😼欧州大戦争:夏の陣:ポクロフシク ― 2025年07月18日 10:51
欧州大戦争:夏の陣:ポクロフシク
(危機的なポクロウシク方面の状況、ロシア軍はドブロピリアへの攻撃も強化)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/situation-in-pokrovsk-region-is-critical-russian-forces-intensify-attacks-on-dobropilia/
「効果的な対処が実施されないかぎり1ヶ月以内にポクロウシクを失う可能性がある」(不明のウクライナメディア)
航空万能論の論調では、せいぜい年内に帰趨が明らかになる程度の感じだったが、必ずしも同調的ではないものの、現地の状況はかなり厳しいようだ。
「ロディンスケが短期間で陥落すれば「ポクロウシクの物理的な包囲」も現実味を帯びてくるだろう。」
右翼方面(東側及び北東側)からのロシア軍の進軍は、これまでの膠着状態をぶち破って急速に進展している。
おまけに右翼方面だけでもないようだ。
「ロシア軍がウダチネの西郊外に到達した」(DEEP STATE)
この方面は、ウクライナ軍がよく食い止めていたけど、大回りして進軍してくるロシア軍までには手が回らない感じだ。
ウクライナは、明らかに兵力不足に陥っている。
「・・・敵の突出部は我々の防衛ラインを引き伸ばし、より多くの防衛陣地を、それに応じてより多くの人員が必要になる」(DEEP STATE)
言及されているのはフィリアイポレ方面の話だが、防御線における敵突出部への対応はどこでも同じはずだ。
「敵は装備面でかなりの優位性を、さらに兵力面でも圧倒的な優位性を持っていると理解している。現地部隊はどんな手段を使っても敵を止めようとしているが、支援がなければマリニフカを明け渡さなければならなくなるだろう。」
ぶっちゃけ、支援はない。
「果たしてロシア軍はザポリージャ州で新たな攻勢に出るのだろうか?その戦力的余力があるのだろうか?」
主戦場であるポクロフシクに対して、援軍を送ることで精一杯で、他の戦場には手が回らない。
1000kmに渡る前線全体で攻勢を掛ければ、ウクライナ軍にそれを支えきる力はない。
2023年の反転攻勢の際、ザルジニーが採った戦略のロシア版だ。
スロビキンライン(地雷原)と、アタック&アウェイの迎撃に阻まれ、ウクライナ軍の進軍は4日で止まった。
ロシアが、手に入れた土地を守りきるためにどれ程の犠牲を払っているかは知らない。
が、血で贖った土地を手放すことはない。
ウクライナは、確かに国家として独立はしたけど、その国土はソ連崩壊に伴って棚ボタのように手に入った国土だ。
2000万人の犠牲を払って守り切ったロシアとは違う。
ロシアの侵攻はウクライナにとっては受け入れ難いだろうし、第二次世界大戦後に築き上げてきた国際社会の合意を踏み躙るものだ。
撤退戦では、浮沈子的には良く守っていると思うけど、物量にものを言わせて攻めてくるロシア軍を完全に食い止めるまでには至っていない。
クルスクとか、余計なところに兵力を割いては他の前線での蚕食を許している。
やれやれ・・・。
ポクロフシクは、戦略上の要衝というよりは、鉄道の結節点であることから、前線への補給の要として兵站上の役割を担っていた。
現在は、その役割は失っていて、ドネツク州西部の防衛拠点の一つになっている。
ここを失うことは、戦略上の損失というより政治的要素の方が大きいだろう。
ロシア軍の夏季攻勢に伴う状況の急速な悪化で、「年内」という見通しが「秋まで」程度に短縮されちまったことは否めない。
アウディーイウカの喪失から1年半、50km離れていたポクロフシクが同じ運命に晒されている。
昨年中にも落ちると思われていたが、半年以上も持ちこたえていることは意外だ。
クルスクの侵攻と併せて考えると、ウクライナ軍の兵力がひっ迫しているようには見えない。
が、現場の声は神の声だ。
「・・・支援がなければマリニフカを明け渡さなければならなくなるだろう。」(再掲)
どこか特記すべきド派手な前線突破とかはない。
2025年夏の陣は、1000kmの前線全般に渡る「ジワリ」とした抗い難い圧力をかけ続ける戦術のようだ。
これが50日間続けば、ロシアの進軍は止まるかもしれない(米国の大規模経済制裁があるからな)。
米国が新たに供与(玉突き販売)する兵器で、どれ程進軍を食い止めることが出来るかは不明だ。
中国やインドからの支援が途絶えれば、ロシアは枯渇する。
戦争を続けること自体が困難になる。
そうなれば、ロシアは戦争を止めるだろうか?。
浮沈子はそうは思わない。
この戦争を止めることは、ロシアの滅亡を意味する。
彼らは、国家の存亡を賭けて戦っている。
オマケに、世界最大の核保有国だ。
幸い、ロシアの製品に世界が依存しているということはない。
穀物や石油には代替が十分にある。
ロシアへの大規模制裁は、西側にとっても無傷では済まないだろうけど、その被害は限定的だ。
制裁の効果は少なからずある。
しかし、肝心の戦争終結への効果となると、むしろ逆のような気もする。
ロシアが飢えて死ぬことはない。
国内で武器が生産できなくなって、戦闘を継続できなくなることもない(一部は北朝鮮などからに頼るでしょうが)。
エネルギーは有り余っているし、資源で困っているということもない。
その気になれば、いくらでも戦争を続けることが出来るだろう。
西側の経済制裁は、ロシアのブロック経済化を一層促進するだけのような気がする。
浮沈子は、西側がいつそのことに気付くのかに注目している。
もちろん、分かっていて気づかない振りをしているだけだがな。
永遠に終わることのないロシアの侵略は、浮沈子的には一方的に領有を宣言したクリミアと東・南部4州に限らない。
ウクライナ全土、いや最低でもバルト3国と東欧には及ぶ。
プーチンにその気があるかは分からないが、次期大統領はいくらでもドンパチし続けるだろう。
(ロシア、必要なら西側への「予防的攻撃」開始も=前大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/BSMVDEHJTRLX5OSYRNDTXRTTCU-2025-07-17/
「メドベージェフ前大統領は17日、西側諸国が実質的にロシアに対し全面戦争を仕掛けていると発言、ロシアは全面的に対応すべきであり、必要であれば予防的攻撃も開始すべきだと述べた。」
「ロシアが欧州を攻撃する可能性があるとの西側当局者の発言を全くのナンセンスと一蹴し「われわれの大統領が、ロシアには北大西洋条約機構(NATO)と戦う意図も『欧州を攻撃する意図』もないと明言していることを思い出してほしい」と語った。」
うーん、浮沈子的には、「予防的攻撃も開始すべき」としているメドベージェフ本人に思い出してもらいたい気がするんだがな・・・。
まあいい。
この夏の攻勢がどういう結末になるかは分からない。
が、その先にあるのは間違いなく「停戦」ではなくて「戦闘」の継続だ。
ロシアに戦いを止める気はサラサラない。
彼らは余裕で戦っているわけではない。
来るべき欧州大戦争に備えて備蓄を積み上げながら、北朝鮮に土下座して武器を調達し、兵士の派遣を懇願して必死で戦っている。
予防的攻撃かあ・・・。
「メドベージェフ氏は豊富な経験があり、自身の意見を述べているだけだと指摘し、欧州の「対立的な環境」に注意を向けたのは正しかったとの見解」(ロシア大統領府のぺスコフ報道官)
ロシアの化けの皮は徐々に剝がれてきている。
「ロシアには北大西洋条約機構(NATO)と戦う意図も『欧州を攻撃する意図』もない」(再掲)
ふん、浮沈子は騙されないぞ。
「われわれは、相応に行動する必要がある。全面的に対応する。」(メドベージェフ氏)
さて、ロシアは西側に対して、経済制裁のカードを切れるんだろうか?・・・。
(危機的なポクロウシク方面の状況、ロシア軍はドブロピリアへの攻撃も強化)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/situation-in-pokrovsk-region-is-critical-russian-forces-intensify-attacks-on-dobropilia/
「効果的な対処が実施されないかぎり1ヶ月以内にポクロウシクを失う可能性がある」(不明のウクライナメディア)
航空万能論の論調では、せいぜい年内に帰趨が明らかになる程度の感じだったが、必ずしも同調的ではないものの、現地の状況はかなり厳しいようだ。
「ロディンスケが短期間で陥落すれば「ポクロウシクの物理的な包囲」も現実味を帯びてくるだろう。」
右翼方面(東側及び北東側)からのロシア軍の進軍は、これまでの膠着状態をぶち破って急速に進展している。
おまけに右翼方面だけでもないようだ。
「ロシア軍がウダチネの西郊外に到達した」(DEEP STATE)
この方面は、ウクライナ軍がよく食い止めていたけど、大回りして進軍してくるロシア軍までには手が回らない感じだ。
ウクライナは、明らかに兵力不足に陥っている。
「・・・敵の突出部は我々の防衛ラインを引き伸ばし、より多くの防衛陣地を、それに応じてより多くの人員が必要になる」(DEEP STATE)
言及されているのはフィリアイポレ方面の話だが、防御線における敵突出部への対応はどこでも同じはずだ。
「敵は装備面でかなりの優位性を、さらに兵力面でも圧倒的な優位性を持っていると理解している。現地部隊はどんな手段を使っても敵を止めようとしているが、支援がなければマリニフカを明け渡さなければならなくなるだろう。」
ぶっちゃけ、支援はない。
「果たしてロシア軍はザポリージャ州で新たな攻勢に出るのだろうか?その戦力的余力があるのだろうか?」
主戦場であるポクロフシクに対して、援軍を送ることで精一杯で、他の戦場には手が回らない。
1000kmに渡る前線全体で攻勢を掛ければ、ウクライナ軍にそれを支えきる力はない。
2023年の反転攻勢の際、ザルジニーが採った戦略のロシア版だ。
スロビキンライン(地雷原)と、アタック&アウェイの迎撃に阻まれ、ウクライナ軍の進軍は4日で止まった。
ロシアが、手に入れた土地を守りきるためにどれ程の犠牲を払っているかは知らない。
が、血で贖った土地を手放すことはない。
ウクライナは、確かに国家として独立はしたけど、その国土はソ連崩壊に伴って棚ボタのように手に入った国土だ。
2000万人の犠牲を払って守り切ったロシアとは違う。
ロシアの侵攻はウクライナにとっては受け入れ難いだろうし、第二次世界大戦後に築き上げてきた国際社会の合意を踏み躙るものだ。
撤退戦では、浮沈子的には良く守っていると思うけど、物量にものを言わせて攻めてくるロシア軍を完全に食い止めるまでには至っていない。
クルスクとか、余計なところに兵力を割いては他の前線での蚕食を許している。
やれやれ・・・。
ポクロフシクは、戦略上の要衝というよりは、鉄道の結節点であることから、前線への補給の要として兵站上の役割を担っていた。
現在は、その役割は失っていて、ドネツク州西部の防衛拠点の一つになっている。
ここを失うことは、戦略上の損失というより政治的要素の方が大きいだろう。
ロシア軍の夏季攻勢に伴う状況の急速な悪化で、「年内」という見通しが「秋まで」程度に短縮されちまったことは否めない。
アウディーイウカの喪失から1年半、50km離れていたポクロフシクが同じ運命に晒されている。
昨年中にも落ちると思われていたが、半年以上も持ちこたえていることは意外だ。
クルスクの侵攻と併せて考えると、ウクライナ軍の兵力がひっ迫しているようには見えない。
が、現場の声は神の声だ。
「・・・支援がなければマリニフカを明け渡さなければならなくなるだろう。」(再掲)
どこか特記すべきド派手な前線突破とかはない。
2025年夏の陣は、1000kmの前線全般に渡る「ジワリ」とした抗い難い圧力をかけ続ける戦術のようだ。
これが50日間続けば、ロシアの進軍は止まるかもしれない(米国の大規模経済制裁があるからな)。
米国が新たに供与(玉突き販売)する兵器で、どれ程進軍を食い止めることが出来るかは不明だ。
中国やインドからの支援が途絶えれば、ロシアは枯渇する。
戦争を続けること自体が困難になる。
そうなれば、ロシアは戦争を止めるだろうか?。
浮沈子はそうは思わない。
この戦争を止めることは、ロシアの滅亡を意味する。
彼らは、国家の存亡を賭けて戦っている。
オマケに、世界最大の核保有国だ。
幸い、ロシアの製品に世界が依存しているということはない。
穀物や石油には代替が十分にある。
ロシアへの大規模制裁は、西側にとっても無傷では済まないだろうけど、その被害は限定的だ。
制裁の効果は少なからずある。
しかし、肝心の戦争終結への効果となると、むしろ逆のような気もする。
ロシアが飢えて死ぬことはない。
国内で武器が生産できなくなって、戦闘を継続できなくなることもない(一部は北朝鮮などからに頼るでしょうが)。
エネルギーは有り余っているし、資源で困っているということもない。
その気になれば、いくらでも戦争を続けることが出来るだろう。
西側の経済制裁は、ロシアのブロック経済化を一層促進するだけのような気がする。
浮沈子は、西側がいつそのことに気付くのかに注目している。
もちろん、分かっていて気づかない振りをしているだけだがな。
永遠に終わることのないロシアの侵略は、浮沈子的には一方的に領有を宣言したクリミアと東・南部4州に限らない。
ウクライナ全土、いや最低でもバルト3国と東欧には及ぶ。
プーチンにその気があるかは分からないが、次期大統領はいくらでもドンパチし続けるだろう。
(ロシア、必要なら西側への「予防的攻撃」開始も=前大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/BSMVDEHJTRLX5OSYRNDTXRTTCU-2025-07-17/
「メドベージェフ前大統領は17日、西側諸国が実質的にロシアに対し全面戦争を仕掛けていると発言、ロシアは全面的に対応すべきであり、必要であれば予防的攻撃も開始すべきだと述べた。」
「ロシアが欧州を攻撃する可能性があるとの西側当局者の発言を全くのナンセンスと一蹴し「われわれの大統領が、ロシアには北大西洋条約機構(NATO)と戦う意図も『欧州を攻撃する意図』もないと明言していることを思い出してほしい」と語った。」
うーん、浮沈子的には、「予防的攻撃も開始すべき」としているメドベージェフ本人に思い出してもらいたい気がするんだがな・・・。
まあいい。
この夏の攻勢がどういう結末になるかは分からない。
が、その先にあるのは間違いなく「停戦」ではなくて「戦闘」の継続だ。
ロシアに戦いを止める気はサラサラない。
彼らは余裕で戦っているわけではない。
来るべき欧州大戦争に備えて備蓄を積み上げながら、北朝鮮に土下座して武器を調達し、兵士の派遣を懇願して必死で戦っている。
予防的攻撃かあ・・・。
「メドベージェフ氏は豊富な経験があり、自身の意見を述べているだけだと指摘し、欧州の「対立的な環境」に注意を向けたのは正しかったとの見解」(ロシア大統領府のぺスコフ報道官)
ロシアの化けの皮は徐々に剝がれてきている。
「ロシアには北大西洋条約機構(NATO)と戦う意図も『欧州を攻撃する意図』もない」(再掲)
ふん、浮沈子は騙されないぞ。
「われわれは、相応に行動する必要がある。全面的に対応する。」(メドベージェフ氏)
さて、ロシアは西側に対して、経済制裁のカードを切れるんだろうか?・・・。
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