🚀そーいえばあれはどーなった:みちびき6号機:「戦闘領域」 ― 2025年01月16日 01:42
そーいえばあれはどーなった:みちびき6号機:「戦闘領域」
(2025年始動!今年以降の日本・世界のロケット打ち上げ予定)
https://note.com/tenchijincompass/n/n308c7d616f5b
「(1)みちびき6号機
昨年末に打ち上げ予定日が発表された「みちびき6号」が、日本にとって2025年一発目の打ち上げになる予定です。利用されるロケットはH3ロケット5号機で、打ち上げ日は2025年2月1日を予定しています。」
浮沈子は忘れてないぞ・・・。
(怪しい「みちびき」)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/02/03/9560260
「問題なのは、我が国の独自衛星に、米軍のインスツルメントが搭載されることだろうな。
中国やロシアからの衛星攻撃のターゲットになるわけだ。」
そう、準天頂衛星と静止衛星を組み合わせたわが国独自の衛星測位システムに、静止軌道領域を監視する米軍のセンサーユニットが搭載される。
既に2年余り前に横田に搬入されていて、今般、みちびき6号機に無事に搭載されたようだ。
(準天頂衛星システム「みちびき」6号機の機体公開。7機体制で日本独自の測位実現へ前進)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20241127-3072703/
「みちびき 6号機には日米協力の一環として、宇宙状況把握能力を向上させるための米国製センサを載せている。この四角い箇所が、そのセンサだという」
アップの写真も載っているけど、肝心のセンサー部分には「飛行前に外すこと」(REMOVE BEFORE FLAIGHT)と書かれた黒いカバーが掛かっている(埃とかの対策でしょうけど:未確認)。
怪しい・・・。
実に怪しい!。
(「戦闘領域」と化した宇宙 米中の覇権争い、月の先へ)
https://www.asahi.com/articles/ASN5N7HSDN5MULZU017.html
「宇宙では偵察や通信、ミサイル誘導のための測位など多数の衛星がひしめく。日米が協力に一歩踏み出したのが、役目を終えた衛星やロケットの破片など宇宙ごみを監視する「宇宙状況監視(SSA)」だ。」(SSA:スペースシチュエーショナルアウェアネス)
「日本も米国との協力を本格化させる。昨年4月、日米の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、日本版GPS(全地球測位システム)と呼ばれる準天頂衛星システム「みちびき」に宇宙ごみの状況を把握する米国のセンサーを搭載することで合意。2023年度の打ち上げが予定されている。」(2020年5月の記事)
「米国にとって自国の機器が攻撃を受けたり故障で使えなくなったりした際に、必要な機能を維持できる」(防衛省防衛研究所の福島康仁・主任研究官)
既に指摘したように、みちびき自体が攻撃されるリスクに晒されることになる。
2年前の記事にも書いたけど、民間衛星を軍事目的に活用するのは当たり前になってきた。
(スカパーJ---大幅続伸、米軍との連携拡大に向けて協議と伝わる)
https://web.fisco.jp/platform/market-news/0009350020240321027
「米軍との連携拡大に向けた協議を進めると、米倉社長が明らかにしたと伝わっている。衛星を使った宇宙状況監視で協力、今後は安全保障分野を収益の柱に育てていく方針」
「同社では静止衛星を17基保有し、インド太平洋地域をカバーする静止衛星数では世界最多。同社の衛星を米軍が活用できるようにしていく計画のようだ。」
(スカパーJSAT、米軍と宇宙監視で協議 安保を収益源に)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN204KD0Q4A320C2000000/
「衛星を使った宇宙状況監視(SSA)で協力する。安全保障分野を収益の柱に育てる。」
まあいい。
浮沈子は、安全保障の充実に反対じゃない。
宇宙だろうが水中だろうが、使えるものは有効に使ってドンパチを未然に防ぐ抑止力とすべきだ。
それについて、我が国の唯一の同盟国である米国の軍隊と協力することは当然だろう。
が、それには義務と責任とリスクが伴う。
H3の打ち上げが失敗した時に政府関係者が懸念したのは、このみちびき6号機(7号機も含めて)の遅延だったと言われる。
ロシアや中国の軍事衛星が、軌道上で何をしているのかは知らないけど、みちびき6号機が原因不明の「故障」に見舞われないとも限らないからな。
「宇宙は徐々に「戦闘領域」へ様相を変えている。」(2020年の朝日の記事)
のほほんと、ロケットの打ち上げばっか口開けて見てる場合じゃないわけだ(見上げると、自然に口が開くけどな)。
まあ、どうでもいいんですが。
今年か来年早々に打ち上げられるだろうみちびき7号機にも、SSAセンサー(カメラとデータ処理ユニットだと思うけど)は搭載される。
搬入が済んでいるのかは知らない。
スカパーの報道では、あっちの衛星にも、今後いろいろ搭載されるみたいだからな。
「安全保障分野を収益の柱に育てる。」(再掲)
ぼーっと、衛星放送見てる場合じゃないような気もするんだがな・・・。
(2025年始動!今年以降の日本・世界のロケット打ち上げ予定)
https://note.com/tenchijincompass/n/n308c7d616f5b
「(1)みちびき6号機
昨年末に打ち上げ予定日が発表された「みちびき6号」が、日本にとって2025年一発目の打ち上げになる予定です。利用されるロケットはH3ロケット5号機で、打ち上げ日は2025年2月1日を予定しています。」
浮沈子は忘れてないぞ・・・。
(怪しい「みちびき」)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/02/03/9560260
「問題なのは、我が国の独自衛星に、米軍のインスツルメントが搭載されることだろうな。
中国やロシアからの衛星攻撃のターゲットになるわけだ。」
そう、準天頂衛星と静止衛星を組み合わせたわが国独自の衛星測位システムに、静止軌道領域を監視する米軍のセンサーユニットが搭載される。
既に2年余り前に横田に搬入されていて、今般、みちびき6号機に無事に搭載されたようだ。
(準天頂衛星システム「みちびき」6号機の機体公開。7機体制で日本独自の測位実現へ前進)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20241127-3072703/
「みちびき 6号機には日米協力の一環として、宇宙状況把握能力を向上させるための米国製センサを載せている。この四角い箇所が、そのセンサだという」
アップの写真も載っているけど、肝心のセンサー部分には「飛行前に外すこと」(REMOVE BEFORE FLAIGHT)と書かれた黒いカバーが掛かっている(埃とかの対策でしょうけど:未確認)。
怪しい・・・。
実に怪しい!。
(「戦闘領域」と化した宇宙 米中の覇権争い、月の先へ)
https://www.asahi.com/articles/ASN5N7HSDN5MULZU017.html
「宇宙では偵察や通信、ミサイル誘導のための測位など多数の衛星がひしめく。日米が協力に一歩踏み出したのが、役目を終えた衛星やロケットの破片など宇宙ごみを監視する「宇宙状況監視(SSA)」だ。」(SSA:スペースシチュエーショナルアウェアネス)
「日本も米国との協力を本格化させる。昨年4月、日米の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、日本版GPS(全地球測位システム)と呼ばれる準天頂衛星システム「みちびき」に宇宙ごみの状況を把握する米国のセンサーを搭載することで合意。2023年度の打ち上げが予定されている。」(2020年5月の記事)
「米国にとって自国の機器が攻撃を受けたり故障で使えなくなったりした際に、必要な機能を維持できる」(防衛省防衛研究所の福島康仁・主任研究官)
既に指摘したように、みちびき自体が攻撃されるリスクに晒されることになる。
2年前の記事にも書いたけど、民間衛星を軍事目的に活用するのは当たり前になってきた。
(スカパーJ---大幅続伸、米軍との連携拡大に向けて協議と伝わる)
https://web.fisco.jp/platform/market-news/0009350020240321027
「米軍との連携拡大に向けた協議を進めると、米倉社長が明らかにしたと伝わっている。衛星を使った宇宙状況監視で協力、今後は安全保障分野を収益の柱に育てていく方針」
「同社では静止衛星を17基保有し、インド太平洋地域をカバーする静止衛星数では世界最多。同社の衛星を米軍が活用できるようにしていく計画のようだ。」
(スカパーJSAT、米軍と宇宙監視で協議 安保を収益源に)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN204KD0Q4A320C2000000/
「衛星を使った宇宙状況監視(SSA)で協力する。安全保障分野を収益の柱に育てる。」
まあいい。
浮沈子は、安全保障の充実に反対じゃない。
宇宙だろうが水中だろうが、使えるものは有効に使ってドンパチを未然に防ぐ抑止力とすべきだ。
それについて、我が国の唯一の同盟国である米国の軍隊と協力することは当然だろう。
が、それには義務と責任とリスクが伴う。
H3の打ち上げが失敗した時に政府関係者が懸念したのは、このみちびき6号機(7号機も含めて)の遅延だったと言われる。
ロシアや中国の軍事衛星が、軌道上で何をしているのかは知らないけど、みちびき6号機が原因不明の「故障」に見舞われないとも限らないからな。
「宇宙は徐々に「戦闘領域」へ様相を変えている。」(2020年の朝日の記事)
のほほんと、ロケットの打ち上げばっか口開けて見てる場合じゃないわけだ(見上げると、自然に口が開くけどな)。
まあ、どうでもいいんですが。
今年か来年早々に打ち上げられるだろうみちびき7号機にも、SSAセンサー(カメラとデータ処理ユニットだと思うけど)は搭載される。
搬入が済んでいるのかは知らない。
スカパーの報道では、あっちの衛星にも、今後いろいろ搭載されるみたいだからな。
「安全保障分野を収益の柱に育てる。」(再掲)
ぼーっと、衛星放送見てる場合じゃないような気もするんだがな・・・。
😼欧州大戦争:ウクライナ戦線:停戦の条件 ― 2025年01月16日 13:24
欧州大戦争:ウクライナ戦線:停戦の条件
(プーチン氏、ウクライナのNATO加盟可能性消滅を要求へ-関係者)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-15/SQ4W6QDWLU6800
「ロシアはトランプ次期米大統領と交渉を行う場合、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)との軍事関係を劇的に縮小し、軍事能力が制限された中立国となることを要求する。」(ロシア大統領府の意向に詳しい関係者)
「NATOに加盟する個別の国が二国間の安全保障協定に基づきウクライナに兵器を供給し続けるとしても、その兵器がロシアに対して、あるいは領土奪回の目的で使用されることがあってはならない」(同上)
ロシアの停戦条件は、領土と安全保障だ。
領土については戦況に左右されるところがあるけど、安全保障はあまり変わらない(ほぼ一貫している)。
NATO加盟国との二国間での武器供与は認めるというのが、敢えて言えば今回の目新しいところだ。
EU加盟については、ロシアは従来から一貫して認めている。
プーチン政権の本音はともかく、ウクライナをNATOに加盟させないためにドンパチを継続しているようなもんだ(そうなのかあ?)。
戦争継続中には、加盟交渉は出来ないからな。
とすれば、停戦条件としてNATO加盟放棄、限定的軍事力による中立化というのは、少なくともロシア側からすれば合理的な話ということになる。
もちろん、ウクライナとしては身勝手に映るだろう。
一方的に侵略しといて、なんなんだあ!?。
「このような強硬な要求がウクライナの指導者にとって受け入れがたいものであることはほぼ確実」
もう一つ注目しておきたいのは、NATO加盟国からの武器供与は認めるとしているけど、兵士の派遣は認めていない点だろうな。
兵士と武器の両方を認めるということは、規模はともかく、NATO加盟と変わらない(第5条発動はどうなんだろうな)。
ロシアと北朝鮮との関係とは異なる(こっちは明確な軍事同盟だけどな)。
まあいい。
浮沈子的に違和感を感じたのは次のくだりだ・・・。
「プーチン氏の姿勢は、戦争を可及的速やかに終わらせたいと公言するトランプ氏の意向に反してもいるが、ロシアに交渉の余地を残そうとしている可能性もある。」
米国がウクライナに強力な圧力をかけ、ロシアの停戦条件を丸呑みさせることが出来れば24時間以内でも停戦は可能だと思うんだが、トランプとしては出来ない相談なんだろう。
これまでの一貫したロシア側の姿勢から見て、領土面ではともかく、安全保障の点でロシア側に妥協の余地はない。
結果として、停戦交渉は長引き、その間にロシアの侵略は進み、先に延ばせば延ばす程、交渉条件はウクライナ側に不利になっていく(少なくとも領土面において)。
それとも、今回のリークでNATO加盟国からの武器供与の継続を認めたことにより、安全保障面での譲歩の余地を示したことになるんだろうか。
いずれにせよ、ウクライナがほいほいと妥協する話じゃあないことだけは確かだ。
んなことすれば、現政権が崩壊しかねないからな。
それでなくても、最前線の状況は全体の戦局に影響を与えかねないほど悪化している。
(ポクロウシク炭鉱の喪失、ウクライナ軍の戦闘能力を間違いなく低下させる)
https://grandfleet.info/us-related/loss-of-pokrovsk-coal-mine-will-undoubtedly-weaken-the-combat-capability-of-the-ukrainian-military/
「コークス炭の国内供給を海外輸入に切り替えればコストが上昇し、ウクライナ経済への負担だけでなく、国内で生産されている装甲車や他の防衛プロジェクトにも影響を及ぼすだろう。さらに何百万トンものコークス炭を陸路でウクライナに輸送すれば戦争物資の物流にも影響を及ぼすため、ポクロウシク炭鉱の喪失はウクライナ軍の戦闘能力を間違いなく低下させる」(鉄鋼業界のアナリスト:ポクロウシク炭鉱を失う影響について:NYT)
「ポクロウシク近郊にはコークス炭を供給する炭鉱があったため経済的価値の喪失が甚大で、ここを永久に失うことになれば戦後のウクライナ経済にも暗い影を落とす」(航空万能論ブログ管理人)
まあ、まだ戦後のウクライナ経済を語るには時期尚早だと思うけどな。
ポクロフシク(ポクロウシク)炭鉱の喪失は、重層的多面的に戦況に深く大きな影響を与える。
「2024年夏には日7,000トンの石炭を採掘出来ていたが、12月中旬までに日2,000トンまで生産量が落ち込み、クリスマスイブに鉱山施設に電力を供給していた変電所が攻撃され、これが決定打になって炭鉱施設が閉鎖され生産量が0になった」(メティンベストの関係者)
「ウクライナの鉄鋼産業にとってポクロウシク炭鉱はコークス炭を供給する替えのきかない生産拠点で、戦時中のウクライナに不可欠な外貨獲得手段をもたらし、ウクライナ軍も炭鉱を守るため必死に抵抗を続けてきたが、その努力も終焉を迎えた」(NYT)
後になって振り返った時、ここを失ったことが戦局の転換点だったということになるような予感がするんだがな。
ロシア軍は、当初からその重大性を意識して、犠牲を厭わぬ攻撃を続けてきた。
ウクライナ側は、炭鉱施設を軍事利用されることを避けるため、坑道を爆薬で破壊していると言われる。
「12月中旬までにロシア軍が第3立坑から1マイル以内に接近したため、第3立坑の地下にある坑道が敵に利用される恐れが浮上。そのため鉱夫と軍は坑道を爆破するための穴を掘り、12月20日頃に爆破を実行して坑道の利用を出来なくした」
「コトリーネとウダチネにある別の立坑にも爆発物が仕掛けられた」
「まだ両拠点はウクライナ軍支配地域にあり、仕掛けられた爆発物で坑道が塞がれたかどうかは不明」
時間の問題だろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(プーチンの本当の狙いはウクライナの領土ではない…元駐日露大使が明かす「戦争終結後の大統領プラン」の全貌)
https://president.jp/articles/-/90202
パノフ氏が東郷氏の質問に答える形なんだが、元ロシア外務次官だけあって、浮沈子に負けず劣らず手前味噌なビジョン(妄想?)に憑りつかれている感じがする(パノフ氏の経歴は後述)。
長い記事なので気になったところだけ引用する。
「いまロシアはユーラシア大陸を一つの大陸と捉え、ユーラシア安全保障システムを構築することを提案しています。ラブロフ外相が述べたように、モスクワと北京はすでにそのような構想について話し合いを始めています。」
手前味噌なら、浮沈子も負けないぞ!(そういうことかあ?)。
ウクライナ戦争は、欧州大戦争に繋がり、米国「一極」主義から米国「一国」主義へと変わっていく国際情勢の流れの中で、中国を中核とした新たな世界秩序へと動いていく・・・。
「欧州はその主権をほとんど失い、アメリカに従属する立場」
「冷戦終結後の最初の数十年において確立された世界秩序を全面的に見直し、根本的に崩壊させるプロセスの始まり」
「ウクライナでの出来事はそのプロセスを加速させ、今後の方向性をある程度決定づけただけ」
「我々でない者は我々に敵対する」(ブッシュ・ジュニア大統領)
「各国は既存の世界システムのテーブルにつくか、メニューに載るかの選択をしなければならない」=「テーブルにつかなければ食料として消費される」(ブリンケン)
「アメリカはもはや世界において無条件の支配力を持たない」(米中央情報局(CIA)のリチャード・バーンズ長官←ウイリアムバーンズの間違い)
「BRICSは過去1年間で加盟国を2倍以上に増やしました。いまや人口と経済規模で世界の多数派を占めています。」
「ロシアの多極世界構想と中国の「一帯一路」構想」
「これらは互いに矛盾するものではなく、十分に両立可能」
パノフ氏はロシア側だからな。
一応、「多極化」という方にウエイトを置いておかないとな・・・。
「多極的な世界秩序に向けた動きは始まっています。」
NATOに対する認識は、もう、強迫観念としか言いようがない。
「ロシアの安全保障に対する恒久的な脅威をつくり出し、それによって包括的な封じ込めを行うことが目標」
この認識の下で、ウクライナがNATOに加盟することをロシアが容認する可能性はゼロだ。
「ウクライナでの出来事は、アメリカにとってヨーロッパ支配を維持するチャンスです。彼らはこのチャンスを最大限生かすつもりなのです。」
「ロシアと西側の対立は長期にわたって続く」
「ロシアに対する制裁も、ウクライナ紛争がどのような形で終結するかにかかわらず、継続される」
「アメリカと欧州の中国封じ込め政策も、現在と違った形になったとしても維持される」
これは、西側と対立するブロック経済を促進する。
経済だけじゃない。
「世界の軍事的・政治的緊張が緩和されるとは思えません。」
「国際社会は危険で不安定な状態が続いています。今後、緊張が拡大する可能性もあり、それを抑え込むのは極めて困難」
「軍事費が増大し、武器の生産は増加し、軍拡競争が進められ、軍産複合体が巨大利益をあげる一方、社会的ニーズや環境保全、気候変動、伝染病の予防や対策といった普遍的問題を解決するために配分される資源は少なくなる」
「ロシアとアメリカ及びEUの関係は、歴史的な観点から見れば、これまでと同じレベルになることはない」
なんか、お先真っ暗だな・・・。
「NATOとロシアの戦争が直近において起こるとは思いません。しかし、緊張関係は残ります。」
明日にでも欧州大戦争が勃発すると確信している浮沈子的には、やや認識が甘い気がするけどな。
「近い将来、ロシア・中国・アメリカの三角形の関係が、国際関係と国際政治の発展を大きく左右する」
「多極化した世界が生まれるまでには長い時間がかかりますし、その間に様々な同盟や連合が生まれる」
「それらの同盟や連合は公然と対立しなくても、自国の利益を確保するために競争し、争うはず」
国際間の対立を、武力紛争に発展させないことが肝要だ。
元外交官として、パノフ氏はそのことを大いに自覚してるに違いない(希望的観測かあ?)。
「アレクサンドル・パノフ(Alexander Panov):
1944年モスクワ生まれ。1968年ソ連外務省入省。ソ連外務省太平洋・東南アジア局長、ロシア外務省アジア太平洋局長、駐韓国ロシア大使などを経て、1994年にロシア外務次官。1996年、モスクワ国立国際関係大学で政治学博士号を取得。同年から2003年まで駐日ロシア大使。その後、ノルウェー大使、ロシア外交学院長を経て、現在はモスクワ国立国際関係大学教授、アメリカ・カナダ研究所上席研究員。」
外務次官の前に、韓国に大使として赴任しているけど、ロシアの任官制度としてユニークかどうかは知らない(米国のバーンズCIA長官も駐ロシア大使だったしな)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナ侵攻は、ロシアがどう言い繕おうとも「やっちゃいけない手口」であることに変わりはない。
が、仮にイスタンブール合意が成立してたとしても、パノフ氏の見立てではウクライナ紛争(欧州大戦争への序盤戦?)は避けようがなかったとも言える(そうなのかあ?)。
「冷戦終結後の最初の数十年において確立された世界秩序を全面的に見直し、根本的に崩壊させるプロセスの始まり」(再掲)
「ウクライナでの出来事はそのプロセスを加速させ、今後の方向性をある程度決定づけただけ」(再掲)
ロシアの立場に忖度せざるを得ないとは言いながら、パノフ氏の見立てはロシア中国イラン北朝鮮(ひょっとしてインドや南アも)に受け入れられ易いに違いない(未確認)。
最近ブリックス入りしたインドネシアとか、従来からロシア(ソ連)寄りだったベトナムとかもな。
「BRICSは過去1年間で加盟国を2倍以上に増やしました。いまや人口と経済規模で世界の多数派を占めています。」(再掲)
ウクライナ政府は、最近ドイツがロシアと接触したとか言って非難してたけど、ロシアとしては世界で孤立しているなどとは夢にも思っていないに違いないのだ(未確認)。
まあいい。
パノフ氏の見解が、そのままロシア政府の見解でないことは注意しなければならないけど、ウクライナ紛争の停戦や欧州大戦争(浮沈子の単なる妄想ですが)への対応で、踏まえておかなければならないことは間違いない。
特に、中国とロシアが同じ船に乗っているという認識は重要だ。
その船がユーラシア大陸という大船であることもな(画像参照:アイスランドは描かれていても、グリーンランドがないところは意味深長?)。
西側の認識では、米国、欧州、その他大勢という3極で括られることが多いけど、ロシアが認識する多極化とは少し異なる感じだ(未確認)。
ウクライナ紛争の停戦条件は、「ユーラシア大陸を一つの大陸と捉え(た)ユーラシア安全保障システムを構築」を前提として整えられなければならない。
NATOの「ナの字」も入る余地はない。
構成国からの武器供与を認めることが、ロシアにとってどれ程踏み込んだ譲歩であるかを痛感する(それ程のものかあ?)。
今のところロシア側に、積極的に停戦に応じなければならない動機はない。
いや、どう考えても、ない!。
足元を見透かされているトランプ政権や、当事者能力を疑問視されているウクライナの現政権は、いいように翻弄されるだろう(ソ連時代から、そういうのは得意だからな・・・)。
それでも、米国はガザ紛争を停戦に導いた。
トランプの脅しが効いたのかどうかは知らない。
柳の下に二匹目のドジョウはいるのかな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(停戦に向けてウクライナに残された3つのシナリオ)
https://toyokeizai.net/articles/-/852637
「最近、ロシアのテレビ局RTのウェブ版に掲載された、ロシア国立研究大学経済高等学院教授のドミトリー・トレーニン氏の「ロシア勝利後のウクライナはどうあるべきか」という論稿が興味深い。」
「ロシア側に都合のいい論理ではあるが、ロシア側の見方の1つとして紹介」
うーん、最近の停戦関係の記事は、ロシア側からの提案が多いな。
西側からの提案が表沙汰にならないこともあるだろう。
戦場で勝てないウクライナと、戦争を止めさせたい米国新政権とを足しても(掛け算しても?)、いい案が出てこないということもある。
「第1は、ロシアによる完全統合のモデルだ。ロシアはウクライナをリヴィウまで、NATOの境界まで統合するという案である。」
「第1のモデルは「完全なロシア化」であり、そのためには戦争は今後も続き、完全なウクライナの敗北まで終わることはないだろう。だから、実現性のあるモデルではない。」
「第2は、破綻国家としてのモデルだ。西欧に捨てられた破綻国家として断片的に存在するというモデルである。」
「第2のモデルは、ウクライナの敗北が完全な主権喪失になり、シリアやイラクのようなアナーキーな国家として混沌とした状況の不安定地帯としてのウクライナが続く。」
「第3は、ウクライナを2つに分割するモデルだ。これがもっとも現実的、利点のあるモデルであるという。」
以前取り上げた、侵攻初期の分割案に似ているけど、最終的に残るウクライナが新ロシアの傀儡政権という点が異なる。
分割され、東欧に統合された「自由ウクライナ」と、経済的にロシアに統合され、政治的に中立を保つ「新ウクライナ」だ。
「第3のモデルこそ現実的なモデル」
そうなのかあ?。
「残された西ウクライナの西の地域、すなわち自由ウクライナはポーランド、ハンガリー、ルーマニア、スロバキアに返還され、ウクライナのNATO入りはほぼ実現するものの、それはもはやウクライナとしてのウクライナではなくなる」
「新ウクライナは、国家として存続するものの、ロシアと密接な旧ソ連の共和国と同じような位置づけになり、NATOやEUとの関係が完全に断たれ、BRICS経済圏に包含」
「これはあくまでも1つのロシア人の案であり、プーチンの案ではない。」
過去に、プーチン自身が口にしたと言われるモデルだけに、ロシアのプランとしての信ぴょう性は高い。
「戦況を有利に展開するロシアは、占領した地域のみならずウクライナ全土を中立の非武装地帯として考えることは間違いない」
3択というのは、あくまでロシアから見ての話で、ウクライナはロシアが提示した停戦条件を呑むか、あくまで独立国家の建設を目指して戦闘を継続するかの2択になる。
(ロシア国防省「占領地63%奪還」 ウクライナの越境攻撃へ巻き返し)
https://www.asahi.com/articles/AST1K3F5ZT1KUHBI02YM.html
「ロシア国防省は17日、南西部クルスク州でウクライナ軍の越境攻撃を受けて占領された領土のうち、すでに63%を奪還したと発表」
「ロシア国防省によると、ウクライナ軍が一時占領した1268平方キロのうち、17日時点で63・2%にあたる801平方キロを奪還した」
「省がウクライナ軍に一時占領された面積を公表するのは異例で、同州での戦況に自信を深めている可能性」
まあ、どうでもいいんですが。
先の的場氏の記事では、ドミトリー・トレーニン氏による「ロシアの歴史的使命」とやらが解説されている。
「クリミア、ドンバス、そしてザポリージヤ、ルガンスクはすでに国民投票によってロシアとなっている。さらにおそらく、オデーサ、ドニプロ、ハリキウもロシアとなるだろう」
「ウクライナとして残る地域はどうなるのか。モスクワの歴史的使命はドンバスや新ロシアの解放では終わらない。ウクライナをファシストであるバンデラ主義者から解放することが目的」
「ウクライナはそこに住む人々のものであるが、ロシアはそこに住む人々と土地にしっかりと根付いていて、ウクライナを復興させる義務を負い、同盟として平和的なパートナーにする義務がある」
報道によれば、冬季にも拘らず、ウクライナのエネルギーインフラへの攻撃が連日続いていると言われる。
ロシア側からすれば、ウクライナの継戦能力を奪うためということになるんだろうが、ウクライナのロシア本土(クルスク含む:東部などの占領地ではなく)への越境攻撃も同じ理由だろう。
ロシアでは、侵攻当初からウクライナ西部地域の統治をどうするかという点が議論されている。
ロシアがネオナチと呼ぶ「反ロシア主義」(バンデラ主義)が定着しているからな。
直接統治は困難だと見ているんだろう。
そこを東欧諸国に押し付け、ウクライナを分割統治するというのは以前からのアイデアであり、プーチンも以前に言及したことがあるようだ(ルーマニアに打診したらしい)。
「今後の状況は、どこまでウクライナが譲歩できるかという問題と、西欧勢力が武器の支援を行わないという条件にかかっているといえる。」
既に見たように、ロシアは限定的な武器供与を認めると譲歩している(譲歩なのかあ?)。
浮沈子の妄想では、少なくとも東欧諸国はいずれロシアの勢力圏内に取り込まれるだろうから、一時的に分割統治したところで問題はない。
記事で紹介されているドミトリー・トレーニン氏のプランの中にも、その影はちらつく。
「新ウクライナは、ソビエト時代の共和国より独立性を持つという。このウクライナはロシア経済圏、そしてユーラシア経済圏に包摂される。その場合、ウクライナのオリガルヒ(新興財閥)も排除される。」(「新ウクライナ」:東欧に分割されずに、親ロシアの傀儡政権が統治する地域とされる。)
「こうして新ウクライナは東スラブ文明の一翼として存在し、独立した旧ソビエト国家と同様に、ロシアとの密接な関係を保つ国家となり、ウクライナ正教会が新しい国家の精神的支柱となる」
余計なお世話だな・・・。
プーチンは、ウクライナのEU加盟を認めると一貫して表明している。
「新ウクライナ」のロシア経済圏への取り込みは、このスタンスに反しているように見える。
しかし、中国と画策する「ユーラシア経済圏」とやらが完成すれば、そこにはEUも含まれることになるからな(そんなあ!)。
ウクライナ停戦とその後の統治にどんなプランを選択したとしても、それはあくまで一時的なものに過ぎず、「汎ユーラシア主義」的グランドデザインの中に包摂されていくことになる(そうなのかあ?)。
ウクライナ紛争やトランプ政権の誕生は、それを加速するだけの話なのかもしれない。
ウクライナから手を引き、欧州から手を引き、カナダやグリーンランドやパナマやメキシコ(そうだったっけえ?)に気を取られるということは、米国は既に守りの姿勢に入っているということなわけだ(そういうことかあ?)。
英国は、ウクライナと100年付き合うことにしたと言われる。
(英・ウクライナが「100年パートナー協定」締結 スターマー首相がキーウ初訪問)
https://www.sankei.com/article/20250117-56ZWIX6H5FPYHESPBFY3CHMNMI/
「両首脳は、今後100年間にわたりウクライナと英国が軍事や経済、技術など幅広い分野で協力することを定めた「100年パートナーシップ協定」に署名」
「英国はウクライナの安全を保証するために全力を尽くす」(スターマー氏)
「両国と欧州大西洋地域を強化し、今後の両国民の相互協力の基礎となるものだ」(ゼレンスキー氏)
英国には、ウクライナ紛争においてボリスジョンソンがイスタンブール合意をぶっ壊した前科もあるし(プーチンは忘れられんだろうな・・・)。
地政学的には、英国はビミョーな位置にある。
ロシアや中国が、この地域に手を付けることになるかどうかは何とも言えない。
大西洋を挟んで、米国の経済圏に留まることが出来るかどうかが問題だ。
それは、同じく太平洋を挟んで米国と繋がりながらユーラシア経済圏と対峙する我が国も同じ立場だ(そうなのかあ?)。
今後100年間を見通す認識が、現在の我が国にあるのかどうかは知らない。
大国の周縁は辛いな・・・。
(プーチン氏、ウクライナのNATO加盟可能性消滅を要求へ-関係者)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-15/SQ4W6QDWLU6800
「ロシアはトランプ次期米大統領と交渉を行う場合、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)との軍事関係を劇的に縮小し、軍事能力が制限された中立国となることを要求する。」(ロシア大統領府の意向に詳しい関係者)
「NATOに加盟する個別の国が二国間の安全保障協定に基づきウクライナに兵器を供給し続けるとしても、その兵器がロシアに対して、あるいは領土奪回の目的で使用されることがあってはならない」(同上)
ロシアの停戦条件は、領土と安全保障だ。
領土については戦況に左右されるところがあるけど、安全保障はあまり変わらない(ほぼ一貫している)。
NATO加盟国との二国間での武器供与は認めるというのが、敢えて言えば今回の目新しいところだ。
EU加盟については、ロシアは従来から一貫して認めている。
プーチン政権の本音はともかく、ウクライナをNATOに加盟させないためにドンパチを継続しているようなもんだ(そうなのかあ?)。
戦争継続中には、加盟交渉は出来ないからな。
とすれば、停戦条件としてNATO加盟放棄、限定的軍事力による中立化というのは、少なくともロシア側からすれば合理的な話ということになる。
もちろん、ウクライナとしては身勝手に映るだろう。
一方的に侵略しといて、なんなんだあ!?。
「このような強硬な要求がウクライナの指導者にとって受け入れがたいものであることはほぼ確実」
もう一つ注目しておきたいのは、NATO加盟国からの武器供与は認めるとしているけど、兵士の派遣は認めていない点だろうな。
兵士と武器の両方を認めるということは、規模はともかく、NATO加盟と変わらない(第5条発動はどうなんだろうな)。
ロシアと北朝鮮との関係とは異なる(こっちは明確な軍事同盟だけどな)。
まあいい。
浮沈子的に違和感を感じたのは次のくだりだ・・・。
「プーチン氏の姿勢は、戦争を可及的速やかに終わらせたいと公言するトランプ氏の意向に反してもいるが、ロシアに交渉の余地を残そうとしている可能性もある。」
米国がウクライナに強力な圧力をかけ、ロシアの停戦条件を丸呑みさせることが出来れば24時間以内でも停戦は可能だと思うんだが、トランプとしては出来ない相談なんだろう。
これまでの一貫したロシア側の姿勢から見て、領土面ではともかく、安全保障の点でロシア側に妥協の余地はない。
結果として、停戦交渉は長引き、その間にロシアの侵略は進み、先に延ばせば延ばす程、交渉条件はウクライナ側に不利になっていく(少なくとも領土面において)。
それとも、今回のリークでNATO加盟国からの武器供与の継続を認めたことにより、安全保障面での譲歩の余地を示したことになるんだろうか。
いずれにせよ、ウクライナがほいほいと妥協する話じゃあないことだけは確かだ。
んなことすれば、現政権が崩壊しかねないからな。
それでなくても、最前線の状況は全体の戦局に影響を与えかねないほど悪化している。
(ポクロウシク炭鉱の喪失、ウクライナ軍の戦闘能力を間違いなく低下させる)
https://grandfleet.info/us-related/loss-of-pokrovsk-coal-mine-will-undoubtedly-weaken-the-combat-capability-of-the-ukrainian-military/
「コークス炭の国内供給を海外輸入に切り替えればコストが上昇し、ウクライナ経済への負担だけでなく、国内で生産されている装甲車や他の防衛プロジェクトにも影響を及ぼすだろう。さらに何百万トンものコークス炭を陸路でウクライナに輸送すれば戦争物資の物流にも影響を及ぼすため、ポクロウシク炭鉱の喪失はウクライナ軍の戦闘能力を間違いなく低下させる」(鉄鋼業界のアナリスト:ポクロウシク炭鉱を失う影響について:NYT)
「ポクロウシク近郊にはコークス炭を供給する炭鉱があったため経済的価値の喪失が甚大で、ここを永久に失うことになれば戦後のウクライナ経済にも暗い影を落とす」(航空万能論ブログ管理人)
まあ、まだ戦後のウクライナ経済を語るには時期尚早だと思うけどな。
ポクロフシク(ポクロウシク)炭鉱の喪失は、重層的多面的に戦況に深く大きな影響を与える。
「2024年夏には日7,000トンの石炭を採掘出来ていたが、12月中旬までに日2,000トンまで生産量が落ち込み、クリスマスイブに鉱山施設に電力を供給していた変電所が攻撃され、これが決定打になって炭鉱施設が閉鎖され生産量が0になった」(メティンベストの関係者)
「ウクライナの鉄鋼産業にとってポクロウシク炭鉱はコークス炭を供給する替えのきかない生産拠点で、戦時中のウクライナに不可欠な外貨獲得手段をもたらし、ウクライナ軍も炭鉱を守るため必死に抵抗を続けてきたが、その努力も終焉を迎えた」(NYT)
後になって振り返った時、ここを失ったことが戦局の転換点だったということになるような予感がするんだがな。
ロシア軍は、当初からその重大性を意識して、犠牲を厭わぬ攻撃を続けてきた。
ウクライナ側は、炭鉱施設を軍事利用されることを避けるため、坑道を爆薬で破壊していると言われる。
「12月中旬までにロシア軍が第3立坑から1マイル以内に接近したため、第3立坑の地下にある坑道が敵に利用される恐れが浮上。そのため鉱夫と軍は坑道を爆破するための穴を掘り、12月20日頃に爆破を実行して坑道の利用を出来なくした」
「コトリーネとウダチネにある別の立坑にも爆発物が仕掛けられた」
「まだ両拠点はウクライナ軍支配地域にあり、仕掛けられた爆発物で坑道が塞がれたかどうかは不明」
時間の問題だろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(プーチンの本当の狙いはウクライナの領土ではない…元駐日露大使が明かす「戦争終結後の大統領プラン」の全貌)
https://president.jp/articles/-/90202
パノフ氏が東郷氏の質問に答える形なんだが、元ロシア外務次官だけあって、浮沈子に負けず劣らず手前味噌なビジョン(妄想?)に憑りつかれている感じがする(パノフ氏の経歴は後述)。
長い記事なので気になったところだけ引用する。
「いまロシアはユーラシア大陸を一つの大陸と捉え、ユーラシア安全保障システムを構築することを提案しています。ラブロフ外相が述べたように、モスクワと北京はすでにそのような構想について話し合いを始めています。」
手前味噌なら、浮沈子も負けないぞ!(そういうことかあ?)。
ウクライナ戦争は、欧州大戦争に繋がり、米国「一極」主義から米国「一国」主義へと変わっていく国際情勢の流れの中で、中国を中核とした新たな世界秩序へと動いていく・・・。
「欧州はその主権をほとんど失い、アメリカに従属する立場」
「冷戦終結後の最初の数十年において確立された世界秩序を全面的に見直し、根本的に崩壊させるプロセスの始まり」
「ウクライナでの出来事はそのプロセスを加速させ、今後の方向性をある程度決定づけただけ」
「我々でない者は我々に敵対する」(ブッシュ・ジュニア大統領)
「各国は既存の世界システムのテーブルにつくか、メニューに載るかの選択をしなければならない」=「テーブルにつかなければ食料として消費される」(ブリンケン)
「アメリカはもはや世界において無条件の支配力を持たない」(米中央情報局(CIA)のリチャード・バーンズ長官←ウイリアムバーンズの間違い)
「BRICSは過去1年間で加盟国を2倍以上に増やしました。いまや人口と経済規模で世界の多数派を占めています。」
「ロシアの多極世界構想と中国の「一帯一路」構想」
「これらは互いに矛盾するものではなく、十分に両立可能」
パノフ氏はロシア側だからな。
一応、「多極化」という方にウエイトを置いておかないとな・・・。
「多極的な世界秩序に向けた動きは始まっています。」
NATOに対する認識は、もう、強迫観念としか言いようがない。
「ロシアの安全保障に対する恒久的な脅威をつくり出し、それによって包括的な封じ込めを行うことが目標」
この認識の下で、ウクライナがNATOに加盟することをロシアが容認する可能性はゼロだ。
「ウクライナでの出来事は、アメリカにとってヨーロッパ支配を維持するチャンスです。彼らはこのチャンスを最大限生かすつもりなのです。」
「ロシアと西側の対立は長期にわたって続く」
「ロシアに対する制裁も、ウクライナ紛争がどのような形で終結するかにかかわらず、継続される」
「アメリカと欧州の中国封じ込め政策も、現在と違った形になったとしても維持される」
これは、西側と対立するブロック経済を促進する。
経済だけじゃない。
「世界の軍事的・政治的緊張が緩和されるとは思えません。」
「国際社会は危険で不安定な状態が続いています。今後、緊張が拡大する可能性もあり、それを抑え込むのは極めて困難」
「軍事費が増大し、武器の生産は増加し、軍拡競争が進められ、軍産複合体が巨大利益をあげる一方、社会的ニーズや環境保全、気候変動、伝染病の予防や対策といった普遍的問題を解決するために配分される資源は少なくなる」
「ロシアとアメリカ及びEUの関係は、歴史的な観点から見れば、これまでと同じレベルになることはない」
なんか、お先真っ暗だな・・・。
「NATOとロシアの戦争が直近において起こるとは思いません。しかし、緊張関係は残ります。」
明日にでも欧州大戦争が勃発すると確信している浮沈子的には、やや認識が甘い気がするけどな。
「近い将来、ロシア・中国・アメリカの三角形の関係が、国際関係と国際政治の発展を大きく左右する」
「多極化した世界が生まれるまでには長い時間がかかりますし、その間に様々な同盟や連合が生まれる」
「それらの同盟や連合は公然と対立しなくても、自国の利益を確保するために競争し、争うはず」
国際間の対立を、武力紛争に発展させないことが肝要だ。
元外交官として、パノフ氏はそのことを大いに自覚してるに違いない(希望的観測かあ?)。
「アレクサンドル・パノフ(Alexander Panov):
1944年モスクワ生まれ。1968年ソ連外務省入省。ソ連外務省太平洋・東南アジア局長、ロシア外務省アジア太平洋局長、駐韓国ロシア大使などを経て、1994年にロシア外務次官。1996年、モスクワ国立国際関係大学で政治学博士号を取得。同年から2003年まで駐日ロシア大使。その後、ノルウェー大使、ロシア外交学院長を経て、現在はモスクワ国立国際関係大学教授、アメリカ・カナダ研究所上席研究員。」
外務次官の前に、韓国に大使として赴任しているけど、ロシアの任官制度としてユニークかどうかは知らない(米国のバーンズCIA長官も駐ロシア大使だったしな)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナ侵攻は、ロシアがどう言い繕おうとも「やっちゃいけない手口」であることに変わりはない。
が、仮にイスタンブール合意が成立してたとしても、パノフ氏の見立てではウクライナ紛争(欧州大戦争への序盤戦?)は避けようがなかったとも言える(そうなのかあ?)。
「冷戦終結後の最初の数十年において確立された世界秩序を全面的に見直し、根本的に崩壊させるプロセスの始まり」(再掲)
「ウクライナでの出来事はそのプロセスを加速させ、今後の方向性をある程度決定づけただけ」(再掲)
ロシアの立場に忖度せざるを得ないとは言いながら、パノフ氏の見立てはロシア中国イラン北朝鮮(ひょっとしてインドや南アも)に受け入れられ易いに違いない(未確認)。
最近ブリックス入りしたインドネシアとか、従来からロシア(ソ連)寄りだったベトナムとかもな。
「BRICSは過去1年間で加盟国を2倍以上に増やしました。いまや人口と経済規模で世界の多数派を占めています。」(再掲)
ウクライナ政府は、最近ドイツがロシアと接触したとか言って非難してたけど、ロシアとしては世界で孤立しているなどとは夢にも思っていないに違いないのだ(未確認)。
まあいい。
パノフ氏の見解が、そのままロシア政府の見解でないことは注意しなければならないけど、ウクライナ紛争の停戦や欧州大戦争(浮沈子の単なる妄想ですが)への対応で、踏まえておかなければならないことは間違いない。
特に、中国とロシアが同じ船に乗っているという認識は重要だ。
その船がユーラシア大陸という大船であることもな(画像参照:アイスランドは描かれていても、グリーンランドがないところは意味深長?)。
西側の認識では、米国、欧州、その他大勢という3極で括られることが多いけど、ロシアが認識する多極化とは少し異なる感じだ(未確認)。
ウクライナ紛争の停戦条件は、「ユーラシア大陸を一つの大陸と捉え(た)ユーラシア安全保障システムを構築」を前提として整えられなければならない。
NATOの「ナの字」も入る余地はない。
構成国からの武器供与を認めることが、ロシアにとってどれ程踏み込んだ譲歩であるかを痛感する(それ程のものかあ?)。
今のところロシア側に、積極的に停戦に応じなければならない動機はない。
いや、どう考えても、ない!。
足元を見透かされているトランプ政権や、当事者能力を疑問視されているウクライナの現政権は、いいように翻弄されるだろう(ソ連時代から、そういうのは得意だからな・・・)。
それでも、米国はガザ紛争を停戦に導いた。
トランプの脅しが効いたのかどうかは知らない。
柳の下に二匹目のドジョウはいるのかな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(停戦に向けてウクライナに残された3つのシナリオ)
https://toyokeizai.net/articles/-/852637
「最近、ロシアのテレビ局RTのウェブ版に掲載された、ロシア国立研究大学経済高等学院教授のドミトリー・トレーニン氏の「ロシア勝利後のウクライナはどうあるべきか」という論稿が興味深い。」
「ロシア側に都合のいい論理ではあるが、ロシア側の見方の1つとして紹介」
うーん、最近の停戦関係の記事は、ロシア側からの提案が多いな。
西側からの提案が表沙汰にならないこともあるだろう。
戦場で勝てないウクライナと、戦争を止めさせたい米国新政権とを足しても(掛け算しても?)、いい案が出てこないということもある。
「第1は、ロシアによる完全統合のモデルだ。ロシアはウクライナをリヴィウまで、NATOの境界まで統合するという案である。」
「第1のモデルは「完全なロシア化」であり、そのためには戦争は今後も続き、完全なウクライナの敗北まで終わることはないだろう。だから、実現性のあるモデルではない。」
「第2は、破綻国家としてのモデルだ。西欧に捨てられた破綻国家として断片的に存在するというモデルである。」
「第2のモデルは、ウクライナの敗北が完全な主権喪失になり、シリアやイラクのようなアナーキーな国家として混沌とした状況の不安定地帯としてのウクライナが続く。」
「第3は、ウクライナを2つに分割するモデルだ。これがもっとも現実的、利点のあるモデルであるという。」
以前取り上げた、侵攻初期の分割案に似ているけど、最終的に残るウクライナが新ロシアの傀儡政権という点が異なる。
分割され、東欧に統合された「自由ウクライナ」と、経済的にロシアに統合され、政治的に中立を保つ「新ウクライナ」だ。
「第3のモデルこそ現実的なモデル」
そうなのかあ?。
「残された西ウクライナの西の地域、すなわち自由ウクライナはポーランド、ハンガリー、ルーマニア、スロバキアに返還され、ウクライナのNATO入りはほぼ実現するものの、それはもはやウクライナとしてのウクライナではなくなる」
「新ウクライナは、国家として存続するものの、ロシアと密接な旧ソ連の共和国と同じような位置づけになり、NATOやEUとの関係が完全に断たれ、BRICS経済圏に包含」
「これはあくまでも1つのロシア人の案であり、プーチンの案ではない。」
過去に、プーチン自身が口にしたと言われるモデルだけに、ロシアのプランとしての信ぴょう性は高い。
「戦況を有利に展開するロシアは、占領した地域のみならずウクライナ全土を中立の非武装地帯として考えることは間違いない」
3択というのは、あくまでロシアから見ての話で、ウクライナはロシアが提示した停戦条件を呑むか、あくまで独立国家の建設を目指して戦闘を継続するかの2択になる。
(ロシア国防省「占領地63%奪還」 ウクライナの越境攻撃へ巻き返し)
https://www.asahi.com/articles/AST1K3F5ZT1KUHBI02YM.html
「ロシア国防省は17日、南西部クルスク州でウクライナ軍の越境攻撃を受けて占領された領土のうち、すでに63%を奪還したと発表」
「ロシア国防省によると、ウクライナ軍が一時占領した1268平方キロのうち、17日時点で63・2%にあたる801平方キロを奪還した」
「省がウクライナ軍に一時占領された面積を公表するのは異例で、同州での戦況に自信を深めている可能性」
まあ、どうでもいいんですが。
先の的場氏の記事では、ドミトリー・トレーニン氏による「ロシアの歴史的使命」とやらが解説されている。
「クリミア、ドンバス、そしてザポリージヤ、ルガンスクはすでに国民投票によってロシアとなっている。さらにおそらく、オデーサ、ドニプロ、ハリキウもロシアとなるだろう」
「ウクライナとして残る地域はどうなるのか。モスクワの歴史的使命はドンバスや新ロシアの解放では終わらない。ウクライナをファシストであるバンデラ主義者から解放することが目的」
「ウクライナはそこに住む人々のものであるが、ロシアはそこに住む人々と土地にしっかりと根付いていて、ウクライナを復興させる義務を負い、同盟として平和的なパートナーにする義務がある」
報道によれば、冬季にも拘らず、ウクライナのエネルギーインフラへの攻撃が連日続いていると言われる。
ロシア側からすれば、ウクライナの継戦能力を奪うためということになるんだろうが、ウクライナのロシア本土(クルスク含む:東部などの占領地ではなく)への越境攻撃も同じ理由だろう。
ロシアでは、侵攻当初からウクライナ西部地域の統治をどうするかという点が議論されている。
ロシアがネオナチと呼ぶ「反ロシア主義」(バンデラ主義)が定着しているからな。
直接統治は困難だと見ているんだろう。
そこを東欧諸国に押し付け、ウクライナを分割統治するというのは以前からのアイデアであり、プーチンも以前に言及したことがあるようだ(ルーマニアに打診したらしい)。
「今後の状況は、どこまでウクライナが譲歩できるかという問題と、西欧勢力が武器の支援を行わないという条件にかかっているといえる。」
既に見たように、ロシアは限定的な武器供与を認めると譲歩している(譲歩なのかあ?)。
浮沈子の妄想では、少なくとも東欧諸国はいずれロシアの勢力圏内に取り込まれるだろうから、一時的に分割統治したところで問題はない。
記事で紹介されているドミトリー・トレーニン氏のプランの中にも、その影はちらつく。
「新ウクライナは、ソビエト時代の共和国より独立性を持つという。このウクライナはロシア経済圏、そしてユーラシア経済圏に包摂される。その場合、ウクライナのオリガルヒ(新興財閥)も排除される。」(「新ウクライナ」:東欧に分割されずに、親ロシアの傀儡政権が統治する地域とされる。)
「こうして新ウクライナは東スラブ文明の一翼として存在し、独立した旧ソビエト国家と同様に、ロシアとの密接な関係を保つ国家となり、ウクライナ正教会が新しい国家の精神的支柱となる」
余計なお世話だな・・・。
プーチンは、ウクライナのEU加盟を認めると一貫して表明している。
「新ウクライナ」のロシア経済圏への取り込みは、このスタンスに反しているように見える。
しかし、中国と画策する「ユーラシア経済圏」とやらが完成すれば、そこにはEUも含まれることになるからな(そんなあ!)。
ウクライナ停戦とその後の統治にどんなプランを選択したとしても、それはあくまで一時的なものに過ぎず、「汎ユーラシア主義」的グランドデザインの中に包摂されていくことになる(そうなのかあ?)。
ウクライナ紛争やトランプ政権の誕生は、それを加速するだけの話なのかもしれない。
ウクライナから手を引き、欧州から手を引き、カナダやグリーンランドやパナマやメキシコ(そうだったっけえ?)に気を取られるということは、米国は既に守りの姿勢に入っているということなわけだ(そういうことかあ?)。
英国は、ウクライナと100年付き合うことにしたと言われる。
(英・ウクライナが「100年パートナー協定」締結 スターマー首相がキーウ初訪問)
https://www.sankei.com/article/20250117-56ZWIX6H5FPYHESPBFY3CHMNMI/
「両首脳は、今後100年間にわたりウクライナと英国が軍事や経済、技術など幅広い分野で協力することを定めた「100年パートナーシップ協定」に署名」
「英国はウクライナの安全を保証するために全力を尽くす」(スターマー氏)
「両国と欧州大西洋地域を強化し、今後の両国民の相互協力の基礎となるものだ」(ゼレンスキー氏)
英国には、ウクライナ紛争においてボリスジョンソンがイスタンブール合意をぶっ壊した前科もあるし(プーチンは忘れられんだろうな・・・)。
地政学的には、英国はビミョーな位置にある。
ロシアや中国が、この地域に手を付けることになるかどうかは何とも言えない。
大西洋を挟んで、米国の経済圏に留まることが出来るかどうかが問題だ。
それは、同じく太平洋を挟んで米国と繋がりながらユーラシア経済圏と対峙する我が国も同じ立場だ(そうなのかあ?)。
今後100年間を見通す認識が、現在の我が国にあるのかどうかは知らない。
大国の周縁は辛いな・・・。
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