😼欧州大戦争:重箱の隅:ポクロフシク炭鉱2024年11月06日 02:54

欧州大戦争:重箱の隅:ポクロフシク炭鉱


(ウクライナの外貨獲得に重要なポクロウシク、失えば 鋼鉄生産量が激減)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/pokrovsk-is-important-for-ukraines-foreign-currency-earnings-and-losing-it-would-mean-a-sharp-drop-in-steel-production/

「ポクロウシクには現在稼働している唯一の炭鉱があり、ここで製鉄に使用する全コークスを生産している。」(ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)

「ウクライナにとって製鉄産業は農業に次ぐ外貨獲得手段で、2024年1月~8月までの金属輸出額は約20億ドルに達し、ロシアと戦争中の国を存続させる資金源になっている」「ウクライナの 鋼鉄生産量は2024年末までに最大750万トン、2025年は1,000万トン以上になると見込まれているが、製鉄に必要なコークスの原料= 石炭は全てポクロウシク炭鉱から供給されており、この炭鉱を失うと鋼鉄生産量は200万トン~300万トンに激減する」(ロイター)

「昨年はポクロウシク炭鉱が供給する石炭で約350万トンのコークスを生産した」「もしポクロウシクを失えば石炭をどこから入手すればいいのか」「海外から海路で石炭を入手するのは容易ではない」(ロイターの取材に応じたウクライナコークス協会のアナトリー・スタロヴォイト会長)

「黒海に面した地域には水深が深い港が幾つかあるものの、軍事的リスクに加えて港湾施設が輸入用ではなく輸出用に作られているため大量の石炭を輸入するのは難しい」(ウクライナ製鉄協会のオレクサンドル・カレンコフ会長)

「一部の製鉄企業はポクロウシク炭鉱の喪失に備えて備蓄を始めている」

「石炭の輸入は生産コストの上昇に繋がって市場競争力を低下させるだろう」(製鉄産業界の関係者)

「ポクロウシク炭鉱では最大1万人が働き年間800万トンもの石炭が供給してきた。現在でも炭鉱で約6,000人が働いているが、ロシア軍が街に接近しているため労働者の数は大幅に減少している。ウクライナの輸出額に占める鉄 鋼の割合は1/3だったが、ポクロウシク炭鉱が失われれば生産量は半減するだろう。ロシアもそのことを認識している」(ウクライナメディアのRBC-Ukraine)

「ウクライナ軍を信じているもののプランBも用意している。もしポクロウシク炭鉱を失っても立ち止まるつもりはないし、DTEK、ポーランド、米国から 石炭を買うことも出来るし、コークスを輸入することも出来るが、これはウクライナ経済にとって無視できない打撃になるだろう」(ウクライナ製鉄企業=メトインヴェストのユーリ・リジェンコフ最高経営責任者)

「ロシア軍は現在、ポクロウシク炭鉱から約20km離れた地点までやって来ており、あと10kmも前進されれば砲兵部隊の射程圏内(通常砲弾による砲撃)に収まって操業が不可能になるかもしれない。」(航空万能論ブログ管理人)

2週間ほど前の記事だが、気になって仕方ないので記事にした(引用しただけじゃね?)。

ロシアがドンバス地域の占領に拘るのは、そこにある地下資源が狙いだという話は以前から出ている。

ポクロフシク炭鉱(ポクロウシク炭鉱)は、その地下資源(鉄鋼生産に適した原料炭:コークスの原料)を採掘している国内唯一の炭鉱だそうだ。

(ウクライナがポクロウシクを失えば鉄鋼業にも大打撃)
http://www.hattorimichitaka.net/archives/58763448.html

「2014年にウクライナがドンバスの半分を親露分離主義者に奪われ、炭鉱の80%が失われた。ウクライナ側に残ったポクロウシク炭鉱は1990年に開坑した比較的新しいもので、ウクライナ有数の富豪R.アフメトフが所有するメトインヴェスト社のもの」(引用はエコノミストの記事より:以下同じ)

「メトインヴェストはすでに、マリウポリの2つの製鉄所とアウジイウカにあった欧州最大のコークス化学工場をロシアに破壊されている。そして今、彼はポクロウシク炭鉱も失う事態に直面している。」

「ロシア指導部にとって、アフメトフの資産を標的にすることは、ウクライナ経済を弱体化させる以外に、復讐という意味もあると広く信じられている。2014年以前、クレムリンは間違いなく彼が分離主義やロシア側に付くと信じていた。彼がウクライナ側に付くと、クレムリンはこれを裏切りとみなし、彼の財産を差し押さえた経緯がある。」

「ポクロフスク鉱山はウクライナ最大の原料炭の炭鉱で、ウクライナに残る鉄鋼業にとって不可欠」

最近、ポクロフシク方面の動きは鈍い。

ウクライナが援軍を送っているのかもしれないが、ブーレダル陥落後の南ドネツクからのロシア軍の北上が顕著で、クラホベが落ちるのは時間の問題だろう。

それに比べれば、ポクロフシクやデミトロフ(ミルノフラド)方面は膠着している。

ポクロフシク炭鉱があるウダチネ(ポクロフシク市西方10kmくらい?)が、本当に狙われているのかは不明だ。

「もっとも、ある専門家によれば、ロシア軍はウクライナに残る鉄鋼業に打撃を与えるために鉱山を奪う必要さえないという。彼らが前進するにつれて、電力供給を遮断し、石炭を西の残りの製鉄所まで運ぶ道路を封鎖しようとするだろう。」

実際どうなるのかは何とも言えない。

(ウクライナ東部の重要な炭鉱、ポクロフスク炭鉱が紛争下でも操業継続)
https://jp.investing.com/news/commodities-news/article-93CH-908874

「炭鉱を所有するMetinvestは、操業停止と従業員避難が必要となる具体的な時期を明示していません。しかし、同社は従業員の安全を最優先事項とし、紛争地域近くの従業員家族の避難に積極的に関与してきたと述べています。」

戦闘地域の接近が顕著になれば、操業を継続することは困難になるかもしれない。

「ロシア軍は現在、ポクロウシク炭鉱から約20km離れた地点までやって来ており、あと10kmも前進されれば砲兵部隊の射程圏内(通常砲弾による砲撃)に収まって操業が不可能になるかもしれない。」(航空万能論ブログ管理人:再掲)

ロシアは、ウクライナの産業基盤(インフラ)を攻撃することによって、戦争継続能力を奪うことに熱心だ。

電力網への攻撃も、その一環だし、最近話題のガス施設についても、市民の暖房だけではなく、ガスを燃料とした発電に対する攻撃の側面もあるのかもしれない。

(ゼレンスキーがMiG-29提供でポーランドを批判、何も起こらなかった)
https://grandfleet.info/european-region/zelensky-criticizes-poland-for-donating-mig-29s-nothing-happens/

「我々は冬場のガス供給をリヴィウ州ストルイのガス貯蔵施設に依存しており、これを守るのに必要なシステムをもっていないため『ロシア軍のミサイルを撃ち落としてほしい』とポーランドに要請してきたが、彼らは『単独では対応できない』『NATOが支持するのであれば迎撃できる』と主張した。そのため『ガス貯蔵施設を保護するのに必要なMiG-29を提供してほしい』と要請したが拒否された。ポーランドは自国のニーズを満たすだけの戦闘機を持っていなかったためだ」(ゼレンスキー大統領)

「我々はNATOの前事務総長と協議し、バルト三国に提供しているのと同じ領空保護をNATOが提供することで合意していた。その後に何が起きたのか?ポーランドは我々に戦闘機を提供したか?加盟国がポーランドに『ロシア軍のミサイルを迎撃すべきだ』と言ったか?結局何も変化はなかった」(同上)

「ポーランドへの領空保護提供にウクライナとNATOがいつ合意したのか不明」(航空万能論ブログ管理人:以下同じ)

「NATOやポーランドに「ウクライナ上空でロシア軍のミサイルを迎撃しろ」というのは「ロシアとの戦争に直接関与せよ」と言っているも同義」

「これは合意したからと言って直ぐに実行可能なものではない。」

この後の記事では、ポーランド(副首相)はムカついて、ゼレンスキーに「文句ばっか言ってないで、ポーランドに感謝しろ!」とブチ切れたそうだが、本題とは関係ないので割愛する。

まあ、どうでもいいんですが。

ポクロフシク炭鉱が通常砲弾の射程圏内に入れば、また記事になるのかもしれない。

セリダブから線路沿いに進んでジェフチェンコ辺りまで進軍すれば、十分射程圏内に入るだろう(未確認)。

操業を止めるだけなら、それ程徹底的に破壊する必要もないからな。

やれやれ・・・。

ロシアがドンバス地域を制圧することによる影響は、ウクライナにとって単に領土を失うだけに留まらない。

それ以上に、産業・経済にとって、重大な影響を被ることになる。

つーか、ロシアはそれを狙って進軍しているに違いないのだ(未確認)。

その意味でも、ウクライナ南部の黒海沿岸の状況が気になるところだ。

ロシアのへルソン撤退以降、あまり大きな動きはないけど(クリンキ争奪くらいか)、南部戦線は潜在的に重要な意味を持つ。

ブーレダル喪失で、物流が改善したことによる戦線の活性化が懸念されている。

仮に、北朝鮮軍の支援などによりクルスク方面から兵力を移動させることが出来たら、この地域でのドンパチがド派手に始まるかもしれない。

産業基盤である南部の港湾を押さえられれば、ウクライナの経済力は激減する。

もちろん、ウクライナ側もそれは十分承知しているだろうし、戦略的に防衛を強化してくるに違いない。

クルスクなんかに構ってはいられなくなることは間違いない。

南部を取られれば、そこから北上されてドニエプル川西岸を取られるしな。

モルドバ東部(沿ドニエストル共和国)への陸路も繋がる。

大統領選挙は、結構ヤバかったからな(現政権が維持したようです)。

まあいい。

ロシアが何を考えているかは知らない。

巷では、米国大統領選挙の行方に注目が集まっている(そりゃそうだろう・・・)。

世論調査の結果は、これ以上ないほど拮抗しているし、マスコミの報道も過熱している。

確かなことはただ一つ。

ウクライナの運命は、その結果で大きく変わる(たぶん)。

投票は既に始まったようだな・・・。

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