🐱ファルコンヘビー:9.2トンの衛星 ― 2023年07月30日 00:16
ファルコンヘビー:9.2トンの衛星
(ジュピター 3 ミッション (EchoStar 24))
https://www.elonx.cz/mise-jupiter-3-echostar-24/
「このミッションのためにセンターステージは放棄され、サイドステージは初めてJRTIとASOGの海上プラットフォームに同時に着陸することになった。」
「しかし最終的には計画が変更され、これまでのすべてのファルコン ヘビー ミッションと同様に、ステージは LZ-1 および LZ-2 陸上プラットフォームに着陸しました。」
記事にリンクされている動画で、後から録画で見た。
コースティングに3時間半もかかる打ち上げだしな(2段目の燃料タンクの辺りがグレーに塗装されているのはそのためか:画像参照)。
夜間で、当初は海上回収と言われていたブースターも、LZ-1と2での外連味のない回収になった。
まあ、そこんとこはどーでもいいんですが。
たまにしかないファルコンヘビーの打ち上げだが、今回は史上最大の衛星を打ち上げるという快挙があった。
「重量は9,200kgで、これまで静止軌道に投入された商用衛星としては最も重い。スペースXにとってさえ、これは同社がこれまで静止軌道への移行軌道に輸送した中で最も重い貨物だった。」
スパイ衛星とかでは、もっと重いヤツもあるのかもしれないが、そういう情報は公開されていないからな。
(ジュピター 3 / EchoStar 24)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/jupiter-3.htm
「装置:UHDS マルチスポット ビーム Ka バンド ペイロード」
「UHDS」という4文字略語(?)が気になったので調べた。
(スペースX、「ファルコン・ヘビー」の打ち上げを実施 大型商業通信衛星の軌道投入に成功)
https://sorae.info/ssn/20230729-jupiter3.html
「Hughes Jupiter 3は、アメリカの衛星通信会社「EchoStar」のUltra High Density Satellite(UHDS)と呼ばれるタイプの通信衛星です。」
(次世代超高密度衛星 JUPITER 3)
https://www.hughes.com/what-we-offer/satellite-services/jupiter-geo-satellites/JUPITER3
「JUPITER 3 (EchoStar XXIV) は、Hughes JUPITER 衛星フリートの容量を 2 倍にする、待望の次世代超高密度衛星 (UHDS:原文Ultra High Density Satellite) です。」
なんだ、企業の宣伝文句か。
「容量: 500Gbps以上」
通信容量なら、スターリンクの1回の打ち上げで1Tbpsのスループットが追加されると言われているから、さして驚く話ではないが、何と言っても静止衛星の強みは、ぜーんぶ1機で賄えるところだな。
「この強力な通信衛星は、打ち上げられると、南北アメリカ全域の衛星インターネット接続に加えて、機内 Wi-Fi、海上接続、エンタープライズネットワーク、モバイル ネットワーク オペレーター (MNO)のバックホール、およびコミュニティ Wi-Fi ソリューションをサポートします。」
何千機も飛ばして、天文学者の反発を招くことはない(たぶん)。
しかも、ガンターの記事によれば、設計寿命は20年だそうだ。
べらぼーめ・・・。
5年経ったら落ちてくるスターリンクの使い捨て衛星とは異なる。
ああ、もちろん、通信のタイムラグは大きいけれど、それに拘らない用途はたくさんあるだろうしな。
静止衛星の逆襲というところか(本物のスターウォーズだなあ・・・)。
しかも、カバーする範囲が広いからな。
バックボーンとかを構築する必要もない(衛星そのものがバックボーンになる)。
これからは、使い分けの時代になるのかもしれない。
数億ドルかけて高価で長寿命な静止衛星を飛ばすのか、安物の使い捨て衛星(決して性能が劣っているわけではありませんが)を星の数ほど上げて(!)勝負するのか。
上げちまったら、20年間それっきりの話だから、静止衛星の方が運用コストは抑えられるだろうけど、その間の技術の進歩や通信需要の変化に的確に対応できなくなるデメリットがあった。
最近は、ソフトウェアをリモートで書き換えて、スループットの割り当てを変更できる仕掛けもあるようだ。
「衛星インターネット接続に加えて、機内 Wi-Fi、海上接続、エンタープライズネットワーク、モバイル ネットワーク オペレーター (MNO)のバックホール、およびコミュニティ Wi-Fi ソリューション」(再掲)
何でもアリなわけだな。
この衛星の重量には驚く(9.2トン)。
我が国のH3が逆立ちしても上げられれない衛星だ(離床できるかどうかも怪しい)。
(H3ロケット)
https://ja.wikipedia.org/wiki/H3%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88
「ロングコースト静止移行軌道:6,500 kg 以上(構成:H3-24S/L)」
発射台の上でエンコだ(でもって、爆発炎上木っ端微塵?)。
やれやれ・・・。
どうしていつも周回遅れになっちまうんだろうな。
これからは、静止軌道上に宇宙ステーション並みの構造物(既に衛星とは呼べない?)を構築して、ロボットがメンテナンスしながら長期間使い続ける話になるんだろう。
トランスポンダーやアンテナ類も、必要に応じて交換されるし、太陽電池も劣化してきたら交換(追加)する。
ISSみたいな感じで、軌道維持の燃料を積んだ出前給油衛星が飛んでいく。
電気推進だからな。
ヒドラジンとかじゃなくてもいい。
スターシップが、たとえ2段目使い捨てでも実用化されれば、その効果は絶大だ。
100トンくらいの静止衛星が、ぶんぶん飛び回る時代になる(そうなのかあ?)。
しかも、燃料は後からいくらでも運んでいけるわけだから、最初の打ち上げはほぼNETの重量でいい(軌道に上がるまでの燃料は必要ですが)。
軌道給油所が出来て、再使用可能ロケットが地上から給油するようになれば、軌道間輸送のタンカーが静止軌道との間を往復して給油してくれるわけだからな。
静止軌道上の通信ステーションは、新しい形で生まれ変わることになる。
運用寿命は、ISSと同じか、それ以上になる(30年とか40年とか)。
そんなのが、静止軌道上にずらりと並んで通信する。
高緯度地域用のモルニヤ軌道もあるけどな。
低軌道コンステレーションが衛星通信の全てじゃない。
9.2トンの衛星の打ち上げは、そんな妄想を育むのに十分だ。
もちろん、静止軌道にあるのは商用通信衛星だけじゃない。
気象衛星や早期警戒衛星もある。
ロシアの怪しげなスパイ衛星も、シギントしてるしな。
我が国の衛星に、そのスパイ衛星を監視するカメラを取り付けて静止軌道に打ち上げる話もあった(H3がとん挫して塩漬け中!)。
そんなのが、みんな100トン級になるわけじゃないだろうけど、10年20年先の静止軌道は、今とは異なる世界に変わっているに違いない。
もちろん、静止軌道だけとは限らない。
その下の、GPS衛星群が回っている中軌道や、静止軌道より上の月軌道までのシスルナ空間、月軌道を超えた地球周回軌道への展開も想定される。
研究目的以外の惑星間空間への進出は、某ロケット打ち上げ会社くらいしかぶち上げてはいないけれど、いずれは商業的にも軍事的にも開発されていくに違いない。
既に、金になりそうな小惑星をほじくり返して、資源を活用しようという与太話はいくらもある。
(宇宙の山師)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/05/06/6437227
「プラネタリー・リソーシズの支援者のなかには、グーグルのラリー・ペイジCEOやエリック・シュミット会長、マイクロソフトでチーフ・アーキテクトを務めたチャールズ・シモニーやロス・ペロー・ジュニア、映画監督のジェームズ・キャメロン、元宇宙飛行士のトム・ジョーンズ、ジェット推進研究所(JPL)の元エンジニアのクリス・レウィッキなどが名を連ね、惑星科学者のサラ・シーガーをアドバイザーに迎えるという」
キャメロンの名前があったとはな。
忘れてた(10年以上前の記事だし)。
まあ、これも、どーでもいいんですが。
人類が直接出張っていく話については、浮沈子は懐疑的だ。
人間は、そういう風には作られていないからな。
が、ロボットが大挙して地球の周りに散らばっていく話は大いにあり得る。
もしも、宇宙人が円盤に乗ってやってきたら、それらのロボット(人工衛星)を地球生命だと勘違いするかもしれない。
んでもって、本国(本星?)に打電するわけだな。
「この星系に住んでいる生命は、金属とゴムとガラスで出来ている。」
んなわけ、ねーだろ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(SLS ロケットの長所と短所、パート 1 – 序文)
https://www.elonx.cz/pro-a-proti-rakete-sls-1-cast-predmluva/
(SLS ロケットの長所と短所、パート 2 - 具体的な議論)
https://www.elonx.cz/pro-a-proti-rakety-sls-2-cast-konkretni-argumenty/
別記事にしようとも思ったけど、後半の記事は期待したほどの内容じゃなかったので、リンクにとどめる。
記事を読みながら浮沈子が考えたことは、書かれた内容とは関係のない、全く別のことだった。
冷戦の中、急速に発展したロケット技術をけん引したのは、ソ連のセルゲイコロリョフと米国のフォンブラウンであったことは知られている。
(セルゲイ・コロリョフ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%A7%E3%83%95
「第一設計局 (OKB-1) の主任設計者として世界初の大陸間弾道ミサイル (ICBM) であるR-7を開発した。」
(ヴェルナー・フォン・ブラウン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3
「ロケット技術開発の最初期における最重要指導者のひとり」
「ソ連のセルゲイ・コロリョフと共に米ソの宇宙開発競争の代名詞的な人物である。」
時代が大きく変わるときには、それを象徴する人物が登場するものだ。
現代では、イーロンマスクかも知れないが、SLSにはそれをけん引した人物は見当たらない。
惰性、成り行き、迷走、思惑、打算、エトセエトセだ。
スペースシャトルの失敗に懲りて、再使用から徹底的に撤退し、全てを使い捨てにして時代を逆戻りさせた張本人だが、それを責めることはできない(オリオンは、将来的には10回程度の使用を想定しているようですが)。
そんなSLSの開発に、我こそはキーパーソンなりなどと名乗り出る者はいない。
初期のロケット開発が、弾道ミサイルと密接に結びついていたことは重要かもしれない(今でもそうですけど)。
我が国のロケット開発においても、「誘導装置」を持つか持たないかが議論になったことがあるという(もちろん、持っているのが弾道ミサイル!)。
ばかげた話と思うかもしれないが、悲しい事実だ。
米国は、そのためにわざわざNASAを立ち上げた。
軍事じゃないぞと。
民生だぞと。
ばかばかしい話だが、そういう時代だ。
で、陸軍に囲い込まれていたフォンブラウンを担ぎ出す羽目になる。
「1950年から1956年にかけ、フォン・ブラウンはレッドストーン兵器廠で陸軍のロケット開発チームを率いて、兵器廠の名にちなんだレッドストーンロケットを生んだ。」
コロリョフは、結局、秘密のベールに包まれたままだったけどな。
今、現代の巨大ロケットであるSLSは完成し(開発は、まだ続いていますが)、やがてはスターシップも飛び立つだろう(途中で爆発炎上木っ端微塵になることなく!)。
先のことは分からないが、SLSの時代が長く続くと信じている者は少ない。
NASAは、少なくとも30年くらいは使いたいだろうけどな。
アポロ計画の10分の1に削減された予算の中で、月面ミッションをこなすのは大変だ。
が、無人機だけを飛ばしていたのでは、深宇宙に有人宇宙船を飛ばす目的で開発されてきた意義を問われる。
ここが辛いところだ。
キーパーソンによる、明確な意義づけを欠いたまま、迷走を始めるSLS。
その未来は混とんとしている。
米国は、作っちまったロケットを持て余すことになる。
アルテミス1回の打ち上げで40億ドルを超える税金を食い、打ち上げ頻度は数年に1度きりだ(金、ないし・・・)。
が、その話は今に始まった話じゃない。
スペースシャトルも同じだったしな。
そもそも、アポロ計画自体が迷走の始まりを作った。
湯水のごとく金を使い、冷戦下のイデオロギーの優劣を争うというワケワカな目的のために投入された技術の山・・・。
そりゃあ、スピンオフもあったかも知れないけど、それだけの価値があったかどうかは分からない。
歴史にタラレバはない。
どこか、ウクライナ紛争と似ている。
莫大な戦費をつぎ込み、世界経済を大混乱に陥れているけど、それだけの価値があるのかどうかは知らない。
もちろん、そこで儲けている人にとっては、十分な価値があることは間違いないけどな。
まあいい。
一人の人間の思惑を超え、米ソの宇宙開発競争は現代に繋がった。
100
ISSという共通の「価値」も生み出した(中国抜きだけど)。
SLSは米国オンリーだ(オリオンのサービスモジュールはESAですが)。
惰性、成り行き、迷走、思惑、打算、エトセエトセ・・・。
そうじゃないって記事を読みたかったんだがな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(SpaceX の Falcon Heavy が世界最大の通信衛星を打ち上げる [更新])
https://arstechnica.com/space/2023/07/worlds-heaviest-commercial-communications-satellite-will-launch-tonight/
「Starlink ネットワークと Hughes Network Systems の顧客数は同等であり、どちらも加入者数は 150 万人以上であると主張」
ふーん、浮沈子は静止衛星の顧客はせいぜい100万人くらいだと思ってたんだがな。
「市場は大きく広大であり、そこには私たち全員にとって共有される機会がたくさんあると思います」
そりゃ、値段次第だろう。
法人相手の限られた市場が開放され、インターネットの接続が地球上どこでも手軽になることはいいことだ。
「ビアサット社の衛星は、打ち上げ後の配備中にメッシュ反射板に問題が発生したため全損と宣言される可能性」(一部修正)
(Viasatの新しいブロードバンド衛星は完全に損失になる可能性がある)
https://arstechnica.com/space/2023/07/viasats-new-broadband-satellite-could-be-a-total-loss/
「4月に打ち上げられた新しいヴィアサット通信衛星は、巨大なメッシュアンテナを展開する際に問題が発生し、機能不全に陥った。」
全てが予定通りにいくわけではない。
スターリンクだって、太陽嵐に見舞われたときは、打ち上げた衛星を一度に38機も失っている。
「この点に関しては何の問題もないと確信しています」(ジュピター3の記事より)
わからんぞお・・・。
静止軌道上で、巨大なデブリにならない保証などない。
一寸先は闇の宇宙開発。
「年末までに、Jupiter 3 は商業サービスに入る予定」(同上)
クリスマスに笑っているか、泣いているかは不明だ。
良いクリスマスを・・・。
(ジュピター 3 ミッション (EchoStar 24))
https://www.elonx.cz/mise-jupiter-3-echostar-24/
「このミッションのためにセンターステージは放棄され、サイドステージは初めてJRTIとASOGの海上プラットフォームに同時に着陸することになった。」
「しかし最終的には計画が変更され、これまでのすべてのファルコン ヘビー ミッションと同様に、ステージは LZ-1 および LZ-2 陸上プラットフォームに着陸しました。」
記事にリンクされている動画で、後から録画で見た。
コースティングに3時間半もかかる打ち上げだしな(2段目の燃料タンクの辺りがグレーに塗装されているのはそのためか:画像参照)。
夜間で、当初は海上回収と言われていたブースターも、LZ-1と2での外連味のない回収になった。
まあ、そこんとこはどーでもいいんですが。
たまにしかないファルコンヘビーの打ち上げだが、今回は史上最大の衛星を打ち上げるという快挙があった。
「重量は9,200kgで、これまで静止軌道に投入された商用衛星としては最も重い。スペースXにとってさえ、これは同社がこれまで静止軌道への移行軌道に輸送した中で最も重い貨物だった。」
スパイ衛星とかでは、もっと重いヤツもあるのかもしれないが、そういう情報は公開されていないからな。
(ジュピター 3 / EchoStar 24)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/jupiter-3.htm
「装置:UHDS マルチスポット ビーム Ka バンド ペイロード」
「UHDS」という4文字略語(?)が気になったので調べた。
(スペースX、「ファルコン・ヘビー」の打ち上げを実施 大型商業通信衛星の軌道投入に成功)
https://sorae.info/ssn/20230729-jupiter3.html
「Hughes Jupiter 3は、アメリカの衛星通信会社「EchoStar」のUltra High Density Satellite(UHDS)と呼ばれるタイプの通信衛星です。」
(次世代超高密度衛星 JUPITER 3)
https://www.hughes.com/what-we-offer/satellite-services/jupiter-geo-satellites/JUPITER3
「JUPITER 3 (EchoStar XXIV) は、Hughes JUPITER 衛星フリートの容量を 2 倍にする、待望の次世代超高密度衛星 (UHDS:原文Ultra High Density Satellite) です。」
なんだ、企業の宣伝文句か。
「容量: 500Gbps以上」
通信容量なら、スターリンクの1回の打ち上げで1Tbpsのスループットが追加されると言われているから、さして驚く話ではないが、何と言っても静止衛星の強みは、ぜーんぶ1機で賄えるところだな。
「この強力な通信衛星は、打ち上げられると、南北アメリカ全域の衛星インターネット接続に加えて、機内 Wi-Fi、海上接続、エンタープライズネットワーク、モバイル ネットワーク オペレーター (MNO)のバックホール、およびコミュニティ Wi-Fi ソリューションをサポートします。」
何千機も飛ばして、天文学者の反発を招くことはない(たぶん)。
しかも、ガンターの記事によれば、設計寿命は20年だそうだ。
べらぼーめ・・・。
5年経ったら落ちてくるスターリンクの使い捨て衛星とは異なる。
ああ、もちろん、通信のタイムラグは大きいけれど、それに拘らない用途はたくさんあるだろうしな。
静止衛星の逆襲というところか(本物のスターウォーズだなあ・・・)。
しかも、カバーする範囲が広いからな。
バックボーンとかを構築する必要もない(衛星そのものがバックボーンになる)。
これからは、使い分けの時代になるのかもしれない。
数億ドルかけて高価で長寿命な静止衛星を飛ばすのか、安物の使い捨て衛星(決して性能が劣っているわけではありませんが)を星の数ほど上げて(!)勝負するのか。
上げちまったら、20年間それっきりの話だから、静止衛星の方が運用コストは抑えられるだろうけど、その間の技術の進歩や通信需要の変化に的確に対応できなくなるデメリットがあった。
最近は、ソフトウェアをリモートで書き換えて、スループットの割り当てを変更できる仕掛けもあるようだ。
「衛星インターネット接続に加えて、機内 Wi-Fi、海上接続、エンタープライズネットワーク、モバイル ネットワーク オペレーター (MNO)のバックホール、およびコミュニティ Wi-Fi ソリューション」(再掲)
何でもアリなわけだな。
この衛星の重量には驚く(9.2トン)。
我が国のH3が逆立ちしても上げられれない衛星だ(離床できるかどうかも怪しい)。
(H3ロケット)
https://ja.wikipedia.org/wiki/H3%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88
「ロングコースト静止移行軌道:6,500 kg 以上(構成:H3-24S/L)」
発射台の上でエンコだ(でもって、爆発炎上木っ端微塵?)。
やれやれ・・・。
どうしていつも周回遅れになっちまうんだろうな。
これからは、静止軌道上に宇宙ステーション並みの構造物(既に衛星とは呼べない?)を構築して、ロボットがメンテナンスしながら長期間使い続ける話になるんだろう。
トランスポンダーやアンテナ類も、必要に応じて交換されるし、太陽電池も劣化してきたら交換(追加)する。
ISSみたいな感じで、軌道維持の燃料を積んだ出前給油衛星が飛んでいく。
電気推進だからな。
ヒドラジンとかじゃなくてもいい。
スターシップが、たとえ2段目使い捨てでも実用化されれば、その効果は絶大だ。
100トンくらいの静止衛星が、ぶんぶん飛び回る時代になる(そうなのかあ?)。
しかも、燃料は後からいくらでも運んでいけるわけだから、最初の打ち上げはほぼNETの重量でいい(軌道に上がるまでの燃料は必要ですが)。
軌道給油所が出来て、再使用可能ロケットが地上から給油するようになれば、軌道間輸送のタンカーが静止軌道との間を往復して給油してくれるわけだからな。
静止軌道上の通信ステーションは、新しい形で生まれ変わることになる。
運用寿命は、ISSと同じか、それ以上になる(30年とか40年とか)。
そんなのが、静止軌道上にずらりと並んで通信する。
高緯度地域用のモルニヤ軌道もあるけどな。
低軌道コンステレーションが衛星通信の全てじゃない。
9.2トンの衛星の打ち上げは、そんな妄想を育むのに十分だ。
もちろん、静止軌道にあるのは商用通信衛星だけじゃない。
気象衛星や早期警戒衛星もある。
ロシアの怪しげなスパイ衛星も、シギントしてるしな。
我が国の衛星に、そのスパイ衛星を監視するカメラを取り付けて静止軌道に打ち上げる話もあった(H3がとん挫して塩漬け中!)。
そんなのが、みんな100トン級になるわけじゃないだろうけど、10年20年先の静止軌道は、今とは異なる世界に変わっているに違いない。
もちろん、静止軌道だけとは限らない。
その下の、GPS衛星群が回っている中軌道や、静止軌道より上の月軌道までのシスルナ空間、月軌道を超えた地球周回軌道への展開も想定される。
研究目的以外の惑星間空間への進出は、某ロケット打ち上げ会社くらいしかぶち上げてはいないけれど、いずれは商業的にも軍事的にも開発されていくに違いない。
既に、金になりそうな小惑星をほじくり返して、資源を活用しようという与太話はいくらもある。
(宇宙の山師)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/05/06/6437227
「プラネタリー・リソーシズの支援者のなかには、グーグルのラリー・ペイジCEOやエリック・シュミット会長、マイクロソフトでチーフ・アーキテクトを務めたチャールズ・シモニーやロス・ペロー・ジュニア、映画監督のジェームズ・キャメロン、元宇宙飛行士のトム・ジョーンズ、ジェット推進研究所(JPL)の元エンジニアのクリス・レウィッキなどが名を連ね、惑星科学者のサラ・シーガーをアドバイザーに迎えるという」
キャメロンの名前があったとはな。
忘れてた(10年以上前の記事だし)。
まあ、これも、どーでもいいんですが。
人類が直接出張っていく話については、浮沈子は懐疑的だ。
人間は、そういう風には作られていないからな。
が、ロボットが大挙して地球の周りに散らばっていく話は大いにあり得る。
もしも、宇宙人が円盤に乗ってやってきたら、それらのロボット(人工衛星)を地球生命だと勘違いするかもしれない。
んでもって、本国(本星?)に打電するわけだな。
「この星系に住んでいる生命は、金属とゴムとガラスで出来ている。」
んなわけ、ねーだろ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(SLS ロケットの長所と短所、パート 1 – 序文)
https://www.elonx.cz/pro-a-proti-rakete-sls-1-cast-predmluva/
(SLS ロケットの長所と短所、パート 2 - 具体的な議論)
https://www.elonx.cz/pro-a-proti-rakety-sls-2-cast-konkretni-argumenty/
別記事にしようとも思ったけど、後半の記事は期待したほどの内容じゃなかったので、リンクにとどめる。
記事を読みながら浮沈子が考えたことは、書かれた内容とは関係のない、全く別のことだった。
冷戦の中、急速に発展したロケット技術をけん引したのは、ソ連のセルゲイコロリョフと米国のフォンブラウンであったことは知られている。
(セルゲイ・コロリョフ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%A7%E3%83%95
「第一設計局 (OKB-1) の主任設計者として世界初の大陸間弾道ミサイル (ICBM) であるR-7を開発した。」
(ヴェルナー・フォン・ブラウン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3
「ロケット技術開発の最初期における最重要指導者のひとり」
「ソ連のセルゲイ・コロリョフと共に米ソの宇宙開発競争の代名詞的な人物である。」
時代が大きく変わるときには、それを象徴する人物が登場するものだ。
現代では、イーロンマスクかも知れないが、SLSにはそれをけん引した人物は見当たらない。
惰性、成り行き、迷走、思惑、打算、エトセエトセだ。
スペースシャトルの失敗に懲りて、再使用から徹底的に撤退し、全てを使い捨てにして時代を逆戻りさせた張本人だが、それを責めることはできない(オリオンは、将来的には10回程度の使用を想定しているようですが)。
そんなSLSの開発に、我こそはキーパーソンなりなどと名乗り出る者はいない。
初期のロケット開発が、弾道ミサイルと密接に結びついていたことは重要かもしれない(今でもそうですけど)。
我が国のロケット開発においても、「誘導装置」を持つか持たないかが議論になったことがあるという(もちろん、持っているのが弾道ミサイル!)。
ばかげた話と思うかもしれないが、悲しい事実だ。
米国は、そのためにわざわざNASAを立ち上げた。
軍事じゃないぞと。
民生だぞと。
ばかばかしい話だが、そういう時代だ。
で、陸軍に囲い込まれていたフォンブラウンを担ぎ出す羽目になる。
「1950年から1956年にかけ、フォン・ブラウンはレッドストーン兵器廠で陸軍のロケット開発チームを率いて、兵器廠の名にちなんだレッドストーンロケットを生んだ。」
コロリョフは、結局、秘密のベールに包まれたままだったけどな。
今、現代の巨大ロケットであるSLSは完成し(開発は、まだ続いていますが)、やがてはスターシップも飛び立つだろう(途中で爆発炎上木っ端微塵になることなく!)。
先のことは分からないが、SLSの時代が長く続くと信じている者は少ない。
NASAは、少なくとも30年くらいは使いたいだろうけどな。
アポロ計画の10分の1に削減された予算の中で、月面ミッションをこなすのは大変だ。
が、無人機だけを飛ばしていたのでは、深宇宙に有人宇宙船を飛ばす目的で開発されてきた意義を問われる。
ここが辛いところだ。
キーパーソンによる、明確な意義づけを欠いたまま、迷走を始めるSLS。
その未来は混とんとしている。
米国は、作っちまったロケットを持て余すことになる。
アルテミス1回の打ち上げで40億ドルを超える税金を食い、打ち上げ頻度は数年に1度きりだ(金、ないし・・・)。
が、その話は今に始まった話じゃない。
スペースシャトルも同じだったしな。
そもそも、アポロ計画自体が迷走の始まりを作った。
湯水のごとく金を使い、冷戦下のイデオロギーの優劣を争うというワケワカな目的のために投入された技術の山・・・。
そりゃあ、スピンオフもあったかも知れないけど、それだけの価値があったかどうかは分からない。
歴史にタラレバはない。
どこか、ウクライナ紛争と似ている。
莫大な戦費をつぎ込み、世界経済を大混乱に陥れているけど、それだけの価値があるのかどうかは知らない。
もちろん、そこで儲けている人にとっては、十分な価値があることは間違いないけどな。
まあいい。
一人の人間の思惑を超え、米ソの宇宙開発競争は現代に繋がった。
100
ISSという共通の「価値」も生み出した(中国抜きだけど)。
SLSは米国オンリーだ(オリオンのサービスモジュールはESAですが)。
惰性、成り行き、迷走、思惑、打算、エトセエトセ・・・。
そうじゃないって記事を読みたかったんだがな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(SpaceX の Falcon Heavy が世界最大の通信衛星を打ち上げる [更新])
https://arstechnica.com/space/2023/07/worlds-heaviest-commercial-communications-satellite-will-launch-tonight/
「Starlink ネットワークと Hughes Network Systems の顧客数は同等であり、どちらも加入者数は 150 万人以上であると主張」
ふーん、浮沈子は静止衛星の顧客はせいぜい100万人くらいだと思ってたんだがな。
「市場は大きく広大であり、そこには私たち全員にとって共有される機会がたくさんあると思います」
そりゃ、値段次第だろう。
法人相手の限られた市場が開放され、インターネットの接続が地球上どこでも手軽になることはいいことだ。
「ビアサット社の衛星は、打ち上げ後の配備中にメッシュ反射板に問題が発生したため全損と宣言される可能性」(一部修正)
(Viasatの新しいブロードバンド衛星は完全に損失になる可能性がある)
https://arstechnica.com/space/2023/07/viasats-new-broadband-satellite-could-be-a-total-loss/
「4月に打ち上げられた新しいヴィアサット通信衛星は、巨大なメッシュアンテナを展開する際に問題が発生し、機能不全に陥った。」
全てが予定通りにいくわけではない。
スターリンクだって、太陽嵐に見舞われたときは、打ち上げた衛星を一度に38機も失っている。
「この点に関しては何の問題もないと確信しています」(ジュピター3の記事より)
わからんぞお・・・。
静止軌道上で、巨大なデブリにならない保証などない。
一寸先は闇の宇宙開発。
「年末までに、Jupiter 3 は商業サービスに入る予定」(同上)
クリスマスに笑っているか、泣いているかは不明だ。
良いクリスマスを・・・。

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