🚀スターライナー:複合的要因2024年08月11日 10:06

スターライナー:複合的要因


(ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」、帰還が大幅遅れ - いったいなぜ?)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240810-3002943/

「当初は8日間、また長くとも45日間が予定されていたミッションだが、7月が過ぎ、そして打ち上げから約2か月が経過したいまなお、NASAとボーイングは具体的な帰還の目標日さえ発表していない」

記事では言及されていないが、45日間というのはスターライナーに搭載されているバッテリーの寿命とされている。

まあ、認定しているのがNASAだから、その辺りはさじ加減でどうにでもなるのかもしれないが、物理(化学?)の神様は容赦なく劣化を進行させるからな。

まあいい。

猛暑とダイビングの日程の関係でブログをサボっているうちに、ウクライナはロシア本土に侵攻し、お盆を控えて新型コロナは小康状態(と言っても、第11波は進行中)となっている。

変わらないのはスターライナーだけだ。

やれやれ・・・。

「スラスターの問題については、太陽からの加熱が引き金になった可能性が高いとされている。スターライナーの太陽電池は、サービス・モジュールの後部に貼ってあるため、軌道上では太陽にお尻を向けるような姿勢で飛行する時間が長い。そのため、その部分が過熱状態になり、スラスターに問題が起きたというシナリオ」

記事では、ドッグハウス内の断熱材は、この過熱に対する措置だと見ているようだが、当然、蓄熱効果もある。

「もちろん、断熱材を貼るなどして対策は取られていたものの、たとえば太陽の熱に加え、スラスターの噴射によるそれ自身の過熱、断熱材によってスラスターが入っているポッド全体が魔法瓶のような状態になってしまう」

浮沈子が引っ掛かったのは、次のくだりだ。

「複合的な要因によって、想定よりも過熱した可能性がある」

今回のポイントはそこだろうな。

多くの場合、複合的要因の中身を解析することは難しい。

そんなことが簡単にできるのなら、競馬のような賭け事は成立しなくなる。

未来を完全に見通すことはできないのだ。

そうはいっても、ある程度は予想できるから、その範囲で対策して、後は実際に試験を積み重ねることになる。

スターライナーは、その段階にあるわけだから、想定外のトラブルに見舞われていること自体は驚くことではない。

しかし、既に無人飛行の段階でも同様の現象は起きていたわけで、未解決なまま有人飛行を行ったという点については褒められた話ではない。

「8月8日になり、NASAとボーイングは一転して、ウィルモア、ウィリアムズ両宇宙飛行士を別の宇宙船で帰還させる検討を行っていることを認めた。」

妥当な措置だろうな。

「最近明らかになったところでは、スターライナーCFT-1の機体には自動操縦の機能がなく、無人でISSから離脱するには、ソフトウェアを更新しなければならない」

有人機として設計されたスターライナーが、完全に無人の状態で運用できない仕様に変更されたことは驚くことではないけど、ソユーズやクルードラゴンが完全無人運用を可能としていることを考えると、いささか疑問も感じる。

担当者は、「しまった!」と思ったに違いない。

「スターライナーは2019年と2022年に無人での飛行試験を行っており、このときは無人でISSへのドッキングと離脱が可能な能力をもっていた。なぜ、現在の機体からそれが外されているのかは明らかになっていない。」

まあ、どうでもいいんですが。

ケチが付きまくっているスターライナーだが、そもそも、そういう話は想定の範囲内で、開発が断念されたり、NASA以外の顧客が付かずに赤字続きになることも想定されているわけだから、B社が早々に損切りに動くことだってあるに違いない。

「原因究明が終わっても、改修や追加の試験などに時間がかかる可能性もある。さらに、これまでの度重なる開発の遅延や、飛行試験で問題が相次いでいることを鑑みると、また別の未知の問題が潜んでいる可能性も否定できない」

浮沈子的には、この辺りで決断した方が傷が浅くて済む気がする。

金勘定のマネージメントは得意でも、技術の統合能力に限界があるわけだからな。

複合的要因を妥当な範囲に押し込んで、表面化しないように制御することが出来ないわけだ。

「問題の調査、対処、復旧作業にあまりにも時間がかかりすぎており、一般・メディアに対する説明も不十分かつ首尾一貫していない。」

NASAは当初から、最終決定は上級管理者が行うと明言している。

つまりだな、このCFTが上手くいかないということになれば、スターライナーの開発を断念するという状況なわけだ(そうなのかあ?)。

B社は、これに先立って既に16億ドルを持ち出していることを明らかにしている。

NASAは、2機種体制のISSタクシーを諦めることになり、B社の信用は地に落ちるだろう。

ソユーズしかなかった状況に比べれば、クルードラゴンを手に入れたわけで、十分な成果は得ている。

スターライナーを捨ててしまっても、惜しいことはない。

この宇宙船は問題が多すぎる。

鳥嶋さんが指摘しているように、隠れた瑕疵はほかにもあるに違いない。

全自動で帰還させるためのソフトウェアの試験には、1か月余りを要するといわれる。

それだって、スラスターが物理的な損傷に見舞われればカバーは出来ず、ISSに激突するリスクもある。

この宇宙船は、人を乗せずに運用することは想定されていないからな。

何十というロケットエンジンを使い捨てにする高コストな設計という点でも、先々に禍根を残す恐れがある。

ここは、潔く兜を脱いでS社に道を譲るべきだろう。

スターシップが出来れば、SLSもお払い箱になるしな。

2040年頃には、有人宇宙開発から完全撤退することになるに違いない(そうなのかあ?)。

2030年には、ISSはお払い箱だしな。

後継の民間宇宙ステーションも決まらず、月軌道ゲートウェイの先行きも怪しい。

お先真っ暗な気もするがな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(NASAはほぼ1世代で最も重要な安全上の決定を下そうとしている)
https://arstechnica.com/space/2024/08/nasa-is-about-to-make-its-most-important-safety-decision-in-nearly-a-generation/

「差し迫った決定の中心にいる3人の管理者、NASAのケン・バワーソックス氏とスティーブ・スティッチ氏、ボーイングのリロイ・ケイン氏は、2003年のスペースシャトルコロンビア号 の不運な最終飛行で重要な役割を果たしたか、その事故の影響を経験した人物である。」

「スターライナー宇宙船をどうするかというNASAの決定と、 21年以上前にNASAがコロンビア号 の状況について検討していたことの間には、重要な違いが1つある。」

「当時、シャトル計画の責任者は コロンビア号の左翼前縁の損傷に気付いていなかった。シャトルから返ってきたデータはすべて、再突入と着陸に問題がない状態であることを示していた。今日、管理者はスターライナーに問題があることを認識している。」

メーカーであるボーイングは、スターライナーでの有人帰還に自信を持ち、ユーザーであるNASAは懸念を抱いている。

どこかで聞いたような話だが、B社の「自信」が当てにならないことは、これまでも何度も(特に航空機の分野で)明らかになっている。

「率直に言って、彼らはコロンビア号については無知だったか、同じレベルの精査をしていなかった。断熱材の剥離が問題になるとは思っていなかったからだ」(元NASA宇宙飛行士)

「また、この件では、ボーイングはスターライナーの乗組員が無事帰還することに大きな問題はないと確信しているが、NASA内部にはそう感じていない人もいる」

コロンビア号の事故に絡めたこの記事に、浮沈子はやや違和感を感じている。

当時とは状況が異なるし、関与した人物はNASAの関係者なわけだからな。

共通の人々であることに意味はない。

が、人間の判断のベースになる「経験」という点では無関係ではないだろう。

一方で、その人々が今回のCFT打ち上げを推進したことも指摘されている。

「その決定は十分に支持されていたのか、それとも誰かが『打ち上げ熱』に駆られていたのか?」(NASAエイムズ研究センターの元所長で コロンビア号 事故調査委員会の委員でもあるスコット・ハバード氏)

重要な指摘もある。

「残念ながら、宇宙飛行の現実の世界では、完璧な飛行理論はめったにありません」(NASAの元飛行ディレクター、ウェイン・ヘイル氏)

「時には優れた飛行理論もありますが、飛行の根拠として提案されている理論には曖昧さが含まれていることがほとんどです。飛行理論が適切かどうかを判断するには、誰かが判断を下さなければなりません。」

NASAは、どういう判断をするのかな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(私は今回NASAの安全文化を信頼しており、あなたもそうすべきだ)
https://arstechnica.com/space/2024/08/with-starliner-stuck-in-space-has-nasas-safety-culture-changed-since-columbia/

「当時、私はこの悲劇が、宇宙飛行について考え、書き続けるという私の職業人生の残りの方向性を決めることになるとは思ってもいませんでした。これが私のキャリアにおける情熱のすべてとなりました。」

エリックバーガーの宇宙ジャーナリストとしての原点が、コロンビア号の事故だったわけだ。

「スターライナーの宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアとスニ・ウィリアムズの命がかかっている状況で、彼らが正しい判断を下すと信じる理由はあるのだろうか。」

彼は、スターライナーを捨てて、クルードラゴンで帰還させるのが正しいと信じているようだ。

が、記事にもあるように、コロンビア号の事故はチャレンジャーに引き続いて起こった。

「チャレンジャー号の事故後、変化があったが、それらは消え去り、持続しなかったことを私たちは観察しました」(ジョージ・ワシントン大学の著名な宇宙史学者、ジョン・ログスドン氏)

残念ながら、浮沈子は歴史が繰り返されると見ている。

「シャトルは 2003 年までに何十回もの飛行に成功していましたが、スターライナーは依然としてテストと開発の段階にあります。したがって、「これは前にも見たことがある」という罠に陥ることは困難」

「さらに、シャトルは燃料電池やその他の消耗品のために軌道上での寿命が限られていましたが、ミッション マネージャーはスターライナーの問題を数日ではなく数週間、さらには数か月にわたって調査できるという余裕があります。」

「最後に、2003年からの大きな変化として、NASAの管理者は、乗組員を帰還させるためのすぐに利用できるバックアップオプション、つまり信頼性の高いクルードラゴン宇宙船を手に入れました。」

これらの理由は決定的ではない。

宇宙開発が政治的な側面を持つことを考えれば、受け入れられるリスクであれば、それを取らせるに違いないのだ。

今回は、大統領選挙の時期とも重なっているからな。

トランプを応援するイーロンマスクが率いるクルードラゴンに花を持たせるわけにはいかない(そうなのかあ?)。

NASAの安全文化の根底にあるのは、この役所が政治のおもちゃになりやすい点だ。

下級技術者の意見がどれだけ権限を持っていたとしてもだ。

宇宙開発がリスキーなのは、それが困難だからというより、ど派手な成果を得るために、リスクを顧みずに突入するという原理的な事業性格にも依っている。

事故は宿命だし、その犠牲者の数だけ進歩がある。

「チャレンジャー号の20年後にコロンビア号が来ましたが、NASAはチャレンジャー号以前と同じ機能不全パターンに陥っていたと私たちは評価しました。今日、NASAとボーイングが閉鎖的で耳を傾けていないと非難する人はいません。チャレンジャー号の教訓は忘れ去られたと思いますが、コロンビア号の教訓は忘れ去られていません。」(ジョン・ログスドン氏)

問題はそこじゃないと思うんだがな。

政治的要因と切り離して、技術的に妥当な選択ができるのかどうか。

相変わらず、威勢の良い選択をして賭けに出るのかどうかだ。

残念ながら、浮沈子は後者と見ている。

コロンビアの時だって、全員がソユーズで帰還するとか、次のスペースシャトルの打ち上げを待って帰還するという選択肢はあった。

そこで威勢を張ったのは、米国がメンツにこだわったからだ。

今回もそうなるだろう。

何事もなく、有人で帰還することが出来れば英雄だ。

スターライナーも、首の皮一枚繋がる。

そうでなければ悲劇が起こる。

大統領選挙に与える影響も大きい。

現政権が、そのリスクを取るかどうかは分からない。

しかし、その動機は十分過ぎるほどある。

スターライナーの開発断念の結論が、早期(11月の大統領選挙前)に出されるとは思わないけど、それに繋がることは間違いない。

リスク回避としてのクルードラゴンでの帰還に落ち着く公算は高いが、B社は民主党に自社の宇宙船を有人帰還させるように働きかけるだろうからな(未確認)。

もちろん、無人で帰還させることは可能だろうし(来月までにはプログラムの入れ替えが可能か)、それが成功すれば、開発は継続するかもしれない。

技術的にクリアな話ではない。

とすれば、複合的要因を考慮した総合判断ということになる。

下級技術者の意見がどうこう言う話ではない。

そこに拘ってどーする!?。

歴史は繰り返す。

その瞬間を、我々は目撃することになるかもしれない・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(NASAはスターライナーの推進問題のリスクを定量化できないことを認める)
https://arstechnica.com/space/2024/08/nasa-acknowledges-it-cannot-quantify-risk-of-starliner-propulsion-issues/

「今月初めに開かれたいわゆるプログラム管理委員会の会議で、NASA の管理者はスターライナー計画に携わるさまざまなチームの代表者に対し、ボーイングの宇宙船が 2 人の乗組員とともに地球に帰還するのを承認する準備ができているかどうかを尋ねた。」

「委員会のメンバーの多くがノーと答えたため、NASA はスターライナーの帰還飛行の正式な「許可」か「中止」を決定するはずだった飛行準備状況レビューの上級職員会議を延期した。」

「それはまさに『適切な決定を下すために必要なすべてのデータが揃っていると感じますか』というものでした。私から見ると、ほとんどの人が「いいえ」と答え、もう少し作業が必要で、だからこそ私たちは作業を続けているのです。すでに「はい」と答えた人も数人いました。」(NASAの安全およびミッション保証局長ラス・デローチ氏)

クルードラゴンの打ち上げは延期され、さらに、それに乗って打ち上げられる宇宙飛行士の数も見直されようとしている。

「このドラゴン宇宙船は、5 か月または 6 か月の探査のために 4 人ではなく 2 人の乗組員を乗せて打ち上げられるため、来年地球に帰還したスターライナーの宇宙飛行士が座るための空席が残ることになる。」

家族は、既に何かを知らされているのかもしれない。

「ウィルモアさんの妻ディアナさんは、家族の故郷に近いテネシー州ノックスビルのCBS系列局に対し、クリスマス、結婚30周年、そして娘たちの学校行事のために夫が留守にすることに備えていると語った。」

「おそらく2月か3月までは帰ってこないと思います」

「とにかく順応して、予想外の出来事を予想するしかない」

殺伐とした宇宙開発の記事ばっか読んでいると、命懸けでロケットに乗る宇宙飛行士にも家庭があり、日常の生活があることを忘れそうになる。

予想外の出来事を予想する、か・・・。

やっぱ、スターライナーは無人で帰還させるべきだろうな。

この記事には、もう一つの側面(殺伐とした宇宙開発?)として、スラスターの検討に関する記述がある。

「元宇宙飛行士のバウワーソックス氏は、NASAが他のプログラムから推進装置の専門家を招き入れ、スラスターの問題を改めて検討したと語った。」

「NASAの他のセンターから招聘された外部エンジニアたちは、これまでのところ、スターライナーにフルタイムで取り組んでいるチームの評価にほぼ同意している」

「同じようなスラスターを扱い、同じような問題を経験した人はたくさんいます」

「私たちが目にしているものについてのフィードバックは受け取っており、その多くは軌道上で観測していた兆候の原因だと私たちが考えていたものを裏付けるものです。」

ちょっと気になる記述もある。

「NASAがウィルモア氏とウィリアムズ氏をスターライナーで帰還させると決定した場合、NASAは当初予想していた以上のリスクを受け入れなければならないだろうとバウワーソックス氏は述べた。」

つまりだな、スターライナーは、故障のリスクを抱えたままの状態で宇宙飛行士を乗せて帰還することになるわけだ。

そのことは、誰も否定できない(実際に故障したしな)。

しかし、それがどの程度のリスクなのか、それが十分に受け入れ可能な程度かを評価するための数値化が出来ないでいる。

数値化するためには理論化が必要であり、そのためには因果関係の理解と十分なデータが不可欠だが、それには時間と手段が足りないわけだ。

「NASAの職員らは、宇宙船内で地球に帰還する場合、スラスターの問題が宇宙飛行士にどの程度の追加リスクをもたらすかを数値化できなかった。」

時間といっても、数週間かも知れないし数年かも知れない。

ホワイトサンズで行われた試験も、宇宙空間での環境を完全に再現したものではないしな。

結局は、あやふやで曖昧な状況の中で、現実的な決断を下すことになる。

「最終決定は NASA の最高幹部であるジム フリー氏か、NASA 長官のビル ネルソン氏に委ねられる可能性がある。」

技術的確証がない中では、ネルソン長官の決定は政治的なものになる。

浮沈子が、メーカーであるボーイングの主張をNASAが受け入れて、スターライナーで帰還することになると見ているのはこのためだ。

「ボーイング社は8月2日、「スターライナー宇宙船と、乗組員を乗せて安全に帰還する能力に引き続き自信を持っている」と述べた。」

NASAは、何も変わっていない。

チャレンジャーの時も、コロンビアの時も、この役所は「技術」という煙幕を上手に使って政治的意図を強行した。

ぶっちゃけ、宇宙飛行士は消耗品だ(そんなあ!)。

代わりはいくらでも揃えられる。

だが、スターライナーを諦めた場合、代わりのISSタクシーをもう一つ仕立てることは不可能だろう。

もっとも、将来的にはドリームチェイサーを有人化するという手は残っている。

(ドリームチェイサー)
https://en.wikipedia.org/wiki/Dream_Chaser

「ドリームチェイサースペースシステムは、もともと有人機として計画されていましたが、ドリームチェイサーカーゴシステムの貨物型が運用可能になった後に生産される予定です。有人型は、最大7人の乗客と貨物を低地球軌道まで運ぶ予定」

「ドリームチェイサーのコンセプトとデザインは、NASA のオリジナルのスペースシャトルプログラムの流れを汲むものです。」

有人機が開発される頃には、ISSは南太平洋の藻屑となっているだろうけど、後継の民間宇宙ステーションへの有人運搬手段としては活躍の余地がある。

「2019年に、使い捨てのシューティングスター貨物モジュールがCRS-2飛行のドリームチェイサー貨物システムの一部になることが発表」

「このモジュールは再突入時に燃え尽きることで不要な貨物の廃棄をサポートします。」

「貨物の運搬に加えて、シューティングスターモジュールには最大6kWの電力を供給するソーラーパネルが搭載されている。また、能動的および受動的な熱管理も提供し、6つの搭載されたスラスタを介してドリームチェイサーの移動および回転機能を提供」

おっと、こっちも使い捨てスラスターとソーラーパネルの組み合わせか・・・。

まあいい。

有人バージョンの太陽電池やスラスターがどうなるかは分からないけどな。

また、有人バージョンは折り畳みの翼でフェアリング内に収まる貨物バージョンとは異なる可能性もある。

「CRS-2ガイドラインを満たすため、貨物ドリームチェイサーは折りたたみ式の翼を持ち、直径5メートルのペイロードフェアリングに収まる。これは、フェアリングなしで打ち上げられることを意図している有人ドリームチェイサーとは対照的である。」

浮沈子的には、こっちに賭けた方が無難だと思うんだかな・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

このブログ記事を読み返していてあることに気づく。

「残念ながら、宇宙飛行の現実の世界では、完璧な飛行理論はめったにありません」(NASAの元飛行ディレクター、ウェイン・ヘイル氏)

「時には優れた飛行理論もありますが、飛行の根拠として提案されている理論には曖昧さが含まれていることがほとんどです。飛行理論が適切かどうかを判断するには、誰かが判断を下さなければなりません。」

つまり、技術的あいまいさを完全になくすことはできない。

「シャトルは 2003 年までに何十回もの飛行に成功していましたが、スターライナーは依然としてテストと開発の段階にあります。したがって、「これは前にも見たことがある」という罠に陥ることは困難」

経験による罠に陥ることは困難だという主張があるが、こんなことも書いてある・・・。

「元宇宙飛行士のバウワーソックス氏は、NASAが他のプログラムから推進装置の専門家を招き入れ、スラスターの問題を改めて検討したと語った。」

「NASAの他のセンターから招聘された外部エンジニアたちは、これまでのところ、スターライナーにフルタイムで取り組んでいるチームの評価にほぼ同意している」

「同じようなスラスターを扱い、同じような問題を経験した人はたくさんいます」

「私たちが目にしているものについてのフィードバックは受け取っており、その多くは軌道上で観測していた兆候の原因だと私たちが考えていたものを裏付けるものです。」

浮沈子は、これを読んでハッとしたのだ。

NASAは、外部プログラムの経験を外挿することによって、自ら「経験の罠」にハマっていこうとしているのではないか。

つまりだな、スラスターの故障なんて話はどこにでも転がっている日常的な話で、ボーイングの見解(有人で帰還させることに対する自信)は妥当だということなわけだ。

技術的あいまいさを残し、開発中の有人宇宙船に無人機(たぶん)の経験を重ね、「これは前にも見たことがある」という罠にハマろうとしている。

もう一つ、気になる話もある。

クルードラゴンの打ち上げが1か月以上延期になった背景には、現在のスターライナーには無人で帰還させるためのプログラムが欠如し、有人飛行でないと帰還させられない問題がある。

無人帰還させるプログラムをチェックしてロードするには、4週間かかると言われていたからな。

延期ということは、一見、無人で帰還させるためと考えることもできるが、既にOFT-2で実証済みな帰還方法で、実は有人帰還させるという可能性も残されている。

これもまた、無人機での経験を外挿して罠にハマろうというパターンなわけだ。

OFTー2は成功したんだから、その方法を採るという選択肢を否定することは難しい。

しかも、スラスター不良の原因は「ある程度」分かっているわけで、OFT-2に比べて成功する可能性はむしろ高まっていると見ることもできる。

スターライナーを首の皮一枚残して先につなげるためには、何としても2人の宇宙飛行士を乗せて帰ってこなければならないからな。

もちろん、物理の神様が見逃すはずはない。

不完全な飛行理論をどのように組み合わせたところで、完全な飛行理論にはならない。

NASAは、自ら罠にハマっている。

経験値を外挿し、「これは前にも見たことがある」と思い込もうとしている。

スターライナーCFTは、完全自動飛行で有人帰還させる。

これが浮沈子の大胆な予想だ。

もちろん、例によって当てにはならない。

2人の宇宙飛行士をクルードラゴンで帰還させるという「無難」な選択の可能性は、依然として高い。

そこからの仕切り直しは一苦労だろうが、考えられる範囲での最良の選択だと思われる。

その後、B社が開発を断念する可能性もある。

そうなれば、NASAはこれまでの投資をすべて失い、メンツをつぶされ、チキンと揶揄され、末代までの恥を晒すことになる(そうなのかあ?)。

まして、無人帰還に成功したりすれば、B社が非難されることはないだろう。

そして、その可能性は高い。

ぶっちゃけ、来年の2月か3月のクルードラゴンでの帰還飛行でトラブルになれば、それこそ目も当てられないからな。

様々な要素とリスクを天秤にかけ、NASAは結論を出すだろう。

いや、既に結論は出ていて、それに向かってシナリオを進めているだけなのかもしれない・・・。

😼エムポックス:クレード12024年08月18日 14:49

エムポックス:クレード1


(エムポックス2回目の緊急事態宣言 1回目と違うところは?)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f6384c0a320645bab255250e1d70e4af363833fa

「エムポックスの緊急事態宣言は2年ぶり2回目のものですが、1回目とはどこが違うのでしょうか?」

そう、浮沈子は、「またか・・・」と思ったんだが、どうやら今回の懸念は本物のようだ。

「2023年1月からこれまでの間に、コンゴ民主共和国では15600例の感染例と537人の死亡者が報告されています。」

感染者の捕捉の問題があるので何とも言えないが、名目上、3.44%という高い致死率となっている。

そりゃあ、ヒトが感染した場合致死率50%になる高病原性鳥インフルエンザに比べたら大したことはないけど、季節性インフルエンザは、0.1%以下だからな。

エボラ(2014年頃)の時に見たように、接触感染(主に)として舐めてかかっていると大事になる可能性がある。

幸い、ある程度の効果が期待できるワクチン(天然痘用)があるようで、我が国の備蓄を放出する話も上がっている。

(エムポックス、政府がコンゴにワクチンと注射針を供与へ…国内の感染者は今年15人)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240815-OYT1T50179/

「武見厚生労働相は15日の閣議後記者会見で、感染が急拡大しているコンゴ民主共和国に対し、日本で製造したワクチンや接種針を供与する考え」

まあ、どうでもいいんですが。

感染研の記事などを見ている程度だが、今回の流行種である「クレード1」(コンゴ盆地系統群(クレード))は、ちょっとヤバそうな感じだ。

(エムポックスとは)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/12052-mpox-intro.html

「エムポックスウイルスには大きく分けてコンゴ盆地系統群(クレード)と西アフリカ系統群(クレード)の2種類の遺伝的系統群があり、コンゴ盆地系統群は西アフリカ系統群に比較して、重症化しやすく、またヒトからヒトへの感染性が高いとされる。」

初出の忽那教授の記事でも、その点が注目すべきとして取り上げられている。

「クレード2は、もともと西アフリカ地域で流行していたウイルスであり、2022年に始まった世界的な流行の原因となったウイルスでもあります。」

「そして、今回の緊急事態宣言の対象となったのは、クレード1と呼ばれる前回とは異なる系統群によるウイルスです。」

「クレード1は、もともとコンゴ民主共和国を含む中央アフリカの5カ国のみで報告されており、げっ歯類が保有するウイルスがヒトに伝播し、限局的にヒト-ヒト感染が起こっていました。」

それが急激に広がり始めたということは、ウイルスに変異が起こり、ヒトヒト感染を容易にするように変わった可能性が高い。

「今回のアウトブレイクで広がっているウイルスは「クレード1b」と呼ばれるクレード1から派生したウイルス」

「従来の感染した野生動物の死骸や生体との接触、家庭内感染、患者のケアに伴う医療従事者の感染に加えて、現在は性行為に関連した感染事例が増加」

「クレード1は、以前からクレード2に比べて感染した際の重症度が高い」

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

この件、何か進展があればまた書く。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(WHO、エムポックスで「公衆衛生上の緊急事態」を宣言)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c5yp0wvzq00o

「致死率は100人に4人」(系統(クレード)不明)

「クレード1の過去のアウトブレイクでの致死率は最大10%」

「ウイルスに変化がみられたのは、昨年9月ごろだった。」

「変異によりクレード1bと呼ばれる派生型が生まれ、以来急速に感染が広がっている。」

「この変異株は「これまでで最も危険なもの」だと指摘する科学者もいる。」

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

今回の流行は、2022年から23年にかけてのものとは別物だ。

浮沈子は、初め、「またか・・・」と思ったんだが、そうではない。

免疫弱者を守るワクチンも、重症化を軽減する抗ウイルス薬も、一応存在する。

封じ込めに成功するかは分からない。

ウイルスの変異が、どの程度の頻度で起こるのかは不明だ。

新型コロナほど頻繁ではないようだが(未確認)、そっちも気になる。

「米エモリー大学のボグマ・ティタンジ博士は、今回の動きは「この危機の深刻さを強調している」と述べた。」

21世紀になって、ヒトヒト感染のリスクは簡単に国境を超えるようになった。

(Mpox)
https://en.wikipedia.org/wiki/Mpox

「この病気は通常軽度で、感染した人のほとんどは治療なしで数週間以内に回復します。感染してから症状が現れるまでの期間は5日から21日で、症状は通常2週間から4週間続きます。」

「ただし、特に子供、妊婦、または免疫力が抑制されている人では重症化することもあります。」

「2022~2023年に発生した系統IIbによる世界的な流行の致死率は非常に低く、0.16%と推定されており、死亡者の大半はすでに免疫不全状態にあった人々であった。対照的に、2024年4月現在、コンゴ民主共和国での系統Iの流行の致死率は4.9%である。」

うーん、状況は確かに深刻に見える。

本日時点で、英語のウィキにはクレード1bに関する記述はない(アウトブレイク一覧には出てきている:後述)。

「ウイルスには、クレードI とクレードIIの2 つのサブタイプがあります。クレードII はさらに、クレードIIa とクレードIIb のサブクレードに分けられます。2022~2023 年の世界的な流行の一部として特定された症例は、クレードIIbによって引き起こされます。クレードI は主にコンゴ民主共和国に限定されており、クレード IIa および IIb よりも重篤な疾患と高い死亡率を引き起こすと推定されています。」

状況は日々刻々と変わっている。

「2023~2024年:系統クレード I、クレード Ib:感染者数18,245以上:死者数919以上(約5%)」(クレード Ib初登場)

「この流行におけるウイルスの伝染は主に性行為や家族との密接な接触によるものとみられ、南キブ州やキンシャサ州など、MPOXの発生歴のない地域で症例が発生している。症例の64%と死亡者の85%は小児で発生したと推定されている。この流行は、系統Iの2つの別々の亜型から構成されており、亜型の1つは新たな変異を有しており、標準的な検査では検出が信頼できない。」

「8月初旬までに流行はさらに中央アフリカと南アフリカに広がり、ブルンジ、ルワンダ、ウガンダ、ケニア、コートジボワール、南アフリカで系統Iと系統IIの株の症例が報告された。」

(2023年コンゴ民主共和国での発生)
https://www.cdc.gov/poxvirus/mpox/outbreak/2023-drc.html

「現時点では、米国を含む中央アフリカおよび東アフリカ以外では、系統 I mpox の症例は報告されていません。」

スウェーデンでの感染事例が報告され、状況は変わってきている。

「より多くの情報が入手できるようになるか、中央アフリカや東アフリカ以外で症例が出現した場合、リスクは変化する可能性があります。」

米国CDCのページでも、状況の変化に追いついていない。

その中で、WHOが緊急事態の宣言を出したのは画期的だろう。

ワクチンを早期に流行地域に投入すれば、封じ込めに成功するかもしれない。

先進国にとっても大きなメリットとなる。

そのきっかけを掴む効果は、間違いなくある。

が、各国のワクチンの備蓄は自国民のためのものだ。

供与量については、難しい判断を要するだろう。

情けは人の為ならず(本来の意味で)。

国際感染症って、そういう話だったのかあ・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(抗ウイルス薬テコビリマットは安全だが、コンゴ民主共和国における系統Iのmpoxの解決は改善しなかった。)
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/antiviral-tecovirimat-safe-did-not-improve-clade-i-mpox-resolution-democratic-republic-congo

「抗ウイルス薬テコビリマットは、コンゴ民主共和国(DRC)のクレードI MPOXに罹患した子供と成人のMPOX病変の持続期間を短縮しませんでした。」

あれまっ!。

「ただし、この研究の参加者の全体的な死亡率は、薬剤の投与の有無に関係なく1.7%であり、DRCのすべての症例で報告されたMPOX死亡率3.6%以上よりもはるかに低いものでした。これは、入院して高品質の支持療法を提供された場合、MPOX患者の転帰を改善できることを示しています。」

いわゆる支持療法や対症療法が、決して馬鹿にならないという研究結果が出たわけだ(そうなのかあ?)。

この件については、CDCも取り上げている。

(テコビリマットの患者ガイド)
https://www.cdc.gov/poxvirus/mpox/if-sick/treatment.html

「コンゴ民主共和国における最近のテコビリマット(TPOXX)研究結果」

「2024年8月、研究の初期結果が発表された。コンゴ民主共和国(DRC)でテコビリマットがどの程度効くかを調べるための研究結果が出た。この結果から、DRCで定期的に発生するタイプのmpox(系統I)の場合、TPOXXを投与しても、患者が薬を投与されなかった場合と比べて病変が早く消えることはないことが示唆された。」

クレード1系統には効き目がない懸念が出たわけで、ワクチンの重要性が高まったと言えよう(そういうことかあ?)。

「現時点では、テコビリマットは、進行中の臨床試験の一環として、また重症 MPOX 患者または重症化する可能性が高い患者 (免疫力が低下している人、湿疹などの皮膚疾患がある人、妊娠中および授乳中の成人、子供) に対する人道的使用のために提供されています。」

クレード2感染者(ハイリスクグループ)については、引き続き投与が行われているようだ。

重症化する可能性が高い患者に、高齢者が含まれていないのは救いだな・・・。

😼欧州大戦争:越境攻撃2024年08月19日 08:55

欧州大戦争:越境攻撃


(ウクライナ軍がロシア領 クルスク州に侵攻、ロシア軍は二ューヨークの高台を占領)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-troops-invade-russian-kursk-oblast-russian-troops-occupy-new-york-high-ground/

「DEEP STATEはスームィ・ クルスク方面について「兵士の安全のため今は明かせない」と報告している。」

8月7日の記事で、ウクライナ軍がロシア領内に侵攻したことが伝えられてから10日余り。

東部戦線で押し込まれ、領土奪還の希望が消えていく中、なんでまた、ロシア領内なんかに侵攻したのかは浮沈子的には謎だ。

(クルスク方面の戦い、ウクライナ軍が大きく前進してセイム川西岸にも進出)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/in-the-battle-of-kursk-ukrainian-forces-make-great-advances-and-advance-onto-the-west-bank-of-the-seym-river/

「追記:ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏がスジャ市内に入って映像を発信し始めており、ウクライナ軍がスジャを制圧しているという認識で間違いないだろう。」

2週間足らずの間に、ロシア領内数十kmに進軍している。

奇襲攻撃は成功し、ウクライナ軍はモスクワめがけて進軍中だ(そうなのかあ?)。

欧州大戦争は西側が口火を切った。

米国は知らなかったと言っているが、んなことはないだろう。

ロシアは次々と防御線から撤退し、大量の捕虜を取られている。

気になるのは核兵器の使用だが、今のところその兆候はないと言われている。

が、それも当てにはならない。

兆候は必要ないだろう。

既に、前線部隊に弾頭は配備され、通常弾頭から付け替えられている(未確認)。

命令一つで使用可能なわけで、浮沈子的には使われるに違いないと見ている。

ウクライナ軍の前進が止まらず、通常兵器による戦闘で押し込まれ続けるなら確実に使用される。

ロシア領内での使用に留まるかどうかは不明だ。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

東部戦線の状況に変化はない(ゆっくりしたペースでの進軍が続いている)と言われているが、ロシア軍の再編が遅れているだけなのかもしれないしな。

逆に、ウクライナ軍の防御線が崩壊しているわけではない。

それを維持しつつ、ロシア領内に進軍を続けているわけで、ウクライナの戦闘継続能力は維持されている。

ロシア領内への侵攻は想定の範囲外だ。

してやったりというところだろうが、ぶっちゃけ、このままモスクワまで進軍するとは思えない。

どこかで進軍が止まるのか、それを決めるのはウクライナ側なのか、それともロシア軍が阻止することになるのか。

このことで明らかになったのは、ウクライナが東部戦線で押し返しての領土奪還を断念したらしいということだ。

貴重な戦力をロシア領土内に振り向け、占領を続けようとしている(未確認)。

世間ではギャンブルだとしているが、そんなことはお構いなしだ。

西側はロシアとの全面戦争を始めた。

この戦いは、モスクワが陥落するまで続くだろう(そうなのかあ?)。

さもなければ、大西洋を見下ろす丘の上にロシア国旗が翻ることになるからな・・・。

🚀そーいえばあれはどーなった:スターシップ:IFT-52024年08月20日 11:53

そーいえばあれはどーなった:スターシップ:IFT-5


(スペースXのスターシップ5号機は8月下旬か9月に打ち上げられる見込み、マスク氏)
https://wccftech.com/spacexs-starship-flight-5-likely-in-late-august-or-september-says-musk/

「イーロン・マスク氏の最新のコメントによると、9月に行われる可能性が高い」

「タワーキャッチの危険性によりFAAの調査が長引いた」

「FAAは以前、スペースXが飛行経路に沿って打ち上げと回収作業を続けることを選択すれば、スターシップの承認を早めることができると述べていた。」

うーん、キャシールーダースはタワーキャッチ(メカジラによる1段目の回収)はIFT-5では見送られるようなことを言ってたんだがな。

やっぱ、やるんだ・・・。

「タワーキャッチとともに、スペースXがスターシップフライト5で実行する可能性のあるもう1つの重要なテストは、宇宙でのエンジン再点火です。」

まあ、これは当然やるだろうな。

「第2段では、SpaceXは4回目の飛行後に何千枚もの熱シールドタイルを完全に交換した。」

タイルの固定方法が同じなら、下地を増し塗りしたところで同じ結果になると思うんだがな。

まあいい。

「8月には、同社はRaptor 3の最初のテスト走行という形で、ロケットの最大のアップグレードであるエンジンをテストした。このエンジンは、以前の火災の原因となった主要部分に重点を置いたアップグレードにより、前任者よりも大幅に簡素化された設計になっており、推力が増加し、1トン以上の重量が軽減されている。」

この件については稿を改めて書く。

(スペースX、スターシップの5回目のテスト飛行に向けて準備を進める)
https://www.teslarati.com/spacex-tiptoes-toward-starship-fifth-test-flight/

「SpaceXは、統合飛行試験5(IFT-5)として知られるスターシップの次の試験飛行に向けて慎重に進んでいる。この試験飛行は本日、連邦機関の1つから承認を得たが、まだもう1つ承認が必要である。」

「7月にCEOのイーロン・マスク氏は、5回目の飛行は8月初旬に行われると発言したが、その時期はすでに過ぎている。今はすべて、連邦通信委員会(FCC)と連邦航空局(FAA)がスターシップの5回目のIFTをいつ承認するかにかかっている。」

「Starship の打ち上げが実行できるかどうかの最終決定権は FAA にあります。」

計画承認の遅れがタワーキャッチに関連しているらしいことは、初出の記事で見た通りだ。

米国の夏のバカンスシーズンで、お役所の対応がどうなっているのかは知らない。

FAAの担当者はたまらんだろうな・・・。

🚀スターシップ:ラプター3公開2024年08月20日 12:26

スターシップ:ラプター3公開
スターシップ:ラプター3公開


(さらに強く、シンプルに - スペースXが最強ロケットエンジン「ラプター3」公開)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240819-3008144/

「米宇宙企業スペースXは2024年8月4日、巨大宇宙船「スターシップ」に使うために開発中の新型ロケットエンジン「ラプター3」を公開」

「ラプター2の1基あたりの質量は1630kgだったところ、ラプター3では1525kg」

「関連するハードウェアすべてを含めた質量も、ラプター2では2875kgだったものが、1720kgにまで軽量化できた」

「推力の向上も果たし、ラプター2では230tfだったところ、ラプター3では280tfにまで増加」

「スペースXはまた、8月9日には、ラプター3の燃焼試験を行ったことを発表している(実際の試験日は不明)。」

記事では、その構造が劇的にシンプルになったことから、ULAのトリーブルーノが未完成エンジンと誤解したエピソードが紹介されている。

「たしかにシンプルだが、すべての部品が取り付けられていないのではないか」(スペースXのライバル企業であるユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)のCEOで、ロケット・エンジニアでもあるトリー・ブルーノ氏)

まあ、どうでもいいんですが。

(SpaceX の驚異的なロケットエンジンは複雑でありながらシンプルで、51% 強力)
https://wccftech.com/spacexs-stunning-rocket-engine-is-complex-yet-simple-51-more-powerful/

「最新のラプターエンジンの初テストに成功したという。ラプター3はスペースXのこれまでで最も強力なロケットエンジンで、耐熱シールドを必要とせず、接合部による損傷もなく、宇宙飛行のストレスに耐えられるように作られている。」

「エンジンは露出しているため、冷却が必要です。そのため、すべての部品に一体型冷却回路があります。そのため、外見は非常にシンプルに見えますが、内部は複雑です」(スペースXのCEO、イーロン・マスク氏)

このエンジンが、いつから実践投入されるかは不明だ。

ラプター1の燃焼室の過熱問題を克服し、さらに完成度を高めているようだ。

別記事では、さらなる高出力化(300tf)を狙っているとも報じられている。

スターシップは改良を続けながら実用化に向けて進化し続けている。

IFT-5がいつになるかは不明だが、ラプター3を搭載したスターシップが飛ぶのを早く見てみたい気がするな・・・。