😼メキシコへの道:第4章:補遺(スリットな隘路:続き)2024年12月22日 11:02

メキシコへの道:第4章:補遺(スリットな隘路:続き)
メキシコへの道:第4章:補遺(スリットな隘路:続き)


画像はカリンバの若干な隘路。

撮影していただいた竹内さんは、景気よくビデオライトを焚いてくれるので、浮沈子は眩しくて仕方ない。

撮っていただくのは有り難いんだが、隘路を通過することに集中している時には迷惑な話だ。

お願いして、少し離れていただくか、ライトを焚かないようにしてもらった。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、そんなこともストレスとして感じている。

つらつら考えるに、やはり、今回のツアーで行ったルートは、浮沈子には荷が重過ぎたと言えるかもしれない。

もっと言えば、ルート選択のせいではなく、浮沈子の洞窟潜水に対するアプローチやスタンスの問題だ。

見えているのは目の前のラインであり、そのラインが繋がっている先の隘路だけだ。

最終日は、特にディストリクションがないビッグケーブだったけど、リラックスして潜れた感じはしなかったからな。

狭いとか広いとかは関係ないんだろう。

広くて、鍾乳石も見られて、エントリーも広々していて楽しかった・・・。

ではなく、せいぜい狭いとこなくて「ほっとした」とか、フィンキックの練習が出来て良かったとかそういう話になっちまう。

ふつーのダイビングそのものの楽しみ方も、水中の生き物を見たり地形を見たりというよりは浮遊感を楽しむ感じだから、人それぞれではあるんだろうが、洞窟潜水を楽しむアプローチに問題があるのかもしれない。

何が、どう問題なんだろうか・・・。

話は逸れるが、今回潜ったセノーテには小魚が多いところがいくつかあった。

やつらは、ダイバーのライト(トーチ)の光に誘われて、洞窟の奥の方までついてくる。

もちろん、帰り道が分からなくなり、洞窟の中に閉じ込められ、戻れなくなればお陀仏だ。

馬鹿な奴らだと思うんだが、考えてみれば人のことは言えない。

我々だって、「ライト(トーチ)の光に誘われて、洞窟の奥の方まで」行っちまってるわけだからな。

んでもって、戻れなくなればお陀仏なわけだ。

今回入ったセノーテの中には、過去に事故を起こしたところもあったという(未確認)。

ガス抜きの日に入ったグランセノーテは、とうとう、ダイバーが潜れなくなった(詳しい経緯は知りません)。

「適切なトレーニング、適切な装備、適切な経験、そして適切な姿勢があれば、ケイブダイビングは非常に安全に行うことができると思います。私はよく冗談で、ケイブダイビングで最も危険なのはダイビングスポットまでの車の運転だと言っています!」(再掲:前回のブログ記事より)

リスクを伴う娯楽(レジャー)を楽しむために、どれ程の余裕があればいいのかは人によって異なるだろう。

ヤバさに対する耐性の問題もあるかも知れない。

パニックに陥らず、冷静に対処できればどーってことない状況であっても、そこで混乱すれば致命的だ。

ハイリスクダイビングは、その連鎖が短いからな。

「適切なトレーニング、適切な装備、適切な経験、そして適切な姿勢」があったとしても、避け難い事態は起こる。

それを回避するために段階的なアプローチが重要になってくるんだろうけど、人の心の中で起こることを、外形的に評価することは難しい。

浮沈子が楽しめないでいるということは、どこかに何らかの問題があり、外形的にはともかく精神的に克服できていないことの証なわけだ(そうなのかあ?)。

それが何かが問題だな。

経験値の不足なのか、隘路通過のストレスなのか、耳抜きなのか、基礎体力への不安なのか・・・。

おそらくそれら全てが関連しているんだろうし、洞窟潜水という潜在的なリスクそのものに対する漠然とした不安なのかもしれない。

器材トラブル(ロングホース側のファーストが死んだ:内部のOリング切れ)が起こったのは8本目のギャラクシアンだから、んでもって、交換した後のアクアラングのレギュレーター(XTX50:スイベル付き)は極めて調子が良かったから、それが原因でなかったことは確かだ。

3日目くらいから続いていた風邪症状の影響はある。

が、それも6日目(アンヘリータ)くらいで症状は緩和し、以降、特に気にしてはいなかったからな。

事前のトレーニングは、浮沈子的に可能な限り行ったから、成果はともかく、やり残した感はなかった。

自信を持って臨めたはずなんだが、んでもって外形的には問題なく全日程を消化したわけで、大いに楽しめても良かったはずなんだがなあ・・・。

既に書いたように、陸上を含めた全体の満足感は高い。

特に、全ダイビング日程が終了した最終日の解放感は素晴らしい(アイスクリーム美味かったな!:そういうことかあ?)。

明日は、もう、潜らなくてもいいんだ・・・。

やれやれ・・・。

浮沈子は、洞窟潜水向きじゃないのかもしれない。

狭いところ暗いところが苦手で、それでも、「ケーブダイビングをやってもいないくせに」と言われたくなかったので、ダイバーの嗜みの一つとしてチャレンジしたということはある。

死神看板の奥には何があるのか、洞窟のさらに奥には何があるのかが知りたかったということもある。

死神看板の奥には真っ暗で光の差さない真の洞窟が続いていて、洞窟のさらに奥には、ただただ洞窟が続いている(トラバースして他のセノーテに出たりすることはありますけど)。

それを確認できた時点で、浮沈子的には十分満足なわけだ。

今回は、縦穴系のアンヘリータにも潜れたしな。

撤退かあ?。

年齢的体力的なことを考えれば、それも一つの選択ではある。

既に、ダブルタンクについては、右肩の腱板炎の影響で、可動範囲がさらに制限されて右のバルブシャットダウンが行えなくなっている。

事実上の撤退なわけだ。

講習のお手伝いなど、サポートが受けられる状況でなければ潜ることはできない(アイソレーションバルブは閉められるからな)。

それでも、リスクを持ち込むことに変わりはなく、大っぴらには潜れない。

幸い、サイドマウントの運用に支障はないから、その設えではふつーのダイビング(洞窟潜水ではない)を行う上での問題はない。

漠然とした不安の原因が何なのかは分からない。

それが分かったところで解決できる保証はないしな。

ステージタンクにチャレンジするかどうかは、もう少し経験値を上げなければ判断できない。

海洋などでのトレーニングは、すでに何度か行っていて、タンクのハンドリングなどは習っている(出来るかどうかは別です!)。

名目上はPADIのテック50だったり、GUEのテック1だったりするから、ガス交換の手順も知っている(忘れちまったんじゃねーのお?)。

宙ぶらりんのままのテックサイドマウントを仕上げるという手もある。

が、ステージケーブは別の話だ。

スキルだけの問題じゃないからな。

やっぱ、洞窟愛だろう(そうなのかあ?)。

もっと遠くまで行きたいとか、もっと長く潜っていたいというインセンティブがなければ手を出すべきじゃないだろう。

辛くなるだけだ。

撤退するかどうかはしばらく続けていくうちに判断できるだろう。

経験値が上がれば、いつの間にか解消されるかもしれない。

逆に、スキルの劣化や身体能力の低下で限界が見えてくるかもしれないしな。

今回認識した隘路通過と基礎体力の課題を見据えて、日常的なダイビングに励み、第5章に向けた準備を整えていこう。

速く走る者が遠くまで行けるとは限らない。

うーん、遠くまで行きたいとも思わないんだがなあ・・・。

😼メキシコへの道:第4章:補遺(メキシコ人が好き)2024年12月22日 12:20

メキシコへの道:第4章:補遺(メキシコ人が好き)
メキシコへの道:第4章:補遺(メキシコ人が好き)


画像はグランセノーテのロッカーを管理しているおじさん。

浮沈子のお願いに快く応じて、気軽にポーズを取ってくれた。

ロッカーのカギを借りるために、小屋の中でパスポートを預かってくれる。

信用第一のお仕事だ。

この時は、別にサボってるわけじゃなく、別のスタッフが受付をしている。

メキシコを歩けばメキシコ人に当たる(トーゼンですが)。

今回も、ハイロさんやチランゴさんをはじめ、ホテルのスタッフ、オクソの店員、屋台の店員など、多くのメキシコ人と接する機会があった。

ひとそれぞれなのは、世界中どこでも同じで、傾向とかを一言で言うことは難しい。

観光客相手の人が殆どだから、そこだけ見ていたのでは分からないともいえる。

浮沈子自身、まだ4回しか行ってないからな。

それで何かを語るというのはおこがましい。

聞いた話では、選挙の度に何人も死人が出るというお国柄だから、治安とかそういう点では物騒な所なのかも知れない。

カンクンからトゥルムにかけての「リビエラマヤ」と呼ばれる観光地は、それでも治安がいいとされているようだが、オールインクルーシブなメガリゾート内はともかく、あちこちでトラブルの話は聞く。

ポーターのチランゴさんを雇ったのも、施設の管理が甘いサイトでの陸番(おかばん:ここでは、車にいたずらされないように見張ってもらう役目)が目的の一つだ。

実際、物盗り(車上荒らし)にあった話もあるからな。

それでも、近年急速に観光地化しているトゥルムの街中で接することが出来たメキシコ人は、明るく陽性で人懐っこくおしゃべり好きの人が多かった。

浮沈子が知る限りの世界中で、女性は吸った息を言葉にして吐くことにかけては天才的で万国共通だが、メキシコでは男の人も良く話す。

ここでは、沈黙は金ということは全くない。

スペイン語なんてからきしダメな浮沈子にも、平気で話しかけてきたりする(無駄です・・・)。

中国語や韓国語で声掛けされることもある。

東洋系は見分け付かないしな。

生活しやすい感じはするけど、それは短期滞在の観光客の目で見た世界だ。

幸い、到着日と出発日を除く11日間の滞在で、トラブルに会ったことはなかった。

いい印象だけが残っている。

夜の街を徘徊したわけでもなく、ダイビングのために食い、ダイビングのために休んだ町。

ガス抜きの日に自転車を借りて、トレンマヤの駅やグランセノーテまで行ったのが、唯一の陸上の冒険だった。

そういえば、貸自転車屋の店員は若干ルーズだったけどな(返却時に店の前で30分ほど待ちました)。

対応は悪くなく、ネガな印象はない。

まあ、メキシコですから・・・。

深夜の利用が多いオクソの店員も、個性的な感じだ。

ものすごく親切な人もいれば(キャネラというコーヒーを、サーバーから淹れるのを手伝ってくれたりもする:日本と違って買い物かごとか置いてないから、大量に買うときには両手がふさがっちまう)、不愛想なおばちゃんもいる。

浮沈子は、買い物の時はエコバッグを持って行くんだが(2.5リッターのコーラとか買うからな)、それに詰めるのに手間取っていると睨まれたりする(そうだったのかあ?)。

コーラのペットボトル、モンスタードリンク、ミネラルウォーター、V8ジュース(2回ほど買いました)、サンドイッチ、そしてキャネラのコーヒー(手持ち)。

前回、ハマりにハマったオレオのビスケットとその類似品には、今回はなぜか手が出なかった。

ランチのサンドイッチがダイビングに含まれていたからかもしれない。

ダイビングサービスの同じブロックにある角のサンドイッチ屋は、朝だけの営業のようで、浮沈子たちが出かける9時前頃はそれ程混雑しているわけではないけど、そこで手早く紙に包んでくれるおねーさんも記憶に残っている。

ナプキンを挟んでくれるんだが、一度、全部包んでから、その包み紙を開いて挟む。

挟んでから折ると、折り目が付きにくいからかもしれない(未確認)。

一度だけ、普段は会計に専念しているおじさんが包んでくれたんだが、ナプキンを個別には添えず、袋にまとめて別入れにしていた。

この店は、数売って商売している関係もあり、不愛想な気もするけどそういう店だから問題はない。

レストランは概ね英語が通じるが、メニュー指差しと数量を指で示すのが確実だ(竹内さんのスマホに入っている自動翻訳ソフトが大活躍!)。

ちゃんとしたところは拙い英語でも通じるけど、ローカルのスタッフが英語に堪能とは限らない。

が、みんなで怪しげな外国人のお客(浮沈子たち)をもてなそうという気持ちは伝わってくる(厄介な客が来たぜ的雰囲気はない)。

お客様が神様なのは、万国共通。

最近は、レストランでもチップ込みの価格が提示されていて、混乱することは少ない。

こりゃあいいサービスだったと感動することはなかったけど、不快な思いはしなかったな。

対人サービスとはやや異なるけど、中華屋のフライドライスの盛りには注意が必要だ。

ここの店員は、スペイン語オンリーらしく、指差しと指で番号(セットメニューの番号)で注文する必要がある。

が、フライドライスの量は半端ない。

ストップと言わないと、とんでもない量を盛られる。

完全に「空気読めない」店員だからな。

悪気はないんだろうけど・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

ここは店先で食べることもできるけど、殆どはお持ち帰りな感じだ。

コツが分かれば、上手に注文することが出来るようになるだろう。

100ペソ(おかず1品)で、腹がいっぱいになる。

メキシコ人の話なはずが、いつの間にか食いものの話になっちまったな。

どれ、そろそろ昼時だから、エコバッグ持って買い出しにでも行くとしようか・・・。

😼メキシコへの道:第4章:補遺(ペッタンコな隘路)2024年12月22日 15:32

メキシコへの道:第4章:補遺(ペッタンコな隘路)
メキシコへの道:第4章:補遺(ペッタンコな隘路)


画像は竹内さんに頂いた映像からのスクリーンショット。

えーと、まだ隘路の入り口付近で、浮沈子がフィンでかき回してシルトが舞い上がっていない段階のショットだ(ズルっ!)。

この後、濛々とシルトが舞い上がり、視界は真っ白になっちまうんだが、そこは割愛する(ズル過ぎ!)。

まあいい。

基本、プルアンドグライドで抜けるような所はフィンを動かさない。

ここ(マヤンブルーの2本目)は、初日に潜ったところだ。

こういうところが何か所かあって、天地が低く、しかし幅はある。

セノーテの形成メカニズムを考えると、薄い層が徐々に水に溶けて帯水層になるわけだから、この手の隘路はあちこちにある。

鍾乳石の隙間を通り抜ける縦長のスリットな隘路(形成は陸上)とは異なり、横長の隘路は水中で形成される(陸上にある間の水の流れで形成されることもあるようですが)。

今、現在も、緩やかな時間の流れの中で拡張され続けているわけだ。

早いとこ広がって通りやすいようになってもらいたいもんだが、それまでに数千年はかかるに違いない。

やれやれ・・・。

そんなには待てない!。

今ある隘路を、上手く通り抜ける算段をするのが現実的だ。

サイドマウントのしつらえは、こうして生まれたと言われている。

その原点ともいえるエリアに潜ったわけで、楽しめたかどうかは別として、潜った感(達成感)は十分過ぎるほど得られる。

このエリアは、ダブルタンクでは完全にムリポだ。

サイドマウントでなければ通り抜けることはできない。

今回潜ったルートの殆どがそういうところで、ダブルタンクでも可能なところの方が少ない。

ペッタンコな隘路は、余程長い距離続かない限り、ハイロさんのダイビング前のブリーフィングにも登場しない。

多くは「聞いてねーよ」とかぼやきながら通過することになる。

画像の隘路は、事前に説明があったところだ。

こういうところを最初に通った探検家は、一体何を考えて侵入したんだろうな。

ユカタン半島のケーブシステムには、人類未踏のエリアがまだまだあると言われている。

まだ、誰も行ったことのない水中洞窟。

月面にはすでに12人の人類が降り立っているけど、そのエリアにはまだだれも行ったことはないのだ。

もっとも、両者を比較する意味はない。

浮沈子から見れば、ぶっちゃけ愚の骨頂(!)としか思えない。

浮沈子が通り抜けたエリアだって、せいぜい20~30年前に初めて人間が通り抜けたに違いないのだ(未確認)。

月面着陸よりは新しい(あっちは55年前だからな)。

パーマネントラインが引かれ、多くの洞窟潜水愛好家が通り抜けてきたに違いないが、そして、浮沈子もその一人となったわけで、愚の骨頂を上塗りしたわけだ(そういうことかあ?)。

探検とかには全く興味はなく、人様に引いていただいたラインをひたすらに辿り、しかもガイド付きで案内され、水中陸上の手厚いサポートで潜らせていただいているだけだ。

この、クソ狭い隘路の向こうに宝の山でもあれば行ってみようかと思うかもしれないが、その先にはさらに洞窟が続いているだけだと分かっている。

いや、洞窟潜水の愛好家たちにとっては、洞窟それ自体が宝の山に違いない。

やれやれ・・・。

救いようがないヘンタイダイバーの群れは、今日もペッタンコな隘路を通り抜けているに違いない・・・。