😼欧州大戦争:パトリオット:それで兵士は守れない ― 2025年06月27日 01:28
欧州大戦争:パトリオット:それで兵士は守れない
(「幸運祈る」とトランプ氏 夫が兵士のウクライナ記者に同情示す NATO首脳会議後)
https://www.sankei.com/article/20250626-YA7P52OB5BILXMERVOEUPRBH2E/
「記者はロシアの猛攻にさらされるウクライナに米国製の防空システム「パトリオット」を売却する用意があるかどうか質問した。」
「検討する。良い質問だ」(トランプ米大統領)
パトリオットの供与(売却)は、ウクライナにとっては悲願だ。
もちろん、うち漏らしもあるだろうが、それで防ぐことが出来たら、死者や負傷者は確実に減るからな。
トランプは、女性記者の夫が兵士だとして同情したというが、残念ながらパトリオットは前線には概ね配備されない(中規模以上の都市部に配置)。
両者は、全く別の話だ。
(ウクライナにパトリオット提供検討 ゼレンスキー氏と関係修復―トランプ氏)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062600168&g=int&utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=link_back_auto2
「トランプ氏は会談後の記者会見で「彼ら(ウクライナ)はパトリオットを本当に欲しがっている。提供できるか検討している」と強調した。ただ、「入手が非常に難しい。われわれも必要としており、イスラエルにも供与している」として理解を求めた。」
有償無償の別、優先順位や政策選択の問題もあるんだろうが、要するにブツがないわけだ。
イスラエルは、先日、ウクライナに回したそうだが、結局それでケリがつくのかもしれない(未確認)。
産経は厳しい見方をしている。
(米ウクライナ、3回目の対面会談 トランプ氏「単なるご機嫌伺い」…誘導弾供与は「検討」)
https://www.sankei.com/article/20250626-22PVAW6MENKKLLUOI5DUDGAYWI/
「トランプ氏は記者会見で、約50分間にわたった会談について「単なるご機嫌伺いだ」と表現した。停戦問題など詳細な事柄は話さなかったと説明した上で「以前はもめたが、(今回の彼は)非常に親切だった」とし、ゼレンスキー氏との関係修復を強調」
「4月の2度目の会談では、ゼレンスキー氏がバイデン前米政権や一部の欧州諸国から供与を受けてきた米国製の地対空誘導弾「パトリオット」の追加供与を要請した。」
「今回の会談で追加供与問題が提起されたかは明らかになっていない。トランプ氏は会見で供与を「検討する」と述べるにとどめた。」
つまり、4月の第2回会談の続きの話になっているのかもしれない(未確認)。
追加供与の話自体が、ロシアにとっては問題だからな。
「トランプ氏が追加供与に消極的なのは、(中略)ロシアとの関係悪化を招けば自身が仲介する停戦が遠のくとの考え」
「この日の会見では米軍のイラン核施設攻撃を巡る自身の功績を誇示することに大半を費やすなど、トランプ氏のウクライナ情勢への関心の低下は明白」
やれやれ・・・。
追加制裁だけでなく、追加供与(売却)にも消極的(=反対!)ということになれば、欧州との足並みの乱れは明白だからな。
何より、ウクライナへの関心の低下という点で、産経の指摘はグサリと来る。
ロンドン支局長でもある黒田氏は、ハーグでの会見を直接取材している。
「趣味はプロレス観戦など」
まあ、どうでもいいんですが。
現場取材の記者が肌で感じたトランプの無関心は重大だ。
それでなくても、取り巻き連中(バンス、マルコルビオ、ピートヘグセスなど)は、一刻も早くウクライナから足を洗いたいに違いない(そうなのかあ?)。
トランプやキースケロッグ辺りだけが、まだ、ロシアを食い止める術があると信じているだけだ。
もちろん、最後はトランプが決める。
その、肝心の最終意思決定者の関心が薄れちまったら、どうしようもないだろう!?。
米国の国益はウクライナにはない。
戦争を終わらせて手を引くことが出来れば、それに越したことはない。
が、仮に終わらせることが出来ないとしても、ウクライナから手を引くことが米国の利益になることは間違いない。
少なくとも、現政権はそう考えている(半年前とは様変わりだな)。
トランプはプーチンと交渉する中で、ロシアの「決意」を直接感じているんだろう。
「プーチンは難しい相手だ。他の戦争よりも難しい」
戦争が単なる交渉ではないことは明らかだ。
国家のリソースをつぎ込み、国家の存亡を賭けて戦う。
そこでは、個々の兵士の命は運命に弄ばれることになる。
「幸運を祈る」しかないのだ。
その停戦に、大国を率いる指導者が関心を失えば、行くところまで行くしかなくなる。
プーチンが出口戦略を描けていないことは間違いない。
ウクライナ紛争という泥沼に、足を突っ込んだことを後悔しているのは確かだ。
が、中途半端に抜けられないことも確かだ。
どれだけのリソースをつぎ込もうとも、求める結果を得なければやめるわけにはいかない。
ロシアにとって東進し続けるNATOは脅威そのものであり、ウクライナはその先鋒になろうとしている。
今、米国はベラルーシにも手を伸ばし始めている。
キースケロッグは、ロシアからの引き剥がしに動き始めた(そうなのかあ?)。
その一方で、ロシアは中国を引き込もうと動き出している。
こりゃあ、停戦どころの話じゃないなあ。
戦闘の激化、関係国の拡大、軍事的脅威の増大以外の何物でもない。
プーチンさえいなくなれば・・・。
そうはいかない。
(ロシア前大統領、ウクライナのEU加盟を「危険」と反対)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/THCE5KQCQZMA7IAQ6AKTN23OXQ-2025-06-25/
「プーチン大統領は22年6月、ウクライナのEU加盟に「反対するものは何もない」とし、大統領府は今年2月にもウクライナの主権的権利だと表明」
「これに対し、メドベージェフ氏はEUが戦争を防ぐための経済ブロックから、政治化された反ロシア組織へと変化し、徐々に軍事ブロックへ変貌しつつあると指摘。」
「EUは現在のねじれた形では、NATOに勝るとも劣らない脅威」「ウクライナがNATO以外には「好きなものに自由に加盟できる」と言うのは間違っていると強調」「武器でいっぱいのEUは、ロシアにとって直接的な脅威である。(以下略)」(ロシア国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領)
やれやれ・・・。
プーチンの後釜には、メドベージェフが収まる公算が高い(まだだいぶ先ですが)。
ウクライナの統治に関心がない浮沈子的には、プーチンのうちに手打ちをしておくのが正解だと思うんだが、ウクライナも真の独立を賭けてドンパチしているわけだから、そう簡単には引けない。
こんな意地の張り合いみたいな戦争に巻き込まれるのは、誰だってご免だろう。
(EU首脳会議始まる ウクライナ支援など議論か)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250626/k10014844851000.html
「EUの首脳会議は26日、ベルギーの首都ブリュッセルで始まりました。」
「2030年1月にウクライナがEUに加盟するという政治目標を設定することも生産的だと思う」(リトアニアのナウセーダ大統領)
今度は米国に忖度する必要はないからな。
好きなだけやってくれ!。
(EU首脳会議が開幕 対ロ制裁や中東情勢協議)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062600653&g=int
「会議では、EUとして第18弾となる対ロシア制裁が主要議題の一つとなる。ロシアの戦費調達を抑えるため、ロシア産原油の価格上限を現行の1バレル=60ドル(約8700円)から45ドル(約6500円)に引き下げることなどが検討されている。」
「EUは2027年末までにロシア産エネルギーの輸入を禁止する方針」
ドイツは、安いロシアの天然ガスが入らなくなって、成長が鈍化したと言われている。
インド経由で欧州に流れ込んでくる石油を止めることは難しいだろう。
ロシアの侵攻をくい止めるには不足だ。
今回も、ハンガリーやスロバキアが足を引っ張る可能性もあり、実効性が伴うかはビミョーな情勢だ。
痛みを伴う経済制裁を続け、その先に何があるかを見極めないと、最早先に進めなくなる。
チキンレースじゃないからな。
ロシアとのドンパチになれば、当然、経済制裁のレベルは跳ね上がる。
つーか、事実上、止まるだろう。
それで、欧州が立ちゆくことが出来るのかが問題だろう。
一方では、米国がロシアを支えることになるだろうからな。
漁夫の利とかなんとか・・・。
欧州から離脱し、対立をいとわない米国、一枚岩になれず、結束を示せなくなったEU、出口の見えないロシアとの対決に突入する欧州に待っているのは泥沼だ。
幸運を祈るとしか言えないな・・・。
<以下追加:6月29日記>ーーーーーーーーーー
(ウクライナへのパトリオットミサイル供与に関するトランプ大統領の姿勢の背景)
https://www.vietnam.vn/ja/dang-sau-quan-diem-cua-ong-trump-ve-cung-cap-ten-lua-patriot-cho-ukraine
「レトリックと政策の区別は重要である。トランプ氏の「多分」発言はパトリオットミサイルの配備を阻止することはできないかもしれないが、キエフ、モスクワ、そしてNATO諸国における認識を形作ることになる。ウクライナのゼレンスキー大統領が6月25日のオランダ議会での演説で指摘したように、不確実性による心理的負担はウクライナの士気と長期的な防衛計画の立案能力に悪影響を及ぼしている。」
「意図的な外交なのか、それともためらいなのかはさておき、ドナルド・トランプ氏の曖昧な態度は、団結が何よりも重要であるこの時代に、大西洋同盟の脆弱性を露呈している。」
断定的な話は何もない。
ベトナムメディアだけど、状況をよく把握して性急な解釈を戒めている。
「ワシントンの明確な対応の欠如はウクライナの戦略計画を複雑化させ、軍は既存の迎撃ミサイルを配備し、キエフやドニプロといった重要目標を優先せざるを得ない状況に追い込まれている。ロシアにとって、トランプ氏の姿勢は米国の決意の揺らぎを示すシグナルと解釈される可能性がある。」
「国内において、トランプ氏の対応は分裂した有権者への対応となっている。議会の多くの共和党議員を含む、ウクライナへの支援継続を支持する人々は、ロシアに対抗するためにはキエフへの支援が必要だと主張している。一方、一部の人々は、海外紛争よりも国内問題を優先する孤立主義的なアプローチを支持している。トランプ氏は、2026年の中間選挙に向けて、決断を保留することで 政治的資本を温存している。」
国内の政治情勢への配慮がどの程度なのかは知らない。
浮沈子的には、米国の提供する防空システム(パトリオット)に製造上の限界が訪れていることが重要に思える。
迎撃ミサイルの一部は、我が国や韓国からひっぺがして回されている。
やれやれ・・・。
ウクライナにとって、確かにパトリオットは緊急に必要なリソースには違いないが、戦況に及ぼす影響は限られている。
つーか、前線への直接的な影響はほぼ皆無だ。
銃後を脅かされることで、兵士の士気や生産設備に対する防御への影響は小さくないだろうが、今日明日の話ではない。
ゼレンスキーが懇願しているのは、当然、市民への防御ということはあるが、それよりも政治的な影響を懸念してのことだろう。
ロシアが都市部への攻撃を激化させているのも、その効果を狙っていると思われる。
市民は、前線のことは良く分からないし、ぶっちゃけ関心もない。
が、毎日のように空爆が続く状況については肌身に感じることになる。
戦争してるんだぞと。
自分たちも、いつ巻き込まれるか分からないぞと。
その状況が激化していけば、徹底抗戦ではなく、別の選択肢を考慮するかもしれないからな(そうなのかあ?)。
夏の攻勢が始まり、前線の状況が悪化すればその思いは募るばかりだ。
このままでは、決定的な敗戦に繋がるかもしれない。
そう思わせることが出来ればしめたものだと、プーチンは考えているに違いないのだ。
その状況の中での、パトリオットの供与(売却)なわけだ。
1基や2基の問題じゃない。
現在は8基程度が供与されていると言われているが(稼働は6基?)、必要システム数は25基とされている。
ムリポ!。
つまり、ゼレンスキーはダメもとで要求していることになる。
その姿勢を見せることで、政治的ダメージを緩和しようとしているわけだ。
それに対するトランプのスタンスが、「おそらく」ということになる。
ベトナムメディアが報じるように、それは極めて不適切な対応(ウクライナにとって)になりかねない。
「・・・不確実性による心理的負担はウクライナの士気と長期的な防衛計画の立案能力に悪影響を及ぼしている。」(再掲)
いや、逆に適切なのかもしれない。
もう、基本的に追加供与はなく、バイデン政権の遺産が尽きた時が軍事支援の終焉で、それをほのめかしているのかもしれないからな。
もちろん、米国議会に対するシグナルなわけだ。
ウクライナが、前線の状況改善とかではなく、(表向き)市民の命を守るための最優先の事項として、喉から手が出るほど欲しがっているパトリオットの供与(売却)さえ、「おそらく」としか言わない・・・。
他は、推して知るべしということなわけだ。
やれやれ・・・。
浮沈子は、どうしても悲観的に考えてしまう。
ウクライナ紛争が停戦するには、ロシアが攻撃を止めればいいだけなんだろうが、その可能性はゼロだ。
経済が疲弊しようが市民生活に影響が出ようが、その程度ではびくともしないし、国家が傾くくらいでは諦めることはない。
ロシアは、この戦争を国の存亡を賭けて戦う大祖国戦争と位置付けている。
まあ、こういうのは情報戦の一環だと分かっているけど、その背景を持った軍事行動であることは間違いない。
ロシアの要求が通らない中で、ドンパチが収まることはない。
西側からの軍事支援、特に米国からのそれが続くのかどうかが、現実的には停戦の最大の焦点だ。
NATO加盟も、EU加盟さえ遠のく中で、ウクライナが最後の頼みの綱としているトランプとの交渉がどうなるのかに全てが掛かっている。
パトリオットは供与(売却)されるのかされないのか。
それが問題だな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍がウクライナに過去最大537発の長距離攻撃を実施、中国製部品で大量生産が可能なドローンに偏重)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a972863d5706dae72148b7864c15585bfcb3e3a0
「高速目標(弾道ミサイルと転用ミサイル)は1撃墜しかないことから分かる通り、今日の攻撃ではパトリオット防空システム未配備地域が主に狙われています。後方のウクライナ西部にロシア軍の長距離攻撃のかなりの量が割かれました。」
それにしても、膨大な数の無人機やミサイルが投じられている。
「2025年6月29日のウクライナに対するロシア軍の長距離ドローン・ミサイル攻撃は合計537飛来(ドローン477機+ミサイル60発)、これは1日あたりでは過去最大数となります。ただしドローンはおそらく半数以上は安価な囮無人機です。」
迎撃弾を消耗させるのが目的だから、安い方がいいのだ(そういうことかあ?)。
ウクライナ軍としては、マズい迎撃もあったようだ。
「なお6月29日の迎撃戦闘中にウクライナ空軍のF-16戦闘機が1機墜落しパイロットが死亡しています。状況(宇空軍の説明)から目標のシャヘド自爆無人機を撃墜した際に残骸の破片を自機に浴びた事故の様です。」
やれやれ・・・。
「戦闘機が夜間に目標の直ぐ真後ろに着いて機関砲を射撃するのは危険であり禁止すべきで、代わりに安価で大量装備できるレーザー誘導ロケット弾「APKWS」を戦闘機用として供与すべきでしょう。」
今後は改善されると思われるが、そもそもシャヘド相手にF-16を繰り出すこと自体が問題だろう!?。
使わなければ、何のために戦闘機を要請したのかという話になるから、そのエクスキューズのために無理やり投入しているに決まっている。
バカなことは止めて、さっさと米国(オランダ?)に返却して、見返りにパトリオット貰うのが正解だろうな・・・。
(「幸運祈る」とトランプ氏 夫が兵士のウクライナ記者に同情示す NATO首脳会議後)
https://www.sankei.com/article/20250626-YA7P52OB5BILXMERVOEUPRBH2E/
「記者はロシアの猛攻にさらされるウクライナに米国製の防空システム「パトリオット」を売却する用意があるかどうか質問した。」
「検討する。良い質問だ」(トランプ米大統領)
パトリオットの供与(売却)は、ウクライナにとっては悲願だ。
もちろん、うち漏らしもあるだろうが、それで防ぐことが出来たら、死者や負傷者は確実に減るからな。
トランプは、女性記者の夫が兵士だとして同情したというが、残念ながらパトリオットは前線には概ね配備されない(中規模以上の都市部に配置)。
両者は、全く別の話だ。
(ウクライナにパトリオット提供検討 ゼレンスキー氏と関係修復―トランプ氏)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062600168&g=int&utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=link_back_auto2
「トランプ氏は会談後の記者会見で「彼ら(ウクライナ)はパトリオットを本当に欲しがっている。提供できるか検討している」と強調した。ただ、「入手が非常に難しい。われわれも必要としており、イスラエルにも供与している」として理解を求めた。」
有償無償の別、優先順位や政策選択の問題もあるんだろうが、要するにブツがないわけだ。
イスラエルは、先日、ウクライナに回したそうだが、結局それでケリがつくのかもしれない(未確認)。
産経は厳しい見方をしている。
(米ウクライナ、3回目の対面会談 トランプ氏「単なるご機嫌伺い」…誘導弾供与は「検討」)
https://www.sankei.com/article/20250626-22PVAW6MENKKLLUOI5DUDGAYWI/
「トランプ氏は記者会見で、約50分間にわたった会談について「単なるご機嫌伺いだ」と表現した。停戦問題など詳細な事柄は話さなかったと説明した上で「以前はもめたが、(今回の彼は)非常に親切だった」とし、ゼレンスキー氏との関係修復を強調」
「4月の2度目の会談では、ゼレンスキー氏がバイデン前米政権や一部の欧州諸国から供与を受けてきた米国製の地対空誘導弾「パトリオット」の追加供与を要請した。」
「今回の会談で追加供与問題が提起されたかは明らかになっていない。トランプ氏は会見で供与を「検討する」と述べるにとどめた。」
つまり、4月の第2回会談の続きの話になっているのかもしれない(未確認)。
追加供与の話自体が、ロシアにとっては問題だからな。
「トランプ氏が追加供与に消極的なのは、(中略)ロシアとの関係悪化を招けば自身が仲介する停戦が遠のくとの考え」
「この日の会見では米軍のイラン核施設攻撃を巡る自身の功績を誇示することに大半を費やすなど、トランプ氏のウクライナ情勢への関心の低下は明白」
やれやれ・・・。
追加制裁だけでなく、追加供与(売却)にも消極的(=反対!)ということになれば、欧州との足並みの乱れは明白だからな。
何より、ウクライナへの関心の低下という点で、産経の指摘はグサリと来る。
ロンドン支局長でもある黒田氏は、ハーグでの会見を直接取材している。
「趣味はプロレス観戦など」
まあ、どうでもいいんですが。
現場取材の記者が肌で感じたトランプの無関心は重大だ。
それでなくても、取り巻き連中(バンス、マルコルビオ、ピートヘグセスなど)は、一刻も早くウクライナから足を洗いたいに違いない(そうなのかあ?)。
トランプやキースケロッグ辺りだけが、まだ、ロシアを食い止める術があると信じているだけだ。
もちろん、最後はトランプが決める。
その、肝心の最終意思決定者の関心が薄れちまったら、どうしようもないだろう!?。
米国の国益はウクライナにはない。
戦争を終わらせて手を引くことが出来れば、それに越したことはない。
が、仮に終わらせることが出来ないとしても、ウクライナから手を引くことが米国の利益になることは間違いない。
少なくとも、現政権はそう考えている(半年前とは様変わりだな)。
トランプはプーチンと交渉する中で、ロシアの「決意」を直接感じているんだろう。
「プーチンは難しい相手だ。他の戦争よりも難しい」
戦争が単なる交渉ではないことは明らかだ。
国家のリソースをつぎ込み、国家の存亡を賭けて戦う。
そこでは、個々の兵士の命は運命に弄ばれることになる。
「幸運を祈る」しかないのだ。
その停戦に、大国を率いる指導者が関心を失えば、行くところまで行くしかなくなる。
プーチンが出口戦略を描けていないことは間違いない。
ウクライナ紛争という泥沼に、足を突っ込んだことを後悔しているのは確かだ。
が、中途半端に抜けられないことも確かだ。
どれだけのリソースをつぎ込もうとも、求める結果を得なければやめるわけにはいかない。
ロシアにとって東進し続けるNATOは脅威そのものであり、ウクライナはその先鋒になろうとしている。
今、米国はベラルーシにも手を伸ばし始めている。
キースケロッグは、ロシアからの引き剥がしに動き始めた(そうなのかあ?)。
その一方で、ロシアは中国を引き込もうと動き出している。
こりゃあ、停戦どころの話じゃないなあ。
戦闘の激化、関係国の拡大、軍事的脅威の増大以外の何物でもない。
プーチンさえいなくなれば・・・。
そうはいかない。
(ロシア前大統領、ウクライナのEU加盟を「危険」と反対)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/THCE5KQCQZMA7IAQ6AKTN23OXQ-2025-06-25/
「プーチン大統領は22年6月、ウクライナのEU加盟に「反対するものは何もない」とし、大統領府は今年2月にもウクライナの主権的権利だと表明」
「これに対し、メドベージェフ氏はEUが戦争を防ぐための経済ブロックから、政治化された反ロシア組織へと変化し、徐々に軍事ブロックへ変貌しつつあると指摘。」
「EUは現在のねじれた形では、NATOに勝るとも劣らない脅威」「ウクライナがNATO以外には「好きなものに自由に加盟できる」と言うのは間違っていると強調」「武器でいっぱいのEUは、ロシアにとって直接的な脅威である。(以下略)」(ロシア国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領)
やれやれ・・・。
プーチンの後釜には、メドベージェフが収まる公算が高い(まだだいぶ先ですが)。
ウクライナの統治に関心がない浮沈子的には、プーチンのうちに手打ちをしておくのが正解だと思うんだが、ウクライナも真の独立を賭けてドンパチしているわけだから、そう簡単には引けない。
こんな意地の張り合いみたいな戦争に巻き込まれるのは、誰だってご免だろう。
(EU首脳会議始まる ウクライナ支援など議論か)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250626/k10014844851000.html
「EUの首脳会議は26日、ベルギーの首都ブリュッセルで始まりました。」
「2030年1月にウクライナがEUに加盟するという政治目標を設定することも生産的だと思う」(リトアニアのナウセーダ大統領)
今度は米国に忖度する必要はないからな。
好きなだけやってくれ!。
(EU首脳会議が開幕 対ロ制裁や中東情勢協議)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062600653&g=int
「会議では、EUとして第18弾となる対ロシア制裁が主要議題の一つとなる。ロシアの戦費調達を抑えるため、ロシア産原油の価格上限を現行の1バレル=60ドル(約8700円)から45ドル(約6500円)に引き下げることなどが検討されている。」
「EUは2027年末までにロシア産エネルギーの輸入を禁止する方針」
ドイツは、安いロシアの天然ガスが入らなくなって、成長が鈍化したと言われている。
インド経由で欧州に流れ込んでくる石油を止めることは難しいだろう。
ロシアの侵攻をくい止めるには不足だ。
今回も、ハンガリーやスロバキアが足を引っ張る可能性もあり、実効性が伴うかはビミョーな情勢だ。
痛みを伴う経済制裁を続け、その先に何があるかを見極めないと、最早先に進めなくなる。
チキンレースじゃないからな。
ロシアとのドンパチになれば、当然、経済制裁のレベルは跳ね上がる。
つーか、事実上、止まるだろう。
それで、欧州が立ちゆくことが出来るのかが問題だろう。
一方では、米国がロシアを支えることになるだろうからな。
漁夫の利とかなんとか・・・。
欧州から離脱し、対立をいとわない米国、一枚岩になれず、結束を示せなくなったEU、出口の見えないロシアとの対決に突入する欧州に待っているのは泥沼だ。
幸運を祈るとしか言えないな・・・。
<以下追加:6月29日記>ーーーーーーーーーー
(ウクライナへのパトリオットミサイル供与に関するトランプ大統領の姿勢の背景)
https://www.vietnam.vn/ja/dang-sau-quan-diem-cua-ong-trump-ve-cung-cap-ten-lua-patriot-cho-ukraine
「レトリックと政策の区別は重要である。トランプ氏の「多分」発言はパトリオットミサイルの配備を阻止することはできないかもしれないが、キエフ、モスクワ、そしてNATO諸国における認識を形作ることになる。ウクライナのゼレンスキー大統領が6月25日のオランダ議会での演説で指摘したように、不確実性による心理的負担はウクライナの士気と長期的な防衛計画の立案能力に悪影響を及ぼしている。」
「意図的な外交なのか、それともためらいなのかはさておき、ドナルド・トランプ氏の曖昧な態度は、団結が何よりも重要であるこの時代に、大西洋同盟の脆弱性を露呈している。」
断定的な話は何もない。
ベトナムメディアだけど、状況をよく把握して性急な解釈を戒めている。
「ワシントンの明確な対応の欠如はウクライナの戦略計画を複雑化させ、軍は既存の迎撃ミサイルを配備し、キエフやドニプロといった重要目標を優先せざるを得ない状況に追い込まれている。ロシアにとって、トランプ氏の姿勢は米国の決意の揺らぎを示すシグナルと解釈される可能性がある。」
「国内において、トランプ氏の対応は分裂した有権者への対応となっている。議会の多くの共和党議員を含む、ウクライナへの支援継続を支持する人々は、ロシアに対抗するためにはキエフへの支援が必要だと主張している。一方、一部の人々は、海外紛争よりも国内問題を優先する孤立主義的なアプローチを支持している。トランプ氏は、2026年の中間選挙に向けて、決断を保留することで 政治的資本を温存している。」
国内の政治情勢への配慮がどの程度なのかは知らない。
浮沈子的には、米国の提供する防空システム(パトリオット)に製造上の限界が訪れていることが重要に思える。
迎撃ミサイルの一部は、我が国や韓国からひっぺがして回されている。
やれやれ・・・。
ウクライナにとって、確かにパトリオットは緊急に必要なリソースには違いないが、戦況に及ぼす影響は限られている。
つーか、前線への直接的な影響はほぼ皆無だ。
銃後を脅かされることで、兵士の士気や生産設備に対する防御への影響は小さくないだろうが、今日明日の話ではない。
ゼレンスキーが懇願しているのは、当然、市民への防御ということはあるが、それよりも政治的な影響を懸念してのことだろう。
ロシアが都市部への攻撃を激化させているのも、その効果を狙っていると思われる。
市民は、前線のことは良く分からないし、ぶっちゃけ関心もない。
が、毎日のように空爆が続く状況については肌身に感じることになる。
戦争してるんだぞと。
自分たちも、いつ巻き込まれるか分からないぞと。
その状況が激化していけば、徹底抗戦ではなく、別の選択肢を考慮するかもしれないからな(そうなのかあ?)。
夏の攻勢が始まり、前線の状況が悪化すればその思いは募るばかりだ。
このままでは、決定的な敗戦に繋がるかもしれない。
そう思わせることが出来ればしめたものだと、プーチンは考えているに違いないのだ。
その状況の中での、パトリオットの供与(売却)なわけだ。
1基や2基の問題じゃない。
現在は8基程度が供与されていると言われているが(稼働は6基?)、必要システム数は25基とされている。
ムリポ!。
つまり、ゼレンスキーはダメもとで要求していることになる。
その姿勢を見せることで、政治的ダメージを緩和しようとしているわけだ。
それに対するトランプのスタンスが、「おそらく」ということになる。
ベトナムメディアが報じるように、それは極めて不適切な対応(ウクライナにとって)になりかねない。
「・・・不確実性による心理的負担はウクライナの士気と長期的な防衛計画の立案能力に悪影響を及ぼしている。」(再掲)
いや、逆に適切なのかもしれない。
もう、基本的に追加供与はなく、バイデン政権の遺産が尽きた時が軍事支援の終焉で、それをほのめかしているのかもしれないからな。
もちろん、米国議会に対するシグナルなわけだ。
ウクライナが、前線の状況改善とかではなく、(表向き)市民の命を守るための最優先の事項として、喉から手が出るほど欲しがっているパトリオットの供与(売却)さえ、「おそらく」としか言わない・・・。
他は、推して知るべしということなわけだ。
やれやれ・・・。
浮沈子は、どうしても悲観的に考えてしまう。
ウクライナ紛争が停戦するには、ロシアが攻撃を止めればいいだけなんだろうが、その可能性はゼロだ。
経済が疲弊しようが市民生活に影響が出ようが、その程度ではびくともしないし、国家が傾くくらいでは諦めることはない。
ロシアは、この戦争を国の存亡を賭けて戦う大祖国戦争と位置付けている。
まあ、こういうのは情報戦の一環だと分かっているけど、その背景を持った軍事行動であることは間違いない。
ロシアの要求が通らない中で、ドンパチが収まることはない。
西側からの軍事支援、特に米国からのそれが続くのかどうかが、現実的には停戦の最大の焦点だ。
NATO加盟も、EU加盟さえ遠のく中で、ウクライナが最後の頼みの綱としているトランプとの交渉がどうなるのかに全てが掛かっている。
パトリオットは供与(売却)されるのかされないのか。
それが問題だな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍がウクライナに過去最大537発の長距離攻撃を実施、中国製部品で大量生産が可能なドローンに偏重)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a972863d5706dae72148b7864c15585bfcb3e3a0
「高速目標(弾道ミサイルと転用ミサイル)は1撃墜しかないことから分かる通り、今日の攻撃ではパトリオット防空システム未配備地域が主に狙われています。後方のウクライナ西部にロシア軍の長距離攻撃のかなりの量が割かれました。」
それにしても、膨大な数の無人機やミサイルが投じられている。
「2025年6月29日のウクライナに対するロシア軍の長距離ドローン・ミサイル攻撃は合計537飛来(ドローン477機+ミサイル60発)、これは1日あたりでは過去最大数となります。ただしドローンはおそらく半数以上は安価な囮無人機です。」
迎撃弾を消耗させるのが目的だから、安い方がいいのだ(そういうことかあ?)。
ウクライナ軍としては、マズい迎撃もあったようだ。
「なお6月29日の迎撃戦闘中にウクライナ空軍のF-16戦闘機が1機墜落しパイロットが死亡しています。状況(宇空軍の説明)から目標のシャヘド自爆無人機を撃墜した際に残骸の破片を自機に浴びた事故の様です。」
やれやれ・・・。
「戦闘機が夜間に目標の直ぐ真後ろに着いて機関砲を射撃するのは危険であり禁止すべきで、代わりに安価で大量装備できるレーザー誘導ロケット弾「APKWS」を戦闘機用として供与すべきでしょう。」
今後は改善されると思われるが、そもそもシャヘド相手にF-16を繰り出すこと自体が問題だろう!?。
使わなければ、何のために戦闘機を要請したのかという話になるから、そのエクスキューズのために無理やり投入しているに決まっている。
バカなことは止めて、さっさと米国(オランダ?)に返却して、見返りにパトリオット貰うのが正解だろうな・・・。
🚀SLS:新型SRB(BOLE)試験:爆発炎上木っ端微塵後も炎上! ― 2025年06月27日 19:39
SLS:新型SRB(BOLE)試験:爆発炎上木っ端微塵後も炎上!
(ノースロップ・グラマン、ユタ州でSLSブロック2のBOLEブースターをテスト、ノズルに問題あり)
https://www.nasaspaceflight.com/2025/06/bole-dm1-test/
「ノースロップ・グラマンは、ユタ州プロモントリーの生産・試験施設において、ブースター陳腐化・寿命延長(BOLE:Booster Obsolescence and Life Extension)5セグメント固体ロケットモーターの初試験発射を実施した。」
これ(開発用モーター1(DM-1))は、試験用のもので、実機ではない。
「このモーターは、飛行ブースターで使用される航空電子機器、回収システム、分離装置を搭載していないという点で、飛行ブースターとは異なります。また、塗装されていない筐体は銅線のため青みがかっていますが、飛行ブースターは白く塗装されます。」
「開発用モーター1(DM-1)は、6月26日(木)午後12時25分(MDT、協定世界時18時25分)に発射され、約2分20秒にわたり燃焼を続け、140万ポンド(約650万キログラム)以上の推進剤を燃焼させた。」
「試射は正常に開始されましたが、噴煙が異常に明るくなりました。これはモーターから何かが飛び散ったことが原因と考えられます。ノズルは燃焼終了の約10秒前にモーターから勢いよく離脱し、ノズルの主分解直前にノズルから破片が飛び出したように見えました。」(映像のキャプションより)
「本日の試験は、大型固体ロケットモーターの設計限界を押し広げ、厳しい性能要件を満たすものでした。モーターは過酷な燃焼環境下でも良好な性能を示したように見えましたが、2分強の燃焼の終盤に異常が見られました。この新設計、そして史上最大のセグメント型固体ロケットブースターは、今回の試験によって貴重なデータが得られ、将来の開発に向けて設計を改良していくことができます。」(ノースロップ・グラマン社の推進システム担当副社長、ジム・カルベラー氏)
まあ、開発中の試験燃焼だから、トラブルが起こるのは想定の範囲内だろうし、ノースロップグラマンはそういうのには慣れている。
固体燃料ロケットの場合、ノズルが吹っ飛ぼうが何しようが、点火しちまったロケットを途中で止めることは出来ない(ハイブリッドとかで、酸化剤を別途供給している場合を除く)。
映像でも、ノズルが吹っ飛んで木っ端微塵になっちまった後も、燃焼したガスは勢いよくモーターケース後部から噴出し続けている。
やれやれ・・・。
また、固体燃料ロケットでは、推力が徐々に減っていって、燃焼が終了するけど、一定割合を下回った時点で燃焼終了とするようだ。
映像のキャプションでは、ノズル焼失後10秒間の燃焼としているけど、実際には30秒くらいは燃えている感じだ。
とてつもない推力を実現するBOLEだが、現在使われているSRBとはほぼ別物と考えた方がいい。
「BOLEブースターのケーシングは、既存のシャトル時代のSLSブースターケーシングに使用されている鋼鉄ではなく、炭素繊維複合材で作られています。しかし、BOLEは単に既存のSLSブースターに炭素繊維ケーシングを採用しただけのものではありません。多くの点で、これは新しいブースターと言えるでしょう。」
「まず、BOLE ブースターは、SLS の従来の再設計固体ロケットモーター V (RSRMV) ブースターよりもわずかに大きく、高さ 47.5 メートル、直径 3.8 メートルであるのに対し、RSRMV は高さ 46.9 メートル、直径 3.7 メートルです。」
「ノズルは再設計され、RSRMVノズルの直径3.9mに対して直径4.4mとなっています。BOLEノズルは茶色のガラスフェノール樹脂を含む複合材料で作られており、0.6mの延長部も備えています。」
「より高い性能を提供するため、BOLEブースターは、現在固体ブースターに使用されているポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)推進剤ではなく、改良されたヒドロキシル末端ポリブタジエン(HTPB)推進剤を使用します。また、BOLEブースターは最大動作圧力が1330ポンド/平方インチ(絶対圧)で、RSRMVの1016psiaよりも高い値となります。これらの変更により、BOLEブースターはRSRMVの360万ポンドの推力よりも高い推力を得ることができます。」
最大の違いは、ケーシングの素材だろうな。
これは、将来(もし、SLSが延命されれば)さらに改良が加えられる。
「さらに、BOLE DM-1テストモーターのケーシングは、同社の以前のプロジェクトで使用されたIM7/T300カーボンファイバーで作られていますが、DM-2モーターをはじめとする将来のBOLEケーシングは、より新しいT1100ファイバーで作られる予定です。NASAはマージンを慎重に考慮したため、前部ドームと後部シリンダーは複合材ではなく、依然として鋼鉄製です。」
捕らぬ狸の皮算用か・・・。
「BOLEブースターは、モーターノズルの操縦に、現在の油圧式TVCシステムではなく、電子式推力ベクトル制御(TVC)機構を採用することで複雑さを軽減し、危険物質の使用を排除します。新しいシステムトンネル、改良されたブースターとコア段の取り付け・分離システム、新しい内部断熱材、その他の改良も、この新型ブースターに含まれています。」
BOLEは、突然現れたわけではなく、S社やULAと競い合う中で磨いてきた技術開発のたまものだ。
「BOLEブースターの改良は、オービタルATKが国家安全保障宇宙打ち上げ(NSSL)プログラムへの参入を競っていた際に開始された、中止されたオメガAプログラムの成果です。最終的に米国宇宙軍はスペースXのファルコンファミリーとユナイテッド・ローンチ・アライアンスのバルカンを選定し、オメガAの必要性はなくなりました。」
「OmegAプログラムは、NSSLの受賞者が発表される前に、SLSブースターと同じインフラを用いて、プロモントリー宇宙基地で固体モーターの試験まで進みました。OmegAは複合材ケーシングを使用するように設計されており、複合材ケーシングモーターはeTVCや現在BOLEに組み込まれているその他の改良点と並行して試験されました。」
転んでもただでは起きない(もちろん、開発コストは出てましたけど)。
「BOLEモーターの最初のセグメントは2024年初頭に完成し、他のセグメントは今年初めに完成しました。次のBOLEモーターは、シャトルとSLSのハードウェアを製造しているのと同じ工場インフラを使用して生産を開始します。アルテミスIVとVのレガシーブースターハードウェアも同じ建物で製造されています。」
が、まあ、おそらく、それが点火されることはないだろう。
「BOLEプログラムの将来については、トランプ政権によるNASA予算削減計画により不透明感が漂っています。この削減計画の一つには、アルテミスIIとIIIの後にSLSプログラムを終了することが含まれており、SLSブロック1Bとブロック2は飛行不可能となるでしょう。」
議会は、復活を試みているようだが、NASA長官の人事は遅れそうだ。
(NASAの暫定指導部が新たな機関構造を計画)
https://spacenews.com/nasas-acting-leadership-planning-new-agency-structure/
「上院の承認を得た長官が就任するのは来年になるかもしれない。」
来年度予算は、ショボいままになりそうだな。
(NASAは、飛行しないかもしれない新しいSLSブースターをテストしたが、先端が吹き飛んだ。)
https://arstechnica.com/space/2025/06/nasa-tested-a-new-sls-booster-that-may-never-fly-and-the-end-of-it-blew-off/
「ホワイトハウスはより安価な商業的な代替手段を優先し、同計画を中止しようとしている。」
記事では、L3ハリスに買収されたロケットダインが、RS-25を復活させた話も出て来るが割愛する(こっちは、何とか成功したみたいです)。
しかし、固体燃料ロケットの試験発射はド派手だ(アルスの記事でも、爆発の映像が見られます)。
まして、ノズルが吹っ飛ぶシーンは圧巻だし、その後も、噴出が続くというのがスゴイ!。
こんなロケットを制御して、しかもジンバル機構まで付けて飛ばすというのは至難の業だろう。
浮沈子的には、SRBといえばチャレンジャー事故のイメージから抜けられない。
(チャレンジャー号爆発事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%8F%B7%E7%88%86%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85
「体全体の分解は、右側固体燃料補助ロケット(Solid Rocket Booster、SRB)の密閉用Oリングが発進時に破損したことから始まった。」
「Oリングの破損によってそれが密閉していたSRB接続部から漏洩が生じ、固体ロケットエンジンが発生する高温・高圧の燃焼ガスが噴き出して隣接するSRB接続部材と外部燃料タンク(External Tank、ET)に悪影響を与えた。」
「この結果、右側SRBの尾部接続部分が分離すると共に外部燃料タンクの構造破壊が生じた。空気力学的な負荷により軌道船は一瞬の内に破壊された。」
なぜ、そんなことになっちまったのか。
「全ての結合部は、固体燃料の燃焼で発生した高温・高圧の燃焼ガスが正常にノズルから噴出されるよう、密封してガスの漏出を防ぐ必要がある。サイオコール社の技術者は、もしリングの温度が12℃以下になった場合、気密性を正常に保つだけの柔軟性を有するかを判断するのに十分なデータを持っていないと論じた。これが重大な懸念だったのは、Oリングが「致命度1」に指定されていたからである。これはもし主および副リングが故障した場合はバックアップはなく、その故障は軌道船や乗組員を破壊しうることを意味していた。」
「サイオコール社の主張に対するNASAの反論は、主リングが故障しても副リングが十分に密閉性を保ってくれるというものだった。だがこれは実証されたことはなかったし、またいかなる場合においても致命度1である重要部品については規定に違反する論法だった」
「致命度1である部品はバックアップに頼ることは禁止されている。」
「サイオコール社の技術者たちは、夜間の低温によりSRBの温度は危険値である4℃をまず間違いなく下回るはずだと指摘した。しかしながら、サイオコール社の幹部は彼らの主張を取り合わず、予定通り打ち上げを進めるよう勧告した。」
「後に事故調査の中で、NASA幹部は打ち上げスケジュールを維持するために安全規定をしばしば無視していた事実が明らかになった。」
まあいい。
浮沈子の妄想からは、チャレンジャーの爆発シーンは死ぬまで消えない(生中継で見てましたから:仕事中でしたけど)。
ロケットは、高出力の爆発的パワーを制御する技術の塊だ。
発電所などもそうだけれど、ロケットは移動体(しかも飛び道具)だからな。
重量制限がかかる中で、設計はシビアになる。
スペースシャトルでは、SRBは回収されていたけど、SLSは使い捨てになる。
シャトルで回収されていたにもかかわらず、Oリングの不具合についての知見は生かされなかった(以前から、損傷はあったようです)。
「後に発射時の画像を分析すると、T+0.678(発射から0.678秒後)に右側SRBの、外部燃料タンクとSRB間を連結する後部接続支柱部近くからひと吹きの黒煙が吹き出ていることが確認された。煙のわずかな噴出は、最後はT+2.733に発生していた。最後に接続支柱周辺で煙が見えたのは T+3.375 であった。後にこれらの現象は右側SRBの後部の現場接続部が開閉したことで起きたと結論づけられた。点火の圧力によってSRBの外殻が膨張し、その結果として外殻のこの金属部分が両側から曲がって分離し、開いた隙間から高温のガス(5,000°F、2,800℃)が漏れたものである。この現象はそれ以前の発射時にも発生していたが、そのたびに第一O-リングが溝から外れることによって密閉性を確保していた。SRBは元々そのように設計されてはいなかったが、結果的にうまく機能していたことになる。そのためサイオコール社は後に設計を変更し、押し出し加工と呼ばれる加工法を採用してこの機能を取り入れることにした。
だが、押し出されたリングが漏洩箇所を塞ぐまでの間、高温のガスが漏れ続け、塞がれるまでにO-リングが損傷を受ける「ブロー・バイ」(blow-by)と呼ばれる現象が起きていた。サイオコール社の技術者達によってこの現象は調査され、O-リングが受ける総損傷量は押し出しが起きるまでの時間が直接関係しているとして、当日の寒い気象条件によってO-リングが硬くなり押し出しまでの時間が延びたと結論付けた(このチャレンジャー事故以後に使用される改良型SRBの現場接続部には、ブロー・バイを緩和するために追加の噛み合い式ほぞ穴と中子、それに3番目のO-リングが設けられるようになった)。
事故当日の朝、第一O-リングは寒さによってとても硬くなっていたため密閉が間に合わなかった。第二O-リングは金属が曲がったことで正しい位置に収まってはいなかった。これによって燃焼ガスを食い止める手段は失われ、2つのO-リングは70度の角度にわたって蒸発してしまったが、固体燃料の燃焼残留物である酸化アルミニウムが損傷した結合部の穴を塞いだので、本物の炎が結合部を襲うまではこれがO-リングの機能を代行していた。」
「この機体はT+37頃から始まりその後の27秒間に、今日までのシャトル計画中に記録された最大のウインドシア(縦、または横方向の強風= ジェット気流によるもの)を何度かにわたって受けた。」
「T+58.788、追跡カメラが右側SRBの尾部接続部から煙が漏れ出し始めたのを捉えた。チャレンジャー側もヒューストン側も知らなかったが、右側のSRBの接続部の1つで大きくなった穴から高温のガスが漏れ始めていた。損傷したO-リングに代わって酸化アルミニウムが一時的に穴を塞いでいたのを、ウインドシアの力が痛めつけて、接続部を通じて噴き出る炎に対する最後の守りが奪われてしまった。もしもウインドシアが無ければ、偶然に生じた酸化物による封印はSRBの燃焼終了まで持ち堪えたかもしれない。」(以下略)
SLSでは、もう、回収して確認することもできない。
BOLEでも同じだ。
初期試験段階とはいえ、ノズルを吹っ飛ばす状況は嬉しくないだろう。
万が一、SLSプログラムが復活しても、BOLEが使われるまでには、まだ10年以上ある(アルテミス9は2040年代)。
それまでには、何とかしてもらいたいもんだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(新しいSLSブースター設計、テスト中に異常発生)
https://spacenews.com/new-sls-booster-design-suffers-anomaly-during-test/
「この試験は、新しい設計であり、これまでで最大のセグメント型固体ロケットブースターであるため、将来の開発に向けて設計を改良するための貴重なデータを提供してくれる」
わざわざ「セグメント型」と断っているのは、一体成型された固体燃料ロケットとしては、最大じゃないからだ。
(固体燃料ロケット)
https://en.wikipedia.org/wiki/Solid-propellant_rocket
「これまでに製造された最大の固体ロケットモーターは、フロリダで鋳造されたエアロジェット社の3つの6.60メートル(260インチ)のモノリシック固体モーターであった。[ 16 ]モーター260 SL-1とSL-2は、直径6.63メートル(261インチ)、長さ24.59メートル(80フィート8インチ)、重さ842,900キログラム(1,858,300ポンド)、最大推力は16MN(3,500,000ポンドf)であった。燃焼時間は2分だった。ノズルのスロートは、立ったまま歩行できるほどの大きさだった。このモーターは、8基のエンジンを搭載したサターンI液体燃料第一段の1対1の代替品として使用することが可能であったが、実際に使用されることはなかった。モーター 260 SL-3 は長さと重量は同様でしたが、最大推力は 24 MN (5,400,000 lbf) で持続時間は短くなりました。」
実際に使用されることはなかったようだから、BOLEが使われれば更新されるだろう。
ちょっと気になる情報もある。
「新しい推進剤配合を採用するなど、様々な先進技術を取り入れることで、ブースターの性能が10%以上向上し、SLSの月面ミッションで5トンのペイロードを搭載できるようになります。」
スペースXの月面ミッションでは、最大100トンのペイロードを運搬することになっていたと記憶している。
(スターシップHLS)
https://en.wikipedia.org/wiki/Starship_HLS
「月面へのペイロード
質量 100,000 kg (220,000ポンド)」
んな、20倍ものペイロードを運べるんだろうか?。
ここには、画期的なトリックがある・・・。
「このミッション計画では、スターシップ打ち上げロケットでスターシップHLSを地球周回軌道に打ち上げ、複数のスターシップタンカー宇宙船による燃料補給を受けた後、月近直線ハロー軌道(NRHO)へと加速します。」
そう、軌道上給油というやつだ。
当初、低軌道に100トン上げられれば、そこで燃料を給油して月面まで運べるという寸法なわけだ。
そもそも100トンを低軌道に上げるのが大変だがな。
(スペース・ローンチ・システム)
https://en.wikipedia.org/wiki/Space_Launch_System
「LEOへのペイロード
高度 200 km (120 マイル)
軌道傾斜角 28.5°
質量
ブロック1:95,000 kg (209,000ポンド)
ブロック1B:105,000 kg(231,000ポンド)
ブロック2:130,000 kg(290,000ポンド)」
「TLI(Trans-lunar injection:月周回軌道投入:地球を周回する低い円形の駐機軌道から月への移行を開始するために TLI を実行します。)へのペイロード
質量
ブロック1:>27,000 kg(59,500ポンド)
ブロック1B : 42,000 kg (92,500 ポンド)
ブロック2 : >46,000 kg (101,400 ポンド) 」
低軌道(200km)に130トン上げられるはずのブロック2でも、給油なしで月に送ることが出来るのは50トン程度になってしまう。
これは、TLIへ投入することが出来る重量だから、その先のことは考えていない(宇宙船(月着陸船)の重量を含んでるからな)。
月面ミッションとしては、5トンになっちまうんだろう。
軌道上給油は、桁違いの運搬能力を発揮する。
NASAは、そこに賭けたわけだ。
正解だろう。
まあ、片や試験台毎地上で爆発炎上木っ端微塵、此方ノズルが吹っ飛び木っ端微塵の後も炎上という為体だがな・・・。
(ノースロップ・グラマン、ユタ州でSLSブロック2のBOLEブースターをテスト、ノズルに問題あり)
https://www.nasaspaceflight.com/2025/06/bole-dm1-test/
「ノースロップ・グラマンは、ユタ州プロモントリーの生産・試験施設において、ブースター陳腐化・寿命延長(BOLE:Booster Obsolescence and Life Extension)5セグメント固体ロケットモーターの初試験発射を実施した。」
これ(開発用モーター1(DM-1))は、試験用のもので、実機ではない。
「このモーターは、飛行ブースターで使用される航空電子機器、回収システム、分離装置を搭載していないという点で、飛行ブースターとは異なります。また、塗装されていない筐体は銅線のため青みがかっていますが、飛行ブースターは白く塗装されます。」
「開発用モーター1(DM-1)は、6月26日(木)午後12時25分(MDT、協定世界時18時25分)に発射され、約2分20秒にわたり燃焼を続け、140万ポンド(約650万キログラム)以上の推進剤を燃焼させた。」
「試射は正常に開始されましたが、噴煙が異常に明るくなりました。これはモーターから何かが飛び散ったことが原因と考えられます。ノズルは燃焼終了の約10秒前にモーターから勢いよく離脱し、ノズルの主分解直前にノズルから破片が飛び出したように見えました。」(映像のキャプションより)
「本日の試験は、大型固体ロケットモーターの設計限界を押し広げ、厳しい性能要件を満たすものでした。モーターは過酷な燃焼環境下でも良好な性能を示したように見えましたが、2分強の燃焼の終盤に異常が見られました。この新設計、そして史上最大のセグメント型固体ロケットブースターは、今回の試験によって貴重なデータが得られ、将来の開発に向けて設計を改良していくことができます。」(ノースロップ・グラマン社の推進システム担当副社長、ジム・カルベラー氏)
まあ、開発中の試験燃焼だから、トラブルが起こるのは想定の範囲内だろうし、ノースロップグラマンはそういうのには慣れている。
固体燃料ロケットの場合、ノズルが吹っ飛ぼうが何しようが、点火しちまったロケットを途中で止めることは出来ない(ハイブリッドとかで、酸化剤を別途供給している場合を除く)。
映像でも、ノズルが吹っ飛んで木っ端微塵になっちまった後も、燃焼したガスは勢いよくモーターケース後部から噴出し続けている。
やれやれ・・・。
また、固体燃料ロケットでは、推力が徐々に減っていって、燃焼が終了するけど、一定割合を下回った時点で燃焼終了とするようだ。
映像のキャプションでは、ノズル焼失後10秒間の燃焼としているけど、実際には30秒くらいは燃えている感じだ。
とてつもない推力を実現するBOLEだが、現在使われているSRBとはほぼ別物と考えた方がいい。
「BOLEブースターのケーシングは、既存のシャトル時代のSLSブースターケーシングに使用されている鋼鉄ではなく、炭素繊維複合材で作られています。しかし、BOLEは単に既存のSLSブースターに炭素繊維ケーシングを採用しただけのものではありません。多くの点で、これは新しいブースターと言えるでしょう。」
「まず、BOLE ブースターは、SLS の従来の再設計固体ロケットモーター V (RSRMV) ブースターよりもわずかに大きく、高さ 47.5 メートル、直径 3.8 メートルであるのに対し、RSRMV は高さ 46.9 メートル、直径 3.7 メートルです。」
「ノズルは再設計され、RSRMVノズルの直径3.9mに対して直径4.4mとなっています。BOLEノズルは茶色のガラスフェノール樹脂を含む複合材料で作られており、0.6mの延長部も備えています。」
「より高い性能を提供するため、BOLEブースターは、現在固体ブースターに使用されているポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)推進剤ではなく、改良されたヒドロキシル末端ポリブタジエン(HTPB)推進剤を使用します。また、BOLEブースターは最大動作圧力が1330ポンド/平方インチ(絶対圧)で、RSRMVの1016psiaよりも高い値となります。これらの変更により、BOLEブースターはRSRMVの360万ポンドの推力よりも高い推力を得ることができます。」
最大の違いは、ケーシングの素材だろうな。
これは、将来(もし、SLSが延命されれば)さらに改良が加えられる。
「さらに、BOLE DM-1テストモーターのケーシングは、同社の以前のプロジェクトで使用されたIM7/T300カーボンファイバーで作られていますが、DM-2モーターをはじめとする将来のBOLEケーシングは、より新しいT1100ファイバーで作られる予定です。NASAはマージンを慎重に考慮したため、前部ドームと後部シリンダーは複合材ではなく、依然として鋼鉄製です。」
捕らぬ狸の皮算用か・・・。
「BOLEブースターは、モーターノズルの操縦に、現在の油圧式TVCシステムではなく、電子式推力ベクトル制御(TVC)機構を採用することで複雑さを軽減し、危険物質の使用を排除します。新しいシステムトンネル、改良されたブースターとコア段の取り付け・分離システム、新しい内部断熱材、その他の改良も、この新型ブースターに含まれています。」
BOLEは、突然現れたわけではなく、S社やULAと競い合う中で磨いてきた技術開発のたまものだ。
「BOLEブースターの改良は、オービタルATKが国家安全保障宇宙打ち上げ(NSSL)プログラムへの参入を競っていた際に開始された、中止されたオメガAプログラムの成果です。最終的に米国宇宙軍はスペースXのファルコンファミリーとユナイテッド・ローンチ・アライアンスのバルカンを選定し、オメガAの必要性はなくなりました。」
「OmegAプログラムは、NSSLの受賞者が発表される前に、SLSブースターと同じインフラを用いて、プロモントリー宇宙基地で固体モーターの試験まで進みました。OmegAは複合材ケーシングを使用するように設計されており、複合材ケーシングモーターはeTVCや現在BOLEに組み込まれているその他の改良点と並行して試験されました。」
転んでもただでは起きない(もちろん、開発コストは出てましたけど)。
「BOLEモーターの最初のセグメントは2024年初頭に完成し、他のセグメントは今年初めに完成しました。次のBOLEモーターは、シャトルとSLSのハードウェアを製造しているのと同じ工場インフラを使用して生産を開始します。アルテミスIVとVのレガシーブースターハードウェアも同じ建物で製造されています。」
が、まあ、おそらく、それが点火されることはないだろう。
「BOLEプログラムの将来については、トランプ政権によるNASA予算削減計画により不透明感が漂っています。この削減計画の一つには、アルテミスIIとIIIの後にSLSプログラムを終了することが含まれており、SLSブロック1Bとブロック2は飛行不可能となるでしょう。」
議会は、復活を試みているようだが、NASA長官の人事は遅れそうだ。
(NASAの暫定指導部が新たな機関構造を計画)
https://spacenews.com/nasas-acting-leadership-planning-new-agency-structure/
「上院の承認を得た長官が就任するのは来年になるかもしれない。」
来年度予算は、ショボいままになりそうだな。
(NASAは、飛行しないかもしれない新しいSLSブースターをテストしたが、先端が吹き飛んだ。)
https://arstechnica.com/space/2025/06/nasa-tested-a-new-sls-booster-that-may-never-fly-and-the-end-of-it-blew-off/
「ホワイトハウスはより安価な商業的な代替手段を優先し、同計画を中止しようとしている。」
記事では、L3ハリスに買収されたロケットダインが、RS-25を復活させた話も出て来るが割愛する(こっちは、何とか成功したみたいです)。
しかし、固体燃料ロケットの試験発射はド派手だ(アルスの記事でも、爆発の映像が見られます)。
まして、ノズルが吹っ飛ぶシーンは圧巻だし、その後も、噴出が続くというのがスゴイ!。
こんなロケットを制御して、しかもジンバル機構まで付けて飛ばすというのは至難の業だろう。
浮沈子的には、SRBといえばチャレンジャー事故のイメージから抜けられない。
(チャレンジャー号爆発事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%8F%B7%E7%88%86%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85
「体全体の分解は、右側固体燃料補助ロケット(Solid Rocket Booster、SRB)の密閉用Oリングが発進時に破損したことから始まった。」
「Oリングの破損によってそれが密閉していたSRB接続部から漏洩が生じ、固体ロケットエンジンが発生する高温・高圧の燃焼ガスが噴き出して隣接するSRB接続部材と外部燃料タンク(External Tank、ET)に悪影響を与えた。」
「この結果、右側SRBの尾部接続部分が分離すると共に外部燃料タンクの構造破壊が生じた。空気力学的な負荷により軌道船は一瞬の内に破壊された。」
なぜ、そんなことになっちまったのか。
「全ての結合部は、固体燃料の燃焼で発生した高温・高圧の燃焼ガスが正常にノズルから噴出されるよう、密封してガスの漏出を防ぐ必要がある。サイオコール社の技術者は、もしリングの温度が12℃以下になった場合、気密性を正常に保つだけの柔軟性を有するかを判断するのに十分なデータを持っていないと論じた。これが重大な懸念だったのは、Oリングが「致命度1」に指定されていたからである。これはもし主および副リングが故障した場合はバックアップはなく、その故障は軌道船や乗組員を破壊しうることを意味していた。」
「サイオコール社の主張に対するNASAの反論は、主リングが故障しても副リングが十分に密閉性を保ってくれるというものだった。だがこれは実証されたことはなかったし、またいかなる場合においても致命度1である重要部品については規定に違反する論法だった」
「致命度1である部品はバックアップに頼ることは禁止されている。」
「サイオコール社の技術者たちは、夜間の低温によりSRBの温度は危険値である4℃をまず間違いなく下回るはずだと指摘した。しかしながら、サイオコール社の幹部は彼らの主張を取り合わず、予定通り打ち上げを進めるよう勧告した。」
「後に事故調査の中で、NASA幹部は打ち上げスケジュールを維持するために安全規定をしばしば無視していた事実が明らかになった。」
まあいい。
浮沈子の妄想からは、チャレンジャーの爆発シーンは死ぬまで消えない(生中継で見てましたから:仕事中でしたけど)。
ロケットは、高出力の爆発的パワーを制御する技術の塊だ。
発電所などもそうだけれど、ロケットは移動体(しかも飛び道具)だからな。
重量制限がかかる中で、設計はシビアになる。
スペースシャトルでは、SRBは回収されていたけど、SLSは使い捨てになる。
シャトルで回収されていたにもかかわらず、Oリングの不具合についての知見は生かされなかった(以前から、損傷はあったようです)。
「後に発射時の画像を分析すると、T+0.678(発射から0.678秒後)に右側SRBの、外部燃料タンクとSRB間を連結する後部接続支柱部近くからひと吹きの黒煙が吹き出ていることが確認された。煙のわずかな噴出は、最後はT+2.733に発生していた。最後に接続支柱周辺で煙が見えたのは T+3.375 であった。後にこれらの現象は右側SRBの後部の現場接続部が開閉したことで起きたと結論づけられた。点火の圧力によってSRBの外殻が膨張し、その結果として外殻のこの金属部分が両側から曲がって分離し、開いた隙間から高温のガス(5,000°F、2,800℃)が漏れたものである。この現象はそれ以前の発射時にも発生していたが、そのたびに第一O-リングが溝から外れることによって密閉性を確保していた。SRBは元々そのように設計されてはいなかったが、結果的にうまく機能していたことになる。そのためサイオコール社は後に設計を変更し、押し出し加工と呼ばれる加工法を採用してこの機能を取り入れることにした。
だが、押し出されたリングが漏洩箇所を塞ぐまでの間、高温のガスが漏れ続け、塞がれるまでにO-リングが損傷を受ける「ブロー・バイ」(blow-by)と呼ばれる現象が起きていた。サイオコール社の技術者達によってこの現象は調査され、O-リングが受ける総損傷量は押し出しが起きるまでの時間が直接関係しているとして、当日の寒い気象条件によってO-リングが硬くなり押し出しまでの時間が延びたと結論付けた(このチャレンジャー事故以後に使用される改良型SRBの現場接続部には、ブロー・バイを緩和するために追加の噛み合い式ほぞ穴と中子、それに3番目のO-リングが設けられるようになった)。
事故当日の朝、第一O-リングは寒さによってとても硬くなっていたため密閉が間に合わなかった。第二O-リングは金属が曲がったことで正しい位置に収まってはいなかった。これによって燃焼ガスを食い止める手段は失われ、2つのO-リングは70度の角度にわたって蒸発してしまったが、固体燃料の燃焼残留物である酸化アルミニウムが損傷した結合部の穴を塞いだので、本物の炎が結合部を襲うまではこれがO-リングの機能を代行していた。」
「この機体はT+37頃から始まりその後の27秒間に、今日までのシャトル計画中に記録された最大のウインドシア(縦、または横方向の強風= ジェット気流によるもの)を何度かにわたって受けた。」
「T+58.788、追跡カメラが右側SRBの尾部接続部から煙が漏れ出し始めたのを捉えた。チャレンジャー側もヒューストン側も知らなかったが、右側のSRBの接続部の1つで大きくなった穴から高温のガスが漏れ始めていた。損傷したO-リングに代わって酸化アルミニウムが一時的に穴を塞いでいたのを、ウインドシアの力が痛めつけて、接続部を通じて噴き出る炎に対する最後の守りが奪われてしまった。もしもウインドシアが無ければ、偶然に生じた酸化物による封印はSRBの燃焼終了まで持ち堪えたかもしれない。」(以下略)
SLSでは、もう、回収して確認することもできない。
BOLEでも同じだ。
初期試験段階とはいえ、ノズルを吹っ飛ばす状況は嬉しくないだろう。
万が一、SLSプログラムが復活しても、BOLEが使われるまでには、まだ10年以上ある(アルテミス9は2040年代)。
それまでには、何とかしてもらいたいもんだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(新しいSLSブースター設計、テスト中に異常発生)
https://spacenews.com/new-sls-booster-design-suffers-anomaly-during-test/
「この試験は、新しい設計であり、これまでで最大のセグメント型固体ロケットブースターであるため、将来の開発に向けて設計を改良するための貴重なデータを提供してくれる」
わざわざ「セグメント型」と断っているのは、一体成型された固体燃料ロケットとしては、最大じゃないからだ。
(固体燃料ロケット)
https://en.wikipedia.org/wiki/Solid-propellant_rocket
「これまでに製造された最大の固体ロケットモーターは、フロリダで鋳造されたエアロジェット社の3つの6.60メートル(260インチ)のモノリシック固体モーターであった。[ 16 ]モーター260 SL-1とSL-2は、直径6.63メートル(261インチ)、長さ24.59メートル(80フィート8インチ)、重さ842,900キログラム(1,858,300ポンド)、最大推力は16MN(3,500,000ポンドf)であった。燃焼時間は2分だった。ノズルのスロートは、立ったまま歩行できるほどの大きさだった。このモーターは、8基のエンジンを搭載したサターンI液体燃料第一段の1対1の代替品として使用することが可能であったが、実際に使用されることはなかった。モーター 260 SL-3 は長さと重量は同様でしたが、最大推力は 24 MN (5,400,000 lbf) で持続時間は短くなりました。」
実際に使用されることはなかったようだから、BOLEが使われれば更新されるだろう。
ちょっと気になる情報もある。
「新しい推進剤配合を採用するなど、様々な先進技術を取り入れることで、ブースターの性能が10%以上向上し、SLSの月面ミッションで5トンのペイロードを搭載できるようになります。」
スペースXの月面ミッションでは、最大100トンのペイロードを運搬することになっていたと記憶している。
(スターシップHLS)
https://en.wikipedia.org/wiki/Starship_HLS
「月面へのペイロード
質量 100,000 kg (220,000ポンド)」
んな、20倍ものペイロードを運べるんだろうか?。
ここには、画期的なトリックがある・・・。
「このミッション計画では、スターシップ打ち上げロケットでスターシップHLSを地球周回軌道に打ち上げ、複数のスターシップタンカー宇宙船による燃料補給を受けた後、月近直線ハロー軌道(NRHO)へと加速します。」
そう、軌道上給油というやつだ。
当初、低軌道に100トン上げられれば、そこで燃料を給油して月面まで運べるという寸法なわけだ。
そもそも100トンを低軌道に上げるのが大変だがな。
(スペース・ローンチ・システム)
https://en.wikipedia.org/wiki/Space_Launch_System
「LEOへのペイロード
高度 200 km (120 マイル)
軌道傾斜角 28.5°
質量
ブロック1:95,000 kg (209,000ポンド)
ブロック1B:105,000 kg(231,000ポンド)
ブロック2:130,000 kg(290,000ポンド)」
「TLI(Trans-lunar injection:月周回軌道投入:地球を周回する低い円形の駐機軌道から月への移行を開始するために TLI を実行します。)へのペイロード
質量
ブロック1:>27,000 kg(59,500ポンド)
ブロック1B : 42,000 kg (92,500 ポンド)
ブロック2 : >46,000 kg (101,400 ポンド) 」
低軌道(200km)に130トン上げられるはずのブロック2でも、給油なしで月に送ることが出来るのは50トン程度になってしまう。
これは、TLIへ投入することが出来る重量だから、その先のことは考えていない(宇宙船(月着陸船)の重量を含んでるからな)。
月面ミッションとしては、5トンになっちまうんだろう。
軌道上給油は、桁違いの運搬能力を発揮する。
NASAは、そこに賭けたわけだ。
正解だろう。
まあ、片や試験台毎地上で爆発炎上木っ端微塵、此方ノズルが吹っ飛び木っ端微塵の後も炎上という為体だがな・・・。
😼中東情勢:イラン攻撃:現時点での評価 ― 2025年06月27日 23:35
中東情勢:イラン攻撃:現時点での評価
(米国防長官も失言、バンカーバスターの攻撃結果について誰も知らない)
https://grandfleet.info/us-related/us-secretary-of-defense-also-makes-gaffe-no-one-knows-the-outcome-of-bunker-buster-attacks/
「「攻撃結果を知っている者は誰もいない」ということは、核濃縮施設が破壊されたかどうか、遠心分離機に損傷を与えたかどうか、そこに濃縮ウランがあったのかどうかについても結論は下せず、もしフォルド核施設の地下施設が無傷ならイランが何れ公開するだろう。」(航空万能論ブログ管理人)
身も蓋もない結論だが、何しろ核濃縮施設や高濃縮ウランなど、国家機密の塊で、おまけに地下深くに設置されたり貯蔵されたりしていた話だから、そう簡単には分からないんだろうが、今現在の状況がどうなっているかは確認しておこうと思う。
「フォルド、ナタンズ、エスファハーンを含むイランの核施設攻撃は大成功を収めた」「この作戦に使用された航空機はイラン領空外に脱出して無事に帰還中だ」私は世界に今回の攻撃が目覚ましい軍事的成功であったことを報告できる」「イランの主要な核濃縮施設は完全に破壊された」(トランプ大統領)
「本当に地下深くにある核濃縮施設を破壊できたどうかは分からない」(ディフェンスメディアやアナリストら)
「濃縮ウランも遠心分離機もほぼ無傷でイランの核開発計画を数ヶ月程度遅らせただけ」(国防総省の情報機関=国防情報局(DIA)が作成した初期評価:CNN)
これは、ちょっとショックだったな(ホワイトハウスは猛反発)。
「この評価は完全に誤ったもので、評価自体も最高機密に指定されていた」「それにも関わらず情報機関の匿名な人物によってCNNにリークされてしまった」「この評価のリークはトランプ大統領を貶め、イラン攻撃任務を完璧に遂行したパイロットたちの信頼を損なわせる試みだ」(ホワイトハウスのリービット報道官:CNN)
浮沈子的に見れば、DIAの初期評価を裏付けた形だ。
攻撃は素晴らしい成功なことに間違いはない。
あんな離れ業が出来るのは、この地球上で米軍を置いて他にない。
が、その効果がどうだったかについては、未だに意見が分かれている。
「攻撃後の現場に向かったイスラエルの工作員は『施設が完全に破壊された』と話していた」「この件に関する報告書をイスラエルが作成中だ」「私は核施設が完全に破壊されたと信じている」(トランプ大統領)
「我々は攻撃後のフォルド核施設で如何なる活動も行っていない」「米国の攻撃結果についても「分析中」という立場」「核施設に対する構造的な破壊は不十分」「濃縮ウランもほぼ無傷だ」(イスラエル当局)
これに対して、ヘグセスは記者会見を開いて説明したらしい。
「この会見で専門的な部分の説明を担当した統合参謀本部議長=ケイン空軍大将の話を要約すると以下の通りになる。」
長いが、重要なので引用する。
「イラン軍はフォルド核施設への攻撃を防ぐためコンクリートでシャフトを塞ごうと試みたが、我々はコンクリートの蓋の具体的な寸法を把握していた。我々はこのシャフトを狙って攻撃を仕掛けた。バンカーバスターを2本のシャフトに6発づつ投下し、1発目はコンクリートの蓋を破壊してメインシャフトを露出させ、2発目~5発目はメインシャフトに毎秒300mを超える速度で侵入して目標空間で爆発するように、6発目は前の爆撃機やバンカーバスターが機能しなかった場合の予備として設定され、2つのメインシャフトに侵入したバンカーバスターは全て目標地点に到達した」
「ここで強調しておきたいのは統合部隊は自らの攻撃結果を評価しないという点で、これは情報機関の仕事だ。それでも今回の攻撃で我々が知っているのはバンカーバスターが適切に製造され、試験され、搭載されたこと、バンカーバスターは速度とパラメーターに従って投下されたこと、バンカーバスターは意図した目標と到達地点に誘導されたこと、バンカーバスターは設計通りに機能して爆発したことだ。この攻撃に参加したパイロット達は「今まで見た中で最も明るい爆発だった」「文字通り昼間のような明るさだった」と語っている」
「バンカーバスターは15年前にイランの地下施設=フォルドを破壊するためだけに開発されたこと」「長い時間をかけてフォルドの建設工事、工事中の天候、廃棄物、地質、建設資材、資材の産地、地下施設のありとあらゆることを調べ上げたこと」「バンカーバスターは何百回もテストを繰り返したこと」「このためだけに特別な信管を開発したこと」(ケイン空軍大将の話)
「結局のところフォルド核施設を破壊出来たのかは「分からない」という結論だった。」
「ヘグセス国防長官は「攻撃の有効性を軽視するDIAの初期評価」について「信頼できない」と指摘したが、同時に「フォルドで何が起きているのか知りたいなら、そこに大きなシャベルを持って行くべきだ。なぜなら地下には誰もいないし、状況を正確に評価できる人間もいないからで、誰もが目に見えるものでしか判断していないからだ」とも述べた」
「バンカーバスターの攻撃結果を知っている者は「誰もいない」と認めた格好だ。」
「地中の目標を攻撃するバンカーバスターの「効果確認は困難」というのは至極当然」
無理もない話なわけで、トランプの舌禍に周りは振り回されるハメになっている。
まあ、今に始まった話じゃないけどな。
やられた方のイランは何と言っているのか。
(イラン核施設に「深刻な」被害 外相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3585758?cx_amp=all&act=all
「イスラエルとの「12日間戦争」によるイラン核施設への被害は「深刻」」「イラン原子力庁の専門家が被害について詳細な評価を実施している」「現在、損害賠償の請求とその提供の必要性に関する議論は、イラン外交の重要課題の一つとなっている」「こうした被害は深刻であり、専門家による調査と政治的意思決定が同時に進められいる」(イランのアッバス・アラグチ外相)
軽微でないことは確かなようだ。
(イラン外相、来週の米国との協議を否定 核施設の被害「軽微でない」)
https://jp.reuters.com/world/security/TA7LV2HBEJJ7NP6MWLD7VOHZTM-2025-06-26/
「米国によるイランの核施設に対する攻撃については、被害は「軽微ではない」とし、関係当局が核計画の新たな現実を把握しようとしているところだと述べた。」(イランのアラグチ外相)
今のところ、イラン当局からはこの情報だけ。
いくつか、関連する話もある。
(米政権 イラン核施設からウラン移送の兆候なし)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000435396.html
「イランのフォルドゥ核施設などに対するアメリカ軍の攻撃を巡っては、イラン側が攻撃を受ける前に、核施設から濃縮ウランを別の場所へ移したと報じられています。」
「一方、ホワイトハウスのレビット報道官は26日、政権として攻撃に至るまでの数週間イランの核施設を監視し続けた結果、「濃縮ウランが移される兆候は全くなかった」として、反論しました。」
「私が確認した限り、ウランが本来あるべき場所になかったり、移されたりしたという情報はない」(ヘグセス国防長官)
(イラン核施設「稼働していない」 IAEA事務局長)
https://nordot.app/1311176219177271799?c=768367547562557440
「米軍が攻撃したイラン中部フォルドゥの地下核施設の遠心分離機は「もはや稼働していない」との認識」
「大型の特殊貫通弾(バンカーバスター)の威力に加え「遠心分離機の繊細さ」を踏まえると「被害は免れない」と説明」
「米軍の攻撃後、IAEAは現地での査察を実施していない」
「衛星写真を見て初期分析を実施」
「遠心分離機について「わずかな振動でも破損する可能性がある」と指摘」
いずれも、状況証拠や推測だけで、イランの発表にしても政治的意図が絡んでくるに決まってるから信用できない。
実際に濃縮ウランから核兵器を作り出して、砂漠の真ん中で爆発させて見せるしかないわけだ(そうなのかあ?)。
(イラン外相「IAEA訪問は受け入れない」…「核施設攻撃は条約違反」NPT脱退の可能性にも言及)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250627-OYT1T50106/
「国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長から会談を打診されていることに関して「現時点ではグロッシ氏の訪問は受け入れない」と語った。」「核施設への攻撃は核拡散防止条約(NPT)違反だ」「NPTにとどまるか脱退するかは私たちが検討する問題だ」(イランのアッバス・アラグチ外相)
確認しておこう。
米国のバンカーバスターの攻撃は、軍事的には素晴らしい成功だが、戦果の評価は未定だ。
被害を受けたイランは深刻そうな顔をして見せるけど、政治的な駆け引きの可能性もあるからな。
分からないままにしておいた方が、有利に事を運べるかもしれない。
浮沈子的には、核兵器を持たずに核大国に逆らうとどういう目に合うのかを目の当たりにした気分だ。
真実がどこにあるのか、そもそも、それが明るみに出ることがあるのかどうかも分からない。
イスラエルの空爆も、イランのミサイルも、今のところは収まっている。
多くの死傷者は出たけど、バンカーバスターなどでとりあえずドンパチは終息した。
その戦果がどうあれ、休戦できたことの方が100倍重要だ。
とりあえずは、それで十分な気もする・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(イラン核施設爆撃、1カ所にバンカーバスター使用せず 標的の深さが理由と米軍制服組トップ)
https://www.cnn.co.jp/usa/35234859.html
「米軍のB2爆撃機は10発以上のバンカーバスターをイランのフォルドゥ、ナタンズの両核施設に投下した。しかしイスファハンの核施設に対する攻撃は、潜水艦から発射した巡航ミサイル「トマホーク」によるもののみ」
「当該の核施設があまりにも地中深くにあり、爆弾が効果を発揮しない公算が大きかったからだという。 軍の制服組トップが連邦議会上院議員への26日の説明で明らかにした。」
攻撃の評価ではないけど、そもそもバンカーバスターを投下しなかった施設があったことが明白になった。
問題は、そこに何があったかだな。
「情報機関の評価として、イランの濃縮核物質の大半はイスファハンとフォルドゥの地下にあるとの見方」(ラトクリフ中央情報局(CIA)長官)
「26日に行われた機密の説明を受け、共和党議員らは、米軍の攻撃がイランの持つ核物質全てを消滅させたわけではない可能性があることを認めた。」
「任務の目的は、イランが進める核開発プログラムの特定の側面を排除することで、それらは実際に排除された。核物質を取り除くことは任務に含まれていなかった」(共和党のグレッグ・マーフィー下院議員)
「イランが入り口を封鎖した時点で(高濃度ウランの)備蓄が依然トンネル内にあったとしても、現時点では備蓄は別の場所にあるのかもしれない」(米ミドルベリー国際大学院の教授で兵器の専門家、ジェフリー・ルイス氏)
既に、イランは攻撃を免れた高濃縮ウランを移送して、次なるステップへ踏み出し始めているかも知れない。
米国のお役所は、政権に忠実だからな。
CIAとかは、その最たるもんだろう。
いずれにしても、爆撃の評価はこれからだ。
イランの出方を読むうえでも重要だが、再爆撃を公言しているトランプの出方にも注目だ。
現時点では、イランはIAEAの査察を拒否している。
爆撃の評価を国際機関にやらせれば、世間の批判をかわすことも可能だからな。
イランが拒否しているのは、政治的なもんだろうけど当然と言えば当然かもな。
兵器開発に向かって驀進するなら、騙しっこしても意味はない。
この記事で明らかになった重要な点は、米軍が事前評価してバンカーバスターが効かないと判断した施設をイランが運用しているという点だ(今でもな)。
それは、イスファハンだけに限らないだろう(未確認)。
今回の爆撃は、バンカーバスターの限界を露呈してしまった。
イランはバカじゃない(そうなのかあ?)。
(イラン核開発に「深刻な打撃」、CIAが証拠ありと主張 米空爆の検証続く)
https://www.cnn.co.jp/usa/35234772.html
「米当局者らは、イラン国内に他にも秘密の核施設が複数カ所存在し、それらは今回の攻撃で標的になることもなく依然として稼働中だとみている。」
「もう一つの重要な疑問は、米軍の爆弾投下までにイランが高濃度ウランの備蓄を当該の施設から移していたのかどうかだ。少なくともフォルドゥにある核施設に関して、トランプ氏は攻撃を検討していることを事前に公言していた。」
「この問題を提起したある有力な米議員は、「イラン人は馬鹿ではない」と発言。備蓄の移動が行われていた可能性を示唆」
真実がどこにあるのか、それが明かされることはあるのか。
確かなことはただ一つ。
トランプの脊髄反射的発言は、100歩下がって聞くべきだろうな・・・。
(米国防長官も失言、バンカーバスターの攻撃結果について誰も知らない)
https://grandfleet.info/us-related/us-secretary-of-defense-also-makes-gaffe-no-one-knows-the-outcome-of-bunker-buster-attacks/
「「攻撃結果を知っている者は誰もいない」ということは、核濃縮施設が破壊されたかどうか、遠心分離機に損傷を与えたかどうか、そこに濃縮ウランがあったのかどうかについても結論は下せず、もしフォルド核施設の地下施設が無傷ならイランが何れ公開するだろう。」(航空万能論ブログ管理人)
身も蓋もない結論だが、何しろ核濃縮施設や高濃縮ウランなど、国家機密の塊で、おまけに地下深くに設置されたり貯蔵されたりしていた話だから、そう簡単には分からないんだろうが、今現在の状況がどうなっているかは確認しておこうと思う。
「フォルド、ナタンズ、エスファハーンを含むイランの核施設攻撃は大成功を収めた」「この作戦に使用された航空機はイラン領空外に脱出して無事に帰還中だ」私は世界に今回の攻撃が目覚ましい軍事的成功であったことを報告できる」「イランの主要な核濃縮施設は完全に破壊された」(トランプ大統領)
「本当に地下深くにある核濃縮施設を破壊できたどうかは分からない」(ディフェンスメディアやアナリストら)
「濃縮ウランも遠心分離機もほぼ無傷でイランの核開発計画を数ヶ月程度遅らせただけ」(国防総省の情報機関=国防情報局(DIA)が作成した初期評価:CNN)
これは、ちょっとショックだったな(ホワイトハウスは猛反発)。
「この評価は完全に誤ったもので、評価自体も最高機密に指定されていた」「それにも関わらず情報機関の匿名な人物によってCNNにリークされてしまった」「この評価のリークはトランプ大統領を貶め、イラン攻撃任務を完璧に遂行したパイロットたちの信頼を損なわせる試みだ」(ホワイトハウスのリービット報道官:CNN)
浮沈子的に見れば、DIAの初期評価を裏付けた形だ。
攻撃は素晴らしい成功なことに間違いはない。
あんな離れ業が出来るのは、この地球上で米軍を置いて他にない。
が、その効果がどうだったかについては、未だに意見が分かれている。
「攻撃後の現場に向かったイスラエルの工作員は『施設が完全に破壊された』と話していた」「この件に関する報告書をイスラエルが作成中だ」「私は核施設が完全に破壊されたと信じている」(トランプ大統領)
「我々は攻撃後のフォルド核施設で如何なる活動も行っていない」「米国の攻撃結果についても「分析中」という立場」「核施設に対する構造的な破壊は不十分」「濃縮ウランもほぼ無傷だ」(イスラエル当局)
これに対して、ヘグセスは記者会見を開いて説明したらしい。
「この会見で専門的な部分の説明を担当した統合参謀本部議長=ケイン空軍大将の話を要約すると以下の通りになる。」
長いが、重要なので引用する。
「イラン軍はフォルド核施設への攻撃を防ぐためコンクリートでシャフトを塞ごうと試みたが、我々はコンクリートの蓋の具体的な寸法を把握していた。我々はこのシャフトを狙って攻撃を仕掛けた。バンカーバスターを2本のシャフトに6発づつ投下し、1発目はコンクリートの蓋を破壊してメインシャフトを露出させ、2発目~5発目はメインシャフトに毎秒300mを超える速度で侵入して目標空間で爆発するように、6発目は前の爆撃機やバンカーバスターが機能しなかった場合の予備として設定され、2つのメインシャフトに侵入したバンカーバスターは全て目標地点に到達した」
「ここで強調しておきたいのは統合部隊は自らの攻撃結果を評価しないという点で、これは情報機関の仕事だ。それでも今回の攻撃で我々が知っているのはバンカーバスターが適切に製造され、試験され、搭載されたこと、バンカーバスターは速度とパラメーターに従って投下されたこと、バンカーバスターは意図した目標と到達地点に誘導されたこと、バンカーバスターは設計通りに機能して爆発したことだ。この攻撃に参加したパイロット達は「今まで見た中で最も明るい爆発だった」「文字通り昼間のような明るさだった」と語っている」
「バンカーバスターは15年前にイランの地下施設=フォルドを破壊するためだけに開発されたこと」「長い時間をかけてフォルドの建設工事、工事中の天候、廃棄物、地質、建設資材、資材の産地、地下施設のありとあらゆることを調べ上げたこと」「バンカーバスターは何百回もテストを繰り返したこと」「このためだけに特別な信管を開発したこと」(ケイン空軍大将の話)
「結局のところフォルド核施設を破壊出来たのかは「分からない」という結論だった。」
「ヘグセス国防長官は「攻撃の有効性を軽視するDIAの初期評価」について「信頼できない」と指摘したが、同時に「フォルドで何が起きているのか知りたいなら、そこに大きなシャベルを持って行くべきだ。なぜなら地下には誰もいないし、状況を正確に評価できる人間もいないからで、誰もが目に見えるものでしか判断していないからだ」とも述べた」
「バンカーバスターの攻撃結果を知っている者は「誰もいない」と認めた格好だ。」
「地中の目標を攻撃するバンカーバスターの「効果確認は困難」というのは至極当然」
無理もない話なわけで、トランプの舌禍に周りは振り回されるハメになっている。
まあ、今に始まった話じゃないけどな。
やられた方のイランは何と言っているのか。
(イラン核施設に「深刻な」被害 外相)
https://www.afpbb.com/articles/-/3585758?cx_amp=all&act=all
「イスラエルとの「12日間戦争」によるイラン核施設への被害は「深刻」」「イラン原子力庁の専門家が被害について詳細な評価を実施している」「現在、損害賠償の請求とその提供の必要性に関する議論は、イラン外交の重要課題の一つとなっている」「こうした被害は深刻であり、専門家による調査と政治的意思決定が同時に進められいる」(イランのアッバス・アラグチ外相)
軽微でないことは確かなようだ。
(イラン外相、来週の米国との協議を否定 核施設の被害「軽微でない」)
https://jp.reuters.com/world/security/TA7LV2HBEJJ7NP6MWLD7VOHZTM-2025-06-26/
「米国によるイランの核施設に対する攻撃については、被害は「軽微ではない」とし、関係当局が核計画の新たな現実を把握しようとしているところだと述べた。」(イランのアラグチ外相)
今のところ、イラン当局からはこの情報だけ。
いくつか、関連する話もある。
(米政権 イラン核施設からウラン移送の兆候なし)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000435396.html
「イランのフォルドゥ核施設などに対するアメリカ軍の攻撃を巡っては、イラン側が攻撃を受ける前に、核施設から濃縮ウランを別の場所へ移したと報じられています。」
「一方、ホワイトハウスのレビット報道官は26日、政権として攻撃に至るまでの数週間イランの核施設を監視し続けた結果、「濃縮ウランが移される兆候は全くなかった」として、反論しました。」
「私が確認した限り、ウランが本来あるべき場所になかったり、移されたりしたという情報はない」(ヘグセス国防長官)
(イラン核施設「稼働していない」 IAEA事務局長)
https://nordot.app/1311176219177271799?c=768367547562557440
「米軍が攻撃したイラン中部フォルドゥの地下核施設の遠心分離機は「もはや稼働していない」との認識」
「大型の特殊貫通弾(バンカーバスター)の威力に加え「遠心分離機の繊細さ」を踏まえると「被害は免れない」と説明」
「米軍の攻撃後、IAEAは現地での査察を実施していない」
「衛星写真を見て初期分析を実施」
「遠心分離機について「わずかな振動でも破損する可能性がある」と指摘」
いずれも、状況証拠や推測だけで、イランの発表にしても政治的意図が絡んでくるに決まってるから信用できない。
実際に濃縮ウランから核兵器を作り出して、砂漠の真ん中で爆発させて見せるしかないわけだ(そうなのかあ?)。
(イラン外相「IAEA訪問は受け入れない」…「核施設攻撃は条約違反」NPT脱退の可能性にも言及)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250627-OYT1T50106/
「国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長から会談を打診されていることに関して「現時点ではグロッシ氏の訪問は受け入れない」と語った。」「核施設への攻撃は核拡散防止条約(NPT)違反だ」「NPTにとどまるか脱退するかは私たちが検討する問題だ」(イランのアッバス・アラグチ外相)
確認しておこう。
米国のバンカーバスターの攻撃は、軍事的には素晴らしい成功だが、戦果の評価は未定だ。
被害を受けたイランは深刻そうな顔をして見せるけど、政治的な駆け引きの可能性もあるからな。
分からないままにしておいた方が、有利に事を運べるかもしれない。
浮沈子的には、核兵器を持たずに核大国に逆らうとどういう目に合うのかを目の当たりにした気分だ。
真実がどこにあるのか、そもそも、それが明るみに出ることがあるのかどうかも分からない。
イスラエルの空爆も、イランのミサイルも、今のところは収まっている。
多くの死傷者は出たけど、バンカーバスターなどでとりあえずドンパチは終息した。
その戦果がどうあれ、休戦できたことの方が100倍重要だ。
とりあえずは、それで十分な気もする・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(イラン核施設爆撃、1カ所にバンカーバスター使用せず 標的の深さが理由と米軍制服組トップ)
https://www.cnn.co.jp/usa/35234859.html
「米軍のB2爆撃機は10発以上のバンカーバスターをイランのフォルドゥ、ナタンズの両核施設に投下した。しかしイスファハンの核施設に対する攻撃は、潜水艦から発射した巡航ミサイル「トマホーク」によるもののみ」
「当該の核施設があまりにも地中深くにあり、爆弾が効果を発揮しない公算が大きかったからだという。 軍の制服組トップが連邦議会上院議員への26日の説明で明らかにした。」
攻撃の評価ではないけど、そもそもバンカーバスターを投下しなかった施設があったことが明白になった。
問題は、そこに何があったかだな。
「情報機関の評価として、イランの濃縮核物質の大半はイスファハンとフォルドゥの地下にあるとの見方」(ラトクリフ中央情報局(CIA)長官)
「26日に行われた機密の説明を受け、共和党議員らは、米軍の攻撃がイランの持つ核物質全てを消滅させたわけではない可能性があることを認めた。」
「任務の目的は、イランが進める核開発プログラムの特定の側面を排除することで、それらは実際に排除された。核物質を取り除くことは任務に含まれていなかった」(共和党のグレッグ・マーフィー下院議員)
「イランが入り口を封鎖した時点で(高濃度ウランの)備蓄が依然トンネル内にあったとしても、現時点では備蓄は別の場所にあるのかもしれない」(米ミドルベリー国際大学院の教授で兵器の専門家、ジェフリー・ルイス氏)
既に、イランは攻撃を免れた高濃縮ウランを移送して、次なるステップへ踏み出し始めているかも知れない。
米国のお役所は、政権に忠実だからな。
CIAとかは、その最たるもんだろう。
いずれにしても、爆撃の評価はこれからだ。
イランの出方を読むうえでも重要だが、再爆撃を公言しているトランプの出方にも注目だ。
現時点では、イランはIAEAの査察を拒否している。
爆撃の評価を国際機関にやらせれば、世間の批判をかわすことも可能だからな。
イランが拒否しているのは、政治的なもんだろうけど当然と言えば当然かもな。
兵器開発に向かって驀進するなら、騙しっこしても意味はない。
この記事で明らかになった重要な点は、米軍が事前評価してバンカーバスターが効かないと判断した施設をイランが運用しているという点だ(今でもな)。
それは、イスファハンだけに限らないだろう(未確認)。
今回の爆撃は、バンカーバスターの限界を露呈してしまった。
イランはバカじゃない(そうなのかあ?)。
(イラン核開発に「深刻な打撃」、CIAが証拠ありと主張 米空爆の検証続く)
https://www.cnn.co.jp/usa/35234772.html
「米当局者らは、イラン国内に他にも秘密の核施設が複数カ所存在し、それらは今回の攻撃で標的になることもなく依然として稼働中だとみている。」
「もう一つの重要な疑問は、米軍の爆弾投下までにイランが高濃度ウランの備蓄を当該の施設から移していたのかどうかだ。少なくともフォルドゥにある核施設に関して、トランプ氏は攻撃を検討していることを事前に公言していた。」
「この問題を提起したある有力な米議員は、「イラン人は馬鹿ではない」と発言。備蓄の移動が行われていた可能性を示唆」
真実がどこにあるのか、それが明かされることはあるのか。
確かなことはただ一つ。
トランプの脊髄反射的発言は、100歩下がって聞くべきだろうな・・・。
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