🐱変異種:ピロラ米国で増加中2023年11月29日 21:34

変異種:ピロラ米国で増加中
変異種:ピロラ米国で増加中


(CDCの新たな推定では、新型コロナウイルス変異株BA.2.86が3倍となり、感染者数の8.8%となった)
https://www.cbsnews.com/news/covid-variant-ba-2-86-triples-in-new-cdc-estimates/

「10人に1人近くはBA.2.86変異株によるもので、高度に変異した変異株の有病率は2週間前に同局が推定した値のほぼ3倍となっている。」

「最新の推定値 (11 月 25 日までの 8.8%) は、新規感染者の 3.0% が BA.2.86 であると推定された 11 月 11 日の推定値の実質 3 倍です。」

なんと!。

東京じゃあ、僅か数例しか見つかってないけどな(先週の発表では2例:サンプル数は28:7.1パーセント)。

カンクンとか行けば、米国と同じ感染構造になっちまってるだろうから、ピロラ(BA.2.86)にご用心というところか。

「CDCは、数週間にわたってほぼ減速または横ばいの傾向が続いたが、今月、新型コロナウイルス感染症による救急外来受診などの数字が全国的に増加し始めたと発表した。現在、国内のほぼすべての地域で少なくともわずかな増加が見られます。」

米国は、一足先に冬の流行期に突入したようだ。

「増加率が最も高い地域はイリノイ州、インディアナ州、ミシガン州、ミネソタ州、オハイオ州、ウィスコンシン州を含む中西部地域で、これらの地域では1月初旬以来見られなかった水準に近づいている。」

やれやれ・・・。

記事では、さらに注目すべき変異種についての記述が続く・・・。

「科学者たちはここ数週間、JN.1 と呼ばれる BA.2.86 の子孫の急激な増加を研究しており、JN.1 は急速に台頭し、世界中で最も急速に成長しているサブバリアントになりました。」

JN.1だってえ?。

聞いてないんだけど・・・。

「フランス当局は11月13日、同国のBA.2.86感染増加の主な原因はJN.1であり、国内の配列の10%に達していると発表した。」

「米国の研究所から報告された COVID-19 変異株の 3 分の 1 が JN.1 であった」

「他の現在または新興の変異体と比較すると、JN.1 はワクチン接種または XBB による以前の感染による中和抗体に対して最も耐性がありました。」

おいおい・・・。

世界は広い。

狭い東京の片隅で自転車に乗って移動する範囲内で棲息していると、新型コロナなんて意識の片隅からも追いやられてしまう。

CBSのこの記事は、なかなかよく書けていて、久しぶりに海外情報にアクセスした浮沈子にも分かりやすかったな。

(変異株について)
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/corona_portal/henikabu/screening.html

東京都のサンプル数は、極端に少ない(先週の発表では28例)。

徐々に検査機関からのデータがそろってきて、信頼性が高くなるが、先週見た時には75パーセント程度だったエリス(EQ.5亜系統)は、63パーセント程度に落ち着いている(割合は微増)。

ピロラの感染は、細々と続いているようで予断を許さないが、今後の推移を注視という程度か。

CBSの記事の元ネタになったCDCのレポートにもリンクを張っておく。

(CDC が追跡している SARS-CoV-2 変異株 BA.2.86 に関する最新情報
2023 年 11 月 27 日、午後 1 時 15 分(東部夏時間))
https://www.cdc.gov/respiratory-viruses/whats-new/covid-19-variant-update-2023-11-27.html

えっ?、東部夏時間って、季節外れもいいとこじゃん!?(ふつーは11月第1日曜で切替えのハズ)。

まあ、どうでもいいんですが。

記事にリンクしているJN.1のページも見てみる。

「JN.1 は 2023 年 9 月に米国で初めて検出され、他の 11 か国でも検出されています。」

「JN.1 が検出されるのは非常にまれであり、SARS-CoV-2 ウイルスの 0.1 パーセント未満を占めています。」

「JN.1 と BA.2.86 の間のスパイクタンパク質の変更は 1 つだけです。」

「つまり、ワクチンは JN.1 と BA.2.86 に対して同様に機能するはずです。」

希望的観測というわけか。

まあいい。

2年前のこの時期、浮沈子はメキシコに初めて出かけた。

オミクロンの命名日である2021年11月26日に、成田から飛んだ(メキシコシティ行き)。

まあ、時期が時期だけに、北半球で呼吸器系感染症の流行が始まる季節なわけで、奇遇とは言えないが、いやーな予感はしている。

「変異型に関係なく、すべての SARS-CoV-2 ウイルスは同じ方法で広がります。そのため、新型コロナウイルス感染症ワクチンの最新情報を入手し、換気を改善し、体調が悪いときは家にいることで、自分と他の人を守ることが重要です。」

そのとおりだな・・・。

🐱ウクライナ降伏不可避:楽観論2023年11月29日 18:13

ウクライナ降伏不可避:楽観論
ウクライナ降伏不可避:楽観論


(部分的動員に服務期間の定めなし、ロシアでも兵士の動員解除を求めてデモ)
https://grandfleet.info/russia-related/partial-mobilization-has-no-set-period-of-service-demonstrations-in-russia-calling-for-demobilization-of-soldiers/

「特別軍事作戦のために動員された人々のローテーションは「新たな動員」が必要になるため実施しない。動員が続けば多くの人々を長期間訓練しなければならず重要な労働力を失うだろう。そのため契約軍人を募集している」(ロシア下院のグルリョフ副議長)

「動員された人々は特別軍事作戦が完了すれば帰国できるだろう。彼らにローテーション(動員解除のこと)の提供は想定しておらず、6ヶ月勤務する度に休暇(15日間)を取る権利がある」(カルタポロフ国防委員長)

動員された兵士の家族は、これを不当と感じ、ブログ管理人は契約軍人や志願兵は多いものの、「ウクライナでの人的損失を補填したり、ロシア軍自体の拡張(150万人体制への移行=49万人増)に取り組んでいるため」ロシア軍には余裕がないとしている。

まあ、順当な反応だとは思うが、ひょっとしたら、ロシアが「「新たな動員」が必要なローテーション(動員解除)を提供する気」がないのは、特別軍事作戦が長期化しないという見通しがあるからではないのか。

どういう落としどころを想定しているかは知らないが、ロシアは戦闘の長期化に備えている一方で、短期収束を見込んでいる可能性がある。

この点については、同日の航空万能論の記事に興味深い記述がある。

(米ランド研究所、反攻失敗は戦争継続への合理性に疑問を生じさせる)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/us-rand-corporations-failed-counteroffensive-raises-questions-about-the-rationale-for-continuing-the-war/

「The Economist紙は最近、西側当局者の予測として「この戦争があと5年は続くだろう」と書いているが、そんなに長く各国の結束が維持できると思うか?」(露独立系メディアのМедуза(メドゥーサ))

「ウクライナにとって「あと5年の戦争」が何を意味するのか?(中略)極めてネガティブな結果になるだろう。そのため戦争が長期化する可能性を最小限にする必要がある」(ランド研究所のサミュエル・チャラップ氏(シニア政治研究員))

「長期戦のシナリオは極めてロシアに有利だ。あと5年も戦争が続けば(中略)ウクライナのインフラは破壊しつくされるだろう。この戦争はロシアよりウクライナとその経済に大きな影響を及ぼす。」(同上)

「ロシア軍による都市攻撃が止まらなければウクライナは課税基盤の形成も、復興に必要な投資も呼び込むことができない」(同上)

この記事の中では、そんな状態のウクライナが長期の陣地戦を維持し、戦線は膠着するという話もあり、時間的なスケールの不一致がみられるけど、インフラの破壊が不可逆的に進展すれば、軍事作戦を継続することだってできなくなるだろう(未確認)。

ロシアは、ウクライナがそう長く戦闘を継続できないと見切っているのではないか。

そうであれば、「部分的動員」に対して、期限を定めず、特別軍事作戦終了後に故郷に帰れるという設定は、不自然ではなくなる。

ちなみに、昨年の動員の際に、ロシアの予備役招集で動員された兵士は、新平同様、ウクライナ戦線には投入されないという話だったと記憶している。

ウクライナで、即、前線の塹壕行きとなるのとはわけが違う。

兵員の調達を見ても、ロシアとウクライナでは雲泥の差がある。

まあいい。

浮沈子は、この制度的な差に見られる停戦の早期実現に期待している。

ブログ管理人は、戦線の膠着についてこの記事をもとに解説している。

「我々が日々追っかけている戦場の変化は戦術レベルの話で、同氏が述べる「大きな変化は起こらない」というのは戦略レベルの話」

「仮にアウディーイウカが落ちても、クピャンスクが落ちても、2024年に何万人も死傷者が発生しても「ウクライナが前線を支えきれなくなる」「長期戦はロシア軍にとって有利」という事態は当分先の話(欧米の支援が継続されることが前提)」

「チャラップ氏は「それまでに戦争継続への合理性がどんどん失われて交渉テーブルに双方が着く可能性が高い」と予想」

浮沈子は、それ以前に「欧米の支援」が継続されなくなり、ウクライナのインフラ崩壊、戦闘継続不可能な状況が生じるのではないかと見ている。

そもそも、ロシアに停戦する気はあるのか?。

この記事では、ロシアの情勢についての言及は限られているが、「当初の目的はウクライナでの政権交代だった」と明言している。

「それを達成できなかったため戦争で実現する目的を見失っている。」

いや、現在も、それは形を変えて継続していると見るべきだろう。

時間的尺度と方法論が変わっただけだ。

それは、西側がウクライナの戦闘を支え続けるという構造が生まれたからであり、ロシアが対峙する真の相手が、ウクライナではなく西側諸国全てになっただけの話だ。

短期的な決着を想定している背景には、西側の支援が長期的に続かないという観測があるのかもしれない。

これについても、別記事が上がっている。

(プーチン氏、米大統領選の結果前に和平で合意せず=米高官)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/I7Q7HGJ4AJMVJFIDRPGSESOH2E-2023-11-28/

「ロシアのプーチン大統領は、2024年11月の米大統領選の結果を確認するまではウクライナと和平で合意することはない」(米国務省高官:北大西洋条約機構(NATO)外相会合後に)

「広く共有されている認識だ」

「それが28日のNATO会議で全ての同盟国がウクライナへの強い支持を表明した背景だ」

それが本当かどうかは分からない。

だが、あと1年で状況が変化するとすれば、その前にアクションを起こすメリットは少ない。

NATOが支援を強化すればするほど、ロシアの動員は容易になり、ウクライナ紛争がロシアの存亡をかけた戦いという物語の真実性を増していく。

ウクライナは、動員兵の復員(戦地からの引き上げ:当然補充の新たな動員が掛かる)に踏み切り、戦闘の長期化に備え始めている。

一方、ロシアは予備役の動員をローテーションさせず、短期収束を想定した制度のままに据え置いている。

ウクライナが深刻な兵員不足に陥っている一方、ロシアは軍隊の増員を図り、契約軍人や志願兵を募っている。

予備役の動員など似た状況はあるが、実体は相当異なっている。

もう一つの問題は、ロシアが本気で交渉のテーブルに着くだろうかという点だな。

現在のところ、大方の見方は長期戦を前提としている。

戦闘の長期化がロシアを利するということなら、なにも慌てて交渉を始めることはない。

時間を掛けてウクライナのインフラを不可逆的に破壊していくことも、戦況を長期的にロシア有利にしていくことにつながる。

ロシアが、この戦争の目的であるウクライナの非武装化を目指しているということなら、現政権を交代させる必要があるだろうし、そのためには戦場でのロシア側の明確な勝利が必要だろう。

ザルジニーは、戦線が膠着していると明言した。

だが、その戦線の膠着が、本当に長期に渡るかどうかは分からない。

長期戦なら確かに、支援体制を含めてウクライナを疲弊させ続けることが出来るが、それがロシアにとって最善かどうかはまた別の話だ。

長期戦も辞さないけど、そして、その手法は手堅いけど、ロシアは短期的な決着を付けに来る可能性がある。

ギャンブルだな。

戦術的勝利から戦略的勝利へ、ウクライナはその道筋をつけることが出来なかった。

少なくとも、今年は失敗した。

いくつかの戦術的勝利を手にしたけど(ザポリージャ州の一部で20km未満の前進と一次防衛線の突破、ヘルソン州でのドニエプル川渡河作戦の成功、クリミアの海軍基地などへのミサイル攻撃、黒海の主導権奪還:ホントかあ?:<以下追加>参照)、ロシアを占領地から追い出すことはできなかった。

奪還した領土は0.3パーセントと言われる。

やれやれ・・・。

しかし、ロシアもまた、戦果を得たとは言えないし、秋から冬にかけての攻勢で前進できた距離はわずか2kmと言われている(アウディーイウカ周辺)。

長期的な戦闘なら、じわじわと戦果を挙げられるかもしれないが、短期集中で戦術的勝利を挙げ、それを戦略的勝利に結びつけるのは容易ではない。

ロシアにはできるんだろうか?。

投入できるリソースが十分に多ければ、小出しにして敵に対応する時間を与えるのは愚かだ。

単に物量だけではなく、投入の方法や時間的密度、兵站の充実、戦略的連携など、考慮すべき事項は多い。

ロシアは、実戦の中で極めて迅速に対応を学んでいる。

えーと、肉弾戦は相変わらずだけど・・・。

これまでのように、特別軍事作戦という、ワケワカの名目を貫き通すかどうかも分からない。

ちゃんと宣戦布告して、真面目な戦争(?)に切り替えてくる可能性があるということだ。

それは、ウクライナにとっては最悪の展開を意味する。

投入されるリソースの桁が変わり、ぬるま湯のようなハイブリッド戦争ではなく、ガチな無差別攻撃になる。

当然、戦術核もふつーに使われるだろう。

時期的には、来年の今頃かもな。

やっぱ、米国の大統領選挙の行方を見定めるんだろうか。

いや、逆に、その前にケリをつけるつもりかもしれない。

そうでなければ、つまり、現状の膠着した戦線を維持しながら停戦交渉に臨むということになれば、ウクライナにとっては朗報だ。

プーチンは、ぼちぼちとメッセージを発し始めている。

(G20首脳会議 プーチン大統領 “和平交渉拒むのはウクライナ”)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231123/k10014266731000.html

「当然、軍事行動はいつも悲劇だ。この悲劇をどう終わらせるのか考えなくてはならない」

「ロシアはウクライナとの和平交渉を拒否したことはない。公に交渉を拒んでいるのはウクライナのほうだ」

内容的に新しいことは何もない。

が、同じ内容で発信し続けることは、それ自体が新しいメッセージだ。

ウクライナの反転攻勢が始まったころと同じメッセージを、反攻作戦が失敗に終わったことが誰の目にも明白になった時点で繰り返している。

ロシアが、なりふり構わぬ短期決戦に切り替えてきた場合、西側は従来の対応では支えきれなくなる。

事態がどうなるかは分からない。

一寸先は闇のウクライナ情勢。

ロシアが長期戦を継続するのか、それとも、どこかの時点で短期決戦に切り替えるのか。

ウクライナの選択肢は、それに伴って変化せざるを得ない。

戦場で勝てない以上、有利な防御戦に徹することで、時間を稼ぐことはできるだろうし、ロシア側の損耗を拡大させることもできる。

しかし、時間はロシアに味方し、稼いだことには成らない。

ザルジニーによれば、数千万人の犠牲者を覚悟していると言われるロシアは、1日1000人の犠牲者が出たとしても、1万日(約27年)くらいは楽勝で戦い続けることが出来る(犠牲者は1000万人)。

西側が支援のスキームを改め、ウクライナが短期に成果を上げられるようにしない限り、この戦いの帰趨は明らかだ。

停戦交渉を始めるなら、早い方が有利かも知れない。

そうでなければ、短期決戦に持ち込めるような支援策を考えるしかない。

それも、ロシアがそっちに切り替えるより早く・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ゼレンスキー氏、「黒海の主導権を奪還」と演説で表明…無人艇の艦隊を展開)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231117-OYT1T50092/

「ロシアから黒海の主導権を奪還することができた」

「ウクライナ軍が無人艇で編成する艦隊を黒海に展開」

「米国務省高官も16日、黒海でのウクライナの軍事的成功で航路が確保され、穀物輸出を止めようとするロシアの試みが失敗したとの見方」

なんとも勇ましい話だが、事態はそう楽観したものでもないようだ。

(黒海艦隊がウクライナ軍事インフラにミサイル攻撃、ロシア発表)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/T3Y4XU4VVFOG3LCGXDRK4AJVH4-2023-11-29/

「黒海艦隊のフリゲート艦がウクライナの軍事インフラを巡航ミサイル4発で攻撃」

「巡航ミサイル「カリブル」を発射し、「指定された目標」に命中」

ちょっと怪しい雰囲気もある。

「ロイターはこの主張を独自に確認できていない。ウクライナ側から前日夜以降にインフラが攻撃を受けたとの発表はない。」

これ以前にも、オデッサとかにミサイル攻撃しているしな。

執拗なロシアのインフラ攻撃は続いている。

ミサイル一発で壊滅的な被害を被る艦船を、沿岸に展開するのは得策ではない。

無人艇がどんなものかは知らないけど、水上ドローンということなら、それなりの対応の仕方もあるだろう。

ロシア海軍が、その方法を見つけて対応するには時間が掛かるだろうし、その間に海上輸送を軌道に乗せることが出来れば、確かに黒海の主導権を握ったことになる。

先日には、西側の艦船が民間船舶の護衛を行うという話もあった。

(西側支援国、軍艦で穀物船護衛へ ゼレンスキー氏が計画表明
2023/11/26)
https://nordot.app/1101263146348560699

「穀物を黒海経由で輸出する貨物船を護衛するため、西側の支援国が軍艦を派遣する計画がある」

「ロシア抜きの臨時航路は「今年最大の成果の一つ」」

軍艦による護衛がどれ程効果的かは分からない。

積み出し港の攻撃は、静止目標だしな。

実際にどれだけの輸送量を確保できるかが問題だ。

浮沈子は、海上輸送の封鎖はロシアの主要目的の一つだと見ている。

電力インフラへの攻撃と同様、ウクライナの国力を削ぐことにつながる。

逆に、ウクライナはロシアのインフラを攻撃できないでいる。

この非対称性が、ウクライナ紛争の最大の特徴だ。

完全に遮断できなくても、輸送量を有意に阻害できるだけでもいいわけで、すでに鉄鋼業などでは生産量への影響も出ていると言われる。

(アングル:ウクライナ鉄鋼業、ロシアの黒海攻撃や停電で生産停滞)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/UP7VHH7QT5JKTEARFMW5V743AI-2023-10-27/

「黒海経由で鉄鋼を市場に供給できるようにならない限り、ウクライナ経済にとって農業に次いで重要な鉄鋼産業が回復する見込みはほとんどない。だが、黒海の海運はロシアによる脅威にさらされ続けている。」

「海運が自由にできなければ、われわれの産業は存続できず、他の全ての産業もわれわれに続くだろう」(ウクライナ鉄鋼メーカーの労働組合のオレクサンドル・カレンコフ委員長)

「労組の統計によると、旧ソ連時代にウクライナは年間5000万トン以上の鉄鋼を生産していた。それが2021年には2100万―2200万トンに減少し、昨年のロシアの侵攻を受け、22年には630万トンに落ち込んだ。」

悲惨だな・・・。

黒海海運の命運は、ウクライナの命運を左右する。

ゼレンスキーが、臨時航路の開設を今年最大の成果と胸を張るのは当然だろう。

しかし、ロシアが指を咥えて眺めているとは思えない。

カリブルによる攻撃の真偽はともかく、今後も輸出妨害は続くだろう。

軍艦による護衛などではなく、安心して海運できる環境を取り戻すことが重要だ。

まあ、ドンパチやってる間はムリポだろうけどな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナの汚職まみれも原因か 欧米の支援が滞る理由とは…双方の不信がわきあがる)
https://news.yahoo.co.jp/articles/10258ab7884fb1b2964793963daec607c30661f5?page=2

「独、米の政府はウクライナへの武器の供給量を絞ることによってウクライナをロシアとの交渉にかりたてることを決めた」(ドイツの大衆紙『ビルト』(11月24日))

「さらにもし武器の供給量を抑えることによってウクライナを交渉のテーブルにつかせることに失敗した場合、欧米は「紛争当事者双方の合意がないままに紛争を凍結させる」というプランを練っている」(同上)

前段は想定の範囲内だが、後段の「当事者合意なき紛争凍結」というのは、初耳だ。

一体、どうやって?。

戦闘終結は、双方が合意しなければ実現しない。

好むと好まざるとに関わらず、合意なき終結はない。

唯一、それが可能な場合があるとすれば、絶対的な力で双方を抑え込み、実力で停戦させるしかない。

んな、火中の栗を素手で拾うような真似が出来るくらいなら、苦労はないのだ。

停戦ラインを引き、非武装地帯を設定し、場合によっては停戦を実効たらしめるための軍隊(停戦監視軍)を駐留させて、戦闘を停止する。

その場合でも、少なくとも双方の軍隊同士での合意は不可欠だ。

国家としての合意は、必ずしも停戦の必要条件じゃないからな(朝鮮半島も、軍隊同士の合意だけ)。

ビルト紙が報じているのは、おそらくそのパターンの「凍結」だろう。

その場合でも、少なくとも、表向き同意はなくても国家としての黙示の承認を取り付ける必要がある。

政治的には、名目上、停戦に合意できないとしてもだ。

現在のところ、双方の鼻息は荒く(交戦意欲満々!)、両軍ともドンパチを止める気配はこれっぽっちもない。

ただ、ウクライナ側のザルジニー総司令官個人として見れば、可能性は皆無ではないだろうが、んなことすればゼレンスキーは即刻、解任するだろう。

どうするのか。

ロシアについては、プーチンをどう説得するかだが、中国のお出ましを願うことになるかもしれない。

それでも、国内の急進派を説得するためには、何らかの仕掛けが必要になるだろう。

ゼレンスキーは次期大統領選挙を見送る方針を示しているが、プーチンは選挙公約という形で、今からでも国内対策に織り込むことが出来る。

ウクライナ側はクーデターでも起こすしかないのではないか。

タイム誌は、政権の中でもゼレンスキーが孤立していると報じていたし、受け皿としては、本人にその気がないザルジニーや、この記事にも出てくる元ウクライナ大統領府顧問のアレクセイ・アレストビチ氏(選挙が行われれば、立候補すると表明している)もいるからな。

せんだっては、オースティン米国防長官と一緒に、バーンズCIA長官も訪宇しているからな。

ウクライナ国内で、CIAが活動していることは周知だ。

ゼレンスキーが米国の意図に沿わなければ、クーデターの一つや二つは簡単にやってのけるだろう(そうなのかあ?)。

その上で、両軍の合意を取り付け、名目上の国家間の合意なき停戦を実現する。

ただ、問題は山のようにあり、そうやすやすとは実現しない。

1つはタイミングの問題で、NATO外相会議が終わったばっかの今の時期に、そんな話を持ち出すわけにはいかないからな。

「当事者合意なき紛争凍結」というのも、「武器の供給量を抑えることによってウクライナを交渉のテーブルにつかせることに失敗した場合」ということなわけだから、武器の供給を絞るプロセスとウクライナを説得するための時間(期間)が必要だ。

無理のない話としては、来年の今頃(米国大統領選挙の結果が出るころ)ということになる。

ちょうど、来年の戦闘シーズンにおける反転攻勢の結果も出ているからな。

いい時期だ。

つーか、反転攻勢できないことを知らしめるために、武器の供給を絞ることになる。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

この戦争の教訓はただ一つ。

安全保障の枠組みなくして、21世紀の国家存続はあり得ないということだ(世界中から支援されても、数年で負けちゃう!)。

もし、それを望むのであれば、核兵器くらいは自前で用意しておかないとな。

ウクライナがソ連崩壊時に、西側にそそのかされて核兵器を手放したのは大失敗だったな(当時は、世界第3位の核保有国)。

しかしなあ、このテレ朝の記事はつれないな。

「俺たちはこれほど武器を供与してやったのに、汚職まみれのおまえたちウクライナは戦い方も知らず、成果も出せなかった。プーチンに4州をくれてやって終わりにしろ!」(アレストビチ氏)

「ウクライナの指導層も、その従順さと汚職まみれの体質によって、欧米にわれわれを見捨てさせる多くの口実を与えてしまったのだ」(同上)

「戦線が膠着状態に陥り、武器弾薬の供与の遅れへのウクライナ側の不信感が高まり、「停戦交渉」をめぐるさまざまな憶測が欧米各国で出始めた現在、アレストビチ氏が言うように、「欧米はウクライナを見捨てた」と見え始めていることは否定できない」

もうちっと、オブラートに包んだ言い方ってないもんだろうか・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(侵攻当時の「愛国ムード」から冷めつつあるウクライナ、軍の増員進まず 現役兵士の家族は不満)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8cb29514fcf1e11c929bb7b1d8d8a61544a2c359

「夫は2022年3月、ウクライナ軍に入隊を志願した。国民は愛国心にあふれ、徴兵事務所の前には志願者の行列ができていた。」(アントニーナ・ダニレヴィッチさん)

「もはやあの時のような行列ができることはない」(同上)

「ウクライナが威信をかけてこの夏始めた反攻作戦は、今のところ決定的な突破口を開くには至っていない。」

「経済を崩壊させないよう一定の労働力を維持しつつも、人的損失が続く中、自分たちよりはるかに強大な軍隊を打ち負かすため新兵を確保しなければならない。」

ロイターの記事は、浮沈子が初めて知るウクライナでの新兵の募集について、リアルに、あまりにリアルに報じている。

「徴兵担当者が動員することができるのは、27―60歳までのウクライナ人男性だけ」

18歳からじゃないんだ(国外に出られないのは、18歳から)。

「徴兵担当者は街中や地下鉄、検問所で男性を呼び止め、動員通知書を手渡し、その男性に徴兵事務所への出頭を指示する。」

マジか!?。

これじゃあ、行き当たりばったりじゃん。

「公共の場所ならどこでも、徴兵通知書を手渡される可能性がある。バスや公共交通機関、カフェで通知書を受け取ったという話を聞いたことがある。だから私は公共の場には行かない」(長時間屋内に滞在できる仕事をしている徴兵回避に有利な匿名の男性)

「外出しなければならないときは、公共交通機関ではなくタクシーを使う」(同上)

やれやれ・・・。

「ウクライナ軍がロシアの進軍を退けた戦争初期の数カ月には急上昇していた政府への信頼が、最近の調査では低下している」(社会学者)

これじゃあ、選挙はできないよなあ・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(クピャンスクの戦い、ロシア軍のシンキフカ郊外到達を視覚的に確認)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-kupyansk-visual-confirmation-of-russian-troops-reaching-the-outskirts-of-shinkivka/

「追記:日本国内でヘルソンの状況(ドニエプル川左岸への上陸)がどう報じられているのか良く知らない」

浮沈子的には、こっちの方が気になるんだがな。

「状況は厳しくクリンキーの橋頭堡を維持する代償は非常に高くついている。戦力的に敵は著しく優勢で橋頭堡を維持できるかどうかは兵士の英雄的行動に掛かっている。このまま支配を拡大できなければ橋頭堡を維持するための英雄的防衛は悲劇に変わるだろう」(DEEP STATE:ウクライナ側のブロガー)

「ドニエプル川右岸への兵站構築の難しさとロシア軍との戦力格差を考えれば「クリンキーの橋頭堡からクリミアやメリトポリを目指して前進する」というのは夢物語に近く・・・」

「ヘルソン左岸に上陸したウクライナ軍に出来るには夏の反攻作戦と同じで『集落単位の漸進的な前進』に留まる可能性が高い」(英国のGuardian紙)

「ロシア軍は上陸したウクライナ軍の排除に手間取っているが、ウクライナ軍も安定的な兵站を確立できていないためこれ以上の前進を期待するのは難しいだろう。アントノフスキー橋やノーバ・カホフカ水力発電所が破壊されているため橋脚をもつ橋での輸送が出来ない。左岸のウクライナ軍は右岸に展開する砲兵部隊や防空部隊によって支援されており、彼らが今以上の前進を試みれば右岸から提供している支援ゾーンから外れてしまうだろう。そのためウクライナ軍がドニエプル川を渡河してクリミアに向かうというのは不可能だ」(RBC Ukraineのウクライナ人ジャーナリスト(ウリヤーン・ベズパルコ氏))

「個人的に現在の状況で「ドニエプル川右岸からの展開」を過度に持ち上げれば惨めになるだけ」(ブログ管理人)

うーん、やっぱ常識的に考えて、西側メディアが報じているほどの戦果とは言えないだろうな。

浮沈子的には、添付されている画像(11月17日の記事にも添付されていました)で、ダイバー姿の兵士が太ももの外側にフィンを保持しているけど、どうやってキープしているのかの方が気になる(左側を見ると、先端近くに穴をあけていて、そこにフットポケットの中から出した紐を通している感じだ)。

確かに両手はフリーになるけど、こりゃあ、ファンダイビングじゃあ使えないなあ(ダイビング中、紐が邪魔!:ポケットの中に入れておくか)。

スクーバ器材は多分軍用の酸素SCRだと思うけど(未確認:泡、水面には余り出ないです)。

マスクの固定方法が、ユニークなのも気になる(ストラップの右側を外している感じ)。

まあ、どうでもいいんですが。

ミリタリーのダイビングは、ヤバ過ぎて、あまり調べたことはない。

リブリーザーの蛇腹ホースのカバーが迷彩色になっている時点で、ビビっちまうな・・・。

<またまた追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナへの間接支援、日本が米国への155mm砲弾供給を検討か)
https://grandfleet.info/japan-related/indirect-support-for-ukraine-japan-considering-supply-of-155mm-ammunition-to-the-united-states/

「ウクライナのレズニコフ国防相は「戦闘任務を成功させるのに最低でも月36.6万発の砲弾を必要としている」と訴えてEUに月25万発の155mm砲弾を供給するよう要求」(国防相は9月にウメロウ氏に交代)

今年6月の記事で、情報がやや古いが、それでも月に36間㎜発以上も砲弾をぶっ放すというのはロシア以上だ(詳しくは知りません)。

以前、エストニアの情報では、ロシアは1日1万発と言ってたからな。

ウクライナが必要としている砲弾の数は、それを上回ることになる。

しかも、その過半数をEUからの供給に頼ろうとしている。

155mm砲弾だけじゃないことを考えると、べらぼーな話だ。

「米国も備蓄分の取り崩しだけでは到底足りないため155mm砲弾の増産(2025年までに月9万発)に向けて準備を進めている」

2025年とは、ずいぶん気長な話だな。

つまり、来年も砲弾は足りないということなわけだ。

記事では、我が国が産業用TNT火薬を供給して、米国のサプライチェーンに加わるという話だそうだ。

「米国は155mm砲弾用のTNTを日本で調達しようとしている。日本側も工業用TNTの販売を許可すると米国に通知している」

「155mm砲弾を製造するサプライチェーンに日本企業を組み込みたいと米国は考えている」

更に、砲弾そのものを米国に提供することを考えているようだ。

「ウクライナの反攻作戦を支援するため日本は砲弾の米国供給を協議している。これは弾薬の共有で合意した2016年の協定に基づくもので、日本は155mm砲弾の供給を検討している」

日本(生産)→(砲弾)→米国(備蓄)

米国(備蓄)→(砲弾)→ウクライナ(戦場)

同じような話は韓国でもあるらしい。

砲弾ではないけど、スイスが所有する戦車を間接的にウクライナに供給するという、ややっこしい話もあるようだしな。

(「ウクライナには渡さないで!」スイスがドイツに「レオパルト2」25両を売却 その有効な使い道とは)
https://trafficnews.jp/post/129541

「スイス連邦議会は2023年11月22日、主力戦車「レオパルト2A4」のスイス軍仕様であるPz.87を、ドイツの防衛企業であるラインメタルに売却を承認」

「退役予定の車両で、「ラインメタルがウクライナに供与しない」という契約」

「スイスは永世中立国であるため、国家間の戦争・紛争においては一貫して中立的な立場をとっているということで、当事国には供与しないという決まりをつけた形」

これだけなら、何ということはないんだろうが、話には裏がある。

「ラインメタルやドイツ政府はスイスから購入した車両を北大西洋条約機構(NATO)、またはEU加盟国のいずれかに供与または売却をするという方針」

「ラインメタルから同車両を供給されたNATO、またはEUの加盟国が余剰になった旧式戦車などをウクライナへ供与する可能性」

まあ、どうでもいいんですが。

建前と本音はどんな世界にもある。

気が付けば、我が国が誇る10式戦車が、ウクライナの地を走り回っていたなんてことになるかもしれない(ねーよ!)。

(10式戦車)
https://ja.wikipedia.org/wiki/10%E5%BC%8F%E6%88%A6%E8%BB%8A

「主砲:44口径120mm滑腔砲」

主砲はイスラエルが誇るメルカバと同じだが、重量と最大出力はあっちの方が一回りデカい。

砲弾の供給については、新たな記事も上がっている。

(欧州委員長、この異常な時代に年100万発の砲弾生産量では足りない)
https://grandfleet.info/european-region/president-of-the-european-commission-production-of-one-million-shells-a-year-is-not-enough-in-these-extraordinary-times/

「我々は現在(ウクライナに)48万発の砲弾を納入もしくは納入に向けて準備中だ。」(EUのフォンデアライエン欧州委員長)

今年の3月に、来年春までに100万発供与と言っていたのは、話半分以下だったわけだ(まだ、もう少し時間はありますけど)。

「来年には年100万発の砲弾が生産できるようになる。」

その半分近くは、欧州域内及び域外へ出荷され、ウクライナに届くのは僅かだろう。

「ロシアは1年間で1,000万発の砲弾を発射し、ウクライナも月1万機のドローンを消耗している。」

さすがに、丸い数字で表現したと思われるくだりだが、当たらずと言えども遠からずな感じだろうな。

記事では、欧州域内での生産能力の拡大や規格の統一、共同調達の促進などを課題として挙げているが、どれも一朝一夕には解決できない。

「欧州の主要国に比べて防衛産業が脆弱な中東欧諸国にとって「域内での協力」よりも「魅力的な条件を提示してくる新規プレイヤーの方が自国に利益をもたらす」と判断するかもしれない」(ブログ管理者)

競争相手として挙がっているのは、「韓国、トルコ、イスラエル、ブラジルなど」。

欧州は、領域内の調達において、長期的問題を抱えつつ、ウクライナ侵攻によって生じた短期的な課題に迅速に対応していかなければならない。

レズニコフ前国防相が言っていたように、毎月36.6万発も砲弾を撃つなら、年間400万発以上必要とされる。

欧州域内で生産できるのは、4分の1に過ぎない。

来年も、砲弾不足になることは明らかとなった。

しかも、あまり考えたくないけど、その全てが戦場に送られるとは限らないからな。

ウクライナは、長期防衛線を見据えて、既に戦略転換を図っている。

(ゼレンスキー大統領、ロシアやベラルーシと接する全地域への要塞建設を指示)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/president-zelenskiy-orders-construction-of-fortifications-in-all-regions-bordering-russia-and-belarus/

「主要な全方面への要塞建設を急ぐよう指示した」(ゼレンスキー大統領)

「要塞建設はホットスポットのドネツク州のアウディーイウカ、マリンカ、ハルキウ州のクピャンスク、リマンだけでなく、ハルキウ州、スームィ州、チェルニーヒウ州、キーウ州、リウネ州、ヴォルィーニ州、ヘルソン州などの全域に及ぶと說明」

「ロシアやベラルーシと接する全地域に要塞を建設する」

「ここでいう「要塞」とはマジノ線のような巨大建造物ではなく「地雷原」「対戦車溝」「対戦車障害物」「塹壕」「陣地」で構成されたものである可能性が高く、ロシア軍が占領地域や国境沿いに建設したのと「同じもの」を建設するということ」

(マジノ線)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%83%8E%E7%B7%9A

「フランス・ドイツ国境を中心に構築されたフランスの対ドイツ要塞線である。」

「生身の人間の貧弱な防御力と兵器の絶大な攻撃力、両者のあまりのアンバランスが、約500万人の犠牲者を生み出した。」

やれやれ・・・。

ウクライナ紛争は、これからも弾薬と兵士を湯水のごとく消費する消耗戦が続くわけだ。

(ウクライナ大統領、前線地域の防御施設強化を指示 ロシア攻勢で)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/BUIKK3QFERNUZKQGYKUUJIWQSI-2023-12-01/

「これはもちろん、ドネツク州のアブデーフカとマリンカなどに最大の注意を払うことを意味する。ハリコフ州ではクピャンスクとクピャンスク─(ドネツク州)リマン戦線を意味する」

ロイターの報道では、東部戦線限定ということになっている。

まあ、当面は敵正面後方ということになる。

これは、砲弾や兵員不足を反映した戦略の転換以外の何物でもない。

短期に反転攻勢が実現しないという現実を、ウクライナが受け入れたというわけだな。

戦線の膠着状態は、来年以降も続くことになるんだろうか?。

状況は確かにそういう方向に動いているように見える。

攻撃側の戦力の消耗が大きいことを考慮すれば、ロシアが優勢と言っても、防御戦なり撤退戦ではウクライナ側に利があると考えるのがふつーだ。

1年や2年は持ち堪えられるんじゃね?。

そうすれば、欧州や米国からの砲弾の供給も軌道に乗り、ウクライナ側にも反転攻勢のチャンスが再び巡ってくるかもしれない・・・。

しかし、兵員不足の点では、要塞化は必ずしも解決には結びつかない。

長大な戦線を維持するためには、それに応じた兵力を配置し続けなければならないし、戦争の長期化は国力の疲弊を招く。

それでなくても、輸出のための港湾等のインフラや電力網、ダムなどを破壊され続けているからな。

兵員の動員を過度に掛ければ、生産資源を圧迫することにもつながる。

ウクライナが反転攻勢をかけるには、それこそ、次元の違う支援が必要になる。

ロシアを上回る砲弾、兵力、最新の兵器、資金や技術的物的資源の援助も必要だ。

それを行うに足りる動機付けも重要だ。

これまでのような、自由と民主主義を守る砦とか、第三次世界大戦といったワケワカの話ではなく、現実に欧州が危機にさらされていることを証明し、そのための不可欠な対応であることを示さなければならない。

ウクライナは、欧州を道連れにする必要があるのだ。

マジか?。

リップサービスや、おざなりな援助ではなく、欧州の戦争としてのスキームを作らなければならない。

そうでなければ、この戦争には勝てない。

砲弾の不足は、そして、それを補う生産力の増強という対応は、その一環に過ぎない(対応が遅いし、規模も足りないけどな)。

兵力の増強は深刻な問題だが、最前線の兵士以外の労力を欧州が負担する仕掛けを作ることが出来れば支えられるかもしれない。

現実的かどうかは別にしても、ウクライナ西部の国境を変更して、ルーマニアとかポーランドなど隣国の一部とすることもありかもな。

そこは、NATOの管轄権になる。

EUにも加盟済みだ。

コアなウクライナは縮小するかもしれないけど、欧州の一部になって、西欧かぶれした生活が望みなら、別に国家のアイデンティティーに拘ることはあるまい。

もっとも、隣国が拾ってくれるかどうかという、困難な問題はあるけどな。

まあいい。

つまり、そのくらいな抜本的な対策でなければ、現在の支援の延長線上での勝利は望めないということなわけだ(そうなのかあ?)。

防御のための要塞を築いて国土を守ろうとしたフランスは、結局、迂回突破されて占領の憂き目にあった。

浮沈子は、欧州は、結局一枚岩にはなれず、支援の枠組みも縮小していくと見ている。

欧州委員長の呼びかけは、この時期、ウクライナに対するリップサービスに留まるだろう。

ロシアの思惑通り、NATO加盟は果たせず、EU加盟を実現しても、単にお荷物になってしまうだけなのではないか。

先のことは分からないけど、防御戦を想定した要塞化構想は、現在のロシア支配地域が二度とウクライナに戻ることはないという未来を想起させる。

一見、砲弾不足を前提にした、一時的、戦術的な対応に見えるけど、背景には根深いものがありそうな気がする・・・。

<もっと追加>ーーーーーーーーーー

(ゼレンスキー大統領、反転攻勢で「期待通りの結果得られず」)
https://mainichi.jp/articles/20231202/k00/00m/030/013000c

「諦めたり、降参したりする必要はない」

ウクライナは、戦闘を続ける意思を明確にしている。

つーか、それしか道はない。

「世論調査で米国人の半数近くがウクライナへの支援を「過剰」と回答したことについて問われると、「それは米国人の選択だ」と指摘」

「支援不足でウクライナが抗戦に失敗すれば、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)諸国に侵攻すると主張し、「米国の子供たちが戦うことになる」と語った」

相変わらずの脅し文句だが、もう、世界は誰も耳を傾けないだろう。

米国は、最初からロシアがNATOに踏み込まないように注意深く支援を続けている。

「要望した兵器のすべてを受けられなかった」

それは、ロシアを過度に刺激しない配慮だ。

抗戦の失敗は、支援不足の結果ではないのだ。

米国は、初めからそういう枠組みの中で支援している。

仮にウクライナが敗れることがあっても、ロシアがNATOに踏み込まずに済むようにしているのだ。

それは、深い配慮でもある。

米国の支援は、政治状況によって影響を受けるからな。

現在のような状況に陥って、ウクライナを支えきれなくなるリスクは想定の範囲内だ。

そうなっても、ロシアが欧州に踏み込むことがないように、当初から配慮しているわけだな。

ウクライナもそれが分かっているから、逆にロシア本土に攻撃を掛けたりして、NATOを引きずり込もうとしている。

最近も、ロシア国内の鉄道を爆破したりして、米国の神経を逆なでしているわけだ(そうなのかあ?)。

これまでは、武器弾薬の督促な面もあったけど、今は、支援の継続そのものを繋ぎとめるための手段になっている(そうなのかあ?)。

浮沈子が驚くほど、プーチン政権は抑制的に対応していると言える。

使うと思っていた核兵器も出さず、戦域以外のウクライナ地域に対する攻撃も限定的だ。

ウクライナが、今期の反転攻勢に失敗したことは、予想以上に影響が大きい。

今年の冬や来年、或いは今後の反転攻勢に期待という話もあるけど、それは、支援が続き、戦闘が継続できるという条件の下での話だからな。

戦場で勝てないウクライナ。

情報戦や、政治的アピールは素晴らしいけど、そして、昨年の反転攻勢は成功したけど、ロシアがきっちり対応してきた今年は失敗に終わった。

この冬も、そして来年も、この先何年も続く停滞の季節・・・。

停滞ならまだしも、ロシア側が攻勢を強めて、ウクライナ軍の撤退が目に余るようになれば、どこかで見切りを付けなければならなくなる。

そうならないために、米国は支援をしなければならない・・・。

違うな。

そうなっても、米国の子供たちを戦場に送らずに済むように、過剰な支援を慎み、国内政治がウクライナに振り回されずに済むような配慮がますます求められるだろう。

ウクライナは、これからもロシア国内での破壊工作を進めるだろうが、対米効果の点では逆効果になる。

国内に対する求心力という点では、若干の効果はあるかも知れない。

ザルジニーだけが、軍事行動してるわけじゃないってな。

政権の選択としては難しい局面だが、それは昨年の侵攻前から同じだ。

開戦時に、米国は軍人をウクライナから一斉に引き上げた。

非正規の活動はしていると言われるが、表向きは控えている。

ウクライナを好きな時に切り捨てる準備は、最初から出来ているのだ。

4年ごとの大統領選挙で、ころころと政策が変わるリスクをはらんでいる「自由で民主的な」国家の深い深い知恵だな。

ゼレンスキーよ、米国の子供たちの心配は無用だ。

安心して降伏してくれ(そんなあ!)。

もっとも、浮沈子の妄想の中では、欧州大戦争は想定の範囲内だし、NATOへのちょっかいも、逆に欧州の支援に水を差す手段として想定されている。

スバルキギャップな、新たなホットスポットになるかもしれない。

が、本格的なNATOとのドンパチは、すぐには起きないだろう。

来年春のロシア大統領選挙、2026年と言われる議会選挙が終われば分からない。

バルト3国とポーランドを一呑みにして、戦線はドイツに開かれるだろう。

そうなれば、米国も出兵せざるを得なくなる(つーか、欧州には万単位で駐留しているからな)。

各国の拠出金が増えて、気が大きくなっているNATOは、一瞬のうちにリソース不足に見舞われる。

2027年には、台湾問題が噴出すると言われているし、その頃は時期的にもリスクが高まる。

次の次の米国大統領選挙も間近だしな。

ゼレンスキーの懸念は、杞憂ではない。

ロシアだって、ウクライナ紛争を抱えたまま欧州大戦争に突入するリスクは冒さないだろう。

それまでには、ウクライナを非武装化しておかないとな。

後顧の憂いを無くして、大欧州戦争に臨むことになる。

米国は、欧州本体と台湾問題の2正面作戦を余儀なくされるが、それだけで済むかどうか。

今回も、ロシアはアラスカに目を付けているしな。

(ロシア、米アラスカ対岸で軍事演習 巡航ミサイル発射=国防省:2023年9月19日の記事)
https://jp.reuters.com/world/europe/P7XKJOGKDRI5VBH5RQDYM6F3G4-2023-09-18/

「ロシアは18日、北極圏の北方航路防衛の演習として、米アラスカ州の対岸の海域に設置した模擬目標に向けて巡航ミサイルを発射」

「ロシア極東連邦管区の北東端に位置するチュクチ自治管区のチュコトカ半島のほか、ベーリング海で実施。国防省によると、陸上部隊のほか、艦船や潜水艦発射ミサイルなどが投入され、約1万人の兵士が参加」

米国本土と欧州と台湾。

やれやれ・・・。

ロシアを押しとどめておくためには、ウクライナ紛争を継続させておいた方がいいようだな。

勝つ必要はないけど、また、若干後退してもいいけど、戦線を崩壊させることなく、抗戦を継続する程度は必要だ。

西側の軍事産業は、今回の事態を受けて再拡大するだろう。

しかし、それは来るべき次の直接対決に備えた方策がメインだ。

ウクライナじゃない。

ざっくり、増えた分は欧州や米国の備蓄に回る。

で、廃棄間近や、余った武器を回される構図は変わらない。

(150km先を攻撃可能なGLSDB、ウクライナへの到着は年内ではなく来年)
https://grandfleet.info/us-related/glsdb-capable-of-attacking-150km-away-will-arrive-in-ukraine-next-year-rather-than-later-this-year/

「ボーイングとサーブが開発した150km先の目標を攻撃可能なGLSDBは「クラスター弾非活性化のため用済みになるM26弾のロケットモーター」と「アフガニスタン紛争で余ったSDB」を再利用した地上発射型の滑空爆弾」

なんだ、余剰部品を組み合わせたつぎはぎ兵器か・・・。

「開発したものの採用国が現れなかったため現物も生産ラインも存在せず、ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)経由の資金で契約締結後に生産ラインが立ち上がった。」

が、現場で効果的なら、別にそれでもかまわない。

現場投入は来年になりそうだが、早くしないと戦争終わっちゃうぞ(まあ、その方がいいんですが)。

東部戦線では、ロシア軍が前進しているらしい。

(露軍、東部マリインカ制圧と主張 ウクライナ軍苦戦か)
https://www.sankei.com/article/20231202-S5DSXT464ZP6PGUKQ7PTEMHHE4/

「ウクライナ東部ドネツク州の州都ドネツク市近郊の小都市マリインカを制圧」

「東部戦線でのウクライナ軍の苦戦を示唆」

「ウクライナ軍は東部で厳しい戦闘を強いられているとの観測」

産経は、浮沈子的に気になるドニエプル川渡河作戦についても報じている。

(露、南部ヘルソン州で戦力増強 クリミア方面への突破警戒か)
https://www.sankei.com/article/20231202-RO45WZBGFNMUJNCWV4XBQRF4IA/

「東岸の集落クルインキ周辺で300~400人規模のウクライナ軍部隊が露軍と戦闘を続けている」(露軍事メディア)

「露軍は東岸防衛のために部隊をかき集めているが、その結果、味方の部隊が設置した地雷原に別の部隊が突入して損害を受ける事例が報告されるなど、指揮系統の混乱が顕著だと指摘」(米シンクタンク「戦争研究所」)

相変わらず、チョンボ連発のロシア軍。

やれやれ・・・。

が、兵力の分散以外の戦果はない。

渡河作戦の舞台は、英国で訓練を受けたと言われている。

(ウクライナ軍ドニプロ川「渡河作戦」、イギリスで半年訓練の1000人投入…東岸に拠点維持)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231022-OYT1T50143/

「英国で半年間、水陸両用作戦などを訓練した約1000人の兵士が参加していると報じた。特殊部隊も含まれているとの報道も」(ニューヨーク・タイムズ)

渡河作戦自体はある程度の成功を収めているようだけど、戦略的効果はビミョーだな。

右岸からの砲撃や、ドローンの援護がない範囲に進軍できていない。

かき集めたチョンボ連発のロシア軍を突破できずにいる。

まあ、もともと、このルートでクリミアを攻めるというのは無理があるからな。

ザポリージャ州の進軍とセットで、ロシア軍の反撃を抑えながら出なければ成功はおぼつかない。

どうするのか。

浮沈子は、南部戦線こそが、この戦争のカギを握っていると見ている。

東部の支配は、ヘルソンの奪還やオデッサへの進撃を確実に行うための足場づくりと見ている。

太い兵站が確保されれば、大量の戦力を送り込んで侵攻できるからな。

アゾフ海沿いに、ロシア本土から続く鉄道建設まで始めたって言うじゃないの。

本格的な攻撃には、仕込みの時間が掛かるだろうが、ロシア軍にとって黒海沿岸地域の占領は既定路線だろう。

戦況は、膠着状態から、ロシアの逆「反転攻勢」のステージに移りつつある。

もちろん、それが成功するかどうかは分からない。

西側の支援次第だが、その支援が機能するかどうかはビミョーになってきている。

12月に入り、ウクライナは本格的な冬を迎えている。

大規模な戦線の動きは止まるだろうが、その間も攻撃と防御、反攻の繰り返しが続くことは変わりない。

キエフの週間天気予報を見ると、4日以降は昼間も氷点下だ。

・12/4(月): 曇時々晴:-1℃:-6℃
・12/5(火): 晴のち曇:-1℃:-8℃
・12/6(水):曇り:-1℃:-4℃:
・12/7(木):曇時々晴:-4℃:-8℃
・12/8(金):雪:-6℃:-9℃
・12/9(土):曇り:-8℃-11℃

電力需要が高まるこの時期、インフラ攻撃も予想されている(浮沈子は、必ずしもそうは見ていないけど)。

タイミング的には、キエフが氷点下になる12月初旬がインフラ攻撃の激化が始まる時期と言われていたからな。

今が、ちょうどその時期ということになる。

ロシア側は、秋に精密誘導ミサイル攻撃を縮小し、在庫を積み増し、冬にかけて一気に攻勢をかけてくるとされている。

浮沈子は、その対象は防空システムで守られた電力関係ではないと見ているんだがな。

そう、前線の戦闘区域に、何らかのアクションが増大する可能性がある。

ロシア軍だって、馬鹿じゃない(ホントかあ?)。

叩き落されることが分かっていて、わざわざミサイルを飛ばすような真似はしないだろう。

そういうのは、数が多くて消耗に耐えられる自爆型のドローンが請け負う。

先日のホロドモールの朝の攻撃のようにな・・・。

(数百万人が餓死したホロドモール追悼の日、ロシアが大規模無人機攻撃…「意図的に恐怖を与えようとしている」)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231126-OYT1T50113/

「ロシア軍は25日、イラン製自爆型無人機「シャヘド」約75機でウクライナ各地を攻撃」

「追悼の日を狙い、意図的に恐怖を与えようとするものだ」

インフラはともかく、都市部への攻撃は心理戦だ。

防空システムで守らざるを得ない。

戦場は手薄になるからな。

そこをミサイルで叩くわけだ。

まあいい。

「ウクライナ軍も26日朝、モスクワなどを無人機で攻撃」

ロシアは、恐怖心を抱いたんだろうか・・・。

<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー

(マリンカの戦い、ロシア軍が郊外に国旗を掲げるも完全占領は時期尚早)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-marinka-russian-troops-raise-national-flag-on-the-outskirts-but-complete-occupation-is-too-early/

「マリンカ南西郊外に国旗を掲げることに成功したが、集落全体の完全な占領を口にするのは時期尚早だ。ウクライナ軍は依然としてマリンカ北西部に陣地を保持している」(ロシア人ミルブロガーが運営するRYBAR)

「仮にマリンカを完全に失ったとしても当該方面の前線が一気に崩壊する可能性も低い」(ブログ管理人)

「但し、反攻作戦が失敗に終わったウクライナがマリンカを失えば「ロシア軍が前進してウクライナ軍が後退している」という印象が更に強くなるため、政治的なダメージだけは避けられない。」(同上)

浮沈子は、ちっとばっかの前進より、この「政治的ダメージ」というやつが重要だと考えている。

前線では、投入できる兵力、火力(大砲の数)、砲弾の数など、物理的要因で、陣地を取ったり取られたりするわけだが、前線から離れれば離れる程、現場の状況やその物理的要因は見えなくなり、取った陣地の結果だけが、地図上に表示されていくのを見るだけということになる。

「因みにマリンカよりも状況が悪化しているのはノボミハイリフカ周辺」

「南から迫るロシア軍が支配地域をじわじわ広げている」

ドネツク周辺の東部戦線では、ロシア軍の攻勢が目立つ。

南部ヘルソン州のドニエプル川渡河作戦も、一時、上陸や拠点確保を許したが、その後反撃しているようだし、真ん中辺のザポリージャ州は、動きが止まっている(今年6月の反攻開始からの前進距離は、17kmと言われている)。

こうした状況の中でのマリンカ喪失ということになれば、たとえ、それが重箱の隅をつついた程度の話に過ぎなくても、「戦いの主導権が移った」とか、「ウクライナは守勢に回った」とか、「時間はロシア軍に味方する」などという、根も葉もない話(そうなのかあ?)になりかねない。

「政治的ダメージ」は計り知れない。

ゼレンスキーが築こうとしている21世紀版マジノ線も、はるか後方に後退することになりかねないからな。

浮沈子は、ウクライナが勝利することを願っていないわけではない。

確かに、現在、「誰が何と言っているか」ではなく、「何がどうなっているか」だけを見れば、ウクライナの降伏は不可避だ。

それでも、来年の春まで持ちこたえられれば、待望のF-16戦闘機や陰でこそこそ供与していると言われるエイタクムスや、「余剰部品を組み合わせたつぎはぎ兵器」のGLSDBなどが手に入る。

戦車や砲弾も届くだろう(どーせ足りないけど)。

ウクライナ軍の工兵の能力は知らないが、これ以上押し込まれない要塞陣地も出来上がっている(希望的観測)。

米国も、欧州も、我が国も含めたその他大勢の支援国は、長期的にウクライナを支え続ける枠組みを築き、中国やロシアと対峙するのに十分な体制を整えて、支援を続けることが出来るようになるかもしれない。

そうして、ウクライナが戦場での勝利を重ねることが出来るようになれば、再び追い風が吹くだろう。

「諦めたり、降参したりする必要はない」(再掲)

今は、こらえどころに違いない。

良く言うじゃないの、「夜明け前が最も暗い」って。

その希望がある限り、前に進むことが出来る。

逆説的かも知れないが、ウクライナにとって最大の味方はプーチンかも知れない。

この戦争の本質である、米国をはじめとした西側諸国との対峙を認識し、ウクライナを武装解除して代理戦争から解放しようとしている。

元より、領土的野心はない(と、口では言っているし)。

来年の春までに、勝利への方程式が見えなくても、敗戦という道だけが見えてきたとしても、それは絶望ではない。

国破れて山河ありって言うじゃないの。

ドニエプル川は、人間の愚かな戦いの場ではなく、水の恵みと水運を担う豊かで平和な川のはずだ。

インフラを破壊しつくされて、ボロボロになって再建に取り組む選択は愚かだ。

ウクライナの未来は、ウクライナが選ぶ。

浮沈子は正義派じゃない。

ウクライナが、どのような統治を受け入れるかに興味はない。

ロシア側が実効支配しているドネツク市は、周辺のアウディーイウカやマリンカなどからの砲撃を受けていると言われる(ホントかどうかは知りませんが)。

ロシアは、自国兵士の命を投じて、その攻撃を遠ざけ、住民の生活を守ろうとしているのかもしれない(情報戦にまんまと嵌められた浮沈子)。

まあ、ヘルソン市に対して、ロシアは同じことしているからな。

目くそ鼻くそ・・・。

どっちにしたって、ドンパチを止めるのが一番だ。

塹壕戦で戦線が膠着状態になることは、悪いことばかりじゃない。

無益な兵士の損失を避けるために、本来なら停戦気運の醸成に資する面もあるはずだ。

限られたリソースで戦っていればの話だがな。

それを、支援しなければお前たちの子供たちが戦場で命を落とすことになると脅しをかけて、恐喝まがいの手法で援助を引き出そうとする現ウクライナ政権の姿勢は、浮沈子的には到底、健全とは思えない。

ウクライナが負けちまって、その気になった中国が武力を振りかざして台湾有事になれば、米軍に基地を差し出しているわが国は攻撃対象となるわけだから、その脅しは我が国に向けられているともいえる(そうなのかあ?)。

そういう国に、我が国は、地雷除去やITなどの直接支援、間接的な砲弾の供給での支援を行うのかあ?。

(地雷除去、ITでウクライナ支援 多国間枠組みに日本参加へ)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023120101158&g=pol

「地雷除去とサイバー対策などIT分野でウクライナを支援する欧米中心の二つの多国間枠組みに参加」

まあ、どうでもいいんですが。

戦線膠着、戦場で勝てない状況は、一方的に侵略を受けているウクライナからすれば面白くないかもしれないが、自国が置かれている状況、現実的な選択肢を認識する好機ともいえる。

わが国は、太平洋戦争で惨敗し、原爆まで落とされて無条件降伏して、大陸や南洋諸島の領土権益を失い、北方領土では、その後78年間不法占拠を許している。

今、出来ることは、紛争の一方の当事国の戦力を補うことではなく、たとえ不正義の平和であっても、戦争がない中での繁栄と幸福追求が可能だという歴史的経験を伝えることなのではないのか。

ゼレンスキーは、「手を切り落として他人に渡すような案」しか見たことがないと嘆くが、切り落とされた腕が、他人の身体で生きられれば、それも一つの選択かも知れないではないか(そんなあ!)。

(ロシア軍撤退まで停戦せず ゼレンスキー大統領会見)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/293207

「領土を割譲してまで和平を求める考えはないと断言」

その他人というのが、こともあろうにロシアだっちゅーところが問題なんだろうけどな。

「ロシア軍が撤退しないままの停戦は「紛争の凍結」に過ぎず、ロシアは時間を稼いで戦力を回復した後、領土を奪うため再び攻撃を仕掛けてくる」

仮に撤退したとしても、「時間を稼いで戦力を回復した後、領土を奪うため再び攻撃を仕掛けてくる」ところは、同じなのではないか。

CIA長官のウイリアムバーンズによれば、プーチンのウクライナへの執着は、半端ないということだからな。

ウクライナも、手にした時間と戦闘のない状況の中で、西側との新たな関係を構築し、ロシアの再侵攻を許さない体制を築くことが出来るのではないか。

現状では、ハッキリ言って不可能だ(EUもNATOも、自分たちの都合の範囲で支援はするが、決して加盟はさせないだろう)。!・それが、ウクライナが受け入れなければならない現実だ。

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。

死中に活を求める。

外国の支援を受けて、それに頼って、正攻法で押し切る選択しかないというのは悲劇だ。

同じことは、ロシアにも言える。

西側の基準をはるかに超える犠牲者を出しながら、軍事侵攻を続けようとする姿は醜悪だ。

どーせ、僅かの領土しか奪えないと分かっているのに、その攻撃の手を緩めようとはしない。

そういう態度の中で、「領土的野心はない」などとほざいても、誰が信じるもんかよ!。

ソ連が崩壊した32年前、世界は平和への大きな一歩を踏み出したはずだった。

ウクライナからの核兵器の撤去、独立国家としての旅立ちは、そういう機運の中で行われた。

その後の変遷の詳細は浮沈子的には知らない。

新ロシア政権が崩壊し、2014年にクリミアを併合、ドンバス地域でドンパチ始めた程度の認識しかない。

個人的興味で追いかけているロケットの世界にも、大きな影響があったしな(アトラスVのエンジン供給問題とか)。

マレーシア航空機の撃墜の話もあった。

それでも、昨年の本格侵攻までは、地域紛争に留まり、対ロシア制裁も限定的だった。

欧州は、ミンスク合意の仲介に動き、たぶん、中途半端な状況を作り出したんだろう(未確認)。

双方が、そこにつけ込み、ドンパチによる解決へとシフトしていったわけだ。

いいだろう。

戦場でケリを付けよう(ラブロフ?)。

キエフからの撃退(2022年4月)、ハルキウ州の奪還(2022年9月:えーと一部は占領下)、ヘルソン市の解放(2022年11月)くらいまでは良かったけど、浮沈子的にはクリミア大橋への攻撃(2022年10月8日)辺りから流れが変わってきたような印象がある(時期的には、ヘルソン市からの撤退が後だけどな)。

都市への無人機やミサイル攻撃が始まり、冬にかけて電力インフラへとエスカレートしていく。

冬の間、戦線は事実上膠着し、侵攻1年を契機として中国による和平交渉の動きもあったけど、紆余曲折(米国が猛反対?)を経て、ウクライナ側が「反転攻勢」へと舵を切ることになった。

この間には、プリゴジンのワグナー(ワグネル:民間軍事会社)によるバフムトの奪還と、その後の反乱というノイズがあったけどな。

ロシアは、早期終結を計り、戦線への影響は最小限にとどまった(たぶん)。

経済制裁でヨロヨロになり、武器弾薬の不足の中で、明日にも占領地から尻尾を巻いて撤退するかのように宣伝されていたこととは裏腹に、ザポリージャ州での中央突破は足止めを食らい、東部戦線は膠着。

連動してヘルソンでのドニエプル川渡河作戦を決行するはずが、10月からの単独作戦となった。

今のところ、左岸での拠点は維持しているようだけど、兵站が細い中で、寄せ集めロシア軍がまともに機能しだせば早期撤退に追い込まれかねない(浮沈子は11月中に撤退と見ていたけど、チョンボロシア(自軍が仕掛けた地雷原にハマる!)のおかげもあって、未だに左岸にいるようです)。

この間のロシアの損失は甚大で、東部戦線だけで、万単位の死者を計上していると目されている。

弾薬、車両の損失も半端ない。

が、兵站が太い東部戦線は、キッチリと予備兵力を次々に投入して、僅かずつでも前進している。

その前進の代償は、吐き気がするほどの死傷者だ。

宇軍のザルジニー総司令官は、そのエコノミスト誌への寄稿の中で、「封建的なロシアにおいて、最も安い資源は人命だ」と呆れかえっている。

まあいい。

この間、ロシアは中国との関係を深め、インドとの石油取引を増やし、北朝鮮から武器弾薬を調達し、イランとは緊密に連携している(ハマス襲撃のタイミングも、合わせたんじゃね?:未確認)。

西側の経済制裁は、実質的に不発に終わり、反転攻勢にも失敗。

ロシアは、戦時経済に移行を果たし、長期戦に臨む態勢を作り上げている。

そういうロシアを作り上げたのは、西側、特に米国だ。

多くの犠牲を払っているのは、ロシアも同じだからな。

米国は、既に思惑とは違った方向に世界が動いていることを感じているだろう。

その米国の口車に乗った欧州とその他大勢(我が国もかあ?)は、自らが背負った負債の大きさを、今更のように感じているに違いない。

このまま、ロシアが突っ走れば、大西洋を見下ろす丘の上にロシア国旗が翻ることになる(そうなのかあ?)。

戦闘国家ロシアは、同じ国家体制を敷く北朝鮮との結びつきを深める。

ユーラシア大陸に、巨大経済圏が形成され、政治軍事を絡めて米国一国支配の構図を突き崩そうとしている。

隣の国と足並み揃えて行動するくらいなら舌噛んでやる的メンバーが揃っている欧州は、黙っていても自滅する(そうなのかあ?)。

ウクライナ紛争は、隠れていた問題を次々に噴出させ、ソフトランディングを果たそうとしていた欧州を硬化させている。

EUの崩壊は時間の問題となり、NATO第5条が空文となる日も近いだろう(そうなのかあ?)。

浮沈子は、妄想に駆られて書いているだけだが、戦場でウクライナが勝てないだけで、世界は再び暗闇に包まれようとしている気がする。

ロシアは、大国としての役割を放棄し、自国利益の追求に走るふつーの国になっちまったようだ。

それでも、少しはプライドのカケラを残して、かつての大国らしく振舞おうとすることもある(あっちこっちの国際会議に出たり、身内の寄り合いを主催したりしてるしな)。

西側から総スカンを食らっていることは、実は相当堪えているに違いないのだ。

自国中心の国際関係を一から築き上げる以外に選択肢はなく、元のさやに戻ることは決してできないだろう。

浮沈子的には、ロシアが国連を脱退するのは時間の問題だと見ている。

そう、かつて我が国が戦闘国家として、国際連盟を脱退したようにな。

(国際連盟からの脱退を通告する)
https://www.archives.go.jp/ayumi/kobetsu/s08_1933_01.html

「解説:
日本は、大正9年(1920)に創設された国際連盟の常任理事国でした」

「満州事変を契機に脱退」

「昭和8年(1933)2月24日の国際連盟総会では、中国の統治権を承認し、日本軍の撤退を求める報告案に対して、賛成42、反対1、棄権1という形で、各国の意思が示されました。」

「反対票を投じた松岡洋右ほか日本代表団は議場から退場。」

「日本は、3月27日に国際連盟脱退に関する詔書を発表すると共に、連盟に脱退を通告」

国際連盟総会での採決の日付に、ちょっと震えが来るくらいビビったけど、偶然の一致に過ぎない。

当時の日本にとっての満州を、ロシアにとってのウクライナに置き換えて考えると、ちょっと興味深い感じがする。

(松岡洋右:満洲国と松岡)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B2%A1%E6%B4%8B%E5%8F%B3#%E6%BA%80%E6%B4%B2%E5%9B%BD%E3%81%A8%E6%9D%BE%E5%B2%A1

「満洲事変以降よく使われたスローガンである「満蒙は日本の生命線」という標語」

まあ、状況は当時とは異なるし、中国の存在もあるから、ロシアが国際連合で孤立して脱退するようなことはないかも知れない。

しかしなあ、日米開戦はないと思っていた松岡がひっくり返ったように、国際情勢は、一寸先が闇なわけで、「新世界秩序」を目指す中露が揃って脱退なんていう大どんでん返しが起こらないとは限らない。

まあ、どうでもいいんですが。

ロシアは、国際的には追い詰められ、経済的には踏みとどまり、政治的には独善に陥っているように見える。

「自国の生命線」であるウクライナを諦めることはないだろうし、そのためには国際関係をぶち壊しても構わないと腹の底から思っている。

ウクライナだけじゃない。

バルト3国、ポーランド辺りは、やっぱ、生命線だと思っているだろう。

ついでに、モルドバやルーマニアも入れていいかもしれないな。

真ん中のスロバキアとハンガリーは、自動的に付いてくるだろうけどな。

東欧圏の大部分がロシアの影響下に置かれる。

そうしないと、安心して眠れないんだろう。

生命線というより、安眠線かあ?。

ロシアは、それ程に西欧文明との乖離に苛まれている。

確かに、首都に向けてドローン飛ばすような国に周りを囲まれていて、安眠できるはずはない。

だからと言って、そういう状況を解消するのに、ドンパチ続けるというのは考え物だ。

この稿、やや長くなったので、別稿で続ける。

🐱変異種:レプリコンワクチン承認:来年から2023年11月29日 10:01

変異種:レプリコンワクチン承認:来年から


(明治HDのコロナワクチン承認 従来型、供給は24年以降)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC284JL0Y3A121C2000000/

「厚生労働省から新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を得たと発表」

「来年度以降に新しい変異型に対応したワクチンの供給を目指す。」

なーんだ・・・。

が、浮沈子は今年の分はうっちまったからな。

効果が持続し、副反応が少ないという売込みだが、実際のところはよく分からない。

「承認を得たのは米バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスが開発した次世代型のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン「コスタイベ」」

「投与後に体内でmRNAを自己複製する「レプリコンワクチン」と呼ばれる型で、承認されるのは世界で初めて」

浮沈子は、以前から注目していたんだが、仕掛けがヤバ過ぎるのが気になる。

もちろん、これまで実用化されたことはない。

「既存のmRNAワクチンと比べ少量の投与で済み、より効果が持続するとされる。」

「来年の秋冬接種での供給に向けて準備を進める」

(Meiji Seika ファルマの小林社長 次世代mRNAワクチン・コスタイベ筋注用で「一歩世界に先駆けた!」)
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75729

「次世代mRNAワクチン(ARCT-154)の開発は、福島の復興再生事業として産官学のチームで3年前にスタートした。」

「臨床試験は、有効性についてはデルタ株流行下のベトナムで行った大規模初回免疫第3相試験(1.6万例)で、初回免疫における有効性(発症予防効果)を検証。追加免疫については、国内追加免疫第3相試験でオミクロン株に対する中和抗体価についてコミナティに対する優越性を検証した。その結果、コスタイベ筋注用はコミナティに比べて抗体価が高く、持続性に優れていることを確認」

レプリコンワクチンは、これとは別に、国内での開発も行われている。

(少量でも免疫長持ち、「自己増殖型」コロナワクチン 治験結果を公表)
https://www.asahi.com/articles/ASR8H3WFHR8GPLBJ001.html

「治験結果を、バイオ企業のVLPセラピューティクス・ジャパンなどのグループが米専門誌に16日発表」

「自己増殖型では、mRNAをコピーして増やす「増殖装置」の設計図も成分に組み込む」

この辺の仕掛けは、レプリコンワクチン共通のようだ。

「10分の1~100分の1の量のmRNAで、従来のワクチンと同程度の抗体を作る」

うーん、問題は、たぶん副反応が「10分の1~100分の1」になるわけじゃないところだろうな(未確認)。

「従来型に比べて、抗体の減り方が抑えられていた。半年後も抗体が維持されることで、免疫が長く続くことを示した。」

来年からは、年1回の接種ということになるようなので、通年で免疫効果を持続してくれることが必要だが、それについては今後ということになるんだろう。

アークトゥルスの方が先行して承認されたが、VLPも追い上げに掛かっている。

初回接種の承認を得られるところがアークトゥルスの強みだが、デルタ株での承認で、オミクロンではないところに注意だ。

浮沈子は、追加接種だけなので、どうでもいいんですが。

mRNAワクチンも、第2世代ということになりそうな気配だ(まだ分かりませんが)。

組み換えタンパクワクチン(ノババックスなど)は、副反応が有意に軽く、適応があれば浮沈子的選択はそっちになる可能性もある。

レプリコンワクチンの副反応については、報道では伝えられていないので何とも言えない。

ワクチンとしての効果については、ターゲットとしているタンパク質構造の特性もあり、ワクチン間での競争も期待される。

ワクチンの価値は、キレ(予防効果)と持ち(持続期間)だからな。

あとは、副反応ということになるが、選択肢が増えてくると、どれを重視するかということになる。

重症化予防効果がそれほど変わらないのであれば、副反応が軽微な方が浮沈子的には好ましい。

高齢者で持病持ちなわけで、接種しないという選択肢はない。

ワクチンは、結局のところ、生体の免疫機能をハッキングして賦活することで、感染、発症、重症化を予防する点では共通だ。

高齢者は、それでなくても免疫機能は衰えてきている。

カンフル注射的に賦活された免疫が、最終的にどれだけ効果を発揮するかというのは相当個人差もあるに違いない。

一山10円で、ざっくり選ぶのも手だが、本来なら、個人の免疫状況や既往に応じてカスタマイズされるのが理想だ。

オーダーメイドワクチンの時代が開かれるのも、時間の問題になってくるかもしれない。

免疫機能というのは、生体を維持するうえで欠かせないけど、それ自身が内包するネガだってあるに違いない(未調査)。

自己免疫疾患は、それが顕在化しているわけだが、それ以外にもトレードオフの関係にある生体機能もあるだろう(未確認)。

ワクチン(疑似感染)で、無理やり免疫を賦活することで、ジジババの寿命が短くなったりすれば、それはそれで憂慮すべきだ。

活動的な生活が送れれば、ある程度は寿命が短くなることもやむを得ないかもしれない。

いや、活動的であること自体が、生体にとっては「毒」でもある酸素をがばがば取り込むことになるわけだからな。

どんなリスクを受け入れ、どんなメリットを追求するかというのは選択の問題だ。

この世の中、何もかもが分かっているわけじゃないし、誤った知識が普及していた話は山のようにある。

それでも、その時点で明らかなことを把握して、最良の選択を行うために必要な情報を開示し、要約整理して伝えてもらいたいものだ。

判断は、結局は一人一人が行うことになる。

そのためのリテラシー(情報を理解し、活用する能力)を養うことも必要だ。

浮沈子は、ダイエットについてはよーく調べているけど、活用できていない点では問題だな(夕べも爆食して、せっかくフィットネスで絞った体重は元に戻った!)。

まあいい。

レプリコンワクチンが承認されたというのは新たな情報だが、まだ、実用に供されるわけではない(早くて来年)。

予防効果、持続期間、副反応についても、定量的な話は報じられていない。

既に何十億人という接種実績がある既存のワクチンとの比較、新たに登場する他のワクチンとの比較もこれからになる。

ジジババにとっては、新型コロナと同様にリスキーなインフルエンザワクチンなどへの応用、治療への応用にも注目だ。

DNAの発見以来、遺伝子に対する理解は急速に進み、医学や生物学は、化学や工学との結びつきなしには成り立たなくなっている。

だからといって、何もかもが分かっているわけじゃない。

特に、免疫や感染といった分野は、相手のある話だからな。

細菌やウイルスなどといった、侵襲者への理解も欠かせない。

チンケなコロナウイルス(そうなのかあ?)が、これほどまでに人類をかく乱するというのは、20世紀には夢にも思わなかった話だ。

一寸先は闇の新型コロナ。

東京での流行は、ほぼ底打ち(まだ、ビミョーに下がっていますが:今日は東京は微増、全国は微減)。

第10波の3度目(4度目?)の見極めは難しい。

明確な上昇に転じる前に、日本脱出でメキシコ行きになる可能性もでてきた(もう、1週間を切りました!)。

現在のところ、外務省のページでは感染症に関する注意報などは出ていない。

が、大統領があっさりと新型コロナに罹るお国柄だからな(今年、4月くらい)。

また、カンクン辺りは観光客で溢れかえっているだろう。

今回も、プラヤデルカルメンに滞在予定だから、キンタアベニーダ辺りはごった返しているだろうな・・・。

🐱VisiOS:屋上屋を重ねる:OS上のブラウザーにOSを乗せる2023年11月27日 11:28

VisiOS:屋上屋を重ねる:OS上のブラウザーにOSを乗せる


(ブラウザ内にOSを起動して膨大なブックマークをGUIで管理できる「VisiOS」レビュー、ブラウザ内でアプリ開発や文書編集も可能で超多機能)
https://gigazine.net/news/20231126-visios-bookmark-manager/

「ブックマーク数が数十個のうちはブラウザ標準のブックマークマネージャーで問題なく管理できます」

いやあ、あのブックマークはどこへ行ったと、大捜査線を敷いて探しまくる日々は、既に始まっている。

「数百個に到達すると「○○についての情報を得られるサイトをブックマークしたはずだけど見つけられない」という事態が発生しがちです。」

数十個で既に崩壊だ(そうなのかあ?)。

「ファイルをフォルダーでまとめるような操作感でブックマークを管理することが可能」

それは便利で使いやすいのではないかと思うけど、ファイルマネージャーで数十個のファイルを管理できない浮沈子には、到底不可能な気もする。

まあ、でも、それは使う側の問題だからな。

浮沈子的に気になったのは、この拡張機能がOS(ここでは、アプリケーションのプラットフォームとしての機能を指しているようだ)として機能することだろう。

「文書ファイルを編集」

「ペイントアプリやゲームアプリを追加インストール」

それぞれ、ウインドウズ上の多様なアプリがあふれている昨今、何が悲しくてブラウザー上に展開したOSで走らせなければならないのか?。

「◆5:VisiOSで文書ファイルを編集
VisiOSはブックマーク管理だけでなく文書作成やコーディングなども可能です。」

「文書ファイルをダブルクリックすると、エディターが起動します。このエディターでは文字の太字化やフォントの変更、表の挿入などかなり多くの機能を利用可能です。」

エディター機能は標準で使えるようだ。

「◆6:VisiOSに追加アプリをインストール
VisiOSにはペイントアプリやゲームアプリを追加インストールすることが可能です。」

「今回はテトリスをプレイできるアプリ「Tetris for VisiOS」をインストールしてみます。」

「Tetris for VisiOS以外にも、ペイントアプリや画像編集アプリ、仮想通貨価格表示アプリなど多種多様なアプリが公開されています。」

中には、「Fake Windows XP」なんてのもある(ジョークアプリとあるので、XPのエミュレーターとかではないんでしょうけど:未確認)。

うーん、屋上屋を重ねていけば、オーバーヘッドが掛かってパフォーマンスが落ちるし、予期しないバグのリスクも抱える。

いいことは何もない・・・。

が、ブラウザー上で走るアプリであることは同じだから(ブラウザー上のOSで走るわけですが)、このブログを書いているライトボックス(write-box)みたいな感じなんだろう。

導入しようかどうしようか、正直、迷っている。

メキシコ行きを控えて、新しいことに取り組むタイミングでないことは確かだ。

メキシコへの道に集中したい。

しかし、うーん、気になるな(気が散るけど)。

そもそも、クローム上にインストールするということになれば、ブラウザーをOSとして使用している本家クロームOSというのがあるわけだからな(後から気づいたんだが、この認識は誤りだな:<以下追加>参照)。

まあいい。

ちょっと気になったので取り上げた。

この件、何かあればまた書く。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ChromeOS)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ChromeOS

「Linuxカーネルをベースにしており、Google Chromeウェブブラウザをメインのユーザインタフェース (UI) として使用している。」

つまり、クロームOSは、リナックスのディストリビューションの一つで、UIがブラウザーなだけだ。

「ChromeOSは主にウェブアプリケーションをサポートする」

ブラウザーが、OSとして機能しているように見えるのは、ウィキにあるように、ウェブアプリをメインに使うからで、ブラウザーがOSになったわけではない(うーん、OSの定義にもよるか:アプリケーションのプラットフォームというユーザー目線からみれば、OSっぽく見える)。

クロームOSが、素のOSであることは、多くののアンドロイドアプリの実行環境を持っていることでも分かる(それは、理由にはならないかも)。

浮沈子は詳しくないんだが、当然リナックスのアプリケーションも動くだろうな(未確認:現在のベースディストリビューションはジェンツーリナックスですが、デビアンの環境で動かすようです:未確認)。

まあ、どうでもいいんですが。

今回注目したVisiOSは、あくまでもブラウザーの拡張機能としてインストールされる。

その上で動くアプリは、メモリーなどのリソースの管理は、クロームブラウザーが走っている元のOS(ウインドウズなど)で管理されていて、おそらくアプリの実行環境にはオーバーヘッドが掛かっている。

素直に、ウインドウズ上のアプリケーションを使えばいい。

だが、クロームブラウザーが普及していて、マックやリナックスといったクロスプラットフォームで、どーしても動かしたいということなら、ブラウザーそのものの拡張機能としてOSっぽい役割を持たせてもいいかもしれない。

クローム上で動くアプリケーションについては、いろいろな形態があって、浮沈子的には混乱している。

このブログを書くのに使っているライトボックス(writebox)は、クロームアプリのパッケージとしてデビューしたようだが、現在はウェブアプリになっている。

この形態がいつまで続くかは分からない。

浮沈子は、ブラウザー上で使える日本語エディターを探していて、いろいろ検討した結果、ライトボックスに落ち着いているんだが、ブラウザーをOSとして機能させるということなら、その上で走るエディターでも構わない。

それを、リモートデスクトップで開いて作業するというのも手かもしれない。

まあ、果てしなく遅いだろうけどな・・・。

🐱ウクライナ降伏不可避:悲観論2023年11月25日 20:34

ウクライナ降伏不可避:悲観論


(ウクライナの苦戦、プーチン氏に勝利のチャンス-兵器も注目も遠のく)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-24/S4LPNST0AFB401

「戦況こう着、米国と欧州は支援継続が可能か疑問を抱き始めている」

記事は、悲観論に満ち溢れている。

「兵器供給の遅れや、国内政治により金融支援が滞る中で、当局者の間の雰囲気は以前よりも暗かった」(支援国会議)

「再び冬を迎える中で弾薬は不足」

「もう一つの懸念は人手だ。」

「ロシアは犠牲を払いながらも次々と兵士を前線に送り込んでいるが、ウクライナはそうすることに消極的」

同じようにしていたら、兵士が不足することは明らかだからな。

航空優勢がない中で、地上戦を進めるなんてありえねー・・・。

「余力に乏しい資源を今後も投入し続けることができるのか、戦場から離れたところで米国と欧州は疑問を抱き始めている。」

ちょっと説明が足りないのではないか。

武器や弾薬を供与しても、それを使う兵士がいなければ役には立たない。

しかし、そもそも、戦争のコメである弾薬が不足している状況は、それ以前の話だろう。

一時的かも知れないが、絶対的な供給力不足に陥っている。

「注目は中東やその他の理由で移りつつある。支援がなければ、事態は悪化する」(ゼレンスキー大統領)

「極めて重要な弾薬の供給で欧州の取り組みが失速しつつある」

「米国を中心に政治的な支援疲れの兆しは増えている。」

泣きっ面に蜂というやつだな。

ウクライナにとってはお先真っ暗な状況だが、欧州は更に悲観的な見方をしているようだ。

「さらに悪い場合にはロシアに軍事的な突破を許し、プーチン氏が交渉に応じる必要を感じなくなる」

「ロシアはウクライナ国境では止まらず、西側はいまだに危険の深刻さを完全に理解していない」(東欧の一部の指導者)

ロシアがNATOとの戦端を開くリスクは、東欧諸国にとってはリアルな選択肢の一つだ。

その時のために自国の武器弾薬の備蓄を増やす必要があるわけで、限られた生産力の中で、ウクライナに回すことが出来る量は限られている。

「勝利に貢献するわれわれの集団的な能力に懸念を抱く」(リトアニアのランズベルギス外相)

改めて戦況を見渡せば、それほど悲観的になる要素はないという気もする。

「2022年秋、ウクライナはハリコフ、ルハンシク、ドネツク地域の重要な領土を取り戻したが、ロシアは後者の2地域は併合されたとみなしている。しかし今、一部の地域では再び争われている」(添付されている地図中の解説:以下同じ)

「2023年、ウクライナはザポリージャ地域でロシアの戦線を押し戻したが、戦略都市トクマクに到達するにはさらに多くの兵力と物資が必要となる」

「ヘルソン地域の一部は2022年11月に解放されたが、6月のカホフカダム破壊後の洪水の影響もあり、さらなる獲得は限られている」

戦線を膠着状態にとどめておくことは、現状の支援でも十分可能だし、時間が経てば備蓄も積み上がってきて、ウクライナに送ることが出来る弾薬を確保することができるかも知れない。

米国の政治状況には厳しいものがあるけど、来年の選挙を乗り切れば、状況は好転する可能性もある。

「ロシア側の見方では、プーチン氏にはいま選択肢が2つある。」

・消耗戦を続けて相手とその同盟国を根負けさせる
・春に大規模な攻勢を新たに仕掛ける

後者の選択はないな。

そうしなければならない動機もない。

時間を掛け、着実に支配地域の拡張を進めるだけだ。

それがどこで止まるのかを知るのは難しい。

実は、ロシアも知らないのではないのか。

「ロシアの一部当局者も戦況は芳しくないと考えている。」

「戦争が長期化すれば、ウクライナはイスラエルのような、米国にとって重要な同盟国としての地位を固めることになる。そのような展開は、ロシアにとって地政学的に深刻な敗北だ」(モスクワの戦略技術分析センター(CAST)で防衛問題を専門とするミハイル・バラバノフ氏)

この展開、浮沈子は既視感に捉われて、思わずクラクラした。

キューバ危機とそっくりではないか(立場、逆ですけど)。

当時の米国は、海上封鎖という手に出たけど、地続きのウクライナにその手は使えない。

自国の核戦力をちらつかせて牽制するのが精いっぱいだ。

ロシアと米国は、チキンレースを続けている。

浮沈子がキューバ危機を連想したのには背景もある。

22日は、ケネディ暗殺から60年だったからな。

意識はしていなかったが、ニュースで見たり聞いたりしていたのかもしれない。

ロシアウクライナ戦争でも、暗殺は行われている。

プリゴジンは、まず間違いないだろうし。

暗殺の歴史は、米国やロシアだけじゃない。

わが国だって、その流れの中にある。

伊藤博文や大久保利通といった歴史上の人物だけじゃない(先日も、国葬になった人がいたしな)。

まあ、どうでもいいんですが。

キューバは、米国の喉元に突き付けられた刃だった(その一部に米軍基地(グァンタナモ)があったというのも皮肉だがな)。

プーチンは、ウクライナの現政権について、同じような危機感を抱いているのかもしれない。

ケネディー政権が、第三次世界大戦を覚悟して決然と対決したように、ロシアもまた、決して引くことはないだろう。

欧州やウクライナは、もしかすると甘い幻想を抱いているのかもしれない。

領土分割を受け入れれば、残った地域で自由と民主主義を謳歌でき、EUやNATOにも加盟出来て、軍備はNATO基準、西側の軍事産業も誘致して、二度とロシアの侵攻など受け入れずに済む鉄壁の防衛体制も構築できる・・・。

うまくすれば、分割された領土だって、将来、武力で奪還できるかも知れない・・・。

んな条件を、ロシアが呑む筈はないだろう。

西側は、とんでもない勘違いをしている可能性がある。

地政学的リスクを指摘したバラバノフが見落としていることがあるとすれば、ロシアは現状のウクライナを決して容認しないという点だ。

ウクライナが米国にとって重要な同盟国としての地位を固めることになるということなら、実力を持って阻止するだろう。

戦争の長期化は、両刃の剣だ。

ウクライナがイスラエルになることはない。

ロシアの力を削ぐことに、役に立たないと米国が見限ればそれまでの話だ。

欧州は、既にその選択に向けて動き出している。

100万発の砲弾の話だって、そりゃあ確かに生産力の限界とか欧州自身の在庫の話もあるだろうが、そんなことは春先に空手形を出した時から分かっていたはずだ。

この時期にその話が表沙汰になってきたということは、反転攻勢の失敗が明らかになり、欧州が支援縮小に動き始めたというだけの話だ。

成果に応じた投資だな。

もちろん、そういう言い方はしない。

大人同士だからな。

欧州自体の防衛力を高めるための時間も稼がなければならない。

ウクライナが、短期に総崩れしないだけの支援は続ける。

防衛ラインを維持できる程度か、撤退速度を律速できる程度だろう。

そうして、いずれは、ウクライナを飲み込んだロシアと直接対峙することになる。

文字通り、矢面に立たされる東欧諸国はたまらんだろうな・・・。

そういう羽目にならないためには何をしたらいいかを、真剣に考えなければならない時期に来ている。

西側には、今、2つの選択肢がある。

・消耗戦を続けてロシアを根負けさせる
・春に大規模な攻勢を新たに仕掛ける

うーん、どちらも選択肢にならない気がするんだが、勝利の方程式はそれしかない。

西側の敗北か、ロシア国家の消滅かという選択肢で戦っている相手だからな。

消耗戦で根負けさせるのはムリポだろう(工業地帯でも空爆するか、それこそミサイル飛ばして電力インフラ破壊するしかない)。

敵のリソースの供給を遮断しないまま、我慢比べで消耗戦に勝とうというのはナンセンスだ。

もちろん、経済制裁はその手段の一つだが、結果は失敗に終わっている。

ロシアは、サプライチェーンを再構築し、制裁の回避どころか経済を成長軌道に乗せることに成功した(まあ、中身が軍需産業だけっつーのはありますけど)。

結局は、支援を強化して「反転攻勢」再びということになる(他に選択肢はないのかあ?)。

問題は、支援が復活すれば何とでもなる武器弾薬ではなく、内部調達するしかない兵員の方だ。

(ウクライナ、軍隊動員プログラムの改革策定へ=大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/2ZKFQALCHJIBXIATN5JNU6NPTI-2023-11-24/

「ロシアとの戦争が激化し終わりが見えない中、ウクライナは軍隊動員プログラムの改革を策定」

「計画は練り上げられ、全ての答えが出るだろう。来週にはこの計画を見ることになる」

より多くの兵員を駆り立て戦場に投入することになる。

そこでより多くの、高性能な武器を使って、ドンパチを続けることになるわけだ。

「プーチン氏の侵攻に対するウクライナの戦いはマラソンだ。短距離走ではない」(オースティン長官:初出のブルームバーグの記事)

ロシアの決意はともかく、誰かがこの戦いを止めさせる決意を持たないとな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(不満が高まっていた動員問題、ゼレンスキー大統領が動員者の復員を決断)
https://grandfleet.info/european-region/regarding-the-mobilization-issue-where-dissatisfaction-was-growing-president-zelenskiy-decided-to-demobilize-the-mobilized-personnel/

「大統領が動員に応じた人々の復員(動員解除)を決定した」

「特定条件に当てはまる者以外は動員解除が認められていない。」

「ゼレンスキー大統領は「求心力を失いつつある動員体制の改善」を迫られていた」

「戦争遂行に必要な人材採用の公平を保つため大統領から動員された人々について要請があり、対象者を近いうちに復員(動員解除)させることで軍と合意した。我々は復員させる人数が膨大であることを理解しているが、これは公平な措置だ」(国家安全保障・国防会議のダニロフ書記)

「「動員者の復員」を実現するには「追加の動員」が必要なので動員強化は避けられない」

ロシアの例を見るまでもなく、予備役の招集(動員)は、政治的リスクだ。

それを敢えてしてまで、兵員を補充し続けなければ戦線を維持することはできない。

ウクライナは、本格的な長期戦への態勢を求められている。

今年の反転攻勢が失敗に終わったことは、戦争の質的転換の契機になっている。

長期戦ということなら、もっとスパンの長い話もある。

(ロシア、クリミアに海底トンネル 中国企業と秘密裏に計画か)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/292121

「ロシアと中国の政府系企業が、ウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ海底トンネルの建設計画を秘密裏に話し合っている」

海底トンネルかあ・・・。

ずいぶん気の長い話だが、攻撃を受けやすい橋梁に比べれば、攻撃に対する影響は少ないかもな。

「海底トンネルの建設には、大橋の代替となる輸送路を確保する狙いがある。」

もっとも、出入り口は剥き出しの固定目標だから、必ずしも「安全」とは言えない(複数作るとか、地下の施設へ直通させるとかしても、どこかで地上とは連絡するからな)。

長期の安定を図るためには、ハードウェアで対抗するだけではダメなわけだ。

(ウクライナ紛争、和平交渉なしなら2030年まで継続 スロバキア首相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3493048

「ウクライナ紛争はこう着状態にあり、2029年か2030年まで続く可能性がある」(スロバキアのロベルト・フィツォ首相)

「10年後、何の成果も得られないまま、さらに50万~60万人の死者を出してからようやく交渉の席に着くよりは、平和裏に、または戦闘を休止して10年間交渉を行った方がいい」(同上)

けだし、正論だな。

「フィツォ氏率いる極右の閣僚を含む3党連立政権は、既に前政権が計画していた4030万ユーロ(約66億円)規模の対ウクライナ軍事支援を停止」

「対ウクライナ軍事支援について、スロバキアはこれ以上行わないが、他国が実施することに反対はしない」(同上)

かつて一つの国だったころを知る浮沈子にとって、この記事は時代の変化を感じさせる。

(スロバキア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%AD%E3%82%A2

「この地のスラブ人は1000年間少数民族としてハンガリー王国の支配下に置かれていた。ハンガリーにとっても歴史的に重要な地域」

「第一次世界大戦後、オーストリア・ハンガリー帝国からチェコと合併するかたちで独立し、1989年のビロード革命による共産党政権崩壊を経て、1993年1月1日にチェコスロバキアから分離独立」

チェコスロバキアとしての歴史は、100年続かなかったわけだ。

ソフトウェアの一つのカタチである「国家」のスキームも、地続きの欧州では不変というわけではない。

そりゃあ、島国である我が国も同じだがな。

沖縄、北方領土などの周辺地域、朝鮮半島や大陸、南洋諸島(古っ!)への進出を繰り返し、現在も国境確定で揉めている状況を抱えている。

まあ、どうでもいいんですが。

戦争は、国家間の不幸なコミュニケーションのカタチだ。

砲弾ではなく、富と友好をやり取りする時代を、早いとこ開かないとな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア軍のEW能力が効果を発揮、GPS誘導兵器は目標を外しドローンも制圧)
https://grandfleet.info/european-region/russian-militarys-ew-capabilities-are-effective-gps-guided-weapons-miss-their-targets-and-drones-are-also-suppressed/

「静的な接触線が出現したことでロシアの強力な電子戦能力が効果を発揮し始めた。エクスカリバー砲弾、JDAM-ER、GMLRS弾は目標を外し始め、偵察や攻撃に活用しているドローンの損耗率も高まっている」(The Economist紙)

専門用語ばっかしで、ド素人の浮沈子にはワケワカだ。

静的接触(性的接触じゃない:子供は分かんなくていいです!)線の出現というのは、戦線が「膠着状態」にあることの言い換えだな。

当局にとって、「膠着状態」というのは禁句だ。

記事では、「前線位置が固定化された戦場のこと」という解説になっている。

電子戦というのも、厳密には何を指しているのかは分からない。

(電子戦)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%88%A6

「電子戦とは、敵による電磁周波数帯域の利用状況を検知、分析した上で妨害や逆用する活動と自軍の電磁波の円滑な利用を確保するための活動を総称」

うーん、余計ワケワカ・・・。

「ロシアのEW能力は米国を完全に上回っている」

「静的な接触線(前線位置が固定化された戦場のこと)が出現したことでロシアの強力なEW能力が効果を発揮し始めた」

仕方がないので、記事に出ている電子戦によるウクライナ軍への影響で、その実態を見てみよう・・・。

「ウクライナ軍は今年3月にエクスカリバー砲弾(155mm榴弾砲で使用するGPS誘導弾)が目標を外し始めことに気づき、JDAM-ER(精密誘導能力を追加した滑空爆弾)もGMLRS弾(HIMARSで使用するGPS誘導のロケット弾)も目標を外し始めた。一部の地域ではGMLRSの大半が間違った方向に飛んでいく」

「さらに問題なのはウクライナ軍が戦場の偵察、戦術通信の中継、目標への攻撃など様々な用途に使用しているドローン(UAV)を制圧するロシア軍の能力が高まっている」(UAV:unmanned aerial vehicle)

「誘導システムや制御リンクへの妨害でドローンの損耗率は非常に高い。多いときにはドローンを2,000機も失う週がある」

誘導弾がGPSのかく乱によって狙いを外すというのは分かりやすい。

要するに、狙ったところと違う方へ逸れていくわけだ。

やれやれ・・・。

戦場認識力を飛躍的に高めている戦術ドローン(戦域内で運用される小型のドローン)は、現代の戦場には不可欠な仕掛けで、その運用が阻害されているというのは現場における攻撃や防御にとっては、ゆゆしき事態だ。

記事でも指摘されているが、ヘルソン州のドニエプル川渡河作戦では、ウクライナ側のドローンが大活躍している。

そっか、電子戦つーのは、戦場での「目」を確保したり、奪ったりする戦いなわけだ。

「電子戦とは、敵による電磁周波数帯域の利用状況を検知、分析した上で妨害や逆用する活動と自軍の電磁波の円滑な利用を確保するための活動を総称」(ウィキ再掲)

なんとなく、具体なイメージが湧いてきたな。

具体的にはどうやってるんだろう?。

「ロシア軍は前線に沿って10km毎にEW装置を配備している。特にトラックに搭載されたShipovnic-Aero(MKTK-1A Judoist)はウクライナ軍のドローンにとって致命的だ」(英国王立防衛安全保障研究所)

「システムの作動範囲は約10kmで「ドローンとオペレーターの通信遮断」と「オペレーターの座標取得(座標精度は約1m)」と同時に実行することができ、このデータを砲兵部隊とシームレスに共有することができる」

ウクライナは、1万人のドローン部隊を養成したというけど、オペレーターも狙われちゃうわけだ。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

「NATOのEW技術はロシアに及ばない可能性」

「最新のシステムをもつ米国はロシアに手の内を見せることに消極的」

ロシアが、無謀な肉弾戦だけだと思ってると、現状認識を誤ることになるかもな。

「EW分野に関するウクライナの技術面や作戦面はロシアよりも遥かに低レベル」

「商用グレードのGPSを採用するShahed-136やGLONASS誘導に変更したGeran-2(Shahed-136のカスタムバージョン)に効果的だと思われるが、 地形照合システムを搭載する巡航ミサイルには効果がない」

「ウクライナは自力でEWギャップの問題に対処しなければならない」

西側のこの分野における支援には、軍事機密上の障害が横たわっている。

「ロシアのEW能力は米国を完全に上回っている」(再掲)

仮に、十分な支援を受けられたとしても、ウクライナが「対等な能力」を手にすることができないという認識に立つべきだ。

「今のところは量で質を補うことが出来るかもしれないが、この点においてもロシアはアドバンテージを持っているかもしれない。戦場に投入されるドローンの量でロシア軍はウクライナ軍を圧倒しつつあり、ウクライナ軍兵士達はバフムート周辺に投入されているロシア軍の攻撃型ドローン(恐らくFPVドローンのこと)の数を「自分達の2倍」と見積もっている」(小型ドローンについて)

質でも量でも、総体的には対抗できそうもない。

後は、スポット的に、動的な「穴」を開け、局所的優位の状況を作り出して、戦術的優位を取っていくだけだ。

渡河作戦では、それが奏功し、対岸への拠点確保につながっている。

しかし、ロシア側が火力と肉弾戦で戦線を膠着化させ、局所的に開いた「穴」をふさぐことに成功すれば、状況は悪化するだろう。

「膠着した戦場」の問題は、ロシア側にリソースの蓄積を許すことになると同時に、戦術的にも優位を与えていることになる。

「この戦争は旧世代の武器システムで勝利できないと理解することが重要」(ザルジニー)

ブログ管理人は、このことを分かりやすく解説している。

「ロシア軍にEW能力で劣ると「ドローンによる戦場認識力」で差がつき、戦場認識力が劣ると「火力支援」で差がつき、火力支援が劣ると「占領地の解放」や「ロシア軍の攻勢阻止」も困難になる」

風が吹けばロシアが儲かるというわけだな(そんなあ!)。

「ウクライナ軍のドローンはドニエプル川上空を自由に飛行し、時にはロシア軍の防衛ラインの奥深くまで侵入してくることがある」

「ドニエプル川に設置された電子妨害装置の影響でロシア軍のドローン運用は著しく制限されている」

「どこかで間違いなく我々の電子戦装置が作動しているにも関わらず、ウクライナ軍は何の制限も受けずドローンを飛ばしている。」

「しかもFPVは問題の半分に過ぎず、クリンキーやその周辺の森林地帯では大量の‎Mavicが存在し、オペレーターは砲兵部隊と統合されているため砲撃の効果が増大している。このような状況歩兵にとって擬似的な地雷原となっている」

以上は、渡河作戦の状況だったが、今でもそれが持続しているのかどうかは分からない。

「EW対策はイタチごっこなので「EW能力でウクライナ軍がロシア軍を圧倒する状況が今後続く」という訳では無いが、一時的にでも「ロシア軍の戦場認識力を阻害できる」と証明されたことはウクライナ軍にとって重要だろう。」

一時的であれ、それで戦場に有利な状況を作り出せたとすれば、それは大きな成果だ。

ロシアは、逆に、そのことを教訓として、南部戦線における電子戦能力を強化してくるに違いない(それとも、やっぱ、肉弾戦かあ?)。

専門的なことは分からないが、ミリタリーモードのGPSが阻害されたという話は初めて聞いた。

「因みにPole-21によってエクスカリバー砲弾、JDAM-ER、GMLRS弾の誘導が影響を受けているなら、まもなくウクライナに到着するGLSDB(地上発射型小口径爆弾)の誘導も影響を受けるはずで、この問題の解決策はスプーフィングや妨害耐性が強化されたミリタリーグレードのMコード」

おおっ、次世代GPS衛星に搭載されている奴だな。

「Mコード対応のGPS受信機は2021年に出荷が始まったばかり」

それを搭載したミサイルがウクライナに届くのは、当分先になるだろうな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナで冬の嵐、南部とモルドバで死者 停電も)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/5KIYPFJEVFLPLJJYORAQTAB234-2023-11-28/

「ウクライナ中部から南部にかけて冬の嵐が襲来」

「暴風雪により数百の都市や村で停電が発生し、ハイウエーが不通」

記事にはオデッサの写真が添付されているが、ハッキリ言って「大雪」だ。

動画を見ると、こりゃあ「吹雪」だな。

自然の猛威はロシア支配地域にも及んでいる。

「ロシアが市はするクリミアでは、約50万人の世帯で停電しているという」(吹き替え字幕より)

「ロシアが設置した当局は27日に非常事態を宣言した」(同上)

「異常気象の影響で1人が死亡、10人が負傷、数百人が避難したという」(同上)

マークミリーが期限を切った反転攻勢の季節は、完全に終わった。

彼が想定していた反撃の中身は、結局、ヘルソン州におけるドニエプル川の渡河作戦だったわけだ(浮沈子が妄想したような、クリミアへの核弾頭投下ではない!)。

ショボ・・・。

冬将軍は、両軍に襲い掛かり、双方の戦力を規制する。

占領地の大部分を奪還し、ロシアを交渉の場に引きずり出して有利な条件で停戦交渉を進めるという目論見は潰えた。

良くて現状、下手をすればさらに領土を奪われた形での停戦ということになりかねない。

戦闘の継続が可能かどうかも分からない。

アウディーイウカでは、コークス工場北側からロシア軍が撤退したという情報が出ている。

(アウディーイウカの戦い、ロシア軍がステポヴェ周辺から線路沿いに撤退)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-avdiivka-russian-troops-retreat-along-the-railroad-tracks-from-around-stepove/

「ウクライナ軍はステポヴェ方向からのロシア軍突破をひとまず退けた」

「ステポヴェ郊外からのロシア軍撤退は事実だ。集落に対する敵の砲撃が激しくなり、無用な損失を避けるためロシア軍は砲撃地域を離れて安全な位置まで後退した」

「破壊された集落への駐留は人員と装備への大きな損失に繋がるため、ロシア軍はステポヴェ方面の部隊を線路沿いまで後退させた」

しかし、町の南部にある工場地帯への攻撃は続いている。

「工場地区の南に広がるダーチャを完全に占領した」

「工場地区の北東に位置する浄水施設を占領した」

ダーチャや浄水場の占領については、情報が錯綜している。

「性急過ぎる」(ダーチャについて)

足場を築いただけで施設を巡る戦闘については情報を持っていない」(浄水場について)

「ステポヴェ付近、浄水施設付近、ヴォーダインとオプトネ付近でロシア軍が積極的に攻撃している」

「ヴォーダインとオプトネ」はアウディーイウカ南西部の地域で、ロシアが攻勢をかけている。

アウディーイウカ市街地を包囲し、補給線を断つための進撃だな。

市街地は、東側はロシアに阻まれ、現在は西側と北西が開けている。

ステポヴェは、北西側への支配地域を拡張しようとする進撃の一部だ。

冬の間、この守りを続けることが可能かどうかは分からない。

静的接触(「膠着状態」:禁句の言い換え?)の状況では、GPSのデータを差し替えられたり、通信そのものを妨害する電子戦が展開されやすくなる(妨害装置を配置しやすい)。

ロシアは、実際の運用についてはともかく、ノウハウは持っているようだからな。

「この周辺で何かが起きる予兆」

アウディーイウカ南部では、まだ動きがありそうだ・・・。

<もっと追加>ーーーーーーーーーー

(なぜアメリカは今、ウクライナのために「敗戦」を望むか)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/11/post-103128.php

「迫り来る冬と過ぎ去った夏の反攻に対する失望感が、「ウクライナと同盟諸国が推し進めている現在の戦略を全面的に見直す必要性」を後押ししている」

ゼレンスキー政権以外の全世界が認めているこの「空気」。

その見直しの一つが提示された。

「敗戦」という「勝利」だ。

この記事を一読して感じたのは、西洋にも「禅問答」があるということだな(そうなのかあ?)。

「領土の完全解放を断念するのではなく一時中断するように「成功を暫定的に再定義『再」補足する」ことを提案」(米シンクタンク「外交問題評議会」のリチャード・ハース会長)

「より幅広い定義の成功を達成するまでに、ウクライナは何年も、あるいは何十年も待たなければならないかもしれない」(同上)

「もしかしたらロシアでプーチンの次、あるいはさらにその次の体制が誕生するまで待たなければならないかもしれない」(同上)

プーチンが個人的にこの戦争を始めたとか、プーチン政権が崩壊すれば、ロシアは大人しく西側の言いなりになって、米国の友好国に変貌した中国の属国になるという「妄想」に捉われていない限り、それが単なる希望的観測に過ぎないことは誰もが知っている(そういうことかあ?)。

「ウクライナが生き残るためには、ロシアが挫折や困難に直面することが重要な要素になる。現在の状況は、ウクライナと西側諸国にとって戦略的な勝利だと言えるだろう。これは完全な勝利ではないが大きな成果であり、今後のさらなる勝利の可能性を残している」(同上)

どこが戦略的勝利なのかがよく分からないんだがな。

「プーチンはウクライナで負けた。私たちはそれを知っている。彼はよくても、ウクライナの領土の一部とという『残念賞』を手にするだけだ」(米シンクタンク「外交問題評議会」のチャールズ・カプチャン上級研究員)

ロシアが手にするのは、チンケな領土ではない。

西側の敗北、冷戦後、世界を牛耳ってきた米国の敗北を手に入れることになる。

それだけじゃない。

ロシアと中国(イランと北朝鮮もありますが)という危険な枢軸を、世界の真ん中に据えることにつながる。

ウクライナの領土問題に矮小化することは危険だ。

米国は、事ある毎に、ウクライナの未来を決めるのはウクライナだと言い続けているが、腹の底からそう思っているわけじゃない。

そういう欺瞞的態度を示せば、ロシアの思うつぼに嵌るだけだ。

そもそも、中国の仲介で停戦交渉に臨もうとしたゼレンスキー政権を説得するために、バイデン自身がウクライナに乗り込んだくらいだからな。

まあいい。

「戦争を終わらせ、ウクライナを再び繁栄への軌道に乗せ、プーチンが退陣するのを待って、ロシアが和平交渉でウクライナに領土を返還する日が訪れることを期待する」(同上)

この選択は危険だ。

カプチャン自身も、そのことは分かっている。

「その結末が現実的かといえば、今はそうではない。だがジュネーブで米ソ首脳会談が行われた1985年当時、エストニア、リトアニア、ラトビアが独立した民主主義国家となりNATOに加盟することを、誰が信じただろうか」

そりゃあ、未来のことは断言できない。

しかし、たった2年間で瓦解するようなウクライナ支援の姿を見て、その西側の対応にウクライナの未来を委ねろというのかあ?。

ありえねー・・・。

そもそも、バルト3国をNATO入りさせたこと自体が、ウクライナ問題の背景を成している。

ロシアを追い詰めたツケを、西側は払わされているのだ。

「あからさまな侵略行為や領土占領を行ったロシアが何の罰も受けずに逃げおおせることになれば、「世界に向けて、法の秩序や国家主権を否定するメッセージを発信することにもなる」。」(ウクライナ保安庁の元幹部で現在はウクライナ議会の顧問(国家安全保障・防衛・諜報担当)を務めるイワン・スチューパク)

そういうリスクを負わずに、戦場で勝てないウクライナがこの問題を解決するには、侵略を受けたウクライナ自身が「降伏」という選択をするしかない(そんなあ!)。

西側は、「正義」の名のもとにロシアとその協力者を非難し続けることが出来るし、政治的なリスクを負わずに問題を収束させることが出来る。

負けちまったことは仕方ない。

勝負は時の運だからな。

侵略は褒められたことではないけど、戦争が終わることは悪いことじゃない。

戦争犯罪やらなにやらは、引き続き継続して捜査なり告訴なりが行われるだろうが、ロシアにとっては痛くもかゆくもないだろう。

浮沈子は、西側(特に米国)が、支援のバルブを閉めることで、意図的にその状況を作り出すと睨んでいる。

演出としては、西側自身の防衛力強化が必要だとか何とか言ってな。

既に、欧州ではそういう「言い訳」で、支援から離脱する動きも出始めている。

ロシアが、その動きを加速する可能性もある。

飛び地であるカリーニングラードを守るとかなんとか言って、スバルキギャップに侵攻するとかな(テキトーです)。

NATO本体に手を付けるリスクはあるが、理由はいくらでもつけられるだろうし、何より、NATO自身にウクライナより大切なものがあるじゃん!?、と促すことにつながるからな。

別に、本気で侵攻しなくても構わない。

さっさと撤退して、手打ちにしても差し支えない。

NATOも、それを望むだろうしな。

で、ウクライナ支援はチョンだ(そうなのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

ウクライナ問題にケリがつけば、経済制裁も名目だけになる(一応、西側としては制裁し続けないとカッコが付かないからな)。

政治的な非難や、国際的な地位は制約を受けるだろうが、んなことはロシアは百も承知の上で始めている。

西側は、敗北するわけではなく、形の上では支援も継続する(軍事的支援は打ち切りか、最小限度)。

敗北したのは、あくまでもウクライナだけだ。

敗戦国として、政治的にはロシアに取り込まれていくウクライナに、経済支援をどれだけ行うかはこれからの課題だろう。

まあいい。

中途半端な妥協で戦争を終結させ、将来の和平交渉で領土を取り戻そうなどというのは、余りにリスクが高い。

もちろん、浮沈子は何であれ、一刻も早くドンパチが終わるのが正解だと思っているから、西側のメンツや将来の領土奪還がパーになったとしても一向に構わない。

この記事を読み返して感じるのは、米国は、支援を続けながら、停戦や休戦ではなく、ウクライナに降伏を求めるのではないかということだ。

それは、表向きはとてもとても言い出せない話だし、あまりにドラスティックで、リアリティもないけど、米国にとってはそれが一番リスクが少ない選択である気もする。

ちょっと、今日は言いづらいけど、一応・・・。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

戦場でケリを付けようと、お互いにドンパチ始めたわけだからな。

放っておけば、どちらかが降参するまで延々と戦い続けることになる。

「これは危険な状況だ」(カプチャン)

「戦争が際限なく続く場合のパターンだ。」(同上)

西側の援助が続き、ロシアが併合した「領土」に留まれば、そういう可能性もある。

「領土の完全解放は「軍事バランスを考えると達成できない可能性が高い」」(ハース)

「これで2回の戦闘シーズンが終わった。これが3回目、4回目、5回目になればその目標が達成できると考える根拠が見当たらない」(同上)

ゼレンスキー政権は同意しないだろうが、それ以外の全ての見方は同じだろう。

もちろん、大どんでん返しの話はいくらもある。

ウクライナの核再武装とか、電撃NATO加盟とか、米国が派兵するとか、欧州大戦争をおっぱじめるとか、いっそ、第三次世界大戦するとか・・・。

それらは、いつ起こってもおかしくないし、ぶっちゃけ米国の政策選択だけの話だ。

米国の未来は、間違いなく米国人が決めるからな・・・。

「ロシアはアメリカの世論調査を見て、ポピュリズムが高まりつつあることを知っている。プーチンの戦略は詰まるところ、一年後の米大統領戦でドナルド・トランプが勝利するかどうかを見届けることなのだろう」(同上)

トランプさんの再選は、浮沈子はないと思っているけど、一寸先は闇だ。

まあ、万が一トランプ政権になれば、お得意のディールとやらで、24時間で解決するかもしれないけどな・・・。

<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー

(西側がウクライナへ核兵器供与なら核の先制攻撃、ロシア前大統領)
https://www.cnn.co.jp/world/35204403.html

「多分、彼らは核兵器も与えるだろう」(ロシア国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領)

「西側がウクライナへ核兵器を引き渡した場合、ロシアは先制の核攻撃に踏み切るざるを得ない」

メドベージェフは、プーチンの次の政権の座に座るかもしれないからな。

長期的視野で、問題が解決するとは限らないわけだ(むしろ、悪化するう?)。

先制攻撃という点に要注意だ。

これは、ウクライナがNATO入りした場合には、現実の話になる。

「アングロサクソン人はこのことに十分に気がつかず、そういうことはないと信じている」(ベトナム訪問時の途中での発言と報じられている)

いやいや、誰だって、リアルな核戦争が起こるなんて信じてはいないだろう。

「NATOは核兵器が使われた場合、「ロシアは深刻な結果に直面することになる」と警告している。」

浮沈子は、ロシアの核使用は想定の範囲内と思ってるからな。

戦争が長期化し、双方の犠牲者が増え続ける事態は、そのリスクを高める。

米国が我が国に核兵器を使用した際には、犠牲者の数を減らすことができ、戦争を早期に終結に導いたと正当化したわけだからな。

それは、現在も変わっていない。

同じ理由でロシアが、核兵器を使用することを非難できるわけはないだろう!?。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

100年続くウクライナ紛争というのは、西側が抱く幻想に過ぎない。

米国は、核兵器の開発などしていなかったわが国に対して原爆を躊躇なく投下した。

ロシアが同じことをしないと、なぜ断言できるのか。

この戦争の最悪の結末の一つだが、決してリアリティのない話じゃない。

「一つ」って、他にもあるのかあ?。

「ロシアは深刻な結果に直面することになる」(再掲)

西側が、核使用に対して報復措置を講じた場合、ロシアは国家の存立を脅かされたと判断して、戦略核をぶっ放す可能性がある。

それは、プーチンも明言しているからな。

確認しておこう。

ウクライナの核武装とは関係なく、戦闘の長期化それ自体が、核戦争への道へ続いている可能性を我々は認識すべきだろう。

アングロサクソンには理解できなくても、日本人には十分理解できる話だ・・・。