😼欧州大戦争:米国のNATO離脱 ― 2024年11月10日 07:29
欧州大戦争:米国のNATO離脱
(トランプ発言に揺れるNATO 米国に同盟は必要なのか)
https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckworld/20240502-OYT8T50037/
「今ではトランプ氏の代名詞のような「アメリカ・ファースト」(米国第一)は、孤立主義の系譜を継ぐ言葉でもある。」
「トランプ氏が当選すれば今度こそNATO離脱に踏み切るのでないかといった臆測と不安の声が飛び交うようになった。」
「共和党が多数の下院では3月末現在、採決のめどすら立っていない状況」
リリースは5月の日付だが、上記のように、この記事が実際に書かれたのは3月末と思われる。
米国がNATOを離脱するようなことが実際に起こるかどうかは分からない。
孤立主義は米国の「伝統」であり、米国第一主義と名前を変えた現在でも、脈々とした流れを維持している。
トランプ当選の現在、この記事を読み返してみると、なかなか味わい深いものを感じる。
トランプの米国第一主義は、米国の孤立主義の流れの中の一時的なものなのか、それとも、今度こそ後戻りできない歴史の転換点になるのか。
(トランプ氏再選なら米国はNATO離脱、元側近らが警告)
https://www.cnn.co.jp/usa/35215139.html
「トランプ氏のかつての側近の多くは同氏が大統領2期目の就任を果たした場合、米国のNATOからの正式な離脱を模索するだろうと警鐘を鳴らしている。」
「トランプ、バイデン両政権に加わったある高位当局者は、トランプ氏が11月の大統領選でバイデン大統領を破れば、「米国はNATOから離脱するだろう」と語った。」
「トランプ政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)だったジョン・ボルトン氏も「NATOは本当の危機に陥るはずだ」「彼(トランプ氏)は離脱を試みると思う」と述べた。」
「退役将軍でトランプ政権の大統領首席補佐官だったジョン・ケリー氏によれば、米国の安全保障責任を軽視するトランプ氏の姿勢は、日本や韓国との相互防衛協定にまで拡大するとみられる。NATOを全く重視しなかったトランプ氏は、抑止力としての日韓両国での米軍駐留にも強く反対していた」
日米、韓米もまた、俎上に上がってくるわけだ。
まあ、そっちはとりあえずどうでもいいんですが(そうなのかあ?)。
浮沈子の妄想の中では、米国はいずれ、我が国を中国に売り渡すと見ているんだがな(そんなあ!)。
ジョンケリーと言えば、第1期トランプ政権において、米国の良心としての役割を果たした。
米国のNATO離脱は、決して浮沈子の妄想じゃない。
ウクライナをロシアにくれてやる話は、2022年2月の侵攻以来、浮沈子の妄想として頭の中を駆け巡っているけど、欧州丸ごとくれてやるという話になれば穏やかではない。
ロシアだって、いきなりどうぞと言われても受け取れないだろうしな。
欧州を何らかの形で併合するとなれば、中国を引き込まなければならなくなる。
まあ、ロシアが面倒見れるのは、せいぜいバルト3国やフィンランド、ポーランドをはじめとする東欧諸国くらいまでだろう。
共同防衛を謳った第5条は空文化し、NATOの影響力は煙のように消える(そうなのかあ?)。
(「強さによる平和」の意味を変えた使用は賢明ではない)
https://agora-web.jp/archives/241109105420.html
「「強さによる平和」とは、平時に圧倒的な力を備えておくと、敵が恐れて攻撃を控えるので、平和が保たれる、というのが基本的な意味である。抑止に関するモットーだと言ってよい。」
「トランプ氏の観点から言えば、クルスク侵攻作戦の後に特に急速なロシア軍の支配地域拡大を許しているウクライナが、「アメリカの支援でいつか強くなりたい、いつか強くなってロシアを打ち負かしたい(・・・今は負けているが)、だからいつか勝てる日が来るまで戦争を続けたい」と懇願するのは、弱いからである。」
「もしトランプ氏のアメリカが「強さ」を取り戻したアメリカなら、ロシアのさらなる進撃を止めるだろう。抑止して、停戦を導き出すだろう。それがトランプ氏の語る「強さによる平和」である。」
うーん、浮沈子的には説得力を感じる視点だ。
「「強さによる平和」の原語であるラテン語の「Si vis pacem, para bellum」という表現は、圧倒的な覇権を誇って、どの勢力からの挑戦も受け付けなかったローマ帝国を描写した言葉である。」(Si vis pacem, para bellum:平和を望むなら、戦争に備えよ:自動翻訳)
「アメリカの歴史では、初代大統領ジョージ・ワシントンが、「強さによる平和」を訴えたうえで、ヨーロッパ列強との関係を断つ「相互錯綜関係回避原則」(日本の学校教科書で「孤立主義」として教えられている外交政策)を国是にしたと理解されている。」
「終わりの見えない欧州の戦争に深く関わることは、ワシントンの教えの真逆の政策であり、アメリカの歴史に刻まれた「強さによる平和」の思想から導き出される態度とは言えない。」
まあ、もっとも、トランプがローマ帝国や米国の歴史に倣うことはないだろう。
直観的、ヤマカン的、動物的、瞬間的選択で動く(そうなのかあ?)。
政治は結果主義だからな。
望ましい結果を導き出せれば、プロセスは問わない。
記事は、ゼレンスキーの「言葉遊び」を批判する内容だが、米国の孤立主義の源流とその具現を紹介している点で参考になる。
現在の欧州との関係が、その延長線上にあるのかどうかは分からないけど、第2次トランプ政権の政策を占う上で興味深い。
米国のNATO離脱は、決してあり得ない選択とは言えない。
それは、むしろ、歴史的必然とさえいえる(そうなのかあ?)。
もっとも、「強さによる平和」の源流であったローマ帝国は、結局滅びちまったということを忘れてはならないだろう・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(「まずは俺たちの最低限の要求を呑め。話はそれからだ」トランプ大勝利で、プーチンが抱く「本音」と「懸念」)
https://gendai.media/articles/-/140943
「ロシアからの主張を要約するとこのようになる。」(3ページ目)
1.たとえどのようなコストを払うことに対しても、ロシアはNATOが旧ソ連圏に拡大することを止めるつもりであると何度も主張してきた
2.2021年末にロシアはアメリカとNATOに対して「旧ソ連圏に拡大するな」「97年のラインまで戻れ」とお願いしたが、アメリカもNATOも我々の懸念に対しては耳を傾けてこなっかったし、まともな対案も出してこなかった
3.我々は何度も騙されてきた。西側諸国はやらないはずのNATOの拡大を繰り返し、ウクライナもロシアとの約束を守らなかった。もうだまされるつもりはない
4.話し合いに応じないのなら、我々のやり方で問題を解決するしかない
この「我々のやり方」というのが、ウクライナに対する軍事侵攻だったわけだ(ロシアは特別軍事作戦と言ってるけど)。
やれやれ・・・。
「モスクワで国際政治学者とウクライナ侵攻について議論をすると「ロシアの責任が一番大きいのは事実だ」とは認めても、「ロシアを侵攻に追い込んだのは実質的にはアメリカだ」という解説をされる。」(4ページ目)
「ロシアの国際政治学者のマインドでは「国際関係の中心はあくまでも大国関係であり、それ以外は従属変数に過ぎない」という考え方が定着している。」
「ここでいう「大国」は「自国の運命を自国で決められる国」のような意味合いで理解される。」
「ロシアの交渉相手はあくまでもアメリカである。アメリカが話し合いに応じないのであれば、ウクライナにロシアの要求を飲ませるか、ウクライナからくる脅威を最小化するしかない」
「彼らの中では「ウクライナは交渉相手ですらない」というのは「当たり前の事実」として認識されている。」
やれやれ・・・。
「この認識は日本に対しても当てはまる。極端な話、ロシアでは「日本の首都はワシントン」とまでは言わないものの、「重要な決定にはアメリカの関与がある程度ある」と考えられている。この「ある程度」には「アメリカにとって不都合なことがあれば、日本との合意はひっくり返される」から「アメリカの決定が日本に押し付けられる」が含まれている。ロシアは「日本と話し合いをしても、アメリカにひっくり返されてしまう可能性がある」という警戒をしている。」
まあ、こっちの方はとりあえずどうでもいいんですが。
「このような論理は「用があったら、そちらの『飼い主』と直接話をする」という発想によく飛躍する。」
突飛に聞こえるが、浮沈子的にはロシア的発想として妙に納得するものがある。
記事では、欧州の存在がどうなっているのかには触れられていない。
基本、埒外なのかもしれないけどな。
それとも、飼い主・飼い犬関係が、米国・欧州の間にもあるということなのか(そんなあ!)。
まあいい。
プーチンの停戦スキーム(ウクライナのNATO非加盟)を、ディールで変更できるかどうかはビミョーだ(ロシアにとっては、いわば「核心的利益」だからな)。
いずれにしても、恒久的に加盟断念を担保することは難しい。
有期の非加盟状況を構築し、それを保証するための仕組みづくりが必要になる。
そのためには米国の関与が不可欠になるだろう。
ロシアは、米国のNATO離脱を望んでいないに違いない(未確認)。
が、それを決めるのは米国自身だ(「大国」だからな)。
ウクライナに、どれほどの米国利権があるのかは知らないが、バッサリ損切りして手を引く可能性だってないとは言えない。
原則なき交渉の世界・・・。
自らの運命を決めることが出来ない、「大国に翻弄される飼い犬」の遠吠えだけが、虚しく響く・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
「ウクライナが、「アメリカの支援でいつか強くなりたい、いつか強くなってロシアを打ち負かしたい(・・・今は負けているが)、だからいつか勝てる日が来るまで戦争を続けたい」と懇願するのは、弱いからである。」(アゴラ:再掲)
そりゃあそうなんだが、その「弱いウクライナ」に留めてきたのは米国だ。
クルスク侵攻作戦の後に特に急速なロシア軍の支配地域拡大を許しているウクライナは、軍事大国であるロシアを通常兵器で撃退し、ロシア領の奥深くに追いやるだけの戦力を与えられていない。
当初、短期間で降伏させられると見たから、ロシアは軍事侵攻したんだろうが、その当ては外れた。
ウクライナは、負けない戦いを続けるだけの戦力は与えられていた。
昨年の10月初旬頃まではな。
もちろん、反転攻勢はそれ以前にとん挫していたけど、ロシア軍はまだ逆反転攻勢(=ただの攻勢?)に転じてはいなかった。
ガザのハマスによるテロが勃発し、イスラエル支援で米国のウクライナ支援は激減した。
イスラエルとウクライナの両方に、潤沢に武器弾薬を供給することはできない。
米国議会(下院)の抵抗による支援の遅延もあった。
弱いウクライナは、こうして誕生した。
もちろん、ロシアの侵攻前はもっと弱かったけどな。
その後の西側の支援で、1年くらいは暴れて見せた。
しかし、2023年春頃(ちょうど反転攻勢が始まるころ)から、兵員の不足がささやかれるようになってきた。
今では、それが「弱いウクライナ」の根本的な原因とされている。
あと100万人くらい動員をかけ、米国をはじめとする西側が、戦場で使いきれないほどの砲弾と装甲車両、航空戦力、防空システムを与えれば、クルスクなんかに越境しなくても、クリミアを含めた占領地を奪還し、ロシアを停戦交渉に引きずり出すことができるだろう。
が、それはタラレバの話だ・・・。
(クリミア奪還「非現実的」 トランプ氏の元顧問)
https://nordot.app/1228094360657969655
「ゼレンスキー氏はクリミア奪還後に平和が訪れると述べているが、クリミアはもう消滅したと伝えたい」(トランプ次期大統領の元顧問ブライアン・ランザ氏)
「戦争を終わらせるためにも、ウクライナは現実的な和平案を検討する必要があるとも述べた。」
昨年の秋にドニエプル川左岸のクリンキに渡河作戦を強行し、「膠着状態」じゃないぞとアピールしたものの、結局、ロシア軍に撃退されてとん挫したのは記憶に新しい。
英国軍が主導して試みた海からの侵入も阻止されている。
クリミアは、「消滅」したと思った方がいいのかもしれない(そんなあ!)。
しかし、度重なる海空からの攻撃で、ロシアの黒海艦隊はクリミアから撤退し、ウクライナは黒海やアゾフ海の制海権(厳密にはそうじゃないとしても:ちゃんとした海上艦艇はないからな)を獲得している。
ウクライナだって、負けっぱなしではないのだ。
強いウクライナを望まない西側の戦略にハマって、ずるずると負けない戦争を続ける羽目になっただけだ。
トランプは、NATO離脱の一方で、「力による平和」を追求し、ロシアに停戦を呑ませようとするだろう。
ウクライナを弱いまま維持し続ける一方で、ロシアの侵略を止め、停戦を成立される唯一の方法は、米国の直接参戦しかない(そうなのかあ?)。
さもなければ、供与兵器を桁違いに増強し、渋るウクライナに100万人の動員を強制する必要がある。
核の恫喝をエスカレートさせているプーチン政権に対しては、米国の核兵器で対抗する必要もある。
バイデン政権は、核を使用しないと明言していたからな。
トランプは異なる(そうなのかあ?)。
目には目を、歯には歯を、核には核を。
黒海とバルト海に原子力空母を展開、核兵器を搭載した戦略原潜も投入して、ロシアとチキンレースになる。
ポーランドに弾道ミサイルを配備するかもしれない。
米国は、これまで戦域の拡大を恐れて、供与兵器に縛りをかけたりしてきたけど、それも撤廃して、ウクライナに好きなように使わせると言うだろう。
トマホークだって与えるって言うかもしれない(まあ、見せ金的に、数発は供与するでしょうけど、戦勝計画で要求されたようには与えないだろうな)。
ロシアがそれでウクライナを核攻撃するかどうかを試すわけだ。
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
これって、キューバ危機よりヤバいかもしれない。
しかし、短期に停戦交渉に持ち込むためには、外科的療法に頼ることになる。
プーチンが折れるか、トランプが諦めるか。
戦後のウクライナの安全保障や、領土問題は、時間をかけて外交的政治的に解決することになるだろうが、軍事力という万国共通の言語(言語なのかあ?)で話し合いをしなければ火中の栗は拾えない。
ウクライナの緊張は、停戦交渉開始に向けて一気に高まる危険性がある。
確認しておこう。
弱いウクライナのままでは、ロシアを停戦交渉に引きずり出すことはできない。
しかし、西側は強いウクライナを作ることに積極的ではなかった。
ロシアとの軍事的エスカレーションを恐れたからな。
その結果、ずるずると戦いが長引いて、ロシアに押し込まれ続ける結果となっている。
プーチンは、停戦交渉を拒否してはいないものの、ウクライナが到底呑めない停戦条件を示して、実質的にこれを拒んでいる。
それが、大国ロシアの国益に叶うからだ。
強さによる平和を軸にロシアに停戦を迫るためには、ウクライナを強くするしかないが、そして、それはゼレンスキーも望んでいるけど、短期間にそれを実現することは困難だし、米国も欧州も、地政学的にウクライナの地域に強大な軍事力が展開されることを望んではいない。
どうするのか。
結局、火中の栗を拾うためには、米国がリスクを取ってロシアと直接対峙するしかない。
そのためには、一時的とはいえ、ロシアとの軍事的緊張がエスカレートする可能性がある。
ロシアが交渉に応じれば、緊張は緩和され、非軍事的プロセスに移行する。
そう上手くいけばいいけど。
さもなければ、米ロの直接対決が現実のものになり、欧州は火の海になりかねない。
中国をどう使うか、欧州の頭越しに事を運ぶために、どう根回しするかも重要だ。
トランプは、ウクライナはこの戦争を始めるべきではなかったと言ったが、そして、これは負け戦だとも言って見せたが、事実認識の問題はともかく、浮沈子的には納得できる見方だ。
交渉は、双方の痛み分けで決着する。
ウクライナ問題は、基本的に欧州マターだから、尻拭いは欧州に押し付けられるだろう。
米国の積極的関与は、ロシアを交渉に引きずり出すまでの短期間だ。
多少荒業になるかもしれないが、それは米国にしかできない。
深入りせずに、米国第一主義の旗を降ろさずに成し遂げる必要がある。
タイトロープだろうけど、ウクライナの地に平和をもたらすためには渡る価値がある。
しかし、まあ、ウクライナが要求しているような決着(領土一体、主権維持)にはならないだろうな。
その責任を問われて、現政権は崩壊、結果的にロシアは果実(ロシア寄りの新政権)を手に入れるだろう(そうなのかあ?)。
或いは、ウクライナが分割され(3分割?)、リビウ辺りを首都とする内陸国として生き残ることになるのかもしれない。
最終的な(当面の)落としどころは諸説ある。
まあ、どうでもいいんですが。
もし、米国がリスクを取らなかったらどうなるのか。
ロシアを交渉のテーブルにつかせることが出来ず、トランプ政権は、停戦に失敗することになる。
その可能性は、十分にある。
ウクライナ問題は、選挙の争点とはならなかったから、政権の痛手にはならないだろうが、米国の立場は確実に弱くなるだろうな。
トランプ政権にとっては、それはさほど問題ではないだろう。
ウクライナ紛争は、民主党政権がもたらしたものだという宣伝材料にしてしまうだけの話だ。
支援を打ち切られたウクライナは、軍事的に敗戦するしかなくなる。
欧州が、心を入れ替えて(!)火中の栗を拾うかどうかは疑問だ。
戦場で勝てないウクライナに投資するのは、得策ではない。
国家は国益で動く。
正義では動かない。
西側の支援は、米国の離脱で先細り、ウクライナ紛争はロシアが描いた通りの決着となる。
NATO非加盟(中立化)、領土分割(クリミア+4州全域:未支配地域含む)。
状況によっては、分割される領土はさらに増えるかもしれない。
戦争が継続すれば、支援を失ったウクライナは、戦線を維持できなくなるからな。
ドイツは、米国に代わってウクライナ支援の総合調整を行うだろうか?。
浮沈子はムリポと見ているけど(国内が割れてるからな)、欧州内の状況次第かも知れない。
どーせ、マクロンは用もないのにしゃしゃり出てくるだろうし。
米国が、早期にNATO離脱を行えば、ショック療法が効いて欧州が一丸となる可能性はゼロではない。
ゼロではないけど、たぶん、限りなくゼロに近いだろう。
ロシアを排除し、米国を留め、ドイツを抑え込む目的で成立したNATOは、実質的に崩壊の危機にさらされる。
ウクライナの次が、バルト3国や東欧であることは分かり切っている(どっちが先かという話はあるけど)。
そして、米国抜きのNATOでは、それを押しとどめることはできない。
欧州大戦争は、ひたひたと押し寄せている。
トランプ政権時代に、それが始まるかどうかはビミョーだ。
それが起こってしまったなら、政権にとっては確実に痛手となる。
ウクライナの敗北自体は、前政権のせいにできるけどな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ氏、国務長官にルビオ上院議員を起用へ=関係筋)
https://jp.reuters.com/world/security/AIZMKHVXRJLG3CYHEJNW6DMBMU-2024-11-12/
「トランプ支持派の一部は、同氏の外交姿勢と矛盾する立場を最近まで取ってきたルビオ氏の起用を疑問視する可能性」
「ルビオ氏が1期目のトランプ政権時に、北大西洋条約機構(NATO)脱退に上院の3分の2の賛成という要件を設け、ハードルを高くする法案の共同提案者になった経緯がある。」
ほほう、ひょっとすると、NATO離脱にブレーキがかかる可能性もあるな。
53議席を押さえているとはいえ(残り1議席:11月12日現在)、上院の3分の2の賛成を得るというのは事実上不可能だろう。
この方眼が成立したのかどうかは知らない(未調査)。
共和党も1枚岩というわけじゃない。
つーか、トランプ派と反トランプ派で大分裂を起こす可能性すらある。
(米国のNATO離脱、トランプ氏の本気度はかなりのもの:2月の記事)
https://www.cnn.co.jp/usa/35215264.html
「欧州諸国は、プーチン氏が勝利を収めた場合にウクライナだけで止まらない可能性を危惧している。さらにトランプ氏の大統領2期目が現実となった場合、NATOは深刻な危機に陥る恐れがある。」
「同氏は常に他国を槍玉に挙げようとしており、そうした国々に米国が食い物にされていると思い込んでいる。」
やれやれ・・・。
「何と言ってもトランプ氏の同盟国に対する見解は、40年近く変わっていない」
「1987年、同氏は米紙ニューヨーク・タイムズに全面広告を打ち、公開書簡を掲載した。」
「もう何十年も、日本をはじめとする他国は米国を食い物にしている。(中略)日本やサウジアラビア、その他の国々に防衛費を払わせよう。我々が同盟相手として拡大している防衛への対価を」
NATOそのものを否定しているわけではないようだな。
離脱をちらつかせるのは、応分の対価を支払うように促すレトリックに過ぎないのかもしれない。
だが、ボルトンの次の指摘はもっと本質的なものだ。
「NATOの前提を根本から見直すだろう。トランプ政権の2期目でそれをやるのだと思う。つまり米国をNATOそのものから離脱させるということだ」
米国を欧州に留め、ロシアを排除し、ドイツを抑え込むことを目的として発足したNATO。
時代と共に、その役割は変質してきている。
同時に、米国の影響力が低下(ピークアウト)してきていることも確かだ。
NATO離脱は、その象徴に過ぎない。
ルビオの登用が、それにどう影響するのかも注目だな・・・。
(トランプ発言に揺れるNATO 米国に同盟は必要なのか)
https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckworld/20240502-OYT8T50037/
「今ではトランプ氏の代名詞のような「アメリカ・ファースト」(米国第一)は、孤立主義の系譜を継ぐ言葉でもある。」
「トランプ氏が当選すれば今度こそNATO離脱に踏み切るのでないかといった臆測と不安の声が飛び交うようになった。」
「共和党が多数の下院では3月末現在、採決のめどすら立っていない状況」
リリースは5月の日付だが、上記のように、この記事が実際に書かれたのは3月末と思われる。
米国がNATOを離脱するようなことが実際に起こるかどうかは分からない。
孤立主義は米国の「伝統」であり、米国第一主義と名前を変えた現在でも、脈々とした流れを維持している。
トランプ当選の現在、この記事を読み返してみると、なかなか味わい深いものを感じる。
トランプの米国第一主義は、米国の孤立主義の流れの中の一時的なものなのか、それとも、今度こそ後戻りできない歴史の転換点になるのか。
(トランプ氏再選なら米国はNATO離脱、元側近らが警告)
https://www.cnn.co.jp/usa/35215139.html
「トランプ氏のかつての側近の多くは同氏が大統領2期目の就任を果たした場合、米国のNATOからの正式な離脱を模索するだろうと警鐘を鳴らしている。」
「トランプ、バイデン両政権に加わったある高位当局者は、トランプ氏が11月の大統領選でバイデン大統領を破れば、「米国はNATOから離脱するだろう」と語った。」
「トランプ政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)だったジョン・ボルトン氏も「NATOは本当の危機に陥るはずだ」「彼(トランプ氏)は離脱を試みると思う」と述べた。」
「退役将軍でトランプ政権の大統領首席補佐官だったジョン・ケリー氏によれば、米国の安全保障責任を軽視するトランプ氏の姿勢は、日本や韓国との相互防衛協定にまで拡大するとみられる。NATOを全く重視しなかったトランプ氏は、抑止力としての日韓両国での米軍駐留にも強く反対していた」
日米、韓米もまた、俎上に上がってくるわけだ。
まあ、そっちはとりあえずどうでもいいんですが(そうなのかあ?)。
浮沈子の妄想の中では、米国はいずれ、我が国を中国に売り渡すと見ているんだがな(そんなあ!)。
ジョンケリーと言えば、第1期トランプ政権において、米国の良心としての役割を果たした。
米国のNATO離脱は、決して浮沈子の妄想じゃない。
ウクライナをロシアにくれてやる話は、2022年2月の侵攻以来、浮沈子の妄想として頭の中を駆け巡っているけど、欧州丸ごとくれてやるという話になれば穏やかではない。
ロシアだって、いきなりどうぞと言われても受け取れないだろうしな。
欧州を何らかの形で併合するとなれば、中国を引き込まなければならなくなる。
まあ、ロシアが面倒見れるのは、せいぜいバルト3国やフィンランド、ポーランドをはじめとする東欧諸国くらいまでだろう。
共同防衛を謳った第5条は空文化し、NATOの影響力は煙のように消える(そうなのかあ?)。
(「強さによる平和」の意味を変えた使用は賢明ではない)
https://agora-web.jp/archives/241109105420.html
「「強さによる平和」とは、平時に圧倒的な力を備えておくと、敵が恐れて攻撃を控えるので、平和が保たれる、というのが基本的な意味である。抑止に関するモットーだと言ってよい。」
「トランプ氏の観点から言えば、クルスク侵攻作戦の後に特に急速なロシア軍の支配地域拡大を許しているウクライナが、「アメリカの支援でいつか強くなりたい、いつか強くなってロシアを打ち負かしたい(・・・今は負けているが)、だからいつか勝てる日が来るまで戦争を続けたい」と懇願するのは、弱いからである。」
「もしトランプ氏のアメリカが「強さ」を取り戻したアメリカなら、ロシアのさらなる進撃を止めるだろう。抑止して、停戦を導き出すだろう。それがトランプ氏の語る「強さによる平和」である。」
うーん、浮沈子的には説得力を感じる視点だ。
「「強さによる平和」の原語であるラテン語の「Si vis pacem, para bellum」という表現は、圧倒的な覇権を誇って、どの勢力からの挑戦も受け付けなかったローマ帝国を描写した言葉である。」(Si vis pacem, para bellum:平和を望むなら、戦争に備えよ:自動翻訳)
「アメリカの歴史では、初代大統領ジョージ・ワシントンが、「強さによる平和」を訴えたうえで、ヨーロッパ列強との関係を断つ「相互錯綜関係回避原則」(日本の学校教科書で「孤立主義」として教えられている外交政策)を国是にしたと理解されている。」
「終わりの見えない欧州の戦争に深く関わることは、ワシントンの教えの真逆の政策であり、アメリカの歴史に刻まれた「強さによる平和」の思想から導き出される態度とは言えない。」
まあ、もっとも、トランプがローマ帝国や米国の歴史に倣うことはないだろう。
直観的、ヤマカン的、動物的、瞬間的選択で動く(そうなのかあ?)。
政治は結果主義だからな。
望ましい結果を導き出せれば、プロセスは問わない。
記事は、ゼレンスキーの「言葉遊び」を批判する内容だが、米国の孤立主義の源流とその具現を紹介している点で参考になる。
現在の欧州との関係が、その延長線上にあるのかどうかは分からないけど、第2次トランプ政権の政策を占う上で興味深い。
米国のNATO離脱は、決してあり得ない選択とは言えない。
それは、むしろ、歴史的必然とさえいえる(そうなのかあ?)。
もっとも、「強さによる平和」の源流であったローマ帝国は、結局滅びちまったということを忘れてはならないだろう・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(「まずは俺たちの最低限の要求を呑め。話はそれからだ」トランプ大勝利で、プーチンが抱く「本音」と「懸念」)
https://gendai.media/articles/-/140943
「ロシアからの主張を要約するとこのようになる。」(3ページ目)
1.たとえどのようなコストを払うことに対しても、ロシアはNATOが旧ソ連圏に拡大することを止めるつもりであると何度も主張してきた
2.2021年末にロシアはアメリカとNATOに対して「旧ソ連圏に拡大するな」「97年のラインまで戻れ」とお願いしたが、アメリカもNATOも我々の懸念に対しては耳を傾けてこなっかったし、まともな対案も出してこなかった
3.我々は何度も騙されてきた。西側諸国はやらないはずのNATOの拡大を繰り返し、ウクライナもロシアとの約束を守らなかった。もうだまされるつもりはない
4.話し合いに応じないのなら、我々のやり方で問題を解決するしかない
この「我々のやり方」というのが、ウクライナに対する軍事侵攻だったわけだ(ロシアは特別軍事作戦と言ってるけど)。
やれやれ・・・。
「モスクワで国際政治学者とウクライナ侵攻について議論をすると「ロシアの責任が一番大きいのは事実だ」とは認めても、「ロシアを侵攻に追い込んだのは実質的にはアメリカだ」という解説をされる。」(4ページ目)
「ロシアの国際政治学者のマインドでは「国際関係の中心はあくまでも大国関係であり、それ以外は従属変数に過ぎない」という考え方が定着している。」
「ここでいう「大国」は「自国の運命を自国で決められる国」のような意味合いで理解される。」
「ロシアの交渉相手はあくまでもアメリカである。アメリカが話し合いに応じないのであれば、ウクライナにロシアの要求を飲ませるか、ウクライナからくる脅威を最小化するしかない」
「彼らの中では「ウクライナは交渉相手ですらない」というのは「当たり前の事実」として認識されている。」
やれやれ・・・。
「この認識は日本に対しても当てはまる。極端な話、ロシアでは「日本の首都はワシントン」とまでは言わないものの、「重要な決定にはアメリカの関与がある程度ある」と考えられている。この「ある程度」には「アメリカにとって不都合なことがあれば、日本との合意はひっくり返される」から「アメリカの決定が日本に押し付けられる」が含まれている。ロシアは「日本と話し合いをしても、アメリカにひっくり返されてしまう可能性がある」という警戒をしている。」
まあ、こっちの方はとりあえずどうでもいいんですが。
「このような論理は「用があったら、そちらの『飼い主』と直接話をする」という発想によく飛躍する。」
突飛に聞こえるが、浮沈子的にはロシア的発想として妙に納得するものがある。
記事では、欧州の存在がどうなっているのかには触れられていない。
基本、埒外なのかもしれないけどな。
それとも、飼い主・飼い犬関係が、米国・欧州の間にもあるということなのか(そんなあ!)。
まあいい。
プーチンの停戦スキーム(ウクライナのNATO非加盟)を、ディールで変更できるかどうかはビミョーだ(ロシアにとっては、いわば「核心的利益」だからな)。
いずれにしても、恒久的に加盟断念を担保することは難しい。
有期の非加盟状況を構築し、それを保証するための仕組みづくりが必要になる。
そのためには米国の関与が不可欠になるだろう。
ロシアは、米国のNATO離脱を望んでいないに違いない(未確認)。
が、それを決めるのは米国自身だ(「大国」だからな)。
ウクライナに、どれほどの米国利権があるのかは知らないが、バッサリ損切りして手を引く可能性だってないとは言えない。
原則なき交渉の世界・・・。
自らの運命を決めることが出来ない、「大国に翻弄される飼い犬」の遠吠えだけが、虚しく響く・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
「ウクライナが、「アメリカの支援でいつか強くなりたい、いつか強くなってロシアを打ち負かしたい(・・・今は負けているが)、だからいつか勝てる日が来るまで戦争を続けたい」と懇願するのは、弱いからである。」(アゴラ:再掲)
そりゃあそうなんだが、その「弱いウクライナ」に留めてきたのは米国だ。
クルスク侵攻作戦の後に特に急速なロシア軍の支配地域拡大を許しているウクライナは、軍事大国であるロシアを通常兵器で撃退し、ロシア領の奥深くに追いやるだけの戦力を与えられていない。
当初、短期間で降伏させられると見たから、ロシアは軍事侵攻したんだろうが、その当ては外れた。
ウクライナは、負けない戦いを続けるだけの戦力は与えられていた。
昨年の10月初旬頃まではな。
もちろん、反転攻勢はそれ以前にとん挫していたけど、ロシア軍はまだ逆反転攻勢(=ただの攻勢?)に転じてはいなかった。
ガザのハマスによるテロが勃発し、イスラエル支援で米国のウクライナ支援は激減した。
イスラエルとウクライナの両方に、潤沢に武器弾薬を供給することはできない。
米国議会(下院)の抵抗による支援の遅延もあった。
弱いウクライナは、こうして誕生した。
もちろん、ロシアの侵攻前はもっと弱かったけどな。
その後の西側の支援で、1年くらいは暴れて見せた。
しかし、2023年春頃(ちょうど反転攻勢が始まるころ)から、兵員の不足がささやかれるようになってきた。
今では、それが「弱いウクライナ」の根本的な原因とされている。
あと100万人くらい動員をかけ、米国をはじめとする西側が、戦場で使いきれないほどの砲弾と装甲車両、航空戦力、防空システムを与えれば、クルスクなんかに越境しなくても、クリミアを含めた占領地を奪還し、ロシアを停戦交渉に引きずり出すことができるだろう。
が、それはタラレバの話だ・・・。
(クリミア奪還「非現実的」 トランプ氏の元顧問)
https://nordot.app/1228094360657969655
「ゼレンスキー氏はクリミア奪還後に平和が訪れると述べているが、クリミアはもう消滅したと伝えたい」(トランプ次期大統領の元顧問ブライアン・ランザ氏)
「戦争を終わらせるためにも、ウクライナは現実的な和平案を検討する必要があるとも述べた。」
昨年の秋にドニエプル川左岸のクリンキに渡河作戦を強行し、「膠着状態」じゃないぞとアピールしたものの、結局、ロシア軍に撃退されてとん挫したのは記憶に新しい。
英国軍が主導して試みた海からの侵入も阻止されている。
クリミアは、「消滅」したと思った方がいいのかもしれない(そんなあ!)。
しかし、度重なる海空からの攻撃で、ロシアの黒海艦隊はクリミアから撤退し、ウクライナは黒海やアゾフ海の制海権(厳密にはそうじゃないとしても:ちゃんとした海上艦艇はないからな)を獲得している。
ウクライナだって、負けっぱなしではないのだ。
強いウクライナを望まない西側の戦略にハマって、ずるずると負けない戦争を続ける羽目になっただけだ。
トランプは、NATO離脱の一方で、「力による平和」を追求し、ロシアに停戦を呑ませようとするだろう。
ウクライナを弱いまま維持し続ける一方で、ロシアの侵略を止め、停戦を成立される唯一の方法は、米国の直接参戦しかない(そうなのかあ?)。
さもなければ、供与兵器を桁違いに増強し、渋るウクライナに100万人の動員を強制する必要がある。
核の恫喝をエスカレートさせているプーチン政権に対しては、米国の核兵器で対抗する必要もある。
バイデン政権は、核を使用しないと明言していたからな。
トランプは異なる(そうなのかあ?)。
目には目を、歯には歯を、核には核を。
黒海とバルト海に原子力空母を展開、核兵器を搭載した戦略原潜も投入して、ロシアとチキンレースになる。
ポーランドに弾道ミサイルを配備するかもしれない。
米国は、これまで戦域の拡大を恐れて、供与兵器に縛りをかけたりしてきたけど、それも撤廃して、ウクライナに好きなように使わせると言うだろう。
トマホークだって与えるって言うかもしれない(まあ、見せ金的に、数発は供与するでしょうけど、戦勝計画で要求されたようには与えないだろうな)。
ロシアがそれでウクライナを核攻撃するかどうかを試すわけだ。
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
これって、キューバ危機よりヤバいかもしれない。
しかし、短期に停戦交渉に持ち込むためには、外科的療法に頼ることになる。
プーチンが折れるか、トランプが諦めるか。
戦後のウクライナの安全保障や、領土問題は、時間をかけて外交的政治的に解決することになるだろうが、軍事力という万国共通の言語(言語なのかあ?)で話し合いをしなければ火中の栗は拾えない。
ウクライナの緊張は、停戦交渉開始に向けて一気に高まる危険性がある。
確認しておこう。
弱いウクライナのままでは、ロシアを停戦交渉に引きずり出すことはできない。
しかし、西側は強いウクライナを作ることに積極的ではなかった。
ロシアとの軍事的エスカレーションを恐れたからな。
その結果、ずるずると戦いが長引いて、ロシアに押し込まれ続ける結果となっている。
プーチンは、停戦交渉を拒否してはいないものの、ウクライナが到底呑めない停戦条件を示して、実質的にこれを拒んでいる。
それが、大国ロシアの国益に叶うからだ。
強さによる平和を軸にロシアに停戦を迫るためには、ウクライナを強くするしかないが、そして、それはゼレンスキーも望んでいるけど、短期間にそれを実現することは困難だし、米国も欧州も、地政学的にウクライナの地域に強大な軍事力が展開されることを望んではいない。
どうするのか。
結局、火中の栗を拾うためには、米国がリスクを取ってロシアと直接対峙するしかない。
そのためには、一時的とはいえ、ロシアとの軍事的緊張がエスカレートする可能性がある。
ロシアが交渉に応じれば、緊張は緩和され、非軍事的プロセスに移行する。
そう上手くいけばいいけど。
さもなければ、米ロの直接対決が現実のものになり、欧州は火の海になりかねない。
中国をどう使うか、欧州の頭越しに事を運ぶために、どう根回しするかも重要だ。
トランプは、ウクライナはこの戦争を始めるべきではなかったと言ったが、そして、これは負け戦だとも言って見せたが、事実認識の問題はともかく、浮沈子的には納得できる見方だ。
交渉は、双方の痛み分けで決着する。
ウクライナ問題は、基本的に欧州マターだから、尻拭いは欧州に押し付けられるだろう。
米国の積極的関与は、ロシアを交渉に引きずり出すまでの短期間だ。
多少荒業になるかもしれないが、それは米国にしかできない。
深入りせずに、米国第一主義の旗を降ろさずに成し遂げる必要がある。
タイトロープだろうけど、ウクライナの地に平和をもたらすためには渡る価値がある。
しかし、まあ、ウクライナが要求しているような決着(領土一体、主権維持)にはならないだろうな。
その責任を問われて、現政権は崩壊、結果的にロシアは果実(ロシア寄りの新政権)を手に入れるだろう(そうなのかあ?)。
或いは、ウクライナが分割され(3分割?)、リビウ辺りを首都とする内陸国として生き残ることになるのかもしれない。
最終的な(当面の)落としどころは諸説ある。
まあ、どうでもいいんですが。
もし、米国がリスクを取らなかったらどうなるのか。
ロシアを交渉のテーブルにつかせることが出来ず、トランプ政権は、停戦に失敗することになる。
その可能性は、十分にある。
ウクライナ問題は、選挙の争点とはならなかったから、政権の痛手にはならないだろうが、米国の立場は確実に弱くなるだろうな。
トランプ政権にとっては、それはさほど問題ではないだろう。
ウクライナ紛争は、民主党政権がもたらしたものだという宣伝材料にしてしまうだけの話だ。
支援を打ち切られたウクライナは、軍事的に敗戦するしかなくなる。
欧州が、心を入れ替えて(!)火中の栗を拾うかどうかは疑問だ。
戦場で勝てないウクライナに投資するのは、得策ではない。
国家は国益で動く。
正義では動かない。
西側の支援は、米国の離脱で先細り、ウクライナ紛争はロシアが描いた通りの決着となる。
NATO非加盟(中立化)、領土分割(クリミア+4州全域:未支配地域含む)。
状況によっては、分割される領土はさらに増えるかもしれない。
戦争が継続すれば、支援を失ったウクライナは、戦線を維持できなくなるからな。
ドイツは、米国に代わってウクライナ支援の総合調整を行うだろうか?。
浮沈子はムリポと見ているけど(国内が割れてるからな)、欧州内の状況次第かも知れない。
どーせ、マクロンは用もないのにしゃしゃり出てくるだろうし。
米国が、早期にNATO離脱を行えば、ショック療法が効いて欧州が一丸となる可能性はゼロではない。
ゼロではないけど、たぶん、限りなくゼロに近いだろう。
ロシアを排除し、米国を留め、ドイツを抑え込む目的で成立したNATOは、実質的に崩壊の危機にさらされる。
ウクライナの次が、バルト3国や東欧であることは分かり切っている(どっちが先かという話はあるけど)。
そして、米国抜きのNATOでは、それを押しとどめることはできない。
欧州大戦争は、ひたひたと押し寄せている。
トランプ政権時代に、それが始まるかどうかはビミョーだ。
それが起こってしまったなら、政権にとっては確実に痛手となる。
ウクライナの敗北自体は、前政権のせいにできるけどな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ氏、国務長官にルビオ上院議員を起用へ=関係筋)
https://jp.reuters.com/world/security/AIZMKHVXRJLG3CYHEJNW6DMBMU-2024-11-12/
「トランプ支持派の一部は、同氏の外交姿勢と矛盾する立場を最近まで取ってきたルビオ氏の起用を疑問視する可能性」
「ルビオ氏が1期目のトランプ政権時に、北大西洋条約機構(NATO)脱退に上院の3分の2の賛成という要件を設け、ハードルを高くする法案の共同提案者になった経緯がある。」
ほほう、ひょっとすると、NATO離脱にブレーキがかかる可能性もあるな。
53議席を押さえているとはいえ(残り1議席:11月12日現在)、上院の3分の2の賛成を得るというのは事実上不可能だろう。
この方眼が成立したのかどうかは知らない(未調査)。
共和党も1枚岩というわけじゃない。
つーか、トランプ派と反トランプ派で大分裂を起こす可能性すらある。
(米国のNATO離脱、トランプ氏の本気度はかなりのもの:2月の記事)
https://www.cnn.co.jp/usa/35215264.html
「欧州諸国は、プーチン氏が勝利を収めた場合にウクライナだけで止まらない可能性を危惧している。さらにトランプ氏の大統領2期目が現実となった場合、NATOは深刻な危機に陥る恐れがある。」
「同氏は常に他国を槍玉に挙げようとしており、そうした国々に米国が食い物にされていると思い込んでいる。」
やれやれ・・・。
「何と言ってもトランプ氏の同盟国に対する見解は、40年近く変わっていない」
「1987年、同氏は米紙ニューヨーク・タイムズに全面広告を打ち、公開書簡を掲載した。」
「もう何十年も、日本をはじめとする他国は米国を食い物にしている。(中略)日本やサウジアラビア、その他の国々に防衛費を払わせよう。我々が同盟相手として拡大している防衛への対価を」
NATOそのものを否定しているわけではないようだな。
離脱をちらつかせるのは、応分の対価を支払うように促すレトリックに過ぎないのかもしれない。
だが、ボルトンの次の指摘はもっと本質的なものだ。
「NATOの前提を根本から見直すだろう。トランプ政権の2期目でそれをやるのだと思う。つまり米国をNATOそのものから離脱させるということだ」
米国を欧州に留め、ロシアを排除し、ドイツを抑え込むことを目的として発足したNATO。
時代と共に、その役割は変質してきている。
同時に、米国の影響力が低下(ピークアウト)してきていることも確かだ。
NATO離脱は、その象徴に過ぎない。
ルビオの登用が、それにどう影響するのかも注目だな・・・。
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