😼欧州大戦争:停戦失敗 ― 2024年11月12日 21:28
欧州大戦争:停戦失敗
(ロシアの戦争終わらせられる?アメリカ前駐ロ大使の考察)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241112/k10014636371000.html
「前のトランプ政権で外交当局のナンバー2、国務副長官を務め、ウクライナ侵攻前後には駐ロシア大使だったジョン・サリバン氏」
けっこう、中の人っぽいなあ・・・。
「インタビューは10月28日」
このビミョーな日に、よくインタビューに応じたと感心する。
「プーチン氏は、アメリカ大統領が誰であろうとウクライナで達成しようと考えている目標があると思います。」
「トランプ氏の大統領への返り咲きはウクライナにとっては大きなリスクであり、ウクライナはより厳しい状況に追い込まれることになるでしょう。」
浮沈子的注目は次のくだり。
「たとえアメリカがウクライナ支援を打ち切ったとしても、ウクライナは降伏しない」
「ロシアがウクライナの領土を軍や治安機関を使って占領したとしても、ウクライナは抵抗を止めない」
「最終的には、ある種の停戦、いわゆる「紛争の凍結」となるかもしれませんが、それはウクライナの降伏を意味せず、ゲリラ戦のような形で抵抗は続く」
「プーチン氏は「ウクライナ政府はアメリカの手下だ」と言っていますが、トランプ氏がウクライナに圧力をかけようとすれば、プーチン氏はウクライナがアメリカの手下ではないと思い知るでしょう。」
うーん、ゼレンスキーも、以前に似たような話をしていた記憶がある。
しかし、ロシアの中にだって抵抗勢力はあるし、程度の差はあれ、隣国は互いに仮想敵国だからな。
2022年のロシアの軍事介入の際に、ウクライナといろいろやり取りがあったんだろうけど(政府の亡命とか)、そして、その後も反転攻勢(戦略の相違)やF-16の供与(米国は、もっと効果が高い兵器を推奨)、クルスク侵攻(米国に黙って勝手に侵攻)など、ウクライナが米国の言うことを聞かなかった例は枚挙にいとまがない。
しかし、ジョンサリバンが言う通り、米国の支援が打ち切られればウクライナが窮地に追い込まれることは間違いない。
トランプの政権移行チームは、停戦の方法を模索しているけど、浮沈子は失敗に終わると見ている。
「プーチン氏が妥協したくなるような状況になっているとは思えません。プーチン氏が「交渉する」というときは「ウクライナの降伏を受け入れる」という意味なのです。」
プーチンを交渉の席に着かせるためには、より大きな痛手を負わせ、ウクライナに安全保障を提供することが必要だという。
が、米国の支援打ち切りが迫り、NATO早期加盟も見送られた現在、その可能性は限りなく小さい。
トランプが模索している停戦というのは、本格的な長期の戦闘終了の形を取ってはいるけど、実質的には短期間しか機能しない、中途半端な枠組みに終わるのではないか。
つまりだな、破られることを前提とした、「なんちゃって停戦」なわけだ(そうなのかあ?)。
とりあえずドンパチ止めて、双方頭を冷やして損得勘定させて、取引(ディール)の環境を醸成する。
しかし、気に入らなければ、いつでもドンパチ再開させる。
それにしたって、ないよりはマシだ。
ロシアは、目的(ウクライナの中立化)を達成するまで攻撃を止めることはないだろう。
そして、それを止めることは誰にもできない。
「トランプ氏が言うように「戦争を終わらせる」には、アメリカがウクライナに降伏するよう圧力をかけることが唯一の方法かもしれません。」
ロシアを知るジョンサリバンはそう断言する。
ウクライナは降伏せず、敗戦しても占領下で抵抗するだろうけど、それはもう、CIAとか、そういう裏レベルの話になる。
(ウクライナ中立化は危機解決につながらず、フィンランドが反対)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/JT7TPE7Z3FOARPW6H3KBHRP6SQ-2024-11-12/
「フィンランドのバルトネン外相は11日、ウクライナに中立を強要しても、ロシアとの危機の平和的解決はもたらさないとの見方」
「トランプ次期米大統領がウクライナ紛争の早期終結を目指すと予想され、ウクライナが条件を押し付けられる可能性が一部で懸念される中、同国に中立を強いるなどのシナリオが考えられる。」
「ロシアが合意を結んでも順守するか分からない」
ロシアにとっても、いつ寝返るか分からないウクライナを抱えることはリスクになる。
フィンランドで懲りたわけで、ウクライナは中途半端な状況では済まないだろう。
停戦→中立化→寝返り→ドンパチ再開?。
ウクライナの独立精神は筋金入りだ。
そう簡単にはいかないだろう。
パーシャルな停戦は、ひょっとしたら可能かもしれないが、それを安定化させることは難しい。
ウクライナが主張するように、それはロシアに時間を与えることに過ぎない可能性もある。
「ウクライナ情勢については、より大きな視点で考えることが重要」(NHK:サリバン)
「北朝鮮はウクライナの戦争に関与し、イランはウクライナ侵攻を続けるロシアを支援しています。こうした動きには、中国も含めることができます。」
「イランと北朝鮮、中国と連携した侵略的なロシアとの対決を避けることは難しい」
「トランプ氏がNATO=北大西洋条約機構を支持しない、あるいは、日本や韓国、フィリピンに対する同盟義務の完全な履行を表明しないような人物を閣僚に指名したとしても、議会上院で承認を得ることは不可能」
このスキーム自体をぶっ壊すのがトランプだからな。
一寸先は闇の国際情勢。
侵略的ロシアとの対決の最前線は、ウクライナから拡大し、フィンランド、バルト3国、ポーランドからモルドバ、ルーマニアに至る数千kmの長大な前線に移ることになる。
その際には、サリバンが掲げた国々だけではなく、ベラルーシやチェチェンも加わる。
欧州大戦争の勃発だ。
が、そのドンパチが直ちに始まるかどうかは分からない。
開戦の時期はロシアが決める。
もちろん、得意の偽旗作戦を駆使して、「降りかかる火の粉は払いのけなければならない」とか言ってな。
やれやれ・・・。
そのように、ロシアを追い込んだのは米国だ(と、少なくともロシアでは思われている)。
今、そのツケを払う時が来ただけの話だ。
フィンランド外相が言う通り、中立化は、最終的な解決とならない可能性もある。
フィンランド自体が、どうなるかもわからんしな。
欧州大戦争が始まる前に、もう一度、欧州旅行しておきたい気になってきたな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍の反撃が始まったクルスク方面、ウクライナ軍は後退を強いられる)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-troops-are-forced-to-retreat-as-russian-forces-launch-a-counterattack-in-the-direction-of-kursk/
「ゼレンスキーはクルスクの占領地をロシアとの交渉材料と見なしているが、残念ながらゼレンスキーもウクライナ軍も着実に弱体化して領土を失い続けている。それでもゼレンスキーはトランプが大統領に就任して交渉が始まるまでクルスク維持にあらゆる手段を講じるだろう」(米ディフェンスメディアのWARZONE)
「トランプ大統領の誕生→ロシアとの和平交渉開始→クルスクの占領地が生きてくる」(ゼレンスキー大統領)
クルスクって、そんなに重要なのかあ?。
「ロシアが「ウクライナ軍をクルスクから追い出すまで交渉に応じない」と出てきた場合の対処」(この戦略の懸念材料:航空万能論ブログ管理人)
「トランプ氏の大統領就任式=来年の1月20日まで「交渉材料として機能する広さの占領地(スジャ維持)を維持できるか」という点」
「仮に占領地を維持したままトランプ氏の大統領就任直後に交渉が始まっても「クルスクの占領地と何が交換できるか」という点」
うーん、謎な話ばっかだな・・・。
浮沈子の妄想では、ここでウクライナが核実験して、北朝鮮兵もろとも吹っ飛ばすことになってたんだがな。
もう、そんな広さは残っていないのかもしれない(未確認)。
クルスクの情勢については、様々な情報が乱れ飛んでいる。
北朝鮮兵の話をはじめ、5万人の兵力を集めたとか言う話も出ている。
直接の関係があるかどうかは知らないが、トランプがプーチンに電話して、戦闘を慎むように要請したという怪情報(ワシントンポスト報道:ぺスコフは言下に否定)まで出回る始末だ。
そもそも、何のために侵攻したかという目的が明確ではない。
ゼレンスキーは停戦交渉に役立つと信じているようだが、むしろ妨げになると考えるのが自然だ。
「ロシア人は可能限り領土を取り戻そうするだろうが、ここに投入されているウクライナ軍部隊の質を考えると前進はゆっくりしたものになるだろう」「ウクライナの優先順位はクルスクに投入された部隊の規模や質を見れば明らかだ」「この作戦はウクライナ軍を引き伸ばし他戦線でロシア軍の前進を加速させた要因である可能性が高い」「ロシアはクルスクと他戦線の作戦を同時並行で進めるだろう」「もしザポリージャで新たな攻撃が始まればウクライナ軍はさらに引き伸ばされるだろう」(ウクライナ訪問から戻ったばかりのロブ・リー氏(外交政策研究所の上級研究員))
ウクライナ軍は、優秀なリソースを前線から引きはがしてクルスクに投入している。
その結果が東部戦線でどういうことになっているかは言うまでもない(ロシア軍の前進を加速)。
ザポリージャ方面(一応、南部戦線ということになっているようです)については、明日にでもドンパチが激化すると言われ続けている。
ブーレダルの占領で、兵站への圧力が低下し、南部戦線が活性化するのではないかという話は1か月ほど続いているからな。
仮に停戦交渉が始まれば、現在の戦線で国境が凍結される可能性がある。
双方が、血道を上げて占領地の確保に夢中になるわけだ(そういうことかあ?)。
クルスクなんて、「ロシア領を攻め取ったぞ」的自慢話以上の価値はない(そうなのかあ?)。
ドンバス地域だって、地下資源程度の価値しかないだろう。
トランプがプーチンに電話したかどうかは別にしても、停戦交渉の道筋として、戦闘の激化を慎むに越したことはない。
停戦を前にドンパチがエスカレートするというのは本末転倒だ。
昨年10月以降、クルスクは別としても、ウクライナは領土を失い続けている。
時間が経てば経つ程、その面積は増え続けていく(クルスクも、占領地の縮小に転じているしな:画像参照(11月13日時点:出典ISW))。
どーせ停戦交渉を始めるなら、早いとこ始めて欲しいというのが本音に違いない(そうなのかあ?)。
1年後に始まるなんてことになれば、それまでクルスクの占領地を維持することなんてできっこないだろうし、東部南部戦線は後退に次ぐ後退で、ハルキウ州(既に一部占領下)やドニプロペトロウシク州、ムコライウ州、オデッサ州、スムイ州だって、どうなっているか分からない。
それどころか、ウクライナという国家自体の存続が危うい。
米国の援助が完全に途絶えれば、欧州だけで戦線を支えきれないことは、今年の春先に米国下院が証明して見せたからな。
CIAのバーンズは、このままでは年内にウクライナが軍事的に敗戦するとまで発言していた。
支援が再開されたのちも、状況は一向に好転せず、クルスク侵攻後はむしろ悪化している(進撃速度は開戦以来最速)。
やれやれ・・・。
クルスクなんて、さっさと放棄して、投入している兵力を押し込まれている東部戦線や、これから戦闘激化が予想される南部戦線に回して、ロシアを食い止めることに専念するのが一番だと誰もが思っているに違いない。
身の丈に応じた戦いを続けながら、停戦の機会を模索する道に戻るのが正解だろう。
もう、米国からの軍事援助はない。
打ち切りは確定だ。
外交的には、停戦の条件作りに協力(強制?)は期待できても、紛争当事国であるウクライナがこれを拒否すれば、その支援もなくなる。
ウクライナが拒否しなくったって、ロシアが拒否すればそれっきりだ。
停戦失敗は、少なくとも1度や2度は繰り返されるだろう。
ガザ紛争では、100回くらい失敗してるからな(数えていませんが)。
ジョンサリバンが言うように、ウクライナが降伏レベルの譲歩をしない限り、ロシアは停戦交渉には出てこないだろう。
その間、米国の支援が延々と続くことはない。
停戦交渉開始までの期間が長期化することはない。
ウクライナが停戦に応じなければ、交渉は始まらず、停戦は失敗に終わる。
ロシアは、それで一向に構わないからな(そうなのかあ?)。
まあいい。
ウクライナにとっては、屈辱的停戦を呑むか、敗戦まで欧州からの援助だけで戦い続けるかの選択になる。
現政権の状況を考えると、戦い続ける選択しかない気がする。
クリミアを含む全領土の奪還を掲げて、抵抗を続けることになる。
それは正義を掲げての戦いになる。
西側は、それを支持し支援を続けてきた。
いいだろう、ウクライナは米国の手下ではない。
米国が支援から離脱したとしても、停戦を強要される筋合いではない。
それは、大国である米国の選択であり、国家的利益を重視する自由な政策選択の一環だ。
民主的手続き(米国流ですが)で選ばれた大統領の選択に、文句を言う筋合いはないだろう。
まして、今回はトリプルレッドだからな(RCPも下院での共和党過半数を確認(219人:残り7人):上院は53人で確定:11月12日深夜)。
大統領選挙では、全米の得票数で過半数を獲得している(50.2%)。
文句のつけどころのない結果だ。
が、しかし、そうは言っても、トランプ政権のウクライナ政策が決まったわけではない。
出口戦略なき支援を延々と続けてきたバイデン政権の尻拭いをさせられるわけで、早急な結果を得られると決まったわけではないからな。
実際には、時間を掛けて根回しをし、交渉の条件の整備に専念することになるだろう。
結果は、現状を踏まえたものにならざるを得ず、それを双方が吞めなければ停戦はできない。
根回しは、早くても来年4月以降、おそらく夏ごろまでかかる。
それが成功する保証はどこにもない。
ロシアが態度を硬化させるようなことがあれば、むしろ停戦の芽を摘むことになる。
クルスクは、その意味では逆効果だろうな。
「ロシアが「ウクライナ軍をクルスクから追い出すまで交渉に応じない」と出てきた場合の対処」(航空万能論:再掲)
まあ、どうでもいいんですが。
何度か引用しているけど、隣国のベラルーシ大統領ルカシェンコは、ウクライナに早期の停戦を促している。
ウクライナが、国家としての存続を望むならという、かなりシビアな話だ。
占領された領土の奪還などは求めず、早期の停戦で平和を実現すべきということなわけだ。
耳に心地よい話だが、ウクライナとしては絶対に呑めないに違いない。
プーチンと共に天を戴くことを絶対的に拒否する姿勢だからな。
その姿勢を貫く限り、停戦は実現しない。
その一方で、米国からの支援は打ち切られる。
欧州からの支援だけでは、ロシアに軍事的敗北を喫する。
ジョンサリバンの見立てでは、国内に残ったパルチザンがゲリラ戦を続けることになる。
米国は、CIAのエージェントなどを通じて支援するに留まる。
第二のフィンランド化はない。
徹底したロシアの支配下に置かれるだろう。
それは、ウクライナにとっては暗澹たる未来だ。
そして、次はポーランドの番だ。
いや、バルト3国なのか、それともモルドバか。
以外にも、フィンランドになる可能性もある。
中立国からNATOに寝返った裏切り者(ロシアから見て)を、そのままにしておくわけにはいかない。
スウェーデンも同じだな。
バルト海が、文字通り火の海と化す。
ロシアは、核兵器の敷居を下げている点にも留意が必要だ。
NATO諸国への攻撃で、第5条の本格的な発動を抑止するために、有効に使うことになる。
ふん、ウクライナなんかで使うわけじゃない!。
米国のウクライナへの支援停止
→ロシアとの停戦交渉の失敗
→ウクライナの軍事的敗北
→欧州大戦争の勃発
→集団的自衛権阻止のための核兵器の使用
→欧州大戦争の激化(戦術核兵器の射ち合い)
→東アジアでの複数の軍事衝突(台湾、朝鮮半島)
→第3次世界大戦へと発展
やれやれ・・・。
今夜もまた、変な夢を見ることになるんだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(「トランプ大統領」再登板でウクライナは見捨てられるのか? 最悪のシナリオは「アメリカのNATO離脱による大混乱」)
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/11130600/
「彼の場合、今日言ったことが1週間後には変わってしまっています。典型的なほら吹きであり、実際に大統領だった時は多くの主要公約が実現しませんでした。ひょっとするとトランプ氏がウクライナの支援削減を忘れてしまう可能性もゼロではないと思います」(2ページ目)
いくら何でも、ウクライナの支援削減を「忘れる」ことはないだろう。
が、停戦合意が成立するまでの間、削減の開始が遅れたり、中途半端になる可能性はある。
記事では、停戦の失敗(?)とNATO離脱についても間接的、直接的に触れている。
「最悪のシナリオは2つあるという。まず1つ目はトランプ大統領の施策が成功せず、アメリカ国民が失望を感じた場合」
「アメリカの内政が混乱すると、外交に目を向ける余裕がなくなります。国内の治安情勢が極端に悪化することで、ウクライナ問題をアメリカが忘れてしまう可能性があります」
まあ、この可能性はなくもない。
停戦失敗ではなく、内政優先で「後回しになって、機を逸する」わけだ。
NATO離脱は直接触れている。
「2つ目は、アメリカがNATO(北大西洋条約機構)と距離を置くことによる混乱だ。トランプ氏はこれまでにも何度もNATO離脱をちらつかせてきた。」
「フランスは断念せざるを得なかったとしても、アメリカはNATOを脱退することが可能なのは言うまでもない。」
「NATO分裂という事態になれば、やはりウクライナ支援が後退する可能性が生じます。」
ウクライナにとっていいことは何もない(そんなあ!)。
佐瀬氏は、米国の官僚組織が束になって抵抗してトランプの暴走を阻止することを期待しているようだが、2期目のトランプ政権はその対策も練っているに違いない。
プーチンの外交政策について、最も懸念しているのは欧州だろう。
ウクライナはもちろんだが、NATO離脱と停戦失敗の被害が甚大なのは欧州も同じだ。
いや、考えようによってはウクライナ自身より悲惨かもしれない。
米国の軍事力外交力を抜かれた上に、全ての課題を押し付けられるわけだ。
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
強気のマクロンがどう出るかが見ものだな・・・。
(ロシアの戦争終わらせられる?アメリカ前駐ロ大使の考察)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241112/k10014636371000.html
「前のトランプ政権で外交当局のナンバー2、国務副長官を務め、ウクライナ侵攻前後には駐ロシア大使だったジョン・サリバン氏」
けっこう、中の人っぽいなあ・・・。
「インタビューは10月28日」
このビミョーな日に、よくインタビューに応じたと感心する。
「プーチン氏は、アメリカ大統領が誰であろうとウクライナで達成しようと考えている目標があると思います。」
「トランプ氏の大統領への返り咲きはウクライナにとっては大きなリスクであり、ウクライナはより厳しい状況に追い込まれることになるでしょう。」
浮沈子的注目は次のくだり。
「たとえアメリカがウクライナ支援を打ち切ったとしても、ウクライナは降伏しない」
「ロシアがウクライナの領土を軍や治安機関を使って占領したとしても、ウクライナは抵抗を止めない」
「最終的には、ある種の停戦、いわゆる「紛争の凍結」となるかもしれませんが、それはウクライナの降伏を意味せず、ゲリラ戦のような形で抵抗は続く」
「プーチン氏は「ウクライナ政府はアメリカの手下だ」と言っていますが、トランプ氏がウクライナに圧力をかけようとすれば、プーチン氏はウクライナがアメリカの手下ではないと思い知るでしょう。」
うーん、ゼレンスキーも、以前に似たような話をしていた記憶がある。
しかし、ロシアの中にだって抵抗勢力はあるし、程度の差はあれ、隣国は互いに仮想敵国だからな。
2022年のロシアの軍事介入の際に、ウクライナといろいろやり取りがあったんだろうけど(政府の亡命とか)、そして、その後も反転攻勢(戦略の相違)やF-16の供与(米国は、もっと効果が高い兵器を推奨)、クルスク侵攻(米国に黙って勝手に侵攻)など、ウクライナが米国の言うことを聞かなかった例は枚挙にいとまがない。
しかし、ジョンサリバンが言う通り、米国の支援が打ち切られればウクライナが窮地に追い込まれることは間違いない。
トランプの政権移行チームは、停戦の方法を模索しているけど、浮沈子は失敗に終わると見ている。
「プーチン氏が妥協したくなるような状況になっているとは思えません。プーチン氏が「交渉する」というときは「ウクライナの降伏を受け入れる」という意味なのです。」
プーチンを交渉の席に着かせるためには、より大きな痛手を負わせ、ウクライナに安全保障を提供することが必要だという。
が、米国の支援打ち切りが迫り、NATO早期加盟も見送られた現在、その可能性は限りなく小さい。
トランプが模索している停戦というのは、本格的な長期の戦闘終了の形を取ってはいるけど、実質的には短期間しか機能しない、中途半端な枠組みに終わるのではないか。
つまりだな、破られることを前提とした、「なんちゃって停戦」なわけだ(そうなのかあ?)。
とりあえずドンパチ止めて、双方頭を冷やして損得勘定させて、取引(ディール)の環境を醸成する。
しかし、気に入らなければ、いつでもドンパチ再開させる。
それにしたって、ないよりはマシだ。
ロシアは、目的(ウクライナの中立化)を達成するまで攻撃を止めることはないだろう。
そして、それを止めることは誰にもできない。
「トランプ氏が言うように「戦争を終わらせる」には、アメリカがウクライナに降伏するよう圧力をかけることが唯一の方法かもしれません。」
ロシアを知るジョンサリバンはそう断言する。
ウクライナは降伏せず、敗戦しても占領下で抵抗するだろうけど、それはもう、CIAとか、そういう裏レベルの話になる。
(ウクライナ中立化は危機解決につながらず、フィンランドが反対)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/JT7TPE7Z3FOARPW6H3KBHRP6SQ-2024-11-12/
「フィンランドのバルトネン外相は11日、ウクライナに中立を強要しても、ロシアとの危機の平和的解決はもたらさないとの見方」
「トランプ次期米大統領がウクライナ紛争の早期終結を目指すと予想され、ウクライナが条件を押し付けられる可能性が一部で懸念される中、同国に中立を強いるなどのシナリオが考えられる。」
「ロシアが合意を結んでも順守するか分からない」
ロシアにとっても、いつ寝返るか分からないウクライナを抱えることはリスクになる。
フィンランドで懲りたわけで、ウクライナは中途半端な状況では済まないだろう。
停戦→中立化→寝返り→ドンパチ再開?。
ウクライナの独立精神は筋金入りだ。
そう簡単にはいかないだろう。
パーシャルな停戦は、ひょっとしたら可能かもしれないが、それを安定化させることは難しい。
ウクライナが主張するように、それはロシアに時間を与えることに過ぎない可能性もある。
「ウクライナ情勢については、より大きな視点で考えることが重要」(NHK:サリバン)
「北朝鮮はウクライナの戦争に関与し、イランはウクライナ侵攻を続けるロシアを支援しています。こうした動きには、中国も含めることができます。」
「イランと北朝鮮、中国と連携した侵略的なロシアとの対決を避けることは難しい」
「トランプ氏がNATO=北大西洋条約機構を支持しない、あるいは、日本や韓国、フィリピンに対する同盟義務の完全な履行を表明しないような人物を閣僚に指名したとしても、議会上院で承認を得ることは不可能」
このスキーム自体をぶっ壊すのがトランプだからな。
一寸先は闇の国際情勢。
侵略的ロシアとの対決の最前線は、ウクライナから拡大し、フィンランド、バルト3国、ポーランドからモルドバ、ルーマニアに至る数千kmの長大な前線に移ることになる。
その際には、サリバンが掲げた国々だけではなく、ベラルーシやチェチェンも加わる。
欧州大戦争の勃発だ。
が、そのドンパチが直ちに始まるかどうかは分からない。
開戦の時期はロシアが決める。
もちろん、得意の偽旗作戦を駆使して、「降りかかる火の粉は払いのけなければならない」とか言ってな。
やれやれ・・・。
そのように、ロシアを追い込んだのは米国だ(と、少なくともロシアでは思われている)。
今、そのツケを払う時が来ただけの話だ。
フィンランド外相が言う通り、中立化は、最終的な解決とならない可能性もある。
フィンランド自体が、どうなるかもわからんしな。
欧州大戦争が始まる前に、もう一度、欧州旅行しておきたい気になってきたな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍の反撃が始まったクルスク方面、ウクライナ軍は後退を強いられる)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-troops-are-forced-to-retreat-as-russian-forces-launch-a-counterattack-in-the-direction-of-kursk/
「ゼレンスキーはクルスクの占領地をロシアとの交渉材料と見なしているが、残念ながらゼレンスキーもウクライナ軍も着実に弱体化して領土を失い続けている。それでもゼレンスキーはトランプが大統領に就任して交渉が始まるまでクルスク維持にあらゆる手段を講じるだろう」(米ディフェンスメディアのWARZONE)
「トランプ大統領の誕生→ロシアとの和平交渉開始→クルスクの占領地が生きてくる」(ゼレンスキー大統領)
クルスクって、そんなに重要なのかあ?。
「ロシアが「ウクライナ軍をクルスクから追い出すまで交渉に応じない」と出てきた場合の対処」(この戦略の懸念材料:航空万能論ブログ管理人)
「トランプ氏の大統領就任式=来年の1月20日まで「交渉材料として機能する広さの占領地(スジャ維持)を維持できるか」という点」
「仮に占領地を維持したままトランプ氏の大統領就任直後に交渉が始まっても「クルスクの占領地と何が交換できるか」という点」
うーん、謎な話ばっかだな・・・。
浮沈子の妄想では、ここでウクライナが核実験して、北朝鮮兵もろとも吹っ飛ばすことになってたんだがな。
もう、そんな広さは残っていないのかもしれない(未確認)。
クルスクの情勢については、様々な情報が乱れ飛んでいる。
北朝鮮兵の話をはじめ、5万人の兵力を集めたとか言う話も出ている。
直接の関係があるかどうかは知らないが、トランプがプーチンに電話して、戦闘を慎むように要請したという怪情報(ワシントンポスト報道:ぺスコフは言下に否定)まで出回る始末だ。
そもそも、何のために侵攻したかという目的が明確ではない。
ゼレンスキーは停戦交渉に役立つと信じているようだが、むしろ妨げになると考えるのが自然だ。
「ロシア人は可能限り領土を取り戻そうするだろうが、ここに投入されているウクライナ軍部隊の質を考えると前進はゆっくりしたものになるだろう」「ウクライナの優先順位はクルスクに投入された部隊の規模や質を見れば明らかだ」「この作戦はウクライナ軍を引き伸ばし他戦線でロシア軍の前進を加速させた要因である可能性が高い」「ロシアはクルスクと他戦線の作戦を同時並行で進めるだろう」「もしザポリージャで新たな攻撃が始まればウクライナ軍はさらに引き伸ばされるだろう」(ウクライナ訪問から戻ったばかりのロブ・リー氏(外交政策研究所の上級研究員))
ウクライナ軍は、優秀なリソースを前線から引きはがしてクルスクに投入している。
その結果が東部戦線でどういうことになっているかは言うまでもない(ロシア軍の前進を加速)。
ザポリージャ方面(一応、南部戦線ということになっているようです)については、明日にでもドンパチが激化すると言われ続けている。
ブーレダルの占領で、兵站への圧力が低下し、南部戦線が活性化するのではないかという話は1か月ほど続いているからな。
仮に停戦交渉が始まれば、現在の戦線で国境が凍結される可能性がある。
双方が、血道を上げて占領地の確保に夢中になるわけだ(そういうことかあ?)。
クルスクなんて、「ロシア領を攻め取ったぞ」的自慢話以上の価値はない(そうなのかあ?)。
ドンバス地域だって、地下資源程度の価値しかないだろう。
トランプがプーチンに電話したかどうかは別にしても、停戦交渉の道筋として、戦闘の激化を慎むに越したことはない。
停戦を前にドンパチがエスカレートするというのは本末転倒だ。
昨年10月以降、クルスクは別としても、ウクライナは領土を失い続けている。
時間が経てば経つ程、その面積は増え続けていく(クルスクも、占領地の縮小に転じているしな:画像参照(11月13日時点:出典ISW))。
どーせ停戦交渉を始めるなら、早いとこ始めて欲しいというのが本音に違いない(そうなのかあ?)。
1年後に始まるなんてことになれば、それまでクルスクの占領地を維持することなんてできっこないだろうし、東部南部戦線は後退に次ぐ後退で、ハルキウ州(既に一部占領下)やドニプロペトロウシク州、ムコライウ州、オデッサ州、スムイ州だって、どうなっているか分からない。
それどころか、ウクライナという国家自体の存続が危うい。
米国の援助が完全に途絶えれば、欧州だけで戦線を支えきれないことは、今年の春先に米国下院が証明して見せたからな。
CIAのバーンズは、このままでは年内にウクライナが軍事的に敗戦するとまで発言していた。
支援が再開されたのちも、状況は一向に好転せず、クルスク侵攻後はむしろ悪化している(進撃速度は開戦以来最速)。
やれやれ・・・。
クルスクなんて、さっさと放棄して、投入している兵力を押し込まれている東部戦線や、これから戦闘激化が予想される南部戦線に回して、ロシアを食い止めることに専念するのが一番だと誰もが思っているに違いない。
身の丈に応じた戦いを続けながら、停戦の機会を模索する道に戻るのが正解だろう。
もう、米国からの軍事援助はない。
打ち切りは確定だ。
外交的には、停戦の条件作りに協力(強制?)は期待できても、紛争当事国であるウクライナがこれを拒否すれば、その支援もなくなる。
ウクライナが拒否しなくったって、ロシアが拒否すればそれっきりだ。
停戦失敗は、少なくとも1度や2度は繰り返されるだろう。
ガザ紛争では、100回くらい失敗してるからな(数えていませんが)。
ジョンサリバンが言うように、ウクライナが降伏レベルの譲歩をしない限り、ロシアは停戦交渉には出てこないだろう。
その間、米国の支援が延々と続くことはない。
停戦交渉開始までの期間が長期化することはない。
ウクライナが停戦に応じなければ、交渉は始まらず、停戦は失敗に終わる。
ロシアは、それで一向に構わないからな(そうなのかあ?)。
まあいい。
ウクライナにとっては、屈辱的停戦を呑むか、敗戦まで欧州からの援助だけで戦い続けるかの選択になる。
現政権の状況を考えると、戦い続ける選択しかない気がする。
クリミアを含む全領土の奪還を掲げて、抵抗を続けることになる。
それは正義を掲げての戦いになる。
西側は、それを支持し支援を続けてきた。
いいだろう、ウクライナは米国の手下ではない。
米国が支援から離脱したとしても、停戦を強要される筋合いではない。
それは、大国である米国の選択であり、国家的利益を重視する自由な政策選択の一環だ。
民主的手続き(米国流ですが)で選ばれた大統領の選択に、文句を言う筋合いはないだろう。
まして、今回はトリプルレッドだからな(RCPも下院での共和党過半数を確認(219人:残り7人):上院は53人で確定:11月12日深夜)。
大統領選挙では、全米の得票数で過半数を獲得している(50.2%)。
文句のつけどころのない結果だ。
が、しかし、そうは言っても、トランプ政権のウクライナ政策が決まったわけではない。
出口戦略なき支援を延々と続けてきたバイデン政権の尻拭いをさせられるわけで、早急な結果を得られると決まったわけではないからな。
実際には、時間を掛けて根回しをし、交渉の条件の整備に専念することになるだろう。
結果は、現状を踏まえたものにならざるを得ず、それを双方が吞めなければ停戦はできない。
根回しは、早くても来年4月以降、おそらく夏ごろまでかかる。
それが成功する保証はどこにもない。
ロシアが態度を硬化させるようなことがあれば、むしろ停戦の芽を摘むことになる。
クルスクは、その意味では逆効果だろうな。
「ロシアが「ウクライナ軍をクルスクから追い出すまで交渉に応じない」と出てきた場合の対処」(航空万能論:再掲)
まあ、どうでもいいんですが。
何度か引用しているけど、隣国のベラルーシ大統領ルカシェンコは、ウクライナに早期の停戦を促している。
ウクライナが、国家としての存続を望むならという、かなりシビアな話だ。
占領された領土の奪還などは求めず、早期の停戦で平和を実現すべきということなわけだ。
耳に心地よい話だが、ウクライナとしては絶対に呑めないに違いない。
プーチンと共に天を戴くことを絶対的に拒否する姿勢だからな。
その姿勢を貫く限り、停戦は実現しない。
その一方で、米国からの支援は打ち切られる。
欧州からの支援だけでは、ロシアに軍事的敗北を喫する。
ジョンサリバンの見立てでは、国内に残ったパルチザンがゲリラ戦を続けることになる。
米国は、CIAのエージェントなどを通じて支援するに留まる。
第二のフィンランド化はない。
徹底したロシアの支配下に置かれるだろう。
それは、ウクライナにとっては暗澹たる未来だ。
そして、次はポーランドの番だ。
いや、バルト3国なのか、それともモルドバか。
以外にも、フィンランドになる可能性もある。
中立国からNATOに寝返った裏切り者(ロシアから見て)を、そのままにしておくわけにはいかない。
スウェーデンも同じだな。
バルト海が、文字通り火の海と化す。
ロシアは、核兵器の敷居を下げている点にも留意が必要だ。
NATO諸国への攻撃で、第5条の本格的な発動を抑止するために、有効に使うことになる。
ふん、ウクライナなんかで使うわけじゃない!。
米国のウクライナへの支援停止
→ロシアとの停戦交渉の失敗
→ウクライナの軍事的敗北
→欧州大戦争の勃発
→集団的自衛権阻止のための核兵器の使用
→欧州大戦争の激化(戦術核兵器の射ち合い)
→東アジアでの複数の軍事衝突(台湾、朝鮮半島)
→第3次世界大戦へと発展
やれやれ・・・。
今夜もまた、変な夢を見ることになるんだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(「トランプ大統領」再登板でウクライナは見捨てられるのか? 最悪のシナリオは「アメリカのNATO離脱による大混乱」)
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/11130600/
「彼の場合、今日言ったことが1週間後には変わってしまっています。典型的なほら吹きであり、実際に大統領だった時は多くの主要公約が実現しませんでした。ひょっとするとトランプ氏がウクライナの支援削減を忘れてしまう可能性もゼロではないと思います」(2ページ目)
いくら何でも、ウクライナの支援削減を「忘れる」ことはないだろう。
が、停戦合意が成立するまでの間、削減の開始が遅れたり、中途半端になる可能性はある。
記事では、停戦の失敗(?)とNATO離脱についても間接的、直接的に触れている。
「最悪のシナリオは2つあるという。まず1つ目はトランプ大統領の施策が成功せず、アメリカ国民が失望を感じた場合」
「アメリカの内政が混乱すると、外交に目を向ける余裕がなくなります。国内の治安情勢が極端に悪化することで、ウクライナ問題をアメリカが忘れてしまう可能性があります」
まあ、この可能性はなくもない。
停戦失敗ではなく、内政優先で「後回しになって、機を逸する」わけだ。
NATO離脱は直接触れている。
「2つ目は、アメリカがNATO(北大西洋条約機構)と距離を置くことによる混乱だ。トランプ氏はこれまでにも何度もNATO離脱をちらつかせてきた。」
「フランスは断念せざるを得なかったとしても、アメリカはNATOを脱退することが可能なのは言うまでもない。」
「NATO分裂という事態になれば、やはりウクライナ支援が後退する可能性が生じます。」
ウクライナにとっていいことは何もない(そんなあ!)。
佐瀬氏は、米国の官僚組織が束になって抵抗してトランプの暴走を阻止することを期待しているようだが、2期目のトランプ政権はその対策も練っているに違いない。
プーチンの外交政策について、最も懸念しているのは欧州だろう。
ウクライナはもちろんだが、NATO離脱と停戦失敗の被害が甚大なのは欧州も同じだ。
いや、考えようによってはウクライナ自身より悲惨かもしれない。
米国の軍事力外交力を抜かれた上に、全ての課題を押し付けられるわけだ。
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
強気のマクロンがどう出るかが見ものだな・・・。
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