🚀ISS:帰還騒動:事実は妄想より退屈2025年02月07日 15:27

ISS:帰還騒動:事実は妄想より退屈


(NASAはブッチとスニを早く帰還させるために地上のドラゴン宇宙船を交換する予定)
https://arstechnica.com/space/2025/02/nasa-moves-up-target-to-return-butch-and-suni-but-not-for-political-reasons/

「SpaceXとNASAは、宇宙船のバッテリーに関係している可能性があるC213ドラゴン問題の解決に取り組んでいる。NASAは現在、この宇宙船が初打ち上げに間に合うのは4月下旬になると考えている。」

「NASAは宇宙船をクルー10号と交換することを決定したという。NASAは、スペースXに対し、クルー7号ミッションを完了して昨年3月に地球に帰還したC210号を前倒しするよう要請」(NASAの情報筋)

「スペースXは現在、エンデュランスでクルー10号を3月12日より早く打ち上げるべく取り組んでいる。」

「ウィルモア、ウィリアムズ両氏を含むクルー9号の宇宙飛行士は3月19日に帰還」

結果として、2人の宇宙飛行士の帰還は4月上旬の予定より2週間ほど、早くなったが大騒ぎする程のことではない。

「クルー9号での当初の帰還日はスペースXの宇宙船の技術的問題により延期された。ここ数カ月、NASAはC213号の開発を監視しながら、アクシオムの宇宙船の交換を含む緊急時対応計画に取り組んでいた。この計画はトランプが大統領に就任する前に実行に移され、現在ゴーサインが出ている。」

つまらん・・・。

(トランプとイーロン・マスクの「宇宙飛行士救出計画」の真意とは? 政治が技術を歪める危うさ)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20250207-3124239/

「NASAとスペースXは、クルー・ドラゴンCrew-9に乗ったウィリアムズ氏とウィルモア氏を、できるだけ早く、安全に帰還させるため、急きょ作業を進めている。また、長期滞在間の引き継ぎを行うため、Crew-10の打ち上げ準備も進めている」

当初、エリックバーガーが懸念し、この記事で鳥嶋さんが指摘しているような政治介入により技術が歪められるようなことはなかった。

イーロン・マスクもドナルド・トランプも、そのことを十分承知の上で政治ショーに仕立て上げた(確信犯だな)。

メディアや事情を知らない専門家は踊らされたわけだ。

「宇宙開発の主役が国から民間企業へと移り変わり、ハードルが下がったように見えても、宇宙が危険な環境であるという本質は変わらない。その厳しさに、人間の都合が入り込む余地はない」

NASAは、政治に踊らされることなく、新造宇宙船(C213)のトラブル(バッテリー?)、ISSでの引き継ぎの問題、ソユーズ宇宙船の運用期限の問題をスマートに解決しようとしている。

そこには技術に裏付けられた、微動だにしない筋の通った判断がある。

踊ったのは、マスクとトランプの方だろう。

まあ、どうでもいいんですが。

下手な踊りを見せつけられて、いささか不快な気分だけどな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(NASAとSpaceX、クルードラゴン宇宙船を交換、クルー10の遅延を短縮へ)
https://spacenews.com/nasa-and-spacex-to-swap-crew-dragon-spacecraft-to-reduce-crew-10-delay/

「NASAは2月11日、当初計画されていた新しいクルードラゴン宇宙船ではなく、ISSへの次のクルー10ミッションにクルードラゴン宇宙船エンデュランスを使用すると発表」

「エンデュランスは(中略)アクシオム・スペースのISSへの民間宇宙飛行士ミッションであるAx-4に搭乗する予定だった。」

「NASA がクルードラゴン宇宙船の切り替えを決断したのは、新型宇宙船の完成が遅れたため」

「クルー10号の打ち上げは、当初の計画の3月下旬ではなく、現在3月12日以降に予定」

「クルー9号は、クルー10号の到着から数日後に帰還する予定」

まあ、早くなったと言っても、せいぜい2週間かそこらだ。

大した話ではない。

「NASAは当初、クルー10号の打ち上げを2月に予定」

遅れはS社の新造船がトラブったせいだ。

その遅れが様々な制約(特にソユーズの運用期限)のために許容できないレベルに達したことが、今回の宇宙船(クルードラゴン)交換の理由だろう。

S社としては、NASAの需要を民間需要より優先したことになる。

そういう契約なのかもしれない(未確認)。

スターライナーのトラブルは、延々と尾を引いている。

ヘリウム漏れ、スラスターの故障、たぶんどこかのバルブの不具合、公表されていない制御用ソフトウェアの不具合、エトセエトセ・・・。

クルーモジュールが無人で帰還した時にも、クルーモジュール側のスラスターが作動しない不具合があった。

そういう時のための冗長性確保だが、本来作動すべきだったことに変わりはない。

原因が特定され、対策が施されたという話はない。

スターライナーは、今も地上に釘付けになっている。

「見捨てられたとは思いません。ここに閉じ込められているとも思いません」(スニータウィリアムズ宇宙飛行士:2月7日に放送されたCBSニュースのインタビューで)

「食べ物はあります。着るものはあります。国際宇宙ステーションに本当に悪いことが起こった場合に備えて、家に帰る手段もあります。」(同上)

8日だったISSへの滞在は10か月に及ぶことになった。

それは、明らかに想定外の出来事で、NASAは可能な限りの手立てを尽くしたと言えるかもしれないが、政治の不作為で「取り残された」ように見える状態が続いたことは間違いない。

政治ショーとしての下手なパフォーマンスは別として、この判断(救命艇を出さずに、宇宙飛行士2名をISSに留めたこと)が適切だったかどうかについては、ちゃんと検証しといたほうがいい気がするな。

宇宙船のテスト飛行に伴うパイロットが取り残され、1年近く宇宙空間に滞在するなんてことがふつーなわけはない。

新型宇宙線の初飛行というのは、何十年かに1度の特別な出来事で、事前の準備や検証が行われたとしても、人命にかかわる事態が起きない保証はない。

スターライナーの無人帰還は、そういう流れの中で起こったイベントだ。

有人で操縦されることを前提に設計された宇宙船(そもそも、有人だから宇宙「船」と呼ぶ:無人機は宇宙「機」)は、無人で帰還させるにあたって、操縦するためのソフトウェアを書き換えなければならなかった。

完全に想定外の「異常事態」が起こった。

無人帰還させた判断には、確かにネルソンが言うように政治介入はなかったろうし、技術的な判断として妥当と思われるが、その後始末をテストパイロットに押し付けたことに政治が不介入だったことが妥当かどうかは問題だ。

そこを突かれている。

NASAも業界もメディアも、やはりB社のメンツを意識してたんだろうな(未確認)。

クルー9を2名打ち上げにしたことでさえ、事実上の救命艇と見做され、B社の中には動揺が走ったとされている。

クルー9をキャンセルし、クルードラゴンを無人で上げて、2人のテストパイロットの救出に専念しておけば良かったのかもしれない。

その後の計画はハチャメチャになるだろうが、全てはB社のせいだからな(そうなのかあ?)。

スラスターの過熱に伴う不具合は、飛ばしてみなけりゃ分からなかったかもしれない。

熱的設計の未熟さを露呈したわけで、運用でカバーできるのか、抜本的な設計変更が必要になるのかさえ、未だに明確になっていない(未確認)。

これは、スターライナーが、宇宙船として成立するのかどうかというレベルの問題だ。

ISSがいつまで飛んでいるかさえ怪しくなっている中で、最早、スターライナーの命運は尽きたと見るべきだろう(そうなのかあ?)。

NASAは、2系統の宇宙船の運用を目指していたけど、そろそろ、その方針を見直すタイミングが来たということだ。

SLSも引導を渡されるだろうしな(ほぼ確定!)。

米国の宇宙開発は様変わりする。

特に、有人宇宙開発は大転換を迎えるだろう。

スペースシャトルは、時代を画す技術だった。

しかし、様々な要因が絡んで潰えた。

その遺産を引きずったSLSと、主にシャトルで建造されたISSが消えようとしている。

一つの宇宙時代が終わる。

新しい時代がどうなるのかは、未だに見えてこないけどな。

やっぱ、中国なのかな・・・。

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