😼欧州大戦争:ポスト停戦2024年11月24日 10:32

欧州大戦争:ポスト停戦


(ゼレンスキー大統領、我々にロシア軍を国境線まで押し戻す力はない)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/president-zelensky-we-do-not-have-the-power-to-push-russian-troops-back-to-the-border/

「停戦ラインは戦場の結果に左右されるため、将来の交渉で重要なのは領土よりも停戦を維持するため安全保障だ」「ウクライナにとって領土問題は非常に重要だが、最も優先されるべき問題は安全保障だ」(ウクライナ政府高官ら:NYTの取材に応じて)

「軍事的にも外交的にも占領地からのロシア軍撤退は実現不可能だと強く示唆」(航空万能論ブログ管理人)

「どの様な道を歩んだとしても占領地を法的に他国とは認めない」「本格的侵攻前と侵攻後に占領された土地をロシア領と法的に認めることは出来ない」「その一方で1991年の国境線までロシア軍を押し戻す武力がないことも理解している」「クリミアを外交手段で取り戻す用意があると表明済みだ」「クリミア返還のため何万人もの命を犠牲にすることは許されない」「クリミアは武力ではなく外交によってのみ返還が可能だと理解している」「(トランプ次期大統領が)軍事支援が停止してもウクライナは戦い続けるが、最終的にロシアとの戦争には負けるだろう」(ゼレンスキー大統領)

「ウクライナが領土問題で譲歩可能な範囲を「主権を放棄しないまま占領地(ハルキウ州、ルハンシク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州の占領地とクリミア)の継続支配を黙認する」と定義したいのだろう。」(航空万能論ブログ管理人)

ゼレンスキーの現状認識(戦場でロシアに勝てない)とそれに対する方針(領土の主権は放棄しないが占領地の支配は黙認する)については、停戦へ向けての方便だと解釈されているようだ。

浮沈子的には、「敗北」を口にし出した点に注目している。

「最終的にロシアとの戦争には負ける」(再掲)

それはもう誰の目にも明らかで、一刻も早い停戦だけがウクライナの支配地域を最大化して残す唯一の道となった。

ウクライナやそれを支援し続けたバイデン政権、欧州各国にとっては一大事だろうが、これからロシアの侵略を受ける東欧諸国などにとっては、事態はさらに深刻だ。

ウクライナ戦線が収束するということは、ロシアがその矛先をいよいよ彼らに向けるということに他ならない。

ウクライナを手に入れたロシアが、それで満足して引き下がると考えるのは楽観過ぎる。

停戦の条件や、履行の確保(停戦を維持する安全保障体制)は極めて重要だが、特に欧州にとってはロシアによる域内に対する侵攻を抑止する必要がある。

停戦の条件によっては、翌日から侵攻を受ける可能性があるからな。

いや、停戦交渉のさなかに別の戦線が開かれる可能性さえもある。

そうならないようにするには、ウクライナ戦線の収束と停戦維持の条件が極めて重要で、ロシアの欧州侵攻を有効に阻む内容でなければならない。

シンプルに考えれば、ロシアに大規模な支援を行っている中国を絡ませて、欧州への侵攻を止めたいところだが、それこそ余りに楽観過ぎるだろう。

実際、それで止まるかどうかも怪しい。

現に、中国べったりだった北朝鮮のウクライナ戦線参戦を止められなかったわけだしな。

まあ、その気がなかったのかもしれないし。

欧州に対する影響力を強化するという観点からは、むしろロシアを支援し続けて、その見返りとして欧州の果実を得るのが得策だ。

うーん、悩ましいところだ。

停戦後のビジョンについては、余り妄想が湧かない。

浮沈子的には、戦闘国家ロシアが同じく戦闘国家北朝鮮とタッグを組んで、中国やイランの支援を受けつつ、欧州を蹂躙するとしか思えない。

特に、ソ連崩壊後に西側に寝返ったバルト3国は、カリーニングラードとの関係からも、直ちに侵攻されるに違いない。

また、中立を保っていたフィンランドがNATO加盟を果たしたことも裏目に出るだろう。

この間、ウクライナに対して隣国として多大な支援を行い(ゼレンスキーはご不満のようですが)、クルスク侵攻にも貢献したと言われるポーランドが、ロシアの第一の標的になることは確実だ。

優先順位は低いが、沿ドニエストル共和国との関連から、また、ドンパチを伴うかはともかく、モルドバ(NATO非加盟)も早い時点で侵攻されるだろう。

やれやれ・・・。

ポーランドやモルドバは、ロシア(カリーニングラード除く)と直接国境を接しているわけではない。

しかし、ウクライナとは国境があるからな。

ベラルーシがウクライナ侵攻の際にそうしたように、ウクライナがロシア軍の駐留や通過を認めることになれば、ロシアにとっては好都合だ。

ウクライナの停戦条件がどうなるかは、少なくともこの2か国にとっては死活的に重要だ。

(トランプは「ウクライナを見捨てる」とは言っていない…それどころかトランプの対応が「良心的である」とすらいえるワケ)
https://gendai.media/articles/-/141955?imp=0

「トランプ氏は、ウクライナの未来を思えば、できるだけ早く戦争を止めたほうがいい、という立場である。ウクライナを見捨てたい、という立場ではない。」

篠田氏は、それを良心的と評価しているけど、そこのところは何とも言えないのではないか。

もちろん、バイデン政権が「負けない戦争」を続ける程度の支援しかしてこなかったことは確かだが、その支援を打ち切って、ウクライナが望んでいない停戦合意(和平合意ではない)を勧めることが良心的かどうかは異論があるだろう。

記事は、ウクライナの例を取り上げて、トランプ政権の繰り出す政策を冷静に評価するという趣旨だそうだが、他の論調とは一味違う読み物になっている。

浮沈子的関心は、もちろん、ポスト停戦がどうなるかだけど、具体的な話はあまり書いてない。

「トランプ氏の周辺からは、停戦合意によって緩衝地帯を設置する、そしてその緩衝地帯を含めたウクライナの安全保証の措置は欧州諸国に担ってもらう、という考え方が、示唆されてきている。」

「限定的な欧州諸国の関与だけでは物足りないが、アメリカの継続的な支援に強化されたウクライナ軍が存在している場合には、ロシアとの間の一定の力の均衡は確保できるかもしれない。」

強化されたウクライナ軍だってえ?。

うーん、NATO加盟の放棄とウクライナ軍の解体的縮小(中立化)を要求するロシアが、んな条件を呑むとは到底考えられないけどな。

100万人の軍隊(しかも、欧米の新兵器をしこたま持ち、独自の弾道ミサイルや核弾頭だって開発可能な敵対的隣国の)だぜえ?。

朝鮮半島では、同様の条件で、確かに70年間の停戦を維持しているけどな。

「欧州人は、他の地域の他の戦争では、停戦合意と和平合意の区別を前提にして、紛争当事者に停戦を呼び掛けることを常にしているのに、ウクライナについてのみ、その区別を拒絶するのは、明らかな「二重基準」である。」

当然だろう。

ウクライナは欧州の代理戦争をしているわけだからな。

停戦させないということが、欧州にとっての利益だからだ。

国家は「良心」では動かない。

国益で動く。

トランプだって、バイデンに比べて良心的だから停戦に向けて動いているわけじゃない。

米国にとって、そっちの政策選択が利益だと考えているからに他ならない。

まあいい。

米国がロシアに停戦を強制することが出来るかどうかについては、記事の冒頭にヒントが書かれている。

「ポンペオ氏は、ウクライナへの支援をさらに強化してロシアを駆逐すべきだ、という主張をして、主要メディアに注目されていた。」

いや、問題をしこたま抱えたウクライナ軍をいくら支援しても、「ロシアを駆逐」なんてできっこないんじゃねーの?。

浮沈子は、米国が第3次世界大戦勃発のリスクを覚悟で、ウクライナやロシア周辺に軍事派遣して直接対決するしかないと見ているんだがな。

人類の運命を賭けたチキンレースを仕掛ける。

で、プーチンがビビッて引き下がり、渋々停戦に応じた後に、緩衝地帯でもなんでも設定して、それを維持するレベルに軍事的緊張を下げていき、停戦管理ステージに落とし込むわけだ。

しかしなあ、米国がトランプ政権下でそのリスクを負うとは考えづらいし、んなことしてロシアがブチ切れた日にはマジヤバだからな。

だが、ぶっちゃけ、そうでもしなければ、ロシアが停戦に応じるとは思えない。

「現在、ロシア軍は、急速に支配地を広げている。今年8月にウクライナがクルスク侵攻という合理性のない作戦を遂行してから、戦局はウクライナに不利な形で進んでいる。戦争を続ければ続けるほど、不利になっていくのは、ウクライナの方である。」

「その状況の中で、一刻も早く停戦を実現したほうがいい、と助言する者がいたとしても、それは必ずしもその人物がウクライナに対して悪意を持っているからだとは限らない。ただゼレンスキー大統領の意見と違うだけだ。」

「むしろ客観的に見れば、早期停戦の実現は、ウクライナの利益である。」

ウクライナの利益=ロシアの不利益だからな(そうなのかあ?)。

従来から、停戦の条件作りはウクライナの勝利(たとえ、一時的であっても)と言われてきた。

ロシアにとって、停戦することが利益となるような状況を作り出さなければ、ウクライナに有利な条件で停戦することはできない。

クルスク侵攻は、ある意味、そういう要素があったのかもしれないが、結局不発に終わりそうだ。

東部戦線からの兵力の移動を誘発することもできず、当初侵攻した地域を維持することも困難になりつつある(既に半分程度取り戻されているからな)。

たまたま、タイミングが合ったのかもしれないけど、北朝鮮軍との合同作戦までもたらしちまった(いや、あれは単なる派兵に過ぎないかも)。

やれやれ・・・。

仮に、本当に僅かな確率で停戦合意したとしても、ゼレンスキーが懸念した通り、ロシアに軍備増強の時間を与えるだけになる可能性は高い。

ロシアは停戦を破棄してウクライナに再侵攻しても良し、バルト3国やポーランドに侵攻し、新たな戦線を開いても良し、そんなしち面倒くさいことせずに、いきなり欧州全域にIRBM飛ばして核弾頭バラまいてもいい。

そうさせないための有効な抑止力を、米国やNATOが提供できるのかどうか。

もし、そうできなければ、ロシアは何らかの形で西進を続ける。

ポスト停戦は、やはり欧州大戦争になるのではないか。

停戦は和平ではない。

そのことは篠田氏が指摘した通りだ。

キプロスやボスニア、朝鮮半島などでは成功したかもしれないが、少なくとも中東では何度となく失敗を重ねている。

もちろん、戦争が続けばいいなどとは考えていない。

たとえ失敗に終わろうとも、一時的にせよドンパチが止み、兵士が家族のもとに帰って平和なひと時を過ごすことは悪いことじゃない。

十分な停戦期間があれば、産業の復興、経済の発展、国際関係の再構築だって可能だ。

停戦していた方が、ドンパチ再開するより国家の利益になるという状況が続けば、和平への道も開けるかもしれない。

国家は国益で動く。

正義や良心を唱えるよりも、その方が現実的だし、ひょっとしたらトランプ政権の性に合っている気もする。

ただし、実際に繰り出す政策が、その状況を作り出すことが出来るかどうかだ。

浮沈子は、そもそも、停戦の合意に到達すること自体が困難と見ているからな。

ロシアの思惑通りの停戦合意を結んで、まんまと欧州に侵攻され、NATOが内輪もめしている隙に、あれよあれよと占領地を拡大されちまうのがオチだ(そうなのかあ?)。

で、そっちの方も停戦を模索することになる。

今度もまた、停戦合意と和平合意は違うとか何とか言ってな(そうなのかあ?)。

で、また破られて再侵攻(そんなあ!)。

やれやれ・・・。

「もし本当にトランプ氏がウクライナを見捨てたいのであれば、ただ単にウクライナへの支援を停止し、欧州と関わること自体を拒絶するだけだろう。」

この状況が、欧州自体にも拡大されることになりかねない。

NATO脱退、欧州への関与の縮減。

たとえ「見捨てたい」とは思っていなくても、米国はそうせざるを得なくなっている。

中東情勢がエスカレートする中、また、台湾問題が2027年に迫る中、米国がウクライナに裂くことができるリソースは限られている。

何より、米国の国内問題からの圧力がデカいからな。

トランプ政権は外圧ではなく、内圧を受けて誕生した。

それを避けて通ることは出来ない。

予算もマンパワーもそっちに持っていかれる。

外交の停滞は必至だ。

その中で、ロシアと事を構え、中東でイランと対峙し、極東で台湾を支援するのはムリポだ。

(この稿、続く)

😼欧州大戦争:続ポスト停戦2024年11月24日 13:02

欧州大戦争:続ポスト停戦


浮沈子的には、ウクライナ紛争は、ソ連崩壊後の延々と続く「ポスト冷戦」の一環に見える。

相互確証破壊の虚構の上に、薄氷を踏む思いだった米ソ対決が終息し、さあ、これからは戦争がない(少なくとも人類が何度も絶滅するような危機が去ったという意味での)平和な世界が訪れるに違いないと希望を抱いた。

東欧諸国の相次ぐ西欧化、ユーゴスラビアの解体、ウクライナの独立などなど、その影響は多岐に渡った。

もちろん、最も大きな変革を遂げたのはロシア自身だ。

が、それは見せかけだったのかもしれない。

今のプーチン政権の有様は、ソ連時代を彷彿とさせるし、それどころかロシア帝国時代に逆戻りしているようにも見える(そうなのかあ?)。

もちろん、時代が逆転することはない。

歴史は常に刷新され、元に戻ったりはしないからな。

ただし、それを理解するために、過去の歴史に当たることは大切だろう。

人間の営みである以上、どーせ、大した進歩はないのだ(そうなのかあ?)。

まあいい。

篠田氏が停戦の成功事例として挙げていたボスニアについて、ちょっと調べてみた(篠田氏の記事は前のブログを参照)。

(ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A7%E3%82%B4%E3%83%93%E3%83%8A%E7%B4%9B%E4%BA%89

「ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで1992年から1995年まで続いた内戦」

「1991年に勃発したユーゴスラビア紛争にともなうユーゴ解体の動きの中で、1992年3月にボスニア・ヘルツェゴビナは独立を宣言。」

「44%がボシュニャク人(ムスリム人)、33%がセルビア人、17%がクロアチア人と異なる民族が混在」

「ボシュニャク人とクロアチア人が独立を推進したのに対し、セルビア人はこれに反対し分離を目指したため、両者間の対立はしだいに深刻化。独立宣言の翌月には軍事衝突に発展」

「およそ3年半以上にわたり全土で戦闘が繰り広げられた結果、死者20万、難民・避難民200万が発生」

「当時、同国には約430万人が住んでいた」というから、相対的な規模としてはすさまじい内戦が行われたことになる。

虐殺やレイプなど、目を覆う非人道的行為も行われた。

ドンパチが行われれば、ウクライナばっかの話じゃない。

米国やNATOによる軍事介入(こっちは直接介入だがな)も行われている。

途中、短い停戦期間も設定されたが、それが終わると再びドンパチ!。

やれやれ・・・。

「1995年10月、アメリカ合衆国のクリントン大統領が内戦の当事国間による平和協定妥結を発表」

「11月に、アメリカ・デイトンのライト・パターソン空軍基地に内戦の当事国であるボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、ユーゴスラビアの各大統領が集まり、43ヶ月間にわたった内戦終結のための平和協定に仮調印」

「12月、NATOは6万人のボスニア和平実施部隊(IFOR)派遣を承認し、12月14日にはパリで和平が公式に合意(デイトン合意)・調印されて戦闘は終息」

「合意により、クロアチア人・ボシュニャク人がボスニア・ヘルツェゴビナ連邦、セルビア人がスルプスカ共和国というそれぞれ独立性を持つ国家体制を形成し、この二つが国内で並立する国家連合として外形上は一国と成すこととなった。」

ユーゴスラビアの内戦の終結らしい、複雑怪奇な合意内容だが、当事者が納得するにはそうするしかなかったんだろう。

「領土配分は、スルプスカ共和国が約49%、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦が約51%とされ、両国はそれぞれの主体が独自の警察や軍を有するなど高度に分権化された(その後、軍は統合された他、警察制度についても改革が議論されている)。」

篠田氏の記事によれば、停戦プロセスは現在も継続しているという。

まあいい。

念のために、背景となっているユーゴスラビア紛争も調べた。

(ユーゴスラビア紛争)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2%E7%B4%9B%E4%BA%89

「ユーゴスラビア社会主義連邦共和国解体の過程で起こった一連の内戦である。1991年から2001年まで主要な紛争が継続した。」

「なお、セルビアはコソボの独立宣言を2024年時点でも認めておらず、政治的・民族的対立は一部地域で現在も続いている。」

やれやれ・・・。

「七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家」

懐かしいな・・・。

浮沈子の記憶では、最後は「一人のチトー」だったような気がしてたんだがな。

「チトーのカリスマ性と「兄弟愛と統一」の理念に基づく国内融和政策によって、国内の民族主義者の活動は抑制され、ユーゴスラビアに統一がもたらされていた。」

「戦後の世界ではアメリカ合衆国を中心とする西側陣営とソビエト連邦(ソ連)を中心とする東側陣営が対立する冷戦が始まった。ユーゴはチトーが共産主義者であり東側陣営に属するが、ポーランドやハンガリー、ルーマニアなどの東欧諸国とは違いソ連の衛星国では無く、自主管理社会主義を掲げる独自の社会主義国家としての地位を保っていた。」

ポスト冷戦をよーく観察すると、ウクライナにおける「ポスト停戦」の姿が見えてくるかもしれない(ユーゴ紛争の詳細は割愛する)。

バルカン半島西部は、停戦の成功事例として掲げられているけど、本当に成功したのかどうかは分からない。

朝鮮半島だって、70年以上停戦状態が続いているけど、間近で見ている我が国からすれば、いつ崩壊しても不思議じゃないように見えるけどな。

我が国自身だって、ロシア韓国中国などと国境問題を抱えている。

平和は、中性浮力のようなもんだ(なんだそれ?)。

放っておいても自動的に維持されるようなものじゃなく、不断の努力で辛うじて保たれる不安定な状態に違いない。

自転車こぐようなもんだな(余計ワケワカ!)。

バランスを取りながら走り続けることで、見かけ上の定常状態を維持することが出来る。

逆に言えば、ドンパチやってる時の方が安定しているのかもしれない。

事実、歴史の上で戦争が絶えることはなかった。

そこで生まれた教訓が、「平和を求めるなら戦争に備えよ」というのは皮肉の極みだな。

(汝平和を欲さば、戦への備えをせよ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9D%E5%B9%B3%E5%92%8C%E3%82%92%E6%AC%B2%E3%81%95%E3%81%B0%E3%80%81%E6%88%A6%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%82%99%E3%81%88%E3%82%92%E3%81%9B%E3%82%88

「ラテン語の警句である。通常、「peace through strength」、すなわち「強さを通じた平和」を意味すると解釈される。」

以前に篠田氏の記事でも出てきたけどな(ゼレンスキーが、誤った解釈をしていると指摘)。

「一般的には、ローマ帝国の軍事学者フラウィウス・ウェゲティウス・レナトゥスの Igitur qui desiderat pacem, praeparet bellum. の表現を変えたものとされている」(したがって、平和を願う者は、戦争の準備をせねばならない。)

彼の軍事論では、以下のように続いている。

「・・・勝利を望む者は、兵士を厳しく訓練しなければならない。結果を出したい者は、技量に依って戦うべきであり、偶然に依って戦うべきではない」

なんだ、当たり前じゃないの・・・。

そこには、「平和」とは戦争と戦争の間のつかの間の仮の姿という基本的認識があるように思える。

孫氏は、その概念を一歩踏み込んでいる。

「百戦百勝は、善の善なる者にあらず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。」

「抑止力としての軍隊の重要性を訴えている。」(ウィキ)

それでも世界で戦争がなくならないのは、抑止力が効いていないからに他ならない。

ドンパチで金儲けが出来たり(バイデン政権は国内軍需産業の利益を公言してたしな)、その結果で市場支配を行うことが出来るという動機が絶えないからな。

やれやれ・・・。

軍事力で戦争が抑止できるというのは虚構だろう。

浮沈子的には、こっちの方が効果的な気がしてるんだがな。

(ユネスコ憲章:前文)
https://www.unesco.or.jp/sanda/kensho/index.html

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」

人の作りしものは必ず壊れる。

形あるものは必ず壊れる。

心の中の平和のとりでもまた、いつ壊れてもおかしくはない。

平和を維持するためには不断の努力が必要だ。

ポスト停戦を考える時、何かのヒントになるかもな・・・。