🐱スターライナー:鳴かず飛ばず:ニュースは延期の知らせだけ2023年08月08日 19:55

スターライナー:鳴かず飛ばず:ニュースは延期の知らせだけ


(遅れがちだったボーイングのスターライナー宇宙船の初飛行は少なくとも3月に延期)
https://spaceflightnow.com/2023/08/08/first-piloted-flight-of-boeings-oft-delayed-starliner-spacecraft-slips-to-at-least-march/

「2回目の試験飛行は順調に進み、スターライナーは予定通りロボットによって宇宙ステーションにドッキングし、パラシュート支援によるユタ州のタッチダウンに安全に帰還した。その時点でNASAは昨年末の試験打ち上げを目指していた。」

おお、OFT-2の後、NASAはCFTを去年打ち上げるつもりだったわけだ。

「追加の分析とレビューにより飛行は2023年に延期され、今年4月の打ち上げは技術者が書類と分析をレビューし、さらなるテストを実施するためのより多くの時間を与えるために7月21日までに延期された。」

延期に次ぐ延期・・・。

「パラシュートの変更には、システムが期待どおりに機能することを確認するため、11月に「落下テスト」が必要となる。すべてが順調に行けば、飛行用パラシュートは12月にボーイング社に引き渡される予定」

「保護テープについては、その目的は宇宙船全体に蛇行する電気ケーブルの磨耗による損傷を防ぐことだとナッピ氏は述べた。接着剤を使用して固定されているため、状況によっては火災の危険性」

その対応のために、来年3月までは延期が確実になったわけだ。

が、3月に上がる保証などない。

(ボーイングのスターライナー乗組員カプセル、正味2024年3月に延期)
https://www.teslarati.com/boeings-starliner-crew-capsule-delayed-net-march-2024/

「今日のボーイングおよびNASA関係者との電話会議では、残された唯一の問題はパラシュートテスト、ソフトウェアレビュー、宇宙船に取り付けられた可燃性テープの除去完了であると述べられた。」

ソフトウェアレビューだってえ?。

それって、聞いてないんだけどな。

2つで十分ですよ・・・。

やっぱ、浮沈子が懸念した通り、何かあるに違いない。

「ボーイングは、スターライナーが2024年3月までに完成することを期待している。」

まずもって、それ自体が怪しいわけだ。

さらに、スケジュール調整が入るからな。

「しかし、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが発射台を利用可能にし、ISSのスケジュールが開いていることを確認する必要があるため、それがその時点で打ち上げられるという意味ではない。」

「そうなると発売は2024年半ばにずれ込む可能性がある。」

「有人飛行試験が2024年の春から初夏に実施されるとすれば、スペースXがISSへのデモ2打ち上げを実施してからほぼ4年が経過」

「最初の有人飛行は2025年まで実現しない可能性」(これは、ミッション1を指していると思われる。)

既に、以前の記事で見たように、スターライナーのスケジュールは、ケツカッチンなわけだ。

OFT-2でトラブルを出しまくった、スラスターの問題が解決されているのかも怪しい。

ドッキングナビゲーションシステムに瑕疵があることも分かっている(データがオーバーフローして、少なくとも表示上は誤作動した)。

パラシュートと絶縁テープは氷山の一角だろう。

対抗馬のクルードラゴンは、そのパラシュートのトラブルで、丸1年を棒に振っている。

(スターライナー、2024年に運航延期で3件の独立調査を受ける)
https://arstechnica.com/space/2023/08/starliner-undergoing-three-independent-investigations-as-flight-slips-to-2024/

「スペースXが2019年にクルードラゴンのパラシュート設計を「マーク2」から「マーク3」に変更し、より厳密なパラシュート設計に変更することを決定したとき、一連のテスト全体を繰り返す必要があった。このプロセスは、さまざまな高度からの約 20 回の落下テストから構成され、1 年の大部分を費やしました。」

「ボーイングに対し、アップグレードされたパラシュートの性能を検証するための追加テストを1回完了することを要求しているだけ」

「デザインの変更は、ドラゴンの場合とは対照的に最小限であったと言えます。ドラゴンはキャノピーの大規模な変更でした。」

もちろん、テストの内容や回数は改修の中身や規模などによって変わるだろう。

が、それは目に見えている問題だ。

具体的なスケジュールが示されたこととは裏腹に、背後にある目に見えない問題が、かえって強く感じられる。

律速する2つの問題の陰に隠れて、表面化しない不可知なトラブル。

来年の2月頃になって、そろろろ打ち上げの具体なスケジュールが問題に上がってくる時期、「実は・・・」という話が出てくるに違いないのだ(今のところ、浮沈子の単なる妄想ですが)。

さらに、それは、関係者には分かっている既知の問題に過ぎない。

OFTー2の時のバルブの固着のように、その場にならなければ分からないこと、OFT-1の大気圏再突入時の噴射タイミングのように、ミッションの最中に、ろくなテストも行わずにプログラムを差し替えるという綱渡りを演じなければならなくなる可能性もある。

やれやれ・・・。

しかも、次は人間が乗っている。

もちろん、有人で対応できるメリットもあるかもしれない。

が、21世紀だからな。

時速2万km以上で飛び回る宇宙船を、手動で制御しようなどと言うのは茶番に過ぎない。

20世紀の人形劇じゃあるまいし。

つまり、ちゃんとした評価を得なければ、スターライナーは未来永劫飛ばないのだ。

今問題なのは、いつ飛ぶかではなく、そもそも飛ぶか飛ばないか、もっと言えば、飛ばすか飛ばさないかだろう。

これ以上の遅延は、そういう問題に発展する。

幕引きのシナリオは出来ているに違いない。

B社につぎ込んだ60億ドル以上をどぶに捨てるには、それなりの仕掛けが必要だ。

技術的問題の解決より、そういう話が得意なB社(そうなのかあ?)。

NASAとの間で、どういう痛み分けをするかだな。

それでなくても、NASAはアルテミスの遅延で窮地に立たされている。

スターライナーどころの話ではない(たぶん、金額的にも一桁以上違うだろうし)。

アルテミス2までは飛ぶだろうが、それ以降は闇の中だ。

アルテミス3は、2025年どころか、2020年代に飛ぶかどうかも分からない(多分ムリポ)。

どころか、月周回ステーションの建設すら怪しく、中国の有人月面着陸を月軌道上から眺めることさえできなくなる可能性が出てきた。

向こう10年くらいは、SLS絡みでB社の面倒を見ることもできるだろうが、それ以降は分からないからな。

スターライナーは終わった話だ(そうなのかあ?)。

いつまでも、後を引くような真似はしない方がいい。

すっぱり切り落として、後腐れのないようにしておかないとな。

有人仕様のスターシップが飛び回る2030年代になって、高コスト体質のB社の宇宙船に、誰が乗るもんか。

地球低軌道はドリームチェイサーかクルードラゴン、月や火星はスターシップがリードしていく。

SLSやオリオンは、静かに消えていくだろう。

スターライナー?。

ああ、そんな宇宙船も開発されていたっけかな・・・。

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