちに『解放』を主張した」
「私たちの観察では、多くの大砲は前線から15〜24km離れた場所に配備されており、大半の小型FPVが実際の運用で到達できる範囲の外にある」
「重量1kg弱で500gほどの擲弾を投下する一般的な無線操縦FPVドローンは、航続距離がせいぜい3km強しかない。」
砲弾の不足は、自軍の戦術的な選択肢を狭め、逆に敵の選択肢を増やし続けている。
やれやれ・・・。
GLSDB(地上発射型小直径爆弾)に期待が寄せられているが、まあ、ふたを開けてみなければ分からない。
「ウクライナがどのくらいの数のGLSDBを取得できるのかや、それをどのように配備するのかは不明」(初期の引き渡しは24発とされる。)
「とくにこの兵器が大規模な通常戦で試されたことがない点を踏まえると、断定的な結論を導くのは時期尚早だ」
ウクライナ戦線は膠着している。
ロシアは相変わらず優勢だが、ウクライナ軍は良く凌いでいる。
それが、いつまで続くかは分からない。
1年後かも知れないし、明日にも崩壊する可能性だってある。
浮沈子は、ゼレンスキーが占領地の奪還という錦の御旗を降ろすことはないと確信している。
ありえない。
が、それは長期目標として据え置いたまま、戦略目標を防御戦に切り替える可能性は高い。
先細る支援を活用しながら、長く苦しい戦いへと国民を導いていく。
よせばいいのに・・・。
追加の動員も、いやいやながら行うだろうし、国内での武器弾薬の調達にも本格的に取り組むだろう。
それが成功したとしても、領土奪還の見通しは立たない。
領土割譲を認めて、停戦するのか。
もちろん、浮沈子的にはそれがお勧めだが、ロシアはウクライナを締め付けながら、欧州へ攻め込むことに専念するだろうな。
時間を掛ければかける程、ウクライナが失うものは増えていく。
領土も、兵士も、武器弾薬も。
そして、政権に対する国民の信頼も。
おっと、大統領選挙を先送りする決定を撤回するという大技もあるな。
このタイミングではギャンブルだが、全否定するわけにはいかない。
一寸先は闇のウクライナ情勢。
ザルジニーの解任は、一つの象徴に過ぎない。
反転攻勢は失敗に終わり、戦線は膠着し、支援は滞り始めている。
追加の大規模動員がかけられなければ、戦闘を維持し続けることも出来なくなる。
「もしトラ」を前提に考えれば、年内にもウクライナが降伏する可能性だってある。
米国はNATOから離脱し、欧州は自前でロシアと対峙する。
浮沈子的には、ある程度手合わせしたところで停戦し、東欧諸国を影響下に置いたロシアがそこで止まると見ている。
いきなり、大西洋を見下ろす丘にロシア国旗が翻ることはない。
が、やがてはそういう事態になる。
5年後か、10年後かは分からない。
プーチンはとっくにいなくなって、次の支配者が差配するだろうが、その流れは変わらない。
善し悪しの問題ではなく、それが、今回のウクライナ侵攻で西側がロシアを追い詰めた結果ということなわけだ。
戦争を継続することでしか生き残れない戦闘国家。
北朝鮮と仲良しになるのは当然だろう。
中国は、ロシアを使って、欧州の権益をまるっと手に入れることになる。
丘の上には、五星紅旗もはためいているかもな・・・。
🐱23区2年ぶり大雪警報:雷も ― 2024年02月05日 21:45
23区2年ぶり大雪警報:雷も
(東京23区に大雪警報発表 2シーズンぶり)
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2024/02/05/27347.html
「2月5日午後7時19分、東京都23区西部に大雪警報が発表」
「東京23区に大雪警報が発表されるのは2022年1月6日以来2シーズンぶり」
「午後8時19分には東京都23区東部にも大雪警報が発表」
べらぼーめ・・・。
今日は気温が上がらず、昼過ぎからみぞれが降り始めて夜にはベタ雪がシャーベット状に積もり始めた。
気温は1度未満で推移している。
夜半過ぎには止む見通しだが、明日の朝はバリバリに凍っているかもな。
さっきから、雷まで鳴り出している。
やれやれ・・・。
(東京23区東部全域に大雪警報)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9d9e5a3769d0d61dc5f5ad83b5db22c7dc8cca4
「東京都23区東部全域 大雪警報、着雪注意報、
中央区 大雪警報、着雪注意報、
港区 大雪警報、着雪注意報、
品川区 大雪警報、着雪注意報、
大田区 大雪警報、着雪注意報、
千代田区 大雪警報、着雪注意報、
新宿区 大雪警報、着雪注意報、
文京区 大雪警報、着雪注意報、
目黒区 大雪警報、着雪注意報、
渋谷区 大雪警報、着雪注意報、
中野区 大雪警報、着雪注意報、
豊島区 大雪警報、着雪注意報、
北区 大雪警報、着雪注意報、
板橋区 大雪警報、着雪注意報」
着雪注意報って何なんだあ?。
(気象警報・注意報の種類)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html
「着雪注意報:
着雪注意報は、著しい着雪により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。具体的には、雪が付着することによる電線等の断線や送電鉄塔等の倒壊等の被害が発生する(気温0℃付近で発生しやすい)おそれのあるときに発表します。」
我が家の暖房は、電気だからな。
停電とかは勘弁してもらいたい。
ちなみに、「着雪警報」というのはない(同ページに、警報の一覧もあります)。
まあ、どうでもいいんですが。
「東京地方では、6日未明まで大雪に警戒してください。」(日テレのページ:気象庁)
雪の日の注意点をまとめたページもある。
(関東甲信などで大雪 交通影響など最新情報)
https://news.yahoo.co.jp/pages/20240204#attention
・歩くときの注意点
・・転びにくい上手な歩き方を知りましょう
▼小さな歩幅で歩きましょう
歩幅を小さくし、そろそろと歩く「ペンギン歩き」が基本です。
▼靴の裏全体を路面に付けて歩きましょう
体の重心をやや前におき、できるだけ靴の裏全体を路面につける気持ちで歩きましょう。また、履物は靴底が滑りにくいものを選びましょう。(摩擦係数の高いゴム長靴等)
▼その他
転んだときために、帽子や手袋をするなど、身に着ける物の工夫も安全対策の一つです。両手をポケットに入れて歩いたり、飲酒時もバランス感覚が鈍り危険です。また、屋根の上の雪や氷が落ちてくることがありますので、屋根にも目を配り歩きましょう。特に、暖かい日は要注意。
・・こんな場所は要注意(掲載されている画像から)
・・・車の出入りのある歩道
・・・地下鉄駅や地下街からの出入り口付近
・・・横断歩道
・・・タイル張りの地下街や店内の出入り口
・・・バスやタクシーの乗降場所
・運転の注意点(割愛)
・自動車での立ち往生(割愛)
・除雪の注意点(割愛)
東京は雪に弱い。
年に数日しか降らないしな。
積もることもめったにない。
10cmも積もったりしたら、天地がひっくり返ったような大騒ぎになる。
浮沈子が子供のころには、40cmくらい積もった記憶がある(1969年3月12日:記録上は33cm)が、最近は20cmくらいがせいぜいだ(2014年に27㎝が2回、2018年に23cmの積雪が1回)。
今回の積雪量がどれ程になるのかは知らないが、まあ、いっても10cmくらいだろう(21時現在で7cm:17時から積もり始め、ほぼ1時間に1cmのペース)。
止む数時間前からは雨に変わる予報だが、当てにはならない。
気温は0.6度だそうだ(21時30分現在)。
まあいい。
コンビニへの買い出しに行こうと思ってるんだが、タイミングが難しいな・・・。
(東京23区に大雪警報発表 2シーズンぶり)
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2024/02/05/27347.html
「2月5日午後7時19分、東京都23区西部に大雪警報が発表」
「東京23区に大雪警報が発表されるのは2022年1月6日以来2シーズンぶり」
「午後8時19分には東京都23区東部にも大雪警報が発表」
べらぼーめ・・・。
今日は気温が上がらず、昼過ぎからみぞれが降り始めて夜にはベタ雪がシャーベット状に積もり始めた。
気温は1度未満で推移している。
夜半過ぎには止む見通しだが、明日の朝はバリバリに凍っているかもな。
さっきから、雷まで鳴り出している。
やれやれ・・・。
(東京23区東部全域に大雪警報)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9d9e5a3769d0d61dc5f5ad83b5db22c7dc8cca4
「東京都23区東部全域 大雪警報、着雪注意報、
中央区 大雪警報、着雪注意報、
港区 大雪警報、着雪注意報、
品川区 大雪警報、着雪注意報、
大田区 大雪警報、着雪注意報、
千代田区 大雪警報、着雪注意報、
新宿区 大雪警報、着雪注意報、
文京区 大雪警報、着雪注意報、
目黒区 大雪警報、着雪注意報、
渋谷区 大雪警報、着雪注意報、
中野区 大雪警報、着雪注意報、
豊島区 大雪警報、着雪注意報、
北区 大雪警報、着雪注意報、
板橋区 大雪警報、着雪注意報」
着雪注意報って何なんだあ?。
(気象警報・注意報の種類)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html
「着雪注意報:
着雪注意報は、著しい着雪により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。具体的には、雪が付着することによる電線等の断線や送電鉄塔等の倒壊等の被害が発生する(気温0℃付近で発生しやすい)おそれのあるときに発表します。」
我が家の暖房は、電気だからな。
停電とかは勘弁してもらいたい。
ちなみに、「着雪警報」というのはない(同ページに、警報の一覧もあります)。
まあ、どうでもいいんですが。
「東京地方では、6日未明まで大雪に警戒してください。」(日テレのページ:気象庁)
雪の日の注意点をまとめたページもある。
(関東甲信などで大雪 交通影響など最新情報)
https://news.yahoo.co.jp/pages/20240204#attention
・歩くときの注意点
・・転びにくい上手な歩き方を知りましょう
▼小さな歩幅で歩きましょう
歩幅を小さくし、そろそろと歩く「ペンギン歩き」が基本です。
▼靴の裏全体を路面に付けて歩きましょう
体の重心をやや前におき、できるだけ靴の裏全体を路面につける気持ちで歩きましょう。また、履物は靴底が滑りにくいものを選びましょう。(摩擦係数の高いゴム長靴等)
▼その他
転んだときために、帽子や手袋をするなど、身に着ける物の工夫も安全対策の一つです。両手をポケットに入れて歩いたり、飲酒時もバランス感覚が鈍り危険です。また、屋根の上の雪や氷が落ちてくることがありますので、屋根にも目を配り歩きましょう。特に、暖かい日は要注意。
・・こんな場所は要注意(掲載されている画像から)
・・・車の出入りのある歩道
・・・地下鉄駅や地下街からの出入り口付近
・・・横断歩道
・・・タイル張りの地下街や店内の出入り口
・・・バスやタクシーの乗降場所
・運転の注意点(割愛)
・自動車での立ち往生(割愛)
・除雪の注意点(割愛)
東京は雪に弱い。
年に数日しか降らないしな。
積もることもめったにない。
10cmも積もったりしたら、天地がひっくり返ったような大騒ぎになる。
浮沈子が子供のころには、40cmくらい積もった記憶がある(1969年3月12日:記録上は33cm)が、最近は20cmくらいがせいぜいだ(2014年に27㎝が2回、2018年に23cmの積雪が1回)。
今回の積雪量がどれ程になるのかは知らないが、まあ、いっても10cmくらいだろう(21時現在で7cm:17時から積もり始め、ほぼ1時間に1cmのペース)。
止む数時間前からは雨に変わる予報だが、当てにはならない。
気温は0.6度だそうだ(21時30分現在)。
まあいい。
コンビニへの買い出しに行こうと思ってるんだが、タイミングが難しいな・・・。
🐱ウクライナ降伏不可避:戦勝 ― 2024年02月05日 23:49
ウクライナ降伏不可避:戦勝
(「主導権は完全に露軍に移った」プーチン氏、ウクライナに降伏要求 「戦勝」へ自信深める)
https://www.sankei.com/article/20240205-P6NE46NBKVPZFFG3WWLBKUPQDQ/
「彼らが交渉したくないならそれでいい。だが、ウクライナ軍の反攻は失敗し、主導権は完全に露軍に移った」(ロシアのプーチン大統領)
「このままではウクライナは取り返しのつかない深刻な打撃を受けるだろうが、それは彼らの責任だ」(同上)
「戦利品をロシアに放棄させようとする試みは不可能だ」(同上)
「紛争をできるだけ早く終わらせることを望んでいるが、それはロシアの条件に従う限りでだ」(同上)
つまり、ロシア側が戦勝(軍事的な勝利)を望んでいるわけではなく、降伏しなければそうなるというわけだな(ホントかあ?)。
「侵攻当初からロシアの目標は「変わっていない」とし、具体的にはウクライナの親欧米派勢力の排除を意味する「非ナチス化」や、北大西洋条約機構(NATO)加盟断念を指す「非軍事化」「中立化」だと説明。停戦にはウクライナがこれらの要求に応じることが必要」
「ロシアが望むような「戦勝」を得られるかは未知数」
「ウクライナ軍は現在、攻撃から防御に転じ、陣地を守りつつ露軍の損害を拡大させる戦術に移行している。軍事専門家の間では、双方とも相当期間は勝敗を決することができず、戦局は全体的に膠着状態が続くとの見方が強い。」
プーチンは、軍事的圧力をかけ続ければ、いずれウクライナが折れると思っているんだろう。
「ウクライナは早期に降伏すべきだとの考え」
ロシアだって、多大の犠牲を払っているわけで、早期決着は悪い話ではない。
ウクライナは、そんな気は毛頭ないからな。
行くところまで行くしかない。
軍事専門家とやらは、ウクライナの反転攻勢の失敗を予見できなかった。
当てにはならない。
確かに、ロシアの攻勢を良く防いでいる。
砲弾は数分の1で、兵員の交代もない。
しかし、そんな状況がいつまでも続くわけではない。
戦線は辛うじて持ち堪えているが、明日崩壊してもおかしくはない。
ロシア軍の損失は確かに大きいが、それを許容する体制を確立している。
おそらく、あと数年間は、この体制で戦闘を継続するだろう。
追加の大規模な動員も、大統領選挙の後で行われるかもしれないしな。
ロシアが見据えているのは、欧州だ。
もちろん、その背後にいる米国が直接のターゲットだが、その影響は小さくなりつつある。
ウクライナとの戦争は、ロシアにとっては徐々に変容してきている。
西側の支援が増加することは、ロシアにとって脅威ではなくなってきており、むしろ、支援にリソースを割かれることで、西側の戦力を削ぐ効果に変わっている。
今後、ロシアの攻撃の強度が変化し始めたら要注意だな。
攻勢が強まるよりも、弱くなった時が危ない。
ウクライナとの戦争における勝利は、ロシアにとっては既に折り込み済みということになる。
それは、欧州との直接対決に向けたツールの一つだ。
ウクライナに、再度の反転攻勢を掛けさせるかもしれないしな。
そのためには、西側のさらなる支援が必要になる。
待ってました・・・。
ロシアは、喜んで防御戦に転じ、陣地を守りつつウクライナ軍の損害を拡大させる戦術に移行するだろう。
米国が、どこまで支援を続けられるかは分からない。
直接侵攻されるリスクは、アラスカを除いては、まずないからな。
欧州への侵攻で、実際に米軍を派遣するかどうかも怪しい。
ロシアの欧州侵攻で、NATOは踏み絵を踏まされることになる。
集団的自衛権をどこまで行使するのか。
ウクライナに対する経済的な支援の様相を見れば、浮沈子的にはかなり怪しい気がしている。
ウクライナのように、自軍の損耗を顧みずに、外部からの支援頼みで戦うわけにはいかないからな。
欧州には、誰も支援などしてくれない。
2027年は危ない。
台湾有事、朝鮮半島有事と重なり、米国は身動きが取れなくなる。
同時多発地域紛争は不可避だ。
中東情勢が、そこまで尾を引くかどうかは知らない。
イスラエルが、どこで作戦終了の判断をするかに掛かっている。
プーチンは、タイミングを見計らっているのだろう。
ロシアが手放しで楽観的でないことは確かだが、それが戦略に影響を与えることはない(専制国家だしな)。
自信を深め、じっくりと準備を進め、最適なタイミングに合わせて攻めてくる。
欧州は、おそらく準備が整う前に初動の対応を迫られることになるだろう。
それが、バルト3国かどうかも分からない。
フィンランドか、あるいは虚を突いて、モルドバやルーマニア辺りかも知れない。
3年後の状況は分からないけど、ウクライナ南部が制圧されていれば、その可能性も出てくるだろうしな。
くさびを打ち込まれたNATOが、どう反応するのか。
米国の次期政権の対応次第では、その時期が2027年より早まることも考えられる。
確認しておこう。
ウクライナ紛争を長期の防御戦に持ち込むことは、欧州にとって必ずしも賢明とは言えない。
プーチンが早期の戦勝を望んでいるのかどうかについても、慎重に判断する必要がある。
既に、ロシアの軍需生産力は、ウクライナ戦争を継続する以上のレベルに達している(たぶん)。
黙っていても、欧州侵攻の準備は進む。
そのタイミングを決めるのは、プーチンだ。
浮沈子的には、欧州がイニシャチブを取る秘策がないではない(ホントかあ?)。
どーせ、ロシアとドンパチやる羽目になるなら、先制攻撃を掛けるのがよろしい(そうなのかあ?)。
ターゲットはただ一つ。
バルト海に面したカリーニングラードだな。
核爆弾の2、3発もお見舞いしておけば十分だろう(そんなあ!)。
ここを叩いておけば、東欧諸国はともかく、英仏独などは弾道ミサイルの直撃を免れる。
ベラルーシ辺りも狙いどころかも知れない。
やるなら、早い方がいい。
少なくとも今なら、ロシアは有効な反撃が出来ないし、大統領選挙に与える影響も甚大だからな。
プーチン再選は動かないだろうが、ロシア国民には動揺が走るだろう。
ウクライナ紛争に深入りしたツケが回ってきたということになる。
まあ、どうでもいいんですが。
また、今なら米国のNATOへの支援も十分に可能だ。
中東紛争をさっさと切り上げて、ロシアを叩くのがよろしい。
もたもたして来年になったら、先制攻撃は掛けられなくなる公算が高い。
弱腰な外交姿勢でポイントを下げているバイデン政権にとっても、ロシアへの先制攻撃を主導すれば、自身の再選にもつながるからな(そうなのかあ?)。
浮沈子は、妄想の世界に憑りつかれている。
しかし、ウクライナ紛争が、コップの中の嵐に留まるということこそ、西側が描いている妄想ではないのか。
当初、ロシアが経済制裁で崩壊するという妄想もあったが、んなもんはとっくに消えた。
コップの中の嵐に留まらない兆候は、既にウクライナによるロシア本土の攻撃の激化で明らかになっている。
米国は責任を果たすことが出来ずに暗礁に乗り上げ、欧州にはもとよりその能力はない。
西側の描いていたストーリーは、ことごとく消えた。
ウクライナにおける戦線の膠着は、背後の大きな動きを見えなくしている。
それが表層に躍り出てきた時に、慌てて対応しなければならない事態は避けるべきだろう。
先制核攻撃が、最良の対応かどうかは別としてもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(アウディーイウカは危機的状況、北東市内に侵入したロシア軍が足場を築く)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/audi-iuka-is-in-a-critical-situation-as-russian-troops-invade-the-northeastern-city-and-establish-a-foothold/
「一般レベルの報告にも嘘が混じっている。自分たちが安心したい、悪い知らせで上層部を刺激したくないという願望は非常に有害で、最高司令部も批判的な情報ではなく「肯定的な情報」のみを聞きたがっている。だから状況の危機的な変化に対応出来ていないのだ」(ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)
負けが込んできた時に、ありがちな対応だな。
そして、対応の遅れは、さらに状況を悪化させることになる。
「増援を送り込む敵と我々の間には大きな戦力差が生じている」「敵は常に人的損失を補充して定期的なローテーションも実施している」「一方のウクライナ軍は予備戦力が不足しているため兵士に休息を与えることが出来ない」(同上)
「第110機械化旅団などの部隊は数倍の兵力をもつ敵と戦っており、ロシア軍は常に新鮮な歩兵を投入し続けている。2年近くアウディーイウカで戦い続けた第110機械化旅団は完全に疲弊し切っているのに街を守り続けている。この英雄的な部隊には新鮮な予備兵力とローテーション(休息)が必要だ。さらに弾薬や物資も極端に不足し、この分野でのロシア軍は大きな優位性をもっている」(同上)
「前進には代償が伴うため敵は大きな損害を被っているが、ロシア軍司令部はウクライナ軍司令部よりも素早く予備戦力を移送し続けている」(同上)
ザルジニーは、ロシア軍を見誤ったと正直に告白した。
敵に損害を与えることは、戦争を遂行する上で何の意味もないことを知ったわけだ。
破壊と領域支配のみが、勝敗を決する。
自分たちが戦っている相手の本質を知った時、彼が感じたであろう戦慄を、ブトゥソフ氏も感じているのかもしれない。
アウディーイウカが落ちるのは時間の問題だが、同じことは次の防御線でも繰り返されていく。
前線の状況を改善するためには、大規模な追加動員と十分な武器弾薬だが、そのどれもが達成のめどすら立っていない。
アウディーイウカに投入された兵力は、次の防御線では投入不可能になるだろう。
その次には、さらに少なくなる・・・。
首都であるキエフは、人口も多く、市街戦になれば損害が莫大になることから、政権は首都を移転せざるを得なくなる。
西部のリビウ辺りかも知れないな。
そこで、どれだけ持ち堪えられるかは分からない。
(ジョンソン米下院議長、上院がウクライナ支援を可決しても下院で葬る)
https://grandfleet.info/us-related/u-s-house-of-representatives-speaker-johnson-dies-in-house-of-representatives-even-if-senate-passes-aid-to-ukraine/
「この法案(採決予定の上院案)は我々が予想していたものよりも悪く、バイデン大統領が引き起こした惨事を終わらせるには程遠く、この法案の下でメキシコ国境は決して閉じられない。仮に法案が下院に届いても廃案になるだろう」(ジョンソン下院議長)
浮沈子は、上院が法案を作成したと聞いた時、これで米国の支援が復活すると期待したが、そうはならなかった。
「因みにジョンソン下院議長は「イスラエル支援」と「メキシコ国境」の問題を切り離した別法案を検討している」
ウクライナ支援が人質状態であることは変わりない。
「ホワイトハウスは「ウクライナ支援」と「イスラエル支援」を切り離した法案を支持しないと反発」(一部修正)
「緊急予算1,182億ドル(ウクライナ支援600億ドル、イスラエル支援141億ドル、インド太平洋地域の同盟国支援20億ドル、メキシコ国境の警備に200億ドル以上を含む)」
バイデン政権は、イスラエル支援を人質にしているともいえるな。
イスラエルは、放っておいても勝手にドンパチやってるからいいとして(そうなのかあ?)、ウクライナは戦闘継続が危ぶまれている。
米国の混迷は、当分続くが、おそらくその間にアウディーイウカは落ちるだろう。
ロシア軍は、砲撃や爆撃で町を破壊し尽くし、がれきの山にした挙句、「解放」を宣言する。
ウクライナ軍は、郊外に新たな戦線を張るか、次の防御線に撤退して抗戦を続けることになるだろうが、そこでも兵士は同じで、砲弾は不足し、FPVドローンは足りない。
「敵は市内でドローン操縦者を標的にした狩りを本格的に始めた。どんな建物もアンテナも砲撃や滑空爆弾の攻撃に晒されており、ロシアは事実上「無差別爆撃」を行っている。」(初出のアウディーイウカの記事より:一部修正)
バフムトや、マリンカと同じだ。
ロシアには、自軍の有利さを最大限に発揮させる「勝利の方程式」が出来上がっている。
あとは、淡々とそれを繰り返して、ウクライナの西の国境を目指せばいいだけだ。
やれやれ・・・。
少なくとも今、時間はロシアに味方している。
ウクライナが長期戦に入るのは、そうせざるを得なくなったからで、積極的な選択によるものではない。
その態勢で、時間を味方に出来るかどうかは分からないのだ。
防御戦に失敗すれば、敗戦が待っているだけになる。
アウディーイウカが守れなくて、次の防御線が守れるという話はない。
ここで敗れれば、次でも敗れる。
その次も、さらにその次も・・・。
西側の支援無きウクライナは、単なるロシアの餌食だ。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(もっと多く兵士を動員しなければならないウクライナ、原因は死傷者数)
https://grandfleet.info/european-region/ukraine-must-mobilize-more-soldiers-cause-is-number-of-casualties/
「弾薬供給は重要な問題だが弾薬の数をロシアと比較して意味がない。」(ドイツ軍のクリスチャン・フロイディング少将)
「ウクライナ軍が使用する兵器システムの殆どはロシア製よりも正確で効率が高く、目的達成に必要な弾薬はロシア製よりも少なくて済む。」(同上)
うーん、程度問題って、あると思うんだがな。
5倍の弾薬量を埋め合わせる兵器システムって、何なのか。
市街地全体を瓦礫の山にする無差別砲撃に対抗する、長距離砲の精密照準システムってあるのか。
ミリオタではない浮沈子には皆目見当もつかないが、「意味がない」とまで言い切るんだから、何か素晴らしい砲兵システムがあるんだろう。
「とは言え、西側支援に関して弾薬供給が中心的な課題であることに変わりはない。」(同上)
なーんだ・・・。
が、同氏のインタビュー記事で特記すべきは、やはり動員だろう。
「私が見る限り(動員が必要な理由は)死傷者数が原因だ。」
「人口動態に対する動員の影響も懸念事項の1つ」
「軍事的持続性と経済的持続性とのバランスに注意を払わなければならない。」(一部文言修正)
まあ、それは正論なんだが、真の原因はそこじゃない気もする。
ロシアでもそうなんだが、予備役の大量動員は政治的リスクが高い。
通常の徴兵やリクルートで調達した兵士だけで賄っている分には、戦闘の継続には世間は無関心だが、予備役を動員したとたんに、政治問題化する。
ウクライナの政権と軍部との対立の原因は、戦略上の齟齬と動員問題だからな。
ズバリ、政治的リスクを取りたくないゼレンスキー政権は、大規な追加の動員をせずに戦闘を継続したがっているわけだ。
その、無茶な要求を呑んでくれる軍部に総入れ替えしたいわけで、支援国からみれば呆れかえった話なわけだ。
米国が、ザルジニーの解任に距離を置きたがっているのは、表向きは主権侵害に当たらないようにするというもっともらしい話になっているが、誰がどう見たって、この時期に総司令官と参謀総長を入れ替えようなどという無茶な人事に関わりたくないというのが本音なのではないか。
まあ、どうでもいいんですが。
要するに、ウクライナは戦闘継続に必要な動員をかける気がないということなわけだ。
「なぜ、そこまで楽観的なのか?」(独RNDのインタビュー)
「私はウクライナ軍が出来ることに、我々の支援に、ウクライナを支えるパートナーの団結に自信を持っているから楽観的なのだ。」(フロイディング少将)
根拠なき自信だな・・・。
「長期的に見ると大統領府と軍部の対立は国防努力に資するものではないだろう。」(同上)
これって、ウクライナのことだけを言っているのか、暗にドイツ自身のことを踏まえているのか、実に絶妙な気がする。
ドイツ軍も、将官クラスになると、いろいろ気を使って発言するからな。
ドイツは、ウクライナ支援で、当初はヘルメットしか送らなかった。
それが、今や、米国を抜いて、世界最大の軍事支援国になっている(米国は止まっちまったからな)。
その間に、政権と軍部との間では、相当の確執があったに違いない。
ドイツはまた、ロシアとの直接対決も踏まえて、日夜検討を続けている。
「防衛のため強い力を発揮してきたウクライナの団結が維持されることを望んでいるが、この手の話し合いは民主主義の特徴的な部分でもある。」(同上)
ゼレンスキーの解任に対するフロイディング少将の発言は、この間のドイツの問題を踏まえて読むと、一層趣が深まる気がする。
「果たしてウクライナ軍は2025年以降の戦いを担保する「弾薬」と「兵士」を確保できるだろうか?」(ブログ管理人)
いやいや、問題は来年以降の話じゃないだろう。
前線崩壊のリスクを考えれば、今、たった今の話のはずだ。
前線の忖度と最高司令部の事なかれ主義で、まともな情報が上がらず、状況が改善されないまま、ウクライナ軍は自壊に向かってひた走っている。
この記事で、浮沈子的関心を引いたのは以下のくだりだ。
「傍から見ると前線位置が停止しているように見えるかもしれない。これは双方が集中的な作戦を実施している結果で、歩兵、戦車、無人機、大砲を使用した戦いが、場合によっては1m単位の争いが繰り広げられていることを忘れてはならない。」(同上)
ザルジニーは否定していたが、ウクライナ軍は、消耗戦にどっぷりと漬かっている。
消耗の度合いは非対称かも知れないが、それでもウクライナに受け入れ可能とは言えないだろう。
軍人さんは、そこのところもちゃんと見ている。
「ウクライナは確実にもっと多くの兵士を動員しなければならないだろう。」(同上)
追加の大量動員を掛けない限り、ウクライナが戦闘を継続できなくなる時は、刻一刻と近づいてきている。
数年先でも、数か月先でもない。
数週間とか、数日の話かもしれない。
その切迫感は、とても感じられない。
嘘の報告は、今日も前線から上がっているだろう。
希望的観測に満ちた誤った情勢判断が、事なかれ主義の土壌に蔓延っている。
そのことに警鐘を鳴らし続けた総司令官は解任され、幕僚と共に葬り去られる。
そういえば、昨年11月にエコノミスト誌にザルジニーが投稿した後、彼の幕僚の一人が爆殺されたことを思い出すな。
ウクライナ政治の闇は深い・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナでの戦争、2024年にどうなる 軍事専門家3人の見通し)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-67848814
「2023年12月31日」(記事の日付)
「ウクライナ国土の約18%はいまだにロシアの支配下にある。」
ロシア支配地域は、ウクライナ領土の2割で膠着状態という認識は、昨年春以降変わっていないと思っていた。
(ウクライナ侵攻1年 マップで振り返るロシアの支配面積 全土の2割下回る)
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00003410W3A200C2000000/
「2023年2月17日」(記事の日付)
「ロシア軍の支配・侵攻エリアの割合は最大でウクライナ全土の4分の1を超えた。割合が最大だったのは2022年3月24日の約27%で、ロシア軍が首都キーウに迫っていた時期だ。」
「その後、ウクライナ軍の反撃でロシア軍はキーウ近郊から撤退し、東部に戦力を集中した。」
「夏場にかけて支配・侵略エリアは約20%で膠着状態となった。」
「22年9月以降はウクライナ軍が徐々に奪回し、ロシア軍の支配・侵攻エリアは約18%となっている。」
ほぼ1年間、ロシアの占領地域の割合は変わらなかった。
反転攻勢が不発に終わったこともあるが、ロシアの反撃も大幅な占領地の獲得を果たせず、ちまちまとした陣地戦に終始している。
と、ついさっきまで思ってたんだが、とんでもない数字がいきなり出てきた。
(ウクライナ退役軍人相 事実上更迭か 高官刷新で戦況改善ねらい)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240206/k10014349501000.html
「領土の26%がロシアの支配下に置かれている」(ゼレンスキー大統領)
何かの間違いじゃないかと思って、いろいろほかの情報源を当った。
(ロシアはウクライナ領土の26%を掌握=ゼレンスキー氏)
https://www.ukrinform.net/rubric-polytics/3822920-russia-holding-26-of-ukraines-territory-zelensky.html
「ウクリンフォルム通信によると、国土の約26%は依然としてロシアの占領下にあるが、ロシアが大きな前進を進めることができないことは誰の目にも明らかだ、と大統領はイタリアのRAIに語った。」
いきなり8%も増加するはずはない。
日経のまとめ記事にあるように、最大で27パーセントで、ハルキウやヘルソンがロシア支配下にあった時の話だ(ロシアが進軍した面積ということになると、もっと多い)。
これは、何かの間違いだ。
出所がイタリアの報道だからな(イタリア人は、走ってから考える?)。
どこかで、訂正が入るだろうが、N社は記事を流す際に「おかしい」と思わなかったんだろうか?(RAIがそう報じたというのは「事実」だからいいのかあ?)。
まあいい。
(ロシア軍が成功を収める東部戦線、ウクライナ軍は各戦線で後退が続く)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-army-succeeds-on-eastern-front-ukrainian-army-continues-to-retreat-on-all-fronts/
「侵攻から713日が経過、リマン方面のロシア軍はテルニーまで1.5kmの位置に到達、バフムート方面ではイワニフスキーがピンチで、アウディーイウカ方面では本格的な市街戦が始まり、ドネツク西郊外方面ではノボミハイリフカ周辺の状況が悪化している。」
ロシアの優勢は続いているが、前進は爪に火を点す様なペースだ。
一夜にして、8パーセントも押し込まれる話ではない。
が、言霊ということもあるからな。
追加の動員がままならず、武器弾薬も不足して、前線が破られることがあればロシア軍は一気に押してくるだろう。
それでも、1か月余りで8パーセントの領土を掠め取ることは困難だ。
それこそ、防御陣地の構築が追い付かないし、兵站にも支障が出る。
2年前の侵攻当初の二の舞を演じることになりかねない。
ウクライナは、砲弾が不足して兵士が疲れているとはいえ、当時とはレベルの違う軍備を整えている。
戦車にロケット砲、ドローン部隊に電子戦システム。
ハイテク軍隊になっている。
そう簡単に敗走することはない(たぶん)。
効果のほどは未確認としても、防御戦に不可欠な陣地(要塞?)の構築にも取り組んでいる。
ロシア軍は、自軍のペースを着実に維持しながら、勝利の方程式である「破壊と領域支配」を続けるだろう。
ひょっとすると、年内には8パーセント程度は支配地域を増やすことになるかも知れない。
ウクライナが、追加の大規模動員をかけ、西側の支援が継続すればの話だ。
が、しかし、ウクライナ政府は追加の動員より、人事の刷新に熱心なようだ。
「ウクライナで退役軍人の待遇などを管轄するラプチナ退役軍人相は5日、議会にあたる最高会議に辞表を提出しました。」(NHKの記事:以下同じ)
「事実上の更迭だと見られています。」
「軍のザルジニー総司令官を含む複数の政府高官を交代させる可能性に言及」
「ウクライナの地元メディアは、大統領がシャプタラ参謀総長の交代も検討していると伝えています。」
頭だけ挿げ替えても、物事は改善しない。
8パーセントどころか、年内に80パーセントくらいは失いかねない(そんなあ!)。
頭は頭でも、頭を切り替えて大規模動員を断行し、戦闘継続の基盤を確立することが急務だ。
ザルジニーとそりが合わなければ、交代させても構わないとは思うけど、米国からの支援は何としてでも取り付けなければならない。
欧州に弾薬はないからな。
ロシアとの直接対決に向けて、既に備蓄モードに入っている(金はあっても弾はない・・・)。
5倍の砲弾をぶち込んでくるロシア軍に、ほとんど徒手空拳で挑まなければならない(そうなのかあ?)。
国内での弾薬の製造を加速して、FPVドローンを増産し、何とか食い止めていかないとな。
来年、トランプ政権が誕生するようなことになれば、万事休すだ。
欧州は、ウクライナどころではなくなる。
ロシアとの緊張が高まる中、NATOからの米国の離脱は、死活問題だからな。
トランプ政権は、ロシアに欧州侵略を思い止まらせることと引き換えに、ウクライナを差し出しかねない。
得意のディールだ。
欧州に平和が訪れ、ノーベル平和賞だって見えてくるかもしれない(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナの戦況地図は、米国の戦争研究所が更新している。
(インタラクティブマップ: ロシアのウクライナ侵攻)
https://storymaps.arcgis.com/stories/36a7f6a6f5a9448496de641cf64bd375
これを見ても、ロシア軍の大規模な進軍は確認できない。
訂正記事が出るのを待つとするか・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(地上戦膠着、領土26%占領 ゼレンスキー氏)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/307591
「現時点でウクライナの領土26%がロシアの占領下にある」
やれやれ・・・。
東京新聞は、標題にまで26パーセントを謳っている。
まあいい。
この記事で、浮沈子が注目したのはゼレンスキーの認識だ。
「ロシアがウクライナ以外の国に侵攻する可能性があると指摘」
まあ、これは想定の範囲内だったが、次はぶっ飛んだ。
「NATOが即応するという保証はない。欧州の軍隊は戦争の準備ができていない」
浮沈子と同じ見解だな。
だからこそ、ウクライナに対する支援が先細りになってきているわけだ。
直接対決の準備に、ウクライナ支援は障害になる。
支援が止まるだけでは済まないかもしれない。
供与した兵器を返せと言い出しかねないからな(そうなのかあ?)。
ああ、でも、どこにあるかは分からない。
ちゃんと管理されていないしな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍はアウディーイウカ市内の線路を越え、ウクライナ軍は何もかもが不足)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-cross-the-railroad-tracks-in-audiiivka-city-ukrainian-army-is-lacking-everything/
「国はアウディーイウカを防衛するのに必要な十分な資金も準備された物資もないため、ここで戦う英雄達は不足分を自身の血で支払っている」(ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)
ちょっと、心が苦しくなるような記事で、読むに堪えない。
1000kmに渡る戦線のどこでも、同じ状況が続いているんだろう(未確認)。
早期警戒機A50や、ミサイル艦などの高価値目標をピンポイントで叩いたところで、「破壊と領域支配」を勝ち取ることはできない。
この記事で気になったのは、やはり、前線の状況が正確に上層部に上げられていないのでないかという懸念だ。
「軍当局者の発表にも関わらず街の状況は悪化の一途を辿っている。」(ウクライナ人が運営するDEEP STATE)
もちろん、大本営発表は、戦意喪失を避けるために、情報操作を行うだろうが、それだけが理由かどうかは分からない。
他にも、心配な記述はある。
「我が軍はどの方向にも戦略的な防衛線を構築できていない。コンクリート製の構造物もなければ計画的に掘られた塹壕もない。最低でも無人機の偵察から身を隠せて、120mm迫撃砲や122mm榴弾砲の攻撃から兵士を守れるような強化された塹壕がない。だから敵はどの方向でも素早く陣地を崩して前進してくるのだ」(ブトゥソフ氏)
「誰も戦略的な防衛線を掘っていない。戦略的な決定もない。資源の配分もない。もちろん前線への補充や動員もない。ウクライナ軍の最高指揮官であるゼレンスキー大統領は憲法と動員法の下で責任を負っているにも関わらず何もやっていない。」(同上)
ゼレンスキーは、昨年、既に防衛線(要塞化)の拡充を指示している。
が、それはアウディーイウカのような最前線を守るものでは決してなく、後退した後の更なる侵略を防ぐためのものなわけだ。
『小銃を持てる者は全員アウディーイウカを守るのに必要だと言われた』『通りまでの道路を守れと命じられ殆どが戦死した』(捕虜になった修理中隊の兵士:敵の尋問に)
「修理中隊の高齢者が塹壕で死闘を強いられている」
高齢者か・・・。
アウディーイウカの陥落は時間の問題だ。
文字通りな(「月」とか「週」とか「日」ではなく、「時間」の問題だ)。
もちろん、それですべてが終わるわけではない。
「ポクロウシク、ミルノフラド、クラホヴェが最前線の街になる」
「戦闘に有利な地形まで後退することを強いられ、その過程で多くの土地を失う」
これまでもウクライナ指導部は、長距離砲、戦車、戦闘機などの西側の支援を得るために、前線の兵士を犠牲にしてきた。
支援が遅れれば、彼らが死ぬことになると平気で言い放ってきた(そうなのかあ?)。
米国議会は、混迷に陥り、予算を人質に取られたバイデン政権は支援を継続することが出来ずにいる。
状況は以前とは異なる。
前線の兵士の血で、支援を贖うことはできない。
予備戦力は、後退した後の防衛線を守るために、温存しておかなければならないからな。
陥落すると分かっているアウディーイウカに投入することは、「得策」ではないのだ。
やれやれ・・・。
戦争とは、いかに効率的に兵隊を殺すかという側面がある。
そう言ってしまえば身も蓋もないけど、それは現実だ。
ロシアは、決して上手とは言えないが、その戦闘ドクトリンを支える体制を構築している。
前線からいくら悲鳴を上げてみたところで、アウディーイウカに援軍は来ない。
「全ては司令部の戦略的決断にかかっている」
その決断は、既に下されている・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(アウディーイウカの戦い、兵站ルート遮断まであと1kmの位置にロシア軍が前進)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiiuka-russian-troops-advance-1km-away-from-cutting-off-logistics-route/
「線路を越えたロシア軍が街のモニュメントに向かおうとしている」(ウクライナ人が運営するDEEP STATE)
「ここを奪われると市内のウクライナ軍は兵站ルートを失い、街からの撤退もままならなくなる。」(ブログ管理人)
「個人的には「ウクライナ軍がアウディーイウカから撤退を始めても不思議ではない」と思ってるが、果たしてウクライナ軍はどこまで粘るのだろうか?」
戦争に人的損耗は不可避だ。
マリンカを奪われた時、ザルジニーは「残念ながら、戦争とはそういうものだ」と述懐したが、ここでも同じことが繰り返されようとしている。
援軍は来ない。
弾薬の供給も断たれる。
兵士は、なんのために戦っているか分かっている。
祖国を守るとはそういうことだ。
自らの存在、血や肉や骨と繋がっている土地、家、家族・・・。
自衛のために命を捧げることを厭わない。
攻めてくるロシア兵も同じことを考えているに違いない。
いや、そう教え込まれている。
これは、祖国を守るための正当な戦いであって、理不尽で一方的な侵略ではないのだと。
べらぼうめ・・・。
1mの前進のために、数限りない命が消える。
この戦いに意味などない。
「交戦地域からモニュメント付近までの直線距離は約1km(もっと刺激的な前線位置を引く観測者もいる)で、どれだけ街の南部でロシア軍の前進を食い止めてもモニュメント付近を奪われると兵站ルートを失い、街からの撤退もままならなくなる」
アウディーイウカの戦略的価値がどれ程かは知らない。
昨年秋にロシアが攻撃を激化させた理由も定かではない(近隣のロシア側の州都ドネツクに対する砲撃を緩和するためという話もあった)。
東部でのロシアの支配地域を拡大するためには、ここを破らなければならないことは確かだ。
ウクライナとしては、防御戦の初戦として、死守する価値があると見ていたのかもしれない。
それも、間もなく終わる。
終わりにしなければならない。
もはや、この戦いに意味はない・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(バイデン米大統領、トランプ氏を非難-国境対策法案の前進絶望的で)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-07/S8GNBHT0G1KW00
「この重要な局面でウクライナを支援できなければ決して忘れ去られることはないだろう」(バイデン大統領)
「ウクライナは追加軍事支援を受けられず、「窮地に陥る」」
「この法案への支持はロシアのプーチン大統領に立ち向かうことを意味する一方、法案への反対は「彼の思うつぼだ」と語った。」
ホワイトハウスでの演説だそうだが、もちろん、大統領選挙を意識している。
政治の季節だからな。
だが、バイデンは重要な点を見落としている。
いや、見て見ない振りをしている。
何か月も掛けて上院で練り上げた法案が、トランプの一言でひっくり返るハズなどない。
その法案とやらが、元々杜撰で、でっち上げで、実現(可決)不可能で、政治的妥協の産物に過ぎず、法案をまとめたということ以外の意味がないクズだったということだ(そうなのかあ?)。
さらに、そうなってしまった真の原因が、米国自体の深部に存在することにも目を瞑っている。
米国民の関心は、もはやウクライナにはなく、窮地に陥ろうが、プーチンを喜ばせようが、知ったことではないということだ(そんなあ!)。
ぶっちゃけ、米国民の間では、ウクライナ支援は既にオワコンなわけだ。
そんな話を持ち出して、トランプに責任を擦り付けようということ自体が、政権末期の様相を呈している。
危ないな・・・。
米国政府の関心自体がウクライナ支援から離れていることも間違いない。
ここ数か月、米国の高官がキエフを訪れていないことは間違いない。
今だって、バーンズが取り組んでいるのはガザの人質解放だし、ブリンケンが駆けずり回っているのも同じだ。
バイデン政権にとっても、ウクライナ支援はオワコンなのかもしれない(そうなのかあ?)。
少なくとも、二の次なことは確かだ。
その責任を、政敵に擦り付けようとしているように見える。
下手な戦術だが、再選自体に赤信号が灯っているからな。
使えるネタは何でも使う(そういうことかあ?)。
が、振り回されるウクライナは悲惨だ。
バイデンの現状認識は正しい。
ウクライナは、米国からの追加軍事支援を受けられずに窮地に陥っている。
それは、プーチンの思うつぼだし、「この重要な局面でウクライナを支援できなければ決して忘れ去られることはないだろう」(再掲)
だが、それはトランプのせいじゃない。
米国の変容、政権の見通しの甘さ、対応の遅れが真の原因だ。
バーンズは、昨年6月にウクライナを訪問した際にも、そのことを認識していたからな。
年末頃から米国の支援は不安定になると警告もしている。
反転攻勢の失敗、ガザのテロ事件、米国における政治の季節の本格化は、ウクライナにとって三重苦だ。
ウクライナは、実質的に欧州マターになっている。
そもそもが地域紛争なわけだし、自由主義とか民主主義とか言い出して、怪しげな対立軸を考え出さなければ、米国が関与する話じゃない。
1991年のウクライナ独立の際に、核兵器撤収に関連して、どんな密約があったかは知らないが、ふつーに考えれば、単なる地域紛争で終わる話だ。
支援が途絶えると言うと、何か大騒ぎな気がするけど、本来の状況に戻っただけとも言える。
ウクライナの支援は、欧州が対応すべき事案だ。
米国じゃない・・・。
が、大っぴらにそんなことは言えない。
議会が追加支援で合意に達せず、揉めている間にウクライナが降伏してくれれば、現政権にとっては最高の展開と言える。
全てを欧州と政敵のせいにして、後顧の憂いなく選挙戦に臨める・・・。
おっと、ガザ問題を忘れるところだった。
こっちは、選挙絡みで頭が痛いな。
だからこそ、政権の総力を挙げて人質問題を解決し、休戦に持ち込もうとしている。
米国民の関心も高く、選挙への影響は避けられないからな。
まあ、どうでもいいんですが。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(アウジーイウカが陥落の瀬戸際に ウクライナ東部要衝、ロシア軍が突破口)
https://forbesjapan.com/articles/detail/69024/page2
「ロシア軍部隊がアウジーイウカ北部に新たに築いた陣地に張り付くことができれば、ロシア側は西から市内に伸びる守備隊の補給線を脅かすことができる。」
「4日時点で、ロシア軍部隊のいる場所は主要道路から数百メートルしか離れていないと指摘」(ウクライナのジャーナリスト、アンドリー・ツァプリエンコ)
「ロシア兵が携行している武器でトラックを十分攻撃できる距離」
「アウジーイウカは陥落するかもしれない。9カ月前のドネツク州バフムートに続いて、ロシアがウクライナで占領した新たな都市になるかもしれない。」(フォーブス記者)
状況が切迫していることは間違いない(記事は2月4日時点:4日前)。
「そうなった場合、責任の大半はウクライナから弾薬を奪った共和党議員たちにある。」
弾薬が供給されないこと、兵力の増強が不十分なことの直接的な責任はウクライナ軍の司令部にある。
支援が阻止されているとしても、それが原因とは言えない。
が、誰かに責任を押し付けたい気持ちも分かる気はする。
しかし、米国の国家議員は米国民に対する責任を負っているだけだ。
そして、その責任を果たすために最大限の努力をしている。
ウクライナは、米国の51番目の州じゃない。
バイデン大統領には、米国の手持ちの弾薬を44億ドル分拠出する権限が残っているが、それを補充する予算は10億ドルしか認められていない。
自国の在庫を払底させて支援する気になれば、出来ない話ではないのだ。
もちろん、バイデン政権がそういう決断をすることはない。
国家は国益で動く。
ゼレンスキーは、以前、ウクライナを支援するかどうかは米国の判断だと言った。
ウクライナが敗れてNATOが侵略されれば、米国民が戦場で死ぬことになるとまで言って脅していた。
米国は、結果的に(現政権の意向に関わらず)、ウクライナへの支援を打ち切り、しかも、近い将来NATOから離脱する選択をするかも知れない。
米国の選択の結果、米国民はただの一人も死ぬことはなくなる。
それは、自由で民主的な国家の選択だ。
米国の未来を決めるのは米国人だからな。
ウクライナは、それを受け入れるしかない。
アウディーイウカの状況は、そのことを明確にしている。
重層的な判断の帰結だから、実際はそう簡単じゃないだろうけど。
自分で書いていて、嫌気がさしてくる話だ。
ウクライナが降伏する日には、もっと落ち込むだろうな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
先日記事にした「領土の26%がロシアの支配下に置かれている」(ゼレンスキー大統領)問題で、コメントを戴いた。
「ASCH ― 2024年02月08日 12:06
はじめてコメントさせていただきます。いつも興味深く拝見してさせていただいております。
「さらに追加」で書いていらっしゃるロシアの占領面積の割合の件について、ちょっと気になることがありました。
日本経済新聞の「ウクライナ侵攻1年 マップで振り返るロシアの支配面積」の最後に「米戦争研究所の地図データをもとに面積を計算」という記載があります。戦争研究所の地図を確認したところ、メルカトル図法で書かれているようです。ご存知のとおりメルカトル図法では面積を正確に表現できません。よって地図から単純に面積比を計算すると正しい値になりません。日本経済新聞ですから、さすがにその点は考慮の上で計算していると思いたいところです。しかしご指摘のとおり他のメディアが一貫して26%と報じていることから、日本経済新聞の計算が間違っている可能性も否定はできないと思います。」
ご指摘いただき、ありがとうございます。
浮沈子は不勉強なので、メルカトル図法の面積比較や、修正方法については知らない。
で、足し算と割り算で計算できる方法で、確認を試みた。
「ウクライナ全土:603,700(平方キロメートル:面積単位:以下同じ)
クリミア:26200
ドネツク:26,517
ルハンシク:26,684
ザポリージャ:27,180
ヘルソン:28,461
小計:135,042(22.37パーセント)
ハルキウ:31,415
小計:166,457(27.57パーセント)
以下出典。
(ウクライナ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A
(クリミア自治共和国)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%82%A2%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD
(ドネツィク州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%AF%E5%B7%9E
(ルハーンシク州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%AF%E5%B7%9E
(ザポリージャ州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E5%B7%9E
(ヘルソン州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%B7%9E
(ハルキウ州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%A6%E5%B7%9E」
クリミアとルハンシク州のほぼ全域はロシア支配化だが、その他3州(ドネツク、ザポリージャ、ハルキウ)は、一部しか占領下にない。
ハルキウ州は、東部が部分的に占領されているけど、その割合はごくわずかだ。
ハルキウ州を除く全域がロシア支配下にあったとしても、その割合は22.37パーセントにすぎない。
26パーセントが支配下というのは、どう考えてもおかしい。
ちなみに、ハルキウ州全域も支配下になったとすると、27.57パーセントに達する(その可能性もないとは言えないけどな)。
誤差8パーセントというのは、48,296平方キロメートルに相当し、ハルキウ州全体(31,415平方キロメートル)よりも広い面積になる。
ありえねー・・・。
訂正記事にはお目にかかっていないが、誤報として捉えておくのが一番な気がする。
(「主導権は完全に露軍に移った」プーチン氏、ウクライナに降伏要求 「戦勝」へ自信深める)
https://www.sankei.com/article/20240205-P6NE46NBKVPZFFG3WWLBKUPQDQ/
「彼らが交渉したくないならそれでいい。だが、ウクライナ軍の反攻は失敗し、主導権は完全に露軍に移った」(ロシアのプーチン大統領)
「このままではウクライナは取り返しのつかない深刻な打撃を受けるだろうが、それは彼らの責任だ」(同上)
「戦利品をロシアに放棄させようとする試みは不可能だ」(同上)
「紛争をできるだけ早く終わらせることを望んでいるが、それはロシアの条件に従う限りでだ」(同上)
つまり、ロシア側が戦勝(軍事的な勝利)を望んでいるわけではなく、降伏しなければそうなるというわけだな(ホントかあ?)。
「侵攻当初からロシアの目標は「変わっていない」とし、具体的にはウクライナの親欧米派勢力の排除を意味する「非ナチス化」や、北大西洋条約機構(NATO)加盟断念を指す「非軍事化」「中立化」だと説明。停戦にはウクライナがこれらの要求に応じることが必要」
「ロシアが望むような「戦勝」を得られるかは未知数」
「ウクライナ軍は現在、攻撃から防御に転じ、陣地を守りつつ露軍の損害を拡大させる戦術に移行している。軍事専門家の間では、双方とも相当期間は勝敗を決することができず、戦局は全体的に膠着状態が続くとの見方が強い。」
プーチンは、軍事的圧力をかけ続ければ、いずれウクライナが折れると思っているんだろう。
「ウクライナは早期に降伏すべきだとの考え」
ロシアだって、多大の犠牲を払っているわけで、早期決着は悪い話ではない。
ウクライナは、そんな気は毛頭ないからな。
行くところまで行くしかない。
軍事専門家とやらは、ウクライナの反転攻勢の失敗を予見できなかった。
当てにはならない。
確かに、ロシアの攻勢を良く防いでいる。
砲弾は数分の1で、兵員の交代もない。
しかし、そんな状況がいつまでも続くわけではない。
戦線は辛うじて持ち堪えているが、明日崩壊してもおかしくはない。
ロシア軍の損失は確かに大きいが、それを許容する体制を確立している。
おそらく、あと数年間は、この体制で戦闘を継続するだろう。
追加の大規模な動員も、大統領選挙の後で行われるかもしれないしな。
ロシアが見据えているのは、欧州だ。
もちろん、その背後にいる米国が直接のターゲットだが、その影響は小さくなりつつある。
ウクライナとの戦争は、ロシアにとっては徐々に変容してきている。
西側の支援が増加することは、ロシアにとって脅威ではなくなってきており、むしろ、支援にリソースを割かれることで、西側の戦力を削ぐ効果に変わっている。
今後、ロシアの攻撃の強度が変化し始めたら要注意だな。
攻勢が強まるよりも、弱くなった時が危ない。
ウクライナとの戦争における勝利は、ロシアにとっては既に折り込み済みということになる。
それは、欧州との直接対決に向けたツールの一つだ。
ウクライナに、再度の反転攻勢を掛けさせるかもしれないしな。
そのためには、西側のさらなる支援が必要になる。
待ってました・・・。
ロシアは、喜んで防御戦に転じ、陣地を守りつつウクライナ軍の損害を拡大させる戦術に移行するだろう。
米国が、どこまで支援を続けられるかは分からない。
直接侵攻されるリスクは、アラスカを除いては、まずないからな。
欧州への侵攻で、実際に米軍を派遣するかどうかも怪しい。
ロシアの欧州侵攻で、NATOは踏み絵を踏まされることになる。
集団的自衛権をどこまで行使するのか。
ウクライナに対する経済的な支援の様相を見れば、浮沈子的にはかなり怪しい気がしている。
ウクライナのように、自軍の損耗を顧みずに、外部からの支援頼みで戦うわけにはいかないからな。
欧州には、誰も支援などしてくれない。
2027年は危ない。
台湾有事、朝鮮半島有事と重なり、米国は身動きが取れなくなる。
同時多発地域紛争は不可避だ。
中東情勢が、そこまで尾を引くかどうかは知らない。
イスラエルが、どこで作戦終了の判断をするかに掛かっている。
プーチンは、タイミングを見計らっているのだろう。
ロシアが手放しで楽観的でないことは確かだが、それが戦略に影響を与えることはない(専制国家だしな)。
自信を深め、じっくりと準備を進め、最適なタイミングに合わせて攻めてくる。
欧州は、おそらく準備が整う前に初動の対応を迫られることになるだろう。
それが、バルト3国かどうかも分からない。
フィンランドか、あるいは虚を突いて、モルドバやルーマニア辺りかも知れない。
3年後の状況は分からないけど、ウクライナ南部が制圧されていれば、その可能性も出てくるだろうしな。
くさびを打ち込まれたNATOが、どう反応するのか。
米国の次期政権の対応次第では、その時期が2027年より早まることも考えられる。
確認しておこう。
ウクライナ紛争を長期の防御戦に持ち込むことは、欧州にとって必ずしも賢明とは言えない。
プーチンが早期の戦勝を望んでいるのかどうかについても、慎重に判断する必要がある。
既に、ロシアの軍需生産力は、ウクライナ戦争を継続する以上のレベルに達している(たぶん)。
黙っていても、欧州侵攻の準備は進む。
そのタイミングを決めるのは、プーチンだ。
浮沈子的には、欧州がイニシャチブを取る秘策がないではない(ホントかあ?)。
どーせ、ロシアとドンパチやる羽目になるなら、先制攻撃を掛けるのがよろしい(そうなのかあ?)。
ターゲットはただ一つ。
バルト海に面したカリーニングラードだな。
核爆弾の2、3発もお見舞いしておけば十分だろう(そんなあ!)。
ここを叩いておけば、東欧諸国はともかく、英仏独などは弾道ミサイルの直撃を免れる。
ベラルーシ辺りも狙いどころかも知れない。
やるなら、早い方がいい。
少なくとも今なら、ロシアは有効な反撃が出来ないし、大統領選挙に与える影響も甚大だからな。
プーチン再選は動かないだろうが、ロシア国民には動揺が走るだろう。
ウクライナ紛争に深入りしたツケが回ってきたということになる。
まあ、どうでもいいんですが。
また、今なら米国のNATOへの支援も十分に可能だ。
中東紛争をさっさと切り上げて、ロシアを叩くのがよろしい。
もたもたして来年になったら、先制攻撃は掛けられなくなる公算が高い。
弱腰な外交姿勢でポイントを下げているバイデン政権にとっても、ロシアへの先制攻撃を主導すれば、自身の再選にもつながるからな(そうなのかあ?)。
浮沈子は、妄想の世界に憑りつかれている。
しかし、ウクライナ紛争が、コップの中の嵐に留まるということこそ、西側が描いている妄想ではないのか。
当初、ロシアが経済制裁で崩壊するという妄想もあったが、んなもんはとっくに消えた。
コップの中の嵐に留まらない兆候は、既にウクライナによるロシア本土の攻撃の激化で明らかになっている。
米国は責任を果たすことが出来ずに暗礁に乗り上げ、欧州にはもとよりその能力はない。
西側の描いていたストーリーは、ことごとく消えた。
ウクライナにおける戦線の膠着は、背後の大きな動きを見えなくしている。
それが表層に躍り出てきた時に、慌てて対応しなければならない事態は避けるべきだろう。
先制核攻撃が、最良の対応かどうかは別としてもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(アウディーイウカは危機的状況、北東市内に侵入したロシア軍が足場を築く)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/audi-iuka-is-in-a-critical-situation-as-russian-troops-invade-the-northeastern-city-and-establish-a-foothold/
「一般レベルの報告にも嘘が混じっている。自分たちが安心したい、悪い知らせで上層部を刺激したくないという願望は非常に有害で、最高司令部も批判的な情報ではなく「肯定的な情報」のみを聞きたがっている。だから状況の危機的な変化に対応出来ていないのだ」(ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)
負けが込んできた時に、ありがちな対応だな。
そして、対応の遅れは、さらに状況を悪化させることになる。
「増援を送り込む敵と我々の間には大きな戦力差が生じている」「敵は常に人的損失を補充して定期的なローテーションも実施している」「一方のウクライナ軍は予備戦力が不足しているため兵士に休息を与えることが出来ない」(同上)
「第110機械化旅団などの部隊は数倍の兵力をもつ敵と戦っており、ロシア軍は常に新鮮な歩兵を投入し続けている。2年近くアウディーイウカで戦い続けた第110機械化旅団は完全に疲弊し切っているのに街を守り続けている。この英雄的な部隊には新鮮な予備兵力とローテーション(休息)が必要だ。さらに弾薬や物資も極端に不足し、この分野でのロシア軍は大きな優位性をもっている」(同上)
「前進には代償が伴うため敵は大きな損害を被っているが、ロシア軍司令部はウクライナ軍司令部よりも素早く予備戦力を移送し続けている」(同上)
ザルジニーは、ロシア軍を見誤ったと正直に告白した。
敵に損害を与えることは、戦争を遂行する上で何の意味もないことを知ったわけだ。
破壊と領域支配のみが、勝敗を決する。
自分たちが戦っている相手の本質を知った時、彼が感じたであろう戦慄を、ブトゥソフ氏も感じているのかもしれない。
アウディーイウカが落ちるのは時間の問題だが、同じことは次の防御線でも繰り返されていく。
前線の状況を改善するためには、大規模な追加動員と十分な武器弾薬だが、そのどれもが達成のめどすら立っていない。
アウディーイウカに投入された兵力は、次の防御線では投入不可能になるだろう。
その次には、さらに少なくなる・・・。
首都であるキエフは、人口も多く、市街戦になれば損害が莫大になることから、政権は首都を移転せざるを得なくなる。
西部のリビウ辺りかも知れないな。
そこで、どれだけ持ち堪えられるかは分からない。
(ジョンソン米下院議長、上院がウクライナ支援を可決しても下院で葬る)
https://grandfleet.info/us-related/u-s-house-of-representatives-speaker-johnson-dies-in-house-of-representatives-even-if-senate-passes-aid-to-ukraine/
「この法案(採決予定の上院案)は我々が予想していたものよりも悪く、バイデン大統領が引き起こした惨事を終わらせるには程遠く、この法案の下でメキシコ国境は決して閉じられない。仮に法案が下院に届いても廃案になるだろう」(ジョンソン下院議長)
浮沈子は、上院が法案を作成したと聞いた時、これで米国の支援が復活すると期待したが、そうはならなかった。
「因みにジョンソン下院議長は「イスラエル支援」と「メキシコ国境」の問題を切り離した別法案を検討している」
ウクライナ支援が人質状態であることは変わりない。
「ホワイトハウスは「ウクライナ支援」と「イスラエル支援」を切り離した法案を支持しないと反発」(一部修正)
「緊急予算1,182億ドル(ウクライナ支援600億ドル、イスラエル支援141億ドル、インド太平洋地域の同盟国支援20億ドル、メキシコ国境の警備に200億ドル以上を含む)」
バイデン政権は、イスラエル支援を人質にしているともいえるな。
イスラエルは、放っておいても勝手にドンパチやってるからいいとして(そうなのかあ?)、ウクライナは戦闘継続が危ぶまれている。
米国の混迷は、当分続くが、おそらくその間にアウディーイウカは落ちるだろう。
ロシア軍は、砲撃や爆撃で町を破壊し尽くし、がれきの山にした挙句、「解放」を宣言する。
ウクライナ軍は、郊外に新たな戦線を張るか、次の防御線に撤退して抗戦を続けることになるだろうが、そこでも兵士は同じで、砲弾は不足し、FPVドローンは足りない。
「敵は市内でドローン操縦者を標的にした狩りを本格的に始めた。どんな建物もアンテナも砲撃や滑空爆弾の攻撃に晒されており、ロシアは事実上「無差別爆撃」を行っている。」(初出のアウディーイウカの記事より:一部修正)
バフムトや、マリンカと同じだ。
ロシアには、自軍の有利さを最大限に発揮させる「勝利の方程式」が出来上がっている。
あとは、淡々とそれを繰り返して、ウクライナの西の国境を目指せばいいだけだ。
やれやれ・・・。
少なくとも今、時間はロシアに味方している。
ウクライナが長期戦に入るのは、そうせざるを得なくなったからで、積極的な選択によるものではない。
その態勢で、時間を味方に出来るかどうかは分からないのだ。
防御戦に失敗すれば、敗戦が待っているだけになる。
アウディーイウカが守れなくて、次の防御線が守れるという話はない。
ここで敗れれば、次でも敗れる。
その次も、さらにその次も・・・。
西側の支援無きウクライナは、単なるロシアの餌食だ。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(もっと多く兵士を動員しなければならないウクライナ、原因は死傷者数)
https://grandfleet.info/european-region/ukraine-must-mobilize-more-soldiers-cause-is-number-of-casualties/
「弾薬供給は重要な問題だが弾薬の数をロシアと比較して意味がない。」(ドイツ軍のクリスチャン・フロイディング少将)
「ウクライナ軍が使用する兵器システムの殆どはロシア製よりも正確で効率が高く、目的達成に必要な弾薬はロシア製よりも少なくて済む。」(同上)
うーん、程度問題って、あると思うんだがな。
5倍の弾薬量を埋め合わせる兵器システムって、何なのか。
市街地全体を瓦礫の山にする無差別砲撃に対抗する、長距離砲の精密照準システムってあるのか。
ミリオタではない浮沈子には皆目見当もつかないが、「意味がない」とまで言い切るんだから、何か素晴らしい砲兵システムがあるんだろう。
「とは言え、西側支援に関して弾薬供給が中心的な課題であることに変わりはない。」(同上)
なーんだ・・・。
が、同氏のインタビュー記事で特記すべきは、やはり動員だろう。
「私が見る限り(動員が必要な理由は)死傷者数が原因だ。」
「人口動態に対する動員の影響も懸念事項の1つ」
「軍事的持続性と経済的持続性とのバランスに注意を払わなければならない。」(一部文言修正)
まあ、それは正論なんだが、真の原因はそこじゃない気もする。
ロシアでもそうなんだが、予備役の大量動員は政治的リスクが高い。
通常の徴兵やリクルートで調達した兵士だけで賄っている分には、戦闘の継続には世間は無関心だが、予備役を動員したとたんに、政治問題化する。
ウクライナの政権と軍部との対立の原因は、戦略上の齟齬と動員問題だからな。
ズバリ、政治的リスクを取りたくないゼレンスキー政権は、大規な追加の動員をせずに戦闘を継続したがっているわけだ。
その、無茶な要求を呑んでくれる軍部に総入れ替えしたいわけで、支援国からみれば呆れかえった話なわけだ。
米国が、ザルジニーの解任に距離を置きたがっているのは、表向きは主権侵害に当たらないようにするというもっともらしい話になっているが、誰がどう見たって、この時期に総司令官と参謀総長を入れ替えようなどという無茶な人事に関わりたくないというのが本音なのではないか。
まあ、どうでもいいんですが。
要するに、ウクライナは戦闘継続に必要な動員をかける気がないということなわけだ。
「なぜ、そこまで楽観的なのか?」(独RNDのインタビュー)
「私はウクライナ軍が出来ることに、我々の支援に、ウクライナを支えるパートナーの団結に自信を持っているから楽観的なのだ。」(フロイディング少将)
根拠なき自信だな・・・。
「長期的に見ると大統領府と軍部の対立は国防努力に資するものではないだろう。」(同上)
これって、ウクライナのことだけを言っているのか、暗にドイツ自身のことを踏まえているのか、実に絶妙な気がする。
ドイツ軍も、将官クラスになると、いろいろ気を使って発言するからな。
ドイツは、ウクライナ支援で、当初はヘルメットしか送らなかった。
それが、今や、米国を抜いて、世界最大の軍事支援国になっている(米国は止まっちまったからな)。
その間に、政権と軍部との間では、相当の確執があったに違いない。
ドイツはまた、ロシアとの直接対決も踏まえて、日夜検討を続けている。
「防衛のため強い力を発揮してきたウクライナの団結が維持されることを望んでいるが、この手の話し合いは民主主義の特徴的な部分でもある。」(同上)
ゼレンスキーの解任に対するフロイディング少将の発言は、この間のドイツの問題を踏まえて読むと、一層趣が深まる気がする。
「果たしてウクライナ軍は2025年以降の戦いを担保する「弾薬」と「兵士」を確保できるだろうか?」(ブログ管理人)
いやいや、問題は来年以降の話じゃないだろう。
前線崩壊のリスクを考えれば、今、たった今の話のはずだ。
前線の忖度と最高司令部の事なかれ主義で、まともな情報が上がらず、状況が改善されないまま、ウクライナ軍は自壊に向かってひた走っている。
この記事で、浮沈子的関心を引いたのは以下のくだりだ。
「傍から見ると前線位置が停止しているように見えるかもしれない。これは双方が集中的な作戦を実施している結果で、歩兵、戦車、無人機、大砲を使用した戦いが、場合によっては1m単位の争いが繰り広げられていることを忘れてはならない。」(同上)
ザルジニーは否定していたが、ウクライナ軍は、消耗戦にどっぷりと漬かっている。
消耗の度合いは非対称かも知れないが、それでもウクライナに受け入れ可能とは言えないだろう。
軍人さんは、そこのところもちゃんと見ている。
「ウクライナは確実にもっと多くの兵士を動員しなければならないだろう。」(同上)
追加の大量動員を掛けない限り、ウクライナが戦闘を継続できなくなる時は、刻一刻と近づいてきている。
数年先でも、数か月先でもない。
数週間とか、数日の話かもしれない。
その切迫感は、とても感じられない。
嘘の報告は、今日も前線から上がっているだろう。
希望的観測に満ちた誤った情勢判断が、事なかれ主義の土壌に蔓延っている。
そのことに警鐘を鳴らし続けた総司令官は解任され、幕僚と共に葬り去られる。
そういえば、昨年11月にエコノミスト誌にザルジニーが投稿した後、彼の幕僚の一人が爆殺されたことを思い出すな。
ウクライナ政治の闇は深い・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナでの戦争、2024年にどうなる 軍事専門家3人の見通し)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-67848814
「2023年12月31日」(記事の日付)
「ウクライナ国土の約18%はいまだにロシアの支配下にある。」
ロシア支配地域は、ウクライナ領土の2割で膠着状態という認識は、昨年春以降変わっていないと思っていた。
(ウクライナ侵攻1年 マップで振り返るロシアの支配面積 全土の2割下回る)
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00003410W3A200C2000000/
「2023年2月17日」(記事の日付)
「ロシア軍の支配・侵攻エリアの割合は最大でウクライナ全土の4分の1を超えた。割合が最大だったのは2022年3月24日の約27%で、ロシア軍が首都キーウに迫っていた時期だ。」
「その後、ウクライナ軍の反撃でロシア軍はキーウ近郊から撤退し、東部に戦力を集中した。」
「夏場にかけて支配・侵略エリアは約20%で膠着状態となった。」
「22年9月以降はウクライナ軍が徐々に奪回し、ロシア軍の支配・侵攻エリアは約18%となっている。」
ほぼ1年間、ロシアの占領地域の割合は変わらなかった。
反転攻勢が不発に終わったこともあるが、ロシアの反撃も大幅な占領地の獲得を果たせず、ちまちまとした陣地戦に終始している。
と、ついさっきまで思ってたんだが、とんでもない数字がいきなり出てきた。
(ウクライナ退役軍人相 事実上更迭か 高官刷新で戦況改善ねらい)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240206/k10014349501000.html
「領土の26%がロシアの支配下に置かれている」(ゼレンスキー大統領)
何かの間違いじゃないかと思って、いろいろほかの情報源を当った。
(ロシアはウクライナ領土の26%を掌握=ゼレンスキー氏)
https://www.ukrinform.net/rubric-polytics/3822920-russia-holding-26-of-ukraines-territory-zelensky.html
「ウクリンフォルム通信によると、国土の約26%は依然としてロシアの占領下にあるが、ロシアが大きな前進を進めることができないことは誰の目にも明らかだ、と大統領はイタリアのRAIに語った。」
いきなり8%も増加するはずはない。
日経のまとめ記事にあるように、最大で27パーセントで、ハルキウやヘルソンがロシア支配下にあった時の話だ(ロシアが進軍した面積ということになると、もっと多い)。
これは、何かの間違いだ。
出所がイタリアの報道だからな(イタリア人は、走ってから考える?)。
どこかで、訂正が入るだろうが、N社は記事を流す際に「おかしい」と思わなかったんだろうか?(RAIがそう報じたというのは「事実」だからいいのかあ?)。
まあいい。
(ロシア軍が成功を収める東部戦線、ウクライナ軍は各戦線で後退が続く)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-army-succeeds-on-eastern-front-ukrainian-army-continues-to-retreat-on-all-fronts/
「侵攻から713日が経過、リマン方面のロシア軍はテルニーまで1.5kmの位置に到達、バフムート方面ではイワニフスキーがピンチで、アウディーイウカ方面では本格的な市街戦が始まり、ドネツク西郊外方面ではノボミハイリフカ周辺の状況が悪化している。」
ロシアの優勢は続いているが、前進は爪に火を点す様なペースだ。
一夜にして、8パーセントも押し込まれる話ではない。
が、言霊ということもあるからな。
追加の動員がままならず、武器弾薬も不足して、前線が破られることがあればロシア軍は一気に押してくるだろう。
それでも、1か月余りで8パーセントの領土を掠め取ることは困難だ。
それこそ、防御陣地の構築が追い付かないし、兵站にも支障が出る。
2年前の侵攻当初の二の舞を演じることになりかねない。
ウクライナは、砲弾が不足して兵士が疲れているとはいえ、当時とはレベルの違う軍備を整えている。
戦車にロケット砲、ドローン部隊に電子戦システム。
ハイテク軍隊になっている。
そう簡単に敗走することはない(たぶん)。
効果のほどは未確認としても、防御戦に不可欠な陣地(要塞?)の構築にも取り組んでいる。
ロシア軍は、自軍のペースを着実に維持しながら、勝利の方程式である「破壊と領域支配」を続けるだろう。
ひょっとすると、年内には8パーセント程度は支配地域を増やすことになるかも知れない。
ウクライナが、追加の大規模動員をかけ、西側の支援が継続すればの話だ。
が、しかし、ウクライナ政府は追加の動員より、人事の刷新に熱心なようだ。
「ウクライナで退役軍人の待遇などを管轄するラプチナ退役軍人相は5日、議会にあたる最高会議に辞表を提出しました。」(NHKの記事:以下同じ)
「事実上の更迭だと見られています。」
「軍のザルジニー総司令官を含む複数の政府高官を交代させる可能性に言及」
「ウクライナの地元メディアは、大統領がシャプタラ参謀総長の交代も検討していると伝えています。」
頭だけ挿げ替えても、物事は改善しない。
8パーセントどころか、年内に80パーセントくらいは失いかねない(そんなあ!)。
頭は頭でも、頭を切り替えて大規模動員を断行し、戦闘継続の基盤を確立することが急務だ。
ザルジニーとそりが合わなければ、交代させても構わないとは思うけど、米国からの支援は何としてでも取り付けなければならない。
欧州に弾薬はないからな。
ロシアとの直接対決に向けて、既に備蓄モードに入っている(金はあっても弾はない・・・)。
5倍の砲弾をぶち込んでくるロシア軍に、ほとんど徒手空拳で挑まなければならない(そうなのかあ?)。
国内での弾薬の製造を加速して、FPVドローンを増産し、何とか食い止めていかないとな。
来年、トランプ政権が誕生するようなことになれば、万事休すだ。
欧州は、ウクライナどころではなくなる。
ロシアとの緊張が高まる中、NATOからの米国の離脱は、死活問題だからな。
トランプ政権は、ロシアに欧州侵略を思い止まらせることと引き換えに、ウクライナを差し出しかねない。
得意のディールだ。
欧州に平和が訪れ、ノーベル平和賞だって見えてくるかもしれない(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナの戦況地図は、米国の戦争研究所が更新している。
(インタラクティブマップ: ロシアのウクライナ侵攻)
https://storymaps.arcgis.com/stories/36a7f6a6f5a9448496de641cf64bd375
これを見ても、ロシア軍の大規模な進軍は確認できない。
訂正記事が出るのを待つとするか・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(地上戦膠着、領土26%占領 ゼレンスキー氏)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/307591
「現時点でウクライナの領土26%がロシアの占領下にある」
やれやれ・・・。
東京新聞は、標題にまで26パーセントを謳っている。
まあいい。
この記事で、浮沈子が注目したのはゼレンスキーの認識だ。
「ロシアがウクライナ以外の国に侵攻する可能性があると指摘」
まあ、これは想定の範囲内だったが、次はぶっ飛んだ。
「NATOが即応するという保証はない。欧州の軍隊は戦争の準備ができていない」
浮沈子と同じ見解だな。
だからこそ、ウクライナに対する支援が先細りになってきているわけだ。
直接対決の準備に、ウクライナ支援は障害になる。
支援が止まるだけでは済まないかもしれない。
供与した兵器を返せと言い出しかねないからな(そうなのかあ?)。
ああ、でも、どこにあるかは分からない。
ちゃんと管理されていないしな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍はアウディーイウカ市内の線路を越え、ウクライナ軍は何もかもが不足)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-cross-the-railroad-tracks-in-audiiivka-city-ukrainian-army-is-lacking-everything/
「国はアウディーイウカを防衛するのに必要な十分な資金も準備された物資もないため、ここで戦う英雄達は不足分を自身の血で支払っている」(ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)
ちょっと、心が苦しくなるような記事で、読むに堪えない。
1000kmに渡る戦線のどこでも、同じ状況が続いているんだろう(未確認)。
早期警戒機A50や、ミサイル艦などの高価値目標をピンポイントで叩いたところで、「破壊と領域支配」を勝ち取ることはできない。
この記事で気になったのは、やはり、前線の状況が正確に上層部に上げられていないのでないかという懸念だ。
「軍当局者の発表にも関わらず街の状況は悪化の一途を辿っている。」(ウクライナ人が運営するDEEP STATE)
もちろん、大本営発表は、戦意喪失を避けるために、情報操作を行うだろうが、それだけが理由かどうかは分からない。
他にも、心配な記述はある。
「我が軍はどの方向にも戦略的な防衛線を構築できていない。コンクリート製の構造物もなければ計画的に掘られた塹壕もない。最低でも無人機の偵察から身を隠せて、120mm迫撃砲や122mm榴弾砲の攻撃から兵士を守れるような強化された塹壕がない。だから敵はどの方向でも素早く陣地を崩して前進してくるのだ」(ブトゥソフ氏)
「誰も戦略的な防衛線を掘っていない。戦略的な決定もない。資源の配分もない。もちろん前線への補充や動員もない。ウクライナ軍の最高指揮官であるゼレンスキー大統領は憲法と動員法の下で責任を負っているにも関わらず何もやっていない。」(同上)
ゼレンスキーは、昨年、既に防衛線(要塞化)の拡充を指示している。
が、それはアウディーイウカのような最前線を守るものでは決してなく、後退した後の更なる侵略を防ぐためのものなわけだ。
『小銃を持てる者は全員アウディーイウカを守るのに必要だと言われた』『通りまでの道路を守れと命じられ殆どが戦死した』(捕虜になった修理中隊の兵士:敵の尋問に)
「修理中隊の高齢者が塹壕で死闘を強いられている」
高齢者か・・・。
アウディーイウカの陥落は時間の問題だ。
文字通りな(「月」とか「週」とか「日」ではなく、「時間」の問題だ)。
もちろん、それですべてが終わるわけではない。
「ポクロウシク、ミルノフラド、クラホヴェが最前線の街になる」
「戦闘に有利な地形まで後退することを強いられ、その過程で多くの土地を失う」
これまでもウクライナ指導部は、長距離砲、戦車、戦闘機などの西側の支援を得るために、前線の兵士を犠牲にしてきた。
支援が遅れれば、彼らが死ぬことになると平気で言い放ってきた(そうなのかあ?)。
米国議会は、混迷に陥り、予算を人質に取られたバイデン政権は支援を継続することが出来ずにいる。
状況は以前とは異なる。
前線の兵士の血で、支援を贖うことはできない。
予備戦力は、後退した後の防衛線を守るために、温存しておかなければならないからな。
陥落すると分かっているアウディーイウカに投入することは、「得策」ではないのだ。
やれやれ・・・。
戦争とは、いかに効率的に兵隊を殺すかという側面がある。
そう言ってしまえば身も蓋もないけど、それは現実だ。
ロシアは、決して上手とは言えないが、その戦闘ドクトリンを支える体制を構築している。
前線からいくら悲鳴を上げてみたところで、アウディーイウカに援軍は来ない。
「全ては司令部の戦略的決断にかかっている」
その決断は、既に下されている・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(アウディーイウカの戦い、兵站ルート遮断まであと1kmの位置にロシア軍が前進)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiiuka-russian-troops-advance-1km-away-from-cutting-off-logistics-route/
「線路を越えたロシア軍が街のモニュメントに向かおうとしている」(ウクライナ人が運営するDEEP STATE)
「ここを奪われると市内のウクライナ軍は兵站ルートを失い、街からの撤退もままならなくなる。」(ブログ管理人)
「個人的には「ウクライナ軍がアウディーイウカから撤退を始めても不思議ではない」と思ってるが、果たしてウクライナ軍はどこまで粘るのだろうか?」
戦争に人的損耗は不可避だ。
マリンカを奪われた時、ザルジニーは「残念ながら、戦争とはそういうものだ」と述懐したが、ここでも同じことが繰り返されようとしている。
援軍は来ない。
弾薬の供給も断たれる。
兵士は、なんのために戦っているか分かっている。
祖国を守るとはそういうことだ。
自らの存在、血や肉や骨と繋がっている土地、家、家族・・・。
自衛のために命を捧げることを厭わない。
攻めてくるロシア兵も同じことを考えているに違いない。
いや、そう教え込まれている。
これは、祖国を守るための正当な戦いであって、理不尽で一方的な侵略ではないのだと。
べらぼうめ・・・。
1mの前進のために、数限りない命が消える。
この戦いに意味などない。
「交戦地域からモニュメント付近までの直線距離は約1km(もっと刺激的な前線位置を引く観測者もいる)で、どれだけ街の南部でロシア軍の前進を食い止めてもモニュメント付近を奪われると兵站ルートを失い、街からの撤退もままならなくなる」
アウディーイウカの戦略的価値がどれ程かは知らない。
昨年秋にロシアが攻撃を激化させた理由も定かではない(近隣のロシア側の州都ドネツクに対する砲撃を緩和するためという話もあった)。
東部でのロシアの支配地域を拡大するためには、ここを破らなければならないことは確かだ。
ウクライナとしては、防御戦の初戦として、死守する価値があると見ていたのかもしれない。
それも、間もなく終わる。
終わりにしなければならない。
もはや、この戦いに意味はない・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(バイデン米大統領、トランプ氏を非難-国境対策法案の前進絶望的で)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-07/S8GNBHT0G1KW00
「この重要な局面でウクライナを支援できなければ決して忘れ去られることはないだろう」(バイデン大統領)
「ウクライナは追加軍事支援を受けられず、「窮地に陥る」」
「この法案への支持はロシアのプーチン大統領に立ち向かうことを意味する一方、法案への反対は「彼の思うつぼだ」と語った。」
ホワイトハウスでの演説だそうだが、もちろん、大統領選挙を意識している。
政治の季節だからな。
だが、バイデンは重要な点を見落としている。
いや、見て見ない振りをしている。
何か月も掛けて上院で練り上げた法案が、トランプの一言でひっくり返るハズなどない。
その法案とやらが、元々杜撰で、でっち上げで、実現(可決)不可能で、政治的妥協の産物に過ぎず、法案をまとめたということ以外の意味がないクズだったということだ(そうなのかあ?)。
さらに、そうなってしまった真の原因が、米国自体の深部に存在することにも目を瞑っている。
米国民の関心は、もはやウクライナにはなく、窮地に陥ろうが、プーチンを喜ばせようが、知ったことではないということだ(そんなあ!)。
ぶっちゃけ、米国民の間では、ウクライナ支援は既にオワコンなわけだ。
そんな話を持ち出して、トランプに責任を擦り付けようということ自体が、政権末期の様相を呈している。
危ないな・・・。
米国政府の関心自体がウクライナ支援から離れていることも間違いない。
ここ数か月、米国の高官がキエフを訪れていないことは間違いない。
今だって、バーンズが取り組んでいるのはガザの人質解放だし、ブリンケンが駆けずり回っているのも同じだ。
バイデン政権にとっても、ウクライナ支援はオワコンなのかもしれない(そうなのかあ?)。
少なくとも、二の次なことは確かだ。
その責任を、政敵に擦り付けようとしているように見える。
下手な戦術だが、再選自体に赤信号が灯っているからな。
使えるネタは何でも使う(そういうことかあ?)。
が、振り回されるウクライナは悲惨だ。
バイデンの現状認識は正しい。
ウクライナは、米国からの追加軍事支援を受けられずに窮地に陥っている。
それは、プーチンの思うつぼだし、「この重要な局面でウクライナを支援できなければ決して忘れ去られることはないだろう」(再掲)
だが、それはトランプのせいじゃない。
米国の変容、政権の見通しの甘さ、対応の遅れが真の原因だ。
バーンズは、昨年6月にウクライナを訪問した際にも、そのことを認識していたからな。
年末頃から米国の支援は不安定になると警告もしている。
反転攻勢の失敗、ガザのテロ事件、米国における政治の季節の本格化は、ウクライナにとって三重苦だ。
ウクライナは、実質的に欧州マターになっている。
そもそもが地域紛争なわけだし、自由主義とか民主主義とか言い出して、怪しげな対立軸を考え出さなければ、米国が関与する話じゃない。
1991年のウクライナ独立の際に、核兵器撤収に関連して、どんな密約があったかは知らないが、ふつーに考えれば、単なる地域紛争で終わる話だ。
支援が途絶えると言うと、何か大騒ぎな気がするけど、本来の状況に戻っただけとも言える。
ウクライナの支援は、欧州が対応すべき事案だ。
米国じゃない・・・。
が、大っぴらにそんなことは言えない。
議会が追加支援で合意に達せず、揉めている間にウクライナが降伏してくれれば、現政権にとっては最高の展開と言える。
全てを欧州と政敵のせいにして、後顧の憂いなく選挙戦に臨める・・・。
おっと、ガザ問題を忘れるところだった。
こっちは、選挙絡みで頭が痛いな。
だからこそ、政権の総力を挙げて人質問題を解決し、休戦に持ち込もうとしている。
米国民の関心も高く、選挙への影響は避けられないからな。
まあ、どうでもいいんですが。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(アウジーイウカが陥落の瀬戸際に ウクライナ東部要衝、ロシア軍が突破口)
https://forbesjapan.com/articles/detail/69024/page2
「ロシア軍部隊がアウジーイウカ北部に新たに築いた陣地に張り付くことができれば、ロシア側は西から市内に伸びる守備隊の補給線を脅かすことができる。」
「4日時点で、ロシア軍部隊のいる場所は主要道路から数百メートルしか離れていないと指摘」(ウクライナのジャーナリスト、アンドリー・ツァプリエンコ)
「ロシア兵が携行している武器でトラックを十分攻撃できる距離」
「アウジーイウカは陥落するかもしれない。9カ月前のドネツク州バフムートに続いて、ロシアがウクライナで占領した新たな都市になるかもしれない。」(フォーブス記者)
状況が切迫していることは間違いない(記事は2月4日時点:4日前)。
「そうなった場合、責任の大半はウクライナから弾薬を奪った共和党議員たちにある。」
弾薬が供給されないこと、兵力の増強が不十分なことの直接的な責任はウクライナ軍の司令部にある。
支援が阻止されているとしても、それが原因とは言えない。
が、誰かに責任を押し付けたい気持ちも分かる気はする。
しかし、米国の国家議員は米国民に対する責任を負っているだけだ。
そして、その責任を果たすために最大限の努力をしている。
ウクライナは、米国の51番目の州じゃない。
バイデン大統領には、米国の手持ちの弾薬を44億ドル分拠出する権限が残っているが、それを補充する予算は10億ドルしか認められていない。
自国の在庫を払底させて支援する気になれば、出来ない話ではないのだ。
もちろん、バイデン政権がそういう決断をすることはない。
国家は国益で動く。
ゼレンスキーは、以前、ウクライナを支援するかどうかは米国の判断だと言った。
ウクライナが敗れてNATOが侵略されれば、米国民が戦場で死ぬことになるとまで言って脅していた。
米国は、結果的に(現政権の意向に関わらず)、ウクライナへの支援を打ち切り、しかも、近い将来NATOから離脱する選択をするかも知れない。
米国の選択の結果、米国民はただの一人も死ぬことはなくなる。
それは、自由で民主的な国家の選択だ。
米国の未来を決めるのは米国人だからな。
ウクライナは、それを受け入れるしかない。
アウディーイウカの状況は、そのことを明確にしている。
重層的な判断の帰結だから、実際はそう簡単じゃないだろうけど。
自分で書いていて、嫌気がさしてくる話だ。
ウクライナが降伏する日には、もっと落ち込むだろうな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
先日記事にした「領土の26%がロシアの支配下に置かれている」(ゼレンスキー大統領)問題で、コメントを戴いた。
「ASCH ― 2024年02月08日 12:06
はじめてコメントさせていただきます。いつも興味深く拝見してさせていただいております。
「さらに追加」で書いていらっしゃるロシアの占領面積の割合の件について、ちょっと気になることがありました。
日本経済新聞の「ウクライナ侵攻1年 マップで振り返るロシアの支配面積」の最後に「米戦争研究所の地図データをもとに面積を計算」という記載があります。戦争研究所の地図を確認したところ、メルカトル図法で書かれているようです。ご存知のとおりメルカトル図法では面積を正確に表現できません。よって地図から単純に面積比を計算すると正しい値になりません。日本経済新聞ですから、さすがにその点は考慮の上で計算していると思いたいところです。しかしご指摘のとおり他のメディアが一貫して26%と報じていることから、日本経済新聞の計算が間違っている可能性も否定はできないと思います。」
ご指摘いただき、ありがとうございます。
浮沈子は不勉強なので、メルカトル図法の面積比較や、修正方法については知らない。
で、足し算と割り算で計算できる方法で、確認を試みた。
「ウクライナ全土:603,700(平方キロメートル:面積単位:以下同じ)
クリミア:26200
ドネツク:26,517
ルハンシク:26,684
ザポリージャ:27,180
ヘルソン:28,461
小計:135,042(22.37パーセント)
ハルキウ:31,415
小計:166,457(27.57パーセント)
以下出典。
(ウクライナ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A
(クリミア自治共和国)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%82%A2%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD
(ドネツィク州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%AF%E5%B7%9E
(ルハーンシク州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%AF%E5%B7%9E
(ザポリージャ州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E5%B7%9E
(ヘルソン州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%B7%9E
(ハルキウ州)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%A6%E5%B7%9E」
クリミアとルハンシク州のほぼ全域はロシア支配化だが、その他3州(ドネツク、ザポリージャ、ハルキウ)は、一部しか占領下にない。
ハルキウ州は、東部が部分的に占領されているけど、その割合はごくわずかだ。
ハルキウ州を除く全域がロシア支配下にあったとしても、その割合は22.37パーセントにすぎない。
26パーセントが支配下というのは、どう考えてもおかしい。
ちなみに、ハルキウ州全域も支配下になったとすると、27.57パーセントに達する(その可能性もないとは言えないけどな)。
誤差8パーセントというのは、48,296平方キロメートルに相当し、ハルキウ州全体(31,415平方キロメートル)よりも広い面積になる。
ありえねー・・・。
訂正記事にはお目にかかっていないが、誤報として捉えておくのが一番な気がする。
🐱スターシップ:お買い上げ? ― 2024年02月06日 14:24
スターシップ:お買い上げ?
米軍には、大型輸送機が2機種ある。
(C-5 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/C-5_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
「C-5B(現在、主に運用されているタイプ):
主翼を改良、エンジンをGE TF39-GE-1Cへの換装、アビオニクスの改良を行ったタイプ。50機製造。」
「仕様(C-5B)
Lockheed C-5 Galaxy
全幅:67.89m
全長:75.3m
全高:19.84m
空虚重量:170.0t
最大離陸重量:381.0t
最大搭載量:122.472t
積載量:349t(769,000lb)
エンジン:GE TF39 ターボファンエンジン(19,500kg)×4
最大速度:マッハ0.79 (462kt., 531mph, 855km/h)
巡航速度:マッハ0.77 (450kt., 518mph, 833km/h)
飛行高度:34,000ft(10.4km)
海面上昇率:564m/min
翼面積:580m2(6,200ft2)
翼面荷重:610kg/m2(120lb/ft2)
実用上昇限度:10,895m
搭載燃料:193,620L(51,150USガロン)
航続距離:4,445km (2,400nmi2,761mi)/263,200ポンド搭載時
乗員:通常8名 最小4名(操縦士、先任操縦士、副操縦士、航空機関士2名、ロードマスター(空中輸送員)3名)」
「C-5M スーパーギャラクシー(今後の改修タイプ):
1999年よりC-5の延命と近代化改修を目的として開発が進められていた最新型で、2006年5月16日に初号機がロールアウトした。この改修によって、離陸性能が30%、上昇性能が38%改善され、整備性と可動率(Availability)も大幅に向上した。
アメリカ空軍では、現在でも現役で運用されているC-5のうち52機(C-5A:1機、C-5B:49機、C-5C:2機)をC-5Mへ改造する計画で、今後25年間はC-5を運用する方針である。」
「主な改修点:
・グラスコックピットの導入
・最新の航法・通信システムの導入
・エンジンをGE TF-138(CF6-80C2)へ換装」
でかいな。
「開発当時世界最大の輸送機であり、An-124 ルスラーン・An-225 ムリーヤの登場によりその座を譲ったものの、依然として世界最大級の輸送機である。」
もう一つはこちら。
(C-17 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/C-17_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
「アメリカ陸軍のすべての装甲戦闘車両と航空機の搭載が可能で、C-5戦略輸送機の最大ペイロードの65%近くとなる77トンの貨物搭載ができる。」
「仕様
全長:53.0 m
全幅:51.8 m
全高:16.8 m
翼面積:353.02 m²
最高巡航速度:M0.77
巡航速度:M0.74(450 knot、833 km/h、高度8,530 m)
実用上昇限度:45,000 ft (13,716 m)
エンジン:P&W F117-PW-100 ターボファン(18,460 kg)4基
航続距離:5,190 km(空荷フェリー時:9,815 km)
貨物室:h:主翼後端までの約13mは3.76m、主翼後端からランプ付近までは5.3m、ランプ端付近は4.1m、w:5.48m、l:26.82m(6mランプ含む)
空虚重量:128.1 t
最大離陸重量:265.35 t
最大積載量:77.519 t
最低着陸必要距離:1,000 m(500 mで着陸した実績有り)」
「国際的な軍事費削減の動きなどを受け、ボーイング社は2015年をもってC-17の製造ラインを閉鎖した。その後、アメリカ国内からも中国脅威論が現実の問題として認識されるようになり、中東での多国籍軍による対テロ戦争が継続している事から生産の継続もしくは、C-5Mのように初期の生産分を近代化する改修工事工程を設ける提案がなされている。」
延々と引用したんだが、この前振りは重要だ。
米軍は、将来、新たな軍用輸送機としてスターシップの購入を検討しているからな(そうなのかあ?)。
(空軍ロケット貨物輸送計画、実現可能性への疑問にもかかわらず前進)
https://spacenews.com/air-force-rocket-cargo-initiative-marches-forward-despite-questions-about-feasibility/
「米空軍は、おそらく数年以内にポイントツーポイントのロケット飛行を実証する計画を進めている。」
「AFRLとスペースXが同社の巨大ロケット「スターシップ」を世界規模の迅速な貨物輸送に利用するために「さまざまなシナリオを検討している」と述べた。」(AFRL:the Air Force Research Laboratory:空軍研究所でロケット貨物プログラムを監督する主任科学者グレゴリー・スパジャーズ氏)
「空軍は2年前、大型ロケットで世界中に 軍需物資や人道支援物資を輸送する技術と能力を実証するため、スペースXに1億200万ドルの5年間契約を結んだ。」
「AFRLとSpaceXは長期的な視野を持っており、Starshipの準備が整えば、早ければ2026年にも実証が実施される可能性がある」(スパジャーズ氏)
「打ち上げごとに100トン以上を軌道上に展開する可能性があり、これは軍用C-17貨物ジェット機が輸送するペイロードに匹敵する」
「私たちがやろうとしているのは、これらの大型ロケットが成熟するにつれて、その早期導入者になれるよう自らを整えることです。」
「AFRLはベンダーと協力して軍用貨物をロケットに乗せられるように「コンテナ化」する方法を検討しており、課題は他の輸送手段にも使用できる標準的なコンテナ設計を考え出すことだ。」
検討は、輸送概念だけではなく、具体的レベルで進んでいる。
「貨物輸送にロケットを使用するというアイデアは通常、深い懐疑的な見方に遭うと述べたが、同社の再利用可能なロケットの成功は、いかに一見その可能性が高いかを示す一例だと指摘した。不可能な概念が現実になる可能性があります。」(元ボーイング社幹部で、現在はスペースX国家安全保障宇宙ソリューション担当上級顧問のゲイリー・ヘンリー氏)
ほほう、S社はB社の幹部までリクルートしてるのか・・・。
「10年前、軌道ロケットの垂直離陸と垂直着陸の追求は、一部の人には急進的であり、他の人には狂気だと考えられていました」
「現時点では、地球上のどこにいても、重要なペイロードを1時間以内に輸送するポイント・ツー・ポイントのロケット貨物について、そのような懐疑的な見方をするのは当然だと思います。」
なかなか謙虚な態度だな(ドラッグ漬けでアグレッシブなCEOとは異なる・・・)。
「私たちは火星に行くためのスターシップを建造中です。そして、私たちが発見しているのは、これが国家安全保障に重大な影響を与えるシステムであるということです。そしてそのうちの1つはたまたまロケットポイントツーポイントです。」
うーん、すっかりS社に洗脳されちまってる・・・。
「政府が専用のスターシップロケットを購入したいのであれば、それは可能だ」
記事の中では、ヘンリー氏のお勧めは、ロケットの購入ではなく、商業的輸送サービスとして購入する方らしいが、米軍は新たな「輸送機」としての運用を模索しているようだ。
つまりだな、銃後の兵站業務だけではなく、敵陣深くに空てい部隊を送り込むことも想定しているわけだ(未確認)。
米軍が関心を寄せているシステムは、スターシップだけではないようだ。
「世界中の軍人や貨物の移動を管理する米国輸送軍は、米軍がこれらの車両をどのように使用できるかを決定するために、いくつかのロケット会社と協力しています。」
「インバージョン・スペース社が開発したような特別な再突入カプセルを使用して、ロケットから地上に貨物を配送できる可能性がある」(宇宙スタートアップ企業インバージョン社の共同創設者兼最高経営責任者(CEO)のジャスティン・フィアシェッティ氏)
(スタートアップが宇宙貨物用の「帰還車両」開発に1,000万ドルを調達)
https://spacenews.com/startup-raises-10-million-to-develop-return-vehicle-for-space-cargo/
「米軍は物資を軌道上に保管し、インバージョンのカプセルを使って世界中のどこにでも届けることができる。」
ははあ、こっちは倉庫代を節約しようということなわけだ(宇宙空間での保管は、無料だしな)。
「私たちのカプセルが軌道上に到達すると、宇宙ステーションまで自らを操縦することも、ソーラーパネルを展開してフリーフライヤーとして軌道上にとどまることもできます」
まあ、まだ構想段階という感じだが、物資を軌道から調達するという新しい概念は、様々なレベルで検討されている。
10年前、パワードランディングする再使用ロケットが、急進的で狂気の沙汰だと思われていたことを考えれば、ポイントツーポイントで軍用物資(兵員も?)を運ぶロケットが現れたとしても驚くことはないのかもしれない。
んでもって、ウクライナの前線の塹壕に、155mm砲弾や新しい動員兵を送り込むわけだ(そういうことかあ?)。
なんなら、ロシア軍の後方に、空てい部隊を送り込んでもいい。
ロジスティクスの革命だな・・・。
米軍には、大型輸送機が2機種ある。
(C-5 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/C-5_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
「C-5B(現在、主に運用されているタイプ):
主翼を改良、エンジンをGE TF39-GE-1Cへの換装、アビオニクスの改良を行ったタイプ。50機製造。」
「仕様(C-5B)
Lockheed C-5 Galaxy
全幅:67.89m
全長:75.3m
全高:19.84m
空虚重量:170.0t
最大離陸重量:381.0t
最大搭載量:122.472t
積載量:349t(769,000lb)
エンジン:GE TF39 ターボファンエンジン(19,500kg)×4
最大速度:マッハ0.79 (462kt., 531mph, 855km/h)
巡航速度:マッハ0.77 (450kt., 518mph, 833km/h)
飛行高度:34,000ft(10.4km)
海面上昇率:564m/min
翼面積:580m2(6,200ft2)
翼面荷重:610kg/m2(120lb/ft2)
実用上昇限度:10,895m
搭載燃料:193,620L(51,150USガロン)
航続距離:4,445km (2,400nmi2,761mi)/263,200ポンド搭載時
乗員:通常8名 最小4名(操縦士、先任操縦士、副操縦士、航空機関士2名、ロードマスター(空中輸送員)3名)」
「C-5M スーパーギャラクシー(今後の改修タイプ):
1999年よりC-5の延命と近代化改修を目的として開発が進められていた最新型で、2006年5月16日に初号機がロールアウトした。この改修によって、離陸性能が30%、上昇性能が38%改善され、整備性と可動率(Availability)も大幅に向上した。
アメリカ空軍では、現在でも現役で運用されているC-5のうち52機(C-5A:1機、C-5B:49機、C-5C:2機)をC-5Mへ改造する計画で、今後25年間はC-5を運用する方針である。」
「主な改修点:
・グラスコックピットの導入
・最新の航法・通信システムの導入
・エンジンをGE TF-138(CF6-80C2)へ換装」
でかいな。
「開発当時世界最大の輸送機であり、An-124 ルスラーン・An-225 ムリーヤの登場によりその座を譲ったものの、依然として世界最大級の輸送機である。」
もう一つはこちら。
(C-17 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/C-17_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
「アメリカ陸軍のすべての装甲戦闘車両と航空機の搭載が可能で、C-5戦略輸送機の最大ペイロードの65%近くとなる77トンの貨物搭載ができる。」
「仕様
全長:53.0 m
全幅:51.8 m
全高:16.8 m
翼面積:353.02 m²
最高巡航速度:M0.77
巡航速度:M0.74(450 knot、833 km/h、高度8,530 m)
実用上昇限度:45,000 ft (13,716 m)
エンジン:P&W F117-PW-100 ターボファン(18,460 kg)4基
航続距離:5,190 km(空荷フェリー時:9,815 km)
貨物室:h:主翼後端までの約13mは3.76m、主翼後端からランプ付近までは5.3m、ランプ端付近は4.1m、w:5.48m、l:26.82m(6mランプ含む)
空虚重量:128.1 t
最大離陸重量:265.35 t
最大積載量:77.519 t
最低着陸必要距離:1,000 m(500 mで着陸した実績有り)」
「国際的な軍事費削減の動きなどを受け、ボーイング社は2015年をもってC-17の製造ラインを閉鎖した。その後、アメリカ国内からも中国脅威論が現実の問題として認識されるようになり、中東での多国籍軍による対テロ戦争が継続している事から生産の継続もしくは、C-5Mのように初期の生産分を近代化する改修工事工程を設ける提案がなされている。」
延々と引用したんだが、この前振りは重要だ。
米軍は、将来、新たな軍用輸送機としてスターシップの購入を検討しているからな(そうなのかあ?)。
(空軍ロケット貨物輸送計画、実現可能性への疑問にもかかわらず前進)
https://spacenews.com/air-force-rocket-cargo-initiative-marches-forward-despite-questions-about-feasibility/
「米空軍は、おそらく数年以内にポイントツーポイントのロケット飛行を実証する計画を進めている。」
「AFRLとスペースXが同社の巨大ロケット「スターシップ」を世界規模の迅速な貨物輸送に利用するために「さまざまなシナリオを検討している」と述べた。」(AFRL:the Air Force Research Laboratory:空軍研究所でロケット貨物プログラムを監督する主任科学者グレゴリー・スパジャーズ氏)
「空軍は2年前、大型ロケットで世界中に 軍需物資や人道支援物資を輸送する技術と能力を実証するため、スペースXに1億200万ドルの5年間契約を結んだ。」
「AFRLとSpaceXは長期的な視野を持っており、Starshipの準備が整えば、早ければ2026年にも実証が実施される可能性がある」(スパジャーズ氏)
「打ち上げごとに100トン以上を軌道上に展開する可能性があり、これは軍用C-17貨物ジェット機が輸送するペイロードに匹敵する」
「私たちがやろうとしているのは、これらの大型ロケットが成熟するにつれて、その早期導入者になれるよう自らを整えることです。」
「AFRLはベンダーと協力して軍用貨物をロケットに乗せられるように「コンテナ化」する方法を検討しており、課題は他の輸送手段にも使用できる標準的なコンテナ設計を考え出すことだ。」
検討は、輸送概念だけではなく、具体的レベルで進んでいる。
「貨物輸送にロケットを使用するというアイデアは通常、深い懐疑的な見方に遭うと述べたが、同社の再利用可能なロケットの成功は、いかに一見その可能性が高いかを示す一例だと指摘した。不可能な概念が現実になる可能性があります。」(元ボーイング社幹部で、現在はスペースX国家安全保障宇宙ソリューション担当上級顧問のゲイリー・ヘンリー氏)
ほほう、S社はB社の幹部までリクルートしてるのか・・・。
「10年前、軌道ロケットの垂直離陸と垂直着陸の追求は、一部の人には急進的であり、他の人には狂気だと考えられていました」
「現時点では、地球上のどこにいても、重要なペイロードを1時間以内に輸送するポイント・ツー・ポイントのロケット貨物について、そのような懐疑的な見方をするのは当然だと思います。」
なかなか謙虚な態度だな(ドラッグ漬けでアグレッシブなCEOとは異なる・・・)。
「私たちは火星に行くためのスターシップを建造中です。そして、私たちが発見しているのは、これが国家安全保障に重大な影響を与えるシステムであるということです。そしてそのうちの1つはたまたまロケットポイントツーポイントです。」
うーん、すっかりS社に洗脳されちまってる・・・。
「政府が専用のスターシップロケットを購入したいのであれば、それは可能だ」
記事の中では、ヘンリー氏のお勧めは、ロケットの購入ではなく、商業的輸送サービスとして購入する方らしいが、米軍は新たな「輸送機」としての運用を模索しているようだ。
つまりだな、銃後の兵站業務だけではなく、敵陣深くに空てい部隊を送り込むことも想定しているわけだ(未確認)。
米軍が関心を寄せているシステムは、スターシップだけではないようだ。
「世界中の軍人や貨物の移動を管理する米国輸送軍は、米軍がこれらの車両をどのように使用できるかを決定するために、いくつかのロケット会社と協力しています。」
「インバージョン・スペース社が開発したような特別な再突入カプセルを使用して、ロケットから地上に貨物を配送できる可能性がある」(宇宙スタートアップ企業インバージョン社の共同創設者兼最高経営責任者(CEO)のジャスティン・フィアシェッティ氏)
(スタートアップが宇宙貨物用の「帰還車両」開発に1,000万ドルを調達)
https://spacenews.com/startup-raises-10-million-to-develop-return-vehicle-for-space-cargo/
「米軍は物資を軌道上に保管し、インバージョンのカプセルを使って世界中のどこにでも届けることができる。」
ははあ、こっちは倉庫代を節約しようということなわけだ(宇宙空間での保管は、無料だしな)。
「私たちのカプセルが軌道上に到達すると、宇宙ステーションまで自らを操縦することも、ソーラーパネルを展開してフリーフライヤーとして軌道上にとどまることもできます」
まあ、まだ構想段階という感じだが、物資を軌道から調達するという新しい概念は、様々なレベルで検討されている。
10年前、パワードランディングする再使用ロケットが、急進的で狂気の沙汰だと思われていたことを考えれば、ポイントツーポイントで軍用物資(兵員も?)を運ぶロケットが現れたとしても驚くことはないのかもしれない。
んでもって、ウクライナの前線の塹壕に、155mm砲弾や新しい動員兵を送り込むわけだ(そういうことかあ?)。
なんなら、ロシア軍の後方に、空てい部隊を送り込んでもいい。
ロジスティクスの革命だな・・・。
🐱木星圏:有人で到達可能??? ― 2024年02月06日 18:54
木星圏:有人で到達可能???
宇宙ネタで、何か面白い話はないかと探していたら、こんな記事が目に留まった。
(宇宙飛行の重要技術「電気推進ロケット」開発、効率よく高い推進力の実現に挑む)
https://newswitch.jp/p/40343
「国内外で多くのエンジンが開発されているが、その燃料のほとんどがキセノンだ。宇宙探査の需要に対しキセノンの量は枯渇すると予想される。」
国内で生産されているキセノンは、液体酸素からさらに抽出されている(エア・ウォーター社)。
(産業用ガス レアガス (Ne・Kr・Xe))
https://products.awi.co.jp/ja/industrial/business/gas/id002190
「現在、エア・ウォーターで国内生産しているレアガスはクリプトンとキセノンです。どちらのガスも酸素より沸点が高いため、液化酸素の中に凝縮されていきます。そこから精製装置を通じ余分な成分を精製・精留したのち、製品としての純粋なクリプトンとキセノンを採取することが出来ます。」
「水や二酸化炭素(CO2)を活用するなど燃料を多様化する必要がある」(電気推進ロケットエンジンの開発を進める大阪産業大学の田原弘一教授)
うーん、需給バランスを理由に燃料を多様化するということなら、既にスペースXがスターリンクV2ミニで、アルゴンガスを導入しているけどな。
(第2世代「Starlink」に搭載の新型スラスター、推力・効率性ともに大幅向上–推進剤も安価に)
https://uchubiz.com/article/new14785/
「Starlink V2 miniのホールスラスターでは推進剤にアルゴンを利用することで、キセノンやクリプトンよりもずっと安価な運用が可能になる。」
「アルゴンホールスラスターは以前のStarlinkのスラスターと比較して、2.4倍の推力と1.5倍の効率性を達成」(イーロンマスク)
アルゴンじゃ、ダメなのかあ?。
と思って読んでいたら、とんでもないことが書かれていて、浮沈子はぶっ飛んだ!。
「今後は宇宙機を飛ばしつつ燃料の現地調達が求められる」(田原教授)
「原理的に有人で到達可能な木星には水素やヘリウム、メタン、アンモニアなどがあるとされている。探査の途中で調達したガスを宇宙機の燃料として使う可能性も出てくる。」
ガスの調達の話ではない。
木星圏に、有人で到達可能というところが問題だ。
ホントかあ?。
(読者からの質問:人類が木星を訪れる日はやってきますか?)
https://www.technologyreview.jp/s/211882/will-astronauts-ever-visit-gas-giants-like-jupiter/
「放射に晒される時間を減らせるような軌道を発見し、宇宙船の設計を考案しなければなりません。NASAは、3つの羽が並んで回転し続ける探査機「ジュノー(Juno)」でこの問題を解決しましたが、人間が搭乗する宇宙船に使用できるデザインになるようには思えません。」
「有人の宇宙船が安全に木星の軌道を回るか、木星を通り過ぎるためには、木星から相当の距離を保つ必要があるでしょう。」
記事では、土星圏、天王星、海王星などにも触れている。
「このような要素から宇宙飛行士を保護する素材を使って宇宙船を製造する方法が見つかるまでの当面の間は、巨大ガス惑星に近づいて探査をするにはロボットによる無人探査機を使わざるを得ないでしょう。」
まあ、もっとも、到達可能かどうかについての言及はない。
浮沈子的には、火星圏への有人探査も不可能と考えているので、木星圏への有人探査などという話をまともに取り上げる気にはなれない。
そういう話は、SFの世界だけにしてもらいたいな(確か、イーロンマスクも言ってたような気が・・・)。
ちなみに、浮沈子は「2001年宇宙の旅」(映画)が大好きだ。
まあ、どうでもいいんですが。
「あと50年で木星域が人間の生活圏になるかもしれない」(田原教授)
タラレバの話はいくらでもある。
ろくすっぽ太陽光も届かない木星圏(地球軌道の4%)で、どうやって電磁加速エンジンを駆動するのかという問題もあるだろう。
木星の軌道は、ざっくり地球軌道(1億5千万km)の5倍(平均5.20260倍:7億8千万km)ある。
地球からの距離ということなら、軌道ベースで6億3千万kmだ。
人類が唯一到達した天体である地球の月は、ざっくり40万km(384,400km)の距離で、片道3日程度で到達できる(近いなあ・・・)。
割り算すれば1575倍で、片道約13年(4,725日)かかることになる(公転周期とかあるから、たぶん、そう単純じゃないとは思いますけど)。
べらぼーめ・・・。
ちなみに、アトラスVにありったけのブースター(5本:551構成)着けて打ち上げたジュノー(3,625 kg:現在も運用中)は、約5年(4年11か月)かけて木星軌道に投入されている(たぶん、最短)。
(ジュノー(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_(spacecraft)
「木星系に到達したとき、ジュノーは約 19 天文単位を移動しました。(28億キロ)」(地球フライバイ1回)。
人工冬眠でもさせない限り、木星圏への有人探査はできないだろうし、行ったが最後、帰ってくることはできないだろう(未確認)。
木星の放射線から機器を保護するために厚さ1cmのチタン製のケースが使用されている。
(ジュノ放射線保管庫)
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_Radiation_Vault
「Juno Radiation Vault はほぼ立方体で、壁は厚さ 1 cm (1/3 インチ) のチタン金属でできており、各辺の面積は約 1 平方メートル (10 平方フィート) です。金庫の重さは約 200 kg (500 ポンド) です。」
「金庫内には、主要なコマンド、データ処理、および電源制御ボックスと、その他 20 台の電子ボックスがあります。」
「宇宙船は予想される 2,000 万ラドの放射線にさらされるため、保管室は放射線被ばくを約 800 分の 1 に減らす必要があります。」
べらぼーめ・・・。
ちゃんと調べていないけど、到底人体が許容できる放射線量ではないだろう。
人類は、そういうところで生活できるようには出来ていない。
「生活圏」などということを心配する必要はない。
「・・・そんな時代が到来しつつある。人類の生活圏がどこまで広がるのか。宇宙機用エンジンの開発が期待される。」(日刊工業新聞の記事)
テキトーだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙植民地化:木星の衛星)
https://www.asablo.jp/app?cmd=edit&target_fqdn=kfujito2.asablo.jp&target_path=/blog/2024/02/06/9656985
「イオとエウロパの放射線レベルは極端で、遮蔽物を持たない人間は地球一日以内に死亡する」
「人間の植民地を合理的に支援できるのはカリストとおそらくガニメデだけ」
ほほう、定住可能性がないわけではないのだ。
「カリストは木星の放射線帯の外側を周回しています。」
「ガニメデの低緯度は月の磁場によって部分的に遮蔽されているが、放射線遮蔽の必要性を完全に取り除くには十分ではない。」
「どちらも、採掘して建設に使用できる水、ケイ酸塩岩、金属を利用できます。」
「2003年、NASAは将来の太陽系探査に関するHOPE (人類外惑星探査のための革命的概念)と呼ばれる研究を実施」
「選ばれた目標は木星から遠く離れており、したがって惑星の有害な放射線を考慮してカリストであった。」
「HOPE は、推進技術の大幅な進歩を想定して、有人ミッションの往復所要時間を約 2 ~ 5 年と見積もりました。」
やれやれ・・・。
今年の10月には、打ち上げ重量約6トンのエウロパクリッパーがファルコンヘビーで上がるが、クルーズ期間は5.5年だそうだ。
スターシップが完成したとしても、それ程縮まるわけではない(当初想定されていたSLSでは、木星への直接軌道で3年未満とされる)。
当然、地球低軌道上で、燃料補給してから出発しないとな(帰りはどーする!?)。
有人探査では、いろいろ運ぶものも多いから、それだけの速度は出ないだろう。
宇宙ネタで、何か面白い話はないかと探していたら、こんな記事が目に留まった。
(宇宙飛行の重要技術「電気推進ロケット」開発、効率よく高い推進力の実現に挑む)
https://newswitch.jp/p/40343
「国内外で多くのエンジンが開発されているが、その燃料のほとんどがキセノンだ。宇宙探査の需要に対しキセノンの量は枯渇すると予想される。」
国内で生産されているキセノンは、液体酸素からさらに抽出されている(エア・ウォーター社)。
(産業用ガス レアガス (Ne・Kr・Xe))
https://products.awi.co.jp/ja/industrial/business/gas/id002190
「現在、エア・ウォーターで国内生産しているレアガスはクリプトンとキセノンです。どちらのガスも酸素より沸点が高いため、液化酸素の中に凝縮されていきます。そこから精製装置を通じ余分な成分を精製・精留したのち、製品としての純粋なクリプトンとキセノンを採取することが出来ます。」
「水や二酸化炭素(CO2)を活用するなど燃料を多様化する必要がある」(電気推進ロケットエンジンの開発を進める大阪産業大学の田原弘一教授)
うーん、需給バランスを理由に燃料を多様化するということなら、既にスペースXがスターリンクV2ミニで、アルゴンガスを導入しているけどな。
(第2世代「Starlink」に搭載の新型スラスター、推力・効率性ともに大幅向上–推進剤も安価に)
https://uchubiz.com/article/new14785/
「Starlink V2 miniのホールスラスターでは推進剤にアルゴンを利用することで、キセノンやクリプトンよりもずっと安価な運用が可能になる。」
「アルゴンホールスラスターは以前のStarlinkのスラスターと比較して、2.4倍の推力と1.5倍の効率性を達成」(イーロンマスク)
アルゴンじゃ、ダメなのかあ?。
と思って読んでいたら、とんでもないことが書かれていて、浮沈子はぶっ飛んだ!。
「今後は宇宙機を飛ばしつつ燃料の現地調達が求められる」(田原教授)
「原理的に有人で到達可能な木星には水素やヘリウム、メタン、アンモニアなどがあるとされている。探査の途中で調達したガスを宇宙機の燃料として使う可能性も出てくる。」
ガスの調達の話ではない。
木星圏に、有人で到達可能というところが問題だ。
ホントかあ?。
(読者からの質問:人類が木星を訪れる日はやってきますか?)
https://www.technologyreview.jp/s/211882/will-astronauts-ever-visit-gas-giants-like-jupiter/
「放射に晒される時間を減らせるような軌道を発見し、宇宙船の設計を考案しなければなりません。NASAは、3つの羽が並んで回転し続ける探査機「ジュノー(Juno)」でこの問題を解決しましたが、人間が搭乗する宇宙船に使用できるデザインになるようには思えません。」
「有人の宇宙船が安全に木星の軌道を回るか、木星を通り過ぎるためには、木星から相当の距離を保つ必要があるでしょう。」
記事では、土星圏、天王星、海王星などにも触れている。
「このような要素から宇宙飛行士を保護する素材を使って宇宙船を製造する方法が見つかるまでの当面の間は、巨大ガス惑星に近づいて探査をするにはロボットによる無人探査機を使わざるを得ないでしょう。」
まあ、もっとも、到達可能かどうかについての言及はない。
浮沈子的には、火星圏への有人探査も不可能と考えているので、木星圏への有人探査などという話をまともに取り上げる気にはなれない。
そういう話は、SFの世界だけにしてもらいたいな(確か、イーロンマスクも言ってたような気が・・・)。
ちなみに、浮沈子は「2001年宇宙の旅」(映画)が大好きだ。
まあ、どうでもいいんですが。
「あと50年で木星域が人間の生活圏になるかもしれない」(田原教授)
タラレバの話はいくらでもある。
ろくすっぽ太陽光も届かない木星圏(地球軌道の4%)で、どうやって電磁加速エンジンを駆動するのかという問題もあるだろう。
木星の軌道は、ざっくり地球軌道(1億5千万km)の5倍(平均5.20260倍:7億8千万km)ある。
地球からの距離ということなら、軌道ベースで6億3千万kmだ。
人類が唯一到達した天体である地球の月は、ざっくり40万km(384,400km)の距離で、片道3日程度で到達できる(近いなあ・・・)。
割り算すれば1575倍で、片道約13年(4,725日)かかることになる(公転周期とかあるから、たぶん、そう単純じゃないとは思いますけど)。
べらぼーめ・・・。
ちなみに、アトラスVにありったけのブースター(5本:551構成)着けて打ち上げたジュノー(3,625 kg:現在も運用中)は、約5年(4年11か月)かけて木星軌道に投入されている(たぶん、最短)。
(ジュノー(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_(spacecraft)
「木星系に到達したとき、ジュノーは約 19 天文単位を移動しました。(28億キロ)」(地球フライバイ1回)。
人工冬眠でもさせない限り、木星圏への有人探査はできないだろうし、行ったが最後、帰ってくることはできないだろう(未確認)。
木星の放射線から機器を保護するために厚さ1cmのチタン製のケースが使用されている。
(ジュノ放射線保管庫)
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_Radiation_Vault
「Juno Radiation Vault はほぼ立方体で、壁は厚さ 1 cm (1/3 インチ) のチタン金属でできており、各辺の面積は約 1 平方メートル (10 平方フィート) です。金庫の重さは約 200 kg (500 ポンド) です。」
「金庫内には、主要なコマンド、データ処理、および電源制御ボックスと、その他 20 台の電子ボックスがあります。」
「宇宙船は予想される 2,000 万ラドの放射線にさらされるため、保管室は放射線被ばくを約 800 分の 1 に減らす必要があります。」
べらぼーめ・・・。
ちゃんと調べていないけど、到底人体が許容できる放射線量ではないだろう。
人類は、そういうところで生活できるようには出来ていない。
「生活圏」などということを心配する必要はない。
「・・・そんな時代が到来しつつある。人類の生活圏がどこまで広がるのか。宇宙機用エンジンの開発が期待される。」(日刊工業新聞の記事)
テキトーだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙植民地化:木星の衛星)
https://www.asablo.jp/app?cmd=edit&target_fqdn=kfujito2.asablo.jp&target_path=/blog/2024/02/06/9656985
「イオとエウロパの放射線レベルは極端で、遮蔽物を持たない人間は地球一日以内に死亡する」
「人間の植民地を合理的に支援できるのはカリストとおそらくガニメデだけ」
ほほう、定住可能性がないわけではないのだ。
「カリストは木星の放射線帯の外側を周回しています。」
「ガニメデの低緯度は月の磁場によって部分的に遮蔽されているが、放射線遮蔽の必要性を完全に取り除くには十分ではない。」
「どちらも、採掘して建設に使用できる水、ケイ酸塩岩、金属を利用できます。」
「2003年、NASAは将来の太陽系探査に関するHOPE (人類外惑星探査のための革命的概念)と呼ばれる研究を実施」
「選ばれた目標は木星から遠く離れており、したがって惑星の有害な放射線を考慮してカリストであった。」
「HOPE は、推進技術の大幅な進歩を想定して、有人ミッションの往復所要時間を約 2 ~ 5 年と見積もりました。」
やれやれ・・・。
今年の10月には、打ち上げ重量約6トンのエウロパクリッパーがファルコンヘビーで上がるが、クルーズ期間は5.5年だそうだ。
スターシップが完成したとしても、それ程縮まるわけではない(当初想定されていたSLSでは、木星への直接軌道で3年未満とされる)。
当然、地球低軌道上で、燃料補給してから出発しないとな(帰りはどーする!?)。
有人探査では、いろいろ運ぶものも多いから、それだけの速度は出ないだろう。
最近のコメント