🚀軌道打上:高頻度需要 ― 2024年09月18日 00:32
軌道打上:高頻度需要
(打ち上げ会社は新型機の飛行率向上に注力)
https://spacenews.com/launch-companies-focus-on-scaling-up-flight-rates-of-new-vehicles/
「新たな打ち上げロケットを配備している企業は現在、ロケットに対する継続的な高い需要を満たすために事業規模を拡大する」
軌道打ち上げロケットのほとんど全てを賄っているスペースXと中国が抜けている記事に、何らかの意味があるとは思えないんだがな(新型ロケットに限った話なのは承知です)。
・ブルーオリジン:ニューグレン
2024年:1回
2025年:12回(最大)
2026年:24回
・ユナイテッド・ローンチ・アライアンス:バルカンロケット
2024年:3回(初回飛行を含む)
2025年:不明
・三菱重工業:H3
2024年:不明
2025年:8回(???)
・アリアンスペース:アリアン6号
2024年:3回(初回飛行を含む)
2025年:6回
2026年:不明
2027年:10回(最大)
ファルコン9は、年間約100回の打ち上げを記録しているし、中国もほぼ同様の頻度で上げている(未確認)。
ロシアはもちろん、インドやイラン、イスラエルも不定期に上げているし、米国企業でもロケットラボが年間数十回程度の打ち上げを目指している。
アリアンは、我が国と同じく、地域の政府需要を賄うためのロケットだから、欧州が独自の低軌道コンステレーションでも始めない限り、これ以上需要は伸びない。
H3も同じだ。
既存のロケットの置き換えなアリアンとバルカン、H3は、基本的に需要の拡大はない。
プロジェクトカイパーで、初期展開のバブルが見込めたとしても、ニューグレンが期待通りの出来なら、コスパの高さで対抗できないからな。
しかし、それも、スターシップの運用が始まるまでの話だ。
その高頻度打ち上げがどの程度になるかは不明だが、最終的に1時間に1回の打ち上げが可能とすれば(グインショットウェルはそう言ってたからな)、年間で8,760回(24×365)ということになる。
べらぼーめ・・・。
既に見たように、記事に登場する新型ロケットを束にしても、年間100回には届かない。
年に約1万回の打ち上げ(2桁違う!!)なんて、非現実的な気がする。
そんな需要は、打ち上げロケットにはない(断定的!)。
大陸間弾道旅客機でもなければ実現できないだろう。
弾道飛行だから、打ち上げロケットじゃないけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
中国は、スターリンクに匹敵する低軌道コンステレーションを展開するつもりのようだから、そこそこの打ち上げ需要はあるかもしれない。
再使用ロケットの開発にも熱心だ。
一定の技術力があることは、各種無人探査や独自の宇宙ステーションの配備で証明済みだから、リアルな話ではある。
それでも、スターシップに匹敵するロケットを開発するのは困難だろう。
ニューグレンだって、2段目の完全再使用は先の話だ。
1段目の回収について、笑っちゃうネーミングを付けている。
「だからチャンスがあると言っているのね」(“So You’re Telling Me There’s a Chance.”)
誰も言ってくれないから(!)、自分で言うしかないわけだ(そういうことかあ?)。
まあいい。
低軌道コンステレーションは、確かに打ち上げ需要を喚起している。
しかし、スターシップが生み出す桁違いの打ち上げ能力や高頻度を満たす需要はまだ見えない。
宇宙空間に太陽電池を打ち上げて発電する話はあるけど、その電力を地上に降ろす話は検討中だ。
地球温暖化を緩和するために、太陽光を遮るシェード(日傘?)を打ち上げる話もあるけど、SFの域を出ないからな。
月面基地や火星移民なんて言う与太話は、いくらでも転がっているが、実現可能性はゼロだ(断定的!!)。
そういえば、宇宙に小型衛星をばらまいて、広告塔にするという話もあったな。
高頻度低価格な宇宙空間へのアクセスが可能になれば、様々なアプリケーションが生まれる余地はある。
浮沈子的に興味があるのは、実現可能性はともかく、スペースコロニーの建造だろう(<以下追加>参照)。
これまでは、月や小惑星からマスドライバーで材料を供給する話しかなかったが、スターシップが出来れば地上から打ち上げてもいいかも知れない。
が、数百万トンの材料を上げるとなると、1回あたり100トン(まあ、低軌道ですが)としても、数万回の打ち上げが必要になるからな。
相手にとって不足はない(そういうことかあ?)。
1時間に1機上げても、10年がかりの事業になる。
軌道打上ロケットの高頻度需要というのは、これからはそういうレベルの話になるんだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(世界一の大富豪、アマゾンCEO・ベゾスが発表した「スペースコロニー計画」の実現度)
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2019/05/29/108966/
「「ベゾス氏は『われわれは月の探査ではなく、月の経済開発をする』と言っています。月に観測装置などの機器を送り込むたびにブルー・ムーンを使えばビジネスになる。さらに、将来的に月に人が滞在するようになれば、定期的に物資を配送する物流ビジネスが展開できるんです」(鳥嶋氏)」
うーん、アマゾンだけに、キーワードは物流なわけだ・・・。
「「ガンダムに出てくるような、数千万人が暮らせるスペースコロニーを考えているようです。『自分の子供や孫の世代には実現できるよう、その基礎を造る。月着陸船などの宇宙開発もそのためのものだ』とも言っていました」(鳥嶋氏)」
高頻度打ち上げ需要の先にあるのは、やっぱスペースコロニーだろうな。
「1990年代前半に『バイオスフィア2』という完全な閉鎖環境内に独自の生態系をつくって、そこで植物を育てたり、人間が住んだりする実験が行なわれました。結果は時間がたつと酸素量が減っていき、うまくいかなかった。しかし、生態系は大きければ大きいほど維持しやすいんです。」(名古屋大学で天体物理学を研究している早川貴敬氏)
今のところ、具体的な話はもちろんない。
ISSなどの宇宙ステーションは、地球からの補給なしには維持できないからな。
それも、せいぜい10人程度の規模で維持されているに過ぎない。
数千万人が居住ということになれば、少なくとも10万倍の頻度で補給船を飛ばす必要が出てくる。
現在、3か月に1度程度の補給を行っているけど(プログレス含む)、計算上は1分に1回くらいの補給が必要になる(テキトーです)。
高頻度需要だな(そういうことかあ?)。
自給自足のコロニーを作るのは大変だろう。
補給船の頻度を軽減するのがせいぜいだ。
ジェフベゾスの構想の背景には、地球滅亡というシナリオがあるようだが、やがては太陽系自体も滅んでしまうだろうから、何らかのエネルギー源を確保しつつ、人類が継続して存在する基盤を構想する必要があるのかもしれない。
多惑星種とかいうのもその一つだけど、太陽依存の生態系には違いないからな。
スペースコロニーというのは、そういう話の究極のビジョンでもある。
そいつを太陽重力圏から解き放って、恒星間飛行させることができれば、人類播種計画ということになる。
そうなれば、高頻度打ち上げは必要なくなる。
それまでは、地球からとは限らないだろうけど、太陽系の資源を使ってスペースコロニーを作らなければならないからな。
高頻度需要の終焉は、恒星間飛行可能なコロニーの建造(完成)ということになる。
ジェフベゾスの孫の孫の孫くらいの世代になれば、そういう話も与太話ではなくなっているかもしれない。
しかしだ、そのスペースコロニーに住んでいる人々は、その頃にどういう風に考えるだろうか。
恒星間空間を飛行しながら、コロニーに閉じ込められ、閉塞感を味わうことになるのではないか(未確認!)。
つーことはだな、そのスペースコロニーから打ち上げられるロケットを開発するという新たな需要が生まれるわけだ(そうなのかあ?)。
高頻度打ち上げ保存の法則を見つけたりということか。
やれやれ・・・。
恒星間飛行するコロニーが複数あれば、その間をネットワークで結ぶ需要も生まれるかもしれない。
アマゾン保存の法則か。
まあ、どうでもいいんですが。
降る雪や、地球は遠くなりにけり・・・。
(打ち上げ会社は新型機の飛行率向上に注力)
https://spacenews.com/launch-companies-focus-on-scaling-up-flight-rates-of-new-vehicles/
「新たな打ち上げロケットを配備している企業は現在、ロケットに対する継続的な高い需要を満たすために事業規模を拡大する」
軌道打ち上げロケットのほとんど全てを賄っているスペースXと中国が抜けている記事に、何らかの意味があるとは思えないんだがな(新型ロケットに限った話なのは承知です)。
・ブルーオリジン:ニューグレン
2024年:1回
2025年:12回(最大)
2026年:24回
・ユナイテッド・ローンチ・アライアンス:バルカンロケット
2024年:3回(初回飛行を含む)
2025年:不明
・三菱重工業:H3
2024年:不明
2025年:8回(???)
・アリアンスペース:アリアン6号
2024年:3回(初回飛行を含む)
2025年:6回
2026年:不明
2027年:10回(最大)
ファルコン9は、年間約100回の打ち上げを記録しているし、中国もほぼ同様の頻度で上げている(未確認)。
ロシアはもちろん、インドやイラン、イスラエルも不定期に上げているし、米国企業でもロケットラボが年間数十回程度の打ち上げを目指している。
アリアンは、我が国と同じく、地域の政府需要を賄うためのロケットだから、欧州が独自の低軌道コンステレーションでも始めない限り、これ以上需要は伸びない。
H3も同じだ。
既存のロケットの置き換えなアリアンとバルカン、H3は、基本的に需要の拡大はない。
プロジェクトカイパーで、初期展開のバブルが見込めたとしても、ニューグレンが期待通りの出来なら、コスパの高さで対抗できないからな。
しかし、それも、スターシップの運用が始まるまでの話だ。
その高頻度打ち上げがどの程度になるかは不明だが、最終的に1時間に1回の打ち上げが可能とすれば(グインショットウェルはそう言ってたからな)、年間で8,760回(24×365)ということになる。
べらぼーめ・・・。
既に見たように、記事に登場する新型ロケットを束にしても、年間100回には届かない。
年に約1万回の打ち上げ(2桁違う!!)なんて、非現実的な気がする。
そんな需要は、打ち上げロケットにはない(断定的!)。
大陸間弾道旅客機でもなければ実現できないだろう。
弾道飛行だから、打ち上げロケットじゃないけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
中国は、スターリンクに匹敵する低軌道コンステレーションを展開するつもりのようだから、そこそこの打ち上げ需要はあるかもしれない。
再使用ロケットの開発にも熱心だ。
一定の技術力があることは、各種無人探査や独自の宇宙ステーションの配備で証明済みだから、リアルな話ではある。
それでも、スターシップに匹敵するロケットを開発するのは困難だろう。
ニューグレンだって、2段目の完全再使用は先の話だ。
1段目の回収について、笑っちゃうネーミングを付けている。
「だからチャンスがあると言っているのね」(“So You’re Telling Me There’s a Chance.”)
誰も言ってくれないから(!)、自分で言うしかないわけだ(そういうことかあ?)。
まあいい。
低軌道コンステレーションは、確かに打ち上げ需要を喚起している。
しかし、スターシップが生み出す桁違いの打ち上げ能力や高頻度を満たす需要はまだ見えない。
宇宙空間に太陽電池を打ち上げて発電する話はあるけど、その電力を地上に降ろす話は検討中だ。
地球温暖化を緩和するために、太陽光を遮るシェード(日傘?)を打ち上げる話もあるけど、SFの域を出ないからな。
月面基地や火星移民なんて言う与太話は、いくらでも転がっているが、実現可能性はゼロだ(断定的!!)。
そういえば、宇宙に小型衛星をばらまいて、広告塔にするという話もあったな。
高頻度低価格な宇宙空間へのアクセスが可能になれば、様々なアプリケーションが生まれる余地はある。
浮沈子的に興味があるのは、実現可能性はともかく、スペースコロニーの建造だろう(<以下追加>参照)。
これまでは、月や小惑星からマスドライバーで材料を供給する話しかなかったが、スターシップが出来れば地上から打ち上げてもいいかも知れない。
が、数百万トンの材料を上げるとなると、1回あたり100トン(まあ、低軌道ですが)としても、数万回の打ち上げが必要になるからな。
相手にとって不足はない(そういうことかあ?)。
1時間に1機上げても、10年がかりの事業になる。
軌道打上ロケットの高頻度需要というのは、これからはそういうレベルの話になるんだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(世界一の大富豪、アマゾンCEO・ベゾスが発表した「スペースコロニー計画」の実現度)
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2019/05/29/108966/
「「ベゾス氏は『われわれは月の探査ではなく、月の経済開発をする』と言っています。月に観測装置などの機器を送り込むたびにブルー・ムーンを使えばビジネスになる。さらに、将来的に月に人が滞在するようになれば、定期的に物資を配送する物流ビジネスが展開できるんです」(鳥嶋氏)」
うーん、アマゾンだけに、キーワードは物流なわけだ・・・。
「「ガンダムに出てくるような、数千万人が暮らせるスペースコロニーを考えているようです。『自分の子供や孫の世代には実現できるよう、その基礎を造る。月着陸船などの宇宙開発もそのためのものだ』とも言っていました」(鳥嶋氏)」
高頻度打ち上げ需要の先にあるのは、やっぱスペースコロニーだろうな。
「1990年代前半に『バイオスフィア2』という完全な閉鎖環境内に独自の生態系をつくって、そこで植物を育てたり、人間が住んだりする実験が行なわれました。結果は時間がたつと酸素量が減っていき、うまくいかなかった。しかし、生態系は大きければ大きいほど維持しやすいんです。」(名古屋大学で天体物理学を研究している早川貴敬氏)
今のところ、具体的な話はもちろんない。
ISSなどの宇宙ステーションは、地球からの補給なしには維持できないからな。
それも、せいぜい10人程度の規模で維持されているに過ぎない。
数千万人が居住ということになれば、少なくとも10万倍の頻度で補給船を飛ばす必要が出てくる。
現在、3か月に1度程度の補給を行っているけど(プログレス含む)、計算上は1分に1回くらいの補給が必要になる(テキトーです)。
高頻度需要だな(そういうことかあ?)。
自給自足のコロニーを作るのは大変だろう。
補給船の頻度を軽減するのがせいぜいだ。
ジェフベゾスの構想の背景には、地球滅亡というシナリオがあるようだが、やがては太陽系自体も滅んでしまうだろうから、何らかのエネルギー源を確保しつつ、人類が継続して存在する基盤を構想する必要があるのかもしれない。
多惑星種とかいうのもその一つだけど、太陽依存の生態系には違いないからな。
スペースコロニーというのは、そういう話の究極のビジョンでもある。
そいつを太陽重力圏から解き放って、恒星間飛行させることができれば、人類播種計画ということになる。
そうなれば、高頻度打ち上げは必要なくなる。
それまでは、地球からとは限らないだろうけど、太陽系の資源を使ってスペースコロニーを作らなければならないからな。
高頻度需要の終焉は、恒星間飛行可能なコロニーの建造(完成)ということになる。
ジェフベゾスの孫の孫の孫くらいの世代になれば、そういう話も与太話ではなくなっているかもしれない。
しかしだ、そのスペースコロニーに住んでいる人々は、その頃にどういう風に考えるだろうか。
恒星間空間を飛行しながら、コロニーに閉じ込められ、閉塞感を味わうことになるのではないか(未確認!)。
つーことはだな、そのスペースコロニーから打ち上げられるロケットを開発するという新たな需要が生まれるわけだ(そうなのかあ?)。
高頻度打ち上げ保存の法則を見つけたりということか。
やれやれ・・・。
恒星間飛行するコロニーが複数あれば、その間をネットワークで結ぶ需要も生まれるかもしれない。
アマゾン保存の法則か。
まあ、どうでもいいんですが。
降る雪や、地球は遠くなりにけり・・・。
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